文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)新グループビジョンの策定
ブラザーグループは、1908年にミシンの修理業からはじまり、110年以上にわたって、時代や環境の変化に合わせ自らを変革し、お客様のニーズにあった価値を提供し続けてきました。昨今、デジタル化や自動化などの加速によるお客様の購買行動の変化、新型コロナウイルスの拡大による社会変容、地政学リスクの顕在化など、ブラザーグループを取り巻く事業環境も大きく、かつ急速に変化しています。
こうした変化の激しい環境に対応しながら、持続可能な成長を実現していくために、あらたに2030年に向けたブラザーグループビジョン「At your side 2030」を策定しました。
「At your side 2030」は、2030年に向けてお客様にどのような価値を提供していくのか考え、ブラザーの存在意義を再定義した「あり続けたい姿」を起点に、どのような方法で価値を提供するのか(「価値の提供方法」)、何を実現するのか(「注力領域」)を示しました。
1)あり続けたい姿
ブラザーが何のために存在し、どのようにあり続けたいかについては、「世界中の“あなた”の生産性と創造性をすぐそばで支え、社会の発展と地球の未来に貢献する」と定義しました。ブラザーは、世界中に存在する、お客様をはじめとした、価値創出を行い進歩し続けたいと願うすべての人々を“あなた”と位置付け、その人々の願いを叶えるための存在であり続けたいと考えます。そして、社会の持続的な発展の実現に貢献しながら、地球環境への責任を果たしていきます。
2)価値の提供方法
価値の提供方法については、「多様な独自技術とグローバルネットワークを強みに、お客様の成功へのボトルネックを見つけ解消する」と定義しました。ブラザーグループは創業以来、さまざまな事業を生み出し、グローバルに展開してきました。40以上の国と地域に広がる生産・販売・サービス・開発拠点のネットワークをベースとするグローバル複合事業企業ならではの強みを生かし、お客様や取引先など外部からの学びを得ながら、国や地域、事業を越えて優れた価値を迅速に提供します。また、お客様のバリューチェーンに向き合い、ボトルネックとなるものを見つけ、解消します。さらにモノづくりにとどまらないデジタル技術の活用などの“コト”も含めて、お客様への価値提供の幅を広げます。
3)注力領域
上記の価値を発揮することにより、産業用領域とプリンティング領域を2030年までの注力領域と位置づけ、特に強化していきます。産業用領域での飛躍と、プリンティング領域の変容により事業ポートフォリオを変革し、複合事業体として成長し続けます。産業用領域は、ブラザーの強みが活きるビジネス領域において、生産性の向上に加え、働く人々や地球環境の課題を解決することで、ベストパートナーとしての信頼を確かなものにします。プリンティング領域は、オフィスワークやプリンティングを取り巻く環境が大きく変わる中にあっても、働く人々の期待に応え続けるとともに、これまでの事業の枠を超えて新たな柱を築きます。
(2)中長期的な経営戦略
◆中期戦略 「CS B2024」
中期戦略「CS B2024」は、グループビジョン「At your side 2030」の実現を見据え、バックキャストで最初の3年間に取り組むテーマを定め、策定しました。同時に、ブラザーグループが社会の発展と地球の未来に貢献するため、解決すべき重要な社会課題として5つのマテリアリティを特定し、マテリアリティに関連したサステナビリティ目標を設定しました。
「CS B2024」では、「あたらしい未来へのテイクオフ」をテーマに、産業用領域の飛躍や、プリンティング領域の変容などの事業ポートフォリオの変革と、持続可能な未来に向けた経営基盤の変革を目指します。
①産業用領域の飛躍に向けて
・産業機器事業の大幅成長
高い生産性と環境性能に磨きをかけ、お客様のモノづくりの競争力強化とCO₂排出削減などの持続可能性に貢献し、産業機器事業の大幅な成長を目指します。
・ドミノ事業の成長加速
デジタル印刷分野での製品力強化、コーディング&マーキング分野での顧客関係強化により成長を加速するとともに、長期的な競争力獲得に向けた産業用インクジェット技術基盤の強化を図ります。
②プリンティング領域の変容に向けて
・P&S事業のビジネスモデル変革の加速
厳しい市場環境のなかでも既存ビジネスの一層の収益力強化に努めるとともに、契約型をはじめとしたお客様とつながるビジネスモデルへの転換加速、業務用ラベリング事業拡大など“次”に向けた変革を推進します。
③未来の事業ポートフォリオに向けて
・マテリアリティ解決につながる新規事業の創出
ブラザーの強みをさらに進化させることで、「働く人々の生産性と創造性を支える」ことや、「地球の未来に貢献する」ための事業機会を広く探索します。
・インクジェットを核としたプリンティング技術の進化、応用範囲の拡大
産業用領域、民生用領域の双方にわたって、インクジェットを核としたプリンティング技術の進化や応用範囲の拡大を進めていきます。
④持続可能な未来に向けた経営基盤の変革
・カーボンニュートラルに向けた環境への取り組み
「ブラザーグループ 環境ビジョン2050」で掲げるCO₂排出削減、資源循環、生物多様性保全目標の達成に向けて取り組みを推進していきます。特に2050年までにブラザーグループの事業活動におけるカーボンニュートラルを実現するため、さまざまな活動を通じてCO₂排出削減に取り組みます。
・お客様とのつながりの強化・拡大
各事業において、より多くのお客様とつながり、今まで以上に継続的な価値提供を果たしていきます。さらに、お客様とのつながりから得られたデータをさらなる顧客価値提供につなげ、ビジネスモデルの変革を目指します。また、サプライチェーンの強靭化により安定した製品供給を実現します。
・すべての変革の礎 – ブラザー独自のマネジメントシステム「ブラザー・バリュー・チェーン・マネジメント(BVCM)*1」の進化、従業員のチャレンジ行動促進、従業員エンゲージメントの向上
変革の礎として、ブラザーグループ自らの「生産性と創造性」を高め続けるため、「BVCMの進化」「従業員のチャレンジ行動の促進」「従業員エンゲージメントの向上」に継続的に取り組みます。
◆マテリアリティとサステナビリティ目標
「At your side 2030」であり続けたい姿として掲げた「社会の発展と地球の未来に貢献」するため、5つのマテリアリティを特定しました。マテリアリティ解決に向けたサステナビリティ目標を設定し、経営課題として全社横断で活動を推進していきます。
|
マテリアリティ |
2024年度目標 |
|
|
社会の発展 |
・人々の価値創出の支援 |
・産業機器事業におけるお客様の生産性向上、 ・P&S事業におけるお客様のLTV*2向上に向けたお客様と直接「つながる」ための基盤の構築 |
|
・多様な人々が活躍できる |
・グローバルベースでの従業員エンゲージメントの可視化と調査スコアの向上 ・海外拠点責任者の現地登用を促進するための人財育成およびガバナンスの強化 ・管理職の健全なジェンダーバランスに向けたパイプラインの強化および多様な働き方を実現する環境整備*3 |
|
|
・責任あるバリューチェーンの追求 |
・サプライヤーに対する人権リスク評価の拡大 ・RBA*4 Gold認証を取得したグループ製造拠点数 3拠点 |
|
|
地球の未来 |
・CO₂排出削減 |
・[スコープ1,2*5] 2015年度比47%削減 参考)2030年度目標:2015年度比65%削減 ・[スコープ3*5] 自助努力での15万t削減対策の実施 参考)2030年度目標:2015年度比30%削減 |
|
・資源循環 |
・製品に投入する新規資源率 81%以下 参考)2030年度目標:65%以下 |
|
◆財務方針
