第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2018年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 ブラザーグループは、すべてのステークホルダーから信頼され、従業員にとって心の底から誇りの持てる企業となることを目指しています。2002年に策定した中長期ビジョン「Global Vision 21」では、ブラザーグループが目指す3つの項目を以下の通り掲げ、事業活動に取り組んでいます。

・「グローバルマインドで優れた価値を提供する高収益体質の企業」になる

・ 独自の技術開発に注力し「傑出した固有技術によってたつモノ創り企業」を実現する

・「“At your side.”な企業文化」を定着させる

 

(2)中長期的な経営戦略、経営環境及び対処すべき課題

 ブラザーグループでは、「Global Vision 21」実現に向けたロードマップとして、中期戦略を策定しております。2015年度を最終年度とした5年間の中期戦略「CS B2015」では、最終年度の業績目標を、日本会計基準で、売上高7,500億円、営業利益580億円とし、すべての事業において成長戦略を推進し、事業を拡大することを目指してまいりました。期間中、既存の各事業の成長に加え、為替の後押しや、M&Aにて英国のドミノや株式会社ニッセイを連結子会社化したことなどにより、売上高は目標としていた水準に近いところまで到達しました。一方、営業利益については、2014年度に、ほぼ目標達成となる575億円を計上したものの、最終年度となる2015年度は、ドミノのM&Aに伴う一時的な費用の計上や、通信・プリンティング機器、産業機器の事業環境の急速な変化などの影響もあり、目標を大きく下回る結果となりました。

 このように、特に既存事業における事業環境が急激に変化する中、当社が目指す「未来永劫に繁栄する会社」を実現するためには、収益を持続的に生み出すことのできる筋肉質な企業への転換が必要となります。このような認識のもと、ブラザーグループでは、「時代や環境の変化に対応し、生き残ってきたDNAを伝承し、未来永劫の繁栄に向けて、変革や成長領域に挑戦し続ける複合事業企業」を全社として目指す姿と定め、2018年度を最終年度とする新中期戦略「CS B2018」を策定いたしました。

 この新中期戦略「CS B2018」では、“Transform for the Future ~変革への挑戦~”をテーマに掲げ、グループ全体で「事業・業務・人財」の3つの変革に取り組んでおります。

 「事業の変革」では、現在のプリンティング事業中心の体制から、今後の成長が見込まれる産業用領域や新規事業に重点を置いた、複合事業企業への転換を目指してまいります。

 事業分野別では、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業は、中心事業である通信・プリンティング機器の位置付けを「全社の成長を牽引する基軸事業」から、「ポートフォリオ強化を支える収益力強化事業」へと変更し、収益力強化に向け、開発・製造・販売など、徹底的な効率化を推進し、会社全体を収益面で支える事業へと転換を図ります。今後も強みであるSOHO市場におけるポジション堅持のための活動を継続するとともに、SMB・ソリューション分野については、重点的な強化を実施してまいります。また、電子文具分野においても、ソリューション領域への戦略的進出を進めてまいります。

 パーソナル・アンド・ホーム事業では、家庭用ミシン市場において、高級機から普及機までの圧倒的なグローバルNo.1を維持するとともに、クラフト分野を事業の2本目の柱として育成することで、収益力の強化と事業の成長を目指します

 マシナリー事業では、工業用ミシン分野においては、アジアでの販売力とソリューション提案力の強化を進め、顧客基盤の拡大を目指します。産業機器分野においても、ソリューション力の強化により、自動車関連市場向けの売上の拡大を目指します。工業用部品分野においては、ロボット市場向けを含めた製品開発・提案による販売拡大に加え、他のマシナリー事業とのシナジーの追求を推進してまいります。これらの取り組みにより、お客様の生産活動の効率化を実現するとともに、事業の成長を目指してまいります。

 通信カラオケ機器を軸とするネットワーク・アンド・コンテンツ事業では、キャッシュカウ化に向けた構造改革の完遂を方針に定め、最終年度に営業利益率5%を達成することを目標とし、商品力の高いモデルの拡販を軸に、楽曲提供から、カラオケ店舗運営までグループで事業シナジーを創出してまいります。

 ドミノ事業では、グループを牽引する新たな事業として、既存技術とのシナジーを最大化し、コーディング・マーキング及びデジタル印刷でのビジネス拡大を図り、ブラザーグループの次世代の成長の柱とするべく、高い成長を目指してまいります。今後は当社がこれまでに培ってきた様々な印字技術や、グローバルな開発・製造・販売体制を活用し、ドミノのグローバルなビジネス展開を加速させるとともに、新たな顧客価値の創出に取り組んでまいります。

 

「業務の変革」では、業務プロセス改革の一環として、RPA(Robotic Process Automation)やPLM(Product Life cycle Management)を始めとしたITを積極的に活用して業務の効率化を推進してまいります。特に開発、製造面ではそれぞれが一体となって、モノづくり強化、生産性向上に取り組み、高品質、高効率なモノづくりへと進化させていきます。

 「人財の変革」では、若手の積極的な登用を通じた「次世代経営人財の育成」、シニアの活用によるDNAの継承やキャリア採用の拡大を通じた「会社を支える機能人財・事業人財の強化」、グローバル人財の登用や女性活躍推進などの「ダイバーシティ経営の実践を支える人事制度改革」を積極的に進め、グループ人財の最大限の活用を目指してまいります。

 これらの「3つの変革」を成し遂げることにより、ブラザーグループは、「時代や環境の変化に対応し、生き残ってきたDNAを伝承し、未来永劫の繁栄に向けて、変革や成長領域に挑戦し続ける複合事業企業」となることを目指してまいります。

 また、当社は会社の支配に関する方針について次の通り定めております。

会社の支配に関する基本方針

1) 基本的な考え方

 当社グループは、その売上高の80%以上を海外市場で上げており、40以上の国と地域に生産拠点や販売・サービス拠点を有し、連結ベースでの従業員も3万名を超えております(2018年3月現在)。当社の企業価値は、当社グループが事業を行っているこれらの国・地域におけるビジネスパートナーとの信頼関係や従業員のモラルに大きく依存しております。

 また、当社グループは、企画・開発・設計・製造・販売・サービスなどのあらゆる場面で、お客様を第一に考える「“At your side.”な企業文化」を定着させ、世界各国のお客様から、「信頼できるブランド」と評価いただけるよう、事業活動を行っております。その実現のため、独自のマネジメントシステムである「Brother Value Chain Management(ブラザー・バリュー・チェーン・マネジメント)」を経営の中核として構築し、常に改善することによって、お客様の求める価値を迅速に提供してまいります。

 このような状況において、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(以下、かかる買付行為を「大規模買付行為」といい、かかる買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。)を受け入れるかどうかは、当社経営陣による経営方針およびその推進と比較して、最終的には当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えますが、当社株主の皆様が大規模買付行為の当否について適切な判断を行うためには、当社取締役会を通じ、当該大規模買付行為の内容、当該大規模買付行為が当社企業価値に与える影響、当該大規模買付行為に代わる提案の有無等について、当社株主の皆様に必要十分な情報が提供される必要があると考えます。

