第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2020年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 ブラザーグループは、すべてのステークホルダーから信頼され、従業員にとって心の底から誇りの持てる企業となることを目指しています。2002年に策定した中長期ビジョン「Global Vision 21」では、ブラザーグループが目指す3つの項目を以下の通り掲げ、事業活動に取り組んでいます。

 

・「グローバルマインドで優れた価値を提供する高収益体質の企業」になる

・ 独自の技術開発に注力し「傑出した固有技術によってたつモノ創り企業」を実現する

・「“At your side.”な企業文化」を定着させる

 

(2)経営環境

◆全般

 当期における世界経済は、米中貿易摩擦の拡大懸念の長期化に加え、年度末に発生した新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、経済活動全般での減速が懸念され、景気の先行きに対する不透明感は一段と強まっています。

 

◆プリンティング&ソリューションズ事業

 オフィス・ホーム向けのプリンティング市場は、デジタル化の進展や働き方の変化の流れを受け、緩やかな市場縮小が続いています。このような環境の中、ブラザーグループでは、コンパクトなモノクロ/カラーレーザー複合機、A3ビジネスインクジェット複合機などと、モバイル機器やクラウドに対応できるスキャナーを組み合わせることで、インプットからアウトプットまで一貫してお客様のニーズに対応できる製品構成やサービスの提供を進めています。また、顧客層をSMB*1市場にも拡大し、お客様のお困りごとに対するソリューションやオフィスでの最適製品・最適配置の提案、印刷管理・消耗品自動配送などの契約型ビジネスも拡大し、お客様の生産性向上とコスト最適化を実現することで、持続的な事業成長を目指しています。

 電子文具分野は、先進国でのオフィス・ホーム向けのラベリング市場を中心に堅調な需要が続いています。今後はバーコードプリンターや製造現場向けのラベリング機器などの業務用製品の需要拡大に合わせ、製品ラインアップの強化を通じた事業成長を目指しています。

 

◆パーソナル&ホーム事業

 家庭用ミシン市場は、北米や欧州、オセアニア地域などの先進国では、刺しゅうやキルトなどのソーイングを趣味とする顧客層による安定した需要が続いていることに加え、ネームやデザインなどの刺しゅうサービス向けの業務用刺しゅう機の需要が拡大傾向にあるなど、堅調な事業環境が持続しています。今後はアジアをはじめとする新興国においても、所得の増加やライフスタイルの変化によりソーイングを趣味とする顧客層が拡大することが期待されていますが、同時にこれらアジア諸国での顧客層の拡大には、一定の時間や投資を要するものと考えられます。

 

◆マシナリー事業

 工業用ミシン市場は、米中貿易摩擦によるマクロ景気の低迷の影響を受け、主要な市場である中国・アジア地域での需要低迷が続きました。主要顧客であるアパレル産業向けの需要は世界経済の影響を受けやすく、当面は厳しい状況が継続する可能性があります。一方で、インクジェット方式により、衣類や靴、カバンなどに直接デザインを印字することができるガーメントプリンターは、欧米を中心としたオンデマンド印刷需要の拡大に支えられ、高水準の市場成長が続いています。

 産業機器市場は、2019年暦年での工作機械業界全体の受注額が前年比で大幅な減少となるなど、内需・外需ともすべての産業向けで需要が低迷しました。長期的には、生産性や環境性能に優れた小型の工作機械分野は、自動車やIT関連向けなどでの量産部品加工用途での成長が期待できるものの、短期的には全世界での自動車生産台数の減少や、世界経済の停滞の影響を受ける可能性があります。

 減速機や歯車などの工業用部品は、製造業全般での生産活動や設備投資減速の影響により、需要の低迷が続いています。

 

◆ネットワーク&コンテンツ事業

 国内におけるカラオケ市場は、働き方の多様化やライフスタイルの変化の影響により、緩やかな減少傾向が続いています。加えて、新型コロナウイルスの感染拡大の抑制策の影響を受け、2020年2月以降の経営環境は予断を許さない厳しい状況になっています。

このような厳しい経営環境ではありますが、カラオケは東日本大震災の後に「安、近、短」の身近なレジャーとして見直されたように、新型コロナウイルスの感染拡大の終息後の業績回復を目指し、より安全で安心して楽しめる店舗環境づくり、映像視聴やライブ・ビューイング、会議室利用等カラオケルームの多目的利用の促進、音楽をはじめとするエンタテインメント業界とのさらなる連携による魅力的なコンテンツ開発などに注力してまいります。

 

◆ドミノ事業

 ドミノ事業は、コーディング&マーキング事業(C&M事業)とデジタルラベル印刷事業(DP事業)を軸として事業展開しています。C&M事業は、アジア地域を中心とした新興国での所得拡大による、食品や飲料、医薬品などの消費材の生産拡大を受け、商品パッケージ(紙やビニールなどの軟包装や、瓶や缶などの包装容器)への日付やバーコードなどの印刷機械の需要は安定的な拡大が続いています。DP事業は、ラベルや包装などの商品パッケージ印刷は、地域や季節などに合わせたカスタマイズニーズの高まりもあり小ロット化、短納期化が進んでおり、アナログ印刷機からデジタル印刷機へと、設備投資のトレンドが緩やかにシフトしています。ドミノ事業が手掛ける産業用印刷分野は、「増え続ける印刷領域」として、長期的な事業成長が期待されます。

 

(3)中長期的な経営戦略及び対処すべき課題

中期戦略「CS B2021」

 2021年度を最終年度とする中期戦略「CS B2021」では、“Towards the Next Level ~次なる成長に向けて~”をテーマに掲げ、「事業・業務・人財」の3つの変革をさらに加速させていくことを目指し、グループ全体で以下の4つの経営の優先事項にフォーカスした改革を実行し、成長基盤の構築を進めております。

 

プリンティング領域での勝ち残り

・高PV*2ユーザーの獲得強化と本体収益力向上による事業規模の維持、収益力の強化

・新たなビジネスモデルへの転換加速により、安定収益確保と顧客との繋がりを強化

 

②マシナリー・FA*3領域の成長加速

・自動車/一般機械市場強化による産業機器分野の大幅な成長

・省人化、自動化ニーズを捉えたFA領域の拡大

 

産業用印刷領域の成長基盤構築

・シナジー顕在化によるドミノ事業の成長再加速

・インクジェットを核としたプリンティング技術活用による産業用印刷領域の拡大

 

スピード・コスト競争力のある事業運営基盤の構築

・IT活用によるグループ全体の業務プロセス変革・効率化の実現

・人財の底上げ、最適人員体制の確立による組織パフォーマンスの最大化

・不採算・低収益事業の梃入れ

 

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 これらの改革を成し遂げることにより、中期戦略「CS B2021」の最終年度となる2021年度の業績目標として、売上収益7,500億円、営業利益750億円、営業利益率10%の達成を目指してまいります。

 同時に、グローバル社会の一員として企業活動のあらゆる面で環境・社会・ガバナンス(ESG)を中心としたCSR経営を推進し、地球環境の保全、従業員の健康維持、人財多様性の確保、コーポレート・ガバナンスの強化などの取り組みを通じて、企業価値の持続的な向上を目指してまいります。