事業の成長とサステナビリティ目標の達成を両立することにより、継続的な株主価値の向上を果たしていきます。安定かつ継続的な配当方針のもと、株主還元を強化しつつ、事業から創出される営業キャッシュ・フローに加え、有利子負債も活用しながら、未来に向けた投資を積極的に実施していきます。
・未来に向けた先行投資
事業ポートフォリオの変革と、持続可能な未来に向けた経営基盤の変革実現に向けた先行投資枠として総額1,500億円を設定しました。この投資枠を活用して、「事業ポートフォリオの変革」に向けては、産業用領域やインクジェット技術に関わる各種の機能、拠点の強化、M&A等の戦略投資を行っていきます。また、「持続可能な未来に向けた経営基盤の変革」に向けては、環境への取り組みやサプライチェーンの強靭化などを進めていきます。
|
テーマ |
内容 |
金額 |
|
|
事業ポートフォリオの変革 |
・産業用領域の飛躍に向けて ・プリンティング領域の変容に向けて |
・産業用領域の販売・サービス拠点増強 ・マシナリー・FA領域の生産能力強化 ・インクジェット開発・生産拠点拡張 |
500億円 |
|
・未来の事業ポートフォリオに向けて |
・M&A等の戦略投資枠 |
300億円 |
|
|
持続可能な未来に向けた経営基盤の変革 |
・環境への取り組み ・お客様とのつながりの強化・拡大 |
・製品の地産地消およびサーキュラーエコノミーの実現に向けた工場投資 ・グループ拠点での創エネ設備導入 ・環境配慮型の新社屋の建設 ・サプライチェーン強靭化 ・DX投資 |
700億円 |
|
合計 |
1,500億円 |
||
・株主還元
安定的かつ継続的な株主還元のもと、2024年度を最終年度とする中期戦略「CS B2024」においては、未来に向けた先行投資を行う一方で、1株当たり68円の配当を下限水準とし、業績状況等に応じて配当水準の引き上げを含めた追加的な株主還元を検討します。加えて、自己株式の取得については機動的に実施していきます。
◆業績目標
「At your side 2030」の最終年度である2030年度に向けて、2024年度は、売上収益8,000億円、営業利益率10%以上の達成を目指します。また、厳しい事業環境や将来への投資を踏まえつつ、ROEは資本コストを上回る10%以上を目標とします。
為替前提:1USD=108円、1EUR=125円
|
|
2024年度目標 |
|
売上収益 |
8,000億円 |
|
営業利益率 (親会社の所有者に帰属する当期利益率) |
10%以上 (7%以上) |
|
ROE |
10%以上 |
ブラザーグループは、「At your side 2030」の実現に向けて、「CS B2024」で掲げた目標達成を目指し、より一層スピードを上げてあらゆる変革に取り組んでいきます。
*1:BVCM(ブラザー・バリュー・チェーン・マネジメント)の略称
お客様を中心にお客様への価値提供の流れを定義したブラザー独自のマネジメントシステム
*2:LTV(Life Time Value/ライフタイムバリュー)
顧客生涯価値。製品・サービス利用期間全体におけるお客様にとっての価値及び企業にもたらされる収益
*3:ブラザー工業株式会社において実施
*4:RBA(Responsible Business Alliance)
製造業のサプライチェーンにおいて、労働環境が安全であること、そして労働者が敬意と尊厳を持って扱われること、さらに
製造プロセスや調達が与える環境負荷に対して、企業が責任を持っていることを確実にするための基準を規定したもの
*5:スコープ1、2、3
温室効果ガスの排出源の区分け。スコープ1は事業者自らによる温室効果ガスの直接排出、スコープ2は他者から供給された電気、
熱・蒸気の使用に伴う間接排出、スコープ3はスコープ1、スコープ2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他者の排出)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
|
項 目 |
リスクの内容・可能性・時期・影響の程度 |
対応策 |
|
1.国際情勢に関するリスク (地政学リスク)
|
当社グループはグローバルに事業活動を行っており、中国・アジアを中心に生産拠点を有し、販売会社は世界各地に展開しているため、米中貿易摩擦やウクライナ危機といった国際情勢の動向は事業に影響を及ぼしうる大きなリスクであると認識しております。 米中貿易摩擦については、追加関税の影響は比較的限定的でしたが、米中両国が定める輸出入規制により、今後の事業活動へ影響を与える可能性があり規制動向を注視しております。 ウクライナ危機については、ロシアのウクライナ侵攻の長期化や米国・英国・EU・日本政府などによる経済制裁により、ロシアにおける事業活動への影響が長期化する可能性があります。 |
米中貿易摩擦に対しては、米国現地法人と連携し、価格戦略の見直しや消耗品の原産国の精査などを実施し追加関税の影響を極小化するとともに、今後の米中両国の規制動向に関し情報収集し迅速に対応してまいります。 ウクライナ危機に対しては、米国・英国・EU・日本政府などが実施している経済制裁をはじめとする様々な国際情勢の動向を常に情報収集し、状況に応じた判断を行ってまいります。 |
|
2.プリンティング市場の縮小
|
オフィス・ホーム向けのプリンティング市場は、デジタル化の進展や働き方の変化の流れを受け、プリントボリュームが減少し、緩やかな市場縮小が続いています。特に、在宅勤務の拡大・定着により、オフィス向け機器のプリントボリュームが減少する可能性があります。プリンティング・アンド・ソリューションズ事業の売上収益、営業利益は全社の半分を超える規模を占めているため、市場の動向に対応した製品やサービスを提供できない場合、当社グループ全体の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 |
在宅勤務の定着及びオフィス印刷の分散化が加速し、SOHO向け製品の需要は高まっています。変化する市場ニーズに対応する契約型サービスの拡充など、ビジネスモデルの転換加速により、収益力強化とともにお客様と継続的につながるビジネスを拡大します。加えて、今後も市場拡大が見込める業務用ラベリング事業の拡大に注力していきます。 |
|
3.企業間競争
|
当社グループはプリンティング・アンド・ソリューションズ事業を始めとして、多くの市場において他社との激しい競争にさらされております。当社グループよりも多くの経営資源を有している企業との競合や、新興国の地場メーカーの台頭、あるいは競合先間の提携が行われ、市場競争が激化することが想定されます。企業間競争が激化すると、販売価格の低下や現在の市場シェアを維持できなくなることにより、当社グループの経営成績等に悪影響を受ける可能性があります。 |
各市場で顧客価値を実現する製品や、当社の強みである各地域の販売会社やチャネルネットワークを通じたサービスの提供に取り組むとともに、業務の効率化を推進し、手戻りの少ない開発の実践や製造コストの削減を行うことで、スピード・コスト競争力のある事業運営基盤の構築を実行しています。また、サステナビリティの観点から、製品の環境性能向上、消耗品カートリッジの回収・リサイクル拡大など循環経済型ビジネスの推進にも取り組んでまいります。 |
|
項 目 |
リスクの内容・可能性・時期・影響の程度 |
対応策 |
|
4.世界経済状況の変動 |
当社グループはグローバルに事業を展開しているため、世界経済の状況の変動により関連する市場の動向が変化する場合、当社グループの経営成績等に影響することが想定されます。 当社のプリンティング領域の製品は、オフィス・ホーム向けとしてお客様に利用いただいています。また、マシナリー・FA領域、産業用印刷領域の製品は、自動車、アパレル、消費財の包装などの製造業にかかわる設備としてお客様に利用いただいています。世界経済状況の変動がお客様の経営状態に影響を与え、これら製品に対する投資が抑制されると、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 |
