第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度を取り巻く経済環境は、日本においては消費税増税の反動も一巡し、景気は緩やかな回復基調で推移しました。原油価格やエネルギーコストの下落による好材料があるも、定着した円安による資材価格の上昇により、コスト面で不安定な状況で推移しました。海外においては、欧州での債務問題の再燃が落ち着くも、中国を始めとした新興国での景気後退により、先行きに不透明感が残る状況で推移してまいりました。

 当社グループが主として関連する自動車業界におきましては、国内では乗用車販売の回復に力強さはなく、円安状況下でも引き続き進んでいく海外生産へのシフトにより、厳しい状況で推移しました。海外においても、中国を含む、アジア地域での自動車販売数量の減少、伸び率の鈍化により不透明感が増す状況で推移しました。こうした状況の中、当社グループはアジアや北米等の海外市場での受注増加と円安の後押しを受け、売上高は拡大し、継続的な原価低減活動、経費圧縮等を推進してまいりました結果、売上高は前年同期比増収、利益面では営業利益、経常利益で増益となるも、親会社株主に帰属する当期純利益は特別損失の増加及び過年度法人税等の支払いにより減益となりました。

 

 当連結会計年度の業績数値につきましては、次のとおりであります。

売上高                 1,746億28百万円  (前年同期比 5.3%増)

営業利益                 213億34百万円  ( 〃    10.0%増)

経常利益                 241億76百万円  ( 〃    4.8%増)

親会社株主に帰属する当期純利益      118億52百万円  ( 〃    6.4%減)

 

セグメントの業績概況は次のとおりであります。

<TPRグループ(除くファルテックグループ)>

①日本

 国内顧客及び海外市場向けの受注の減少により、売上高は429億9百万円と前年同期に比べ23億76百万円の減収となりました。セグメント利益は生産再配置に伴う一時的な費用増及び操業度の減少により、69億19百万円と前年同期に比べ4億90百万円の減益となりました。

②アジア

 アジア市場では市場が後退する中、新規受注の獲得と円安による為替換算の影響もあり、売上高は321億円91百万円と前年同期と比べ59億91百万円の増収となりました。セグメント利益は100億31百万円と前年同期と比べ25億46百万円の増益となりました。

③北米

 北米経済が堅調を維持する中、円安による為替換算の影響もあり、売上高は146億70百万円と前年同期と比べ25億5百万円の増収となりました。セグメント利益は、新拠点の黒字化により16億9百万円と前年同期と比べ8億31百万円の増益となりました。

④その他地域

 欧州市場では、円高による為替換算の影響を受け、売上高は24億39百万円と前年同期と比べ2億11百万円の減収となりました。セグメント利益は南米の新設拠点の創業費用により5億38百万円と前年同期と比べ2億83百万円の減益となりました。

<ファルテックグループ>

 ファルテックグループでは、北米、タイ、中国での受注増により売上高は824億16百万円と前年同期と比べ28億70百万円の増収となりました。セグメント利益は、日本での先行開発費用増、英国での新車立ち上げ費用増等により25億64百万円と前年同期と比べ4億88百万円の減益となりました。

 

 

(2)  キャッシュ・フローの状況

    当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は、前連結会計年度末と比

   較して46億60百万円増加し、249億28百万円となりました。

    当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

   営業活動の結果得られた資金は、252億13百万円(前年同期比55.4%増)となりました。主な資金の増加は、税金等調整前当期純利益232億17百万円、減価償却費89億94百万円、利息及び配当金の受取額17億72百万円、主な資金の減少は、法人税等の支払額51億95百万円、持分法による投資利益28億92百万円、仕入債務の減少額15億35百万円であります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

   投資活動の結果使用した資金は、131億17百万円(前年同期比10.4%増)となりました。主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出128億55百万円、投資有価証券の取得による支出8億46百万円、有形及び無形固定資産の売却による収入11億66百万円であります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

   財務活動の結果使用した資金は、80億48百万円(前年同期比54.0%増)となりました。主な内訳は、長期借入金の返済による支出185億42百万円、リース債務の返済による支出11億80百万円、非支配株主への配当金の支払額37億88百万円、配当金の支払額19億9百万円、長期借入による収入183億28百万円であります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

TPRグループ(除くファルテックグループ)

日本(百万円)

50,868

95.46

アジア(百万円)

14,995

105.94

北米(百万円)

12,138

110.96

その他地域(百万円)

1,056

102.37

79,058

99.55

ファルテックグループ(百万円)

