当社グループは、当連結会計年度よりIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値もIFRSベースに組み替えて比較分析を行っています。
(1) 業績
当連結会計年度の自動車業界を取り巻く事業環境は、北米、欧州、中国といった大規模市場において、新車販売台数が増加したことにより、世界全体としては堅調に推移しました。国内においても、小型車を中心に新型車や改良車の販売が好調となり、前年度を上回る販売台数となりました。
住生活関連業界では、日銀のマイナス金利政策等を受けた低金利の長期化などが追い風となり、新設住宅着工件数が増加するなど、個人消費に底堅い動きがみられました。
このような状況の中、当社グループは「真の競争力を身につけ、新たな価値を提案できる元気な会社」をめざし、グループ競争力の強化、革新的な技術開発、ものづくり力の強化など競争力強化に向けた取り組みを推進しました。
売上収益については、オートマチックトランスミッションや車体部品の販売が世界的に好調であったことや、シロキ工業株式会社を完全子会社化したことなどにより、前連結会計年度(3兆2,459億円)に比べ9.8%増の3兆5,626億円と過去最高の売上となりました。
利益については、熊本地震に伴う復旧費用や為替差損などの減益要因があったものの、売上増、原価改善など収益体質強化活動の成果や、シロキ工業株式会社の株式交換差益などにより、営業利益は前連結会計年度(1,927億円)に比べ18.7%増の2,286億円と過去最高益となりました。なお、税引前利益は前連結会計年度(1,940億円)に比べ22.3%増の2,373億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度(1,003億円)に比べ26.2%増の1,266億円といずれも過去最高益となりました。
セグメントの業績は、次のとおりです。
① アイシン精機グループ
車体部品の販売が世界的に好調であったことや、シロキ工業株式会社を完全子会社化したことなどにより、売上収益は前連結会計年度(1兆5,030億円)に比べ9.2%増の1兆6,419億円となりました。営業利益は熊本地震に伴う復旧費用や為替差損などの減益要因があったものの、売上増、原価改善など収益体質強化活動の成果や、シロキ工業株式会社の株式交換差益などにより、前連結会計年度(708億円)に比べ13.7%増の805億円となりました。
② アイシン高丘グループ
為替変動の影響などにより、売上収益は前連結会計年度(2,759億円)に比べ1.0%減の2,730億円となりました。営業利益は原材料価格の高騰や、減価償却費などの費用増加があったものの、収益体質強化活動の成果などにより、前連結会計年度(88億円)に比べ39.6%増の123億円となりました。
③ アイシン・エィ・ダブリュグループ
海外への拡販活動の成果などにより、オートマチックトランスミッションの販売が世界的に好調であったことから、売上収益は前連結会計年度(1兆2,766億円)に比べ12.1%増の1兆4,311億円となりました。営業利益は研究開発費などの費用増加や、為替差損などの減益要因があったものの、売上増、原価改善など収益体質強化活動の成果などにより、前連結会計年度(1,010億円)に比べ21.7%増の1,229億円となりました。
④ アドヴィックスグループ
国内外の得意先の生産台数増加などにより、売上収益は前連結会計年度(5,516億円)に比べ0.7%増の5,554億円となりました。営業利益は収益体質強化活動の成果があったものの、為替差損などの減益要因により、前連結会計年度(92億円)に比べ33.7%減の61億円となりました。
⑤ その他
国内外の得意先の生産台数増加などにより、売上収益は前連結会計年度(1,985億円)に比べ2.3%増の2,030億円となり、営業利益は前連結会計年度(39億円)に比べ42.7%増の56億円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況について、現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、営業活動により3,948億円の増加、投資活動により2,291億円の減少、財務活動により316億円の減少、現金及び現金同等物に係る換算差額により27億円の減少の結果、当連結会計年度末には3,945億円となり、前連結会計年度末(2,632億円)に比べ1,313億円(49.9%)の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、前連結会計年度(2,941億円)に比べ1,006億円(34.2%)増加し、3,948億円となりました。これは、営業債権及びその他の債権の増減額が403億円減少したことや、営業債務及びその他の債務の増減額が354億円増加したことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、前連結会計年度(2,284億円)に比べ6億円(0.3%)増加し、2,291億円となりました。これは、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入が175億円増加したものの、定期預金等の増減額が119億円増加したことや、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が83億円増加したことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、前連結会計年度(881億円)に比べ565億円(64.1%)減少し、316億円となりました。これは、自己株式の取得による支出が490億円増加したものの、借入れとその返済による収支が580億円増加したことや、社債の発行とその償還による収支が400億円増加したことなどによります。
