(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「動力機構の高度化を原点として、無限の可能性に挑戦し、優れた技術と価値ある商品の世界への提供を通じて、クリーンでクオリティの高い地球社会の実現に貢献する」ことを企業グループの理念としております。また、ファルテックグループは、「時代をリードする価値ある商品・サービスを提供し、美しく豊かなクルマ社会の実現に貢献する」ことをグループの理念としております。両グループ企業の総力を結集して永続的に発展するべく、努力してまいります。
(2)目標とする経営指標
安定的な事業収益力を示すものとして、営業利益率を重視するとともに、自己資本比率の増大を重要な指標として経営効率の向上を目指してまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当連結会計年度は平成30年(2018年)3月期を最終年度とする17中期経営計画(以下17中計)の最終年度でありました。
「17中計」の目指す姿である「技術力(Technology)・情熱(Passion)・信頼(Reliance)をもって、一段とグローバル化・事業の多角化・イノベーションを進め、価値ある商品を創出し続けるTPRグループの実現」に取り組んでまいりました結果、一定の成果を上げることができました。
次期は、新たに策定しました平成33年(2021年)3月期を最終年度とする20中期経営計画(以下20中計)の達成に向けて邁進してまいります。
「20中計」の目指す姿は「技術力(Technology)・情熱(Passion)・信頼(Reliance)を基盤として、4本の柱(1の柱 パワトレ商品のダントツNo.1を追求、2の柱 新規事業の積極展開をスピードアップ、3の柱 安全・環境・防災の徹底、4の柱 働き甲斐のある職場づくり)を確立するTPRグループの実現」であります。20中計の達成により、株主価値の増大を図ってまいります。
「20中計」の基本戦略は次のとおりです。
「Innovate & Expand / Globally & Speedily」をスローガンに掲げ、17中計で掲げたスローガン「革新と拡大(Innovate & Expand)」をこれまで以上にグローバル且つスピーディーに推し進めて、「イノベーション企業」・「グローバル多角化企業」・「最高品質企業」の実現に向けて取り組んでまいります。
極める(ダントツNo.1)
①市場をリードするダントツ技術の確立
②最高品質の追求
③革新的な生産合理化
④最適調達・物流の実現
拓く(積極展開)
⑤拡販活動と事業の積極展開
⑥変革の加速化
⑦技能・技術移転の推進
支える(全体最適)
⑧企業グループ経営への本格的シフト
⑨グループ安全・環境・防災の徹底
⑩人材育成・働き甲斐ある職場づくり
(4)会社の対処すべき課題
①グループ経営への本格的シフト(グループ・ガバナンス強化を含む)
②グループにおけるコア商品の圧倒的な競争力(性能・品質・コスト)の実現
③拡大する自動車市場でのグローバルシェアアップを実現する営業・開発・生産体制の強化
④新商品の開発・拡大、新事業の創出による、将来の経営基盤の安定化
⑤TPR21パートⅣ活動による生産拠点の革新的ものづくりの実現
⑥上記を支えるグローバル人材の確保・育成と働き甲斐のある職場づくり
(5)株式会社の支配に関する基本方針について
Ⅰ.基本方針
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資する者が望ましいと考えております。もっとも、当社の株主の在り方について当社は、証券取引所への上場により株主は市場での自由な取引を通じて決まるものと考えておりますので、会社を支配する者の在り方は、最終的には株主の皆様全体の意思に基づき決定されるべきものと考えています。
Ⅱ.基本方針の実現に資する取組み
当社は、昭和14年の創業より培ってきた材料・加工・表面処理技術等のものづくりを原点とし、エンジン機能部品メーカーとして、ピストンリング、シリンダライナ、バルブシート等のパワートレイン部品で、世界のお客様に満足していただくべく努力してまいりました。また、近年当社は事業の多角化を推進しており、非金属材料産業への参画を進めています。平成24年4月に株式会社ファルテックに出資、さらに平成29年12月には株式会社ノブカワを子会社化(平成30年4月「TPRノブカワ㈱」に社名変更)し、事業の柱の二本化を図っています。
(企業理念)
わたくしたちは、
動力機構の高度化を原点として、無限の可能性に挑戦し、
優れた技術と価値ある商品の世界への提供を通じて、
クリーンで、クオリティの高い地球社会の実現に貢献します。
(コーポレートガバナンス(企業統治)の推進)
当社は、企業理念(上記)を制定し、地球社会の一員としての企業を発展させるべく、コーポレートガバナンス(企業統治)の充実に努めています。
① 基本規程として「TPRグループコンプライアンス基本規程」を策定し、企業理念の精神を具体化した役員及び社員の行動指針として定めています。更に、全社横断組織としてコンプライアンス委員会を設置するなど、企業統治に関する組織、規程を充実させ、企業の透明性、効率性、健全性を向上するべく推進しています。
