第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「総合品質経営を推進する」、「イノベーティブ(革新的)で活気のある人と組織をつくる」、「国際社会に適合する経営を行う」の3つの経営基本方針のもと、世界の市場やお客様のニーズに幅広くお応えする優れた製品とサービスの提供を推進することにより、お客様はじめ株主様、お取引先様、従業員、社会などすべてのステークホルダーの信頼と期待にお応えできるよう努めてまいります。

事業活動の基本となる、企業理念及びコーポレートスローガン“Mind & Technology-心の通う技術-”をもとに、新たな価値を創造し、グローバルな事業展開のもと社会への貢献を果たしてまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社は、長期ビジョンとしての「21世紀を生き抜くグローバルでイノベーティブ(革新的)な“モノ-コト”づくり企業」のもと、2017年に当社グループが将来に亘って継続的に成長していくための中期計画「Value up 2022」を策定し、また、2020年から2022年の構造改革を軸とした中期計画フェーズⅡにおいて、2年後に目指すゴールとして2022年ビジョンを「お客様とJUKIが製品・サービスを通じて企業価値を向上できる“モノ-コト”づくり企業~スマートファクトリーに向けてWinWinのパートナーへ~」としております。

この姿を実現するために、2022年度での経営指標として、売上高1,190億円、経常利益98億円、自己資本比率40%以上を目指しております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

当社を取り巻く事業環境は、新型コロナ感染拡大や米中貿易摩擦の継続による景気減速の影響、競合他社との競争の激化などが想定される一方で、AI/IoT/5G等技術革新の加速やAfterコロナを展望した市場/顧客の変化による新たなビジネス展開が進展しており、このようなニューノーマルな環境に対応した新しいビジネスモデル/経営基盤の構築が求められております。また“持続可能な開発目標(SDGs)”を受け、長期的な展望で持続可能な社会の実現に向けた取り組みは社会全体で更に加速しております。

このような事業環境の変化を踏まえ、当社は2020年から2022年までを計画期間とする中期計画フェーズⅡを見直しました。

新中期計画2021-2022では、付加価値構造改革及びコスト構造改革を強力に推進し、併せて、“6つの変革(6Ⅹ)※”で事業戦略と体制戦略の変革を強力に推し進めることで、成長軌道に回帰しつつ、質的変換を図ってまいります。

 

※6つの変革

①ボーダレスX:新興国市場(ミドルマーケット)や産地移転に伴い成長性の期待できる市場とお客様の開拓を図ってまいります。

②ビジネスモデルX:ノンアパレルや検査機、自動倉庫等、収益力をアップする事業領域の拡大を更に図ってまいります。

③SDGs経営X:事業を通じた新興国における雇用機会の創出や縫製工場のスマート化支援による衣料廃棄ロス削減などの社会課題の解決を通じて“持続可能な”経営の実現を図ってまいります。

④R&DモデルX:先端技術の活用によるネットワーク/プラットフォーム事業、ロボット事業の強化や、利便性、利用価値の高い商品・サービスの開発など、イノベーティブな技術領域の拡大を図ってまいります。

⑤働き方改革X:工場のスマート化、間接業務のスリム化、職責と成果重視のジョブ型雇用制度の導入など、経営の5Sを軸とした生産体制及び管理(間接)業務体制の構築を図ってまいります。

⑥財務体質X:売上債権や在庫の回転期間適正化によるCCC(キャッシュコンバージョンサイクル)の短縮など、財務体質強化による自己資本強化と資産効率向上を図ってまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスク及び対応は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経済情勢

当社グループは海外売上高比率が高く、当連結会計年度においては79.1%となっております。そのため、当社グループが事業活動を展開する中国、その他アジア地域、欧米といった国及び地域における景気及びこれに伴う需要変動で予測を超えた変動がある場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループは、各地域における需要変動について、年2回開催するグループ経営会議で各拠点から報告させるとともに、その間の変化点については都度報告を受け、適切な対策を実施することでリスクの最小化を図っております。

 

(2) 海外での事業活動

当社グループの海外での生産及び販売活動については下記のリスク要因を十分考慮しておりますが、予測し得ないリスクが発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