 

(4)中期戦略「CS B2021」の進捗状況

◆プリンティング領域での勝ち残り

 モノクロレーザープリンター・複合機、カラーレーザープリンター・複合機とも、上位機種の拡販をKPI*4として設定し、各国の状況に合わせた販売活動を推進しました。主力製品であるモノクロレーザー複合機は、先進国・新興国とも概ね初年度の目標を達成しました。カラーレーザー複合機は、年度前半でのシェア低下を受けて目標は未達となったものの、年度後半は積極的な拡販施策の効果により販売が持ち直しています。

 インクジェット複合機は、先進国ではコストパフォーマンスに優れたビジネス向けモデルの拡販が順調に進んだほか、新興国では大容量インクタンクを搭載したモデルの販売数量も計画を達成しました。

 新たなビジネスモデルへの転換による安定収益確保と顧客との繋がり強化への取り組みとしては、欧米地域におけるサブスクリプションモデルのテスト導入の検討や、アジア地域における低CPP*5のモノクロレーザー機の投入など、様々な取り組みを進めています。

 

◆マシナリー・FA領域の成長加速

 工業用ミシン分野では、中国やアジアにおける需要低迷の影響で販売目標は未達となったものの、景気回復局面での事業成長を見据え、アパレル業界向けには、世界初となる電子布送り機構「DigiFlex Feed」を搭載し生産性向上に貢献する本縫いミシンや、特定工程向けの特殊ミシンの拡販活動を進めました。また、シートベルトやエアバッグなどの自動車内装部品向けの販売拡大を目指し、ブリッジ型プログラム式電子ミシン「BAS-360H/365H」などの高付加価値製品の販売強化に取り組んでいます。

産業機器分野においては、自動車/一般機械市場向け強化を目指し、加工部品の自動搬送・供給により省人化に貢献する「ローディングシステム BV7-870」を投入したことに加え、高速パレットチェンジャーを搭載した「スピーディオ R450X2/R650X2」や、旋削加工とマシニング加工の工程を1つに集約することで生産の効率化に貢献する小型複合加工機の新モデル「スピーディオ M200X3/M300X3」を発売するなど、製品ラインアップの強化を計画どおり推進しました。

 

◆産業用印刷領域の成長基盤構築

産業用印刷領域においては、ブラザーの持つノウハウ(事業基盤・強み・技術)とドミノプリンティングサイエンス(DPS)とのシナジー強化を重点施策と位置づけ、開発体制・開発力の強化に取り組んでいます。具体的な成果として、サーマルインクジェット「Gxシリーズ」、CO2レーザーマーカー「D310シリーズ」の投入に加え、日本の大手包装機メーカー向けに産業用サーマルプリンター「Vx3-A」の提供を開始するなど、コーディング&マーキング製品で複数の新製品を市場投入いたしました。

販売面では、日本におけるドミノブランド製品の販売拡大を狙い、DPSの日本総代理店であったコーンズテクノロジー株式会社から各種マーキング機器の輸入・販売・アフターサービスの提供を行う事業を譲り受け、ブラザーインダストリアルプリンティング株式会社として販売体制を整えました。

 

◆スピード・コスト競争力のある事業運営基盤の構築

 限られたリソースを有効活用し、顧客への価値提案力を継続的に高めていくために、グループ全体で業務プロセスの抜本的な見直しを行うとともに、RPAやAI等のITを活用した業務の自動化を推進しています。中期戦略の期間中に70万時間に相当する時間を創出することも目標に、初年度は41万時間の創出を達成しました。

 また、中期戦略の期間中に80億円超の損益を改善することを目標に、サブ事業単位での損益管理を強化しています。活動の中で、将来的な改善が見込めないと判断したヘッドマウントディスプレーとウェブ会議システムサービスについては事業を撤退することで経営資源の再配分を実行し、持続的成長に向けた基盤強化を進めています。

 

(5)ESGの取り組み

 環境・社会・経済のシステムが統合的に変化し社会環境も大きく変化する中、気候変動対応などの社会課題の解決に貢献し、持続的発展が可能な社会を構築するため、2018年3月に「ブラザーグループ 環境ビジョン2050」を策定しました。この環境ビジョンに基づき、グループ全体で「CO2排出削減」「資源循環」「生物多様性保全」に関する活動を⼀層強化しています。また、ブラザーグループは、2020年2月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同を表明しました。今後、TCFDの提言に基づき、気候変動が事業に及ぼすリスクと機会を分析し、経営戦略に反映するとともに、関連する情報の開示に努めてまいります。また同月、国連が提唱する国連グローバル・コンパクトにも賛同、署名しました。ブラザーグループは、「持続的な開発目標(SDGs)」に掲げられている17のゴールの達成に貢献するために、モノ創り企業として事業を通じた社会価値をグローバルに創出するとともに、ESGを中心としたCSR経営を推進してまいります。

 

 *1:Small Medium Business(小規模な事業所や中小企業、複数拠点に分散する企業のオフィスなど)の略

 *2:Print Volume(印刷量)の略

 *3:Factory Automationの略。工場の様々な作業や工程を機械や情報システムを用いて自動化すること

 *4:Key Performance Indicator(重要業績評価指標)の略

 *5:Cost Per Page(1枚あたりの印刷コスト)の略

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

項 目

リスクの内容・可能性・時期・影響の程度

対応策

1.国際情勢に関するリスク

当社グループはグローバルに事業活動を行っており、中国・アジアを中心に生産拠点を有し、販売会社は世界各地に展開しているため、米中貿易摩擦やBrexitといった国際情勢の動向は事業に影響を及ぼしうる大きなリスクであると認識しております。
米中貿易摩擦については、第1弾から第3弾の段階ではその影響は比較的限定的でしたが、2019年9月より発動された第4弾において対象品目が拡大したことで一定程度の事業への影響を想定しております。
Brexitについては、ブラザー工業の既存事業につきましては、欧州での事業展開そのものを大きく見直すことは考えておりません。ただ、離脱をきっかけに英国及びEU全体の経済状況が一時的に悪化する可能性もあり、間接的なビジネスへの影響には注意をしてまいります。
一方で、英国に主要な工場があるドミノ事業に関しましては、英国工場の生産品をEUへ輸出する際の関税や物流等の影響を想定しております。

米中貿易摩擦に対しては、米国現地法人と連携し、価格戦略の見直しや消耗品の原産国の精査などを実施し追加関税の影響を極小化するとともに、今後の米中間の交渉状況に応じた対応を進めてまいります。
Brexitに対しては、移行期間の期限を迎える2020年12月31日までの英国とEUの交渉状況を注視しながら、貿易面、法規制面など適切な対応を進めてまいります。

2.プリンティン

グ市場の縮小

オフィス・ホーム向けのプリンティング市場は、デジタル化の進展や働き方の変化の流れを受け、プリントボリュームが減少し、緩やかな市場縮小が続いています。プリンティング・アンド・ソリューションズ事業の売上収益、営業利益は全社の半分を超える規模を占めているため、市場の動向に対応した製品やサービスを提供できない場合、当社グループ全体の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

