第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「総合品質経営を推進する」、「イノベーティブ(革新的)で活気のある人と組織をつくる」、「国際社会に適合する経営を行う」の3つの経営基本方針のもと、世界の市場やお客様のニーズに幅広くお応えする優れた製品とサービスの提供を推進することにより、お客様はじめ株主様、お取引先様、従業員、社会などすべてのステークホルダーの信頼と期待にお応えできるよう努めてまいります。

事業活動の基本となる、企業理念及びコーポレートスローガン“Mind & Technology-心の通う技術-”をもとに、新たな価値を創造し、グローバルな事業展開のもと社会への貢献を果たしてまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

具体的な計数目標値としては、収益基盤の強化と固定費水準の見直しによる収益改善を徹底し、2025年度売上高1,600億円、経常利益100億円を目指してまいります。また事業ポートフォリオは、売上高は各事業とも重点分野の事業領域拡大を中心に継続的な事業成長の実現を目指すとともに、利益面では産業装置やカスタマービジネスなど高付加価値分野の拡大により収益性の向上を図ってまいります。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

当社を取り巻く事業環境は、米国をはじめとする主要国の金利引上げ、ロシアのウクライナ侵攻による混乱等の継続の影響が懸念される一方で、中国におけるゼロコロナ政策の転換などもあり、世界経済の成長は地域、業種によってばらつきはあるものの、自動車、IoT関連等お客様の設備投資需要の回復が見込まれます。同時にAI/IoT/5G等技術革新の加速やWithコロナにおける市場/顧客の変化による新たなビジネス展開が加速しており、このようなニューノーマルな環境に対応した新たなビジネスモデル/経営基盤の構築が求められております。また、“持続可能な開発目標(SDGs)”を受け、長期的な展望で持続可能な社会の実現に向けた取り組みは社会全体で更に加速しております。

このような事業環境の変化を踏まえ、当社は長期ビジョンとしての「21世紀を生き抜くグローバルでイノベーティブ(革新的)な“モノ-コトづくり”企業」のもと、2023年から2025年までを計画期間とする新中期経営計画2023-2025を策定しました。

新中期経営計画2023-2025では、2025年までに目指す姿(2025年ビジョン)として「『感動』と『安心』をお届けできる企業として、“ソリューションパートナー”であり続けるとともに、ESG経営の実践により社会から信頼され、必要とされる企業」を掲げ、「付加価値構造改革による顧客基盤の維持/拡大」「コスト構造改革による資本効率の改善」「行動改革による人/カルチャーの変革」を経営の重点とし、6つの変革(6X)を軸として施策の着実な実現を図ってまいります。

※6つの変革

①ボーダレスX:成長性の期待できる市場とお客様の開拓。

②ビジネスモデルX:事業領域の更なる拡大や新事業の創出。

③SDGs経営X:“持続可能な”経営の実現。

④R&DモデルX:利用価値の高い商品・サービスの開発。

⑤働き方改革X:生産体制及び管理業務体制の高度化。

⑥財務体質X:財務体質強化による自己資本強化と資産効率向上。

また、当社は、サステナビリティのさまざまな課題解決を盛り込み、ESG視点を重視した経営を徹底して行くことで、持続的な社会の実現と当社の持続的な成長を図ってまいります。具体的にはサステナビリティ推進委員会を設置し、サステナビリティに関する方針・計画・施策の審議決定、進捗管理を行い、2022年7月にTCFD提言へ賛同するとともに、2050年までのカーボンニュートラルの実現を図ってまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスク及び対応は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 政治・経済情勢

当社グループは海外売上高比率が高く、当連結会計年度においては85.5%となっております。そのため、当社グループが事業活動を展開する中国、その他アジア地域、欧米といった国及び地域における下記の政治・経済情勢及びこれに伴う需要変動で予測を超えた変動がある場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

・各国の政治体制・経済情勢

・国際、各地域国内紛争

・景気変動

当社グループは、各地域における需要変動について、年2回開催するグループ経営会議で各拠点から報告させるとともに、その間の変化点については都度報告を受け、適切な対策を実施することでリスクの最小化を図っております。

 

(2) 事業活動

当社グループの海外での生産及び販売活動については下記のリスク要因を十分考慮しておりますが、予測し得ないリスクが発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

・業界動向、競争環境、自社課題、顧客ニーズの変化等、経営戦略上のリスク

・事業に関する法規制の変更

・物流等の事業インフラ全般の変動

当社グループは、各地域におけるリスクについて、年4回開催するリスク管理会議で分析し施策に反映させるとともに、海外子会社等を通じて常に最新情報を入手するよう努め、特別な対応が必要な場合は、社内に対応体制を構築し迅速に対応するなど、リスクの最小化を図っております。