・政治又は経済要因

・法律又は規則の変更

・潜在的に不利な税の影響

・労働争議

・テロ行為又は戦闘行為

当社グループは、各地域におけるリスクについて、年4回開催するリスク管理会議で分析し施策に反映させるとともに、海外子会社等を通じて常に最新情報を入手するよう努め、特別な対応が必要な場合は、社内に対応体制を構築し迅速に対応するなど、リスクの最小化を図っております。

 

(3) 為替変動

当社グループの業績は主として日本円、米ドル、ユーロ並びに中国元等の外国為替相場の変動による影響を受けております。当社グループの連結財務諸表は日本円で表示されているため換算リスクと取引リスクという形で為替変動の影響を受けます。また、為替相場の変動は外国通貨で販売する製品及び調達する材料の価格に影響を与える可能性があります。

当社グループは、主な為替変動の影響を本社に集約するとともに毎月開催する為替会議で為替リスク発生状況を把握し、輸出による外貨収入の輸入決済への充当、為替予約、現地通貨での資金調達などによりリスクの最小化を図っております。

 

(4) 研究開発活動

当社グループは、将来のニーズを予測し新製品等の開発を実施しておりますが、予測を超えた社会環境の変化や市場のニーズの変化により、最終的にその新製品等が市場に受け入れられない可能性があります。

 当社グループは、顧客との緊密な関係性の構築による新たなニーズの発掘、市場でのユースケースの活用や、それを実現するためのマーケットに近い研究開発拠点の強化、オープンイノベーションの活用などにより、市場環境変化に強い研究開発を図っております。

 

(5) 知的財産保護

当社グループは、他社製品と差別化できる高度な技術及びノウハウを保持しており、またこれらの保護について最善の努力を傾注しておりますが、特定の地域では知的財産権による完全な保護が困難であるおそれがあり、そのため第三者が当社グループの知的財産を使用して類似した製品を製造することを防止できない可能性があります。一方、当社が使用する技術及びノウハウ等が意図せずして他社の知的財産権に抵触する疑いが生じ係争に発展する可能性があります。

当社グループは、本社に知的財産部門を設置し適切な管理体制を構築し、自らの知的財産の保護並びに知的財産権抵触の防止に努めてまいります。

 

(6) 製造物責任(PL)

当社グループでは、保険でカバーされない製造物責任リスクにより多額のコストが発生する等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループは、製造物にかかる賠償責任につきましては製造物賠償保険に加入するとともに、年6回開催する品質会議において品質対策の強化、並びに日常の品質改善活動を展開し、リスクの最小化を図っております。

 

(7) 環境規制

当社グループは、CO2排出、有害化学物質、廃棄物等多様な環境問題に関し、各国の法的規制の適用を受けており、今後更なる規制の強化が行われた場合、その対応のために相当なコストの負担が必要となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループは、年4回開催するリスク管理会議で各国の環境規制の状況を把握するとともに、法令順守のみならず環境経営を宣言し、自社で定める環境理念、環境行動指針、グリーン調達ガイドラインに基づき環境負荷の低減を図っております。

 

(8) 安全保障輸出管理

当社グループは、製品を世界各国で販売しており国際的な安全保障輸出管理の枠組みにより規制を受けております。国際情勢の変化により規制が強化された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

当グループは、年4回開催するリスク管理会議で各国の規制等について把握するとともに海外子会社等を通じて常に最新情報を入手するように努め、特別な対応が必要な場合は、社内に対応体制を構築し迅速な対応するなど、リスクの最小化を図っております。

 

(9) 人材の確保

当社グループは、日本における少子高齢化や、海外における労働市場の急速な変動等により、優秀な人材の確保や育成が進まない場合には、当社グループの活動に影響を与える可能性があります。

当社グループは、国内外に30社以上の子会社及び関連会社を有しており、持続的な成長と健全な組織運営のために、グローバル規模で人材の確保と育成を図っております。

 

(10) 災害

当社グループは、地震や水害等の自然災害や感染症の世界的流行(パンデミック)等の各種災害による物的・人的被害が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループは、このような災害に対して損害の発生及び発生時の損害の拡大を最小限に抑えるべく、BCP(事業継続計画)の策定等、体制の整備を図っております。

なお、今回の新型コロナ感染拡大に関しては、社長を本部長とする危機対策本部を設置し、お客様、取引先及び従業員の安全を第一に考え、各地域別の感染状況や移動制限などの情報を収集しつつ、出張の自粛、在宅勤務の促進など感染拡大防止策の実施に迅速に取り組んでおります。

 