高いプリントボリューム顧客の獲得を強化するべく、ビジネス向けモデルの拡販、新興国向け大容量インクタンクモデルの拡販、契約型など新たなビジネスモデルへの転換加速により、安定収益確保とお客様との繋がりを強化することを実行しています。

3.企業間競争

当社グループはプリンティング・アンド・ソリューションズ事業を始めとして、多くの市場において他社との激しい競争にさらされております。当社グループよりも多くの経営資源を有している企業との競合や、新興国の地場メーカーの台頭、あるいは競合先間の提携が行われ、市場競争が激化することが想定されます。企業間競争が激化すると、販売価格の低下や現在の市場シェアを維持できなくなることにより、当社グループの経営成績等に悪影響を受ける可能性があります。

各市場で顧客価値を実現する製品やサービスの提供に取り組むとともに、業務の効率化を推進し、手戻りの少ない開発の実践や製造コストの削減を行うことで、スピード・コスト競争力のある事業運営基盤の構築を実行しています。

 

 

 

項 目

リスクの内容・可能性・時期・影響の程度

対応策

4.世界経済状況の変動

当社グループはグローバルに事業を展開しているため、世界経済の状況の変動により関連する市場の動向が変化する場合、当社グループの経営成績等に影響することが想定されます。
当社のプリンティング領域の製品は、オフィス・ホーム向けや業務印刷ニーズといった特殊業務用途向けとしてお客様に利用いただいています。また、マシナリー・FA領域、産業用印刷領域の製品は、アパレル、IT、自動車、消費財の包装などの製造業にかかわる設備としてお客様に利用いただいています。世界経済状況の変動がお客様の経営状態に影響を与え、これら製品に対する投資が抑制されると、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

顧客価値を実現する製品やサービスを提供することで、短期的な世界経済状況の変動があったとしても、お客様に選ばれるブランドであり続けることを実現するため、開発、製造、販売・マーケティング、アフターサービス・メンテナンスの強化を実行しています。プリンティング領域では、コンパクトな複合機とモバイル機器やクラウドに対応できるスキャナーを組み合わせることで、インプットからアウトプットまで一貫してお客様のニーズに対応できる製品構成やサービスの提供を進めています。また、顧客層をSMB市場にも拡大し、お客様の困りごとに対するソリューションやオフィスでの最適製品・最適配置の提案、印刷管理・消耗品自動配送などの契約型ビジネスも拡大し、お客様の生産性向上とコスト最適化の実現に取り組んでおります。
また、マシナリー・FA領域、産業用印刷領域では、自動化・省人化のニーズに応える製品を継続的に市場投入していくとともに、顧客価値を実現する製品やサービスの提供に取り組む提案力を強化し、お客様の生産性向上に貢献してまいります。加えて、固定費や原材料費等の継続的な削減を実行し、世界経済状況の変動に影響されにくい収益構造の構築を図ります。

5.安全保障貿易

当社グループの産業機器事業で取り扱う工作機械は、国際的な安全保障貿易管理の枠組みによる規制品目に分類されております。
この安全保障貿易管理に関する規制動向を踏まえますと、今後、工作機械に対する一層の規制強化が想定されます。
この工作機械に対する規制強化が実施された場合、当社グループが販売する工作機械の多くが規制対象となることが想定されます。
この規制強化の結果、工作機械の生産、販売、サービスに係る海外との取引において、適正な法令遵守手続や当社の工作機械が懸念用途に使用されないためのより厳格な管理が必要となり、そのためにさらなる管理工数や費用の増加が見込まれます。
また、法改正が施行された場合、今まで以上に法令違反事故発生のリスクが高まる恐れがあります。
もし、法令違反事故が発生した場合には、法令に基づく処罰、規制当局による行政指導を受ける可能性があり、その結果としてこれらの影響を製品の販売価格に転嫁できない産業機器事業に対する制約が生じる可能性があります。

適正な法令遵守体制を維持しつつ、このようなリスクを低減するために、産業機器事業を中心としたグループ子会社及びサプライチェーンを構成する各社全体としての安全保障貿易管理体制の強化、より効率的な管理体制への再構築に努めております。

 

 

項 目

リスクの内容・可能性・時期・影響の程度

対応策

6.原材料価格

当社グループの製品に使用されている樹脂材料や鋼板などの原材料価格が上昇した場合、製造コストを押し上げる要因になります。あるいは経費削減、能率改善でコストを十分に吸収できない場合、将来の収益性に一定の影響を及ぼすことが想定されます。

樹脂材料や鋼板については原材料高騰リスクを計画時点でも織り込むことで想定収益への影響を低減しております。

7.サプライチェーン

・サプライチェーンの断絶

・CSR調達

・サプライチェーンの断絶

当社グループは、生産・販売拠点をグローバルに展開しております。主要な生産拠点は中国・ベトナム・フィリピン等であり、販売拠点は世界各国に広がっております。
予期せぬ事象(戦争、テロ、伝染病、ストライキ又は労働争議、巨大地震や地球温暖化に伴う異常気象などの想定を超える規模の自然災害等)により社会的混乱が広まれば、部品調達体制も含めた生産・販売に悪影響を受ける可能性があります。

 

 

 

 

 

・CSR調達

当社グループは、その生産拠点の多くを海外に置いており、主要な生産拠点は中国・ベトナム・フィリピン等となっております。これら諸拠点では部品調達先との取引関係がありますが、その調達先で発生する人権問題、例えば過重労働などがあった場合、お客様からの信頼を失うだけでなく、当社とお客様のお取引に影響が出る可能性があります。また、調達先のさらにその先をたどっていくと、原材料に行き着きます。その原材料において、アフリカなどの紛争地域で、不当な労働行為、例えば採掘における過酷な労働環境があった場合にも、同様にお客様からの信頼を失う可能性が出てきます。

・サプライチェーンの断絶

これら諸拠点においては、防災活動として、防火対策や地震・台風等の自然災害に対する一定の施策を講じております。
また、本社機能が位置する日本でも南海トラフ地震を想定した防災危機管理体制を確立しております。
生産体制について、一部のモデルにおいては複数拠点生産によるリスク対応を行っております。
また、予備の生産設備の保有など、有事の際のリスク対応策も実施しております。
部品調達先やその上流サプライヤーを戦略的に検討することによるリスク低減活動も行っております。

 

・CSR調達

リスク低減に向け、当社は「CSR調達方針」を制定し、ホームページでの開示の他、取引先説明会などで調達先の皆様への方針説明をおこなっています。また、2019年1月には世界的な標準である、RBA(Responsible Business Alliance)に加盟することで、人権問題だけでなく、安全衛生・地球環境への影響を削減するなど、サプライチェーンにおけるリスク評価と是正への体制を強化しています。
紛争鉱物については、「紛争鉱物対応方針」を制定し、ホームページに開示するとともに、お取引先の皆さまにも、紛争鉱物の使用回避に向けた調達活動に取り組んでいただくよう要請しています。

 

 

項 目

リスクの内容・可能性・時期・影響の程度

対応策

8.M&A(減損リスク)