43,798

108.14

合計(百万円)

122,857

102.45

(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注実績

 確定受注は主に納期直前であり、販売実績と重要な相違は無いため記載は省略しております。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

TPRグループ(除くファルテックグループ)

日本(百万円)

42,909

94.75

アジア(百万円)

32,191

122.87

北米(百万円)

14,670

120.59

その他地域(百万円)

2,439

92.02

92,211

106.85

ファルテックグループ(百万円)

82,416

103.61

合計(百万円)

174,628

105.29

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

日産自動車㈱

26,543

16.0

24,014

13.7

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3【対処すべき課題】

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「動力機構の高度化を原点として、無限の可能性に挑戦し、優れた技術と価値ある商品の世界への提供を通じて、クリーンでクオリティの高い地球社会の実現に貢献する」ことを企業グループの理念としております。また、ファルテックグループは、「時代をリードする価値ある商品・サービスを提供し、美しく豊かなクルマ社会の実現に貢献する」ことをグループの理念としております。両グループ企業の総力を結集して永続的に発展するべく、努力してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 安定的な事業収益力を示すものとして、営業利益率を重視するとともに、自己資本比率の増大を重要な指標として経営効率の向上を目指してまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当連結会計年度は2018年3月期を最終年度とする中期経営計画「17中計」のスタートの年でありました。

「17中計」の目指す姿である「技術力(Technology)・情熱(Passion)・信頼(Reliance)をもって、一段とグローバル化・事業の多角化・イノベーションを進め、価値ある商品を創出し続けるTPRグループの実現」の達成に向けて取り組み、「17中計」の達成により株主価値の増大を図ってまいります。

 

 「17中計」の基本戦略は次のとおりです。

 「革新と拡大(Innovate & Expand) 」をスローガンに掲げ、激変する環境に対応するための革新を進めていきます。14中計で掲げたスローガン「変革と創造(Change & Create) 」の精神を「Innovate(革新)」に込めて、グループシナジーを発揮し更なる拡大を図り、「イノベーション企業」・「グローバル多角化企業」・「最高品質企業」の実現に向けて取り組んでまいります。

 

(4)会社の対処すべき課題

  ①TPRグループ(除くファルテックグループ)及びファルテックグループ、両グループのコア商品の圧倒的な競

   争力(性能・品質・コスト)の実現

  ②拡大する自動車市場でのグローバルシェアアップを実現する生産・営業体制の強化

  ③非パワートレーン商品の開発と事業化による経営基盤の安定化

  ④TPR21パートⅢ活動による生産拠点の革新的ものづくり力の実現

  ⑤事業拡大を目指した更なる多角化の推進

  ⑥上記を支えるグローバル人材の確保と育成

 

(5)株式会社の支配に関する基本方針について

Ⅰ.基本方針

 当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資する者が望ましいと考えております。もっとも、当社の株主の在り方について当社は、証券取引所への上場により株主は市場での自由な取引を通じて決まるものと考えておりますので、会社を支配する者の在り方は、最終的には株主の皆様全体の意思に基づき決定されるべきものと考えています。

 

Ⅱ.基本方針の実現に資する取組み

  当社は、1939年の創業より培ってきた材料・加工・表面処理技術等のものづくりを原点とし、エンジン機能部品メーカーとして、ピストンリング、シリンダライナ、バルブシート等のパワートレイン部品で、世界のお客様に満足していただくべく努力してまいりました。当社の企業理念である

わたくしたちは、

動力機構の高度化を原点として、無限の可能性に挑戦し、
優れた技術と価値ある商品の世界への提供を通じて、
クリーンで、クオリティの高い地球社会の実現に貢献します。

との精神のもと、事業を展開しています。

 また、近年当社は事業の多角化を推進しており、非金属材料産業への参画を進めています。2012年4月には株式会社ファルテックに出資し、事業の柱の二本化を図っています。

 

 1.中長期経営戦略の策定

 2015年度にスタートした「17中期経営計画(17中計)」では、TPRグループが各方面のステークホルダーの皆様のご期待に応え、世界市場で生き抜き勝ち抜くため、下記目標と10項目の基本戦略を制定し推進していきます。

<目指す姿>
技術力(Technology)・情熱(Passion)・信頼(Reliance)をもって、
一段とグローバル化・事業の多角化・イノベーションを進め、
価値ある商品を創出し続けるTPRグループを実現する
<スローガン>
Innovate & Expand ~革新と拡大~

