【連結財務諸表注記】

1.報告企業

 日本精工株式会社(以下「当社」という。)は、日本に所在する企業であり、株式会社東京証券取引所に株式を上場しています。

当連結会計年度の連結財務諸表は、当社及びその子会社(以下「当社グループ」という。)、並びに関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する持分により構成されています。現在、当社グループ並びに関連会社及びジョイント・ベンチャーは、産業機械事業、自動車事業を行っています。産業機械事業については、一般産業向けの軸受、精密機器関連製品、状態監視システム等の製造・販売を行っています。自動車事業については、自動車及び自動車部品メーカー向けの軸受、自動変速機用部品等の製造・販売を行っています。

なお、当社は前第1四半期連結会計期間より従来自動車事業に含まれていたステアリング事業を非継続事業に分類しています。詳細は「注記4.セグメント情報」をご覧ください。

当連結財務諸表は、2025年6月23日に代表執行役社長市井明俊によって承認されています。

 

2.作成の基礎

(1) IFRSに準拠している旨

当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。

 

(2) 測定の基礎

連結財務諸表は、公正価値で測定される金融商品等を除き、資産及び負債は取得原価を基礎としています。

 

(3) 機能通貨及び表示通貨

当社グループの各企業が作成する財務諸表に含まれている項目は、その会社が事業活動を行う主要な経済環境における通貨である「機能通貨」を用いて測定しています。本報告書の連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しています。日本円で表示しているすべての財務情報は、百万円未満を切り捨てて記載しています。

 

(4) 未適用の公表済み基準及び解釈指針

連結財務諸表の承認日までに新設または改訂が行われた新基準書及び新解釈指針のうち、当社グループが早期適用していない主なものは、IFRS第18号「財務諸表における表示及び開示」です。IFRS第18号は、IAS第1号「財務諸表の表示」と置き換わり、IAS第1号は廃止されます。IFRS第18号の適用による連結財務諸表への影響は検討中です。(強制適用時期2027年1月1日、当社適用予定時期2028年3月期)

 

(5) 表示方法の変更

 前連結会計年度において、「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に含めていた「定期預金の預入による支出」及び「定期預金の払戻による収入」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記しています。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替を行っています。

 この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に表示していた616百万円は、「定期預金の預入による支出」△1,176百万円、「定期預金の払戻による収入」1,248百万円、「その他」545百万円として組み替えて表示しています。

 

(6) 見積り及び判断の利用

IFRSに準拠した連結財務諸表を作成するにあたり、会計方針の適用、資産・負債及び収益・費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っています。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。なお、これらの見積りや仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの変更による影響は、見積りを変更した会計期間及び将来の会計期間において認識されます。
 

 

 

連結財務諸表上で認識する金額に重要な影響を与える見積り及び判断は次のとおりです。
 

 ① 繰延税金資産の回収可能性 (注記3. 重要性がある会計方針 (11) 法人所得税、注記16. 法人所得税)

(a) 当連結会計年度計上額

 繰延税金資産

26,098

百万円

 

 

 (b)その他見積りの内容に関する理解に資する情報

  1) 算出方法

 将来減算一時差異に対して、将来の収益力に基づく課税所得及びタックス・プランニングに基づき、繰延税金資産の回収可能性を判断しています。課税所得の見積りは予想売上高及び売上成長率を考慮しています。

 

2) 主要な仮定

課税所得の見積りの基礎となる将来の事業計画における主要な仮定は、予想売上高及び売上成長率です。予想売上高は、主要な顧客からの受注見込み計画及び各事業セグメントの市況動向を考慮しています。売上成長率は、利用可能な外部データを参考に市況を考慮して見積っています。

 

  3) 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響

予想売上高及び売上成長率は、経営者による最善の見積りにより算出していますが、将来の不確実な経済条件の変動等の結果によって実際の結果と異なる可能性があり、大幅な見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

 ② 確定給付制度債務の測定 (注記3. 重要性がある会計方針 (12) 退職後給付、注記17. 退職後給付)

(a) 当連結会計年度計上額

 確定給付制度債務の現在価値

156,810

百万円

 

 

(b) その他見積りの内容に関する理解に資する情報

当社及び一部の国内子会社は、従業員の退職後給付に充てるため、確定給付型の年金制度及び退職一時金制度を有しています。また英国等の海外子会社でも確定給付型の制度が一部存続しています。

確定給付制度債務の現在価値及び関連する勤務費用等は、数理計算上の仮定に基づいて算出されています。数理計算上の仮定には、割引率、退職率、死亡率、昇給率等の様々な見積りが含まれています。当社グループは、これらの変数を含む数理計算上の仮定の適切性について、外部の年金数理人から助言を得ています。このような見積りは、経営者による最善の見積りにより行っていますが、将来の不確実な経済条件の変動等の結果や関連法令の改正・公布によって実際の結果と異なる可能性があり、大幅な見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
 

  ③ 金融商品の公正価値測定 (注記3. 重要性がある会計方針 (6) その他の金融資産、注記26. 金融商品) 

 当連結会計年度計上額

6,651

百万円

 

 

当社グループは、特定の金融商品の公正価値を評価する際には、観察可能な市場データに基づかないインプットを利用する評価技法を用いています。観察可能な市場データに基づかないインプットは、将来の不確実な経済条件の変動等の結果によって影響を受ける可能性があり、大幅な見直しが必要となった場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

 

 

3.重要性がある会計方針

連結財務諸表の作成にあたって採用した主要な会計方針は次のとおりです。これらの方針は、特に断りのない限り、表示されている全報告期間に継続して適用されています。

 

(1) 連結の基礎

① 子会社

子会社とは、当社により支配されている企業をいいます。支配とは投資先に対するパワーを有し、投資先への関与により生じるリターンの変動に晒され、かつ投資先に対するパワーを通じてリターンに影響を及ぼす能力を有している場合をいいます。当社は、子会社に対する支配を獲得した日から当該子会社を連結し、支配を喪失した日から連結を中止しています。

主要な連結子会社については、「第1 [企業の概況] 4 [関係会社の状況]」に記載しています。

 

② 関連会社

関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配又は共同支配をしていない企業をいいます。当社グループが他の企業の議決権の20%以上50%以下を保有する場合は、当該企業に対して重要な影響力を有していると推定されています。関連会社への投資は、持分法を用いて会計処理しており、取得時に取得原価で認識しています。

 

③ ジョイント・ベンチャー

ジョイント・ベンチャーとは、共同支配を有する当事者が他の企業等の純資産に対する権利を有するジョイント・アレンジメントをいいます。ジョイント・ベンチャーへの投資は、持分法を用いて会計処理しています。

 

(2) 企業結合

企業結合については、取得法によって会計処理しています。企業結合により取得した識別可能な資産、引き受けた負債、被取得企業の非支配持分及びのれんは、取得日(被取得企業に対する支配を獲得した日)に認識しています。取得した識別可能な資産及び引き受けた負債は、原則として公正価値で測定しています。被取得企業の非支配持分は、被取得企業の識別可能純資産に非支配持分比率を乗じた金額で測定しています。

のれんは、企業結合で移転された対価(条件付対価含む)の公正価値と被取得企業の非支配持分の合計額が、被取得企業の識別可能な資産、及び引き受けた負債の正味の金額を超過する金額として測定しています。反対に下回る場合には、取得日において純損益として認識しています。

 

(3) 外貨換算

① 外貨建取引

外貨建取引は、取引日の直物為替レート又はそれに近似するレートを用いて機能通貨に換算しています。

期末における外貨建貨幣性資産及び負債はすべて期末日の直物為替レートを用いて機能通貨に再換算し、その結果生ずる差額を純損益として認識しています。

 

② 在外営業活動体の財務諸表

在外営業活動体の資産及び負債は、期末日の直物為替レート、収益及び費用は、期中の平均為替レートを用いて日本円に換算しています。

 在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額は、その他の包括利益で認識しています。在外営業活動体を処分する場合、当該在外営業活動体に関連する為替換算差額の累計額は、処分時に純損益として認識しています。

 

(4) 現金及び現金同等物

現金及び現金同等物は、手許現金、要求払預金、取得日から満期が3か月以内のその他の流動性の高い短期投資で構成されています。

 

 

(5) 棚卸資産

棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い価額により測定しており、原価は、原材料費、直接労務費、その他の直接費及び関連する製造間接費の適切な配賦額から構成されています。正味実現可能価額は、予想売価から、販売に要する見積費用を控除して算定しています。

商品、製品、仕掛品、原材料の原価は加重平均法により、貯蔵品の原価は先入先出法により算定しています。

 

(6) その他の金融資産

① 当初認識及び測定分類

金融資産については、契約条件の当事者となった時点(約定日)において認識を行っており、償却原価で測定される金融資産と、純損益又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類し、当初認識時にその分類を決定しています。金融資産は、以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定される金融資産に分類しています。

・契約上のキャッシュ・フローの回収を目的とするビジネスモデルに基づいて保有されている。

 ・契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみであるキャッシュ・フローが、特定の日に生

  じる。

「償却原価で測定される金融資産」以外の金融商品は「公正価値で測定される金融資産」に分類しています。公正価値で測定される金融資産は、売買目的で保有される資本性金融資産及びデリバティブ資産を除いて、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するか、純損益を通じて公正価値で測定するかを指定し、継続的に適用しています。

 

② 事後測定

「償却原価で測定される金融資産」は、実効金利法による償却原価により測定しています。「公正価値で測定される金融資産」のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定したものについては、公正価値の変動額をその他の包括利益として認識しており、純損益を通じて公正価値で測定すると指定したものについては純損益として認識しています。なお、当該資産からの配当金については、金融収益として認識しています。

 

③ 金融資産の減損

償却原価で測定する金融資産等に係る減損については、当該金融資産に係る予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しています。

各報告日において、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価しており、当該信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で測定しています。また、当該金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。

 但し、営業債権やリース債権については、常に貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。 

金融商品の予想信用損失は、以下のものを反映する方法で見積っています。

・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額

・貨幣の時間価値

・過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコストや労力を掛
  けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報

 

④ 認識の中止

金融資産からのキャッシュ・フローを受領する権利が消滅する場合、又は金融資産のキャッシュ・フローを受取る契約上の権利を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値が実質的に移転する場合に、金融資産の認識を中止しています。

 

 

(7) 有形固定資産

当社グループは、有形固定資産の測定にあたり「原価モデル」を採用しています。有形固定資産項目は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した帳簿価額で表示されています。

土地及び建設仮勘定以外の有形固定資産については、定額法で減価償却を行っています。

 

主要な資産項目ごとの見積耐用年数は、次のとおりです。 

・建物及び構築物     2-60年

・機械装置        5-12年

・車両運搬具       4- 7年 

・工具器具及び備品    2-20年

 

なお、有形固定資産の見積耐用年数、減価償却方法及び残存価額は、各連結会計年度末において見直しを行っています。

 

(8) のれん及び無形資産

① のれん

当初認識時における測定については、「3.重要性がある会計方針 (2) 企業結合」に記載しています。のれんは取得原価から減損損失累計額を控除した帳簿価額で表示されています。

 

② 無形資産

無形資産の測定は「原価モデル」を採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した帳簿価額で表示しています。個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しており、企業結合で取得した無形資産の取得原価は、取得日現在における公正価値で測定しています。耐用年数を確定できる無形資産は、見積耐用年数にわたって定額法で償却しています。

 

主要な資産項目ごとの見積耐用年数は、次のとおりです。

・ソフトウェア      5-10年

・顧客関連資産        21年

・技術関連資産        10年 

 

なお、償却方法及び見積耐用年数は、各連結会計年度末に見直しを行っています。

 

(9) リース

当社グループは、借手として、契約の開始時に当該契約がリース又はリースを含んだものであるかどうかを判定しています。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転している場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいると判定しています。リース又はリースを含んだものである契約について、リースの開始日に使用権資産及びリース負債を認識しています。
 
