第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第2四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。

 

(1)経営成績の分析

 2021年第2四半期の世界経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、依然として厳しい状況にあります。ワクチン接種が進んできたことで経済活動が徐々に再開されてきた一方で、新規感染者数が再び増加に転じたことに加え、世界的な半導体の供給不足の影響などもあり、全体として先行きに対する不透明感が高まる中で推移しました。工業部門では、インダストリアル事業は世界的な経済活動が持ち直してきたことを受けて産業ガスやLNG向け設備投資が動き始めており、海洋環境規制の高まりを背景とした船舶向けLNG燃料供給システムの受注が大幅に拡大しています。一方、航空宇宙事業は人の移動の再開に伴い民間航空機需要が回復し始めてきたことで製品出荷は徐々に回復する兆しが見えてきましたが、コロナ禍前の業績水準までの回復には今暫くの時間を要する見通しです。医療部門では、国内の血液透析装置の需要が引き続き活発に推移し、海外市場でも装置需要の回復が見られることから、前年同期比で売上収益が増加しています。

 当第2四半期連結累計期間において、当社の連結子会社に対する法人所得税について、税務当局からの更正による追徴請求を受けたことに伴い、1,726百万円を法人所得税費用として計上したため、親会社の所有者に帰属する四半期利益が減少しました。当社グループとしては審査請求を含め正当性を主張してまいります。

 この結果、当第2四半期連結累計期間の当社グループ業績は、受注高 94,055百万円(前年同期比22.0%増)、売上収益 77,578百万円(同3.7%増)、営業利益 3,584百万円(同13.9%減)、税引前利益 4,120百万円(同6.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益 754百万円(同73.5%減)となりました。

 

 セグメントの業績を示すと、次のとおりです。

 

工 業 部 門

 

 工業部門は、産業用ポンプ・コンプレッサー・発電プラント向け水質調整装置・電子部品製造関連装置等を手掛けるインダストリアル事業、民間航空機向け炭素繊維強化樹脂(CFRP)成形品等を手掛ける航空宇宙事業、及び深紫外線LED事業で構成しています。

 

<インダストリアル事業>

 コロナ禍後を見据えた世界的な経済活動の再開の流れの中で、エネルギー業界の設備投資意欲が回復傾向にあり、海外からの受注、引合いが活発となってきました。

 米国のCryogenic Industriesグループを中核とする産業ガス・LNG関連事業のClean Energy&Industrial Gasグループ(CE&IGグループ)は足元では新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるLNG関連施設プロジェクトの延期や見直し等もあり前年同期比で減収減益となりましたが、脱炭素社会への移行に向けた取組みが世界的に加速している中、LNGは移行エネルギーとして中長期的な需要は底堅く、また海洋における環境規制の強化を受けLNG動力船・運搬船向け受注が大きく拡大しています。一方、石油化学関連市場を強みとするLEWA社は、従来、原油・ガス採掘など上流分野を強みとしていましたが、下流分野やアフターセールスの強化など事業ポートフォリオの転換なども奏功し、足元では上流分野向け受注の落ち込みを下流分野となる石油化学市場の好調や、アフターセールス事業の伸長が下支えし、LEWA社全体では概ね前年同期並みで推移しました。

 インダストリアル事業全体では、市場環境の好転から受注額は大きく拡大していますが、宮崎インダストリアル工場稼働に伴う減価償却費等経費の増加が影響し減収減益となりました。その他、電子部品製造機器事業は、5G関連、電気自動車向け需要は右肩上がりで伸長しており、MLCC向け装置の受注は好調に推移しています。

 

(※Clean Energy&Industrial Gasグループ(CE&IGグループ)とは、2021年4月1日にCryogenic IndustriesグループがLNG向け大型クライオジェニックポンプを扱う米国ラスベガスの当社連結子会社Nikkiso Cryo, Inc.を子会社化、組織改編し、グループとしての呼称を命名したものです。)

 