(3)並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表及びIFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりです。
なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けていません。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (2016年3月31日) |
当連結会計年度 (2017年3月31日) |
|
資産の部 |
|
|
|
流動資産 |
1,214,139 |
1,459,841 |
|
固定資産 |
|
|
|
有形固定資産 |
1,064,433 |
1,132,200 |
|
無形固定資産 |
23,479 |
30,922 |
|
投資その他の資産 |
562,763 |
582,601 |
|
固定資産合計 |
1,650,677 |
1,745,725 |
|
資産合計 |
2,864,816 |
3,205,566 |
|
負債の部 |
|
|
|
流動負債 |
843,017 |
947,336 |
|
固定負債 |
543,809 |
643,850 |
|
負債合計 |
1,386,826 |
1,591,187 |
|
純資産の部 |
|
|
|
株主資本 |
980,878 |
1,049,592 |
|
その他の包括利益累計額 |
121,311 |
126,321 |
|
新株予約権 |
1,126 |
460 |
|
非支配株主持分 |
374,674 |
438,005 |
|
純資産合計 |
1,477,990 |
1,614,379 |
|
負債純資産合計 |
2,864,816 |
3,205,566 |
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
|
売上高 |
3,243,178 |
3,564,306 |
|
売上原価 |
2,785,718 |
3,058,794 |
|
売上総利益 |
457,459 |
505,511 |
|
販売費及び一般管理費 |
281,024 |
314,685 |
|
営業利益 |
176,435 |
190,825 |
|
営業外収益 |
45,107 |
46,827 |
|
営業外費用 |
34,656 |
23,647 |
|
経常利益 |
186,887 |
214,005 |
|
特別利益 |
- |
19,807 |
|
特別損失 |
- |
9,860 |
|
税金等調整前当期純利益 |
186,887 |
223,952 |
|
法人税等合計 |
52,193 |
49,990 |
|
当期純利益 |
134,693 |
173,961 |
|
非支配株主に帰属する当期純利益 |
37,718 |
50,487 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
96,974 |
123,474 |
要約連結包括利益計算書
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
|
当期純利益 |
134,693 |
173,961 |
|
その他の包括利益 |
△150,324 |
17,853 |
|
包括利益 |
△15,631 |
191,814 |
|
(内訳) |
|
|
|
親会社株主に係る包括利益 |
△32,509 |
128,483 |
|
非支配株主に係る包括利益 |
16,878 |
63,331 |
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)
|
(単位:百万円) |
|
|
株主資本 |
その他包括利益 累計額
|
新株予約権
|
非支配株主持分
|
純資産合計 |
|
当期首残高 |
910,501 |
250,796 |
1,770 |
369,707 |
1,532,776 |
|
当期変動額 |
70,376 |
△129,484 |
△644 |
4,966 |
△54,786 |
|
当期末残高 |
980,878 |
121,311 |
1,126 |
374,674 |
1,477,990 |
当連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
|
(単位:百万円) |
|
|
株主資本
|
その他包括利益 累計額
|
新株予約権
|
非支配株主持分
|
純資産合計 |
|
当期首残高 |
980,878 |
121,311 |
1,126 |
374,674 |
1,477,990 |
|
会計方針の変更による累積的影響額 |
588 |
- |
- |
267 |
856 |
|
会計方針の変更を反映した当期首残高 |