2) 当社株式の大規模買付行為への対応方針

  当社取締役会は、2009年6月23日開催の第117回定時株主総会にて株主の皆様のご承認をいただいたうえで、当社株式の大規模買付行為への対応方針を導入し、2012年6月26日開催の第120回定時株主総会にて株主の皆様のご承認をいただいたうえで所要の修正を行い更新し、2015年6月23日開催の第123回定時株主総会にて株主の皆様のご承認をいただき、所要の変更を行ったうえで、継続いたしました(以下、変更後の当社株式の大規模買付行為への対応方針を「本対応方針」といいます。)。

 なお、本対応方針の有効期限は、2018年に開催される当社定時株主総会後に最初に開催される取締役会の終了時点までとなっており、当社は2018年5月17日開催の取締役会において、本対応方針の有効期限をもって廃止することを決議いたしました。従いまして、本対応方針の内容及び合理性についての判断の説明につきましては、当連結会計年度末現在におけるものであります。

 本対応方針は、大規模買付行為についての情報の収集と代替案提示の機会の確保を目的として当社株式の大規模買付行為に関するルール(以下、「大規模買付ルール」といいます。)を設定し、大規模買付者に対しては大規模買付ルールの順守を求めることとし、大規模買付者が大規模買付ルールを順守しない場合には、当社取締役会として一定の対抗措置を講じる方針です。

3) 大規模買付ルールの内容

 当社取締役会は、大規模買付行為が以下に定める大規模買付ルールに従って行われることにより、当該大規模買付行為についての情報収集と代替案提示の機会が確保され、ひいては当社株主共同の利益に合致すると考えます。この大規模買付ルールとは、(イ)大規模買付者は、大規模買付行為に先立ち当社取締役会に対して十分な情報を提供しなければならず、(ロ)当社取締役会が当該情報を検討するために必要である一定の評価期間が経過した後にのみ、大規模買付者は大規模買付行為を開始することができるというものです。具体的には以下の通りです。

① 意向表明書の提出

 大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合には、まず当社宛に、大規模買付ルールに定められた手続きを順守する旨を約束した書面(以下、「意向表明書」といいます。)をご提出いただくこととします。意向表明書には、大規模買付者の名称、住所、設立準拠法、代表者の氏名、国内連絡先および提案する大規模買付行為の概要を示していただきます。

② 情報の提供

 次に、大規模買付者には、当社取締役会に対して、当社株主の皆様の判断および取締役会による意見形成(代替案の提示を含みます。)のために必要十分な情報(以下、「大規模買付情報」といいます。)を提供していただきます。その項目は以下の内容を含みますが、当社取締役会は、独立諮問委員会に諮問のうえ、その助言・勧告を最大限尊重し、大規模買付者から当初提供していただくべき大規模買付情報のリストを作成いたします。

 1. 大規模買付者およびそのグループの概要

 2. 大規模買付行為の目的および内容

 3. 買付対価の算定根拠および買付資金の裏付け

 4. 大規模買付行為完了後に意図する当社経営方針および事業計画

 大規模買付者から大規模買付情報を提供していただくため、当社は、①の意向表明書の受領後5営業日以内に、大規模買付者から当初提供していただくべき大規模買付情報のリストを大規模買付者に交付します。なお、当初提供していただいた情報だけでは大規模買付情報として不足していると合理的に考えられる場合には、当社取締役会は、当社取締役会が意向表明書を受領した日から60日を経過するまでの間(以下、「情報提供要請期間」といいます。)において、独立諮問委員会に諮問のうえ、その助言・勧告を最大限尊重し、追加的に情報提供をしていただくことがあります。当社取締役会に提供された大規模買付情報は、当社株主の皆様の判断のために必要であると認められる場合には、適切と判断する時点で、その全部または一部を開示します

③ 取締役会による検討期間

 大規模買付者は、取締役会評価期間が経過するまでの間は、大規模買付行為を開始することはできません。

 すなわち、当社取締役会は、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、大規模買付情報の提供が完了した旨を証する書面を当社取締役会が大規模買付者に交付した日もしくは情報提供要請期間が満了した日から起算して、最大60日間(対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付の場合)または最大90日間(その他の大規模買付行為の場合)を取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間(以下、「取締役会評価期間」といいます。)として与えられるべきものと考えます。取締役会評価期間中、当社取締役会は、提供された大規模買付情報を十分に評価・検討し、独立諮問委員会へ諮問のうえ、その助言・勧告を最大限尊重し、取締役会としての意見をとりまとめ、開示します。また、必要に応じ、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉すること、当社取締役会として当社株主の皆様へ代替案を提示することもあります。

 当社取締役会による検討もしくは交渉の結果、大規模買付行為が当社企業価値ひいては株主共同の利益を最大化させるものであると当社取締役会が判断をした場合には、速やかに取締役会評価期間を終了させ、その旨を開示いたします

4) 独立諮問委員会

 大規模買付ルールに係る当社取締役会の運用の適正性を確保し、大規模買付行為が行われる際に当社取締役会が行う判断の公正性、透明性をより一層担保するために独立諮問委員会を設置します

 大規模買付ルールでは、後述の 5)において、対抗措置発動にかかる事項を定めておりますが、このような対抗措置を発動する場合など、大規模買付ルールの運用に関する当社取締役会の重要な判断にあたっては、原則として独立諮問委員会に諮問を行うこととし、当社取締役会はその助言・勧告を最大限尊重するものといたします。独立諮問委員会の詳細は後記の通りです。なお、独立諮問委員会の詳細については、当社取締役会が行う判断の公正性、透明性をより一層担保するという趣旨に合致する合理的な範囲内で、取締役会の決議により、変更され得るものとします。

5) 大規模買付行為が実施された場合の対応

 大規模買付者によって大規模買付ルールが順守されない場合には、当社取締役会は、独立諮問委員会へ諮問のうえ、その助言・勧告を最大限尊重し、当社企業価値ひいては株主共同の利益の保護を目的として、新株予約権の無償割当てを行い、大規模買付行為に対抗することがあります

 具体的対抗措置として新株予約権の無償割当てを行う場合には、議決権割合が一定割合以上の特定株主グループに属する者に新株予約権の行使を認めない旨の条件または当社が新株予約権の一部を取得する場合に、特定株主グループに属する者以外の新株予約権者が所有する新株予約権のみを取得することができる旨を定めた取得条項を付するなど、大規模買付ルールを順守しない者への対抗措置としての効果を勘案した条件等を設けることがあります

 大規模買付ルールが順守されている場合、当社取締役会は、大規模買付行為が当社企業価値ひいては株主共同の利益に回復し難い損害をもたらすことが明らかでない限り、株主の皆様の意思に基づくことなく当社取締役会の判断のみで大規模買付行為を阻止しようとすることはありません

 当社取締役会は、当社企業価値ひいては株主共同の利益に回復し難い損害をもたらすことが明らかな場合として、以下の①から⑤までに掲げられる行為が意図されている場合を想定しております