当社グループは産業用領域のさらなる拡大・新規事業の創出・育成等に向けて、M&Aも含めた成長投資を加速する方針を掲げております。
M&A等の実施においては、事業の統合に当初想定以上の負荷がかかることや投資時点において想定した通りに投資先が事業を展開できないこと等により、予想された通りの投資効果が得られないリスクがあります。
当社グループは、2020年3月31日現在の連結財務諸表上、のれんを91,431百万円(総資産の12.5%)計上しており、そのうち、2015年に買収したドミノ事業に関連するのれんが90,224百万円を占めております。上記のリスクが顕在化し将来キャッシュ・フローの見積りが変動した場合、また、将来の金利水準や長期的な市場成長率などの変動が生じた場合、これらののれんや有形固定資産、無形資産等の減損損失が生じ、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、現行中期戦略「CS B2021」において、「シナジー顕在化によるドミノ事業の成長再加速」を重点戦略に掲げ、ドミノ事業の開発力、販売力の強化に向けて取り組んでおります。

また、のれんにつきましては少なくとも年に1回、減損の兆候の有無にかかわらず、将来得られるキャッシュ・フロー見積りと、帳簿価額を比較して、のれんの資産価値を確認しており、適正な評価額で計上しております。

 

9.為替変動リスク

当社グループは、海外での製造・販売比率が高く、外貨建取引に係る為替変動リスクが定常的に発生しております。グループのユーロ建売上が最も影響を受け、対ユーロで円高になると、2020年3月期の実績ベースで試算した場合、1円当たり、年間約9億円の利益の減少要因となります。
また、中国・東南アジア等、主要な製造拠点の所在地域の通貨が上昇した場合、製造・調達コストを押し上げる要因になるなど、中長期的な為替レートの変動が、経営成績等に一定の影響を及ぼすことが想定されます。
海外子会社の保有する現地通貨建ての資産(負債を控除した純額)は、各現地通貨に対して円高になると、円換算後の金額が目減りします。これは直ちに連結損益には影響しませんが、その他の包括利益が減少し、純資産を押し下げる要因となります。

リスク低減のため、外貨建取引における受取と支払のリンク率向上を図る一方で、短期的には為替予約取引を行うなど、リスクを効率的に管理し、回避するよう努めております。

 

 

項 目

リスクの内容・可能性・時期・影響の程度

対応策

10.環境

・環境に関する

社会的要請

・環境規制、環

境汚染

・環境に関する社会的要請

気候変動は、災害等による人的被害、操業の停止、サプライチェーンの断絶等、生産・販売活動に大きな影響を与える物理的リスクに加え、脱炭素社会への急速な移行に伴う法規制強化や対応コスト増、対応遅れによる販売機会喪失等の移行リスクを有し、グローバルに事業活動を展開する当社グループにとって、現在から将来にわたって極めて重要な課題であり、事業経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・環境規制、環境汚染

グローバルに事業を展開する当社グループは、各国・地域において様々な環境法規制の適用を受けております。中でもEU-RoHS指令をはじめとする製品含有化学物質に関わる法規制は、世界各国・地域において新設及び改正が頻繁に行われています。これら規制に対する違反が発生した場合、製品のリコール、生産・販売の中止、課徴金の負担、刑事罰、社会的信用の失墜等により、当社グループの事業経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。

・環境に関する社会的要請

当社グループは気候変動の原因となっている温室効果ガス排出を削減するべく、2030年中期目標(2015年度比で30%削減)を設定し、SBT(Science Based Targets)として認定を受けております。この目標の達成に向けて、温室効果ガス排出量の80%以上を占める製品の部材調達、使用、廃棄段階での排出を削減するため、特に調達する部材の省資源化・再生利用、製品の省エネルギー性能の向上・リサイクル性向上等に注力して取り組んでいます。
また、当社は2020年2月に金融安定理事会が設置した「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の提言に賛同致しました。今後は複数の気候変動シナリオを用いて気候変動が当社グループの事業活動に与える財務的な影響を分析し、事業戦略の見直しも含めた適切な対応策の実施と適正な情報開示を行ってまいります。

 

・環境規制、環境汚染

当社グループは、禁止・管理対象とすべき化学物質を「ブラザーグループグリーン調達基準書」に明示すると共に、サプライヤーによる部材の適合保証、成分情報の伝達、サプライヤー監査、納入品の抜き取り検査等を実施することにより、確実な法規制遵守に努めています。
また、世界各国・地域における環境法規制の最新情報は環境担当部門が当社グループ拠点と連携を取って収集し、当社製品に必要な対策の立案を行い、製品設計変更に関わる開発、購買、製造、営業等の関連部門と協働し、製品への迅速な対策反映を図っています。

 

 

項 目

リスクの内容・可能性・時期・影響の程度

対応策

11.情報・システム

・情報セキュリティ

・情報ネットワーク

・情報セキュリティ

何らかの原因で個人情報及び機密情報が外部に漏洩した場合、お客様からの信頼を失うとともに、ブランドイメージの低下を招くなど、当社グループの事業活動や経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、顧客サービスの充実を目指して、お客様向けにWebサイトにて製品情報やサポート情報の提供を行っております。このようなWebサイトにつきましては、安全な情報セキュリティレベルを維持することに努めておりますが、想定されない外部攻撃により、Webサイトの改ざんや不正なWebサイトへの誘導などの行為がなされた場合には、事業活動に悪影響を及ぼすことが考えられます。

また、近年は、IoT 製品をターゲットとしたサイバー攻撃の脅威が増大しており、当社製品からお客様の個人情報や機密情報が漏洩した場合、お客様からの信頼を失い、ブランドイメージが失墜し、当社グループの事業活動や経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。各国政府もIoT製品のセキュリティ向上や個人情報保護を目的とした法整備を活発化しており、法令に準拠しない製品は、対象国で販売できなくなる可能性があります。

 

 

・情報ネットワーク

当社グループは、生産管理・販売管理及び財務等に関する情報をネットワークを通して管理しております。また、近年は外部データセンターやクラウドサービスを活用し、社内のみならず社外に配置した情報システムもネットワークを通して使用しております。万が一ネットワークの切断、システムの停止等が発生した場合、これらは事業活動の阻害要因となり得ます。また、コンピュータウィルスの感染やハッキングなどにつきましても、予期し得ない外部からの侵入や攻撃がなされた場合、その内容や規模によっては、事業活動に悪影響を与える可能性があります。
また、財務報告の信頼性を維持し高めることが求められている中、予期し得ない統制上の問題が生じた場合には、財務報告の信頼性を担保できないような状況が起こり得る可能性があります。

・情報セキュリティ

当社グループは、情報管理規程を定めると共に情報管理委員会を設け、情報セキュリティー運用ルールを策定しております。また、SNS等のソーシャルメディアの利用に関しても、利用規程を定めております。それらの運用ルールや利用規程に基づき社内教育を通じて、個人情報及び機密情報の漏洩を防ぐよう努めております。また、近年はスマートフォン等により一部の社内情報の利用が出来ますが、利用端末の制限や暗号化等により管理体制の強化に努めております。さらに、個人情報や機密情報へのアクセスに関しましては、アクセス制御やアクセスログ管理を行っており、不正な取り扱いを回避しております。