② 経営の体制として、業務執行と監督機能区分を明確化するため、執行役員制度を平成17年より導入し、更に平成23年からは、会長兼CEOと社長兼COOを新設しました。また、平成28年から取締役会の社外取締役を2名に増員、同じく平成28年から監査役会は5名の内3名を社外監査役とし、経営及び監査役監査の透明性、公平性を確保しています。
Ⅲ.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み(以下「本対応策」という)
① 本対応策導入の目的
上記Ⅰ.に述べた基本方針に照らして不適切な者によって大規模な当社株式の買付行為(以下「大規模買付行為」という)が行われ、当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして導入したものです。
② 大規模買付ルールの概要
当社取締役会が設定する大規模買付ルールとは、事前に大規模買付行為を行う者(以下「大規模買付者」という)が取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、取締役会による一定の評価期間が経過した後に大規模買付行為を開始する、というものです。
③ 大規模買付行為がなされた場合の対応
ⅰ)大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該買付提案についての反対意見を表明したり、代替案を提示することにより、株主の皆様を説得するに留め、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置はとりません。
ⅱ)大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合
大規模買付者により、大規模買付ルールが遵守されなかった場合には、取締役会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として、新株予約権の無償割当等、会社法その他の法律及び当社定款が認める対抗措置をとり、大規模買付行為に対抗する場合があります。
ⅲ)独立委員会の設置
対抗措置を講じるか否かについては、取締役会が最終的な判断を行いますが、本対応策を適正に運用し、取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の客観性及び合理性を担保するため、独立委員会規程を定めるとともに、独立委員会を設置しました。
④ 株主・投資家に与える影響等
大規模買付ルールは、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や、現に当社の経営を担っている当社取締役会の意見を提供し、株主の皆様が代替案の提示を受ける機会を保証することを目的としています。これにより株主の皆様は、十分な情報のもとで、大規模買付行為に応じるか否かについて適切な判断をすることが可能となり、そのことが当社の企業価値ひいては株主共同の利益の保護につながるものと考えます。
⑤ 本対応策の適用開始、有効期限、継続及び廃止
本対応策は、平成19年2月8日に当社取締役会の決議をもって同日より発効し、平成19年6月28日に開催された第74回定時株主総会において承認いただきました。その後、平成22年6月25日開催の第77回定時株主総会および平成25年6月27日開催の第80回定時株主総会および平成28年6月29日開催の第83回定時株主総会において継続承認いただいて、平成31年6月開催予定の定時株主総会終結時までの有効期限で継続しております。
Ⅳ.本対応策が基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでないことについて
① 買収防衛策に関する指針の要件を充足していること
本対応策は、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針の定める三原則を充足しています。また、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も踏まえたものとなっています。
② 株主意思を重視するものであること
本対応策は、当社取締役会決議にて決定いたしましたが、平成19年6月28日開催の第74回定時株主総会、平成22年6月25日開催の第77回定時株主総会、平成25年6月27日開催の第80回定時株主総会及び平成28年6月29日開催の第83回定時株主総会にて株主の皆様のご承認をいただいたことで、株主の皆様のご意向が反映されたものとなっております。
③ 独立性の高い社外者の判断の重視と情報開示
本対応策における対抗措置の発動等の運用に際しての実質的な判断は、独立性の高い社外者のみから構成される独立委員会により行われることとされています。
また、その判断の概要については株主の皆様に情報開示をすることとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に適うように本対応策の透明な運用が行われる仕組みが確保されています。
④ 合理的な客観的要件の設定
本対応策における対抗措置の発動は、上記Ⅲ.③「大規模買付行為がなされた場合の対応」にて記載したとおり、合理的な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しているものといえます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)競合について