顧客価値を実現する製品やサービスを提供することで、短期的な世界経済状況の変動があったとしても、お客様に選ばれるブランドであり続けることを実現するため、開発、製造、販売・マーケティング、アフターサービス・メンテナンスの強化を実行しています。 プリンティング領域では、コンパクトな複合機とモバイル機器やクラウドに対応できるスキャナーを組み合わせることで、インプットからアウトプットまで一貫してお客様のニーズに対応できる製品構成やサービスの提供を進めています。また、印刷管理・消耗品自動配送などの契約型ビジネスを通じてより多くのお客様とつながり、継続的な価値提供を実現していきます。 また、マシナリー・FA領域、産業用印刷領域では、生産性・環境性能に磨きをかけた製品を継続的に市場投入していくとともに、顧客価値を実現する製品やサービスの提供に取り組む販売体制を強化し、お客様のモノづくりの競争力強化とCO2排出削減に貢献してまいります。加えて、固定費や原材料費等の継続的な削減を実行し、世界経済状況の変動に影響されにくい収益構造の構築を図ります。 |
|
項 目 |
リスクの内容・可能性・時期・影響の程度 |
対応策 |
|
5.サプライチェーン ・サプライチェーンの断絶 ・CSR調達 |
・サプライチェーンの断絶 当社グループは、生産・販売拠点をグローバルに展開しております。主要な生産拠点は中国・ベトナム・フィリピン等であり、販売拠点は世界各国に広がっております。感染症による人員確保難や国・地域のロックダウンのリスクに加え、戦争、テロ、大規模火災、巨大地震や地球温暖化に伴う異常気象などの想定を超える規模の自然災害等により社会的混乱が広まれば、部品調達体制を含めた生産・物流面で支障が発生するリスクがあります。 また、コンテナ滞留や船のスペース不足など国際物流の混乱による部品輸入遅延や出荷遅延の慢性的な発生及び運賃コスト高騰リスクがあります。 結果として市場への商品供給不足による販売機会の損失や顧客流失により経営成績に影響を与える可能性があります。 ・CSR調達 当社グループは、その生産拠点の多くを海外に置いており、主要な生産拠点は中国・ベトナム・フィリピン等となっております。これら諸拠点では部品調達先との取引関係がありますが、その調達先を含むサプライチェーンで発生する人権問題、例えば強制労働や児童労働などがあった場合、お客様からの信頼を失うだけでなく、当社とお客様のお取引に影響が出る可能性があります。また、調達先のさらにその先をたどっていくと、原材料に行き着きます。その原材料となる鉱物の取引において、アフリカなどの紛争地域産出の一部の鉱物(紛争鉱物)の取引が当地の武装勢力の資金源となり、紛争の助長、人権侵害、労働問題、環境破壊などに関与していることが判明した場合にも、同様にお客様からの信頼を失う可能性が出てきます。 |
・サプライチェーンの断絶 生産体制について、消耗品を中心に複数拠点生産によるリスク対応を行っております。また予備の生産設備や部品の在庫保有などのリスク対応策も実施しております。部品調達先やその上流サプライヤーを戦略的に検討することによるリスク低減活動も行っております。販売拠点においては、欠品を防ぐための在庫水準見直しを行ってまいります。物流面においては生産拠点所在地域において外部倉庫活用による製品や部材の在庫保管スペースの確保及び利用港の複線化を進めております。 また諸拠点においては、防火対策や地震・台風等の自然災害に対する一定の防災・減災施策を講じております。本社機能が位置する日本でも南海トラフ地震を想定した防災危機管理体制を確立しております。
・CSR調達 リスク低減に向け、当社は「CSR調達方針」を制定し、ホームページでの開示の他、取引先説明会などで調達先の皆様へ方針説明をおこなっています。また、2019年1月には世界的な業界団体である、RBA(Responsible Business Alliance)に加盟することで、人権問題だけでなく、安全衛生・地球環境への影響を削減するなど、サプライチェーンにおけるリスク評価と是正への体制を強化しています。 紛争鉱物については、「紛争鉱物対応方針」を制定し、ホームページに開示するとともに、鉱物の使用状況について調査を実施し、調達先の皆様と連携を図りながら紛争鉱物の使用回避に向けた調達活動に取り組んでいます。 |
|
項 目 |
リスクの内容・可能性・時期・影響の程度 |
対応策 |
|
6.部材に関するリスク |
当社グループの製品に使用されている樹脂材料や半導体を主とする電子部品は需要逼迫により調達困難である状態が継続するリスクがあります。 また、半導体、原油、鋼板や銅といった原材料価格が上昇するリスク、コンテナ滞留や船のスペース不足等による輸送費が上昇するリスク、さまざまな複合要因により樹脂材料や電子部品の価格高騰リスクがあり、製造コストを押し上げる要因になります。これらの影響を製品の販売価格に転嫁できない、あるいは経費削減、能率改善でコストを十分に吸収できない場合、将来の収益性に一定の影響を及ぼすことが想定されます。 |
樹脂材料や半導体を主とする電子部品の調達難に対しては、部品長期手配による部品確保、調達先の検討、設計変更による代替品の検討などの対策を進めます。また、樹脂材料・電子部品、鋼板や銅などの原材料の価格高騰リスクを計画時点でも織り込むことで想定収益への影響を低減しております。 |
|
7.品質・製造物責任 |
すべての製品に対し欠陥がなく、将来に製品安全問題や品質問題が発生しないという保証はありません。それらの重大な問題が発生した場合の可能性として、多額のコストを要するほか、ブランドイメージや社会的評価が低下し、顧客の当社グループ製品への購買意欲を減少させ、当社グループの経営成績等が影響を受けることがあります。 |
当社グループは、高品質の魅力ある製品を提供するため、厳格な品質管理基準に従って生産管理体制を確立し、製品の製造を行っております。製造委託先から供給を受ける製品に対しても、適正な品質レベルであることを検証しております。また、仮に製品起因の事故が発生した場合には、被害者への対応を第一優先に行うとともに情報公開、官公庁への報告など被害拡大の抑制に取り組んでいきます。 |
|
項 目 |
リスクの内容・可能性・時期・影響の程度 |
対応策 |
|
8.法規制 ・コンプライアンス全般 ・税制 |
・コンプライアンス全般 当社グループは、事業活動を行っている各国・地域において、様々な法令や規制の適用を受けております。各国・地域の法令・規制の新設・変更によって、当社グループの事業活動が大きく制限されたり、法令や規制対応のために多額の費用負担が発生する可能性があり、意図せずに法令・規制に違反した場合には、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
・税制 当社グループは、グローバルに事業活動を展開しており、事業拠点を有する各国・地域における税制の適用を受けております。各国・地域における税制や税率が変更された場合、当社グループの経営成績等にマイナスの影響を与える可能性があります。 |
・コンプライアンス全般 当社グループは、コンプライアンス(法令・倫理の順守)がCSR経営の基盤を支え、さまざまなリスクを回避する上で不可欠なものであると考えています。グループ全体でコンプライアンスを徹底するために「ブラザーグループ グローバル憲章」の行動規範のひとつである「順法精神・倫理観」と、企業としての責任を明確に定義し行動していくための「ブラザーグループ社会的責任に関する基本原則」に基づいて、従業員の行動基準を定めています。