特に当社グループは、中国、ベトナム、日本の生産拠点を中心に原材料を調達し、製品を世界各国で販売しており、各国の経済情勢、地政学的リスク等によって物流体制やサプライチェーンが影響を受け、コストが高騰したり部品調達が困難となった場合は、当社グループの活動に影響を与える可能性があります。

当社グループは、営業・生産戦略と連動した柔軟でスリムな物流体制を構築するとともにサプライチェーンの強化を図っております。

 

(3) 金融市場

当社グループの業績は主として日本円、米ドル、ユーロ並びに中国元等の外国為替相場や金利の変動による影響を受けております。当社グループの連結財務諸表は日本円で表示されているため換算リスクと取引リスクという形で為替変動の影響を受けるとともに、為替相場の変動は外国通貨で販売する製品及び調達する材料の価格に影響を与える可能性があります。また、各国の金利水準が上昇した場合は支払利息の増加等、当社財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループは、主な為替変動の影響を本社に集約するとともに毎月開催する為替会議で為替リスク発生状況を把握し、輸出による外貨収入の輸入決済への充当、為替予約、各国の金利水準を踏まえた資金調達、有利子負債の抑制などによりリスクの最小化を図っております。

 

(4) 研究開発活動

当社グループは、将来のニーズを予測し新製品等の開発を実施しておりますが、予測を超えた社会環境の変化や市場ニーズの変化により、最終的にその新製品等が市場に受け入れられない可能性があります。

 当社グループは、顧客との緊密な関係性の構築による新たなニーズの発掘、市場でのユースケースの活用や、それを実現するためのマーケットに近い研究開発拠点の強化、オープンイノベーションの活用などにより、市場環境変化に強い研究開発を図っております。

 

(5) 知的財産保護

当社グループは、他社製品と差別化できる高度な技術及びノウハウを保持しており、またこれらの保護について最善の努力を傾注しておりますが、特定の地域では知的財産権による完全な保護が困難であるおそれがあり、そのため第三者が当社グループの知的財産を使用して類似した製品を製造することを防止できない可能性があります。一方、当社が使用する技術及びノウハウ等が意図せずして他社の知的財産権に抵触する疑いが生じ係争に発展する可能性があります。

当社グループは、本社に知的財産部門を設置し適切な管理体制を構築し、自らの知的財産の保護並びに知的財産権抵触の防止に努めてまいります。

 

(6) 製造物責任(PL)

当社グループでは、保険でカバーされない製造物責任リスクにより多額のコストが発生する等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループは、製造物にかかる賠償責任につきましては製造物賠償保険に加入するとともに、年6回開催する品質会議において品質対策の強化、並びに日常の品質改善活動を展開し、リスクの最小化を図っております。

 

 (7)環境

当社グループは、CO2排出、有害化学物質、廃棄物等多様な環境問題に関し、各国の法的規制の適用を受けており、今後更なる規制の強化が行われた場合、その対応のために相当なコストの負担が必要となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループは、年4回開催するリスク管理会議で各国の環境規制の状況を把握するとともに、法令順守のみならずECO MIND宣言を行い、環境経営を宣言し、自社で定める環境理念、環境行動指針、グリーン調達ガイドラインに基づき環境負荷の低減を図っております。

 

(8) 安全保障管理

当社グループは、製品を世界各国で販売しており国際的な安全保障輸出管理の枠組みにより規制を受けております。国際情勢の変化により規制が強化された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループは、年4回開催するリスク管理会議で各国の規制等について把握するとともに海外子会社等を通じて常に最新情報を入手するように努め、特別な対応が必要な場合は、社内に対応体制を構築し迅速な対応するなど、リスクの最小化を図っております。

 

(9) 人材確保

当社グループは、日本における少子高齢化や、海外における労働市場の急速な変動等により、優秀な人材の確保や育成が進まない場合には、当社グループの活動に影響を与える可能性があります。

当社グループは、国内外に30社以上の子会社及び関連会社を有しており、持続的な成長と健全な組織運営のために、グローバル規模で人材の確保と育成を図っております。

 

(10) ハザード

当社グループは、地震や水害等の自然災害や感染症の世界的流行(パンデミック)等の各種災害及び戦争・テロによる物的・人的被害が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループは、このような災害に対して損害の発生及び発生時の損害の拡大を最小限に抑えるべく、BCP(事業継続計画)の策定等、体制の整備を図っております。

