文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「総合品質経営を推進する」、「イノベーティブ(革新的)で活気のある人と組織をつくる」、「国際社会に適合する経営を行う」の3つの経営基本方針のもと、世界の市場やお客様のニーズに幅広くお応えする優れた製品とサービスの提供を推進することにより、お客様はじめ株主様、お取引先様、従業員、社会などすべてのステークホルダーの信頼と期待にお応えできるよう努めてまいります。
事業活動の基本となる、企業理念及びコーポレートスローガン“Mind & Technology-心の通う技術-”をもとに、新たな価値を創造し、グローバルな事業展開のもと社会への貢献を果たしてまいります。
当社は、長期ビジョンとしての「21世紀を生き抜くグローバルでイノベーティブ(革新的)なものづくり企業」のもと、2017年に当社グループが将来に亘って継続的に成長していくための中期計画「Value up 2022」を策定いたしました。この中で、6年後に目指す姿として2022年ビジョンを「お客様とJUKIが製品・サービスを通じて“企業価値の向上ができるものづくり企業”=ことづくり企業」としております。
この姿を実現するために、毎年3ヵ年の中期計画をローリングさせ、そのビジョンを「お客様に選ばれる高品質な製品・サービスを提供しつづける企業」としており、毎年9%の増収とともに2021年度での経常利益9.2%以上、自己資本比率を47%以上を目指しております。
世界経済は、米中貿易摩擦、英国EU離脱、地政学リスクや円高リスク等不安定さを増し減速の懸念があり、また、異業種・他業態との競争も激化しております。一方で、AI、ロボット、クラウド等への顧客の関心が拡大し、「もの」から「こと」へ技術革新への動きは加速してきており、デジタル化、システム化、自動化ソリューションの導入などスマートカンパニーやスマートファクトリーへの積極的投資は堅調に推移すると思われます。
このような事業環境の変化やこれまでの事業計画の展開状況を踏まえ、この着実な実現を目指すため、今後3年間の基本方針として、以下の5点を掲げております。
② 市場開拓による将来の顧客基盤構築
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは海外売上高比率が高く、当連結会計年度においては84.7%となっております。そのため、当社グループが事業活動を展開する中国、その他アジア地域、欧米といった国及び地域の景気後退、需要縮小、通貨価値の変動等は、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの研究開発費は平均して連結売上高の4~5%程度となっております。開発遅延、人材不足、市場ニーズの変化等は、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが海外において事業活動を展開するなかで次のようなリスクがあります。これらの事象が発生した場合は、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
①予測し得ない法律・規則、租税制度等の変更
②テロ、戦争等による社会的混乱
③地震等の自然災害
当社グループは事業活動を展開する各国において、製造物責任(PL)、消費者保護、個人情報保護、その他様々な法的規制の適用を受けております。当連結会計年度においては、事業に重大な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来万が一提起された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度においては、お客様の省力化・省人化ニーズに合った製品・サービスや工場全体の生産効率を高めるスマート工場などを提案するソリューション営業活動に取り組むとともに、将来に亘る磐石な顧客基盤の構築のため、アジア市場を中心としたミドルマーケットでの顧客開拓を推進してまいりました。その結果、電子部品の供給不足などによる一部の生産遅延の影響はあったものの、アジア及び中国の活発な設備投資需要を着実に取り込むことが出来たことにより、売上高は1,120億6千4百万円(対前連結会計年度比8.1%増)となりました。
利益面につきましては、ミドルマーケットの市場開拓戦略費用や先端開発費用の増加はあったものの、全般的には売上が増加したことで、営業利益は91億4千8百万円(対前連結会計年度比12.2%増)となりました。一方、営業外においては外貨債権の評価替による為替差損が増加したことなどから、経常利益は83億8千5百万円(対前連結会計年度比7.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は66億4千万円(対前連結会計年度比17.7%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
市場別では中国などのハイエンド分野での売上は堅調に推移し、また、アジア市場におけるミドルマーケットでの売上も前年同期より増加してきていることから、縫製機器&システム事業全体の売上高は736億1千5百万円(対前連結会計年度比6.6%増)となりました。利益面においては、売上増の影響がある一方で、ミドルマーケットでの市場開拓戦略費用を投下したことなどから、セグメント利益(経常利益)は51億8千6百万円(対前連結会計年度比11.8%減)となりました。
