文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループが身を置く自動車業界では、ゼロエミッションや自動運転技術の進化、コネクティッドカーの普及、クルマが所有するものから利用するものへ変わるといったライフスタイルの変化に加え、ITや電機などの異業種からの参入、大幅な燃費・排ガス規制の強化など、競争相手もルールも目まぐるしく変わり、モビリティ社会や自動車産業の構造は、『100年に一度の大変革期』を迎えています。
このような中、当社グループでは、オートマチックトランスミッション事業が好調に推移しており当面は成長が見込めますが、これまでの延長では、将来の競争力確保に不安があります。その対応に向け、「既存事業の競争力強化」「次世代開発の推進」「バーチャルカンパニー制の導入」など、グループで大きな方向を合わせ、組織や仕事のやり方を変革し、次の時代で戦える態勢を、着実に整備してきました。
しかし、かつてない構造変化の波が押し寄せ、事業の枠組みや前提条件が大きく変わろうとする中、過去の成功体験の延長線上に正解はなく、今後も、新しいもの・新しいやり方に果敢にチャレンジしていく必要があります。
次の時代の成長に向け、2018年度は、「電動化」「自動運転」「コネクティッド」の重点3領域の技術開発を加速させるとともに、グループ全体で徹底的な効率化を追求し、捻出したリソーセスを成長が期待できる商品へ集中投入して収益構造の転換をはかるなど、これまで進めてきた改革を一層加速していきます。
当社グループは、「真の競争力を身につけ、新たな価値を提案できる元気な会社」をめざし、次の4つ方針のもと、構造変化への対応を進めていきます。
≪すべての基本≫ 安全・コンプライアンスの最優先と品質至上の徹底
≪未来への挑戦≫ 生き残りをかけた重点領域での成長戦略の加速
① 電動化・自動運転・コネクティッド領域に向け、グループで技術開発を加速し、新商品を市場へ投入していきます。
② グループにない技術は、外部との連携を強化し、手の内化を進めていきます。
③ 独自の技術・ノウハウを活かした新たなビジネスモデルを構築していきます。
≪持続的成長≫ 既存事業の競争力向上
① 将来、市場の成長が見込めない不採算商品は廃止し、成長が期待できる商品へリソーセスを集中投入し、収益構造を転換していきます。
② 事業環境を見極め、グループ・グローバルでの効率的な事業体制を構築していきます。
③ 生産性向上と原価改善により商品競争力を強化していきます。
≪足元固め≫ 持続的成長を支える経営基盤の強化
① 未来を読み、自ら変化を生み出す人材を育成していきます。
② AIやIoT、RPA(Robotic Process Automation)などデジタル化の活用により働き方改革を推進していきます。
③ グループ全体で徹底的な効率化を進め、リーンな体制を構築していきます。
今後も、グループ一丸となって今後25年・50年と生き残るための改革を進め、より良いクルマ社会づくり、より良い生活環境づくりに貢献していきます。
当社グループの経営成績及び財務状況等(株価などを含む。)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経済状況
当社グループの全世界における営業収入のうち、重要な部分を占める自動車関連製品の需要は、当社グループが製品を販売している国又は地域の経済状況の影響を受けます。従って、日本、北米、欧州、アジア等を含む当社グループの主要市場における景気後退、及びそれに伴う需要の縮小は、当社グループの経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの事業は、競合他社が製造を行う地域の経済状況から間接的に影響を受ける場合があります。例えば、競合他社が現地でより低廉な人件費の労働力を雇用した場合、当社グループと同種の製品をより低価格で提供できることになり、その結果、当社グループの売上が悪影響を受ける可能性があります。さらに、部品や原材料を製造する地域の現地通貨が下落した場合、当社グループのみならず他のメーカーでも、製造原価が下がる可能性があります。このような傾向により、輸出競争や価格競争が熾烈化し、いずれも当社グループの経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 原材料・部品の供給
当社グループの製品は、原材料・部品を複数のグループ外供給元から調達しています。グループ外供給元とは、基本取引契約を結び、安定的な取引を前提としていますが、市況の変化による価格の高騰や品不足、さらには供給元の不慮の事故などにより、原材料・部品の不足が生じないという保証はありません。この場合、当社グループ製品の原価上昇、さらには生産停止などが起こり、当社グループの経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 特定の得意先への販売依存度
当社グループは、自動車部品及び住生活・エネルギー関連機器の製造・販売を主な事業としており、主力である自動車部品事業においては、主として国内外の主要自動車メーカーを得意先としています。これらの得意先の中でトヨタ自動車㈱及びトヨタグループ(関連会社を含む)への販売依存度が最も高く、当連結会計年度においては販売高 2兆2,671億円、総販売実績に対する割合は、58.0%となっています。従って、同社及び同グループの販売数量の変動は、当社グループの経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 為替レート変動の影響