981,466 |
121,311 |
1,126 |
374,942 |
1,478,847 |
|
当期変動額 |
68,125 |
5,009 |
△665 |
63,063 |
135,532 |
|
当期末残高 |
1,049,592 |
126,321 |
460 |
438,005 |
1,614,379 |
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
292,193 |
396,567 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△237,260 |
△240,891 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△77,163 |
△21,589 |
|
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
△9,244 |
△2,744 |
|
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) |
△31,474 |
131,342 |
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
294,692 |
263,217 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
263,217 |
394,559 |
⑤ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
当連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
(連結の範囲に関する事項)
(ⅰ)新規 28社
株式取得:シロキ工業株式会社
シロキ・ノースアメリカ株式会社
アート金属工業株式会社 他23社
新規設立:シーホース三河株式会社 他1社
(ⅱ)除外 1社
合併による除外:アイシン・ブラジル株式会社
(会計方針の変更)
繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針の適用
「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号 平成28年3月28日。以下、「回収可能性適用指針」という。)を当連結会計年度から適用し、繰延税金資産の回収可能性に関する会計処理の方法の一部を見直しています。
回収可能性適用指針の適用については、回収可能性適用指針第49項(4)に定める経過措置に従っており、当連結会計年度の期首時点において回収可能性適用指針第49項(3)①から③に該当する定めを適用した場合の繰延税金資産及び繰延税金負債の額と、前連結会計年度末の繰延税金資産及び繰延税金負債の額との差額を、当連結会計年度の期首の利益剰余金及びその他の包括利益累計額に加算しています。
この結果、当連結会計年度の期首において、繰延税金資産(投資その他の資産)が856百万円、利益剰余金が588百万円増加し、非支配株主持分が267百万円増加しています。
当連結会計年度の期首の純資産に影響額が反映されたことにより、連結株主資本等変動計算書の利益剰余金の期首残高は588百万円増加し、非支配株主持分は267百万円増加しています。
(4)IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
前連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 37.初度適用」に記載のとおりです。
当連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
(有給休暇に係る債務)
日本基準では認識していなかった未消化の有給休暇について、IFRSでは負債計上しています。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて営業債務及びその他の債務が46,253百万円増加しています。
(開発費の資産計上)
日本基準では費用処理していた一部の開発費について、IFRSでは資産計上要件を満たすことから無形資産に計上しています。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて無形資産が16,358百万円増加しています。
(退職給付に係る費用)
数理計算上の差異及び過去勤務費用について、日本基準では発生時にその他の包括利益として認識し、発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数により費用処理していましたが、IFRSでは数理計算上の差異は、発生時にその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金へ振替え、過去勤務費用は発生時の純損益として認識しています。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて売上原価並びに販売費及び一般管理費が2,478百万円減少しています。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前期比増減率(%) |
|
