第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。

 

(1)経営成績の分析

 2021年第3四半期の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大のなかにおいてもワクチンの普及とともに経済活動が段階的に再開されたことで、全体としては回復基調となりました。一方、原油・天然ガスなどの資源価格の上昇に加え、経済活動の再開を受けた需要の急増によって半導体など部材不足や国際的な物流網の停滞などによるサプライチェーンの混乱と調達や物流コストの高騰などもあり、先行きに対しては不透明感が増すなかで推移しました。

 工業部門では、インダストリアル事業は先進国を中心とした経済活動の再開で、産業ガスやLNG向け設備投資が動き始めており、海洋環境規制の高まりを背景とした船舶向けLNG燃料供給システムの受注が大幅に拡大しています。一方、航空宇宙事業は人の移動の再開に伴い民間航空機需要が回復し始めてきたことで製品出荷は徐々に回復していますが、コロナ禍前の業績水準までの回復には依然として時間を要する見通しです。医療部門では、国内の血液透析装置の需要が引き続き活発に推移し、海外市場でも装置需要の回復が見られた一方、在ベトナムホーチミンの当社血液回路工場では、2021年6月末以降新型コロナウイルス感染症蔓延による当局の指示により工場稼働の制限を余儀なくされており、稼働率は徐々に回復してきたものの、緊急対応による追加支出に加え、当社各種製品の部材コストや物流費の高騰の収束の見通しは不透明な状況にあり収益性の悪化が懸念されます。

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間の当社グループ業績は、受注高 136,977百万円(前年同期比20.7%増)、売上収益 118,770百万円(同6.3%増)、営業利益 4,183百万円(同29.3%減)、税引前利益 4,647百万円(同15.1%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益 983百万円(同76.9%減)となりました。

 

 セグメントの業績を示すと、次のとおりです。

 

工 業 部 門

 

 工業部門は、産業用ポンプ・コンプレッサー・発電プラント向け水質調整装置・電子部品製造関連装置等を手掛けるインダストリアル事業、民間航空機向け炭素繊維強化樹脂(CFRP)成形品等を手掛ける航空宇宙事業、及び深紫外線LED事業で構成しています。

 

<インダストリアル事業>

 経済活動の段階的な再開に伴い、原油・天然ガスの価格は上昇傾向にあり、エネルギー業界の設備投資意欲が回復傾向となり、海外からの受注、引合いは活発となってきました。また、LNGは移行エネルギーとして中長期的な需要は底堅く、石油化学市場も中国などが依然活況を見せています。

 産業ガス・LNG関連事業のClean Energy&Industrial Gasグループ(CE&IGグループ)は、脱炭素社会への移行に向けた取組みが世界的に加速している中、海洋における環境規制の強化を受けLNG動力船・運搬船向け受注が大きく拡大しています。足元では米国のサプライチェーンの停滞に起因するプロジェクトの進捗遅れなどによる売上収益の減少に加えて、大規模受注に伴う体制強化等の追加経費支出により前年同期比で減収減益となりました。一方、LEWA社は、上流分野向けの売上収益の落ち込みがあるものの、下流分野やアフターセールスの強化など事業ポートフォリオの転換が奏功しており、石油化学市場向けの販売好調や、アフターセールス事業の下支えにより、LEWA社全体では減収となるも前年並みの営業利益を維持しています。

 インダストリアル事業全体では、市場環境の好転から受注額は大きく拡大していますが、宮崎インダストリアル工場稼働に伴う減価償却費の増加等が影響し減収減益となりました。その他、電子部品製造機器事業は、スマートフォンや電気自動車向け需要が右肩上がりで伸長しており、MLCC向け装置の受注は好調に推移しています。

 脱炭素社会の到来を見据えた事業領域の創出も着実に進展しています。2021年11月5日に発表しました「米国カリフォルニア州の水素事業会社への出資に関するお知らせ」の通り、CE&IGグループは米国カリフォルニア州で水素ステーションの開発ならびに運営を手掛ける同業界最大手のFirstElement Fuel, Inc.(ファーストエレメントフューエル)へ出資を実施しました。出資を通じて、乗用車、商用車用の水素ステーションインフラ整備への協業関係を深め、同国水素ステーション市場への参入を進めます。将来的には、米国カリフォルニア州での導入実績を基に、日本を始めとしたグローバル市場への展開も視野に入れ、更なるビジネス拡大を目指してまいります。