① リース負債
 リース負債は、リースの開始日において、同日現在で支払われていないリース料の現在価値で測定しています。現在価値の測定に際してはリースの計算利子率もしくは借手の追加借入利子率を使用しています。開始日後においては、リース負債に係る金利や、支払われたリース料を反映するように、リース負債の帳簿価額を増減させ測定しています。リース負債に係る金利は、リース負債残高に対して毎期一定の率の金利を生じさせる金額で、金融費用として認識しています。

 

 

② 使用権資産

使用権資産は、リースの開始日において取得原価で測定しています。取得原価は、リース負債の当初測定の金額、開始日以前に支払ったリース料から受け取ったリース・インセンティブを控除したもの、発生した当初直接コスト等を調整した金額で構成されています。開始日後においては、「原価モデル」を採用し、使用権資産を取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で測定しています。使用権資産は、主にリース期間にわたり定額法により減価償却を行っています。
 
 短期リース及び原資産が少額であるリースについて、リース料をリース期間にわたり定額法により費用計上しています。
 当社グループは、使用権資産を有形固定資産又は無形資産として、リース負債を流動又は非流動の金融負債として連結財政状態計算書に表示しています。

 

(10) 非金融資産の減損

有形固定資産及び無形資産について、各報告期間の末日現在で減損している可能性を示す兆候がある場合、減損テストを実施しています。耐用年数が確定できない無形資産及びのれんは償却せず、毎期、及び減損の兆候がある場合にはその都度減損テストを実施しています。

減損テストを実施する際には、資産が他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の単位を資金生成単位とし、減損の判定は資産、資金生成単位又はそのグループごとに内部振替価格を必要に応じて調整したうえで実施しています。資産又は資金生成単位で回収可能価額を処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額で評価し、資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を上回る場合、回収可能価額まで減損しています。

なお、減損を計上した資産(のれんを除く)については、過年度に認識した減損損失がもはや存在しないか、又は減少している可能性を示す兆候があるか否かを評価し、そのような兆候が存在する場合には、報告期間の末日現在で再評価を行い、当初認識した減損損失の減少額を純損益として戻し入れています。

 

(11) 法人所得税

法人所得税は、当期税金及び繰延税金から構成され、企業結合に関連するもの、資本又はその他の包括利益で認識される項目を除き、税金費用については純損益として認識しています。

当期税金は、報告期間の課税所得に基づいて算定し、税務当局に納付(又は還付)されると予想される額で認識しています。

繰延税金は、資産負債法により会計上の資産及び負債の帳簿価額と、税務上の資産及び負債金額との一時差異に対して計上されています。但し、以下の一時差異については繰延税金資産及び負債を計上していません。

 

・のれんの当初認識から生じる一時差異

・企業結合取引を除く会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えない取引によって発生する資産及び負

 債の当初認識により生じる一時差異

・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予測可

 能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合 

 

繰延税金資産は、税務上の繰越欠損金、欠損金の繰戻還付及び将来減算一時差異に対して利用できる課税所得が発生すると見込まれる範囲内で計上されています。繰延税金負債は、原則としてすべての将来加算一時差異について認識されています。繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、その全額又は一部が使用できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分については帳簿価額を減額しています。未認識の繰延税金資産は毎期再評価され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で再認識されています。

 

繰延税金資産及び負債は、報告期間の末日において実質的に施行されている法定実効税率に基づいて、資産が実現する期間、又は負債が決済される期間に適用されると予想される税率によって測定されています。

繰延税金資産及び負債は、当期税金負債と当期税金資産を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合又は別々の納税主体であるものの当期税金負債及び当期税金資産を純額で決済するか、あるいは資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合に相殺しています。

なお、当社グループは、経済協力開発機構が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関して、認識及び情報開示に対する例外を適用しています。

 

(12) 退職後給付

当社及び、当社グループ会社は、確定給付制度、及び確定拠出制度を有しています。

 

① 確定給付制度

従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を見積り、当該金額を現在価値に割引いた額から制度資産の公正価値を差し引き、純額を資産又は負債で認識しています。確定給付制度債務の現在価値及び退職給付費用は、予測単位積増方式により算定しており、割引率は会計年度末における優良社債の市場利回りを参照して決定しています。

勤務費用、過去勤務費用及び確定給付負債(資産)の純額に係る利息費用は純損益として認識しています。数理計算上の差異、利息費用に含まれる部分を除く制度資産に係る収益及び資産上限額の影響の変動については、それらが生じた期間において「確定給付負債(資産)の純額の再測定」としてその他の包括利益として認識しています。

 

② 確定拠出制度

確定拠出制度に係る費用は、従業員がサービスを提供した期間に費用として認識しています。

 

(13) 収益認識

当社グループは、IFRS第15号を適用しており、IFRS第9号「金融商品」に基づく利息及び配当収益等を除き、顧客との契約について以下の5ステップを適用することにより収益を認識しています。
   ステップ1:顧客との契約を識別する
   ステップ2:契約における履行義務を識別する
   ステップ3:取引価格を算定する
   ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
   ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
 

当社グループは、一般産業向けの軸受、精密機器関連製品、状態監視システム等、自動車及び自動車部品メーカー向けの軸受、自動変速機用部品等の製造・販売を行っています。軸受等の物品販売については、物品の引渡時点において顧客が当該物品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しており、当該物品の引渡時点で収益を認識しています。状態監視システム・サービスの提供等の一定の期間にわたり製品及びサービス等の支配の移転が行われる取引については、顧客に提供する当該製品及びサービスの性質を考慮し、アウトプット法及びインプット法に基づいて履行義務の充足に向けての進捗度を測定し収益を認識しています。また、収益は顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベート及び返品などを控除した金額で測定しています。

また、当社グループが代理人として製品の販売に関与している場合には、純額で収益を認識しています。

 

 

4.セグメント情報

(1) 報告セグメントの概要

当社グループの事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務諸表が入手可能であり、当社の取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。

当社グループは顧客産業別の事業本部制を敷き、各事業本部は包括的な戦略を立案し事業活動を展開していることから、その構成単位である「産業機械事業」、「自動車事業」の二つを報告セグメントとしています。

「産業機械事業」は、一般産業向けの軸受、精密機器関連製品、状態監視システム等を製造・販売しています。

「自動車事業」は、自動車及び自動車部品メーカー向けの軸受、自動変速機用部品等を製造・販売しています。

前第1四半期連結会計期間より従来自動車事業に含まれていたステアリング事業を非継続事業に分類しており、セグメント情報は非継続事業を除く継続事業のみの金額を表示しています。なお、当社は2023年8月1日にNS&Cに対する支配を喪失し、前第2四半期連結会計期間よりNS&Cは当社の持分法適用関連会社となりました。NS&C及び同社の子会社に係る持分法による投資利益は、継続事業として自動車事業の区分に含めています。

 

(2) セグメント毎の売上高及び業績

報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「重要性がある会計方針」における記載と同一です。セグメント間の売上高は市場実勢価格に基づいています。

 

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

(単位:百万円)

 

報告セグメント

 

その他

(注1)

 

合計

 

調整額

(注2)

 

連結

産業機械

 

自動車

 

売上高

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 外部顧客への売上高

344,846

 

408,821

 

753,667

 

35,199

 

788,867

 

 

788,867

 セグメント間の売上高

 

 

 

32,455

 

32,455

 

32,455

 

344,846

 

408,821

 

753,667

 

67,655

 

821,323

 

32,455

 

788,867

セグメント利益(営業利益)

8,007

 

18,576

 

26,583

 

2,350

 

28,934

 

1,543

 

27,391

金融収益・費用合計

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1,180

税引前利益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

26,210

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 資本的支出

30,869

 

24,972

 

55,842

 

3,106

 

58,948

 

469

 

58,478

 減価償却費及び償却費

25,265

 

23,246

 

48,511

 

4,633

 

53,144

 

236

 

52,907

 持分法による投資利益

538

 

3,776

 

4,315

 

62

 

4,377

 

 

4,377

 

(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、鋼球の製造・販売事業及び機械設備製造事業等を含んでいます。

2 セグメント利益の調整額△1,543百万円には、セグメント間取引消去△229百万円、各報告セグメントに配分していないその他の営業費用△1,313百万円が含まれています。

 

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

(単位:百万円)

 

報告セグメント

 

その他

(注1)

 

合計

 

調整額

(注2)

 

連結

産業機械

 

自動車

 

売上高

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 外部顧客への売上高

361,478

 

401,677

 

763,156

 

33,511

 

796,667

 

 

796,667

 セグメント間の売上高

 

 

 

29,485

 

29,485

 

29,485

 

361,478

 

401,677

 

763,156

 

62,996

 

826,152

 

29,485

 

796,667

セグメント利益(営業利益)

13,944

 

16,096

 

30,040

 

2,266

 

32,307

 

3,849

 

28,457

金融収益・費用合計

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3,356

税引前利益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

25,100

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 資本的支出

27,330

 

26,609

 

53,940

 

3,212

 

57,153

 

621

 

56,531

 減価償却費及び償却費

25,500

 

23,775

 

49,276

 

3,863

 

53,140

 

727

 

52,412

 持分法による投資利益

867

 

4,001

 

4,868

 

104

 

4,973

 

71

 

4,901

 

(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、鋼球の製造・販売事業及び機械設備製造事業等を含んでいます。

2 セグメント利益の調整額△3,849百万円には、セグメント間取引消去105百万円、各報告セグメントに配分していないその他の営業費用△3,955百万円が含まれています。

 

(3) 製品及びサービスごとの情報

「(2) セグメント毎の売上高及び業績」に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。

 

(4) 地域別の情報

① 外部顧客への売上高

「注記21.売上高」に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。

 

 

② 非流動資産

前連結会計年度は売却目的保有に分類される処分グループに分類した資産を含めていません。また、売却目的保有に分類される処分グループに係る資産の当連結会計年度末残高はありません。

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

日本

225,391

225,948

米州

33,685

32,268

欧州

60,610

55,282

中国

61,554

59,998

その他アジア

40,254

36,725

合計

421,496

410,224

 

 (注) 1 非流動資産は有形固定資産、のれん及び無形資産の残高です。

2 国又は地域の分類は、地域的近接度によっています。

3 日本及び中国以外の分類に属する主な国又は地域

米州:米国、カナダ、メキシコ、ブラジル等

欧州:英国、ドイツ、ポーランド等欧州諸国等

その他アジア:日本及び中国を除いた東アジア、東南アジア諸国、インド及びオーストラリア等

 

(5) 主要な顧客に関する情報

前連結会計年度及び当連結会計年度において、外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載をしていません。

 

 

5.現金及び現金同等物

現金及び現金同等物の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

現金及び預金

83,971

82,285

短期投資

66,611

55,968

合計

150,583

138,253

 

 

6.売上債権及びその他の債権

売上債権及びその他の債権の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

売上債権

196,794

187,493

貸倒引当金

△1,322

△1,634

その他

24,777

31,501

合計

220,248

217,360

 

 

売上債権及びその他の債権における貸倒引当金の期中増減は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

期首残高

△786

△1,322

 期中増加額

△730

△421

 目的使用による減少額

13

4

 期中戻入額

246

72

 その他

△65

32

期末残高

△1,322

△1,634

 

 

7.棚卸資産

棚卸資産の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

製品

97,174

99,748

仕掛品

55,163

53,784

原材料及び貯蔵品

33,548

32,345

合計

185,886

185,878

 

 

期中に費用認識された棚卸資産の金額は、前連結会計年度、当連結会計年度においてそれぞれ、622,276百万円、622,726百万円です。また、そのうち評価減計上額はそれぞれ、5,824百万円8,986百万円です。

 

 

8.売却目的保有に分類される処分グループ及び非継続事業

① 売却目的保有に分類される処分グループ

2024年7月1日に、SBSホールディングス株式会社(以下「SBSHD」)との間でNSKロジスティックス株式会社(以下「NLK」)の株式の一部を譲渡する契約を締結したことにより、NLKを売却目的保有に分類される処分グループに分類していました。本株式譲渡は2024年10月1日に完了しています。詳細は、④NLKの株式譲渡に記載のとおりです。