① 株式を買い占め、その株式について当社に対して高値で買取りを要求する行為

② 当社を一時的に支配して、当社の重要な資産等を廉価に取得する等当社の犠牲のもとに大規模買付者の利益を実現する経営を行うような行為

③ 当社の資産を大規模買付者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する行為

④ 当社の経営を一時的に支配して当社の事業に当面関係していない高額資産等を処分させ、その処分利益をもって一時的な高配当をさせるか、一時的高配当による株価の急上昇の機会を狙って高値で株式を売り抜ける行為

⑤ 強圧的二段階買付(最初の買付で全株式の買付を勧誘することなく、二段階目の買付条件を株主に対して不利に設定し、あるいは明確にしないで、公開買付等の株式売買を行うことをいいます。)等株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれのある買付である場合

 対抗措置の発動については、弁護士、財務アドバイザーなどの外部専門家の助言を求め、また社外取締役や監査役の意見も十分尊重し、独立諮問委員会へ諮問のうえ、その助言・勧告を最大限尊重したうえで、当社取締役会で決定し、適時適切な開示を行います。

 上記の対抗措置を発動するに際し、当社取締役会が当社株主共同の利益の観点から株主の皆様の意見を確認させていただくことが適切であると判断した場合には、株主総会を開催することといたします。当社取締役会が株主総会を開催することを決定した場合には、その時点で株主総会を開催する旨および開催理由の開示を行います。

 なお、当社取締役会は、対抗措置の発動を決定した後、大規模買付者が大規模買付行為の撤回または変更を行うなどの理由により対抗措置の発動が適切でないと判断した場合には、弁護士、財務アドバイザーなどの外部専門家の助言を求め、また社外取締役や監査役の意見も十分尊重し、独立諮問委員会へ諮問のうえ、その助言・勧告を最大限尊重したうえで、対抗措置の発動の停止または変更を行うことがあります。この場合、当社取締役会はその旨を速やかに開示いたします。

6) 株主・投資家に与える影響等

① 大規模買付ルールが株主・投資家に与える影響等

 大規模買付ルールは、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や、現に当社の経営を担っている当社取締役会の意見を提供し、さらには、当社株主の皆様が代替案の提示を受ける機会を保証することを目的としています。これにより、当社株主の皆様は、十分な情報のもとで、大規模買付行為に応じるか否かについて適切な判断をすることが可能となり、そのことが当社株主共同の利益の保護につながるものと考えます。したがいまして、大規模買付ルールの設定は、当社株主および投資家の皆様が適切な投資判断を行う前提として適切なものであり、当社株主および投資家の皆様の利益に資するものであると考えております。

 なお、上記 5)において述べた通り、大規模買付者が大規模買付ルールを順守するか否かにより大規模買付行為に対する当社の対応方針が異なりますので、当社株主および投資家の皆様におかれましては、大規模買付者の動向にご注意くださるようお願いいたします

② 対抗措置発動時に株主・投資家に与える影響等

 大規模買付者が大規模買付ルールを順守しなかった場合には、当社取締役会は、当社企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として、独立諮問委員会へ諮問のうえ、その助言・勧告を最大限尊重し、対抗措置をとることがあります。この場合に想定される当該対抗措置の仕組上、当社株主の皆様(大規模買付ルールに違反した大規模買付者を除きます。) において、新株予約権の無償割当ておよびそれに引き続く株式の交付により、その保有する当社の株式1株当たりの価値の希釈化は生じるものの、保有する当社の株式全体の価値の希釈化は生じないことから、法的権利または経済的側面において格別の損失を被るような事態が生じることは想定しておりません。ただし、当社取締役会が新株予約権の無償割当ての決議をした場合であっても、大規模買付者が大規模買付行為を撤回した等の事情により、無償割当ての中止、または新株予約権の行使期間開始日前日までに当社が当社株式を交付することなく無償での新株予約権の取得を行うことがあります。この場合、1株当たりの当社株式の価値の希釈化は生じないことから、1株当たりの当社株式の価値の希釈化が生じることを前提として当社株式の売買を行った投資家の皆様は、株価の変動により不測の損害を被る可能性があります。当社取締役会が具体的対抗措置をとることを決定した場合には、法令および金融商品取引所規則に従って適時適切な開示を行います。

 なお、対抗措置として行われる新株予約権の無償割当てにつきましては、当社取締役会が別途定める割当て期日における最終の株主名簿に記載または記録された株主の皆様に新株予約権が割当てられますので、新株予約権を取得するためには、新株予約権の割当て期日までに振替手続を完了していただく必要があります。かかる手続きの詳細につきましては、実際に新株予約権の無償割当てを実施することになった際に、法令に基づき別途お知らせいたします。

 また、新株予約権の無償割当てを行う場合には、当社取締役会が定める日をもって特定株主グループに属する者以外の株主の皆様が有する新株予約権を当社が取得し、これと引換えに当社株式を交付する場合があります。この場合には、特定株主グループに属する者以外の株主の皆様は当社が取得の手続きをとることにより、新株予約権の行使のための金銭を払い込むことなく、当社による取得の対価として、新株予約権の目的となる当社株式を受領することになります。なお、取得の対象となる株主の皆様には、別途ご自身が特定株主グループに属する者でないこと等を確認する当社所定の書式による書面や、振替株式を記録するための口座の情報をご提出いただくことがあります

7) 本対応方針の合理性についての当社取締役会の判断

1.本対応方針が当社の基本的な考え方に沿うものであること

 本対応方針は、大規模買付行為がなされた際に、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保すること、または株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とすることで、当社企業価値ひいては株主共同の利益を確保するためのものであり、当社の基本的な考え方(前記 1)に沿うものです。

2.本対応方針が当社株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするもので  はないこと

 当社取締役会は以下の理由から、本対応方針が当社株主共同の利益を損なうものではなく当社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

① 株主意思を反映するものであること

本対応方針は、当社株主総会において株主の皆様のご承認を得て、その株主総会終了後の当社取締役会の決議をもって発効しております。また、本対応方針の有効期間の満了前であっても、株主総会において本対応方針を廃止する旨の決議が行われた場合には、本対応方針はその時点で廃止されることになり、株主の皆様のご意向が反映されます。

② 独立性のある社外者の助言・勧告の尊重

当社は、本対応方針の運用の適正性を確保し、大規模買付行為が行われた際に当社取締役会が行う判断の公正性、透明性をより一層担保するために独立諮問委員会を設置いたします。当該独立諮問委員会は、諮問を受けた事項について審議・決議し、その決議内容に基づいて当社取締役会に対し助言または勧告し、当社取締役会は、当該助言・勧告を最大限尊重します。

③ 「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を踏まえた設計

本対応方針は、2005年5月27日付の経済産業省・法務省の「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を充足し、かつ2008年6月30日付の企業価値研究会の「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を踏まえて設計されています。