当社グループは、国内市場の販売力の強化をはかるとともに、北米、欧州、アジア等の海外市場の開拓を積極的に進めており、売上に占める海外売上比率は、当連結会計年度においては53.6%となっています。
海外各国における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成時に円換算されており、現地通貨における価値に変動がない場合も、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。他の通貨に対する円高(特に当社グループの売上の重要部分を占める米ドル、ユーロ、タイバーツ及び人民元に対する円高)は、当社グループの経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが日本で生産し、輸出する製品においては、他の通貨に対する円高は、当社グループ製品のグローバルベースでの相対的な価格競争力を低下させ、経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、為替ヘッジ取引を行い、主要通貨間の為替レートの変動による悪影響を最小限に止める努力をしていますが、為替レートの変動は当社グループの経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 海外市場への事業進出
当社グループは北米、欧州、アジア等の諸地域に子会社・関連会社を有していますが、これらの海外市場への事業進出には以下のようなリスクが内在しており、これらの事象が発生した場合には当社グループの経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
①予期しえない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更
②社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる当社グループの活動への悪影響
③不利な政治的又は経済的要因の発生
④人材の採用と確保の難しさ
⑤テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱
(6) 新商品開発
当社グループは、新しい価値を提供し豊かな社会づくりに貢献できるよう、未来を見据えた新商品開発に努めています。今後も、継続して独創的な魅力ある新商品を開発できると考えていますが、最先端の新商品開発と販売のプロセスは、その性質から複雑かつ不確実なものであり、以下をはじめとする様々なリスクが含まれます。
①新商品や新技術への投資に必要な資金と資源を、今後十分充当できる保証はありません。
②長期的な投資と大量の資源投入が、成功する新商品又は新技術の創造へつながる保証はありません。
③当社グループが市場からの支持を獲得できる新商品又は新技術を正確に予想できるとは限らず、またこれらの商品の販売が成功する保証はありません。
④新たに開発した商品又は技術が、独自の知的財産権として保護される保証はありません。
⑤技術の急速な進歩と市場ニーズの変化により、当社グループの商品が時代遅れになる可能性があります。
⑥現在開発中の新技術の商品化遅れにより、市場の需要についていけなくなる可能性があります。
上記のリスクをはじめとして、当社グループが業界と市場の変化を十分に予測できず、魅力ある新商品のタイムリーな開発と市場への投入ができない場合には、将来の成長と収益性を低下させ、経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 製品の品質不具合
当社グループは、品質至上を基本に、顧客のニーズにそった高品質で魅力あふれる製品づくりに全力で取り組んでいます。しかし、すべての製品について品質不具合がなく、将来にリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入していますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の品質不具合は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、それにより売上が低下し、当社グループの経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 災害や停電等による影響
当社グループは、製造ラインの中断による潜在的なマイナス影響を最小化するために、設備における定期的な災害防止検査と設備点検を行っています。しかし、生産施設で発生する災害、停電又はその他の中断事象による影響を完全に防止又は軽減できる保証はありません。例えば、当社グループの国内工場の多くは、中部地区に所在しています。従って、中部地区で大規模な地震やその他の操業を中断する事象が発生した場合、当社グループの生産能力が著しく低下し、当社グループの経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9) 訴訟、規制当局による措置その他の法的手続きに係る影響
当社グループは、企業活動を遂行するうえで、コンプライアンスを基本においていますが、訴訟、規制当局による措置その他の法的手続きに関するリスクを有しています。これらのリスクにより、当社グループに対して損害賠償請求や規制当局による金銭的な賦課を課され、又は事業の遂行に関する制約が加えられる可能性があり、かかる訴訟、規制当局による措置その他の法的手続きは、当社グループの事業、経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の自動車業界を取り巻く事業環境は、欧州及び中国などで、新車販売台数が増加したことにより、世界全体としては堅調に推移しました。国内においても、小型車を中心に新型車や改良車の販売が好調となり、前期を上回る販売台数となりました。