<基本戦略>

〔イノベーション企業〕実現の為

①オンリーワン商品の開発と技術力No.1の追求

②新事業の拡大及び新商品開発とグループシナジーの創出

③ものづくりの革新のさらなる追求と地域競争力No.1の実現

〔グローバル多角化企業〕実現の為

④グループ力のシナジーによるグローバルシェアアップ

⑤グローバル拠点の収益率向上とマザー機能の発揮による最適拠点運営

⑥グローバル調達・物流・商流によるグループ収益の最大化

⑦グローバル人材の育成と地域専門人材の育成による円滑な拠点運営の推進

〔最高品質企業〕実現の為

⑧グローバル最高品質の追求

⑨間接業務の改善・改革による効率化と高付加価値化の実現

⑩グループCSR活動の推進

 2.コーポレートガバナンス(企業統治)の推進

 当社は、企業理念(上記)を制定し、地球社会の一員としての企業を発展させるべく、コーポレートガバナンス(企業統治)の充実に努めています。

① 基本規程として「TPRグループコンプライアンス基本規程」を策定し、企業理念の精神を具体化した役員及び社員の行動指針として定めています。更に、全社横断組織としてコンプライアンス委員会を設置するなど、企業統治に関する組織、規程を充実させ、企業の透明性、効率性、健全性を向上するべく推進しています。

② 経営の体制として、業務執行と監督機能区分を明確化するため、執行役員制度を平成17年より導入し、更に平成23年からは、会長兼CEOと社長兼COOを新設しました。また、平成19年から取締役会に社外取締役1名を導入、平成28年から監査役会は5名の内3名を社外監査役とし、経営及び監査役監査の透明性、公平性を確保しています。

 

Ⅲ.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み(以下「本対応策」という)

① 本対応策導入の目的
  上記Ⅰ.に述べた基本方針に照らして不適切な者によって大規模な当社株式の買付行為(以下「大規模買付行為」という)が行われ、当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして導入したものです。

② 大規模買付ルールの概要
  当社取締役会が設定する大規模買付ルールとは、事前に大規模買付行為を行う者(以下「大規模買付者」という)が取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、取締役会による一定の評価期間が経過した後に大規模買付行為を開始する、というものです。

③ 大規模買付行為がなされた場合の対応

ⅰ)大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合
  大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該買付提案についての反対意見を表明したり、代替案を提示することにより、株主の皆様を説得するに留め、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置はとりません。

ⅱ)大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合
  大規模買付者により、大規模買付ルールが遵守されなかった場合には、取締役会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として、新株予約権の無償割当等、会社法その他の法律及び当社定款が認める対抗措置をとり、大規模買付行為に対抗する場合があります。

ⅲ)独立委員会の設置
  対抗措置を講じるか否かについては、取締役会が最終的な判断を行いますが、本対応策を適正に運用し、取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の客観性及び合理性を担保するため、独立委員会規程を定めるとともに、独立委員会を設置しました。

④ 株主・投資家に与える影響等
  大規模買付ルールは、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や、現に当社の経営を担っている当社取締役会の意見を提供し、株主の皆様が代替案の提示を受ける機会を保証することを目的としています。これにより株主の皆様は、十分な情報のもとで、大規模買付行為に応じるか否かについて適切な判断をすることが可能となり、そのことが当社の企業価値ひいては株主共同の利益の保護につながるものと考えます。

⑤ 本対応策の適用開始、有効期限、継続及び廃止
  本対応策は、平成19年2月8日に当社取締役会の決議をもって同日より発効し、平成19年6月28日に開催された第74回定時株主総会において承認いただきました。その後、平成22年6月25日開催の第77回定時株主総会および平成25年6月27日開催の第80回定時株主総会および平成28年6月29日開催の第83回定時株主総会において継続承認いただいて、平成31年6月開催予定の定時株主総会終結時までの有効期限で継続しております。

Ⅳ.本対応策が基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでないことについて

① 買収防衛策に関する指針の要件を充足していること
 本対応策は、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針の定める三原則を充足しています。また、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も踏まえたものとなっています。

 

 

② 株主意思を重視するものであること
 本対応策は、当社取締役会決議にて決定いたしましたが、平成19年6月28日開催の第74回定時株主総会、平成22年6月25日開催の第77回定時株主総会、平成25年6月27日開催の第80回定時株主総会及び平成28年6月29日開催の第83回定時株主総会にて株主の皆様のご承認をいただいたことで、株主の皆様のご意向が反映されたものとなっております。