④ 廃止が困難なものでないこと

本対応方針は、当社の株主総会において選任された取締役により構成される取締役会によって廃止することが可能です。また、当社取締役の任期は1年であることから、大規模買付者が自己の指名する取締役を株主総会で選任し、かかる取締役で構成される取締役会により、特に長期の期間を要することなく本対応方針の廃止が可能です。

 

(独立諮問委員会の詳細)

1.構成員

 独立諮問委員会の委員は、当社の業務執行者から独立している者で、員数は3名以上とし、実績ある会社経営者、投資銀行業務に精通する者、企業・経済活動に精通する者、弁護士、公認会計士もしくは会社法等を主たる研究対象とする研究者またはこれらに準ずる者の中から、当社取締役会が選任します。

 独立諮問委員会の委員の任期は、選任後1年内に終了する事業年度に関する定時株主総会後、最初に開催される取締役会終了時までとします。再任は妨げません。また、当社取締役会が指定する善管注意義務条項等を含む契約を当社と締結します。

 ただし、当社取締役会の決議により別段の定めをした場合はこの限りではありません。

 なお、取締役会において本対応方針を廃止する旨の決議をした場合、独立諮問委員会委員の任期は本対応方針の廃止と同時に終了します。

2.決議要件

 独立諮問委員会の決議は、原則として、独立諮問委員会委員のうち3分の2以上が出席し、その過半数をもってこれを行います。ただし、やむを得ない事由があるときは、独立諮問委員会委員の過半数が出席し、その過半数をもってこれを行うことができます。

3.決定事項その他

 独立諮問委員会は、当社取締役会の諮問がある場合には、これに応じ、主として以下の各号に記載された事項について精査、検討、審議等のうえ決定し、その決定の内容をその理由を付して当社取締役会に対して助言・勧告します。当社取締役会は、この独立諮問委員会の勧告を最大限尊重して、会社法上の機関としての決議を行います。なお、独立諮問委員会の各委員および当社各取締役は、こうした決定にあたっては、専ら当社企業価値ひいては株主共同の利益に資するか否かの観点からこれを行うことを要し、自己または当社の経営陣の個人的利益を図ることを目的としません

 ① 大規模買付者が当社取締役会に提供すべき情報の範囲

 ② 大規模買付者が大規模買付ルールを順守したか否か

 ③ 大規模買付行為が当社企業価値ひいては株主共同の利益に回復し難い損害をもたらすものであるか否か

 ④ 対抗措置の発動の可否、およびその内容の妥当性

 ⑤ その他当社取締役会が諮問した事項

 また、独立諮問委員会は、適切な判断を確保するために、上記判断に際して必要かつ十分な情報収集に努めるものとし、合理的な範囲内における当社の費用で、独立した第三者(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含む。)の助言を得ること等ができます。

 また、当社の取締役、監査役、従業員その他の独立諮問委員会が必要と認める者の出席を要求し、独立諮問委員会が求める事項に関する説明を求めることができます。

 なお、独立諮問委員会は、当社取締役会の諮問がある場合のほか、定期的に委員会を開催し、中期経営計画の進捗状況をはじめ、当社の経営状況について、当社取締役その他独立諮問委員会が必要と認める者から報告を受けるものとします。

2【事業等のリスク】

 当社グループの事業、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある事項は次の通りであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 市場競争

 当社グループの各事業は、プリンティング事業を始めとして事業を展開する多くの市場において他社との激しい競争にさらされております。一部の競合他社は当社グループよりも多くの経営資源を有しているほか、今後市場環境の変化により新規競合他社の参入、あるいは競合先間の提携が行われ、競争が更に激化することが想定されます。これらの要因により現在の市場シェアを維持できなくなり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

(2) 人材確保

 当社グループは、グローバルに展開する企画、開発、設計、製造、販売、サービス等の各機能に必要な人材確保に努めております。しかしながら労働市場における人材の獲得競争は激化しており、有能な人材の採用や雇用の継続が困難になった場合は、研究開発に十分な資源を投入できないことによる製品競争力の低下や労働力不足による製品の安定供給への支障など、結果として当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 知的財産権

 当社グループは、必要に応じて、特許等の知的財産権に関するライセンス契約を他社と締結しつつ、事業活動を行っております。それら契約に基づくロイヤリティの収支は、業績の変動要因となり得、また、契約の条件によっては、事業活動における制約となる可能性があります。研究開発等の結果獲得した当社独自の技術を完全に保護することには限界があり、第三者による知的財産権の侵害や模倣品の製造・販売が起きる可能性があります。一方で他社から同様な訴えがなされる可能性もあり、これらは当社グループの業績に一定の影響を与える可能性があります。なお、当社グループは、発明報奨規程を設け、それに則り、発明者に対する報奨等を適切に行っております。しかし、その対価若しくは相当の利益をめぐって、発明者と争いになる可能性があります。

(4) 品質管理

 当社グループは、高品質の魅力ある製品を提供するため、厳格な品質管理基準に従って生産管理体制を確立し、製品の製造を行っております。製造委託先から供給を受ける製品に対しても、同様な品質管理基準に従って適正な品質レベルであることを検証しております。しかし、すべての製品に対し欠陥がなく、将来に製品安全問題や品質問題が発生しないという保証はありません。それらの重大な問題が発生した場合、多額のコストを要するほか、ブランドイメージや社会的評価が低下し、顧客の当社グループ製品への購買意欲を減少させ、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

(5) 為替・金利

 当社グループは、海外での製造・販売比率が高く、外貨建取引に伴う将来の為替変動リスクが発生します。そのリスク低減のため、外貨建取引における受取と支払のリンク率向上を図る一方で、短期的には為替予約取引を行うなど、リスクを効率的に管理し、回避するよう努めております。しかし、中国・東南アジア等、主要な製造拠点の所在地域の通貨が上昇した場合、製造・調達コストを押し上げる要因になるなど、中長期的な為替レートの変動が、財務諸表等に一定の影響を及ぼすことが想定されます。また、金利変動リスクに対しては、固定金利での資金調達や金利スワップ等の金融商品を活用してリスクの軽減に努めておりますが、金利の大幅な変動があった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 法的規制

 当社グループは、事業活動を行っている各国において、様々な関連法規や規制、税制の適用を受けております。グループ全体でこれらを遵守すべく内部統制の仕組みを強化しているほか、リスク管理体制の整備を進めております。万が一これらの規制を遵守できない事象が発生した場合などには、当社グループの事業活動が制限される可能性、費用負担の増加につながる可能性があります。特に新興国においては、輸出入に関する規制・投資規制・海外送金に関する規制・移転価格税制等をはじめとする規制・税制等の変更のような、予測できない事態の発生により、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

(7) 原材料の価格高騰

 当社グループの製品に使用されている樹脂材料や鋼板などの原材料価格が上昇した場合、製造コストを押し上げる要因になります。これらの影響を製品の販売価格に転嫁できない、あるいは経費削減、能率改善でコストを十分に吸収できない場合、将来の収益性に一定の影響を及ぼすことが想定されます。