また、前連結会計年度において売却目的保有に分類される処分グループに分類していたステアリング事業のインド子会社であるRane NSK Steering Systems Private Limited(以下「RNSS」)は、当連結会計年度に株式の売却手続きが完了しています。

売却目的保有に分類される処分グループに係る資産及び負債の当連結会計年度末残高はありません。

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

当連結会計年度
(2025年3月31日)

売却目的保有に分類される処分グループに係る資産

 

 

現金及び現金同等物

6

売上債権及びその他の債権

4,065

棚卸資産

2,048

その他の流動資産

128

有形固定資産

4,002

のれん及び無形資産

33

その他の金融資産(非流動)

222

繰延税金資産

1,114

その他の非流動資産

22

資産合計

11,643

売却目的保有に分類される処分グループに係る負債

 

 

仕入債務及びその他の債務

3,908

その他の金融負債(流動)

5,961

その他の流動負債

1,427

金融負債(非流動)

73

負債合計

11,370

 

 

 

② 非継続事業

当連結会計年度は、RNSSの支配の喪失に係る取引及び支配を喪失する以前のRNSSを非継続事業の範囲に含めています。また、前連結会計年度はNS&Cの支配の喪失に係る損益及び2023年8月1日に当社がNS&Cに対する支配を喪失する以前のNS&C、同社の子会社及びRNSSを非継続事業の範囲に含めています。

 

(1) 非継続事業の損益

非継続事業の損益は次のとおりです。

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

至 2025年3月31日)

売上高

86,579

14,341

売上原価及び費用

89,566

17,225

税引前利益(△は損失)

△2,986

△2,883

法人所得税費用

1,702

△1,007

当期利益(△は損失)

△4,689

△1,875

 

売上原価及び費用には、RNSSの株式譲渡及び支配の喪失に関連する損失2,432百万円が含まれています。詳細は、③RNSSの株式譲渡に記載のとおりです。

 

(2) 非継続事業のキャッシュ・フロー

非継続事業のキャッシュ・フローは次のとおりです。

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

至 2025年3月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

3,243

△117

投資活動によるキャッシュ・フロー

△13,677

731

財務活動によるキャッシュ・フロー

65,147

293

合計

54,713

907

 

前連結会計年度に実行した欧州子会社のステアリング事業譲渡に係る対価3,372百万円は当連結会計年度に受領し、連結キャッシュ・フロー計算書の「投資活動によるキャッシュ・フロー」に含まれています。

 

 

③ RNSSの株式譲渡

(1) 取引の概要

ステアリング事業のインド子会社であるRNSSについて、当連結会計年度に当社が所有するRNSSの全株式をRane Holdings Limited(以下「RHL」)に譲渡することを決議し、2024年7月1日にRHLとの間で株式譲渡契約を締結しました。本契約に伴う株式譲渡は、2024年9月19日に実行しました。

 

(2) 支配の喪失を伴う資産及び負債

                                                               (単位:百万円)

 

金額

流動資産

6,012

非流動資産

5,269

資産合計

11,282

流動負債

11,606

非流動負債

181

負債合計

11,788

 

 

(3) 支配の喪失に伴うキャッシュ・フロー

                                                               (単位:百万円)

 

金額

株式譲渡及び支配の喪失に関連する支出

△2,334

支配を喪失した子会社の現金及び現金同等物

△60

連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出

△2,394

 

連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出は、連結キャッシュ・フロー計算書の「投資活動によるキャッシュ・フロー」に含まれています。

 

(4) 支配の喪失に伴う損益

当連結会計年度において、RNSSの株式譲渡及び支配の喪失に関連する損失は2,432百万円であり、連結損益計算書上、「非継続事業からの当期利益(△は損失)」に含めています。

 

 

④ NLKの株式譲渡

(1) 取引の概要

当連結会計年度に、当社が所有するNLKの発行済み株式1,800株のうち、1,199株(発行済み株式の66.61%)をSBSHDへ譲渡することを決議し、2024年7月1日にSBSHDとの間で株式の一部を譲渡する契約を締結しました。本契約に伴う株式譲渡は、2024年10月1日に実行しました。この結果、当社はNLKに対する支配を喪失し、NLKは当社の連結子会社から持分法適用関連会社となりました。

 

(2) 支配の喪失を伴う資産及び負債

                                                               (単位:百万円)

 

金額

流動資産

2,280

非流動資産

6,298

資産合計

8,578

流動負債

2,698

非流動負債

5,003

負債合計

7,702

 

 

(3) 支配の喪失に伴うキャッシュ・フロー

                                                               (単位:百万円)

 

金額

受取対価

1,665

支配を喪失した子会社の現金及び現金同等物

△628

連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入

1,037

 

連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入は、連結キャッシュ・フロー計算書の「投資活動によるキャッシュ・フロー」に含まれています。

 

(4) 支配の喪失に伴う損益

当連結会計年度において、NLKに対する支配の喪失に伴う収益は1,646百万円であり、連結損益計算書上、「その他の営業収益」に含めています。なお、当該収益には残存する投資を支配喪失日の公正価値で測定することにより生じた利益564百万円が含まれています。

NLKの公正価値総額はインカム・アプローチにより算定しており、当該測定で利用された将来キャッシュ・フローの算定には、売上高及び営業費用等の経営者による重要な仮定を利用しています。公正価値ヒエラルキーは、レベル3です。

 

 

9.有形固定資産

(1)有形固定資産の内訳

連結財政状態計算書の「有形固定資産」の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

有形固定資産

343,631

331,291

使用権資産

21,316

13,615

合計

364,947

344,906

 

 

(2)有形固定資産の増減表

有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減は次のとおりです。

取得原価

(単位:百万円)

 

建物及び
構築物

機械装置
及び運搬具

工具器具
及び備品

土地

建設仮勘定

合計

2023年4月1日残高

300,260

823,280

117,613

40,787

30,420

1,312,363

 取得

472

521

426

0

43,769

45,190

 処分

△1,410

△19,875

△2,714

△229

△24,229

 建設仮勘定からの振替

5,358

30,815

5,055

111

△41,341

 外貨換算差額

10,993

44,332

7,255

583

1,435

64,600

 その他

△222

△1,558

5

△7

△262

△2,045

  連結範囲の異動による

  変動

△34,083

△111,903

△16,105

△4,002

△2,441

△168,536

  売却目的で保有する

  資産への振替

△883

△9,193

△1,392

△586

△146

△12,202

2024年3月31日残高

280,485

756,418

110,145

36,887

31,203

1,215,140

 取得

296

805

338

5

35,946

37,391

 処分

△1,923

△16,655

△3,535

△90

△179

△22,384

 建設仮勘定からの振替

7,670

27,605

5,100

28

△40,404

 外貨換算差額

△1,838

△6,772

△956

△42

△344

△9,954

 その他

△272

173

31

△11

△313

△392

  連結範囲の異動による

  変動

△718

△3,374

△1,708

△346

△111

△6,260

2025年3月31日残高

283,699

758,200

109,415

36,428

25,796

1,213,540

 

 

 

減価償却累計額、及び減損損失累計額

(単位:百万円)

 

建物及び
構築物

機械装置
及び運搬具

工具器具
及び備品

土地

建設仮勘定

合計

2023年4月1日残高

△198,065

△652,851

△98,704

△153

△949,775

 減価償却費

△7,499

△29,732

△5,920

△43,152

 減損損失

△289

△1,700

△257

△123

△2,370

 処分

1,200

18,646

2,834

74

22,756

 外貨換算差額

△7,071

△35,442

△5,855

△12

△48,382

 その他

106

1,382

68

△1

1,555

  連結範囲の異動による

  変動

25,252

100,272

13,968

63

139,556

  売却目的で保有する

  資産への振替

432

6,712

1,158

8,303

2024年3月31日残高

185,932

592,713

92,708

153

871,509

 減価償却費

△7,529

△29,097

△5,698

△42,326

 減損損失

△223

△1,065

△110

△192

△1,592

 処分

1,783

16,013

3,431

40

21,269

 外貨換算差額

980

5,115

804

△1

6,898

 その他

△7

85

△18

18

78

  連結範囲の異動による

  変動

570

2,853

1,508

4,932

2025年3月31日残高

190,359

598,808

92,791

289

882,249

 

 (注) 減価償却費は、連結損益計算書の売上原価、又は販売費及び一般管理費に計上しています。

 

 

帳簿価額

(単位:百万円)

 

建物及び
構築物

機械装置
及び運搬具

工具器具
及び備品

土地

建設仮勘定

合計

2023年4月1日残高

102,195

170,429

18,908

40,787

30,266

362,587

2024年3月31日残高

94,553

163,704

17,437

36,887

31,049

343,631

2025年3月31日残高

93,339

159,391

16,623

36,428

25,506

331,291

 

 

 

10.のれん及び無形資産

(1) のれん及び無形資産の内訳

 連結財政状態計算書の「のれん及び無形資産」の内訳は次のとおりです

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

のれん及び無形資産

54,568

62,728

使用権資産

1,980

2,589

合計

56,548

65,317

 

 

(2) のれん及び無形資産の増減表

 のれん及び無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減は次のとおりです。

取得原価

(単位:百万円)

 

のれん

ソフト
ウェア

特許権

顧客関連
資産

技術関連
資産

商標権

その他

合計

2023年4月1日残高

15,549

35,137

6,093

6,949

1,263

3,890

2,601

71,485

取得

9,821

487

67

10,376

処分

△5,436

△360

△84

△5,882

外貨換算差額

1,851

1,420

9

837

152

468

114

4,853

その他

217

4

△1

220

  連結範囲の異動による

  変動

△1,413

△2,161

△283

△3,858

  売却目的で保有する

  資産への振替

△303

△303

2024年3月31日残高

17,400

39,746

4,072

7,786

1,415

4,359

2,111

76,892

取得

13,292

335

13,628

処分

△3,662

△401

△1

△4,065

外貨換算差額

△133

△242

△1

△59

△10

△33

△5

△487

その他

66

0

66

  連結範囲の異動による

  変動

△0

△69

△69

2025年3月31日残高

17,267

49,199

3,935

7,727

1,404

4,326

2,104

85,965

 

 

 

償却累計額、及び減損損失累計額

(単位:百万円)

 

のれん

ソフト
ウェア

特許権

顧客関連
資産

技術関連
資産

商標権

その他

合計

2023年4月1日残高

△19,065

△3,054

△689

△263

△841

△23,913

償却費

△4,452

△505

△356

△135

△1

△5,451

減損損失

△30

△39

△8

△78

処分

5,333

360

84

5,778

外貨換算差額

△1,089

△7

△97

△37

△85

△1,318

その他

△121

1

△119

  連結範囲の異動による

  変動

1,151

1,078

277

2,507

  売却目的で保有する

  資産への振替

270

270

2024年3月31日残高

18,275

2,166

1,143

436

303

22,324

償却費

△4,260

△469

△371

△141

△0

△5,243

減損損失

△0

△0

処分

3,648

401

0

4,050

外貨換算差額

193

1

12

4

2

215

その他

4

△0

4

  連結範囲の異動による

  変動

0

60

60

2025年3月31日残高

18,688

2,172

1,502

573

300

23,237

 

 (注) 償却費は、連結損益計算書の売上原価、又は販売費及び一般管理費に計上しています。

 

帳簿価額

(単位:百万円)

 

のれん

ソフト
ウェア

特許権

顧客関連
資産

技術関連
資産

商標権

その他

合計

2023年4月1日残高

15,549

16,071

3,039

6,259

1,000

3,890

1,760

47,571

2024年3月31日残高

17,400

21,471

1,906

6,643

979

4,359

1,808

54,568

2025年3月31日残高

17,267

30,510

1,763

6,224

831

4,326

1,804

62,728

 

(注) 1 顧客関連資産、技術関連資産及び商標権は、2021年3月1日にCMS事業の取得により発生したものであり、当連結会計年度末の残存償却年数は顧客関連資産が17年、技術関連資産が6年です。なお、商標権については事業が継続する限り基本的に存続するものであるため、耐用年数が確定できない無形資産としています。