アイシン精機グループ |
1,644,338 |
9.3 |
|
アイシン高丘グループ |
272,737 |
△1.3 |
|
アイシン・エィ・ダブリュグループ |
1,443,559 |
12.7 |
|
アドヴィックスグループ |
558,178 |
1.3 |
|
その他 |
202,774 |
1.5 |
|
合計 |
4,121,587 |
8.1 |
(注1) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部取引消去前の数値によっています。
(注2) 上記金額には、外部仕入先等からの仕入高が含まれています。
(2) 受注状況
主要な事業である自動車部品製造・販売について、当社グループのすべてのセグメントは、トヨタ自動車㈱をはじめとした大手自動車メーカーより、約3ヶ月前後の予約的発注指示を受け、生産能力を勘案し生産計画を立て、生産を行っています。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前期比増減率(%) |
|
アイシン精機グループ |
1,641,973 |
9.2 |
|
アイシン高丘グループ |
273,078 |
△1.0 |
|
アイシン・エィ・ダブリュグループ |
1,431,107 |
12.1 |
|
アドヴィックスグループ |
555,466 |
0.7 |
|
その他 |
203,061 |
2.3 |
|
合計 |
4,104,686 |
7.9 |
(注1) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部取引消去前の数値によっています。
(注2) 主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
なお、割合はセグメント間の内部取引消去後の総販売実績に対して記載しています。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
|
|
トヨタ自動車㈱ |
1,002,339 |
30.9 |
1,100,457 |
30.9 |
近年の世界の状況に目を向けると、世界的な保護主義政策の高まりなど、事業リスク、地域リスクの拡大が懸念され、先行き不透明感が増しており、今後当社グループの事業活動にどのような影響を及ぼすのか全く予断を許さない状況です。また、身の回りのあらゆるものがインターネットにつながるなど、ITは圧倒的なスピードで進化し、社会は大きく変化してきています。そして、自動車業界においては、ゼロエミッション、自動運転技術の進展やコネクティッドカーの普及、クルマが所有するモノから利用するモノに変わるといったライフスタイルの変化など、かつて経験したことのない急激な構造変化の波が押し寄せています。
そのような中、当社グループはオートマチックトランスミッションの事業が好調に進んでおり、当面は成長が見込めますが、急激な構造変化の波が押し寄せる中、今のままでは将来の競争力確保に不安があります。その対応に向け、グループとしての一体感の強化や変化への対応力強化への取り組みを進めていきます。
そのため、まずグループで向かうべき方向性を共有し、課題認識を合わせていくことが必要であり、
1.次世代を見据えた成長戦略の加速(未来への挑戦)
2.既存事業の競争力強化
3.持続的成長を支える経営基盤の再強化
という3つの「グループ経営方針」のもと、グループがこれまで以上に強く結束し、新たな成長に向けた取り組みを進めていきます。
そして、これらを進めていくための土台として、当年4月より「バーチャルカンパニー制」を導入しました。
(バーチャルカンパニー制について)
バーチャルカンパニー制導入の目的は当社グループの「グループとしての一体感」や「変化への対応力」の強化に向けた仕事の変革です。「グループとしての一体感の強化」に向けては、「グループ全体を同一方向へ向ける」、「重複業務の共通化等の効率化」という視点から、「変化への対応力の強化」に向けては、「新しい価値の創造」、「現在の仕事の更なる高度化」という視点から変革を進め、グループの競争力を強化していきます。
ただし、グループ各社を統合し大きな会社へ変更すると、多様性、人間尊重、挑戦、スピードといった分社化で培ってきた当社グループの良きDNAを失ってしまう可能性があります。このような良きDNAを失わないため、実際の会社を一番に尊重したうえで、グループがあたかも一つの会社であるかのように事業軸でまとまり、総合力が結集できる「バーチャルカンパニー制」の形式を選択しました。
バーチャルカンパニーは、事業VCとグループ本社で構成され、4つの変革の視点(同一方向、効率化、新しい価値の創造、高度化)に対応した変革を推進します。事業VCは、「パワートレインVC」、「走行安全VC」、「車体VC」、「情報・電子VC」の4つで構成され、グループ本社は、経理や人事といったアドミニ部門のプラットフォームの統一など、グループにまたがり一緒にやってメリットを出せる業務を集めていきます。
バーチャルカンパニー制は、これまでの仕事のやり方を変える大きなチャレンジであり、その導入は容易ではありません。しかし私たちは、バーチャルカンパニー制の導入をオポチュニティ(良い機会)と捉え、この仕組みをトライアンドエラーで作りこみ、より良い形に進化させ、4つの変革(同一方向、効率化、新しい価値の創造、高度化)を成し遂げていきます。