(8) 情報ネットワーク

 当社グループは、生産管理・販売管理及び財務等に関する情報をネットワークを通して管理しております。また、近年は管理状態を確認後にクラウドを含む社外の情報システムもネットワークを通して管理しております。双方の利用において情報の保存、設備の保全等の対策には万全を期しておりますが、万が一ネットワークの切断、システムの停止等が発生した場合、これらは事業活動の阻害要因となり得ます。また、コンピュータウィルスの感染やハッキングなどにつきましても、十分な予防措置を講じておりますが、予期し得ない外部からの侵入や攻撃がなされた場合、その内容や規模によっては、事業活動に悪影響を与える可能性があります。
 また、内部統制への対応として、財務報告の信頼性を維持し高めることが求められている中、IT全般統制の視点から情報システムの開発・保守・運用業務の品質向上活動を継続し、適正なIT業務運用に努めております。しかしながら、予期し得ない統制上の問題が生じた場合には、財務報告の信頼性を担保できないような状況が起こり得ることも考えられます。

(9) 情報セキュリティー

 当社グループは、情報管理規程を定めると共に情報管理委員会を設け、情報セキュリティー運用ルールを策定しております。また、SNS等のソーシャルメディアの利用に関しても、利用規程を定めております。それらの運用ルールや利用規程に基づき社内教育を通じて、個人情報及び機密情報の漏洩を防ぐよう努めております。また、近年はスマートフォン等により一部の社内情報の利用が出来ますが、利用端末の制限や暗号化等により管理体制の強化に努めております。さらに、個人情報や機密情報へのアクセスに関しましては、アクセス制御やアクセスログ管理を行っており、不正な取り扱いを回避しております。
 しかしながら、何らかの原因で個人情報及び機密情報が外部に漏洩した場合、お客様からの信頼を失うとともに、ブランドイメージの低下を招くなど、当社グループの事業活動や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
 また、顧客サービスの充実を目指して、お客様向けにWebサイトにて製品情報やサポート情報の提供を行っております。このようなWebサイトにつきましては、安全な情報セキュリティーレベルを維持することに努めておりますが、想定されない外部攻撃により、Webサイトの改ざんや不正なWebサイトへの誘導などの行為がなされた場合には、事業活動に悪影響を及ぼすことが考えられます。

(10)今後の事業展開・見通し

 当社グループは、現在のプリンティング事業中心の体制から、今後の成長が見込まれる産業用領域や新規事業に重点を置いた、複合事業企業への転換を目指してまいります。
 当社グループが、複合事業企業への転換及び新規事業の開始にあたっては、その事業固有のリスクが新たに発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、M&A等の実施においては、事業の統合に当初想定以上の負荷がかかることや投資時点において想定した通りに投資先が事業を展開できないこと等により、予想された通りの投資効果が得られず、投資に伴い発生したのれん等の無形資産、有形固定資産の減損損失が発生するなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(11)環境規制

 当社グループは、国内外における事業活動に伴って発生する廃棄物や消費するエネルギー、環境中に放出する大気・水質・騒音等、製品に含まれる特定の化学物質など、様々な環境規制を受けております。また、当社グループは、環境に配慮した製品開発や環境に配慮したサプライヤーからの部品調達、製造プロセス・製品使用プロセスにおける資源・エネルギー量の削減、使用済み製品の回収・リサイクル等、製品のサプライチェーン全体にわたって環境負荷低減活動に取り組んでおります。また、これら環境規制への対応や環境負荷低減活動内容などの環境情報の適正開示を推進しております。しかしながら、将来において、十分な予防措置を講じているにも関わらず発生した環境事故、更なる環境法規制の強化に対応した法令順守体制の構築、中長期にわたる環境改善のための費用負担や、情報開示の不足等による社会的信用の低下が当社グループの事業経営に影響を及ぼす可能性があります。

(12)災害・その他

 当社グループは、その生産・販売拠点の多くを、海外に置いております。主要な生産拠点は中国・ベトナム・フィリピン等であり、販売拠点は世界各国に広がっております。これら諸拠点においては、防災活動として、防火対策や地震・台風等の自然災害に対する一定の施策を講じております。しかし予期せぬ事象(戦争、テロ、伝染病、ストライキ又は労働争議、巨大地震や地球温暖化に伴う異常気象などの想定を超える規模の自然災害等)により社会的混乱が広まれば、部品調達体制も含めた生産・販売のダメージを受ける等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、本社機能が位置する日本でも南海トラフ地震を想定した防災危機管理体制を確立しておりますが、想定を超える規模の地震等により、一定の被害を受ける可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

 当社グループの業績等の概要は次の通りです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 なお、当社グループの業績管理は、事業セグメント損益及び営業損益により行われております。事業セグメント損益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概要は次の通りであります。

 

①経営成績の状況

 当期における世界経済を振り返りますと、米国においては、雇用や所得環境の回復を背景に、個人消費が底堅く推移したことに加え、内外需要の拡大により企業収益も改善するなど、景気は回復基調が続きました。欧州においては、ECB(欧州中央銀行)の金融緩和策や、世界経済の回復などが下支えとなり、製造業を中心に、景気は緩やかな回復が続きました。中国においては、世界経済の回復による輸出の拡大や、堅調な個人消費に支えられ、安定的な経済成長が続きました。また、日本においては、底堅い企業収益に支えられ、個人消費も緩やかな回復が続くなど、景気は回復基調が持続しました

 このような状況の中、当社グループの連結業績は、円安による為替のプラス影響に加え、レーザー複合機やインクジェット複合機などの通信・プリンティング機器の製品本体の販売がグローバルで好調に推移したことや、IT関連顧客向けや自動車関連市場向けの需要拡大により産業機器が好調に推移したことなどにより、売上収益は前期比11.2%増の712,997百万円となりました。事業セグメント利益は、円安による為替のプラス影響に加え、産業機器が好調だったマシナリー事業が大幅な増益となったことなどにより、前期比27.1%増の77,229百万円となりました。営業利益は、為替予約に関する評価損を計上した影響はあるものの、事業セグメント利益が増益となった効果により、前期比16.1%増の68,672百万円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期に実施した株式会社エクシングの完全子会社化に伴う税効果のプラス効果がなくなったことや、米国の法人税減税を受けた繰延税金資産の取り崩しによる一時的な法人所得税費用の増加の影響はあるものの、前期比5.9%増の50,020百万円となりました

*平均為替レート(連結)は次の通りであります。
当期 米ドル : 110.81円   ユーロ : 129.45円

前期 米ドル : 109.03円   ユーロ : 119.37円

セグメント別の業績は、次の通りであります。

1) プリンティング・アンド・ソリューションズ事業

売上収益 412,165百万円(前期比+7.4%)

○通信・プリンティング機器 364,903百万円(前期比+7.8%)

 主にSOHO市場向けのモノクロレーザー製品がグローバルで好調に推移したことに加え、重点強化分野であるSMB市場向けも、欧州を中心に堅調に推移しました。カラーレーザー製品も、高耐久モデルにおいて新製品を投入した効果もあり、グローバルで堅調に推移しました。インクジェット製品は、市場全体は前年を下回る水準が続いているものの、新興国向けのインクタンクモデルの販売は計画を上回るペースで推移しました。加えて、円安による為替のプラス影響もあり、全体では増収となりました