当社グループは、お客様に安心して製品をお使いいただくために、「製品情報セキュリティ基本方針」を定め、グループ全体で製品セキュリティの向上を図っております。また、製品に関する脆弱性リスクが発生した場合の報告ルートや製品情報セキュリティ事故の対応体制に関する社内規程を定め、体制を構築することでリスクを最小化する対策を実施しております。各国の法令順守に関しては、海外子会社と連携し、法令等の新設・改訂の情報を察知し、法律の内容を十分に理解したうえでグループのビジネスや製品サービスへ迅速に反映するよう努めております。

 

・情報ネットワーク

情報の保存、設備の保全等の対策には万全を期しておりますが、サプライチェーンに影響する重要システムは、万が一の故障時にもダウンタイムを最小限にして早期復旧を可能とするシステム構成にしております。
予期し得ない外部からの侵入や攻撃への対策として、多層防御に基づくセキュリティ対策を行っており、定期的に見直しを行っております。24時間365日のセキュリティ監視を行うことで、PC、及びサーバ上の不正なふるまいをいち早く検知し、脅威を除去することで高度化するサイバー攻撃への対応も行っております。

上記のように、対応し得る最善の仕組みで対策を行うと同時に、日々進化するITテクノロジーに対応するため、システムを運営、利用する人材を継続的に教育することでレベルアップを図っております。万が一事故が発生した場合に備え、日頃より社内の対応組織の訓練を行い、迅速に対応することで被害を最小限に抑えるよう努めております。

内部統制への対応として、IT全般統制の視点から情報システムの開発・保守・運用業務の品質向上活動を継続し、適正なIT業務運用に努めております。

 

項 目

リスクの内容・可能性・時期・影響の程度

対応策

12.人材

・労働災害、

人的被害

・人材確保

・労働災害、人的被害

当社グループはグローバルに事業拠点を展開しており、多様性や環境、安全に対する意識並びに順守すべき法律も拠点所在国・地域によって異なっています。そうした労働条件において軽微なものから障がいが残る重篤な災害まで多くのリスクが労働環境には潜んでいます。加えて、昨今の想定を超えた天災から生じる被害や機械・設備などが起因となる火災、爆発などの事故で製造拠点の操業を停止することで社会責任が果たせなくなると共に当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

・人材確保

労働市場における人材の獲得競争は激化しており、有能な人材の採用や雇用の継続が困難になった場合は、研究開発に十分な資源を投入できないことによる製品競争力の低下や労働力不足による製品の安定供給への支障など、結果として当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。発生可能性は現時点で低いものの、特にブランドイメージが著しく損なわれた場合に発生することが想定され、影響は案件の内容次第となります。

・労働災害、人的被害

グループ各拠点の安全防災事務局から毎月の事故・災害状況を入手して、発生した災害に関しては原因の究明や再発防止策などの情報を共有し水平展開を図ることで同種・同類災害の再発を防止しています。また、各拠点で実施されている安全防災活動を支援し、工場監査を通じて実施状況の確認を行っております。
なお、火災・爆発のリスクに関しては、2017年に「ブラザーグループ防災体制・管理規程」を制定し、各国の消防法令の枠を超えたグループ標準を設けて遵守事項についての監査を実施しています。

 

・人材確保

当社グループは、グローバルに展開する企画、開発、設計、製造、販売、サービス等の各機能に必要な人材確保に努めております。
人材の定着においては、従業員が長期に渡って活躍できるよう人事制度の進化や職場環境の継続的な改善に取り組むとともにキー人材についてはサクセッションプランの策定を行っています。
またブランドイメージの維持向上については、グローバル憲章による社員啓発や企業広報の強化に取り組んでいます。

 

 

項 目

リスクの内容・可能性・時期・影響の程度

対応策

13.法規制

・コンプライアンス全般

・税制

・コンプライアンス全般

当社グループは、事業活動を行っている各国・地域において、様々な法令や規制の適用を受けております。各国・地域の法令・規制の新設・変更によって、当社グループの事業活動が大きく制限されたり、法令や規制対応のために多額の費用負担が発生する可能性があり、意図せずに法令・規制に違反した場合には、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、従業員による不正行為によって当社グループにおいて損害が発生し、または当社グループの事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・税制

当社グループは、グローバルに事業活動を展開しており、事業拠点を有する各国・地域における税制の適用を受けております。各国・地域における税制や税率が変更された場合、当社グループの経営成績等にマイナスの影響を与える可能性があります。
また、BEPS問題(税源浸食と利益移転)に対処するため各国・地域の税務当局による取組が強化されており、今後、法規制が変更された場合や税務執行が厳格化された場合、追加課税や国際的な二重課税が発生し、税負担が上昇するリスクがあります。

・コンプライアンス全般

当社グループは、コンプライアンス(法令・倫理の順守)がCSR経営の基盤を支え、さまざまなリスクを回避する上で不可欠なものであると考えています。グループ全体でコンプライアンスを徹底するために「ブラザーグループ グローバル憲章」の行動規範のひとつである「順法精神・倫理観」と、企業としての責任を明確に定義し行動していくための「ブラザーグループ社会的責任に関する基本原則」に基づいて、従業員の行動基準を定めています。
当社では、コンプライアンス委員会の設置や相談通報窓口(ヘルプライン)を設けて不祥事の未然防止や早期対応、再発防止に努めています。海外を含むグループ各社でも個別にコンプライアンス委員会・部門やコンプライアンスヘルプラインを設置して対応しています。
重要なコンプライアンス案件については、グループ各社のコンプライアンス委員会・部門だけでなく、当社のコンプライアンス委員会にも通知され、グループ一体となって対応する体制を築いています。

 

・税制

重要な税務上の事項については、各地域の統括会社を通して、当社税務部門に適宜共有され、税理士法人などの外部専門家のサポートを受けるだけでなく、必要に応じて税務当局ともコミュニケーションを取って対処しております。また、当社グループ間の取引については、独立企業間価格となるように、各国・地域との移転価格を適切に管理しており、移転価格課税リスクの高い取引については、APA(事前確認制度)を活用することで税務リスクを低減しています。

14.品質・製造物責任

すべての製品に対し欠陥がなく、将来に製品安全問題や品質問題が発生しないという保証はありません。それらの重大な問題が発生した場合の可能性として、多額のコストを要するほか、ブランドイメージや社会的評価が低下し、顧客の当社グループ製品への購買意欲を減少させ、当社グループの経営成績等が影響を受けることがあります。

当社グループは、高品質の魅力ある製品を提供するため、厳格な品質管理基準に従って生産管理体制を確立し、製品の製造を行っております。製造委託先から供給を受ける製品に対しても、適正な品質レベルであることを検証しております。また、仮に製品起因の事故が発生した場合には、被害者への対応を第一優先に行うとともに情報公開、官公庁への報告など被害拡大の抑制に取り組んでいきます。

 

 

項 目

リスクの内容・可能性・時期・影響の程度

対応策

15.知的財産

(1)第三者による模倣品の販売など、第三者による当社グループ所有の知的財産権の侵害が発生する可能性があります。この結果、当社グループの経営成績等が悪化したり、信用が低下したりする可能性があります。


(2)第三者所有の特許権等について、第三者より

当社グループに対し、侵害の訴えが提起され

る可能性があります。第三者の主張が認められると、製品の販売の差止めや、損害賠償の支払などが求められる可能性があります。

 