2017年度は、いい明日に向かって、グループで大きな方向を合わせ、組織や仕事のやり方を大きく変える「挑戦の年」になります。グループ一丸となり仕事のやり方を変革し、「真の競争力を身につけ、新たな価値を提案できる元気な会社」を目指していきます。
当社グループの経営成績及び財務状況等(株価などを含む。)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2017年6月19日)現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経済状況
当社グループの全世界における営業収入のうち、重要な部分を占める自動車関連製品の需要は、当社グループが製品を販売している国又は地域の経済状況の影響を受けます。従って、日本、北米、欧州、アジア等を含む当社グループの主要市場における景気後退、及びそれに伴う需要の縮小は、当社グループの経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの事業は、競合他社が製造を行う地域の経済状況から間接的に影響を受ける場合があります。例えば、競合他社が現地でより低廉な人件費の労働力を雇用した場合、当社グループと同種の製品をより低価格で提供できることになり、その結果、当社グループの売上が悪影響を受ける可能性があります。さらに、部品や原材料を製造する地域の現地通貨が下落した場合、当社グループのみならず他のメーカーでも、製造原価が下がる可能性があります。このような傾向により、輸出競争や価格競争が熾烈化し、いずれも当社グループの経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 原材料・部品の供給
当社グループの製品は、原材料・部品を複数のグループ外供給元から調達しています。グループ外供給元とは、基本取引契約を結び、安定的な取引を前提としていますが、市況の変化による価格の高騰や品不足、さらには供給元の不慮の事故などにより、原材料・部品の不足が生じないという保証はありません。この場合、当社グループ製品の原価上昇、さらには生産停止などが起こり、当社グループの経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 特定の得意先への販売依存度
当社グループは、自動車部品及び住生活・エネルギー関連機器の製造・販売を主な事業としており、主力である自動車部品事業においては、主として国内外の主要自動車メーカーを得意先としています。これらの得意先の中でトヨタ自動車㈱及びトヨタグループ(関連会社を含む)への販売依存度が最も高く、当連結会計年度においては販売高 2兆1,412億円、総販売実績に対する割合は、60.1%となっています。従って、同社及び同グループの販売数量の変動は、当社グループの経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 為替レート変動の影響
当社グループは、国内市場の販売力の強化をはかるとともに、北米、欧州、アジア等の海外市場の開拓を積極的に進めており、売上に占める海外売上比率は、当連結会計年度においては52.3%となっています。
海外各国における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成時に円換算されており、現地通貨における価値に変動がない場合も、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。他の通貨に対する円高(特に当社グループの売上の重要部分を占める米ドル、ユーロ、タイバーツ及び人民元に対する円高)は、当社グループの経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが日本で生産し、輸出する製品においては、他の通貨に対する円高は、当社グループ製品のグローバルベースでの相対的な価格競争力を低下させ、経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、為替ヘッジ取引を行い、主要通貨間の為替レートの変動による悪影響を最小限に止める努力をしていますが、為替レートの変動は当社グループの経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 海外市場への事業進出
当社グループは北米、欧州、アジア等の諸地域に子会社・関連会社を有していますが、これらの海外市場への事業進出には以下のようなリスクが内在しており、これらの事象が発生した場合には当社グループの経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
①予期しえない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更
②社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる当社グループの活動への悪影響
③不利な政治的又は経済的要因の発生
④人材の採用と確保の難しさ
⑤テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱
(6) 新商品開発
