第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループの財政状態及び経営成績は次の通りであります。なお、文中における将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において、判断したものです。

なお、当社グループの業績管理は、事業セグメント損益及び営業損益により行われております。事業セグメント損益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。

 

(1)経営成績の状況

当中間連結会計期間における世界経済は、地政学的リスクの長期化や米国関税政策の動向、中国経済の低迷など、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

当社グループに関連する事業環境は、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業の関連分野では、欧州・中国において市況が軟調に推移していますが、それ以外の地域は概ね底堅く推移しました。インダストリアル・プリンティング事業の関連分野は、中国や欧州の一部の国において引き続き設備投資需要が軟調に推移しています。マシナリー事業の関連分野では、産業機器は中国を中心としたアジアが堅調に推移し、低調だった国内についても回復の兆しが見えています。工業用ミシンは、米国関税政策が不透明な中、アパレル向け設備投資の先送りが継続しています。ニッセイ事業の関連分野は、工場の自動化に向けた設備投資需要の回復が依然として遅れています。家庭用ミシンは、インフレや米国関税政策などの影響を受け、高級機の市況が軟調なものの、普及機・中級機は堅調に推移しています。国内におけるカラオケ市場は、安定的に推移しています。

このような状況の中、当中間連結会計期間における当社グループの連結業績は、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業では、通信・プリンティング機器、ラベリングともに、本体・消耗品の販売が堅調に推移し、増収となりました。インダストリアル・プリンティング事業では、ドミノの消耗品の販売が堅調に推移したものの、産業用プリンターの販売が低調に推移し、減収となりました。マシナリー事業では、産業機器の中国を中心とした設備投資需要の回復に伴い増収となりました。ニッセイ事業では、減速機・歯車ともに販売が増加し、増収となりました。パーソナル・アンド・ホーム事業では、各地域で販売が堅調に推移したことにより、増収となりました。ネットワーク・アンド・コンテンツ事業では、カラオケ店舗の売上が減少したことなどにより、減収となりました。

これらに為替のマイナス影響が加わったものの、売上収益は、前年同期比2.5%増収の437,777百万円となりました。事業セグメント利益は、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業における価格対応の効果やマシナリー事業における増収効果があったものの、販促費・販管費が増加したことに加え、為替のマイナス影響もあり、前年同期比5.0%減益の40,842百万円となりました。なお、米国関税負担の増加に対しては、米国での価格対応や経費コントロールなどを実施することで影響を吸収しております。営業利益は、固定資産の売却益を計上したことなどにより、前年同期比0.5%増益の38,723百万円、親会社の所有者に帰属する中間利益は、前年同期比0.4%増益の28,271百万円となりました。

 

*平均為替レート(連結)は次の通りであります。

  当期   米ドル : 146.57円   ユーロ : 167.74円

前年同期 米ドル : 152.30円   ユーロ : 165.46円

 

セグメント別の業績は、次の通りであります。

なお、2025年度から2027年度までの中期戦略「CS B2027」に基づき、当中間連結会計期間の期首よりセグメントの区分を変更しております。以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。詳細は、「第4 経理の状況 要約中間連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載しております。

 

1)プリンティング・アンド・ソリューションズ事業

売上収益  270,834百万円(前年同期比+1.7%)

〇通信・プリンティング機器 236,024百万円(前年同期比+1.8%)

製品本体については、レーザー複合機・プリンターは、供給制約のあった前年同期と比較し、各地域で販売が増加しました。インクジェット複合機は、国内での販売が減少しましたが、それ以外の地域では販売が伸長しました。消耗品については、主に価格対応の効果により、総じて堅調に推移しました。通信・プリンティング機器全体では、為替のマイナス影響があったものの、増収となりました。

〇ラベリング 34,809百万円(前年同期比+0.8%)