産業装置では最大の市場である中国やアジアにおける設備投資需要が旺盛であるなか、新型マウンタやスマートファクトリー提案で展開する省力化装置などの売上が増加し、また、受託加工等のグループ事業でも顧客開拓が進んでまいりました。しかしながら、生産遅延により一部の需要に応えられなかったこともあり、産業機器&システム事業全体の売上高は381億8千2百万円(対前連結会計年度比11.4%増)となりました。利益面においては、産業装置の売上増加に加え、新製品の販売増による利益率の改善もあり、セグメント利益(経常利益)は41億5千6百万円(対前連結会計年度比47.4%増)となりました。
その他の連結売上高は2億6千6百万円(対前連結会計年度比17.8%減)、セグメント利益(経常利益)は6千4百万円(対前連結会計年度比36.1%増)となりました。
当連結会計年度末の総資産は、たな卸資産が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ85億6千6百万円増加して1,191億2千1百万円となりました。負債は、短期及び長期借入金が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ46億6千8百万円増加して818億8千万円となりました。純資産は、利益剰余金の増加などにより前連結会計年度末に比べ38億9千7百万円増加して372億4千1百万円となりました。これらの結果により、自己資本比率は30.7%となり、前連結会計年度末に比べて1.1ポイント増加しました。
当連結会計年度における連結ベースでの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ9億6千5百万円増加し73億1百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、26億8千2百万円の収入(前連結会計年度は104億8千8百万円の収入)となりました。税金等調整前当期純利益は増加したものの、たな卸資産が増加したことなどで前連結会計年度より収入は減少しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、23億9千万円の支出(前連結会計年度は17億5千6百万円の支出)となりました。有形固定資産の購入による支出などによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、9億6千7百万円の収入(前連結会計年度は103億7千3百万円の支出)となりました。有利子負債が増加したことなどによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループ(当社及び連結子会社)は、主に見込生産を行っているため、受注実績は記載しておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、「第5 経理の状況 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載したもののほかに、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与えると思われるものは以下のとおりであります。
当社グループの売上高は、顧客との引渡し条件に基づき、通常、製品が出荷された時点、又はサービスが提供された時点で計上されております。
当社グループの保有する株式は、市場価格のあるものについては時価が著しく下落した場合に、市場価格のない株式については財政状態の悪化により実質価額が著しく下落した場合に、それぞれ減損処理を行っております。
売上高は、ソリューション営業を推進するとともに、アジア市場を中心としたミドルマーケットでの顧客開拓を推進したことで、対前連結会計年度より84億4百万円の増収となりました。
利益面では、ミドルマーケットに係る市場開拓戦略費用、開発費等の費用増加や円高による為替評価損の増加等の影響はあったものの、売上の増加やコストダウン効果等により利益が積み上ったことで、経常利益は対前連結会計年度より5億4千6百万円の増益となりました。
この結果、年初に公表した業績予想の売上高1,040億円、経常利益50億円を上回る実績となりました。
財政状態は、純資産は38億9千7百万円増加しているが、主にたな卸資産の増加により総資産も85億6千6百万円増加したことで、自己資本比率は30.7%と前連結会計年度比1.1ポイントの増加にとどまっております。
また、キャッシュ・フローにおいても、たな卸資産の増加などの影響により、営業キャッシュ・フローは対前年連結会計年度比で104億8千8百万円減少しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、世界経済の景気動向や為替影響などに加え、技術革新や顧客ニーズの多様化などがあります。当社グループは売上高に占める海外比率が高く、特に工業用ミシンでは、中国やベトナムなどのアジア市場が主力のマーケットであること、マウンタ等の産業装置事業でも中国が主力であることから、これらの国々を取り巻く政治・経済の影響を受けることになります。