・税制 重要な税務上の事項については、各地域の統括会社を通して、当社税務部門に適宜共有され、税理士法人などの外部専門家のサポートを受けるだけでなく、必要に応じて税務当局ともコミュニケーションを取って対処しております。また、当社グループ間の取引については、独立企業間価格となるように、各国・地域との移転価格を適切に管理しており、移転価格課税リスクの高い取引については、APA(事前確認制度)を活用することで税務リスクを低減しています。 |
|
項 目 |
リスクの内容・可能性・時期・影響の程度 |
対応策 |
|
9.環境 ・環境に関する 社会的要請 ・環境規制、環 境汚染 |
・環境に関する社会的要請 グローバルに事業活動を展開する当社グループにとって、次のリスクは現在から将来にわたって極めて重要な課題であり、事業経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。 気候変動は、災害等による人的被害、操業の停止、サプライチェーンの断絶等、生産・販売活動に大きな影響を与える物理的リスクに加え、脱炭素社会への急速な移行に伴う法規制強化や対応コスト増、対応遅れによる販売機会喪失等の移行リスクがあります。 サーキュラーエコノミーの進展は、欧州各国中心に資源消費を抑えつつ経済発展を目指す政策が推進されており、法規制強化や対応コスト増、対応遅れによる販売機会喪失等の移行リスクがあります。
・環境規制、環境汚染 グローバルに事業を展開する当社グループは、世界各国・地域において様々な環境法規制の適用を受けております。中でもEU-RoHS指令をはじめとする製品含有化学物質に関わる法規制は、世界各国・地域において新設及び改正が頻繁に行われています。これら規制に対する違反が発生した場合、製品のリコール、生産・販売の中止、課徴金の負担、刑事罰及び社会的信用の失墜等により、当社グループの事業経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。 |
・環境に関する社会的要請 気候変動に対しては、その原因となっている温室効果ガス排出を削減するため、「1.5℃目標」のSBT(Science Based Targets)認定を受けた2030年中期目標(2015年度比でスコープ1,2:65%削減、スコープ3:30%削減)を設定しています。この目標の達成に向けて、スコープ1,2については事業所の省エネ及び再生可能エネルギーの積極的な利用等、スコープ3については温室効果ガス排出量の80%以上を占める製品の部材調達、使用、廃棄段階での排出を削減するため、調達する部材の省資源化・再生利用、製品の省エネルギー性能の向上・リサイクル性向上等に注力して取り組んでいます。また、当社は2020年2月に金融安定理事会が設置した「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の提言に賛同致しました。そして2020年度には当社グループの主な事業に対して気候変動が与える財務的な影響の分析を実施しました。今後はこの分析結果に基づき、事業戦略の見直しも含めた適切な対応策の実施と適正な情報開示を行ってまいります。 サーキュラーエコノミーの進展に対しては、当社グループの資源効率を向上させるため、2030年中期目標(製品に投入する新規資源率65%以下)を設定し、その達成に向けてサーキュラーエコノミー型ビジネス(サブスクリプション型ビジネス等)の拡大と資源の再生利用(リユース・リサイクル等)に取り組んでいます。
・環境規制、環境汚染 当社グループは、禁止、制限及び管理対象とすべき化学物質を「ブラザーグループグリーン調達基準書」に明示すると共に、サプライヤーによる部材の適合保証、成分情報の伝達、サプライヤー監査及び納入品の抜き取り検査等を実施することにより、確実な法規制遵守に努めています。 また、世界各国・地域における環境法規制の最新情報は環境担当部門が当社グループ拠点と連携を取って収集し、当社製品に必要な対策の立案を行い、製品設計変更に関わる開発、購買、製造及び営業等の関連部門と協働し、製品への迅速な適応を図っています。 |
|
項 目 |
リスクの内容・可能性・時期・影響の程度 |
対応策 |
|
10.安全保障 貿易 |
当社グループの産業機器事業で取り扱う工作機械は、国際的な安全保障貿易管理の枠組みによる規制品目に分類されております。 |
適正な法令遵守体制を維持しつつ、このようなリスクを低減するために継続的な管理状況の評価と改善、従業員等への周知教育の実施、産業機器事業を中心としたグループ子会社及びサプライチェーンを構成する各社と連携を図ることにより、当社全体としての安全保障貿易管理体制の強化、より効率的な管理体制への再構築に努めております。 |
|
項 目 |
リスクの内容・可能性・時期・影響の程度 |
対応策 |
|
11.情報・ システム ・情報セキュリティ ・情報ネットワーク |
・情報セキュリティ 何らかの原因で個人情報及び機密情報が外部に漏洩した場合、お客様からの信頼を失うとともに、ブランドイメージの低下を招くなど、当社グループの事業活動や経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、顧客サービスの充実を目指して、製品情報やサポート情報の提供ならびに、関連サービスの提供を行っております。このようなWebサイトや関連するシステムにつきましては、安全な情報セキュリティレベルを維持することに努めておりますが、マルウェア感染や標的型攻撃などのサイバー攻撃により、データの破壊や改ざん、サービスの停止などの被害等が発生した場合、事業活動に悪影響を及ぼすことが考えられます。 また、近年は、IoT 製品をターゲットとしたサイバー攻撃の脅威が増大しており、当社製品からお客様の個人情報や機密情報が漏洩した場合、お客様からの信頼を失い、ブランドイメージが失墜し、当社グループの事業活動や経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。各国政府もIoT製品のセキュリティ向上や個人情報保護を目的とした法整備を活発化しており、法令に準拠しない製品は、対象国で販売できなくなる可能性があります。 ・情報ネットワーク 当社グループは、生産管理・販売管理及び財務等に関する情報をネットワークを通して管理しております。また、近年は外部データセンターやクラウドサービスを活用し、社内のみならず社外に配置した情報システムもネットワークを通して使用しております。万が一ネットワークの切断、システムの停止等が発生した場合、これらは事業活動の阻害要因となり得ます。また、マルウェア感染や標的型攻撃などのサイバー攻撃につきましても、予期し得ない外部からの侵入や攻撃がなされた場合、その内容や規模によっては、事業活動に悪影響を与える可能性があります。 また、財務報告の信頼性を維持し高めることが求められている中、予期し得ない統制上の問題が生じた場合には、財務報告の信頼性を担保できないような状況が起こり得る可能性があります。 |
・情報セキュリティ 当社グループは、情報管理規程を定めると共に情報管理委員会を設け、情報セキュリティ運用ルールを策定しております。また、SNS等のソーシャルメディアの利用に関しても、利用規程を定めております。それらの運用ルールや利用規程に基づくセキュリティ対策や社内教育を行うことで、個人情報及び機密情報の漏洩防止、サイバー攻撃へのグローバルで統一した多層防御対策の強化に努めております。また、近年はスマートフォン等により一部の社内情報の利用が出来ますが、利用端末の制限や暗号化等により管理体制の強化に努めております。さらに、個人情報や機密情報へのアクセスに関しましては、アクセス制御やアクセスログ管理を行っており、不正な取り扱いを回避しております。 当社グループは、お客様に安心して製品をお使いいただくために、「製品情報セキュリティ基本方針」を定め、グループ全体で製品セキュリティの向上を図っております。また、製品に関する脆弱性リスクが発生した場合の報告ルートや製品情報セキュリティ事故の対応体制に関する社内規程を定め、体制を構築することでリスクを最小化する対策を実施しております。各国の法令順守に関しては、海外子会社と連携し、法令等の新設・改訂の情報を察知し、法律の内容を十分に理解したうえでグループのビジネスや製品サービスへ迅速に反映するよう努めております。