当社グループは、新しい価値を提供し豊かな社会づくりに貢献できるよう、未来を見据えた新商品開発に努めています。今後も、継続して独創的な魅力ある新商品を開発できると考えていますが、最先端の新商品開発と販売のプロセスは、その性質から複雑かつ不確実なものであり、以下をはじめとする様々なリスクが含まれます。
①新商品や新技術への投資に必要な資金と資源を、今後十分充当できる保証はありません。
②長期的な投資と大量の資源投入が、成功する新商品又は新技術の創造へつながる保証はありません。
③当社グループが市場からの支持を獲得できる新商品又は新技術を正確に予想できるとは限らず、またこれらの商品の販売が成功する保証はありません。
④新たに開発した商品又は技術が、独自の知的財産権として保護される保証はありません。
⑤技術の急速な進歩と市場ニーズの変化により、当社グループの商品が時代遅れになる可能性があります。
⑥現在開発中の新技術の商品化遅れにより、市場の需要についていけなくなる可能性があります。
上記のリスクをはじめとして、当社グループが業界と市場の変化を十分に予測できず、魅力ある新商品のタイムリーな開発と市場への投入ができない場合には、将来の成長と収益性を低下させ、経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 製品の品質不具合
当社グループは、品質至上を基本に、顧客のニーズにそった高品質で魅力あふれる製品づくりに全力で取り組んでいます。しかし、すべての製品について品質不具合がなく、将来にリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入していますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の品質不具合は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、それにより売上が低下し、当社グループの経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 災害や停電等による影響
当社グループは、製造ラインの中断による潜在的なマイナス影響を最小化するために、設備における定期的な災害防止検査と設備点検を行っています。しかし、生産施設で発生する災害、停電又はその他の中断事象による影響を完全に防止又は軽減できる保証はありません。例えば、当社グループの国内工場の多くは、中部地区に所在しています。従って、中部地区で大規模な地震やその他の操業を中断する事象が発生した場合、当社グループの生産能力が著しく低下し、当社グループの経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9) 訴訟、規制当局による措置その他の法的手続きに係る影響
当社グループは、企業活動を遂行するうえで、コンプライアンスを基本においていますが、訴訟、規制当局による措置その他の法的手続きに関するリスクを有しています。これらのリスクにより、当社グループに対して損害賠償請求や規制当局による金銭的な賦課を課され、又は事業の遂行に関する制約が加えられる可能性があり、かかる訴訟、規制当局による措置その他の法的手続きは、当社グループの事業、経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。
当社グループは、グローバルな研究開発拠点、評価施設を活用する中で、現有商品から先端技術に至る幅広い分野での研究開発活動を展開しています。
研究開発にあたっては、現有商品分野での専門技術・固有ノウハウを有する各社の技術開発部門と、広範囲な先端技術領域での研究開発に専念する国内外の研究法人との、相互の技術交流の中から、次世代を担う新技術・新商品を開発する体制となっています。
当連結会計年度の研究開発費は総額1,677億円であり、セグメントごとの活動状況及び研究開発費は次のとおりです。
(1) アイシン精機グループ
「環境・燃費」、「安心・安全」、「快適・利便」を軸とした自動車部品の新技術開発に加え、住生活・エネルギー関連機器の開発、レーザー応用、人工知能等の先端技術研究など、さまざまな分野での研究開発を推進しています。最近の主な成果としては、アクティブリアウイングやポップアップドアハンドルなどが挙げられ、得意先への積極的な販売活動を進めています。
グループ全体における研究開発費は720億円です。
(2) アイシン高丘グループ
軽量化や高強度化など、ユーザーからの多彩なニーズに対応するため、自動車鋳造部品技術についての研究開発を推進しています。
グループ全体における研究開発費は12億円です。
(3) アイシン・エィ・ダブリュグループ
ドライブトレインシステムの多様化やクルマ社会の高度情報化などに対応するため、トランスミッションやナビゲーションといったこれまでに培ってきた商品・技術を基盤に、次世代に先駆けた商品開発を推進しています。最近の主な成果としては、FR10速オートマチックトランスミッションやFRマルチステージハイブリッドトランスミッションなどが挙げられ、得意先への積極的な販売活動を進めています。
グループ全体における研究開発費は692億円です。
(4) アドヴィックスグループ
車両走行性能を追求し、ユーザーが安心してクルマを楽しむことができる商品開発を推進しています。最近の主な成果としては、アルミ対向型6ポットキャリパなどが挙げられ、得意先への積極的な販売活動を進めています。
グループ全体における研究開発費は180億円です。