住生活・エネルギー関連業界では、日銀のマイナス金利政策等を受けた低金利の長期化により、前期に増加した新設住宅着工件数が当期も維持するなど、個人消費に底堅い動きが見られました。
このような状況の中、当社グループは「真の競争力を身につけ、新たな価値を提案できる元気な会社」をめざし、グループ競争力の強化、革新的な技術開発、ものづくり力の強化など競争力強化に向けた取り組みを推進しました。
売上収益については、オートマチックトランスミッションや車体部品の販売が世界的に好調であったことや、2017年2月にアート金属工業株式会社を子会社化したことなどにより、前連結会計年度(3兆5,626億円)に比べ9.7%増の3兆9,089億円と過去最高となりました。
利益については、原材料価格の上昇や償却費の増加、前期にシロキ工業株式会社との株式交換差益があったことなど減益要因があったものの、売上増加や為替差益などにより、営業利益は前連結会計年度(2,286億円)に比べ11.0%増の2,538億円と過去最高益となりました。なお、税引前利益は前連結会計年度(2,373億円)に比べ13.0%増の2,681億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度(1,266億円)に比べ6.2%増の1,345億円といずれも過去最高益となりました。
また、当連結会計年度末の資産については、投資有価証券の時価評価額が増加したことなどにより、前連結会計年度末(3兆3,383億円)に比べ5.7%増の3兆5,279億円となりました。負債については、社債及び借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末(1兆6,434億円)に比べ4.9%増の1兆7,247億円となりました。資本については、前連結会計年度末(1兆6,948億円)に比べ6.4%増の1兆8,031億円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりです。
(ⅰ)アイシン精機グループ
車体部品の販売が世界的に好調であったことや、アート金属工業株式会社を子会社化したことなどにより、売上収益は前連結会計年度(1兆6,419億円)に比べ8.2%増の1兆7,762億円となりました。営業利益は前期にシロキ工業株式会社との株式交換差益があったことや、原材料価格の上昇、研究開発費や償却費の増加などにより、前連結会計年度(805億円)に比べ3.2%減の780億円となりました。
(ⅱ)アイシン高丘グループ
国内外の得意先への販売増加などにより、売上収益は前連結会計年度(2,730億円)に比べ8.3%増の2,957億円となりました。営業利益は原材料価格が上昇したことなどにより、前連結会計年度(123億円)に比べ2.7%減の119億円となりました。
(ⅲ)アイシン・エィ・ダブリュグループ
海外への拡販活動の成果などにより、オートマチックトランスミッションの販売が世界的に好調であったことから、売上収益は前連結会計年度(1兆4,311億円)に比べ13.3%増の1兆6,212億円となりました。営業利益は原材料価格の上昇、研究開発費や償却費の増加などの減益要因があったものの、売上増加、収益体質強化活動の成果などにより、前連結会計年度(1,229億円)に比べ15.5%増の1,419億円となりました。
(ⅳ)アドヴィックスグループ
新製品をはじめとする得意先への販売増加などにより、売上収益は前連結会計年度(5,554億円)に比べ5.6%増の5,865億円となりました。営業利益は研究開発費や償却費の増加などの減益要因があったものの、売上増加、収益体質強化活動の成果などにより、前連結会計年度(61億円)に比べ65.5%増の101億円となりました。
(ⅴ)その他
国内外の得意先への販売増加などにより、売上収益は前連結会計年度(2,030億円)に比べ9.1%増の2,215億円となり、営業利益は前連結会計年度(56億円)に比べ122.1%増の125億円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況について、現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、営業活動により3,115億円の増加、投資活動により2,293億円の減少、財務活動により736億円の減少、現金及び現金同等物に係る換算差額により33億円の増加の結果、当連結会計年度末には4,065億円となり、前連結会計年度末(3,945億円)に比べ119億円(3.0%)の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、前連結会計年度(3,948億円)に比べ832億円(21.1%)減少し、3,115億円となりました。これは、税引前利益が308億円増加したものの、営業債務及びその他の債務の増減額が1,054億円減少したことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、前連結会計年度(2,291億円)に比べ2億円(0.1%)増加し、2,293億円となりました。