・情報ネットワーク 情報の保存、設備の保全等の対策には万全を期しておりますが、サプライチェーンに影響する重要システムは、万が一の故障時にもダウンタイムを最小限にして早期復旧を可能とするシステム構成にしております。 予期し得ない外部からの侵入や攻撃への対策として、グローバルで統一した多層防御に基づくセキュリティ対策の強化を行っており、定期的に見直しを行っております。24時間365日のセキュリティ監視を行うことで、PC、及びサーバ上の不正なふるまいをいち早く検知し、脅威を除去することで高度化するサイバー攻撃への対応も行っております。 上記のように、対応し得る最善の仕組みで対策を行うと同時に、日々進化するITテクノロジーに対応するため、システムを運営、利用する人材を継続的に教育することでレベルアップを図っております。万が一事故が発生した場合に備え、日頃より社内の対応組織の訓練を行い、迅速に対応することで被害を最小限に抑えるよう努めております。 内部統制への対応として、IT全般統制の視点から情報システムの開発・保守・運用業務の品質向上活動を継続し、適正なIT業務運用に努めております。 |
|
項 目 |
リスクの内容・可能性・時期・影響の程度 |
対応策 |
|
12.人材 ・労働災害、 人的被害 ・人材確保 |
・労働災害、人的被害 当社グループはグローバルに事業拠点を展開しており、多様性や環境、安全に対する意識並びに順守すべき法律も拠点所在国・地域によって異なっています。そうした労働条件において軽微なものから障がいが残る重篤な災害まで多くのリスクが労働環境には潜んでいます。加えて、昨今の想定を超えた天災から生じる被害や機械・設備などが起因となる火災、爆発などの事故で製造拠点の操業を停止することで社会責任が果たせなくなると共に当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
・人材確保 労働市場における人材の獲得競争は激化しており、有能な人材の採用や雇用の継続が困難になった場合は、研究開発に十分な資源を投入できないことによる製品競争力の低下や労働力不足による製品の安定供給への支障など、結果として当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。発生可能性は現時点で低いものの、特にブランドイメージが著しく損なわれた場合に発生することが想定され、影響は案件の内容次第となります。 |
・労働災害、人的被害 グループ各拠点の安全防災事務局から毎月の事故・災害状況を入手して、発生した災害に関しては原因の究明や再発防止策などの情報を共有し水平展開を図ることで同種・同類災害の再発を防止しています。また、各拠点で実施されている安全防災活動を支援し、工場監査を通じて実施状況の確認を行っております。
・人材確保 当社グループは、グローバルに展開する企画、開発、設計、製造、販売、サービス等の各機能に必要な人材確保に努めております。 |
|
13.M&A(減損リスク) |
当社グループは産業用領域のさらなる拡大・新規事業の創出・育成等に向けて、M&Aも含めた成長投資を加速する方針を掲げております。 M&A等の実施においては、事業の統合に当初想定以上の負荷がかかることや投資時点において想定した通りに投資先が事業を展開できないこと等により、予想された通りの投資効果が得られないリスクがあります。 当社グループは、2022年3月31日現在の連結財務諸表上、のれんを79,366百万円(総資産の9.8%)計上しており、そのうち、2015年に買収したドミノ事業に関連するのれんが78,898百万円を占めております。上記のリスクが顕在化し将来キャッシュ・フローの見積りが変動した場合、また、将来の金利水準や長期的な市場成長率などの変動が生じた場合、これらののれんや有形固定資産、無形資産等の減損損失が生じ、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、中期戦略「CS B2024」において、産業用領域の飛躍に向けて「ドミノ事業の成長加速」を重点戦略に掲げ、デジタル印刷分野の新製品投入やコーディング&マーキング分野の顧客基盤強化に取り組んでおります。 また、のれんにつきましては少なくとも年に1回、減損の兆候の有無にかかわらず、将来得られるキャッシュ・フロー見積りと、帳簿価額を比較して、のれんの資産価値を確認しており、適正な評価額で計上しております。 |
|
項 目 |
リスクの内容・可能性・時期・影響の程度 |
対応策 |
|
|
14.為替変動 リスク |
当社グループは、海外での製造・販売比率が高く、外貨建取引に係る為替変動リスクが定常的に発生しております。グループのユーロ建売上が最も影響を受け、対ユーロで円高になると、2022年3月期の実績ベースで試算した場合、1円当たり、年間約10億円の利益の減少要因となります。 また、中国・東南アジア等、主要な製造拠点の所在地域の通貨が上昇した場合、製造・調達コストを押し上げる要因になるなど、中長期的な為替レートの変動が、経営成績等に一定の影響を及ぼすことが想定されます。 海外子会社の保有する現地通貨建ての資産(負債を控除した純額)は、各現地通貨に対して円高になると、円換算後の金額が目減りします。これは直ちに連結損益には影響しませんが、その他の包括利益が減少し、純資産を押し下げる要因となります。 |
リスク低減のため、外貨建取引における受取と支払のリンク率向上を図る一方で、短期的には為替予約取引を行うなど、リスクを効率的に管理し、回避するよう努めております。 |
|
|
15.知的財産 |
(1)第三者による模倣品の販売など、第三者による当社グループ所有の知的財産権の侵害が発生する可能性があります。この結果、当社グループの経営成績等が悪化したり、信用が低下したりする可能性があります。
当社グループに対し、侵害の訴えが提起され る可能性があります。第三者の主張が認められると、製品の販売の差止めや、損害賠償の支払などが求められる可能性があります。
的財産権に関するライセンス契約を他社と締 結しつつ、事業活動を行っております。しか しながら、ライセンス契約の条件によっては 事業活動が影響を受ける可能性があります。
される可能性があります。 |
(1)当社グループは、第三者による侵害行為に 対しては、経営成績等や信用への影響度を考 慮しつつ、知的財産権を行使しております。
権を尊重して事業活動を行っておりますが、 第三者から侵害の訴えが提起された場合に は、内容を精査した上で、防御や和解などの 対策を講じております。 (3)当社グループでは、研究開発の成果として多 数の特許権を取得しております。保有する一 部の特許権について相手方へライセンスを供 与するなどの対策を講じつつ、事業活動への 影響が最小限になるように契約を締結してお ります。
発明者に対する報奨を適切に行っております。 |
|
|
項 目 |
リスクの内容・可能性・時期・影響の程度 |
対応策 |
|
16.新型コロナウイルス感染症 |
当社グループはグローバルに事業活動を行っており、新型コロナウイルス感染症の影響により、生産面において各国政府判断による国民の自宅待機など自社拠点及び生産部品取引先の操業度の低下が継続するリスクがあります。物流においても国際間の輸出入における制限や混乱が発生し調達や出荷に影響が出る可能性があり、またコンテナ不足に起因する海上運賃の世界的な上昇による利益面への影響が継続する可能性があります。 |
お客様、お取引先様、及び全従業員の健康と安全を最優先に考え感染防止策を講じたうえで、事業活動の継続に努めてまいります。 |