(11) 重要な訴訟等

当社グループは、事業活動を展開する各国において、消費者保護、個人情報保護、その他様々な法的規制の適用を受けております。当連結会計年度においては、事業に重大な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来万が一提起された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループは、各国における法的規制の動向について、本社法務部門や海外子会社等を通じて常に最新情報を入手するように努め、特別な対応が必要な場合は、法務部門を中心に迅速に対応するなど、訴訟リスクの最小化を図っております。

 

(12) 情報管理

当社グループの事業活動において、顧客情報に接することがあり、また営業上・技術上の機密情報を保有しております。万が一、情報漏えい等の事故が起きた場合には、当社グループの評価・信用に悪影響を与え、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループは、これらの各種情報の取り扱い及び機密保持には細心の注意を払っており、不正なアクセス、改ざん、破壊、漏えい及び紛失などから守るために管理体制を構築するとともに、適切な安全措置を講じております。

 

(13) 販売先の信用

当社グループは、倒産のような予期せぬ事態により債権回収に支障が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループは、取引先の財務情報を参考に与信管理を行い、取引先の信用リスクに備えております。

 

(14) 減損会計

当社グループは、固定資産の時価が著しく低下した場合や事業の収益性が悪化した場合には、固定資産減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループは、各子会社の業績モニタリングと兆候の有無を確認し、対応を図っております。

 

(15) 敵対的企業買収

当社は、株式公開会社であるため、当社株式を公開買付(TOB)又は市場取引で大量に買い集める投資者が現れる可能性があります。このような投資者が当社株式を買い占めた場合には当社の企業価値を毀損する可能性があり、あるいは上場を維持できなくなる可能性があります。また、当該投資者と当社との間で法的係争に発展する可能性もあります。

当社グループは、敵対的企業買収リスクを低減する観点からも、収益性の向上や財務体質の改善など企業価値の向上を図るとともに、株主に信頼されるよう適時の情報発信・開示を心掛けております

 

(16) 事実と異なる風説の流布

当社グループに対する悪評・誹謗・中傷等の風説がインターネット等を通じて流布する可能性があります。これらは、たとえ事実と異なる内容であったとしても、当社グループへの信頼及び企業イメージを低下させ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループは、このような風説の流布を防止する観点からも、日頃より適正な業務運営を行うとともに、当該事案が発生した場合は、事実確認や法的手続を含め適切な対応を行ってまいります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

(1) 経営成績

 当連結会計年度における事業環境は、新型コロナ感染拡大の影響により、設備投資の抑制や消費需要の冷え込みが続いておりますが、下期に入り、5Gなどに牽引された半導体や自動車関連等の需要拡大により中国を始めとして一部の国・地域での経済活動が活性化してまいりました。

当社を取り巻く環境は、特に上期においては新型コロナ感染拡大により相当な影響を受けましたが、下期からは中国等を中心に設備投資需要の回復が見られ、またお客様のサプライチェーン分断への対応(生産地分散化)など当社のビジネスチャンスに繋がる動きも出始めております。

当社は2020年から2022年の構造改革を軸とした中期計画フェーズⅡにおいて、そのビジョン「お客様とJUKIが製品・サービスを通じて企業価値を向上できる“モノ-コト”づくり企業」の下、“5つの変革※”を軸とした構造改革、すなわち ①管理間接業務のスリム化などによるコスト構造改革、②高収益分野の営業力強化などの事業領域拡大による付加価値の極大化、③ミドルマーケット開拓強化などのボーダレスによる顧客基盤強化に取り組んでまいりました。

 

※5つの変革

①成長力のある市場・お客様の開拓

②収益力をアップする事業領域の拡大

③イノベーティブな技術領域の拡大

④経営の5S(Simple、Slim、Speedy、Seamless、Smart)を軸とした生産体制及び管理(間接)業務体制の構築

⑤“持続可能な”経営の実践

 

同時にコロナ禍における厳しい事業環境に対応するため期初に掲げた構造改革を更に深掘りし、本社や国内外のグループ工場の一斉操業停止を含む大幅な生産調整、管理(間接)部門の一時帰休や新たな勤務フォーメーションの導入、処遇も含めた人事制度改革の推進、設備投資計画の見直しなどにより、当連結会計年度で前年同期比約72億円の固定費削減を進め、収益改善を図ってまいりました。