当社グループが主に事業展開するピストンリング、シリンダライナ、焼結、樹脂製品の業界は、世界的な自動車メーカーの価格競争の激化から品質及び価格はより厳しいものになっております。当社グループは自動車メーカーの開発段階から品質、技術、価格の面で顧客ニーズに沿い優位性を保つ努力をしておりますが、品質、技術、価格面での競争は一段と厳しくなっております。当社グループとしては経営の効率化を図ることで柔軟に変化に対応し、市場機会を失うことがないように努力しておりますが、安定的に保証されているわけではありません。市場機会を失った場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2)原材料価格変動の影響について
当社グループの主力製品であるピストンリング、シリンダライナ、焼結、樹脂製品の原材料の価格は、需給バランスの変化に起因する市況変動の影響を受ける可能性があります。当社グループは原材料の仕入先の集約、前倒し購入等市況変動の軽減を図っておりますが、市況変動が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3)為替相場の変動
当社グループは、世界各国で自動車関連部品をはじめとした事業を展開しており、多通貨取引が発生します。外貨建て商取引及び投資活動等は、為替変動が起きた場合には、当社グループの経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。
また、在外連結子会社及び持分法適用会社の財務諸表は、当社の連結財務諸表作成のために円換算しております。従いまして、現地通貨における価値が変わらない場合でも、円換算後の価値に影響を及ぼす可能性があります。
(4)投資有価証券について
当社グループは、市場性のある投資有価証券を保有しております。株式の市場価格の変動により、保有する株式の評価損を計上し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)退職給付債務
当社グループにおける退職給付費用及び債務は、割引率、期待収益率等の条件に基づいて算出されておりますが、市場の変化等により運用収益の低下など条件の変更が生じた場合、退職給付債務の積立不足の増加等、費用処理される債務金額が増加することになり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(6)関係会社への投資について
当社グループは、既存事業の拡大や新規事業への参入等を目的として、関係会社への投資活動や企業買収を行っております。関係会社への投資につきましては、投資に見合う収益の将来性を検討した上で意思決定をしておりますが、内部・外部の不確定要因により、予定した収益が獲得できない場合があります。また企業買収に伴い発生したのれんについては、将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、期待する成果が得られない場合は、減損損失を計上する可能性があります。これらの要因により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)他社との提携関係
当社グループは、海外の事業(ピストンリング、シリンダライナ、焼結、樹脂製品等の製造・販売)に関して国内外の他企業と戦略的提携関係を結んでおります。各海外拠点については、事業リスクの分散を図るため、他企業と合弁会社の形で進出しております。これら提携している企業が戦略上の目標を変更した場合、あるいは当社グループとの提携関係を望まなくなった場合、当社グループの海外事業に支障が出る可能性があります。
(8)法的規制等について
当社グループが事業を海外展開する各国において、規制の変更、法令の適用及び行政上の運用の変更など様々なリスクにさらされています。これらを遵守できなかった場合、事業の活動が制限され、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(9)災害等について
当社グループは、国内外に生産拠点があり、地震等の災害が発生し、生産の停止、設備の損壊等の不測の事態が発生した場合には、当社グループ製品の生産に影響を与える可能性があります。加えて、災害発生時のサプライチェーン寸断により、自動車メーカーの生産が停止する事態が発生した場合にも、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(10)環境規制について
当社グループは、環境汚染の防止には万全を期しておりますが、環境に影響を及ぼす物質等の使用があり、不測の事態により排出量が規制の基準値を超える可能性があります。これらに対する環境規制及び基準に対する義務や負担は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑴ 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績)
当連結会計年度を取り巻く経済環境は、不安定・不透明要因を抱えながらも、総じて穏やかな景気回復で推移致しました。我が国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が持ち直し、設備投資や輸出も増加したことから、穏やかな回復基調で推移致しました。世界経済は、中国の経済成長の鈍化や米国・欧州の政治・政策リスク、中東や北朝鮮などの地政学的リスクはあるものの、米国で景気の回復が続き、中国をはじめとするアジアも景気の持ち直しが見られるなど、総じて回復基調となりました。