また、技術革新が進んでいく中で顧客ニーズも多様化し、これらに適合した製品の開発、提供が求められており、今後もイノベーティブな新製品開発に取り組んでまいります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。
縫製機器&システム事業
同セグメントについては、前連結会計年度比で6.6%の増収でしたが、経常利益は11.8%の減益となりました。これは中国やアジア市場を中心とした売上増の効果はあったものの、ミドルマーケットでの市場開拓戦略費用を投下したことなどによるものです。引き続き、ミドル顧客の開拓とハイエンドへの移行による将来の顧客基盤を構築してまいります。また、当連結会計年度末においては、営業上のニーズなどから製品在庫が増加しておりますが、これは早期に改善を図ってまいります。
産業機器&システム事業
同セグメントについては、前連結会計年度比で11.4%の増収、経常利益は47.4%の増益となりました。特に産業装置事業については、中国を中心に売上高が19.4%増加したことや利益率の高い新型マウンタや省力化装置の構成が高まったことで経常利益が大幅に改善いたしました。今後も非マウンタ領域でのソリューション拡大とマウンタ領域でのラインソリューション拡充により事業基盤を拡大してまいります。また、当連結会計年度末においては、一部の部品の需給がひっ迫する中で部品確保を優先したことで部品及び仕掛品の在庫が増加しておりますが、これは早期に改善を図ってまいります。
当社グループの主な資金需要は、運転資金として原材料等の購入や製造費用、開発投資を含む販売及び一般管理費の営業費用などであり、また、長期的資金として事業計画に基づく設備投資資金などがあります。これらの資金は自己資金及び金融機関等からの借入により調達することを方針としております。
今後も盤石な事業基盤を構築すべく、積極的な開発投資、設備投資をしていくとともに、物流や生産効率の改善などにより、たな卸資産を圧縮することなどで、資金の効率化を図ってまいります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、お客様に価値を提供できる商品の開発、新規分野製品向けの商品の開発、そのために必要となる要素技術の開発を行っております。本活動の当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は56億7千5百万円(売上高比率5.1%)で、前連結会計年度比8億9千4百万円の増加(18.7%増)となりました。研究開発活動の成果としての工業所有権総数(国内外の特許+意匠権)は当期末において2,219件となり、前連結会計年度末対比12件の減少となりました。
お客様ニーズをベースに、新製品を支える基盤技術のさらなる向上と共に差別化に必要となるコア技術の研究・開発に取り組んでおります。また、お客様の課題を解決する為に営業、開発及び製造の連携強化を推進しております。
2009年3月から「JUKIエコプロダクツ認定制度」をスタートし、当連結会計年度は14機種が認定されました。環境対応として、「JUKIグループグリーン調達ガイドライン」の改定と共に製品への有害物質及び高懸念物質不使用による環境安全・保全性の向上、小型・軽量化による省資源化、高効率制御及びオイルフリー化による省エネ化など今後もより高いレベルでの技術開発を進めてまいります。
工業用ミシンでは、高速化かつ縫製物の取廻し、セット性を向上させた高速腕型二重環縫ミシンデジタル・ワークステーション「MS-1261A-DWS」を発売し、ミドルマーケット向けには従来の性能を保持し低価格なダイレクトドライブ高速自動糸切ミシン「DDL-8000Aシリーズ」、高速電子閂止ミシン「LK-1900S(Simple)」/高速電子本縫釦付ミシン「LK-1903S(Simple)」高速電子眠り穴かがりミシン「LBH-1790S(Simple)」を発売しました。
家庭用ミシンでは、懐を大きくとり作業性を向上した最上級モデル ロングアームミシン「HZL-NX7」を発売しました。
今後もお客様のニーズにお応えするため、商品開発に積極的に取り組んでまいります。
既に発売中の高速コンパクトモジュラーマウンタRX-7シリーズに、対応基板サイズ拡大と搭載精度を向上させた「RX-7R」を追加し、新型汎用マウンタ「RS-1」との組合せで更なるラインタクトアップと変種変量生産への柔軟性を強化しました。また手挿入工程を自動化する異形部品挿入機「JM-100」を発売し、表面実装後工程での手作業の自動化を加速させます。検査工程の自動化では、従来機より大幅な高速化と高精度化を実現した3D基板外観検査機「RV-2-3DH」を発売しました。これら新製品に加え自動倉庫(ISM)と実装統合システムJaNetsの組合せにより、工場全体の生産性向上を提案できるようにさらなる商品開発に取り組んでまいります。
海外拠点においては中国、ベトナムの開発拠点に加え、ヨーロッパ、アメリカにも開発拠点を設置しています。市場に密着し、お客様のニーズをすばやく取り入れた商品開発に取り組んでまいります。