その結果、当連結会計年度では売上高は704億1百万円(前年同期比29.0%減)となりましたが、第2四半期をボトムに回復基調に転じ、第4四半期の売上高は第3四半期比で45.1%増加、前年同期比では95.5%まで回復しました。

当連結会計年度の利益面につきましては、営業損益は44億6千9百万円の損失(前年同期は38億3千8百万円の利益)、経常損益は39億5千7百万円の損失(前年同期は29億4千1百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損益は46億8千8百万円の損失(前年同期は17億6千3百万円の利益)となりましたが、売上の改善並びに上記コスト構造改革により、第3四半期以降回復に転じ、第4四半期には黒字に転換いたしました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

縫製機器&システム事業

工業用ミシンの売上は、新型コロナ感染拡大により、特に上期において、お客様である各国各地域の縫製工場の操業度が落ち設備投資需要が低水準で推移するなど相当な影響を受けたことで前年同期(累計)比では大幅に減少しましたが、第4四半期は第3四半期比62.8%増加し、中国、米州の売上高は前年同期を上回るなど着実に回復が進んでまいりました。家庭用ミシンの売上は新型コロナ感染拡大に伴う巣ごもり需要拡大に対応したことにより、日本、欧米の各市場で増加しました。その結果、当連結会計年度の縫製機器&システム事業全体の売上高は427億3千2百万円(前年同期比33.5%減)となりました。

利益面においては、売上の大幅な減少や工場の稼働率低下の影響などにより当連結会計年度のセグメント損益(経常損益)は22億1百万円の損失(前年同期は26億8千万円の利益)となりましたが、売上の改善並びに上記構造改革によるコスト削減に努め着実に赤字幅を縮小し、第4四半期には黒字に転換いたしました。

 

産業機器&システム事業

産業装置では、上期は新型コロナ感染拡大により相当な影響はあったものの中国等を中心に5G関連等の設備投資需要の回復が進み、第4四半期の売上高は第3四半期比で64.2%増加し、前年同期を上回るなど着実に回復が進んでまいりました。一方、受託加工等のグループ事業では車載関連を中心に売上が伸び悩み、当連結会計年度の産業機器&システム事業全体の売上高は274億4千7百万円(前年同期比20.8%減)となりました。

利益面においては、売上減少や上期の工場稼働率低下の影響などにより、当連結会計年度のセグメント損益(経常損益)は4千2百万円の損失(前年同期は18億5千3百万円の利益)となりましたが、第3四半期は売上改善並びに上記構造改革によるコスト削減や工場稼働率の改善が進んだことなどにより黒字に転換し、第4四半期は更に大幅な増益(前期比5億3千9百万円増)となり、前年同期比でも増益を果たしました。

 

その他

その他の連結売上高は2億2千1百万円(対前連結会計年度比6.6%減)、セグメント利益(経常利益)は9千万円(対前連結会計年度比4.8%増)となりました。

 

(2) 財政状態

当連結会計年度においては、新型コロナ感染拡大による影響に備え、財務基盤の安定性をより一層高めることを目的として、資金調達などにより手元資金の増強を図りました。

その結果、当連結会計年度末の総資産は、現預金が増加する一方、売掛金やたな卸資産が減少したことなどにより前連結会計年度末に比べ44億8千5百万円減少して1,102億3千万円となりました。負債は、長期借入金が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ18億9千7百万円増加して788億6千1百万円となりました。純資産は、利益剰余金が減少したことに加え、為替換算調整勘定のマイナス額が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ63億8千3百万円減少して313億6千8百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における連結ベースでの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ78億4千4百万円増加し138億2千万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、85億9百万円の収入(前年同期は30億5千4百万円の収入)となりました。売上債権やたな卸資産の減少などによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、26億9千8百万円の支出(前年同期は34億3千万円の支出)となりました。有形固定資産の取得による支出があったことなどによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、20億3千4百万円の収入(前年同期は8億1千万円の支出)となりました。借入金の増加などによるものです。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの主な資金需要は、運転資金として原材料等の購入や製造費用、開発投資を含む販売及び一般管理費の営業費用などであり、また、長期的資金として事業計画に基づく設備投資資金などがあります。これらの資金は自己資金及び金融機関等からの借入により調達することを方針としております。

今後も盤石な事業基盤を構築すべく、積極的な開発投資、設備投資をしていくとともに、物流や生産効率の改善などにより、たな卸資産を圧縮することなどで、資金の効率化を図ってまいります。