当社グループが主として関連する自動車業界におきましては、国内は小型車を中心に販売が回復し、輸出も増加致しました。海外も米国で販売が減少したものの、アジア・欧州で需要が増加し、世界の自動車生産台数は前期に比べて増加致しました。
こうした経済環境のもと、当連結会計年度の売上高は6.8%増の1,873億円となりました。利益面では、連結子会社である株式会社ファルテックにおける過年度の不適切な会計処理に係る修正があったものの、売上増による増産効果と継続的な原価低減活動の推進、経費圧縮等を実行し、営業利益、経常利益ともに増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度において投資有価証券売却益などの一時的要因があったことにより減少致しました。
当連結会計年度の業績数値につきましては、次のとおりであります。
売上高 1,873億98百万円 (前年同期比 6.8%増)
営業利益 207億75百万円 ( 〃 1.3%増)
経常利益 240億23百万円 ( 〃 3.0%増)
親会社株主に帰属する当期純利益 121億54百万円 ( 〃 1.0%減)
セグメントの業績概況は、次のとおりであります。
<TPRグループ(除くファルテックグループ)>
a.日本
日本は、国内自動車生産台数の増加等により、売上高は457億6百万円で前期に比べて36億30百万円の増収となりました。セグメント利益は原材料の高騰等により52億84百万円で前期に比べて3億79百万円の減益となりました。
b.アジア
アジア地域は、中国やインドで自動車生産台数が増加したこと等により、売上高は359億7百万円で前期に比べて33億26百万円の増収となりました。セグメント利益は116億14百万円で前期に比べて7億79百万円の増益となりました。
c.北米
北米地域は、米国で受注が増加したことや為替の影響等により、売上高は154億44百万円で前期に比べて4億36百万円の増収となりました。セグメント利益は原材料の高騰や製品構成の変化等により18億4百万円で前期に比べて2億77百万円の減益となりました。
d.その他地域
その他地域は、欧州の市場回復や南米の受注増加等により、売上高は28億47百万円で前期に比べて6億1百万円の増収となりました。セグメント利益は8億98百万円で前期に比べて3億81百万円の増益となりました。
<ファルテックグループ>
国内自動車生産台数の増加並びにミリ波レーダーカバーや電装品など新商品の受注増加等により、売上高は874億93百万円で前期に比べて40億5百万円の増収となりました。セグメント利益は過年度の不適切な会計処理に係る修正等により9億25百万円で前期に比べて6億55百万円の減益となりました。
(財政状態)
a.総資産
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して251億90百万円増加し、2,341億22百万円となりました。これは主に現金及び預金が89億61百万円、有形固定資産が36億90百万円、投資有価証券が36億9百万円、受取手形及び売掛金が35億5百万円、出資金が18億76百万円、退職給付に係る資産が8億60百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
b.負債
負債は、前連結会計年度末と比較して93億60百万円増加し、1,028億96百万円となりました。これは主に短期借入金が54億24百万円、支払手形及び買掛金が15億43百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
c.純資産
純資産は、前連結会計年度末と比較して158億29百万円増加し、1,312億26百万円となりました。これは主に利益剰余金が103億9百万円、非支配株主持分が22億65百万円、その他有価証券評価差額金が16億58百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較して59億77百万円増加し、373億12百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、268億82百万円(前年同期比2.8%減)となりました。主な資金の増加は、税金等調整前当期純利益227億73百万円、減価償却費102億11百万円、仕入債務の増加額18億61百万円、主な資金の減少は、法人税等の支払額56億61百万円、持分法による投資利益23億12百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、197億34百万円(前年同期比62.7%増)となりました。主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出145億25百万円、定期預金の預入による支出33億52百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出24億74百万円、有形及び無形固定資産の売却による収入17億68百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、15億38百万円(前年同期比82.6%減)となりました。主な内訳は、長期借入金の返済による支出88億68百万円、リース債務の返済による支出15億66百万円、非支配株主への配当金の支払額35億49百万円、配当金の支払額18億45百万円、短期借入金の純増額84億54百万円、長期借入による収入56億98百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