  2 各決算日において重要な自己創設無形資産はありません。

 

 

(3) のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テスト

 各資金生成単位に配分した主なのれん及び耐用年数を確定できない無形資産は次のとおりです。

(単位:百万円)

資金生成単位

セグメント

勘定科目

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

産業機械軸受事業

産業機械

のれん

16,753

16,625

商標権

4,359

4,326

 

 

のれんの減損損失は、資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に認識しています。

前連結会計年度において計上した減損損失はありません。産業機械軸受事業において、当該資金生成単位の回収可能価額は、使用価値に基づき測定しています。使用価値は、受注残情報、受注確度に基づく販売予測や製品セクター・個別製品毎の販売トレンド等を反映した今後3年間の事業計画に基づく将来キャッシュ・フロー、及び4年目以降の継続価値に基づき算定しています。継続価値算定においては、成長率0%と仮定しています。将来キャッシュ・フローの割引現在価値は、税引前割引率7.2%で割り引いて算定しています。

回収可能価額が資金生成単位の帳簿価額を十分に上回っており、使用した仮定に合理的な範囲で変動があった場合にも減損は発生しないと判断しています。

 

当連結会計年度において計上した減損損失はありません。産業機械軸受事業において、当該資金生成単位の回収可能価額は、使用価値に基づき測定しています。使用価値は、受注残情報、受注確度に基づく販売予測や製品セクター・個別製品毎の販売トレンド等を反映した今後2年間の事業計画に基づく将来キャッシュ・フロー、及び3年目以降の継続価値に基づき算定しています。継続価値算定においては、成長率0%と仮定しています。将来キャッシュ・フローの割引現在価値は、税引前割引率6.7%で割り引いて算定しています。

回収可能価額が資金生成単位の帳簿価額を十分に上回っており、使用した仮定に合理的な範囲で変動があった場合にも減損は発生しないと判断しています。

 

11.その他の金融資産

その他の金融資産の内訳は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

定期預金(3ヵ月超)

1,405

19,272

有価証券

39,999

40,986

その他

3,672

2,533

その他の金融資産(流動)

45,076

62,792

 

 

投資有価証券

44,146

38,033

その他

7,786

8,051

その他の金融資産(非流動)

51,932

46,085

 

 

12.仕入債務及びその他の債務

仕入債務及びその他の債務の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

仕入債務

108,128

92,954

その他

32,322

33,597

合計

140,451

126,551

 

 

 

13.その他の金融負債

その他の金融負債の内訳は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

区分

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

平均利率

(%)

返済期限

短期借入金

86,389

71,850

3.4

1年以内返済の長期借入金

16,422

19,128

0.5

1年以内償還の社債

20,000

25,000

(注2)

その他

5,621

4,175

その他の金融負債(流動)

128,433

120,154

 

 

長期借入金

63,133

62,423

1.2

2026年~2035年

社債

133,000

128,000

(注2)

その他

18,731

13,047

金融負債(非流動)

214,864

203,470

 

(注) 1 平均利率は、期末残高の加重平均利率により算定しています。

2 社債の発行条件の要約は次のとおりです。

 

(単位:百万円)

会社名

銘柄

発行年月日

前連結会計年度
(2024年3月31日)

当連結会計年度
(2025年3月31日)

利率
(%)

担保

償還期限

日本精工㈱
(当社)

第43回無担保社債

2014年
9月10日

20,000

0.769

なし

2024年
9月10日

日本精工㈱
(当社)

第45回無担保社債

2017年
3月14日

10,000

10,000

0.400

なし

2027年
3月12日

日本精工㈱
(当社)

第47回無担保社債

2017年
12月7日

10,000

10,000

0.380

なし

2027年
12月7日

日本精工㈱
(当社)

第49回無担保社債

2018年
11月29日

15,000

15,000

0.290

なし

2025年
11月28日

日本精工㈱

(当社)

第50回無担保社債

2018年
11月29日

10,000

10,000

0.390

なし

2028年
11月29日

日本精工㈱

(当社)

第51回無担保社債

2019年

9月2日

10,000

10,000

0.190

なし

2026年

9月2日

日本精工㈱

(当社)

第52回無担保社債

2019年

9月2日

20,000

20,000

0.280

なし

2029年

8月31日

日本精工㈱

(当社)

第53回無担保社債

2022年

9月5日

14,000

14,000

0.445

なし

2027年

9月3日

日本精工㈱

(当社)

第54回無担保社債

2022年

9月5日

11,000

11,000

0.709

なし

2032年

9月3日

日本精工㈱

(当社)

第55回無担保社債

2023年

3月7日

10,000

10,000

0.300

なし

2026年

3月6日

日本精工㈱

(当社)

第56回無担保社債

2023年

3月7日

8,000

8,000

1.150

なし

2033年

3月7日

日本精工㈱

(当社)

第57回無担保社債

2023年

9月11日

15,000

15,000

0.539

なし

2028年

9月11日

日本精工㈱

(当社)

第58回無担保社債

2024年

9月6日

10,000

0.845

なし

2029年

9月6日

日本精工㈱

(当社)

第59回無担保社債

2024年

9月6日

10,000

1.527

なし

2034年

9月6日

 

 

上記金融負債等に対し、担保に供している資産はありません。

 

 

14.リース取引

当社グループは、借手として、主として事務所、従業員社宅及び生産工場における土地を賃借しています。リース契約には延長(解約)オプションを含むものがありますが、エスカレーション条項を含む重要なリース契約はありません。また、リース契約によって課された重要な制限はありません。

 

使用権資産の帳簿価額及び減価償却費は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

建物及び

構築物

機械装置

及び運搬具

工具器具
及び備品

土地

無形資産

合計

前連結会計年度

(2024年3月31日)の帳簿価額

13,882

2,341

1,409

3,682

1,980

23,296

使用権資産の前連結会計年度における減価償却費

3,595

809

640

159

343

5,548

当連結会計年度

(2025年3月31日)の帳簿価額

6,679

2,210

1,326

3,398

2,589

16,204

使用権資産の当連結会計年度における減価償却費

2,760

862

586

152

480

4,843

 

 

リース取引に係るキャッシュ・アウトフロー総額は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日
 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日
 至 2025年3月31日)

リース取引に係る

キャッシュ・アウトフロー総額

10,107

8,667

 

 

借手のリースに関連する費用及び収益の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日
 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日
 至 2025年3月31日)

リース負債に係る金利費用

300

286

短期リース費用

2,703

1,805

少額資産のリース費用

1,509

1,437

変動リース料

37

39

サブリース収入

389

373

 

 

使用権資産の増加額は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日
 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日
 至 2025年3月31日)

使用権資産の増加額

4,983

5,683

 

 

リース負債の変動額、リース負債の期日別残高については「注記26.金融商品」に記載しています。

 

 

15.引当金

引当金の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

環境対策引当金

42

その他

427

1,322

流動負債合計

469

1,322

環境対策引当金

839

728

その他

226

159

非流動負債合計

1,065

887

 

 

引当金の増減内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

環境対策引当金

その他

合計

2024年3月31日残高

881

654

1,535

 期中計上額

324

1,471

1,796

 期中減少額(目的使用)

△289

△487

△777

 期中減少額(戻入れ)

△143

△2

△146

 その他

△44

△153

△198

2025年3月31日残高

728

1,481

2,209

 

 

 環境対策引当金

建物及び設備等に使用されているアスベスト及びポリ塩化ビフェニル(PCB)等の除去、処分に関する支出に備えるため、今後発生すると見込まれる費用を計上しています。

経済的便益の流出が予測される時期は、主に各連結会計年度末日より1年を経過した後の時期であると見込んでいます。

 

 その他

「その他」には、リストラクチャリング引当金が含まれており、前連結会計年度、当連結会計年度においてそれぞれ、390百万円、1,226百万円です。

 

 

16.法人所得税

(1) 繰延税金

繰延税金資産及び繰延税金負債の増減内容は、次のとおりです。

 

前連結会計年度

繰延税金資産

 

 

(単位:百万円)

 

期首残高

(2023年

4月1日)

純損益で
認識された額

その他の
包括利益で
認識された額

連結範囲の異動による変動

売却目的で保有する資産への振替

期末残高

(2024年

3月31日)

退職給付に係る負債

1,603

26,680

△23,449

△95

4,740

固定資産-連結間内部利益

200

54

254

税務上の繰越欠損金

6,528

△3,032

215

△1,114

2,596

未払賞与

4,338

△330

△44

3,963

棚卸資産

3,982

△348

△183

3,450

その他

14,083

△524

55

△1,528

12,085

合計

30,737

22,499

△23,393

△1,636

△1,114

27,091

 

 

繰延税金負債

 

 

 

 

 

 

退職給付に係る資産

△5,134

5,134

減価償却費

△1,562

△2,535

526

△3,571

固定資産圧縮積立金

△1,755

69

△1,686

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

△10,513

488

△10,024

退職給付信託設定益

△4,900

4,900

企業結合により識別された

資産

△3,536

△263

△3,800

その他

△20,707

914

△0

202

△19,590

合計

△48,110

3,348

5,359

729

△38,673

繰延税金資産(負債)の純額

△17,373

25,848

△18,033

△907

△1,114

△11,581

 

 (注)1 純損益で認識された額の合計と繰延税金費用との差額は、為替の変動によるものです。

2 英国子会社が有する税務上の繰越欠損金に対する繰延税金資産は2,232百万円です。

当該繰延税金資産は、第162期(2023年3月期)又は第163期(2024年3月期)に損失が生じており、繰延税金資産の回収可能性が将来の課税所得の有無に依存している納税主体に帰属する繰延税金資産3,856百万円に含まれています。将来の収益力に基づく課税所得の見積りは将来の事業計画を基礎としており、その主要な仮定は、2.作成の基礎(6)見積り及び判断の利用に記載のとおり予想売上高及び売上成長率であり、欧州事業構造改革による収益力回復を考慮しています。

 

 

当連結会計年度

繰延税金資産

 

 

(単位:百万円)

 

期首残高

(2024年

4月1日)

純損益で
認識された額

その他の
包括利益で
認識された額

連結範囲の異動による変動

売却目的で保有する資産への振替

期末残高

(2025年

3月31日)

退職給付に係る負債

4,740

△154

△2,133

△43

2,408

固定資産-連結間内部利益

254

172

427

税務上の繰越欠損金

2,596

1,115

3,711

未払賞与

3,963

△107

△44

3,810

棚卸資産

3,450

624

4,075

その他

12,085

△545

62

60

11,663

合計

27,091

1,105

△2,071

△27

26,098

 

 

繰延税金負債

 

 

 

 

 

 

減価償却費

△3,571

△569

△4,141

固定資産圧縮積立金

△1,686

13

△1,673

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

△10,024

958

△9,066

企業結合により識別された

資産

△3,800

190

△3,609

その他

△19,590

△264

0

△116

△19,971

合計

△38,673

△821

1,149

△116

△38,462

繰延税金資産(負債)の純額

△11,581

283

△922

△144

△12,364

 

 (注)1 純損益で認識された額の合計と繰延税金費用との差額は、為替の変動によるものです。

2 「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月31日に公布され、2026年4月1日以降に開始する連結会計年度から防衛特別法人税が課されることになりました。これに伴い、繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に使用する法定実効税率は、2026年4月1日以降に開始する事業年度に解消が見込まれる一時差異については従来の30.5%から31.4%になります。この税率変更が当社グループの連結財務諸表に与える影響は軽微です。

 

 

未認識の繰延税金資産

繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金、将来減算一時差異及び繰越税額控除は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

繰越欠損金

17,064

22,745

将来減算一時差異

18,148

14,850

繰越税額控除

1,420

合計

35,212

39,017

 

 

繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の金額と繰越期限は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

1年目

2年目

3年目

4年目

5年目以降及び繰越期限なし

17,064

22,745

合計

17,064

22,745

 

 

前連結会計年度及び当連結会計年度の繰延税金資産を認識していない繰越欠損金のうち、繰越期限がないものは、それぞれ15,883百万円、21,818百万円であり、これらは英国子会社に帰属するものです。