 

 

(5) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、「第5 経理の状況 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載したもののほかに、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与えると思われるものは以下のとおりであります。

収益の認識

当社グループの売上高は、顧客との引渡し条件に基づき、通常、製品が出荷された時点(輸出はBL基準)、又はサービスが提供された時点で計上されております。

投資評価

当社グループの保有する株式は、市場価格のあるものについては時価が著しく下落した場合に、市場価格のない株式については財政状態の悪化により実質価額が著しく下落した場合に、それぞれ減損処理を行っております。

 

(6) 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

縫製機器&システム事業

31,664

△46.20

産業機器&システム事業

23,305

△12.47

合計

54,970

△35.69

 

(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

     2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

当社グループ(当社及び連結子会社)は、主に見込生産を行っているため、受注実績は記載しておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

縫製機器&システム事業

42,732

△33.50

産業機器&システム事業

27,447

△20.84

その他

221

△6.64

合計

70,401

△29.01

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、お客様に価値を提供できる商品の開発、新規分野製品向けの商品の開発、そのために必要となる要素技術の開発を行っております。本活動の当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は4,608百万円(売上高比率6.5%)であります。研究開発活動の成果としての工業所有権総数(国内外の特許+意匠権)は当期末において2,069件となりました。

 

(1) 当社グループ全社に共通した研究開発活動

① 本社の研究開発活動

お客様ニーズをベースに、新製品を支える基盤技術のさらなる向上とともに差別化に必要となるコア技術の研究・開発に取り組んでおります。また、お客様の課題を解決するために営業、開発及び製造の連携強化を推進しております。

② 環境に配慮した研究開発活動

2009年3月から「JUKIエコプロダクツ認定制度」をスタートし、当連結会計年度は11機種が認定されました。環境対応として、「JUKIグループグリーン調達ガイドライン」に基づき製品への有害物質及び高懸念物質不使用による環境安全・保全性の向上、小型・軽量化による省資源化、高効率制御及びオイルフリー化による省エネ化など、今後も高いレベルでの技術開発を進め、6つの変革の一つとしてSDGs経営Xの狙いとする“持続可能”な経営の実現に向け取り組んでまいります。

 

(2) セグメント別商品開発活動

① 縫製機器&システム事業

工業用ミシンでは、新送り制御による美しい縫い目を実現した電子サイクルミシン「AMS-221F」、2本針本縫針送りソーイングシステム「LH-4500Cシリーズ」、多様な素材に対応したパターンシーマ「PS-800シリーズ」、ソファー・カーシートなどで作業性が大幅アップした上下送り自動糸切りミシン「DU1481-7」を発売しました。

また、縫製工場全体を「JaNets」でネットワーク化し、「つながる・見える」でお客様の生産効率の最大化を目指し開発強化してまいりました。

家庭用ミシンでは、初めて無線LAN接続機能を搭載し、UI/UX(ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンス)にこだわり、美しい縫い品質のままに、多機能・高性能でありながら、操作性が格段にアップした最高峰家庭用ミシン「HZL-UX8」を発売しました。

今後もお客様のニーズに一早くお応えするため、商品開発に積極的に取り組んでまいります。

② 産業機器&システム事業

従来より好評頂いている高速モジュラーマウンタ「RX-7」、新型汎用マウンタ「RS-1」、3D基板外観検査機「RV-2-3DH」各シリーズの拡張性・操作性の向上に努めるとともに、実装分野に限定されない工場内に存在するあらゆる測定・検査工程の自動化ニーズに応えるために、RVシリーズの強化にも取り組みました。また、実装分野の以外の組み立てに対してもJMシリーズに加え革新的なロボットプラットホームMR-01により生産現場の更なる省人化・自動化を推進し、これら個々の製品群を実装統合システム「JaNets」で統合管理することで工場全体の生産性向上を提案できるように取り組みました。今後も自動倉庫「ISM」から製品検査まで工場内のあらゆる工程を融合し、お客様に対して価値あるソリューション提案を行ってまいります。

 

(3) 海外開発拠点商品開発活動

海外拠点においては、中国、ベトナムの開発拠点に加え、ヨーロッパ、アメリカにも開発分室を設置しています。市場密着しお客様のニーズをすばやく取り入れ、商品開発に取り組んでまいります。