(5) その他
その他のセグメントにおける研究開発費は71億円です。
当社グループは、当連結会計年度よりIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値もIFRSベースに組み替えて比較分析を行っています。また、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容です。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2017年6月19日)現在において当社グループが判断したものです。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用する重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記」に記載しています。
(2) 経営成績の分析
当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度に比べ9.8%増の3兆5,626億円、営業利益は18.7%増の2,286億円、税引前利益は22.3%増の2,373億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は26.2%増の1,266億円となりました。
以下、連結損益計算書に重要な影響を与えた要因について分析します。
① 売上収益
当連結会計年度の売上収益は3兆5,626億円ですが、これを事業の種類ごとに見ると、自動車部品事業では前連結会計年度に比べ9.6%増の3兆4,412億円となりました。その商品分野ごとの内訳としては、エンジン関連では0.8%減の3,166億円、ドライブトレイン関連では11.7%増の1兆6,224億円、ブレーキ及びシャシー関連では1.3%減の6,213億円、ボディ関連では23.3%増の7,055億円、情報関連他では4.2%増の1,753億円となりました。また、住生活・エネルギー関連事業では前連結会計年度に比べ20.0%増の556億円、その他事業では12.4%増の656億円となりました。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は前連結会計年度(2兆7,810億円)に比べ9.6%増の3兆485億円となり、売上収益に対する割合は85.7%から85.6%に低下しました。これは、原価低減活動の成果などによります。一方、販売費及び一般管理費は、研究開発費の増加などにより、前連結会計年度(2,801億円)に比べ10.3%増の3,091億円となり、売上収益に対する割合は8.6%から8.7%に上昇しました。
③ その他の収益、その他の費用
その他の収益は前連結会計年度(234億円)に比べ95.7%増の458億円となりました。これは、シロキ工業株式会社との株式交換に伴う負ののれん発生益などによります。一方、その他の費用は、固定資産減損損失などにより前連結会計年度(154億円)に比べ43.3%増の221億円となりました。
④ 法人所得税費用
当連結会計年度の法人所得税費用は、前連結会計年度(539億円)に比べ6.2%増加し、572億円となりました。
⑤ 非支配持分に帰属する当期利益
当連結会計年度の非支配持分に帰属する当期利益は、前連結会計年度(397億円)に比べ34.1%増加し、533億円となりました。
⑥ 親会社の所有者に帰属する当期利益
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度(1,003億円)に比べ26.2%増加し1,266億円となり、基本的1株当たり当期利益も354円53銭から444円46銭に増加しました。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物については、長期借入れや社債による資金調達などにより、期末残高は前連結会計年度に比べ1,313億円増の3,945億円となりました。
② 資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、車両のモデルチェンジに対応した新商品・改良商品への投資です。さらなるグローバル化の進展、次世代を担う新技術・新商品の開発等による資金需要が見込まれるため、長期資金の調達を実行する可能性があります。
③ 財務政策
当社グループの資本政策については、「財務の安全性」と「資本の効率性」のバランスをとりながら、企業価値の向上を目指すことを基本方針としています。
「財務の安全性」については、格付機関による評価をひとつの目安とし、長期借入債務に対しての高い信用格付けを維持することにより、低コストでの外部資金調達が可能になるよう努めています。
一方、「資本の効率性」については、上記格付けが維持できる範囲で、負債による資金調達を優先し、資本の規模を抑制することで、全体の資本コストの低減をはかっています。
上記の方針に基づき、負債と資本のバランスに配慮しながら、適切で柔軟な資金調達を行うよう努めています。
なお、当社グループは、保有する換金性の高い流動性資産、営業活動によるキャッシュ・フロー、社債の発行と金融機関からの借入れなどの財務活動によるキャッシュ・フローにより、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能と考えています。