○電子文具 47,262百万円(前期比+4.9%)

 「ピータッチ」ブランドで展開するラベルライター・ラベルプリンターは、スマホアプリでラベル編集をする「P-TOUCH CUBE」が日本で好調に推移するなど、グローバルで堅調に推移したことに加え、円安による為替のプラス影響もあり、増収となりました

事業セグメント利益 52,890百万円(前期比+15.9%)

営業利益      47,353百万円(前期比+ 4.0%)

 グローバルで製品販売が堅調に推移したことに加え、主にユーロ高に伴う為替のプラス影響もあり、増益となりました

2) パーソナル・アンド・ホーム事業

売上収益 44,466百万円(前期比+0.1%)

 欧州での需要は堅調だったものの、米州やアジア地域において需要が低迷した影響などにより、全体ではほぼ前期並みの水準となりました

事業セグメント利益 1,981百万円(前期比△ 2.8%)

営業利益      1,051百万円(前期比△44.1%)

 研究開発費など、先行投資の増加の影響もあり、事業セグメント利益は若干の減益となりました。営業利益は、期末レートが円安となったことに伴い、為替予約に関する評価損を計上したこともあり、大幅な減益となりました

3) マシナリー事業

売上収益 127,299百万円(前期比+40.0%)

○工業用ミシン 31,094百万円(前期比+16.0%)

 工業用ミシンは、アジア地域の需要が弱含んだものの、中国・欧州の需要が改善したことにより、全体では堅調に推移しました。加えて、ガーメントプリンターの新製品「GTX」の販売が米欧を中心に好調に推移したこともあり、事業全体では増収となりました

○産業機器 76,018百万円(前期比+67.6%)

 IT関連顧客向けの大口受注の効果に加え、注力している自動車関連市場向けも堅調に推移したことなどにより、大幅な増収となりました

○工業用部品 20,186百万円(前期比+7.4%)

 工場の自動化に向けた設備投資の増加などを受け、減速機・歯車とも需要が拡大し、増収となりました

事業セグメント利益 14,426百万円(前期比+133.5%)

営業利益      14,131百万円(前期比+136.3%)

 主に産業機器やガーメントプリンターが好調に推移したことに伴い、大幅な増益となりました

 

4) ネットワーク・アンド・コンテンツ事業

売上収益 49,052百万円(前期比△1.4%)

 カラオケ事業、カラオケ店舗事業とも概ね堅調に推移し、ほぼ前期並みの水準となりました。

事業セグメント利益 2,663百万円(前期比+20.3%)

営業利益      1,343百万円(前期比+57.2%

 通信カラオケ機器の新モデルの販売が堅調に推移したことに加え、経費削減などの取り組みの効果もあり、事業セグメント利益は増益となりました。営業利益については、前期に計上した収益力強化のための構造改革に伴う一時費用がなくなったことにより、大幅な増益となりました

5) ドミノ事業

売上収益 68,390百万円(前期比+15.2%)

 コーディング・マーキング機器、デジタル印刷機とも、グローバルで堅調に推移し、増収となりました

事業セグメント利益 4,640百万円(前期比+11.1%)

営業利益      3,998百万円(前期比△ 8.4%)

 研究開発費など、成長に向けた先行投資の増加の影響はあるものの、増収に伴い事業セグメント利益は増益となりました。営業利益は、為替差損を計上したことにより減益となりました。

 

②財政状態の状況

 資産合計は、現金及び現金同等物の増加、その他の金融資産の増加などにより、前連結会計年度末に比べ34,171百万円増加し、708,278百万円となりました。

 負債合計は、社債及び借入金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ16,614百万円減少し、295,783百万円となりました。

 資本合計は、当期利益による利益剰余金の増加、円安による為替換算調整勘定の影響などにより、前連結会計年度末に比べ50,785百万円増加し、412,494百万円となりました。

 

 *当期における期末為替レートは、次の通りです。
  米ドル : 106.24円    ユーロ : 130.52円
 

 

③キャッシュ・フローの状況

 現金及び現金同等物(以下「資金」)は、営業活動により81,817百万円増加、投資活動により37,090百万円減少、財務活動により34,551百万円減少等の結果、当連結会計年度は前連結会計年度に比べ9,351百万円増加し、121,384百万円となりました。

 当期における各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は、次の通りです。

 

1)営業活動によるキャッシュ・フロー

税引前利益は69,669百万円で、減価償却費及び償却費34,141百万円など、非資金損益の調整による資金の増加があり、法人所得税の支払18,300百万円、営業債権及びその他の債権の増加額8,756百万円などを差し引いた結果、81,817百万円の資金の増加となりました。

 

2)投資活動によるキャッシュ・フロー

有形固定資産の取得による支出22,727百万円、負債性金融商品の取得による支出10,689百万円、無形資産の取得による支出9,144百万円、負債性金融商品の売却又は償還による収入6,337百万円などにより、37,090百万円の資金の減少となりました。

 

3)財務活動によるキャッシュ・フロー

長期借入金の返済による支出20,299百万円、配当金の支払額12,480百万円などにより、34,551百万円の資金の減少となりました。

 

④生産、受注及び販売の状況

1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

  至 2018年3月31日)

前年同期比(%)

プリンティング・アンド・ソリューションズ (百万円)

484,630

1.7%

パーソナル・アンド・ホーム (百万円)

48,416

△5.0%

マシナリー (百万円)

131,921

44.1%

ネットワーク・アンド・コンテンツ (百万円)

33,790

△13.7%

ドミノ (百万円)

71,976

14.1%

その他 (百万円)

5,586

△13.5%

合計 (百万円)

776,322

6.7%

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

2)受注実績

 当社グループの生産活動は、その多くを見込生産で行っておりますので、受注実績は記載しておりません。

3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

  至 2018年3月31日)

前年同期比(%)

プリンティング・アンド・ソリューションズ (百万円)

412,165

7.4%

パーソナル・アンド・ホーム (百万円)

44,466

0.1%

マシナリー (百万円)

127,299

40.0%

ネットワーク・アンド・コンテンツ (百万円)

49,052

△1.4%

ドミノ (百万円)

68,390

15.2%

その他 (百万円)

11,623

△11.4%

合計 (百万円)

712,997

11.2%

 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.主要な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討事項

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第93条の規定により、IFRSに準拠して作成されております。

 IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行うことが要求されております。当社グループの判断、見積り及び仮定は合理的であると考えておりますが、実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。