 

(11) 重要な訴訟等

当社グループは、事業活動を展開する各国において、消費者保護、個人情報保護、その他様々な法的規制の適用を受けております。当連結会計年度においては、事業に重大な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来万が一提起された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループは、各国における法的規制の動向について、本社法務部門や海外子会社等を通じて常に最新情報を入手するように努め、特別な対応が必要な場合は、法務部門を中心に迅速に対応するなど、訴訟リスクの最小化を図っております。

 

(12) 情報リスク

当社グループの事業活動において、顧客情報に接することがあり、また営業上・技術上の機密情報を保有しております。万が一、情報漏えい等の事故が起きた場合には、当社グループの評価・信用に悪影響を与え、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループは、これらの各種情報の取り扱い及び機密保持には細心の注意を払っており、不正なアクセス、改ざん、破壊、漏えい及び紛失などから守るために管理体制を構築するとともに、適切な安全措置を講じております。

 

(13) 取引先の信用

当社グループは、倒産のような予期せぬ事態により債権回収に支障が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループは、取引先の財務情報を参考に与信管理を行い、取引先の信用リスクに備えております。

 

(14) 減損会計

当社グループは、固定資産の時価が著しく低下した場合や事業の収益性が悪化した場合には、固定資産減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループは、各子会社の業績モニタリングと兆候の有無を確認し、対応を図っております。

 

(15) 敵対的企業買収

当社は、株式公開会社であるため、当社株式を公開買付(TOB)又は市場取引で大量に買い集める投資者が現れる可能性があります。このような投資者が当社株式を買い占めた場合には当社の企業価値を毀損する可能性があり、あるいは上場を維持できなくなる可能性があります。また、当該投資者と当社との間で法的係争に発展する可能性もあります。

当社グループは、敵対的企業買収リスクを低減する観点からも、収益性の向上や財務体質の改善など企業価値の向上を図るとともに、株主に信頼されるよう適時の情報発信・開示を心掛けております。

 

(16) 事実と異なる風説流布

当社グループに対する悪評・誹謗・中傷等の風説がインターネット等を通じて流布する可能性があります。これらは、たとえ事実と異なる内容であったとしても、当社グループへの信頼及び企業イメージを低下させ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループは、このような風説の流布を防止する観点からも、日頃より適正な業務運営を行うとともに、当該事案が発生した場合は、事実確認や法的手続を含め適切な対応を行ってまいります。

 

(17) 労務リスク

当社グループは、事業活動を展開する各国において、労働法等の法令の適用を受けており、また労務管理が不十分な場合には、労働災害、長時間労働による社員の健康悪化の発生や、それに伴う会社の社会的信用の低下等を招く可能性があります。

当社グループは、日頃より法令を遵守し、社員の安全や健康面に留意した労務管理を行うとともに、年4回開催するリスク管理会議で労務管理状況のモニタリングを行い、必要に応じて対策を講じる等、リスクの最小化を図っております。

 

(18) コンプライアンス

当社グループは、事業活動を展開する各国において、法令・規則の適用を受けており、法令違反等が生じた場合には、刑事上、民事上、行政上の責任を負い、また社会的信用の低下等を招く可能性があります。

当社グループは、「コンプライアンス規定」に則りコンプライアンス体制の運用の徹底を図るとともに、「JUKIグループ社員行動規範」を制定し、グループ社員一人ひとりへの徹底を図る等、リスクの最小化を図っております。

 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で全連結会計年度との比較・分析を行っております。詳細につきましては、「第5 経理の状況」 「注記事項 (会計方針の変更)、及び(セグメント情報等)」をご参照ください。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度における当社を取り巻く事業環境は、新型コロナ感染症に係る行動規制の緩和や各国の政策に加え、ニューノーマルな環境の中で成長する業界や生産地移転等の新規投資により経済が堅調に推移する一方で、中国の上海を中心とするロックダウンの発動やゼロコロナ政策により経済活動に制約を受けました。また、半導体をはじめとする世界的な部品不足や物流混乱による製品供給への影響が続きました。

当連結会計年度においては、市場回復期の需要取り込みや成長分野におけるシェア拡大など全社的に営業活動を展開するとともに、サプライチェーンの再構築に努めてまいりましたが、中国各地のゼロコロナ政策による設備投資需要の低迷や、第4四半期におけるアジア等新興国の外貨事情の悪化による購買の先送りなどにより、売上高は1,174億5千4百万円(対前年比16.0%増)となりました。