TPRグループ(除くファルテックグループ) |
日本(百万円) |
47,675 |
97.23 |
|
アジア(百万円) |
27,471 |
120.77 |
|
|
北米(百万円) |
13,237 |
114.25 |
|
|
その他地域(百万円) |
1,224 |
101.83 |
|
|
計 |
89,608 |
105.96 |
|
|
ファルテックグループ(百万円) |
75,767 |
107.89 |
|
|
合計(百万円) |
165,375 |
106.83 |
|
(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
確定受注は主に納期直前であり、販売実績と重要な相違は無いため記載は省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
TPRグループ(除くファルテックグループ) |
日本(百万円) |
45,706 |
108.62 |
|
アジア(百万円) |
35,907 |
110.21 |
|
|
北米(百万円) |
15,444 |
102.90 |
|
|
その他地域(百万円) |
2,847 |
126.79 |
|
|
計 |
99,905 |
108.69 |
|
|
ファルテックグループ(百万円) |
87,493 |
104.79 |
|
|
合計(百万円) |
187,398 |
106.84 |
|
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
日産自動車㈱ |
23,300 |
13.3 |
25,449 |
13.6 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
⑵ 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高
売上高は、日本・アジアなどの自動車生産台数増加等により、前期に比べて120億円増加(6.8%)の1,873億98百万円となりました。
b.営業利益
営業利益は、㈱ファルテックにおける過年度の不適切な会計処理に係る修正があったものの、売上増による増産効果と継続的な原価低減活動の推進、経費圧縮等を実行し、前期に比べて2億60百万円増加(1.3%)の207億75百万円となりました。
c.営業外損益
営業外収益は、受取配当金の増加等により、前期に比べて1億64百万円増加(4.2%)の40億62百万円となりました。
営業外費用は、支払利息及び為替差損の減少等により、前期に比べて2億84百万円減少(△25.9%)の8億14百万円となりました。
d.経常利益
経常利益は、前期に比べて7億10百万円増加(3.0%)の240億23百万円となりました。
e.特別損益
特別利益は、前期において、投資有価証券売却益の一時的要因があったこと等により、前期に比べて9億7百万円減少(△84.2%)の1億70百万円となりました。
特別損失は、㈱ファルテックにおける不適切な会計処理に伴う特別調査費用の計上等により、前期に比べて4億38百万円増加(44.6%)の14億20百万円となりました。
f.法人税等合計
法人税等合計は、税金等調整前当期純利益の減少等により、前期に比べて2億98百万円減少(△5.7%)の49億36百万円となりました。
g.当期純利益
当期純利益は、前期に比べて3億37百万円減少(△1.9%)の178億37百万円となりました。
h.非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、㈱ファルテックにおける過年度の不適切な会計処理に係る修正等により、前期に比べて2億11百万円減少(△3.6%)の56億82百万円となりました。
i.親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比べて1億26百万円減少(△1.0%)の121億54百万円となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
運転資金需要及び設備投資・出資資金などの長期資金需要に対しては、手元資金を充当することとし、必要に応じて金融機関からの借入によって調達しております。資金調達に当たっては、調達コスト及び長期と短期のバランスを見ながら資金調達活動を行っております。また、グループ内ファイナンスの活用による効率的な資金運用を行っております。
現金及び預金の残高は、事業規模に応じた適正額を維持することとしております。また、事業及び金融リスクに対応するため、取引銀行と当座貸越契約を締結し、手元流動性を確保しております。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、平成30年(2018年)3月期を最終年度とする中期経営計画「17中計」では、平成30年3月期の財務目標を売上高1,933億円、営業利益260億円としておりましたが、売上高は為替の影響等により60億円未達成(△3.1%)の1,873億円、営業利益は為替の影響に加えて、㈱ファルテックにおける過年度の不適切な会計処理に係る修正及び同社の英国子会社の新車立上げ費用増加等の影響により53億円未達成(△20.3%)の207億円となりました。