<航空宇宙事業>

 新型コロナウイルス感染症による移動制限の長期化に伴い航空機需要が減退していますが、足元では世界的にワクチン接種が進み人の移動の再開とともに航空機需要も回復の兆しが見えてきました。しかしながら顧客在庫が過剰となっていることもあり、部品製造の回復までは時間を要すると見込まれ、事業環境は依然厳しい状況が続くものと見ています。

 こうした厳しい環境の中、当社グループでは既存の航空機部品製造にとどまらず、航空機メーカーと共同で次世代機用の材料や製法開発を進めるとともに、次世代交通手段eVTOLや水素を燃料とする航空機の実用化といった新市場創出へ向けた取組みも開始しています。

 今後、2021年度中には国内の生産機能を宮崎に完全集約するなどコスト削減や生産効率化を進め収益力改善を目指すとともに、将来の需要回復を見据えた研究開発の推進、宮崎・ベトナムにおける生産体制の再構築等事業体質の強化を図っていきます。

 

 以上の結果、工業部門の受注高は57,789百万円(前年同期比28.2%増)、売上収益は43,458百万円(同0.2%減)、セグメント利益は2,190百万円(同22.6%減)となりました。

 

医 療 部 門

 

<メディカル事業>

 メディカル事業は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、国内外ともに医療機関の訪問制限が厳しく営業活動の制約を受けています。そうした中、国内血液透析市場においては、2019年から販売している主力の高機能血液透析装置の評価が高く、また感染症対策として病室や個室での透析治療の需要が急速に高まったこともあって装置販売が好調に推移しました。また、当社血液透析装置との組み合わせで付加価値を提供できる血液回路や粉末型人工腎臓透析用剤など消耗品の販売も堅調です。海外市場では、新型コロナウイルス感染症拡大による市場悪化からの回復が見られる欧州、アジアにおいて血液透析装置の需要が戻り始めており、前年同期比で販売が増加しました。

 国内・海外市場ともに当第1四半期の好調を継続し売上収益は着実に拡大していますが、各国許認可対応費用など諸経費が一時的に増加する結果となりました。

CRRT(急性血液浄化療法)事業は、新型コロナウイルス感染症による急性腎障害対応へのニーズの高まりを受け、主力の中国市場における装置販売が堅調に推移した他、消耗品販売が伸長し、前年同期並みの業績を確保しました。

 深紫外線LED技術を活用したヘルスケア事業は、製品ラインアップ拡充を図るとともに海外市場展開に向けた準備を進めています。当第2四半期連結累計期間においては、他社類似製品も多く競争環境が激化しているため、当初計画に比し売上収益が伸び悩む結果となりましたが、多様な業界の大手事業者からの応用開発の引合いなど需要は継続しており、引き続き当社深紫外線LED技術の優位性を市場に訴求、浸透させていくための取組みを着実に続けてまいります。

 以上の結果、医療部門の受注高は37,433百万円(前年同期比16.7%増)、売上収益は35,463百万円(同13.2%増)、セグメント利益は3,406百万円(同8.2%増)となりました。

 

 

(2)財政状態の分析

 当第2四半期連結会計期間末の資産合計は290,161百万円となり、前連結会計年度末に比べて17,266百万円増加しました。有形固定資産の増加が主な要因です。

 当第2四半期連結会計期間末の負債合計は196,026百万円となり、前連結会計年度末に比べて11,310百万円増加しました。借入金の増加が主な要因です。

 当第2四半期連結会計期間末の資本合計は94,135百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,955百万円増加しました。在外営業活動体の換算差額の影響が主な要因です。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

 当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて1,917百万円増加し、30,487百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは+6,070百万円となりました。税引前四半期利益の計上が主な要因です。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当第2四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは△8,844百万円となりました。有形固定資産の取得による支出が主な要因です。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当第2四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは+3,197百万円となりました。借入れによる収入が借入金の返済による支出を上回ったことが主な要因です。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(6)研究開発活動

 当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1,223百万円です。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。