 

<航空宇宙事業>

 世界的なワクチン普及に伴い、人の移動の再開とともに、航空機需要も回復の兆しが見えてきました。しかしながら顧客在庫が過剰となっていることもあり、部品製造の回復までには更に時間を要すると見込まれ、事業環境は依然厳しい状況が続くものと見ています。

 こうした厳しい環境の中、当社グループでは既存の航空機部品製造にとどまらず、航空機メーカーと共同で次世代機用の材料や製法開発を進めるとともに、次世代交通手段eVTOLや水素を燃料とする航空機の実用化といった新市場創出へ向けた取組みも開始しています。

 事業基盤については、国内生産機能の宮崎への集約は計画通り完了し、今後、収益力改善に向けたコスト削減や生産効率化を更に進めるとともに、将来の需要回復に向けた研究開発の推進、宮崎・ベトナムにおける生産体制の再構築等、事業体質の強化を引き続き図ってまいります。

 

 以上の結果、工業部門の受注高は82,963百万円(前年同期比26.4%増)、売上収益は67,222百万円(同2.8%増)、セグメント利益は2,916百万円(同23.4%減)となりました。

 

医 療 部 門

 

<メディカル事業>

 メディカル事業は、国内血液透析市場において、2019年から販売している主力の高機能血液透析装置の評価が高く、また感染症対策として病室や個室での透析治療の需要が急速に高まったこともあって装置販売が好調に推移しました。また、当社血液透析装置との組み合わせにより付加価値を提供できる血液回路や粉末型人工腎臓透析用剤など消耗品の販売も引き続き堅調です。海外市場では、新型コロナウイルス感染症拡大による血液透析装置の需要停滞からの回復が見られる欧州を中心に、前年同期比で装置販売が増加しました。

 国内・海外市場ともに売上収益は着実に拡大していますが、費用については、一過性の各国許認可対応費用に加えて、研究開発費、米国市場本格進出に向けた体制構築費など先行投資が増加する結果となりました。加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大による世界的なサプライチェーンの混乱と停滞は、部材不足や部材調達費、物流費の高騰をもたらしており、事業環境は引き続き不透明な状況です。当社においても在ベトナムホーチミンの血液回路工場では、当局による感染拡大防止に向けた規制強化によって、6月末から稼働の制限を余儀なくされ、現在もフル稼働の状況には至っておらず、不足数量確保に向けた代替製品の調達や緊急輸送費用といった追加支出が発生しています。こうした中、透析医療の生命線ともなる血液回路の供給者としての責務を全うしていくため、当社連結子会社である宮崎日機装に血液回路工場を建設し、製造プロセスの自動化と効率化を行うことで、国内市場へ高品質な製品を安定供給できる体制を構築することを決定しました。

 深紫外線LED技術を活用したヘルスケア事業は、据置型商品のラインアップ拡充やキャンペーンの実施などにより販売活動を強化してきましたが、ワクチンが普及するなかで他社類似製品も多く競争環境が激化しているため、前年並みの売上収益にとどまりました。一方、当社深紫外線LEDの技術・機能を設備に組み込むなど多様な業界の事業者との協業による応用開発の引き合いは継続しており、当社深紫外線LED技術の優位性を市場に訴求、浸透させていくための取組みを着実に続けてまいります。

 以上の結果、医療部門の受注高は55,424百万円(前年同期比15.5%増)、売上収益は53,324百万円(同14.8%増)、セグメント利益は4,402百万円(同9.0%減)となりました。

 

 

(2)財政状態の分析

 当第3四半期連結会計期間末の資産合計は296,432百万円となり、前連結会計年度末に比べて23,537百万円増加しました。たな卸資産及び有形固定資産の増加が主な要因です。

 当第3四半期連結会計期間末の負債合計は202,966百万円となり、前連結会計年度末に比べて18,251百万円増加しました。借入金の増加が主な要因です。

 当第3四半期連結会計期間末の資本合計は93,465百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,286百万円増加しました。在外営業活動体の換算差額の影響が主な要因です。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

 当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて5,911百万円増加し、34,481百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは+4,955百万円となりました。税引前四半期利益の計上が主な要因です。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当第3四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは△10,135百万円となりました。有形固定資産の取得による支出が主な要因です。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当第3四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは+9,632百万円となりました。借入れによる収入が借入金の返済による支出を上回ったことが主な要因です。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(6)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1,951百万円です。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。