当社グループの財政状態及び経営成績は次の通りです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、判断したものであります。
なお、当社グループの業績管理は、事業セグメント損益及び営業損益により行われております。事業セグメント損益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概要は次の通りであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、各国の経済対策や先進国を中心としたワクチン接種率の向上により、経済活動正常化への動きがあったものの、年度後半における新型コロナウイルス感染症の再拡大に加え、世界的な半導体等の部材不足や海上輸送の混乱をはじめとしたグローバルサプライチェーンに関連するリスクが顕在化しました。また、ウクライナ情勢による地政学リスクの高まりなど、景気の先行きは依然として予断を許さない状況が続いています。
当社グループに関連する事業環境は、プリンティング市場では、在宅勤務・在宅学習用途として、小型複合機・プリンターの需要は各地域で引き続き順調な伸びを示しました。家庭用ミシンは、巣ごもり特需があった前連結会計年度からは、需要は落ち着きを見せています。マシナリー事業の関連分野では、産業機器は中国を中心とした需要が継続し、工業用ミシンに関しても投資意欲の回復傾向が見られました。国内におけるカラオケ市場は、新型コロナウイルス感染症再拡大の影響により、厳しい状況となりました。ドミノ事業の関連分野では、食品・医薬品などの生活必需品の需要の底堅さに支えられ、堅調に推移しました。
このような状況の中、当連結会計年度における当社グループの連結業績は、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業では、為替のプラス影響に加え、消耗品が堅調に推移し増収となりました。パーソナル・アンド・ホーム事業では、副業用途でのミシンの販売は引き続き堅調に推移したものの、巣ごもり特需があった前連結会計年度の水準には届かず、減収となりました。マシナリー事業では、主に中国向けの産業機器が引き続き堅調だったことに加え、工業用ミシンのアパレル向け設備投資需要の回復などにより、事業全体で大幅な増収となりました。ネットワーク・アンド・コンテンツ事業では、店舗の休業や時間短縮営業の影響により、減収となりました。ドミノ事業は、生活必需品の需要の底堅さに支えられ、製品本体、消耗品ともに堅調に推移し、増収となりました。
これらの結果、売上収益は、前期比12.5%の増収となる710,938百万円、事業セグメント利益は、前期比8.3%の増益となる84,552百万円となりました。営業利益は、前連結会計年度に計上した、ドミノ事業におけるのれんの一部の減損損失、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業の一部の連結子会社における拠点再編費用などがなくなったことにより、前期比100.1%の大幅な増益となる85,501百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比148.9%の大幅な増益となる61,030百万円となりました。
*平均為替レート(連結)は次の通りであります。
当期 米ドル :112.86円 ユーロ :131.01円
前期 米ドル :106.17円 ユーロ :123.73円
セグメント別の業績は、次の通りであります。
1)プリンティング・アンド・ソリューションズ事業
売上収益 424,247百万円(前期比+10.3%)
〇通信・プリンティング機器 366,902百万円(前期比+8.6%)
インクジェット複合機においては、供給制約の改善により製品本体の販売数量は大幅に増加しました。レーザー複合機・プリンターにおいては、新型コロナウイルス感染症再拡大や部材の調達難による工場の稼働率低下を受け、製品本体の販売数量が大きく落ち込んだものの、為替のプラス影響に加え、消耗品の堅調な推移もあり、事業全体で増収となりました。
〇電子文具 57,345百万円(前期比+22.5%)
ラベルライター・ラベルプリンター、モバイルプリンターを中心とするソリューション分野とも、需要回復により、大幅な増収となりました。
事業セグメント利益 59,754百万円(前期比△8.3%)
営業利益 59,422百万円(前期比△2.6%)
為替のプラス影響、消耗品全般の堅調な推移があったものの、消耗品の航空輸送対応に加え、海上運賃の高騰、部材コストの増加もあり減益となりました。
2)パーソナル・アンド・ホーム事業
売上収益 49,995百万円(前期比△6.8%)
家庭用ミシンは、欧米を中心とした副業用途での中高級刺しゅう機の販売は引き続き堅調に推移したものの、巣ごもり特需があった前連結会計年度の水準には届かず、減収となりました。
事業セグメント利益 8,072百万円(前期比△17.7%)
営業利益 8,207百万円(前期比△14.9%)
減収に加え、部材コストなどの増加もあり、減益となりました。
3)マシナリー事業
売上収益 111,292百万円(前期比+41.0%)
〇工業用ミシン 33,990百万円(前期比+40.7%)
アジア・中国向けでのアパレル設備投資需要の回復により、工業用ミシンが好調に推移し、大幅な増収となりました。
〇産業機器 56,553百万円(前期比+46.1%)
中国を中心に、自動車関連市場向けが好調に推移したことに加え、IT関連顧客向けのスポット受注の効果もあり、大幅な増収となりました。
〇工業用部品 20,749百万円(前期比+29.3%)
設備投資需要の回復に加え、自動化ニーズの高まりにより、減速機、歯車ともに大幅な増収となりました。
事業セグメント利益 13,955百万円(前期比+238.7%)
営業利益 13,930百万円(前期比+321.6%)
増収効果に為替のプラス影響も加わり、大幅な増益となりました。
4)ネットワーク・アンド・コンテンツ事業
売上収益 29,552百万円(前期比△4.8%)
新型コロナウイルス感染症の再拡大により、カラオケ店舗の営業自粛・時間短縮営業など、厳しい環境が継続し、減収となりました。
事業セグメント損失 2,700百万円 (前期 事業セグメント損失 5,159百万円)
営業損失 568百万円 (前期 営業損失 7,348百万円)
事業セグメント利益は、費用削減の効果などにより、赤字幅が縮小しました。営業利益は、不採算店舗の閉店費用や店舗設備の減損損失が前連結会計年度に比べ減少したことに加え、雇用調整助成金や時短協力金等の給付金の効果もあり、赤字幅が縮小しました。
5)ドミノ事業
売上収益 81,726百万円(前期比+17.0%)
食品・飲料・医薬品などの生活必需品の需要の底堅さに支えられ、コーディング・マーキング機器、デジタル印刷機ともに、本体及び消耗品が堅調に推移したことに加え、為替のプラス影響もあり、増収となりました。
事業セグメント利益 4,893百万円(前期比+3.0%)
営業利益 4,950百万円 (前期 営業損失 23,940百万円)
事業セグメント利益は、増収効果があったものの、販管費の増加などにより、前連結会計年度並みとなりました。営業利益は、前連結会計年度に計上した、のれんの一部についての減損損失がなくなったことにより、大幅な増益となりました。
②財政状態の状況
資産合計は、現金及び現金同等物が減少した一方、営業債権及びその他の債権、棚卸資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ67,253百万円増加し、811,149百万円となりました。
負債合計は、借入金の返済などにより社債及び借入金が減少した一方、営業債務及びその他の債務が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ5,748百万円増加し、249,937百万円となりました。