③ 独立性の高い社外者の判断の重視と情報開示

 本対応策における対抗措置の発動等の運用に際しての実質的な判断は、独立性の高い社外者のみから構成される独立委員会により行われることとされています。

 また、その判断の概要については株主の皆様に情報開示をすることとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に適うように本対応策の透明な運用が行われる仕組みが確保されています。

④ 合理的な客観的要件の設定
 本対応策における対抗措置の発動は、上記Ⅲ.③「大規模買付行為がなされた場合の対応」にて記載したとおり、合理的な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しているものといえます。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)競合について

 当社グループが主に事業展開するピストンリング、シリンダライナ、焼結、樹脂製品の業界は、世界的な自動車メーカーの価格競争の激化から品質及び価格はより厳しいものになっております。当社グループは自動車メーカーの開発段階から品質、技術、価格の面で顧客ニーズに沿い優位性を保つ努力をしておりますが、品質、技術、価格面での競争は一段と厳しくなっております。当社グループとしては経営の効率化を図ることで柔軟に変化に対応し、市場機会を失うことがないように努力しておりますが、安定的に保証されているわけではありません。市場機会を失った場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(2)原材料価格変動の影響について

 当社グループの主力製品であるピストンリング、シリンダライナ、焼結、樹脂製品の原材料の価格は、需給バランスの変化に起因する市況変動の影響を受ける可能性があります。当社グループは原材料の仕入先の集約、前倒し購入等市況変動の軽減を図っておりますが、市況変動が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(3)為替相場の変動

 当社グループは、世界各国で自動車関連部品をはじめとした事業を展開しており、多通貨取引が発生します。外貨建て商取引及び投資活動等は、為替変動が起きた場合には、当社グループの経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 また、在外連結子会社及び持分法適用会社の財務諸表は、当社の連結財務諸表作成のために円換算しております。従いまして、現地通貨における価値が変わらない場合でも、円換算後の価値に影響を及ぼす可能性があります。

(4)投資有価証券について

 当社グループは、市場性のある投資有価証券を保有しております。株式の市場価格の変動により、保有する株式の評価損を計上し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(5)退職給付債務

 当社グループにおける退職給付費用及び債務は、割引率、期待収益率等の条件に基づいて算出されておりますが、市場の変化等により運用収益の低下など条件の変更が生じた場合、退職給付債務の積立不足の増加等、費用処理される債務金額が増加することになり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(6)関係会社への投資について

 当社グループは、既存事業の拡大や新規事業への参入等を目的として、関係会社への投資活動や企業買収を行っております。関係会社への投資につきましては、投資に見合う収益の将来性を検討した上で意思決定をしておりますが、内部・外部の不確定要因により、予定した収益が獲得できない場合があります。また企業買収に伴い発生したのれんについては、将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、期待する成果が得られない場合は、減損損失を計上する可能性があります。これらの要因により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(7)他社との提携関係

 当社グループは、海外の事業(ピストンリング、シリンダライナ、焼結、樹脂製品等の製造・販売)に関して国内外の他企業と戦略的提携関係を結んでおります。各海外拠点については、事業リスクの分散を図るため、他企業と合弁会社の形で進出しております。これら提携している企業が戦略上の目標を変更した場合、あるいは当社グループとの提携関係を望まなくなった場合、当社グループの海外事業に支障が出る可能性があります。

(8)法的規制等について

 当社グループが事業を海外展開する各国において、規制の変更、法令の適用及び行政上の運用の変更など様々なリスクにさらされています。これらを遵守できなかった場合、事業の活動が制限され、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(9)災害等について

 当社グループは、国内外に生産拠点があり、地震等の災害が発生し、生産の停止、設備の損壊等の不測の事態が発生した場合には、当社グループ製品の生産に影響を与える可能性があります。加えて、災害発生時のサプライチェーン寸断により、自動車メーカーの生産が停止する事態が発生した場合にも、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。

(10)環境規制について

 当社グループは、環境汚染の防止には万全を期しておりますが、環境に影響を及ぼす物質等の使用があり、不測の事態により排出量が規制の基準値を超える可能性があります。これらに対する環境規制及び基準に対する義務や負担は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

(1)合弁事業契約

相手先名

国名

合弁会社名

出資比率

(%)

契約年月日

契約の内容

T&N INVESTMENT

LTD.,UK

中国

安慶帝伯格茨活塞環有限公司

35.7

平成8年4月1日

ピストンリングの製造及び販売

安徽環新集団有限公司

T&N INVESTMENT

LTD.,UK

インド

FEDERAL-MOGUL TPR(INDIA)LIMITED

(フェデラル・モーグルTPR(インディア)社)