 なお、当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)当連結会計年度の経営成績

 当社グループの連結業績は、円安による為替のプラス影響に加え、レーザー複合機やインクジェット複合機などの通信・プリンティング機器の製品本体の販売がグローバルで好調に推移したことや、IT関連顧客向けや自動車関連市場向けの需要拡大により産業機器が好調に推移したことなどにより、売上収益は前期比11.2%増の712,997百万円となりました。事業セグメント利益は、円安による為替のプラス影響に加え、産業機器が好調だったマシナリー事業が大幅な増益となったことなどにより、前期比27.1%増の77,229百万円となりました。営業利益は、為替予約に関する評価損を計上した影響はあるものの、事業セグメント利益が増益となった効果により、前期比16.1%増の68,672百万円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年に計上した株式会社エクシングの完全子会社化に伴う税効果のプラス効果がなくなったことや、米国の法人税減税を受けた繰延税金資産の取り崩しによる一時的な法人所得税費用の増加の影響はあるものの、前期比5.9%増の50,020百万円となりました

 

2)経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループは、製品・サービスの販売、製品の製造など、事業活動の大半を海外で展開しております。よって、グループの業績は、各国の市場動向、為替動向、海外工場におけるモノづくり力の維持・強化など、様々な要因により影響を受ける可能性があると認識しております。

 まず為替リスクに対する対応としては、利益への影響が大きいユーロについては、一定の基準に基づき為替予約を行うことで、急激な為替レートの変動が業績に与える影響をコントロールしております。

 製造面に関しては、コストダウンや様々なリスクヘッジを目的に、各事業とも中国を中心とした体制から、ベトナムやフィリピンといったアジア地域を中心とした体制へとシフトを進めております。製造拠点を分散化させることで、災害や事故などのリスクを低減し、安定した製品供給を実現してまいります。

 また、事業別に見ると、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業が占める割合は売上収益の57.8%、事業セグメント利益の68.5%を占めており、P&S事業の業績動向が経営成績に重要な影響を与える最大の要因となっております。当社グループは、SOHO向けのレーザー複合機・プリンターにおいて、米国や西欧などの先進国地域を筆頭にグローバルで高いシェアを保持しているだけでなく、収益性についても、事業セグメント利益率12.8%と、高い収益性を実現しております。この分野においては、競合企業間の事業再編の影響などもあり、競争環境は比較的穏やかな状況が継続していることから、今後もグループ全体の収益を支える事業として、持続的な成長を実現してまいります。一方でこの分野は、デジタルデバイスの普及や、インターネットを中心としたテクノロジーの進化、オフィスにおける働き方の変化、顧客の購買方法の変化など、ビジネス環境が刻々と変化していることから、持続的な成長の実現に向けて、変化への対応力が求められております。

 ブラザーグループは、このような状況に対応するため、2018年度を最終年度とする中期戦略「CS B2018」(2016年度~2018年度)を策定し、「変革への挑戦」を進めております。

 「CS B2018」では、“Transform for the Future ~変革への挑戦~”をテーマに掲げ、グループ全体で「事業・業務・人財」の3つの変革に取り組んでおります。

 

3)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 中期戦略「CS B2018」では、2018年度の業績目標を以下に設定しております。なお、事業セグメント利益、営業利益については、2017年度に1年前倒しで達成しております。

 

 

 

CS B2018業績目標

2017年度実績

2018年度予想

売上収益

6,850億円

7,130億円

6,900億円

事業セグメント利益

650億円

772億円

710億円

営業利益

630億円

687億円

700億円

 

4)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 事業セグメントごとの経営成績の状況については、(1)経営成績等の状況の概要 に記載しております。中期戦略「CS B2018」では、各事業を「収益力強化事業」と「成長領域事業及び新規事業」に分類し、事業のポートフォリオ強化に向けて人員や投資の再配分を行っております。

 

 収益力強化事業

a)プリンティング・アンド・ソリューションズ事業/通信・プリンティング機器(SOHO向け)

 プリンティング市場の成熟化が進む中、強みであるSOHO市場向けの製品群の競争力を磨き、全社を収益面で支える事業として、開発・製造・販売など、徹底的な効率化を推進してまいります。

 

b)ネットワーク・アンド・コンテンツ事業

 カラオケ事業のキャッシュカウ化に向けた構造改革の完遂を方針に定め、最終年度に営業利益率5%を達成することを目標とし、商品力の高いモデルの拡販を軸に、楽曲提供から、カラオケ店舗運営までグループで事業シナジーを創出してまいります。

 

 成長領域事業及び新規事業

c)プリンティング・アンド・ソリューションズ事業/通信・プリンティング機器(SMB向け)

 顧客のオフィスにおける最適製品最適配置の提案や契約型ビジネスなどのソリューションビジネスを強化し、SMB市場における小型複合機の販売拡大をプリンティング事業の成長分野として進めてまいります。

 

d)プリンティング・アンド・ソリューションズ事業/電子文具

 中心であったホーム・オフィス市場の成熟化を受け、今後は小売り・物流など業務用途向けの販売を強化してまいります。

 

e)パーソナル・アンド・ホーム事業/家庭用ミシン・カッティングマシン

 家庭用ミシン市場において、高級機から普及機までの圧倒的なグローバルNo.1を維持するとともに、クラフト分野を事業の2本目の柱として育成することで、収益力の強化と事業の成長を目指します。

 

f)マシナリー事業/工業用ミシン・産業機器・工業用部品

 工業用ミシン分野においては、アジアでの販売力とソリューション提案力の強化を進め、顧客基盤の拡大を目指します。産業機器分野においても、ソリューション力の強化により、自動車関連市場向けの売上の拡大を目指します。工業用部品分野においては、ロボット市場向けを含めた製品開発・提案による販売拡大に加え、他のマシナリー事業とのシナジーの追求を推進してまいります。これらの取り組みにより、お客様の生産活動の効率化を実現するとともに、事業の成長を目指してまいります。

 

g)ドミノ事業

 グループを牽引する新たな事業として、既存技術とのシナジーを最大化し、コーディング・マーキング及びデジタル印刷でのビジネス拡大を図り、ブラザーグループの次世代の成長の柱とするべく、高い成長を目指してまいります。今後は当社がこれまでに培ってきた様々な印字技術や、グローバルな開発・製造・販売体制を活用し、ドミノのグローバルなビジネス展開を加速させるとともに、新たな顧客価値の創出に取り組んでまいります。

 

 

5)当社グループの資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の流動性維持及び、柔軟で効率的な資金の確保を財務活動の重要な方針としております。この方針に従って、当社グループは、グループ会社が保有する資金をグループ内で効率よく活用するキャッシュマネジメントシステムを構築し運用しております。また、手元流動性の補完として複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結しております。これらの結果、資金の偏在をならし、グループ全体で借入を極力削減する体制を整えております。

流動性管理

 当社グループは、現金及び現金同等物と使用のコミットメントラインを合わせた金額を手元流動性と位置付けております。当連結会計年度末現在、当社グループは現金及び現金同等物121,384百万円を保有しております。

 また、複数の金融機関と合計10,000百万円のコミットメントライン契約を締結しており、未使用額は10,000百万円です。これらを合わせると、当社グループは手元流動性を131,384百万円確保しております。これにより、季節的な資金需要の変動、1年以内に期限の到来する借入及び償還予定の社債、事業環境リスク等を考慮の上、通年に渡り十分な手元流動性を確保していると考えております。