資本合計は、子会社である株式会社ニッセイの完全子会社化に伴う非支配持分の減少、2022年2月1日の取締役会において自己株式の取得について決議されたことによる自己株式の増加の一方、親会社の所有者に帰属する利益による利益剰余金の増加、在外営業活動体の換算差額の影響などにより前連結会計年度末に比べ61,504百万円増加し、561,211百万円となりました。
当期における期末為替レートは、次の通りです。
米ドル :122.39円 ユーロ :136.70円
③キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況については、現金及び現金同等物(以下「資金」)は、営業活動により72,254百万円増加、投資活動により40,781百万円減少、財務活動により65,191百万円減少等の結果、当連結会計年度末は前連結会計年度末と比べ23,087百万円減少し、167,915百万円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は、次の通りです。
1)営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前利益は86,429百万円で、減価償却費及び償却費38,700百万円など非資金損益の調整などによる資金の増加、営業債務及びその他の債務の増加による資金の増加12,450百万円、営業債権及びその他の債権の増加による資金の減少2,954百万円、棚卸資産の増加による資金の減少37,964百万円などがあり、法人所得税の支払額24,245百万円などを差し引いた結果、72,254百万円の資金の増加となりました。
2)投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産の取得による支出26,606百万円、無形資産の取得による支出9,236百万円などにより、40,781百万円の資金の減少となりました。
3)財務活動によるキャッシュ・フロー
長期借入金の返済による支出20,197百万円、リース負債の返済による支出8,825百万円、配当金の支払額16,397百万円、子会社である株式会社ニッセイの完全子会社化により非支配持分から子会社持分を取得したことによる支出16,715百万円、自己株式の取得による支出3,005百万円などにより、65,191百万円の資金の減少となりました。
④生産、受注及び販売の状況
1)生産実績
当社グループの生産実績は、販売実績と近似しておりますので、記載を省略しております。
2)受注実績
当社グループの生産活動は、その多くを見込生産で行っておりますので、受注実績は記載しておりません。
3)販売実績
当社グループの販売実績は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記6.セグメント情報」を参照下さい。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討事項
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第93条の規定により、IFRSに準拠して作成されております。
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行うことが要求されております。当社グループの判断、見積り及び仮定は合理的であると考えておりますが、実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)当連結会計年度の経営成績
経営成績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」を参照下さい。
2)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループは、製品・サービスの販売、製品の製造など、事業活動の大半を海外で展開しております。よって、グループの業績は、各国の市場動向、為替動向、海外工場におけるモノづくり力の維持・強化など、様々な要因により影響を受ける可能性があると認識しております。
為替リスクに対する対応としては、利益への影響が大きいユーロについては、一定の基準に基づき為替予約を行うことで、急激な為替レートの変動が業績に与える影響をコントロールしております。
製造面に関しては、コストダウンや様々なリスクヘッジを目的に、各事業とも中国を中心とした体制から、ベトナムやフィリピンといったアジア地域を中心とした体制へとシフトを進めております。製造拠点を分散化させることで、災害や事故などのリスクを低減し安定した製品供給を実現するとともに、今後は主力のアジアの工場は低コスト追求から再生・修理を含む複合的な機能を保有する工場へと転換します。欧米の工場は消耗品を中心に地産地消体制を強化するほか、産業用ビジネスの生産拠点を拡充し、強靭かつ持続可能なサプライチェーンの構築を目指します。
事業別では、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業が占める割合は売上収益の59.7%、事業セグメント利益の70.7%を占めており、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業の業績動向が経営成績に重要な影響を与える最大の要因となっております。当社グループは、SOHO向けのレーザー複合機・プリンターにおいて、米国や西欧などの先進国地域を筆頭にグローバルで高いシェアを保持しているだけでなく、高い収益性を実現しております。この分野においては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う在宅勤務・在宅学習や、新しい働き方へのパラダイムシフトによって、小型の複合機・プリンターの安定的な需要が見込まれ、競争環境も比較的穏やかな状況が継続していることから、今後もグループ全体の収益を支える事業として、持続的な成長を実現してまいります。一方でこの分野は、デジタルデバイスの普及や、インターネットを中心としたテクノロジーの進化、人々の働き方の変化、顧客の購買行動の変化、非純正消耗品の増加など、ビジネス環境が刻々と変化しています。今後は既存領域の収益性を強化しつつ、ビジネスモデルの変革を加速させ、継続的な事業成長を目指します。
3)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
中期戦略「CS B2021」では、最終年度である2021年度の業績目標を売上収益7,500億円、営業利益750億円と設定しました。当連結会計年度の実績は、売上は目標に対して未達となったものの、営業利益は、新型コロナウイルス感染症の拡大による特殊要因などもあり、目標を大きく上回りました。
|
|
当連結会計年度実績 |
CS B2021業績目標 |
|
売上収益 |
7,109億円 |
7,500億円 |
|
営業利益 |
855億円 |
750億円 |
平均為替レート(連結)は次の通りであります。
当期 米ドル :112.86円 ユーロ :131.01円
CS B2021策定時 米ドル :105.00円 ユーロ :125.00円
中期戦略「CS B2024」における、経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)中長期的な経営戦略」を参照ください。
4)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
事業セグメントごとの経営成績の状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」を参照下さい。