24.5

平成9年5月28日

ピストンリングの製造及び販売

GOETZE(INDIA)LTD

FEDERAL-MOGUL

POWERTRAIN INC

米国

FEDERAL-MOGUL TP LINERS INC

(フェデラル・モーグル テーピ ライナーズ社)

54.0

平成11年6月10日

シリンダライナの製造及び販売

安徽環新集団有限公司

輝門(中国)有限公司

 

中国

安慶帝伯粉末冶金有限公司

50.1

平成11年12月27日

焼結製バルブシートの製造及び販売

FEDERAL-MOGUL

CORPORATION

FEDERAL-MOGUL

PISTON RING INC

米国

UNITED PISTON RING INC

(ユナイテッド ピストンリング社)

93.2

平成13年9月28日

ピストンリングの製造及び販売

南京航海航標装備総廠

中国

南京帝伯熱学有限公司

60.0

平成14年7月10日

温度調節弁等の製造及び販売

柳成企業社

韓国

Y&T POWER TECH .,INC

(Y&Tパワーテック社)

40.0

平成14年10月1日

シリンダライナの製造及び販売

FEDERAL-MOGUL

BURSCHEID GmbH

ドイツ

FEDERAL-MOGUL TP EUROPE

GmbH & Co KG.

(フェデラル・モーグル テーピ ヨーロッパ社)

33.3

平成14年10月29日

ピストンリングの製造及び販売

FEDERAL-MOGUL

INVESTMENT,LTD

トルコ

FEDERAL-MOGUL TP LINER

EUROPE OTOMOTIV LTD.STI.

(フェデラル・モーグル テーピ ライナ ヨーロッパ社)

50.0

平成15年10月9日

シリンダライナの製造及び販売

安慶帝伯格茨活塞環有限公司

安徽環新集団有限公司

中国

安慶帝伯格茨缸套有限公司

41.7

平成16年7月13日

シリンダライナの製造及び販売

安徽環新集団有限公司

中国

安慶安帝技益精機有限公司

60.0

平成17年1月10日

ピストンリング、シリンダライナ用機械の設計、施工、管理

 

 

相手先名

国名

合弁会社名

出資比率

(%)

契約年月日

契約の内容

柳成企業社

中国

柳伯安麗活塞環有限公司

35.0

平成17年2月23日

ピストンリングの製造及び販売

安徽環新集団有限公司

Manoyontchai Co.,Ltd.

MHCB Consulting

(Thailand)Ltd.

タイ

TPR ASIAN SALES(THAILAND)LTD.

(TPRアシアンセールス(タイランド)社)

49.0

平成17年2月28日

ピストンリング、シリンダライナ等の販売

岡谷電機産業㈱

日本

TOCキャパシタ株式会社

56.3

平成23年3月28日

電気二重層キャパシタの開発

FEDERAL-MOGUL

POWERTRAIN,INC.

米国

TPR FEDERL-MOGUL TENNESSEE,

INC.

(TPR フェデラル・モーグルテネシー社)

54.0

平成24年5月1日

シリンダライナの製造及び販売

安徽環新集団有限公司

中国

中国帝伯功能塑料有限公司

60.0

平成25年11月1日

複合プラスチック製品等

 

 

6【研究開発活動】

 当社グループでは、「環境技術を極め、世界市場で勝ち抜くオンリーワン商品の創出」を主テーマとして研究開発活動を進めております。

 当連結会計年度に発生した研究開発費は、TPRグループ(除くファルテックグループ)において2,568百万円、ファルテックグループにおいて2,167百万円であり、当社グループ合計では4,736百万円でした。

 主力のパワートレイン部品では、業界トップを目指しエコカーの低燃費、低価格化と信頼性の両立という厳しい要求に応えるべく、

・機能面では低フリクション化、熱制御、軽量化への取り組みに加え、地球に優しい排気ガスクリーン化、代替燃料

 (バイオ、CNG)使用へ対応した新製品の開発

・製造面では製品の高精度化に対応したインラインでの計測自動化、革新的コストダウン、生産エネルギーの極小化へ

 対応した新工法の開発

を重点に開発を進めております。

 また海外拠点への新技術の移転構築、海外提携会社との協業による世界同一品質の実現と海外顧客への新製品及び新技術PRも積極的に取り組んでおります。

 一方急速なEV化に対応し、非パワートレイン部品への取り組みも強化し、アルミ、樹脂を中心とした軽量化複合製品とゴムを中心としたシール製品への新技術導入を積極的に行い、先行他社と製品機能、価格で競争出来る開発体制作りと、新事業分野の探索を推進しております。