 

繰延税金資産を認識していない繰越税額控除の金額と繰越期限は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

1年目

2年目

3年目

1,420

4年目

5年目以降及び繰越期限なし

合計

1,420

 

 

前連結会計年度及び当連結会計年度の繰延税金資産のうち、前連結会計年度又は当連結会計年度に損失が生じており、繰延税金資産の回収可能性が将来の課税所得の有無に依存している納税主体に帰属しているものは、それぞれ3,856百万円13,342百万円です。当社グループは、将来減算一時差異に対して、将来の収益力に基づく課税所得及びタックス・プランニングに基づき、繰延税金資産の回収可能性を判断しています。

 

未認識の繰延税金負債

繰延税金負債を認識していない子会社の未分配利益に係る将来加算一時差異は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ49,236百万円18,683百万円です。これは当社グループが一時差異の解消時期をコントロールする立場にあり、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高いことから、繰延税金負債を認識していません。

 

 

(2) 法人所得税費用

当社及び国内連結子会社は、主に法人税(国税)、住民税及び事業税(地方税)を課されており、これらを基礎として計算した前連結会計年度及び当連結会計年度の法定実効税率は30.5%です。他の納税管轄地における税額は、それぞれの管轄地において一般的な税率により計算しています。なお、当社及び一部の子会社は、グループ通算制度を適用しています。継続事業のみの金額を表示しています。

法人所得税費用の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

  至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

  至  2025年3月31日)

当期税金費用

38,872

14,584

繰延税金費用

△26,916

△2,552

法人所得税費用

11,955

12,031

 

 

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の売却に係る法人所得税は、前連結会計年度において4,827百万円、当連結会計年度において2,003百万円です。

 

日本の法定実効税率と税効果会計適用後の法人所得税の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳は、次のとおりです。

 

 

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

  至 2024年3月31日)

 

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

  至 2025年3月31日)

 

法定実効税率

30.5

30.5

 交際費等永久に損金算入されない項目

2.4

 

3.9

 

 海外子会社での適用税率の差異

△6.3

 

△7.4

 

 会計上認識されない子会社の欠損金の税効果

8.0

 

17.9

 

 税額控除

△15.5

 

△1.8

 

 未認識の繰延税金資産の変動

22.5

 

7.0

 

  その他

4.1

 

△2.2

 

税効果会計適用後の法人所得税の負担率

45.6

47.9

 

 

(3) 第2の柱の法人所得税に係る影響

日本においては令和5年度税制改正において、グローバル・ミニマム課税に対応する法人税が創設され、それに係る規定を含めた税制改正法(「所得税法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第3号))(以下「改正法人税法」という。)が2023年3月28日に成立しています。改正法人税法では、グローバル・ミニマム課税のルールのうち、所得合算ルール(IIR)が導入されており、日本に所在する親会社の子会社等の税負担が最低税率(15%)に至るまで、日本に所在する親会社に対して追加で上乗せ課税されることになります。当社において、2024年4月1日から開始される事業年度より適用されていますが、これらの課税が当社グループの連結財務諸表へ与える影響は軽微です。

 

 

17.退職後給付

(1) 確定給付制度

① 日本

当社及び一部の国内連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型の退職給付制度及び確定拠出制度を採用しています。また、役員・幹部社員等に株式報酬制度を設けているほか、退職給付信託を設定しています。なお、従業員の退職等に際して、退職給付会計に準拠した数理計算による退職給付制度債務の対象とされない割増退職金を支払う場合があります。

また、将来の退職給付に備えることを目的として退職給付信託を設定していますが、近年、退職給付信託を含む制度資産が退職給付債務に対して大幅な積立超過の状況にあり、今後もその状況が継続することが見込まれるため、前連結会計年度及び当連結会計年度において退職給付信託の一部返還を受けました。

② 英国

英国の連結子会社では、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型及び確定拠出型の退職給付制度を採用しています。なお、2003年以降に入社した社員は確定拠出制度に加入しており、確定給付型への新規加入を停止しました。さらに、確定給付型については、将来積立てを要するさらなる給付の発生が生じないよう2016年12月末に制度の凍結を実施し、当該制度加入者に対して確定拠出型への移行スキームを提供しました。

また、2024年3月に退職給付制度バイイン(Buy-in)を実施しました。取引の実施に際して、保有していた制度資産を保険会社に対して拠出し、保険会社との間で、将来にわたって当該制度加入者への給付に相当する金額の受領を保証する保険契約を締結しました。当連結会計年度における退職給付制度バイインに係る制度資産の残高は46,261百万円です。

③ その他

主として米国及びその他アジアを含む一部の連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型の退職給付制度及び退職後医療給付制度を採用しています。米国における退職後医療給付制度は、退職給付と類似の性格であることから、退職給付に係る負債に含めて表示しています。

 

連結財務諸表上で認識した金額は次のとおりです。

前連結会計年度(2024年3月31日)

(単位:百万円)

 

日本

英国

その他

合計

確定給付制度債務の現在価値

109,317

53,783

10,753

173,854

制度資産の公正価値

△221,892

△53,460

△6,508

△281,861

合計

△112,575

322

4,244

△108,007

連結財政状態計算書に計上された負債と資産の純額

△112,575

322

4,244

△108,007

 

 

当連結会計年度(2025年3月31日)

(単位:百万円)

 

日本

英国

その他

合計

確定給付制度債務の現在価値

97,895

47,651

11,263

156,810

制度資産の公正価値

△148,800

△46,895

△6,306

△202,002

合計

△50,905

755

4,957

△45,192

連結財政状態計算書に計上された負債と資産の純額

△50,905

755

4,957

△45,192

 

 

 

確定給付制度債務の現在価値の変動は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

日本

英国

その他

合計

2023年4月1日
確定給付制度債務の現在価値

123,748

47,685

10,635

182,069

当期勤務費用

4,441

667

5,109

利息費用

1,548

2,446

539

4,534

確定給付負債(資産)の純額の再測定

 

 

 

 

人口統計上の仮定の変化による数理計算上の差異

△331

△801

△1,133

財務上の仮定の変化による数理計算上の差異

△3,852

△561

△125

△4,539

退職給付の支払額

△7,107

△2,653

△949

△10,710

過去勤務費用

△86

△86

連結範囲の異動による変動

△9,624

△216

△9,841

外貨換算差額等

164

7,198

1,089

8,452

2024年3月31日
確定給付制度債務の現在価値

109,317

53,783

10,753

173,854

当期勤務費用

4,255

717

4,972

利息費用

1,677

2,548

534

4,760

確定給付負債(資産)の純額の再測定

 

 

 

 

人口統計上の仮定の変化による数理計算上の差異

4

△112

△108

財務上の仮定の変化による数理計算上の差異

△8,272

△6,099

669

△13,702

退職給付の支払額

△5,904

△3,456

△565

△9,925

過去勤務費用

△64

△64

連結範囲の異動による変動

△256

△6

△263

転籍による減少

△2,939

△2,939

外貨換算差額等

18

871

△662

228

2025年3月31日 
確定給付制度債務の現在価値

97,895

47,651

11,263

156,810

 

(注) 第163期(2024年3月期)第2四半期連結会計期間より、NSKステアリング&コントロール株式会社(以下「NS&C」)

       は当社の連結子会社から持分法適用関連会社となりました。転籍による減少は、当社から出向扱いとなってい

       た従業員が当連結会計年度にNS&Cに転籍したことによるものです。

 

当連結会計年度末の確定給付制度債務の加重平均デュレーションは次のとおりです。

 

日本

英国

その他

加重平均デュレーション

12

11

7

-11

 

 

 

制度資産の公正価値の変動は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

日本

英国

その他

合計

2023年4月1日
制度資産の公正価値

208,314

53,265

5,627

267,207

利息収益

2,677

2,789

263

5,730

制度資産に係る収益

55,225

△11,658

△39

43,526

事業主からの拠出額

2,670

4,221

870

7,761

退職給付の支払額

△4,034

△2,653

△743

△7,432

連結範囲の異動による変動

△7,950

△7,950

事業主への返還額

△35,000

△35,000

外貨換算差額等

△9

7,496

530

8,017

2024年3月31日
制度資産の公正価値

221,892

53,460

6,508

281,861

利息収益

1,598

2,532

325

4,457

制度資産に係る収益

△1,456

△6,574

△75

△8,106

事業主からの拠出額

2,483

383

541

3,409

退職給付の支払額

△3,595

△3,456

△347

△7,400

連結範囲の異動による変動

△127

△312

△439

転籍による減少

△1,996

△1,996

事業主への返還額

△70,000

△70,000

外貨換算差額等

861

△644

216

2025年3月31日
制度資産の公正価値

148,800

46,895

6,306

202,002

 

(注) 第163期(2024年3月期)第2四半期連結会計期間より、NS&Cは当社の連結子会社から持分法適用関連会社となりま

     した。転籍による減少は、当社から出向扱いとなっていた従業員が当連結会計年度にNS&Cに転籍したことによる

     ものです。

 

当社グループは、2026年3月期に、3,136百万円の掛け金を拠出する予定です。

制度資産は、将来にわたり年金給付等の支払を確実に行うため、許容されるリスクのもとで必要とされる収益を長期的に確保することを目的として運用しています。運用にあたっては、投資対象資産のリスク及びリターンを考慮した上で資産構成の基本方針を策定し、これに沿った投資を実行しており、運用状況を定期的にモニタリングすることにより適切に管理しています。また資産構成の基本方針は、市場環境の変化や積立状況の変化に対応するため、定期的に見直しを行っています。

 

 

制度資産の構成項目は次のとおりです。

 

前連結会計年度(2024年3月31日)

(単位:百万円)

 

日本

英国

その他

活発な市場における
公表価格が
あるもの

活発な市場における
公表価格が
ないもの

活発な市場における
公表価格が
あるもの

活発な市場における
公表価格が
ないもの

活発な市場における
公表価格が
あるもの

活発な市場における
公表価格が
ないもの

株式

27,837

361

債券

33,919

475

4,226

その他

131,590

28,544

377

52,607

1,919

合計

193,347

28,544

853

52,607

6,508

 

 

当連結会計年度(2025年3月31日)

(単位:百万円)

 

日本

英国

その他

活発な市場における
公表価格が
あるもの

活発な市場における
公表価格が
ないもの

活発な市場における
公表価格が
あるもの

活発な市場における
公表価格が
ないもの

活発な市場における
公表価格が
あるもの

活発な市場における
公表価格が
ないもの

株式

20,474

179

債券

51,094

4,555

その他

49,701

27,529

634

46,261

1,572

合計

121,270

27,529

634

46,261

6,306

 

 

 

 重要な数理計算上の仮定は次のとおりです。

 

前連結会計年度(2024年3月31日)

 

日本

英国

その他

割引率

主として1.7

4.8

主として5.2

 

 

当連結会計年度(2025年3月31日)

 

日本

英国

その他

割引率

主として2.4

5.8

主として4.3-5.3

 

 

報告期間の末日時点で、以下に示された割合で重要な数理計算上の仮定が変動した場合、確定給付制度債務の増減額は次のとおりです。

 

前連結会計年度(2024年3月31日)

(単位:百万円)

 

日本

英国

その他

割引率

0.5%上昇

△5,982

△3,215

△306

0.5%低下

6,512

3,717

354

 

(注) 本分析は、他のすべての変数が一定であると仮定しています。

 

当連結会計年度(2025年3月31日)

(単位:百万円)

 

日本

英国

その他

割引率

0.5%上昇

△5,028

△2,594

△362

0.5%低下

5,447

2,853

422

 

(注) 本分析は、他のすべての変数が一定であると仮定しています。

 

(2) 確定拠出制度

確定拠出制度に関して前連結会計年度、及び当連結会計年度において費用として認識した金額は、それぞれ次のとおりです。

(単位:百万円)

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

至 2025年3月31日)

2,416

2,463

 

 

(3) 従業員給付費用

前連結会計年度及び当連結会計年度における連結損益計算書(継続事業)の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上している従業員給付費用の合計金額は、それぞれ186,273百万円及び187,704百万円です。