為替のマイナス影響があったものの、欧州を除く各地域で本体・消耗品ともに販売が堅調に推移し、前年同期並みとなりました。

事業セグメント利益 33,013百万円(前年同期比△5.8%)

営業利益      29,630百万円(前年同期比△10.8%)

米国関税負担の増加に対しては価格対応などで影響を吸収しましたが、販促費の増加により、減益となりました。

 

2)インダストリアル・プリンティング事業

売上収益  66,562百万円(前年同期比△3.6%)

〇ドミノ 59,309百万円(前年同期比+0.3%)

為替のマイナス影響があったものの、主に消耗品の販売が堅調に推移し、前年同期並みとなりました。

〇産業用プリンター 7,253百万円(前年同期比△26.9%)

欧米における競争環境の変化により、大幅な減収となりました。なお、前年同期は大口案件の効果もありました。

事業セグメント利益 1,305百万円(前年同期比△69.5%)

営業利益      518百万円(前年同期比△84.9%)

販管費や米国関税負担の増加に加え、為替のマイナス影響もあり、大幅な減益となりました。なお、営業利益は、為替差損の影響がありました。

 

3)マシナリー事業

売上収益  38,436百万円(前年同期比+20.2%)

〇産業機器 29,010百万円(前年同期比+35.4%)

中国・アジアを中心に自動車・一般機械市場向けの設備投資需要が回復し、大幅な増収となりました。

〇工業用ミシン 9,426百万円(前年同期比△10.7%)

米国関税政策の影響を受けアジアにおけるアパレル向け設備投資が先送りとなったことに加え、為替のマイナス影響もあり、減収となりました。

事業セグメント利益 3,055百万円(前年同期比+679.7%)

営業利益      3,066百万円(前年同期比+1,054.0%)

販管費などが増加したものの、増収により、大幅な増益となりました。

 

4)ニッセイ事業

売上収益  10,507百万円(前年同期比+5.7%)

為替のマイナス影響があったものの、価格対応の効果も含め減速機・歯車ともに販売が堅調に推移し、増収となりました。

事業セグメント利益 613百万円(前年同期比+224.6%)

営業利益      654百万円(前年同期比+216.4%)

増収や価格対応の効果などにより、大幅な増益となりました。

 

5)パーソナル・アンド・ホーム事業

売上収益  27,304百万円(前年同期比+6.9%)

為替のマイナス影響があったものの、各地域で普及機を中心に販売が堅調に推移したことや、昨年度下期に投入した最高級機の販売効果などにより、増収となりました。

事業セグメント利益 2,269百万円(前年同期比+28.5%)

営業利益      1,909百万円(前年同期比+19.1%)

増収効果や最高級機の販売に伴う製品ミックスの改善などにより、増益となりました。

 

6)ネットワーク・アンド・コンテンツ事業

売上収益  18,877百万円(前年同期比△2.4%)

カラオケ店舗における売上減少などにより、減収となりました。

事業セグメント利益 463百万円(前年同期比△51.4%)

営業利益      495百万円(前年同期比△52.6%)

減収影響に加え、販管費の増加などにより、大幅な減益となりました。

 

(2)財政状態の状況

資産合計は、現金及び現金同等物が減少した一方、棚卸資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ6,486百万円増加し、939,136百万円となりました。

負債合計は、営業債務及びその他の債務、その他の流動負債が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ11,469百万円減少し、229,708百万円となりました。

資本合計は、2025年5月9日開催の取締役会において、自己株式の取得について決議されたことによる自己株式の増加などにより減少した一方、親会社の所有者に帰属する中間利益による利益剰余金の増加、在外営業活動体の換算差額の影響などにより、前連結会計年度末に比べ17,956百万円増加し、709,428百万円となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況については、現金及び現金同等物(以下「資金」)は、営業活動により33,721百万円増加、投資活動により22,070百万円減少、財務活動により27,306百万円減少、為替変動の影響により2,594百万円増加等の結果、当中間連結会計期間末は前連結会計年度末と比べ13,322百万円減少し、159,454百万円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は、次の通りであります。

