第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績

当中間連結会計期間における世界経済は、ロシア・ウクライナ紛争の長期化や中東紛争の継続等の地政学リスク、資源高や世界的なインフレ等による諸コストの高騰、中国経済の回復遅延や投資活動の抑制、新興国における外貨不足など、依然として先行き不透明な状況が続いております。一方、AI/IoT/5G/VR等技術革新の加速や、市場/顧客の変化に対応した新しいビジネスモデル/経営基盤の構築が求められております

当社を取り巻く事業環境は、今年度の前半は中国・東南アジアにおける需要回復の遅れや新興国における外貨不足による設備投資の遅れが懸念される一方、年間ではインド以西、中南米、東欧、アフリカなど成長する経済圏における設備投資需要の拡大が見込まれます

このような事業環境の中、当中間連結会計期間は、中国の回復の遅れと欧米の伸び悩み及び工場稼働効率改善の為の売上・生産平準化施策の影響により、円安によるプラス効果はあったものの、売上高は458億8千2百万円(対前年同期比2.5%増)に留まりました

財務体質健全化の観点からは、生産調整を含む在庫の削減を継続すると共に、販売価格の安定化にも努めました

利益面につきましては、コスト構造改革で固定費を削減したものの、在庫削減の為の生産調整及び追加コストなどにより、営業損失は14億2千8百万円(前年同期は16億8千9百万円の損失)、経常損失は21億1千9百万円(前年同期は13億1千7百万円の損失)となりました

また、将来のスリムで高効率な事業構造を構築するため、中国の不動産売却、中国、米国、タイにおける販売会社の統合等を実施し、固定資産売却益等特別利益1,680百万円、事業構造改革費用等特別損失913百万円を計上しました。これにより親会社株主に帰属する中間純損失は19億9千9百万円(前年同期は15億4千1百万円の損失)となりました

 

(主なセグメント別の概況)

①縫製機器&システム事業

工業用ミシンの売上高は、景気回復の一服感や不安定な政治経済情勢等を背景とした投資の先送りなどにより欧米の売上が伸び悩む一方で、中国、アジアでの売上が回復し始めたことから、縫製機器&システム事業全体の売上高は297億2千7百万円(対前年同期比8.3%増)となりました

利益面においては、売上が一部回復し、コスト構造改革で固定費を削減したものの、売上平準化の為の販売施策と在庫削減の追加コストなどにより、セグメント損失(経常損失)は17億3千万円の損失(前年同期は15億3千万円の損失)と拡大しました

 

②産業機器&システム事業

産業装置の売上は、米州で前年同期比売上を伸ばした一方で、重要マーケットである中国の売上が伸び悩み、全体の売上は前年同期比減収となりました。また、国内を中心とした受託加工等のグループ事業の売上も、前年同期比低調に推移しました。この結果、産業機器&システム事業全体の売上高は159億9千2百万円(対前年同期比6.8%減)となりました

利益面においては、固定費削減、円安の効果やパーツ、サービスの増益はあったものの、売上減の影響などによりセグメント損失(経常損失)は1億6百万円(前年同期は1億2千4百万円の損失)となりました

 

(2) 財政状態

当中間連結会計期間末の総資産は、棚卸資産の増加や売上増に伴い売掛金が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ37億5千6百万円増加して1,430億6千1百万円となりました。負債は、借入金が減少する一方で買掛金が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ17億5千7百万円増加して1,086億9千万円となりました。純資産は、純損失や配当金支払により利益剰余金が減少する一方で、為替換算調整勘定が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ19億9千9百万円増加して343億7千万円となりました

 

(3) キャッシュ・フローの状況

①営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、51億2千7百万円の収入(前年同期は5億9千9百万円の支出)となりました。仕入債務の増加や棚卸資産の減少などによるものです。

②投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動によるキャッシュ・フローは、8千2百万円の収入(前年同期は10億6千7百万円の支出)となりました。有形及び無形固定資産の売却などによるものです。

③財務活動によるキャッシュ・フロー

  財務活動によるキャッシュ・フローは、64億8千9百万円の支出(前年同期は19億2千9百万円の収入)となりました。短期借入金の返済などによるものです。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当連結会社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

当中間連結会計期間における当社グループ全体の研究開発費の総額は、20億9千万円であります。

 

(6) 主要な設備

 前連結会計年度末に計画しておりました重機(上海)工業有限公司の寧波分工場の売却は、2024年4月に完了いたしました。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

(連結子会社間の吸収合併)

当社は、2024年3月25日開催の取締役会において、米国の完全子会社であるJUKI AMERICA,INC.を存続会社、同じく米国の完全子会社であるJUKI AMERICAS HOLDING INC.及びJUKI AUTOMATION SYSTEMS,INC.を消滅会社とした吸収合併をすること、並びに、中国の完全子会社である重機(中国)投資有限公司を存続会社、同じく中国の完全子会社である東京重機国際貿易(上海)有限公司を消滅会社とした吸収合併をすることを決議し、同日付で合併契約を締結いたしました。

 

(連結子会社における固定資産の譲渡)

当社は、2024年3月25日開催の取締役会において、連結子会社である重機(上海)工業有限公司が保有する固定資産を譲渡することについて決議いたしました。

 

詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項 (連結の範囲の変更)及び(追加情報)」をご参照ください。