 

 

18.持分法適用会社に対する投資

「第1[企業の概況]4[関係会社の状況]」において同様の内容を記載しているため、主要な子会社、関連会社及びジョイント・ベンチャーの記載を省略しています。

 

当社が保有するジョイント・ベンチャーに対する持分のうち、重要なものはNSKワーナー株式会社の普通株式(持分割合 50%)です。また、関連会社に対する持分のうち、重要なものはNSKステアリング&コントロール株式会社の普通株式(持分割合 49.9%)です。これらの要約財務情報は次のとおりです。

 

(1)NSKワーナー株式会社                                                                (単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

(2024年3月31日)

(2025年3月31日)

流動資産

30,554

24,902

非流動資産

20,421

19,065

資産合計

50,975

43,968

流動負債

8,908

6,267

非流動負債

6,573

5,684

負債合計

15,481

11,952

資本合計

35,493

32,016

持分割合 (%)

50.0%

50.0%

当社に帰属する持分

17,746

16,008

連結調整

4,115

5,008

帳簿価額

21,862

21,016

 

 

 (単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

(自 2023年4月 1日

(自 2024年4月 1日

 

  至 2024年3月31日)

  至 2025年3月31日)

売上高

53,040

46,012

税引前利益

7,318

3,390

当期利益

6,130

2,793

その他の包括利益

551

354

当期包括利益合計

6,682

3,147

 

 

当社がNSKワーナー株式会社より受け取った配当金は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ1,971百万円及び3,176百万円です。

 

 

(2)NSKステアリング&コントロール株式会社                                             (単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

(2024年3月31日)

(2025年3月31日)

流動資産

91,727

97,947

非流動資産

37,835

42,641

資産合計

129,563

140,588

流動負債

71,870

79,542

非流動負債

16,693

17,194

負債合計

88,564

96,737

資本合計

40,999

43,850

持分割合 (%)

49.9%

49.9%

当社に帰属する持分

20,458

21,881

連結調整

△4,385

△4,393

帳簿価額

16,073

17,487

 

 

 (単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

(自 2023年4月 1日

(自 2024年4月 1日

 

  至 2024年3月31日)

  至 2025年3月31日)

売上高

103,279

160,329

税引前利益

374

3,297

当期利益(△は損失)

△396

1,774

その他の包括利益

3,320

119

当期包括利益合計

2,924

1,894

 

(注)1 NSKステアリング&コントロール株式会社(以下「NS&C」)及び同社の子会社は2023年8月1日より当社の持分法適用関連会社及びその子会社となったため、前連結会計年度の損益計算書及び包括利益計算書は2023年8月1日以降のものを表示しています。

    2 NS&Cが持分法適用関連会社となった2023年8月1日以降、当社がNS&Cより受け取った配当金は、前連結会計年度

       及び当連結会計年度においてありません。

 

 

19.資本及びその他の資本項目

(1) 発行済株式及び自己株式

前連結会計年度

 

期首残高

(2023年4月1日)

増  加

減  少

期末残高

(2024年3月31日)

授権株式数

(無額面普通株式)

1,700,000,000

1,700,000,000

発行済株式数

(無額面普通株式)

551,268,104

51,268,104

500,000,000

自己株式数

38,152,172

25,012,060

51,847,906

11,316,326

 

(注) 1 自己株式の株式数には、株式給付信託の信託口が保有する当社株式が、当連結会計年度において、
7,090,080株含まれています。

2 発行済株式は全額払込済みです。

3 当社は、会社法第178条の規定に基づく自己株式の消却について、取締役会から委任された当社取締役代表執行役社長の決定に基づき、2023年8月25日付で自己株式51,268,104株の消却を実施しました。

 

(自己株式変動事由の概要)

増加数の内訳は、次のとおりです。

単元未満株式の買取りによる増加                   1,749

持分法適用会社が取得した自己株式(当社株式)の当社帰属分       10,311

取締役会決議に基づく自己株式の取得による増加                    25,000,000

減少数の内訳は、次のとおりです。

単元未満株式の買増請求による減少                2

株式給付信託における株式給付等                    579,800

自己株式の消却による減少                                        51,268,104

 

当連結会計年度

 

期首残高

(2024年4月1日)

増  加

減  少

期末残高

(2025年3月31日)

授権株式数

(無額面普通株式)

1,700,000,000

1,700,000,000

発行済株式数

(無額面普通株式)

500,000,000

500,000,000

自己株式数

11,316,326

13,211

129,784

11,199,753

 

(注) 1 自己株式の株式数には、株式給付信託の信託口が保有する当社株式が、当連結会計年度において、
6,960,380株含まれています。

2 発行済株式は全額払込済みです。

 

(自己株式変動事由の概要)

増加数の内訳は、次のとおりです。

単元未満株式の買取りによる増加                   1,196

持分法適用会社が取得した自己株式(当社株式)の当社帰属分       12,015

減少数の内訳は、次のとおりです。

単元未満株式の買増請求による減少                84

株式給付信託における株式給付等                    129,700

 

(2) 資本剰余金

資本剰余金には、株式の発行及び自己株式の売却等の資本取引によって生じる剰余金が計上されています。

資本剰余金の増減には、当社の子会社に対する支配の喪失を伴わない持分の変動による影響も含まれています。

 

(3) 利益剰余金

利益剰余金には、企業が獲得した利益のうち、社外に分配せず、企業内に留保した剰余金が計上されています。

 

20.株式報酬

(1) ストックオプション制度

当社グループは、2016年3月期まで、取締役、執行役及び一部の従業員に対してストックオプションとして、当社株式を購入する権利を付与していました。行使期間は、割当契約に定められた期間であり、その期間内に行使されない場合は、当該オプションは失効します。

対象者に対して付与されたストックオプションは、持分決済型株式報酬として会計処理されています。

 

前連結会計年度及び当連結会計年度において存在する当社グループのストックオプション制度の詳細は、次のとおりです。

 

付与日

行使期限

行使価格(円)

付与日の公正価値(円)

2015年付与

2015年8月21日

2025年7月29日

1,806

565

 

 

 

付与数

(株)

期末未行使残高(株)

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

2015年付与

820,000

477,000

461,000

 

 

前連結会計年度及び当連結会計年度における行使可能株式総数及び平均行使価格は以下のとおりです。なお、未行使のストックオプションの加重平均残存契約年数はそれぞれ1.3年、0.3年です。

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

至 2025年3月31日)

株数

加重平均
行使価格(円)

株数

加重平均
行使価格(円)

期首未行使残高

548,000

1,806

477,000

1,806

期中行使

期中消滅

△71,000

1,806

△16,000

1,806

期末未行使残高

477,000

1,806

461,000

1,806

期末行使可能残高

477,000

1,806

461,000

1,806

 

 

前連結会計年度及び当連結会計年度において行使されたストックオプションはありません。

 

 

(2) 株式給付信託(取締役及び執行役向け)

当社は、2016年5月16日開催の報酬委員会の決議を経て、当社の取締役及び執行役に対して、信託を活用した株式報酬制度である株式給付信託を導入しています。株式給付信託が当社株式を取得し、当社が付与した総ポイントに応じた当社株式(株式給付部分)及び株式価値に応じた金銭(現金給付部分)を退任時に給付します。なお、信託として保有する当社株式は、自己株式として会計処理しています。また、当該報酬制度は、株式給付部分については持分決済型株式報酬、現金給付部分については現金決済型株式報酬として会計処理しています。

当社は、2019年3月27日開催の報酬委員会において、当社役員に対する信託を活用した株式報酬制度の一部改訂を決議し、2019年4月1日から執行役を対象とする株式報酬制度を業績連動型の制度に改定しました。ただし、執行役を兼務しない取締役を対象とする株式報酬制度については、従前どおり当社の事業業績に連動しない株式報酬制度を適用しています。

当連結会計年度においては、2025年3月期の対価として交付されたポイント数等に基づき、株式報酬費用を認識しています。前連結会計年度及び当連結会計年度における持分決済型株式報酬取引に関する費用は、それぞれ249百万円、283百万円、現金決済型報酬取引に関する費用はそれぞれ、155百万円、△44百万円を連結損益計算書に計上しています。なお、当連結会計年度末において株式給付信託の信託口で保有する当社株式は5,889,075株です。

 

当該報酬制度に基づき付与される当社株式の公正な評価単価の測定方法

(a) 取締役への株式報酬として付与される当社株式の加重平均公正価値測定の主要な前提条件は以下のとおり
      です。

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

付与日

2023年6月23日

2024年6月27日

付与ポイント数

42,187

37,973

付与日の株価

878円

787円

予想残存期間 (注1)

7年

7年

配当率 (注2)

2.9%

3.6%

割引率 (注3)

0.16%

0.74%

1ポイント当たり加重平均公正価値

719円

612円

 

  (注) 1 付与日から株式が交付される日までの年数としています。

    2 過去の配当実績に基づき算定しています。

    3 予想残存期間に対応する国債の利回りに基づいています。

 

 

(b) 執行役への株式報酬として付与される当社株式の加重平均公正価値は、業績評価対象期間終了時点での
      当社株式の株主総利回りとTOPIXの成長率の比較である相対TSRの影響を加味して算定しています。

  加重平均公正価値測定の主要な前提条件は以下のとおりです。

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

付与日

2023年4月1日

2024年4月1日

付与ポイント数 (注1)

547,525

479,515

付与日の株価

756円

876円

予想残存期間 (注2)

7年

7年

配当率 (注3)

4.0%

3.9%

TOPIX配当率 (注4)

2.7%

2.3%

割引率 (注5)

0.21%

0.49%

1ポイント当たり加重平均公正価値

596円

796円

 

  (注) 1 業績評価前のポイント数です。

    2 付与日から株式が交付される日までの年数としています。

    3 付与日時点での配当見込額に基づき算定しています。

    4 付与日の属する年の前年のTOPIX及びTOPIX配当指数推定値を元に算定しています。

    5 計算期間に応じた国債の利回りに基づいています。

 

(3) 株式給付信託(当社及び一部子会社等の一部役職員向け)

当社は、当社及び一部子会社等の一部役職員(以下「幹部社員等」といいます。)に対して、信託を活用した株式報酬制度である株式給付信託を導入しています。株式給付信託が当社株式を取得し、当社が付与した総ポイントに応じた当社株式(株式給付部分)及び株式価値に応じた金銭(現金給付部分)を退職又は退任時に給付します。

ただし、幹部社員等のうち当社執行役員の一部に対して業績連動型の制度を適用することを決定し、2022年4月1日付で同制度を見直しました。

なお、信託として保有する株式は、自己株式として会計処理しています。また、当該報酬制度は、株式部分については持分決済型株式報酬、現金部分については現金決済型株式報酬として会計処理しています。

当連結会計年度においては、2025年3月期の対価として交付されたポイント数等に基づき、株式報酬費用を認識しています。前連結会計年度及び当連結会計年度における持分決済型株式報酬取引に関する費用は、それぞれ133百万円、127百万円、現金決済型報酬取引に関する費用はそれぞれ66百万円、34百万円を連結損益計算書に計上しています。なお、当連結会計年度末において株式給付信託の信託口で保有する当社株式は1,071,305株です。

 

 

当該報酬制度に基づき付与される当社株式の公正な評価単価の測定方法

(a) 当社執行役員の一部を除く幹部社員等に株式報酬として付与される当社株式の加重平均公正価値測定の

  主要な前提条件は以下のとおりです。

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

至 2025年3月31日)

付与日

2023年8月1日

2024年8月1日

付与ポイント数

146,994

127,808

付与日の株価

877円

763円

予想残存期間 (注1)

5年

5年

配当率 (注2)

2.9%

3.7%

割引率 (注3)

0.17%

0.66%

1ポイント当たり加重平均公正価値

760円

635円

 

 (注) 1 付与日から株式が交付される日までの年数としています。

    2 過去の配当実績に基づき算定しています。

    3 予想残存期間に対応する国債の利回りに基づいています。

 