(3)当社グループは、必要に応じて、特許権等知

的財産権に関するライセンス契約を他社と締

結しつつ、事業活動を行っております。しか

しながら、ライセンス契約の条件によっては

事業活動が影響を受ける可能性があります。

 

 


(4)発明者より、発明の報奨に関する訴えが提起

される可能性があります。

(1)当社グループは、第三者による侵害行為に

対しては、経営成績等や信用への影響度を考

慮しつつ、知的財産権を行使しております。

 

 


(2)当社グループは、他社の特許権等の知的財産

権を尊重して事業活動を行っておりますが、

第三者から侵害の訴えが提起された場合に

は、内容を精査した上で、防御や和解などの

対策を講じております。
 

 

(3)当社グループでは、研究開発の成果として多

数の特許権を取得しております。保有する一

部の特許権について相手方へライセンスを供

与するなどの対策を講じつつ、事業活動への

影響が最小限になるように契約を締結してお

ります。


 

(4)当社グループは、発明報奨規程を設けており、

発明者に対する報奨を適切に行っております。

16.新型コロナウイルス感染症

当社グループはグローバルに事業活動を行っており、新型コロナウイルス感染拡大により、生産面において各国政府判断による国民の自宅待機など自社拠点及び生産部品取引先の操業度が影響を受けるリスクがあります。物流においても国際間の輸出入に制限が発生し調達や出荷に影響が出る可能性があります。
販売面におきましても上期を中心に売上への影響は避けられず、受注から販売までのリードタイムが長い産業用領域の一部においては売上回復時期はさらに遅れる可能性があります。
日本国内を中心に展開するネットワーク・アンド・コンテンツ事業におきましては、政府の緊急事態宣言により休業していた直営カラオケボックス店舗等の売上の回復が遅れる場合には経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。

お客様、お取引先様、及び全従業員の健康と安全を最優先に考え感染防止策を講じたうえで、事業活動の継続に努めてまいります。
製造工場では事業所内での感染防止策を徹底し、生産部品取引先とも連携を取りながら生産を継続していきます。
販売会社やオフィス業務等では引き続き各国の規制の下で在宅勤務や時差出勤などを活用するとともに、規制が緩和されていく局面においてオフィス再開に向けた準備を慎重に進めてまいります。
ネットワーク・アンド・コンテンツ事業においても直営カラオケボックス店舗等の営業等に関し、地域ごとの規制の状況に応じて、お客様や従業員の安心・安全策を講じたうえで営業活動への判断をしてまいります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

 当社グループの財政状態及び経営成績は次の通りです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、判断したものであります。

 なお、当社グループの業績管理は、事業セグメント損益及び営業損益により行われております。事業セグメント損益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概要は次の通りであります。

 

①経営成績の状況

当期における世界経済は、米中貿易摩擦の拡大懸念の長期化に加え、年度末に発生した新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、経済活動全般での減速が懸念され、景気の先行きに対する不透明感は一段と強まっています。

当社グループの関連市場では、モノクロレーザー複合機、プリンターの需要は、中国、新興国などでの景気減速の影響はあるものの、グローバルで概ね安定的に推移しました。インクジェット複合機は、先進国での需要は縮小傾向が続いているものの、新興国では大容量タンクモデルの需要が引き続き拡大しました。家庭用ミシンは、概ね安定的に推移しました。マシナリー事業の関連分野では、アジアを中心に投資に慎重な姿勢が見られ、需要が低迷しました。国内におけるカラオケ市場は概ね安定的に推移していましたが、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、需要が急激に冷え込みました。ドミノ事業の関連分野では、コーディング・マーキング機器、デジタルラベル印刷機とも需要の拡大が持続しました。

このような状況の中、当期における当社グループの連結業績は、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業では、主にモノクロレーザーにおいて、OEM販売の減少や、中国の景気減速に伴う需要の低迷などにより、製品の販売数量は減少したものの、インクジェット複合機では、新興国向けの大容量タンクモデル、先進国向けの大容量カートリッジモデルともに堅調に推移しました。消耗品については、レーザー、インクジェットともにグローバルで堅調に推移しました。マシナリー事業では、産業機器が、自動車・一般機械向け、IT向けともに需要が低迷し、事業全体で大幅な減収となりました。ドミノ事業は、グローバルに安定的な成長が続き、堅調に推移しました。

これらの結果、売上収益は、前期比6.8%の減収となる637,259百万円、事業セグメント利益は、前期比7.0%の減益となる66,942百万円となりました。営業利益は、前期比6.4%の減益となる67,329百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比8.0%の減益となる49,566百万円となりました。

 

*平均為替レート(連結)は次の通りであります。

当期 米ドル :109.10円   ユーロ :121.14円

前期 米ドル :110.69円   ユーロ :128.43円

 

セグメント別の業績は、次の通りであります。

 

1)プリンティング・アンド・ソリューションズ事業

売上収益  390,687百万円(前期比△3.1%

〇通信・プリンティング機器 341,698百万円(前期比△3.2%)

インクジェット複合機では、新興国向けの大容量タンクモデル、先進国向けの大容量カートリッジモデルともに堅調に推移しました。消耗品については、レーザー、インクジェットともグローバルで堅調に推移しました。一方で、円高による為替のマイナス影響に加え、主にモノクロレーザーにおいて、OEM販売の減少に加え、中国の景気減速による需要の低迷もあり、事業全体では減収となりました。

〇電子文具 48,988百万円(前期比△1.9%)

ラベルライターがグローバルで堅調に推移したことに加え、モバイルプリンターを中心とするソリューション分野が好調に推移したものの、円高による為替のマイナス影響もあり、減収となりました。

事業セグメント利益 57,105百万円(前期比+9.4%

営業利益      57,080百万円(前期比+7.9%

円高による為替のマイナス影響があったものの、購買活動などによる原価低減効果に加え、製品ミックスの改善、及び消耗品が堅調に推移しました。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響による在宅勤務の需要拡大でのインクジェット複合機などの一時的な需要増や、供給面への懸念からの消耗品の前倒し購入需要の拡大、販管費の抑制による効果もあり、増益となりました。

2)パーソナル・アンド・ホーム事業

売上収益  40,864百万円(前期比△10.1%

昨年発売した最高級刺しゅうミシンの新モデルの投入効果が一巡したことに加えて、クラフト事業では欧米を中心に需要が低迷したことにより、減収となりました。

事業セグメント利益 3,129百万円(前期比△22.5%

営業利益      3,174百万円(前期比△21.2%

減収に加え、円高による為替のマイナス影響により、減益となりました。

 

3)マシナリー事業

売上収益  74,814百万円(前期比△28.2%

〇工業用ミシン 27,648百万円(前期比△15.3%)

ガーメントプリンターは、グローバルで需要拡大が続いたものの、工業用ミシンは、中国やアジアを中心に投資に慎重な姿勢が見られ、需要が低迷したことにより、事業全体で減収となりました。

〇産業機器 29,823百万円(前期比△42.4%)

自動車・一般機械向けは、主に中国及びアジアでの需要が低迷したことに加え、IT向けの売上がほぼなくなったことにより、事業全体で大幅な減収となりました。

〇工業用部品 17,342百万円(前期比△12.1%)