なお、平成33年(2021年)3月期を最終年度とする中期経営計画「20中計」では、平成33年3月期の財務目標を売上高2,058億円、営業利益240億円としており、当該目標の達成に向けて邁進してまいります。
(1)合弁事業契約
|
相手先名 |
国名 |
合弁会社名 |
契約年月日 |
契約の内容 |
|
FEDERAL-MOGUL UK INVESTMENT LIMITED |
中国 |
安慶帝伯格茨活塞環有限公司 |
平成8年4月1日 |
ピストンリングの製造及び販売 |
|
安徽環新集団有限公司 |
||||
|
FEDERAL-MOGUL UK INVESTMENTS LIMITED |
インド |
FEDERAL-MOGUL TPR(INDIA)LIMITED (フェデラル・モーグルTPR(インディア)社) |
平成9年5月28日 |
ピストンリングの製造及び販売 |
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FEDERAL-MOGUL GOETZE(INDIA)LIMITED |
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FEDERAL-MOGUL POWERTRAIN INC. |
米国 |
FEDERAL-MOGUL TP LINERS INC (フェデラル・モーグル テーピ ライナーズ社) |
平成11年6月10日 |
シリンダライナの製造及び販売 |
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安徽環新集団有限公司 輝門(中国)有限公司
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中国 |
安慶帝伯粉末冶金有限公司 |
平成11年12月27日 |
焼結製バルブシートの製造及び販売 |
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FEDERAL-MOGUL CORPORATION FEDERAL-MOGUL PISTON RING,INC. |
米国 |
UNITED PISTON RING INC (ユナイテッド ピストンリング社) |
平成13年9月28日 |
ピストンリングの製造及び販売 |
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南京航海航標装備総廠 |
中国 |
南京帝伯熱学有限公司 |
平成14年7月10日 |
温度調節弁等の製造及び販売 |
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柳成企業社 |
韓国 |
Y&T POWER TECH .,INC (Y&Tパワーテック社) |
平成14年10月1日 |
シリンダライナの製造及び販売 |
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FEDERAL-MOGUL BURSCHEID GmbH |
ドイツ |
FEDERAL-MOGUL TP EUROPE GmbH & Co KG. (フェデラル・モーグル テーピ ヨーロッパ社) |
平成14年10月29日 |
ピストンリングの製造及び販売 |
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FEDERAL-MOGUL INVESTMENT LTD. |
トルコ |
FEDERAL-MOGUL TP LINER EUROPE OTOMOTIV LTD.STI. (フェデラル・モーグル テーピ ライナ ヨーロッパ社) |
平成15年10月9日 |
シリンダライナの製造及び販売 |
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安慶帝伯格茨活塞環有限公司 安徽環新集団有限公司 |
中国 |
安慶帝伯格茨缸套有限公司 |
平成16年7月13日 |
シリンダライナの製造及び販売 |
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安徽環新集団有限公司 |
中国 |
安慶安帝技益精機有限公司 |
平成17年1月10日 |
ピストンリング、シリンダライナ用機械の設計、施工、管理 |
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相手先名 |
国名 |
合弁会社名 |
契約年月日 |
契約の内容 |
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柳成企業社 |
中国 |
柳伯安麗活塞環有限公司 |
平成17年2月23日 |
ピストンリングの製造及び販売 |
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安徽環新集団有限公司 |