 これらの研究開発活動を支える基盤整備として、解析評価設備や実機試験設備の整備拡充、設計開発業務の効率化、技術者教育体制と外部研究機関の活用の強化を実施してまいりました。

 開発の主な成果は次のとおりであります。

(1)自動車関連製品事業

① パワートレイン部品

Ⅰ ピストンリング

・超低フリクション&低LOCリングの製品化 (低燃費対応)

・高機能オイルリングの製品化 (信頼性向上)

・ピストンリング革新的コストダウン製造ラインの構築 (低価格対応)

Ⅱ シリンダライナ

・小型エンジン用薄肉、高熱伝導ライナの製品化 (低燃費対応、信頼性向上)

・熱制御ライナの製品化(低フリクション対応)

・高強度ライナの製品化(信頼性向上)

Ⅲ バルブシート、バルブガイド

・高耐摩耗バルブシート材料の製品化 (代替燃料対応)

・バルブシート革新的コストダウン製造ラインの構築(低価格対応)

・焼結バルブガイドの製品化

② 非パワートレイン部品

Ⅰ アルミ製品

新鋳造方案構築及び設備導入実施による

・スポーツバイク用超薄肉中空アルミホイール製品化

・4輪アフター向けアルミホイールの製品化

・船用ギアケースの製品化

遠心鋳造スパイニ計上FC材の応用による

・アルミブレーキドラムの製品化

Ⅱ 焼結機械製品

・ターボチャージャー用小径シールリング革新的コストダウンライン構築(低価格対応)

Ⅲ 樹脂、ゴム製品

・変速機用樹脂シールリングの製品化

・船外機エプロンの製品化

・電磁弁スプール樹脂化及びゴムシール部品の高精度化

 

(2)研究開発の基盤整備

① 単体機能評価試験の高精度化(摩擦摩耗、信頼性評価)

② エンジン実機評価設備の高精度化と拡充

③ シミュレーションシステムの構築

④ 設計開発支援システムの構築

 なお、ファルテックグループでは、先行開発のスピードアップをテーマに研究開発活動に取り組んでおります。新商品の開発に当たっては、5つのコア技術(成形・加飾・組立・金属加工・ライティング)を3つの開発方針(表面処理・コスト競争力・環境対応)に沿って強化・発展させます。

 自動車外装部品では、新技術/商品を継続的に創出提案することを目指しております。

 自動車用品では、市場調査により、顧客のニーズを先取りし「魅力ある商品」「新機能商品」の具現化に向け開発を推進しております。

 自動車関連機器では、市場競争力強化及び顧客からの要望に応じ、高効率化・省力化・原価低減を念頭に置き、開発に取り組んでおります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表作成に係る重要事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。

 当社グループは、貸倒引当金、環境対策引当金、退職給付会計、税効果会計、投資の減損等、これらの見積もりについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積もり特有の不確実性があるため、これらの見積もりと異なる場合があります。

 特に退職給付会計における年金資産の運用利回りや割引率の見積もりや投資の減損については、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があるため、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載しております。

 

(2)当連結会計年度の財政状態の分析

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して45億47百万円減少し、1,965億55百万円となりました。これは主に現金及び預金が49億23百万円、有形固定資産が29億8百万円増加した一方、投資有価証券が39億36百万円、退職給付に係る資産が26億8百万円、出資金が24億75百万円、受取手形及び売掛金が23億80百万円減少したこと等によるものであります。

 負債は、前連結会計年度末と比較して77億51百万円減少し、944億92百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が27億60百万円、繰延税金負債が24億57百万円、長期借入金が19億24百万円減少した等によるものであります。

 純資産は、前連結会計年度末と比較して32億4百万円増加し、1,020億62百万円となりました。これは主に利益剰余金が98億43百万円、非支配株主持分が13億13百万円増加した一方、為替換算調整勘定が31億4百万円、その他有価証券評価差額金が27億99百万円、退職給付に係る調整累計額が23億10百万円減少したこと等によるものであります。

 

(3)当連結会計年度の経営成績の分析

 当連結会計年度における経営成績につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載しております。

 

(4)キャッシュ・フローの状況の分析

「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

(5)経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。