(b) 当社執行役員の一部に株式報酬として付与される当社株式の加重平均公正価値測定の主要な前提条件は

  以下のとおりです。

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

至 2025年3月31日)

付与日

2023年8月1日

2024年8月1日

付与ポイント数(注1, 6)

116,712

109,739

付与日の株価

877円

763円

予想残存期間 (注2)

4年

4年

配当率 (注3)

3.4%

4.5%

TOPIX配当率 (注4)

2.7%

2.3%

割引率 (注5)

0.07%

0.58%

1ポイント当たり加重平均公正価値(注6)

808円

756円

 

 (注) 1 業績評価前のポイント数です。

   2 付与日から株式が交付される日までの年数としています。

    3 付与日時点での配当見込額に基づき算定しています。

   4 付与日の属する年の前年のTOPIX及びTOPIX配当指数推定値を元に算定しています。

   5 計算期間に応じた国債の利回りに基づいています。

   6 一部子会社等の一部役職員につき、現在の公正価値の算出基準に基づき算出した公正価値905円により

         2023年8月1日に遡って19,452ポイントを付与しています。

 

21.売上高

(1) 収益の分解

  売上高は報告セグメントを以下のとおり地域別に分解しています。

  なお、前連結会計年度より従来自動車事業に含まれていたステアリング事業を非継続事業に分類し、報告セグメ

ントから除外しています。

 

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

合計

産業機械

自動車

日本

79,151

170,457

249,608

21,487

271,096

米州

60,675

83,188

143,864

540

144,405

欧州

62,956

38,195

101,152

6,899

108,051

中国

84,338

65,597

149,936

4,300

154,236

その他アジア

57,724

51,382

109,106

1,971

111,077

合計

344,846

408,821

753,667

35,199

788,867

 

(注) 1 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。

2 国又は地域の分類は、地域的近接度によっています。

3 日本及び中国以外の分類に属する主な国又は地域

 米州:米国、カナダ、メキシコ、ブラジル等

 欧州:英国、ドイツ、ポーランド等欧州諸国等

 その他アジア:日本及び中国を除いた東アジア、東南アジア諸国、インド及びオーストラリア等

     4 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、鋼球の製造・販売事業及び機械設備製造事業等を含んでいます。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

合計

産業機械

自動車

日本

82,482

159,557

242,040

19,240

261,280

米州

62,371

86,924

149,296

663

149,960

欧州

57,259

35,656

92,915

7,062

99,977

中国

101,143

66,807

167,950

4,685

172,636

その他アジア

58,222

52,731

110,953

1,859

112,812

合計

361,478

401,677

763,156

33,511

796,667

 

(注) 1 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。

2 国又は地域の分類は、地域的近接度によっています。

3 日本及び中国以外の分類に属する主な国又は地域

 米州:米国、カナダ、メキシコ、ブラジル等

 欧州:英国、ドイツ、ポーランド等欧州諸国等

 その他アジア:日本及び中国を除いた東アジア、東南アジア諸国、インド及びオーストラリア等

     4 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、鋼球の製造・販売事業及び機械設備製造事業等を含んでいます。

 

 

産業機械事業は、一般産業向けの軸受、精密機器関連製品、状態監視システム等を製造・販売しており、自動車事業は、自動車及び自動車部品メーカー向けの軸受、自動変速機用部品等を製造・販売しています。軸受等の物品販売については、物品の支配が顧客に移転したとき、すなわち物品を顧客の指定した場所へ配送し引き渡した時点で収益を認識しています。状態監視システム・サービスの提供等の一定の期間にわたり製品及びサービス等の支配の移転が行われる取引については、顧客に提供する当該製品及びサービスの性質を考慮し、アウトプット法及びインプット法に基づいて履行義務の充足に向けての進捗度を測定し収益を認識しています。顧客への引き渡し後、主として3か月以内に支払いを受けており、約束した対価の金額に重要な金融要素は含まれていません。
 当社グループは、各顧客との取引開始時点で物品の取引価格を決定していますが、一定期間の取引数量等に応じた割戻しを行うものがあり、これらの変動対価の金額は契約条件等に基づき取引価格を調整しています。

 

(2) 契約残高

当社グループの契約残高は、主に顧客との契約から生じた債権であり、残高は「注記6. 売上債権及びその他の債権」に記載しています。

 

(3) 残存履行義務に配分した取引価格

当社グループにおいては、当初の予想契約期間が1年を超える重要な取引を認識していないため、実務上の便法を適用し、残存履行義務に関する情報は開示していません。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。

 

22.販売費及び一般管理費

前連結会計年度及び当連結会計年度における、販売費及び一般管理費の主な内訳は次のとおりです。

    継続事業のみの金額を表示しています。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

  至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

  至 2025年3月31日)

人件費

64,136

63,296

物流費

20,124

21,905

研究開発費

11,794

12,214

製品補償費

1,480

1,882

減価償却費及び償却費

10,024

9,923

旅費、交通費

2,731

2,845

手数料

3,894

3,460

販売関係費

3,226

3,126

修繕料

7,261

8,605

その他

16,246

17,400

合計

140,921

144,661

 

 

(表示方法の変更)

 前連結会計年度において独立掲記していた「賃借料」は、金額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より「その他」に含めて表示しています。この結果、前連結会計年度の「賃借料」に表示していた1,946百万円は、「その他」として組み替えています。

 また、前連結会計年度において「その他」に含めて表示していた「修繕料」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記しています。この結果、前連結会計年度の「その他」に表示していた7,261百万円は、「修繕料」として組み替えています。

 

 

23. その他の営業収益

前連結会計年度及び当連結会計年度における、「その他の営業収益」の内訳は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年 4月 1日

至 2024年 3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年 4月 1日

至 2025年 3月31日)

 子会社の支配喪失に伴う収益

1,646

合計

1,646

 

「子会社の支配喪失に伴う収益」は、当社の子会社であるNLKの一部株式をSBSHDに譲渡し、NLKの支配を喪失したことに伴う収益です。

 

24. その他の営業費用

前連結会計年度及び当連結会計年度における、「その他の営業費用」の内訳は次のとおりです。

継続事業のみの金額を表示しています。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年 4月 1日

至 2024年 3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年 4月 1日

至 2025年 3月31日)

為替差損

1,658

2,507

独占禁止法関連費用(注1)

△345

85

子会社の支配喪失に伴う損失(注2)

1,206

ステアリング事業に関連する費用(注3)

1,234

訴訟関連費用(注4)

869

その他

0

309

合計

1,313

6,213

 

(注)1 当社及び当社の一部子会社による過去における製品の取引に関する競争法違反の疑いに関連して、今後発生し損害し得る損害賠償請求に関連する損失を「引当金(非流動)」に計上していましたが、今後当該損失が発生する可能性が低いと判断されることから、前連結会計年度末において当該損失に相当する額を「引当金(非流動)」から取り崩しました。これによる戻入益を前連結会計年度の「独占禁止法関連費用」に含めています。

2 「子会社の支配喪失に伴う損失」は、当社の子会社であるNSK Europa Holding GmbHが所有するNeuweg Fertigung GmbH(以下「NWG」)の全株式をNew Way Group Holdings Limitedに譲渡し、NWGの支配を喪失したことに伴う損失です。「ステアリング事業に関連する費用」には、ステアリング事業の構造改革に関連する外部専門家費用、2023年5月12日に締結したNS&Cの株式譲渡契約に基づきNS&Cの株式譲渡以前に発生した製品不具合に関する補償費用が含まれています。

3 「ステアリング事業に関連する費用」には、ステアリング事業の構造改革に関連する外部専門家費用、2023年5月12日に締結したNS&Cの株式譲渡契約に基づきNS&Cの株式譲渡以前に発生した製品不具合に関する補償費用が含まれています。

4 米国のIntercontinental Terminals Company LLC(以下「ITC」)がテキサス州ヒューストンにおいて所有するタンクターミナル構内において、2019年3月17日(現地時間)に発生した火災(以下「本件火災」)に関連して、周辺住民等は健康被害等の損害を被ったとして、ITCその他の関係者らに対して、2021年1月13日(現地時間)以降、米国テキサス州の地方裁判所において複数の訴訟を提起しました。その後、当該周辺住民等は、当社製品が当該タンクターミナル内の装置の一部に使用されていたなどと主張して、他の関係者らとともに当社らに対しても複数の訴訟を提起するに至りました。また、これらの訴訟に関連して、ITCらも、当社らに対して、訴訟を提起しました。これらの訴訟(あわせて、以下「本件訴訟」)において、当社らは、当社製品が本件火災と無関係であることを主張して争っていましたが、諸般の事情を総合的に考慮し、ITCらとの間で和解することとしました。本和解により、本件訴訟は全て終結しました。「訴訟関連費用」には、本件訴訟に関連する費用が含まれています。

 

 

25.金融収益及び費用

前連結会計年度及び当連結会計年度における、金融収益及び費用は次のとおりです。

継続事業のみの金額を表示しています。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

至 2025年3月31日)

受取利息

償却原価で測定される金融資産

1,869

1,632

受取配当金

その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産

1,211

1,073

その他の金融収益

償却原価で測定される金融資産

551

541

金融収益合計

3,632

3,247

支払利息

償却原価で測定される金融負債

5,239

5,780

その他の金融費用

425

823

金融費用合計

4,813

6,603

 

 

 

26.金融商品

(1) 資本管理

当社グループは、持続的に成長を続け、企業価値を最大化するための資本管理を行っています。

経営指標として、安定的な収益力を表わす営業利益率を重視するとともに、資産の効率性を追求してROE(親会社所有者帰属持分利益率)及びROIC(投下資本利益率)の向上と、ネットD/Eレシオ(純有利子負債/親会社の所有者に帰属する持分)の適切な管理を行います。

 

(2) 財務リスク管理

当社グループは事業活動を行う過程において、財務上のリスク(市場リスク、信用リスク、流動性リスク)に晒されています。当社グループはこれらのリスクへ対応する為、一定の方針に基づきリスク管理を行っています。

 

① 市場リスク

(a) 外国為替リスク

当社グループは、国際的に事業活動を行っており、様々な通貨、主に米ドル及びユーロに関して生じる為替変動リスクに晒されています。外国為替リスクは、認識されている外貨建資産及び負債から発生しています。

また、当社グループ各社は、為替変動リスクに対応するため、外貨建債権債務の均衡を図り、社内規定に従い必要に応じ先物為替予約によるリスクヘッジを行っています。

 

為替感応度分析

連結会計年度末における外貨建資産・負債の残高のうちヘッジが付されていないエクスポージャーに対して、米ドル及びユーロが1%上昇した場合に、連結会計年度の税引前利益に与える影響額は次のとおりです。但し、本分析においては、その他の変動要因(残高・金利等)は一定であることを前提としています。

(単位:百万円)

 

通貨

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

  至  2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

税引前利益

米ドル

52

50

ユーロ

△2

△2

 

 

前連結会計年度末及び当連結会計年度末において存在する主な為替予約の詳細は次のとおりです。 

(単位:百万円)

種類

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

契約額等

契約額等の
うち1年超

公正価値

契約額等

契約額等の
うち1年超

公正価値

為替予約取引

 

 

 

 

 

 

売建

 

 

 

 

 

 

 米ドル

19,618

△318

17,714

138

 ユーロ

5,646

△94

4,900

△58

買建

 

 

 

 

 

 

 米ドル

888

2

716

1

 ユーロ

 

 

 

(b) 金利リスク

当社グループの借入金のうち一部は変動金利による借入金であり、金利変動リスクに晒されています。社内規定に従い必要に応じデリバティブ取引(金利スワップ取引)を利用してヘッジします。

 

金利感応度分析

当社グループの変動金利借入金(金利スワップ取引によって金利が固定化されたものを除く)について、連結会計年度末に金利が一律1%上昇した場合の税引前利益への影響額は次のとおりです。当該分析は、連結会計年度末に当社グループが保有する変動金利借入金の将来にわたる残高の増減、為替変動の影響、借り換え時期・金利改定時期等を考慮せず、その他のすべての変数を一定として計算しています。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