利益面につきましては、売上に対する円安効果はありましたが、同時に海外の材料費や経費等の負担増となりました。また経済活動の回復に伴う成長分野や新興国市場の需要取り込みのための戦略的投資を継続する一方で、上期の中国工場のロックダウンなどによる工場稼働率の低下、原材料価格や物流費の高騰継続などコスト負担増に対応する値上げの遅れ、付加価値の高い事業ポートフォリオへの改善途上などにより、営業利益は28億5千8百万円(対前年比26.1%減)、経常利益は11億6千3百万円(対前年比66.2%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は7千8百万円(前年同期は21億5千4百万円の利益)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

縫製機器&システム事業

工業用ミシンでは、アパレル市場の需要回復取り込みや、サプライチェーンの整備に努めることで、主にアジア市場において売上は増加しましたが、中国各地でのゼロコロナ政策の影響、第4四半期のアジア等新興国の外貨事情の悪化による購買の先送りなどにより、縫製機器&システム事業全体の売上高は799億3千7百万円(対前年比26.5%増)に留まりました。

利益面においては、全体の売上は伸びたものの、上期の中国工場のロックダウンなどによる工場稼働率の低下、諸コスト負担増に対応する値上げの遅れ、付加価値の高い事業ポートフォリオへの改善途上などにより、セグメント利益(経常利益)は1億1千9百万円(対前年比92.1%減)となりました。

 

産業機器&システム事業

産業装置では、中国におけるゼロコロナ政策の影響による設備投資需要の低迷により売上は減少しました。一方、国内を中心とした受託加工等のグループ事業の売上は、お客様のサプライチェーン分断への対応など設備投資需要の高まりもあり堅調に推移しました。この結果、産業機器&システム事業全体の売上高は372億5千3百万円(対前年比1.5%減)となりました。

利益面においては、産業装置の売上の下期における大幅な減少や戦略的投資の継続により、セグメント利益(経常利益)は19億4千2百万円(対前年比32.2%減)となりました。

 

その他

その他の連結売上高は2億6千3百万円(対前連結会計年度比7.6%増)、セグメント利益(経常利益)は4千5百万円(対前連結会計年度比39.6%減)となりました。

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、資金効率向上の観点より預金を借入金返済に充当した一方で売上増加に伴い売掛金や棚卸資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ160億5千5百万円増加して1,451億6千9百万円となりました。負債は、借入金が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ142億4千5百万円増加して1,076億8千7百万円となりました。純資産は、円安により為替換算調整勘定が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ18億9百万円増加して374億8千2百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における連結ベースでの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より16億5千5百万円減少して、49億1千万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、146億4千1百万円の支出(前年同期は65億8千9百万円の支出)となりました。売上債権や棚卸資産の増加などによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、49億3千万円の支出(前年同期は8億5千6百万円の支出)となりました。有形固定資産や新規の投資有価証券(関係会社株式)の取得による支出があったことなどによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、174億8千5百万円の収入(前年同期は3億6千9百万円の支出)となりました。借入金の増加などによるものです。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの主な資金需要は、運転資金として原材料等の購入や製造費用、開発投資を含む販売費及び一般管理費の営業費用などであり、また、長期的資金として事業計画に基づく設備投資資金などがあります。これらの資金は自己資金及び金融機関等からの借入により調達することを方針としております。

今後も盤石な事業基盤を構築すべく、積極的な開発投資、設備投資をしていくとともに、物流や生産効率の改善などにより、棚卸資産を圧縮することなどで、資金の効率化を図ってまいります。

 

(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

 

(6) 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

縫製機器&システム事業

59,564

+7.19

産業機器&システム事業

33,197

△6.41

合計

92,762

+1.89

 

(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

b. 受注実績

当社グループ(当社及び連結子会社)は、主に見込生産を行っているため、受注実績は記載しておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

縫製機器&システム事業

79,937

+26.45

産業機器&システム事業

37,253

△1.53

その他

263

+7.59

合計

117,454

+15.96

 

(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社は、2022年9月26日開催の取締役会において、AIメカテック株式会社(以下、「AIメカテック」という。)との間で、資本業務提携契約を締結することを決議し、同日付でこれを締結しました。