これは前連結会計年度に連結範囲の変更を伴う子会社株式の支出が83億円あったことに加え、無形資産の取得による支出が82億円減少し、有形固定資産の取得による支出が81億円減少したものの、前連結会計年度に連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入が175億円あったこと、定期預金等の増減額が99億円増加したことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、前連結会計年度(316億円)に比べ420億円(132.9%)増加し、736億円となりました。これは、借入とその返済による収支が127億円増加したものの、配当金の支払額が201億円増加したことに加え、自己株式の取得による支出が103億円増加したことや、社債の発行による収入が100億円減少したことなどによります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(ⅰ)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前期比増減率(%) |
|
アイシン精機グループ |
1,779,036 |
8.2 |
|
アイシン高丘グループ |
296,499 |
8.7 |
|
アイシン・エィ・ダブリュグループ |
1,620,639 |
12.3 |
|
アドヴィックスグループ |
586,829 |
5.1 |
|
その他 |
221,667 |
9.3 |
|
合計 |
4,504,672 |
9.3 |
(注1) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部取引消去前の数値によっています。
(注2) 上記金額には、外部仕入先等からの仕入高が含まれています。
(ⅱ)受注実績
主要な事業である自動車部品製造・販売について、当社グループのすべてのセグメントは、トヨタ自動車㈱をはじめとした大手自動車メーカーより、約3ヶ月前後の予約的発注指示を受け、生産能力を勘案し生産計画を立て、生産を行っています。
(ⅲ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前期比増減率(%) |
|
アイシン精機グループ |
1,776,298 |
8.2 |
|
アイシン高丘グループ |
295,721 |
8.3 |
|
アイシン・エィ・ダブリュグループ |
1,621,250 |
13.3 |
|
アドヴィックスグループ |
586,568 |
5.6 |
|
その他 |
221,529 |
9.1 |
|
合計 |
4,501,368 |
9.7 |
(注1) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部取引消去前の数値によっています。
(注2) 主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
なお、割合はセグメント間の内部取引消去後の総販売実績に対して記載しています。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
|
|
トヨタ自動車㈱ |
1,100,457 |
30.9 |
1,153,250 |
29.5 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用する重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記」に記載しています。
② 経営成績の分析
当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度に比べ9.7%増の3兆9,089億円、営業利益は11.0%増の2,538億円、税引前利益は13.0%増の2,681億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は6.2%増の1,345億円となりました。
以下、連結損益計算書に重要な影響を与えた要因について分析します。
(ⅰ)売上収益
当連結会計年度の売上収益は3兆9,089億円ですが、これを事業の種類ごとに見ると、自動車部品事業では前連結会計年度に比べ10.0%増の3兆7,864億円となりました。その商品分野ごとの内訳としては、エンジン関連では18.6%増の3,764億円、ドライブトレイン関連では11.5%増の1兆8,093億円、ブレーキ及びシャシー関連では7.7%増の6,728億円、ボディ関連では7.4%増の7,589億円、情報関連他では0.7%減の1,688億円となりました。また、住生活・エネルギー関連事業では前連結会計年度に比べ2.8%増の571億円、その他事業では0.5%減の653億円となりました。
(ⅱ)売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は前連結会計年度(3兆485億円)に比べ10.6%増の3兆3,719億円となり、売上収益に対する割合は85.6%から86.3%に上昇しました。これは、原材料価格の上昇や償却費の増加などによります。
販売費及び一般管理費は、製品保証費の減少などにより、前連結会計年度(3,091億円)に比べ6.3%減の2,895億円となり、売上収益に対する割合は8.7%から7.4%に低下しました。
(ⅲ)その他の収益、その他の費用
その他の収益は前連結会計年度(458億円)に比べ59.8%減の184億円となりました。これは、前期にシロキ工業株式会社との株式交換に伴う負ののれん発生益があったことなどによります。
その他の費用は、前連結会計年度(221億円)に比べ45.6%減の120億円となりました。これは固定資産減損損失が減少したことなどによります。
(ⅳ)法人所得税費用