5)当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の流動性維持及び、柔軟で効率的な資金の確保を財務活動の重要な方針としております。この方針に従って、当社グループは、グループ会社が保有する資金をグループ内で効率よく活用するキャッシュマネジメントシステムを構築し運用しております。資金の偏在をならし、グループ全体で借入を極力削減する体制を整えております。
流動性管理
当社グループは、現金及び現金同等物を手元流動性と位置付けております。当連結会計年度末現在、当社グループは、売上収益の約3ヶ月分に相当する現金及び現金同等物167,915百万円を保有しております。
当社グループは、当社及び金融子会社などの資金調達拠点を通じたキャッシュマネジメントシステムの活用により、資金の効率化を図り、流動性を確保しております。
これにより、季節的な資金需要の変動、1年以内に期限の到来する借入、新型コロナウイルス感染症などによる事業環境リスク等を考慮の上、通年にわたり十分な手元流動性を確保していると考えております。
資金調達
運転資金等の短期資金は、原則として期限が1年以内の短期借入金を現地通貨で調達することとし、生産設備等の長期資金は、内部留保資金の他、固定金利の長期借入金及び社債等で調達することを基本方針としております。当連結会計年度末現在、1年内返済予定の長期借入金の残高は、20,121百万円で、通貨は米ドル、日本円であります。長期借入金の残高は20,705百万円であり、通貨は米ドル、日本円であります。
当社は、株式会社格付投資情報センターから格付けを取得しています。当連結会計年度末現在、発行体格付けがA、コマーシャルペーパーがa-1であります。金融・資本市場へのアクセスを保持するため、一定水準の格付けの維持は重要と考えております。
当社グループでは、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力に加えて、手元流動性、健全な財務体質により、当社グループの成長を維持するために必要な運転資金及び設備投資・研究開発資金等を確保することが可能と考えております。
資金の需要動向
中期戦略「CS B2024」では、事業ポートフォリオの変革と、持続可能な未来に向けた経営基盤の変革実現に向けた先行投資枠として総額1,500億円を設定しました。この投資枠を活用して、「事業ポートフォリオの変革」に向けては、産業用領域やインクジェット技術に関わる各種の機能、拠点の強化、M&A等の戦略投資を行っていきます。
未来に向けた先行投資を行う一方で、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載の基本方針に基づき株主利益還元を実施してまいります。
これらの資金需要に対応するため、営業キャッシュ・フローの獲得、また、必要に応じて、成長投資のための資金調達を機動的に実施する方針であります。
技術契約
|
契約会社名 |
相手先 (国名) |
内容 |
契約期間 |
|
当社 |
キヤノン株式会社 (日本) |
電子写真及びファクシミリに関する特許実施権の許諾 |
2009年6月27日から対象特許の満了日まで |
|
〃 |
株式会社リコー (日本) |
電子写真技術及びファクシミリ装置に関する特許実施権の許諾 |
2019年10月1日から5年間 |
|
〃 |
Lemelson Medical, Education and Research Foundation(米国) |
画像処理技術及びバーコード技術等に関する特許実施権の許諾 |
1998年4月2日から対象特許の満了日まで |
|
〃 |
セイコーエプソン株式会社 (日本) |
印刷装置等に関する特許実施権の許諾 |
2018年6月28日から対象特許権の満了日まで |
当社グループでは、固有の技術を生かしてお客様の求める製品・サービスを生み出すことが真の技術力であると考えています。それは優れた技術も製品に生かされてこそ価値が生まれると考えるためです。お客様に評価され選ばれる製品をご提供するために、当社グループの技術者はお客様と向き合い、お客様の声に真摯に耳を傾けています。そして、お客様が喜ぶ顔をどんな技術で実現するか、どんな製品でお客様の役に立つことができるかを常に考えながら価値創造に取り組んでいます。
試験研究に従事する者は、グループ全体で2,208人であります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、
当連結会計年度におけるセグメント別の主な研究開発内容や研究開発成果及び研究開発費は、次の通りであります。
(1)プリンティング・アンド・ソリューションズ事業
レーザーやインクジェットなどのプリンティング技術を追求し、ワークスタイルの革新を提案します。代表的な製品としては、コンパクト性を追求したプリンターのほか、1台にプリンター・ファクス・コピー・スキャナーなどの機能を搭載した複合機、また、使いやすさにこだわったラベルライターがあります。これらの情報通信機器で、SOHO(Small Office・Home Office)やSMB(Small and Medium Business)などで幅広いニーズにお応えします。
また、海外生産が加速する流れの中で、モノ創り企業としての足腰を固めるため、製造をサポートするための生産技術開発を行い、モノ造りの早い段階での性能・品質の作りこみを目的としたプロセス改革、及び超精密加工技術なども推進しています。
当連結会計年度の主な成果としては、インクジェットプリンター「PRIVIO(プリビオ)」の新製品として、大容量インクカートリッジとサブタンクを搭載した「ファーストタンク」シリーズを刷新し、新たに2段トレイモデル「MFC-J4540N」の発売をあげることができます。
電子文具においては、感熱モバイルプリンターの新製品として、業界最強クラスの対落下衝撃性能を実現した3インチモデル「RJ-3250WB」の発売をあげることができます。
当事業に係る研究開発費は、
(2)パーソナル・アンド・ホーム事業
高性能かつ高付加価値の製品を提供できる業界随一の開発力を有しています。特に電子技術の強みを生かした最先端の機能を使いやすい形でお客様に提供することで、市場をリードしています。
当連結会計年度の主な成果としては、家庭用刺しゅうミシンの新製品として、無線LANを搭載した「Innovis NX2800DW(イノヴィス NX2800DW)」の発売をあげることができます。
当事業に係る研究開発費は、
(3)マシナリー事業
使いやすさ、高品質な縫製、省エネルギーを実現した工業用ミシン、スマートフォンなどのIT関連機器や自動車・オートバイの部品加工に最適な工作機械をお客様に提案し、密着したサポートをすることで、生産性向上と新たな価値創出をお手伝いしています。また、減速機・歯車分野では、よりユーザーニーズに合致した製品を開発することを目的としております。
当連結会計年度の主な成果としては、減速機においては、高剛性減速機「UXiMO」大口径中空タイプDGHシリーズの発売をあげることができます。
当事業に係る研究開発費は、
(4)ネットワーク・アンド・コンテンツ事業
通信カラオケ事業において、業務用通信カラオケシステムを提供するとともに、通信カラオケで培ったコンテンツや配信技術を活用し、健康分野に向けたサービスや映像コンテンツの配信など、新たな顧客価値を追求しています。
当事業に係る研究開発費は、
(5)ドミノ事業
各種コーディング・マーキング機器の販売からアフターサービスまでの一貫した提供を通じて、お客様による品質管理やトレーサビリティーの向上などの需要にお応えします。
また、インクジェット方式のデジタル印刷機、及びそのアフターサービスまでの一貫した提供を通じて、お客様によるラベルなどパッケージ印刷に対する多種少量化・短納期化などの需要にお応えします。
当事業に係る研究開発費は、
(6)その他事業
当事業に係る研究開発費は、2,876百万円であります。