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Manoyontchai Co.,Ltd. MHCB Consulting (Thailand)Co.,Ltd. |
タイ |
TPR ASIAN SALES(THAILAND)LTD. (TPRアシアンセールス(タイランド)社) |
平成17年2月28日 |
ピストンリング、シリンダライナ等の販売 |
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岡谷電機産業㈱ |
日本 |
TOCキャパシタ株式会社 |
平成23年3月28日 |
電気二重層キャパシタの開発 |
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FEDERAL-MOGUL POWERTRAIN,INC. |
米国 |
TPR FEDERL-MOGUL TENNESSEE, INC. (TPR フェデラル・モーグルテネシー社) |
平成24年5月1日 |
シリンダライナの製造及び販売 |
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安徽環新集団有限公司 |
中国 |
中国帝伯功能塑料有限公司 |
平成25年11月1日 |
複合プラスチック製品等 |
当社グループでは、「環境技術を極め、世界市場で勝ち抜くオンリーワン商品の創出」を主テーマとして研究開発活動を進めております。
当連結会計年度に発生した研究開発費は、TPRグループ(除くファルテックグループ)において3,192百万円、ファルテックグループにおいて2,374百万円であり、当社グループ合計では5,566百万円でした。
主力のパワートレイン部品では、業界トップを目指しエコカーの低燃費、低価格化と信頼性の両立という厳しい要求に応えるべく、
・機能面では低フリクション化、熱制御、軽量化への取り組みに加え、地球に優しい排気ガスクリーン化、代替燃料
(バイオ、CNG)使用へ対応した新製品の開発
・製造面では製品の高精度化に対応したインラインでの計測自動化、革新的コストダウン、生産エネルギーの極小化へ
対応した新工法の開発を重点に活動を進めております。
また海外拠点への新技術の移転構築、海外提携会社との協業による世界同一品質の実現と海外顧客への新製品及び新技術PRも積極的に取り組んでおります。
一方急速なEV化に対応し、非パワートレイン部品への取り組みも強化し、アルミ、樹脂を中心とした軽量化複合製品とゴムを中心としたシール製品への新技術導入を積極的に行い、先行他社と製品機能、価格で競争出来る開発体制作りと、新事業分野の探索を推進しております。また、ナノ素材開発としては、オープンセル型ポーラス炭素に取り組んでいますが、今回、長尺少層カーボンナノチューブの製造を開始し、CNT素材だけではなく、お客様のニーズに合わせた複合製品の開発を実施する予定です。
これらの研究開発活動を支える基盤整備として、解析評価設備や実機試験設備の整備拡充、設計開発業務の効率化、技術者教育体制と外部研究機関の活用の強化を実施してまいりました。
開発の主な成果は次のとおりであります。
(1)自動車関連製品事業
① パワートレイン部品
Ⅰ ピストンリング
・超低フリクション&低LOCリングの製品化 (低燃費対応)
・高機能オイルリングの製品化 (信頼性向上)
・ピストンリング革新的コストダウン製造ラインの構築 (低価格対応)
Ⅱ シリンダライナ
・小型エンジン用薄肉、高熱伝導ライナの製品化 (低燃費対応、信頼性向上)
・熱制御ライナの製品化(低フリクション対応)
・低フリクション内周面性状の確立(信頼性向上)
Ⅲ バルブシート、バルブガイド
・高耐摩耗バルブシート材料の製品化 (代替燃料対応)
・バルブシート革新的コストダウン製造ラインの構築(低価格対応)
・高熱伝導バルブの製品化
② 非パワートレイン部品
Ⅰ 樹脂、ゴム製品
・変速機用樹脂シールリングの製品化
・船外機トップカウルの製品化
・自動車用ゴムシール部品の製品化
Ⅱ アルミ製品
新鋳造方案構築及び設備導入実施による
・スポーツバイク用超薄肉中空アルミホイール製品化
・4輪アフター向けアルミディスクの製品化
・舶用ギアケースの製品化
遠心鋳造スパイニ形状FC材の応用による
・アルミブレーキドラムの製品化
Ⅲ 焼結機械製品
・ターボチャージャー用小径シールリング革新的コストダウンライン構築(低価格対応)
(2)研究開発の基盤整備
① 単体機能評価試験の高精度化(摩擦摩耗、信頼性評価、シール性評価)
② 高回転時の油膜厚計測技術の構築
③ シミュレーションシステムの構築
④ 設計開発支援システムの構築
なお、ファルテックグループでは、先行開発のスピードアップとOnly-one商品の創出をテーマに研究開発活動に取り組んでおります。新商品の開発に当たっては、5つのコア技術(成形・加飾表面処理・金属加工・電装・通信)を3つの開発方針(コスト競争力・環境対応・ITS)に沿って強化・発展させています。
自動車外装部品と用品では、お客様のニーズや市場調査から、『魅力のある商品』/『新機能商品』を継続的に創出し提案することを目指し、開発に取り組んでおります。
自動車関連機器では、市場競争力強化及び顧客からの要望に応じ、高効率化・省力化・原価低減を念頭に置き、開発に取り組んでおります。