 

1)営業活動によるキャッシュ・フロー

税引前中間利益は40,479百万円で、減価償却費及び償却費26,263百万円など、非資金損益の調整などによる資金の増加、棚卸資産の増加による資金の減少5,876百万円、営業債務及びその他の債務の減少による資金の減少8,265百万円などがあり、法人所得税の支払額12,447百万円などを差し引いた結果、33,721百万円の資金の増加となりました。

 

2)投資活動によるキャッシュ・フロー

有形固定資産の取得による支出16,698百万円、無形資産の取得による支出4,600百万円などにより、22,070百万円の資金の減少となりました。

 

3)財務活動によるキャッシュ・フロー

リース負債の返済による支出4,320百万円、自己株式の取得による支出8,229百万円、自己株式取得のための預託金の増加2,162百万円、配当金の支払額12,813百万円などにより、27,306百万円の資金の減少となりました。

 

(4)経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(6)研究開発活動

当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発費は、23,950百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(7)当社グループの資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の流動性維持及び、柔軟で効率的な資金の確保を財務活動の重要な方針としております。この方針に従って、当社グループは、グループ会社が保有する資金をグループ内で効率よく活用するキャッシュマネジメントシステムを構築し運用しております。資金の偏在をならし、グループ全体で借入を極力削減する体制を整えております。

流動性管理

当社グループは、現金及び現金同等物を手元流動性と位置付けております。当中間連結会計期間末現在、当社グループは、売上収益の約2ヶ月分に相当する現金及び現金同等物159,454百万円を保有しております。

当社グループは、当社及び金融子会社などの資金調達拠点を通じたキャッシュマネジメントシステムの活用により、資金の効率化を図り、流動性を確保しております。

これにより、季節的な資金需要の変動、事業環境リスク等を考慮の上、通年にわたり十分な手元流動性を確保していると考えております。

 

資金調達

運転資金等の短期資金は、原則として期限が1年以内の短期借入金を現地通貨で調達することとし、生産設備等の長期資金は、内部留保資金の他、固定金利の長期借入金及び社債等で調達することを基本方針としております。当中間連結会計期間末現在、短期借入金の残高は223百万円で、通貨は英ポンドであります。1年以内返済予定の長期借入金の残高は200百万円で、通貨は日本円であります。長期借入金の残高は400百万円であり、通貨は日本円であります。

当社は、株式会社格付投資情報センター(R&I)から格付けを取得しております。当中間連結会計期間末現在、発行体格付がA+(方向性「安定的」)であります。金融・資本市場へのアクセスを保持するため、一定水準の格付けの維持は重要と考えております。

当社グループでは、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力に加えて、手元流動性、健全な財務体質により、当社グループの成長を維持するために必要な運転資金及び設備投資・研究開発資金等を確保することが可能と考えております。

 

資金の需要動向

中期戦略「CS B2027」では、事業ポートフォリオ変革の加速に向けた大規模な成長投資の実行とともに、株主還元を強化する方針であります。成長投資は、規模を大きく拡大し、2,000億円を想定していますが、内訳は、M&A関連の戦略投資と成長を支える基盤投資(インクジェット開発・生産技術強化、産業用領域の販売・サービス拠点増強、お客様とつながるビジネスの基盤強化、BCPやサプライチェーンの強靭化、AI活用や人財基盤強化による組織能力の強化、延期となっていた新社屋建設など)に分けられ、戦略投資が多くを占めます。株主還元については、大幅に強化し、3年間合計で1,400億円を予定しており、内訳として、配当に800億円、自己株式取得に600億円を計画しています。

事業成長から創出される3年間の実質営業キャッシュ・フロー3,250億円に加えて、自己資金及び有利子負債を活用する事で、これらの資金需要に対応してまいります。

 

3【重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、重要な契約等の決定又は締結等はありません。