国内向けは、製造業全般の生産活動鈍化や設備投資抑制の動きが高まったこと、海外向けは、主にアジア向けの需要が低迷したことにより、減収となりました。

事業セグメント利益 694百万円(前期比△92.9%

営業利益      612百万円(前期比△93.8%

主に産業機器が減収となった影響により、大幅な減益となりました。

 

4)ネットワーク・アンド・コンテンツ事業

売上収益  49,108百万円(前期比+2.5%

6月に発売した通信カラオケ機器の新モデルの販売が好調に推移したことにより、増収となりました。

事業セグメント利益 2,087百万円(前期比+17.4%

営業利益      1,864百万円(前期比+17.0%

年度末にかけての新型コロナウイルス感染症の拡大によるカラオケ自粛の動きを受け、店舗事業の需要が落

込んだものの、6月に発売した新モデルの販売が堅調に推移したことに加え、販管費の抑制による効果もあり、

通期では増益となりました。

5)ドミノ事業

売上収益  67,537百万円(前期比△5.2%
 製品本体は、コーディング・マーキング機器の需要が低迷したものの、デジタル印刷機は堅調に推移しました。消耗品は、コーディング・マーキング機器、デジタル印刷機とも、グローバルで堅調に推移しました。一方で、為替のマイナス影響があり、事業全体では減収となりました。

事業セグメント利益 3,786百万円(前期比△4.1%

営業利益      3,918百万円(前期比+36.8%

研究開発費等の先行投資は増加したものの、社内計画に対しては概ね想定どおりの水準となりました。営業利益は、昨年度に計上した開発資産の除却損がなくなったことにより、増益となりました。

 

②財政状態の状況

 資産合計は、営業債権及びその他の債権や棚卸資産、円高に伴う為替影響によるのれん及び無形資産の減少の一方、IFRS第16号の適用により使用権資産を25,727百万円計上したことや現金及び現金同等物の増加により、前連結会計年度末に比べ22,868百万円増加し、731,472百万円となりました。

 負債合計は、IFRS第16号の適用によるその他の金融負債の増加や、新型コロナウイルス感染症による事業や金融環境の変化に対応するための手元資金の借入等による社債及び借入金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ19,290百万円増加し、286,300百万円となりました。

 資本合計は、前連結会計年度末に比べ3,578百万円増加し、445,171百万円となりました。

 

 当期における期末為替レートは、次の通りです。

   米ドル :108.83円   ユーロ :119.55円

 

③キャッシュ・フローの状況

 キャッシュ・フローの状況については、現金及び現金同等物(以下「資金」)は、営業活動により87,748百万円増加、投資活動により27,955百万円減少、財務活動により14,916百万円減少等の結果、当連結会計年度末は前連結会計年度末と比べ37,270百万円増加し、168,422百万円となりました。

 当期における各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は、次の通りです。

 

1)営業活動によるキャッシュ・フロー

 税引前利益は67,046百万円で、減価償却費及び償却費40,197百万円など、非資金損益の調整などによる資金の増加、営業債権及びその他の債権の減少による資金の増加1,658百万円、棚卸資産の減少による資金の増加6,053百万円、営業債務及びその他の債務の減少による資金の減少9,366百万円などがあり、法人所得税の支払額20,772百万円などを差し引いた結果、87,748百万円の資金の増加となりました。

 

2)投資活動によるキャッシュ・フロー

 有形固定資産の取得による支出16,872百万円、無形資産の取得による支出9,212百万円などにより、27,955百万円の資金の減少となりました。

 

3)財務活動によるキャッシュ・フロー

 新型コロナウイルス感染症による事業や金融環境の変化に対応するため等による短期借入による収入29,873百万円による資金の増加の一方、長期借入金の返済による支出20,197百万円、リース負債の返済による支出8,813百万円、配当金の支払額15,607百万円などにより、14,916百万円の資金の減少となりました。

 

④生産、受注及び販売の状況

1)生産実績

 当社グループの生産実績は、販売実績と近似しておりますので、記載を省略しております。

2)受注実績

 当社グループの生産活動は、その多くを見込生産で行っておりますので、受注実績は記載しておりません。

3)販売実績

 当社グループの販売実績は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記6.セグメント情報」を参照下さい。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討事項

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第93条の規定により、IFRSに準拠して作成されております。

 IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行うことが要求されております。当社グループの判断、見積り及び仮定は合理的であると考えておりますが、実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。

 なお、当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)当連結会計年度の経営成績

 経営成績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」を参照下さい。

 

2)経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループは、製品・サービスの販売、製品の製造など、事業活動の大半を海外で展開しております。よって、グループの業績は、各国の市場動向、為替動向、海外工場におけるモノづくり力の維持・強化など、様々な要因により影響を受ける可能性があると認識しております。

 まず為替リスクに対する対応としては、利益への影響が大きいユーロについては、一定の基準に基づき為替予約を行うことで、急激な為替レートの変動が業績に与える影響をコントロールしております。

 製造面に関しては、コストダウンや様々なリスクヘッジを目的に、各事業とも中国を中心とした体制から、ベトナムやフィリピンといったアジア地域を中心とした体制へとシフトを進めております。製造拠点を分散化させることで、災害や事故などのリスクを低減し、安定した製品供給を実現してまいります。

 また、事業別に見ると、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業が占める割合は売上収益の61.3%、事業セグメント利益の85.3%を占めており、P&S事業の業績動向が経営成績に重要な影響を与える最大の要因となっております。当社グループは、SOHO向けのレーザー複合機・プリンターにおいて、米国や西欧などの先進国地域を筆頭にグローバルで高いシェアを保持しているだけでなく、収益性についても、事業セグメント利益率14.6%と、高い収益性を実現しております。この分野においては、競合企業間の事業再編の影響などもあり、競争環境は比較的穏やかな状況が継続していることから、今後もグループ全体の収益を支える事業として、持続的な成長を実現してまいります。一方でこの分野は、デジタルデバイスの普及や、インターネットを中心としたテクノロジーの進化、オフィスにおける働き方の変化、顧客の購買方法の変化など、ビジネス環境が刻々と変化していることから、持続的な成長の実現に向けて、変化への対応力が求められております。

 ブラザーグループは、このような状況に対応するため、2021年度を最終年度とする中期戦略「CS B2021」(2019年度~2021年度)を策定し、「次なる成長に向けて」をテーマに、成長基盤の構築を目指してまいります。

 

3)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 中期戦略「CS B2021」では、2021年度の業績目標を以下に設定しております。

 

 

2019年度実績

CS B2021業績目標

売上収益

6,373億円

7,500億円

営業利益

673億円

750億円

 

4)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 事業セグメントごとの経営成績の状況については、(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」を参照下さい

 

 

5)当社グループの資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の流動性維持及び、柔軟で効率的な資金の確保を財務活動の重要な方針としております。この方針に従って、当社グループは、グループ会社が保有する資金をグループ内で効率よく活用するキャッシュマネジメントシステムを構築し運用しております。資金の偏在をならし、グループ全体で借入を極力削減する体制を整えております。