資金調達

 運転資金等の短期資金は、原則として期限が1年以内の短期借入金を現地通貨で調達することとし、生産設備等の長期資金は、内部留保資金の他、固定金利の長期借入金及び社債等で調達することを基本方針としております。当連結会計年度末現在、短期借入金の残高は1,176百万円で、通貨は主にユーロであります。1年内返済予定の長期借入金の残高は、271百万円で、通貨は日本円であります。長期借入金の残高は74,530百万円であり、通貨は米ドル、日本円であります。また、1年内償還予定の社債の残高は20,446百万円で、通貨は主に日本円であります。社債の残高は20,021百万円で、通貨は日本円であります。

 当社は、株式会社格付投資情報センターから格付けを取得しています。当連結会計年度末現在、長期債及び発行体格付けがA、コマーシャルペーパーがa-1であります。金融・資本市場へのアクセスを保持するため、一定水準の格付けの維持は重要と考えております。

 当社グループでは、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力に加えて、コミットメントライン契約を含めた手元流動性、健全な財務体質により、当社グループの成長を維持するために必要な運転資金及び設備投資・研究開発資金等を確保することが可能と考えております。

 

(経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報)

 IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下の通りであります。

(のれん及び無形資産)

 日本基準において、のれんはその効果の及ぶ年数にて均等償却を行っておりましたが、IFRSでは、のれんは償却を行わず、減損の兆候の有無に関わらず毎期減損テストを実施しております。

 この影響により、IFRSでは日本基準に比べて営業利益が56億円増加し、親会社の所有者に帰属する当期利益が59億円増加しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

技術契約

契約会社名

相手先

(国名)

内容

契約期間

当社

キヤノン株式会社

(日本)

電子写真及びファクシミリに関する特許実施権の許諾

2009年6月27日から対象特許の満了日まで

株式会社リコー

(日本)

電子写真技術及びファクシミリ装置に関する特許実施権の許諾

2014年10月1日から5年間

Lemelson Medical,

Education and

Research

Foundation(米国)

画像処理技術及びバーコード技術等に関する特許実施権の許諾

1998年4月2日から対象特許の満了日まで

 

 

5【研究開発活動】

 当社グループでは、固有の技術を生かしてお客様の求める製品・サービスを生み出すことが真の技術力であると考えています。それは優れた技術も製品に生かされてこそ価値が生まれると考えるためです。お客様に評価され選ばれる製品をご提供するために、当社グループの技術者はお客様と向き合い、お客様の声に真摯に耳を傾けています。そして、お客様が喜ぶ顔をどんな技術で実現するか、どんな製品でお客様の役に立つことができるかを常に考えながら価値創造に取り組んでいます

 

 試験研究に従事する者は、グループ全体で2,193人であります。

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、45,649百万円であります。

 

 当連結会計年度におけるセグメント別の主な研究開発内容や研究開発成果及び研究開発費は、次の通りであります。

 

(1)プリンティング・アンド・ソリューションズ事業

 レーザーやインクジェットなどのプリンティング技術を追求し、ワークスタイルの革新を提案します。代表的な製品としては、コンパクト性を追求したプリンターのほか、1台にプリンター・ファクス・コピー・スキャナーなどの機能を搭載した複合機、また、使いやすさにこだわったラベルライターがあります。これらの情報通信機器で、SOHO(Small Office・Home Office)やSMB(Small and Medium Business)などで幅広いニーズにお応えします。

 また、海外生産が加速する流れの中で、モノ創り企業としての足腰を固めるため、製造をサポートするための生産技術開発を行い、モノ造りの早い段階での性能・品質の作りこみを目的としたプロセス改革、及び超精密加工技術なども推進しています。

 当連結会計年度の主な成果としては、カラーレーザー複合機においては、トナーなどの改良により印字品質が向上したA4カラーレーザー複合機「JUSTIO MFC-L9570CDW」の発売をあげることができます。

 インクジェットプリンターにおいては、名刺やレーベル作成などスマホアプリの印刷機能を強化したA4家庭用インクジェットプリンター「PRIVIO MFC-J893N」の発売をあげることができます。

 ドキュメントスキャナーにおいては、ネットワークにつながないシンプルな使い方に最適なUSB接続専用モデルのドキュメントスキャナー「JUSTIO ADS-2200」の発売をあげることができます。

 電子文具においては、専用のスマホアプリでラベルが作成できるラベルライター「P-TOUCH CUBE(ピータッチキューブ)」の新製品として、従来の12mmよりもさらに太い24mmテープカセットに対応したことで、ラベルのデザイン性や機能が拡張したラベルライター「PT-P710BT」の発売をあげることができます。

 当事業に係る研究開発費は、31,488百万円であります。

 

(2)パーソナル・アンド・ホーム事業

 高性能かつ高付加価値の製品を提供できる業界随一の開発力を有しています。特に電子技術の強みを生かした最先端の機能を使いやすい形でお客様に提供することで、市場をリードしています。

 当連結会計年度の主な成果としては、家庭用ミシンにおいては、家庭用刺しゅうミシン「Family Marker(ファミリーマーカー)」の新製品として、ディズニーキャラクターの刺しゅう模様を45種類内蔵し、本体性能を約10年ぶりに刷新した「FM2000D」の発売をあげることができます。

 当事業に係る研究開発費は、2,878百万円であります。

 

(3)マシナリー事業

 使いやすさ、高品質な縫製、省エネルギーを実現した工業用ミシン、スマートフォンなどのIT関連機器や自動車・オートバイの部品加工に最適な工作機械をお客様に提案し、密着したサポートをすることで、生産性向上と新たな価値創出をお手伝いしています。また、減速機・歯車分野では、よりユーザーニーズに合致した製品を開発することを目的としております。

 当連結会計年度の主な成果としては、工業用ミシンにおいては、プリントヘッドを大幅に改良し、従来機と比べ3分の1の印刷時間で圧倒的な生産性を実現したガーメントプリンター「GTX」の発売をあげることができます。

 減速機においては、低電圧ギアモータ製品のリニューアルを行いました

 当事業に係る研究開発費は、4,823百万円であります。

 

(4)ネットワーク・アンド・コンテンツ事業

 通信カラオケ事業において、業務用通信カラオケシステムを提供するとともに、通信カラオケで培ったコンテンツや配信技術を活用し、健康分野に向けたサービスや映像コンテンツの配信など、新たな顧客価値を追求しています。

 当事業に係る研究開発費は、923百万円であります。

 

(5)ドミノ事業

 各種コーディング・マーキング機器の販売からアフターサービスまでの一貫した提供を通じて、お客様による品質管理やトレーサビリティーの向上などの需要にお応えします。

 また、インクジェット方式のデジタル印刷機、及びそのアフターサービスまでの一貫した提供を通じて、お客様によるラベルなどパッケージ印刷に対する多種少量化・短納期化などの需要にお応えします。

 当事業に係る研究開発費は、3,475百万円であります。

 

(6)その他事業

 当事業に係る研究開発費は、2,058百万円であります。