当連結会計年度の法人所得税費用は、前連結会計年度(572億円)に比べ27.1%増加し、728億円となりました。
(ⅴ)非支配持分に帰属する当期利益
当連結会計年度の非支配持分に帰属する当期利益は、前連結会計年度(533億円)に比べ13.9%増加し、607億円となりました。
(ⅵ)親会社の所有者に帰属する当期利益
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度(1,266億円)に比べ6.2%増加して1,345億円となり、基本的1株当たり当期利益も444円46銭から490円22銭に増加しました。
③ 資本の財源及び資金の流動性
(ⅰ)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
(ⅱ)資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、新商品・改良商品への投資、生産能力の増強及び新技術・新商品等の研究開発です。さらなるグローバル化の進展、次世代を担う新技術・新商品の開発等による資金需要が見込まれるため、長期資金の調達を実行する可能性があります。
(ⅲ)財務政策
当社グループの資本政策については、「財務の安全性」と「資本の効率性」のバランスをとりながら、企業価値の向上を目指すことを基本方針としています。
「財務の安全性」については、格付機関による評価をひとつの目安とし、長期借入債務に対しての高い信用格付けを維持することにより、低コストでの外部資金調達が可能になるよう努めています。
一方、「資本の効率性」については、上記格付けが維持できる範囲で、負債による資金調達を優先し、資本の規模を抑制することで、全体の資本コストの低減をはかっています。
上記の方針に基づき、負債と資本のバランスに配慮しながら、適切で柔軟な資金調達を行うよう努めています。
なお、当社グループは、保有する換金性の高い流動性資産、営業活動によるキャッシュ・フロー、社債の発行と金融機関からの借入れなどの財務活動によるキャッシュ・フローにより、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能と考えています。
(3)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりです。なお、当社は日本基準に基づく連結財務諸表を作成していないため、差異の金額は概算額で記載しています。
(開発費の資産計上)
日本基準では費用処理していた一部の開発費について、IFRSでは資産計上要件を満たすことから無形資産に計上しています。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて無形資産が13,352百万円増加しています。
(退職給付に係る費用)
数理計算上の差異及び過去勤務費用について、日本基準では発生時にその他の包括利益として認識し、発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数により費用処理していましたが、IFRSでは数理計算上の差異は、発生時にその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金へ振替え、過去勤務費用は発生時の純損益として認識しています。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて売上原価並びに販売費及び一般管理費が2,812百万円減少しています。
該当事項はありません。
当社グループは、グローバルな研究開発拠点、評価施設を活用する中で、現有商品から先端技術に至る幅広い分野での研究開発活動を展開しています。
研究開発にあたっては、現有商品分野での専門技術・固有ノウハウを有する各社の技術開発部門と、広範囲な先端技術領域での研究開発に専念する国内外の研究法人との、相互の技術交流の中から、次世代を担う新技術・新商品を開発する体制となっています。
当連結会計年度の研究開発費は総額1,829億円であり、セグメントごとの活動状況及び研究開発費は次のとおりです。
(1) アイシン精機グループ
「環境・燃費」、「安心・安全」、「快適・利便」を軸とした自動車部品の新技術開発に加え、住生活・エネルギー関連機器の開発、レーザー応用、人工知能等の先端技術研究など、さまざまな分野での研究開発を推進しています。最近の主な成果としては、急速車高調整エアサスペンションやニューマチックシートシステムなどが挙げられ、得意先への積極的な販売活動を進めています。
グループ全体における研究開発費は745億円です。
(2) アイシン高丘グループ
軽量化や高強度化など、ユーザーからの多彩なニーズに対応するため、自動車鋳造部品技術についての研究開発を推進しています。
グループ全体における研究開発費は12億円です。
(3) アイシン・エィ・ダブリュグループ
ドライブトレインシステムの多様化やクルマ社会の高度情報化などに対応するため、トランスミッションやナビゲーションといったこれまでに培ってきた商品・技術を基盤に、次世代に先駆けた商品開発を推進しています。最近の主な成果としては、トヨタ自動車「カムリ」向けTNGA(Toyota New Global Architecture)に基づくFF8速オートマチックトランスミッションの共同開発などが挙げられます。
グループ全体における研究開発費は803億円です。
(4) アドヴィックスグループ
車両走行性能を追求し、ユーザーが安心してクルマを楽しむことができる商品開発を推進しています。
グループ全体における研究開発費201億円です。
(5) その他
その他のセグメントにおける研究開発費は66億円です。