資本業務提携契約の内容は下記の通りです。

(1) 業務提携の内容

当社とAIメカテックは以下の項目を主な業務提携の対象とし、具体的な業務委託の範囲、条件等については個別に両社で協議していく。

① 現状の委託/受託業務の強化及び拡大

  委受託業務の範囲拡大、性能向上やコストダウンの提案強化など

② 協業機能の拡大

  開発委託や共同購買、販売網の相互活用などへの協業範囲拡大

③ 技術力の相互補完による協業

  両社が有する技術力の相互支援による製品及び事業の強化

④ 技術力の相乗化による協業

  両社が有する技術領域や業界情報の共有による新たな事業領域の創出

また、当社及びAIメカテックは、「業務提携検討チーム」を設置し、業務提携の対象事項、具体的内容その他本業務提携に関する事項につきお互いに協議し、業務提携及びその効果の実現を推進する。

 

(2) 資本提携の内容

当社は、上記の業務内容の推進に向けた長期的な提携関係の構築・強化のため、2022年9月30日に、AIメカテックの普通株式1,101,500株(2022年6月30日現在の発行株式総数に対する割合19.56%)を取得する。

また、当社とAIメカテックは、2022年9月30日以後、最初に開催される定時株主総会において、当社が指名する取締役候補者1名をAIメカテックの取締役として選任する議案を当該定時株主総会に付議することについて合意する。

なお、当社は、同じく2022年9月26日開催の取締役会において、AIメカテックの筆頭株主及び第2位の株主との間で、その保有するAIメカテックの普通株式を市場外で相対取引により譲渡を受ける旨の株式譲渡契約を締結することを決議し、同日付でこれを締結しました。

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、お客様に価値を提供できる商品の開発、新規分野製品向けの商品の開発、そのために必要となる要素技術の開発を行っております。本活動の当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は4,844百万円(売上高比率4.1%)であります。研究開発活動の成果としての工業所有権総数(国内外の特許+意匠権)は当期末において1,792件となりました。

 

(1) 当社グループ全社に共通した研究開発活動

① 本社の研究開発活動

お客様ニーズをベースに、新製品を支える基盤技術のさらなる向上と共に差別化できる技術の研究・開発に取り組んでおります。また、お客様の問題を解決するために営業、開発及び製造の連携強化を推進しております。

② 環境に配慮した研究開発活動

2009年3月から「JUKIエコプロダクツ認定制度」をスタートし、当連結会計年度は12機種が認定されました。環境対応として、「JUKIグループグリーン調達ガイドライン」に基づき製品への有害物質及び高懸念物質不使用による環境安全・保全性の向上に取り組みます。小型・軽量化による省資源化、高効率制御による省エネ化など、今後も高いレベルでの技術開発を進め、6つの変革の一つとしてSDGs経営Xの狙いとする“持続可能”な経営の実現に向け取り組んでまいります。

 

(2) セグメント別商品開発活動

① 縫製機器&システム事業

工業用ミシンでは、パターンシーマとして小型「PS-800SB2850」及び針棒回転式「PS-900」を開発しました。また、ネットワークシステム「JaNets」を更に進化させ縫製工場全体の「つながる・見える」でお客様の生産効率の最大化を実現してまいります。

家庭用ミシンでは、操作性を大幅に向上させイージースレッダー糸通し機能を搭載した家庭用小型ロックミシン「MO-2000」シリーズに続き、上位機種「MO-3000シリーズ」を開発しました。また、家庭用コンピュータミシン「HZL-UX8」が、2022年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。

今後もお客様のニーズに一早くお応えするため、商品開発に積極的に取り組んでまいります。

② 産業機器&システム事業

実装機では昨年市場投入した高速コンパクトモジュラーマウンタ「RX-8」を中心に既存機に対する市場要望の取り込みと信頼性向上に向けたブラッシュアップに注力してまいりました。これら市場要求等の情報を次機種開発にフィードバックする活動を並行して行うことで、お客様にとってより使い易く生産効率の高い実装機を提供してまいります。

外観検査機分野においても実装分野以外の領域でのお客様の使われ方を徹底的に収集・分析することで独自の光学技術に磨きをかけ、お客様に対して価値あるソリューション提案を推進してまいりました。また自動倉庫をストレージ事業へ拡大し、実装機周辺に限らず多様な用途に利用範囲を広げて頂けるように展開してまいりました。今後もこれら個々の製品群の技術を発展させると同時に実装統合システムJaNetsでの工場全体の管理レベルの向上に努めてまいります。

 

(3) 海外開発拠点商品開発活動

中国、ベトナム、ヨーロッパ、アメリカに開発拠点を設置し、市場に密着した活動を通してお客様のニーズをすばやく取り入れ、商品開発に取り組んでまいります。