流動性管理

 当社グループは、現金及び現金同等物を手元流動性と位置付けております。当連結会計年度末現在、当社グループは、売上収益の約3ヶ月分に相当する現金及び現金同等物168,422百万円を保有しております。

 当社グループは、当社及び金融子会社などの資金調達拠点を通じたキャッシュマネジメントシステムの活用により、資金の効率化を図り、流動性を確保しております。

 これにより、季節的な資金需要の変動、1年以内に期限の到来する借入及び償還予定の社債、新型コロナウイルス感染症などによる事業環境リスク等を考慮の上、通年に渡り十分な手元流動性を確保していると考えております。

資金調達

 運転資金等の短期資金は、原則として期限が1年以内の短期借入金を現地通貨で調達することとし、生産設備等の長期資金は、内部留保資金の他、固定金利の長期借入金及び社債等で調達することを基本方針としております。当連結会計年度末現在、短期借入金の残高は30,012百万円で、通貨は主に日本円であります。1年内返済予定の長期借入金の残高は、200百万円で、通貨は日本円であります。長期借入金の残高は56,650百万円であり、通貨は米ドル、日本円であります。また、1年内償還予定の社債の残高は20,148百万円で、通貨は日本円、英ポンドであります。

 当社は、株式会社格付投資情報センターから格付けを取得しています。当連結会計年度末現在、長期債及び発行体格付けがA、コマーシャルペーパーがa-1であります。金融・資本市場へのアクセスを保持するため、一定水準の格付けの維持は重要と考えております。

 当社グループでは、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力に加えて、手元流動性、健全な財務体質により、当社グループの成長を維持するために必要な運転資金及び設備投資・研究開発資金等を確保することが可能と考えております。

資金の需要動向

 中期計画「CS B2021」では、成長のための投資枠として50,000百万円を設定しており、産業用領域の更なる拡大、新規事業の創出、育成、インクジェット関連の設備補強やM&Aを含めた成長投資を加速します。

 次なる成長に向けた成長基盤の構築のための投資を行う一方で、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載の方針による利益還元を実施してまいります。

 また、年間20,000百万円の有利子負債の返済も滞りなく実施してまいります。

 これらの資金需要に対応するため、営業キャッシュ・フローの獲得、また、必要に応じて、成長投資のための資金調達を機動的に実施する方針であります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

技術契約

契約会社名

相手先

(国名)

内容

契約期間

当社

キヤノン株式会社

(日本)

電子写真及びファクシミリに関する特許実施権の許諾

2009年6月27日から対象特許の満了日まで

株式会社リコー

(日本)

電子写真技術及びファクシミリ装置に関する特許実施権の許諾

2019年10月1日から5年間

Lemelson Medical,

Education and

Research

Foundation(米国)

画像処理技術及びバーコード技術等に関する特許実施権の許諾

1998年4月2日から対象特許の満了日まで

セイコーエプソン株式会社

(日本)

印刷装置等に関する特許実施権の許諾

2018年6月28日から対象特許権の満了日まで

 

 

5【研究開発活動】

 当社グループでは、固有の技術を生かしてお客様の求める製品・サービスを生み出すことが真の技術力であると考えています。それは優れた技術も製品に生かされてこそ価値が生まれると考えるためです。お客様に評価され選ばれる製品をご提供するために、当社グループの技術者はお客様と向き合い、お客様の声に真摯に耳を傾けています。そして、お客様が喜ぶ顔をどんな技術で実現するか、どんな製品でお客様の役に立つことができるかを常に考えながら価値創造に取り組んでいます。

 

 試験研究に従事する者は、グループ全体で2,183人であります。

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、42,811百万円であります。

 

 当連結会計年度におけるセグメント別の主な研究開発内容や研究開発成果及び研究開発費は、次の通りであります。

 

(1)プリンティング・アンド・ソリューションズ事業

 レーザーやインクジェットなどのプリンティング技術を追求し、ワークスタイルの革新を提案します。代表的な製品としては、コンパクト性を追求したプリンターのほか、1台にプリンター・ファクス・コピー・スキャナーなどの機能を搭載した複合機、また、使いやすさにこだわったラベルライターがあります。これらの情報通信機器で、SOHO(Small Office・Home Office)やSMB(Small and Medium Business)などで幅広いニーズにお応えします。

 また、海外生産が加速する流れの中で、モノ創り企業としての足腰を固めるため、製造をサポートするための生産技術開発を行い、モノ造りの早い段階での性能・品質の作りこみを目的としたプロセス改革、及び超精密加工技術なども推進しています。

 当連結会計年度の主な成果としては、インクジェットプリンターにおいては、スマートフォンからの印刷がさらに便利になった「DCP-J982N-W/B」の発売をあげることができます。

 電子文具においては、業務向けラベルプリンターの新製品として、ブラザー初の感熱・熱転写兼用モデル「TD-4520TN」の発売をあげることができます。

 当事業に係る研究開発費は、27,725百万円であります。

(2)パーソナル・アンド・ホーム事業

 高性能かつ高付加価値の製品を提供できる業界随一の開発力を有しています。特に電子技術の強みを生かした最先端の機能を使いやすい形でお客様に提供することで、市場をリードしています。

 当連結会計年度の主な成果としては、中上級者向けの一般用ミシンとして新たに家庭用ミシン「Innovis(イノヴィスVC)」の発売をあげることができます。

 当事業に係る研究開発費は、2,156百万円であります。

 

(3)マシナリー事業

 使いやすさ、高品質な縫製、省エネルギーを実現した工業用ミシン、スマートフォンなどのIT関連機器や自動車・オートバイの部品加工に最適な工作機械をお客様に提案し、密着したサポートをすることで、生産性向上と新たな価値創出をお手伝いしています。また、減速機・歯車分野では、よりユーザーニーズに合致した製品を開発することを目的としております。

 当連結会計年度の主な成果としては、工業用ミシンにおいては、本縫針送りダイレクトドライブ自動糸切りミシン「NEXIO S-7220D」の発売をあげることができます。

 工作機械においては、独自の高速パレットチェンジャーを搭載した工作機械コンパクトマシニングセンタ SPEEDIO(スピーディオ)「R450X2」の発売をあげることができます。

 減速機においては、DC電源ギアモータのフラッグシップとなるSDタイプ 容量0.75kWを発売しました。

 当事業に係る研究開発費は、5,371百万円であります。

 

(4)ネットワーク・アンド・コンテンツ事業

 通信カラオケ事業において、業務用通信カラオケシステムを提供するとともに、通信カラオケで培ったコンテンツや配信技術を活用し、健康分野に向けたサービスや映像コンテンツの配信など、新たな顧客価値を追求しています。

 当事業に係る研究開発費は、874百万円であります。

 

(5)ドミノ事業

 各種コーディング・マーキング機器の販売からアフターサービスまでの一貫した提供を通じて、お客様による品質管理やトレーサビリティーの向上などの需要にお応えします。

 また、インクジェット方式のデジタル印刷機、及びそのアフターサービスまでの一貫した提供を通じて、お客様によるラベルなどパッケージ印刷に対する多種少量化・短納期化などの需要にお応えします。

 当事業に係る研究開発費は、3,800百万円であります。

 

(6)その他事業

 当事業に係る研究開発費は、2,883百万円であります。