  至  2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

税引前利益

△892

△733

 

 

(c) 価格リスク

当社グループは、主に業務上の関係を有する企業の株式等を保有しており、資本性金融商品の株価変動リスクに晒されています。株式等については、定期的に時価や発行体の財務状況等を把握し、取引先及び取引金融機関との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しています。

 

価格感応度分析

当社グループが保有する活発な市場のある株式について、連結会計年度末に株価が一律1%下落した場合のその他の包括利益(税効果考慮後)への影響額は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

  至  2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

その他の包括利益

△263

△215

 

 

② 信用リスク

売上債権は、顧客の信用リスクに晒されています。当社グループは、取引先ごとに債権期日管理及び残高管理等を行っており、取引先が契約上の債務に関して債務不履行となるリスクの早期把握、軽減を図っています。
 
 前連結会計年度末及び当連結会計年度末における最大信用リスク額は、信用リスクに晒される金融資産の連結財政状態計算書価額により表されています。
 
 また、当社グループは、回収期日を経過した売上債権をリスクの高いものと考え、取引先をモニタリング管理しています。
 なお、金融資産に対して担保として保有する重要な資産及びその他の信用補完をするものはありません。

 

 

③ 流動性リスク

当社グループは、十分なキャッシュが得られずに、金融負債の支払義務の履行が困難となる流動性リスクに晒されています。当社グループは、各部署及び主要な連結子会社からの報告に基づき適時資金計画を作成・更新するとともに、手許流動性を充分な水準に維持すること等により、流動性リスクを管理しています。当社グループは、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力に加えて、金融機関との400億円のコミットメントラインの設定や、500億円のコマーシャルペーパー発行枠などを確保しており、このようなリスクは少ないと考えています。

 

金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別の残高は次のとおりです。

(単位:百万円)

前連結会計年度

(2024年3月31日)

帳簿残高

契約上
の金額

1年内

1年超
2年以内

2年超
3年以内

3年超
4年以内

4年超
5年以内

 5年超

非デリバティブ金融負債

 

 

 

 

 

 

 

 

仕入債務及びその他の債務

140,451

140,451

140,451

短期借入金

86,389

89,663

89,663

長期借入金

79,556

82,555

17,004

18,903

2,822

12,808

8,696

22,319

社債

153,000

156,117

20,655

25,578

20,495

24,414

25,305

39,668

リース負債

23,669

26,319

5,462

4,450

3,505

2,415

1,408

9,076

デリバティブ金融資産

 

 

 

 

 

 

 

 

為替予約

9

9

9

デリバティブ金融負債

 

 

 

 

 

 

 

 

為替予約

462

462

462

金利スワップ

221

281

5

57

51

44

37

85

 

 

(単位:百万円)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

帳簿残高

契約上
の金額

1年内

1年超
2年以内

2年超
3年以内

3年超
4年以内

4年超
5年以内

 5年超

非デリバティブ金融負債

 

 

 

 

 

 

 

 

仕入債務及びその他の債務

126,551

126,551

126,551

短期借入金

71,850

74,276

74,276

長期借入金

81,552

85,714

20,002

3,952

13,923

9,787

12,671

25,376

社債

153,000

157,293

25,815

20,732

24,651

25,542

30,392

30,157

リース負債

16,710

19,421

4,424

3,364

2,114

1,588

1,289

6,638

デリバティブ金融資産

 

 

 

 

 

 

 

 

為替予約

132

132

132

デリバティブ金融負債

 

 

 

 

 

 

 

 

為替予約

20

20

20

金利スワップ

471

437

81

81

71

60

49

93

 

 

 

(3) 公正価値の見積り

① 帳簿価額及び公正価値

金融資産・負債の帳簿価額及び公正価値は次のとおりです。なお、社債及び長期借入金以外の償却原価で測定する金融資産・負債の公正価値は帳簿価額と近似しているため含めていません。また、経常的に公正価値で測定する金融商品についても、公正価値と帳簿価額が一致するため含めていません。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

帳簿価額

公正価値

帳簿価額

公正価値

金融負債

 

 

 

 

 

長期借入金

79,556

78,846

81,552

79,616

 

社債

153,000

151,479

153,000

148,476

 

 

売上債権及びその他の債権、仕入債務及びその他の債務、短期借入金については、主に短期間で決済されるため公正価値は帳簿価額と同額としています。

投資有価証券のうち、活発な市場がある上場株式の公正価値は、取引所の価格により算定しています。活発な市場がない非上場株式等の公正価値は、主として株価純資産倍率によるマルチプル方式により算定しています。また、前連結会計年度及び当連結会計年度の非上場株式の公正価値測定に用いている観察不能なインプットである非流動性ディスカウントは30%としています。

デリバティブ金融資産及び金融負債のうち、為替予約及び金利スワップについては、同取引を約定した金融機関から提示された評価額によっています。
 長期借入金の公正価値については、元利金の合計額を、当該長期借入金の残存期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しています。但し、変動金利による長期借入金については、金利が一定期間毎に更改される条件となっており、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから当該帳簿価額によっています。
 当社の発行する社債の公正価値は、市場価格に基づき算定しています。

 

 

② 公正価値ヒエラルキー

金融商品の公正価値ヒエラルキーは、レベル1からレベル3までを次のとおり分類しています。

 

レベル1:活発な市場における同一の資産又は負債の市場価格(無調整)により測定された公正価値

レベル2:資産又は負債について、直接的に観察可能なインプット又は間接的に観察可能なインプットのうち
           レベル1に含まれる市場価格以外のインプットにより測定された公正価値

レベル3:資産又は負債について、観察可能な市場データに基づかないインプットにより測定された公正価値 

 

公正価値で測定される又は公正価値が開示される当社グループの金融資産及び負債のヒエラルキー別分類は次のとおりです。

 

前連結会計年度(2024年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

レベル1

レベル2

レベル3

合計

金融資産

 

 

 

 

 

その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産

 

 

 

 

 

株式等

37,852

6,218

44,071

 

純損益を通じて公正価値で測定される金融資産

 

 

 

 

 

デリバティブ金融資産

9

9

 

その他の金融資産

75

75

金融負債

 

 

 

 

 

償却原価で測定される金融負債

 

 

 

 

 

長期借入金

78,846

78,846

 

社債

151,479

151,479

 

純損益を通じて公正価値で測定される金融負債

 

 

 

 

 

デリバティブ金融負債

462

462

 

ヘッジ会計を適用しているデリバティブ

 

 

 

 

 

デリバティブ金融負債

221

221

 

 

 

当連結会計年度(2025年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

レベル1

レベル2

レベル3

合計

金融資産

 

 

 

 

 

その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産

 

 

 

 

 

株式等

31,381

6,512

37,894

 

純損益を通じて公正価値で測定される金融資産

 

 

 

 

 

デリバティブ金融資産

132

132

 

その他の金融資産

139

139

金融負債

 

 

 

 

 

償却原価で測定される金融負債

 

 

 

 

 

長期借入金

79,616

79,616

 

社債

148,476

148,476

 

純損益を通じて公正価値で測定される金融負債

 

 

 

 

 

デリバティブ金融負債

20

20

 

ヘッジ会計を適用しているデリバティブ

 

 

 

 

 

デリバティブ金融負債

471

471

 

 

レベル1に分類される金融資産は、上場株式です。

レベル2に分類される金融資産は、為替予約であり、金融負債は、借入金、社債、為替予約、金利スワップです。

レベル3に分類される金融資産は、非上場株式等です。 

 

当社グループは、これらの資産及び負債のレベル間振替を各四半期末に認識することとしています。

 

 

次の表は、前連結会計年度及び当連結会計年度における経常的に公正価値にて測定されるレベル3の金融商品の変動を表示しています。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

  至  2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

期首残高

5,229

6,293

その他の包括利益で認識された利得及び損失

1,003

△250

純損益で認識された利得及び損失

△10

購入

75

625

売却及び償還

△1

△0

その他

△12

△6

期末残高

6,293

6,651

 

 

その他の包括利益で認識された利得及び損失は、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の純変動」に含めています。純損益で認識された利得及び損失は、連結損益計算書の「金融収益」又は「金融費用」に含めています。

 

資本性金融商品のうち、活発な市場における市場価格がある金融商品の主な銘柄及びそれらの公正価値は、次のとおりです。

 

(単位:百万円)

 

銘柄

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

 

ニデック㈱

10,038

 8,162

 

㈱みずほフィナンシャルグループ

4,495

 4,484

 

㈱コンコルディア・フィナンシャルグループ

2,810

3,582

 

 

活発な市場のない金融商品の公正価値は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ6,293百万円及び6,651百万円です。

 

その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に係る評価差額については、連結会計年度に認識の中止を行ったもの等に係る部分を利益剰余金に振替えています。前連結会計年度及び当連結会計年度の振替額(税引後)はそれぞれ、11,004百万円及び4,613百万円です。

取引関係の見直し等により処分したその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

  至  2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

認識の中止の日現在の公正価値

17,969

8,858

認識の中止の日現在の累積利得又は損失

15,832

6,616

認識の中止を行った投資に係る受取配当金

331

211

 

 

(4) 金融資産と金融負債の相殺

 

金融資産と金融負債は、当社グループが認識された金額を相殺する法的権利を有し、かつ純額ベースで決済するか又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図が存在する場合に、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しています。

 

 

(5) 財務活動から生じた負債の変動額

 

財務活動によるキャッシュ・フローに分類される負債の変動額は、次のとおりです。

 

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

(単位:百万円)

 

期首残高

(2023年4月1日)

キャッシュ・

フロー

非資金取引による変動額

期末残高

(2024年3月31日)

 

契約の締結、修正による

増加

連結範囲の異動による変動

売却目的で保有する負債への振替

外貨換算他

社債

153,000

153,000

短期借入金

79,937

△22,196

28,023

△5,915

6,539

86,389

長期借入金

102,800

40,625

△65,000

1,130

79,556

リース負債

25,078

△5,556

4,628

△140

△119

△221

23,669

合計

360,817

12,871

4,628

△37,116

△6,034

7,447

342,614

 

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

(単位:百万円)

 

期首残高

(2024年4月1日)

キャッシュ・

フロー

非資金取引による変動額

期末残高

(2025年3月31日)

 

契約の締結、修正による

増加

連結範囲の異動による変動

売却目的で保有する負債への振替

外貨換算他

社債

153,000

153,000

短期借入金

86,389

△14,310

△227

71,850

長期借入金

79,556

2,123

△126

81,552

リース負債

23,669

△5,058

3,976

△5,673

△203

16,710

合計

342,614

△17,245

3,976

△5,673

△557

323,113

 

 

 

27.1株当たり利益

(1) 基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

基本的1株当たり当期利益(△は損失)

17.27

21.78

継続事業

27.47

25.34

非継続事業

△10.20

△3.56

希薄化後1株当たり当期利益(△は損失)

17.20

21.71

継続事業

27.37

25.25

非継続事業

△10.16

△3.55

 

 

(2) 基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

 至 2025年3月31日)

親会社の所有者に帰属する当期利益(△は損失)

(百万円)

8,502

10,647

継続事業

13,526

12,387

非継続事業

△5,023

△1,740

発行済普通株式の加重平均株式数(千株)

492,463

488,763

希薄化効果の影響:株式給付信託等(千株)

1,806

1,787

希薄化後の発行済普通株式の加重平均株式数(千株)

494,269

490,550

 

 

 

28.配当金

 (1) 配当金支払額

  前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

決議

株式の種類

配当金の総額

(百万円)

1株当たり
配当額(円)

基準日

効力発生日

2023年5月23日取締役会

普通株式

7,819

15.00

2023年3月31日

2023年6月7日

2023年10月31日取締役会

普通株式

7,444

15.00

2023年9月30日

2023年12月4日

 

(注) 1 2023年5月23日取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託の信託口が所有する自社の株式に対する配当金115百万円が含まれています。

     2 2023年10月31日取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託の信託口が所有する自社の株式に対する配当金107百万円が含まれています。

 

  当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日)

決議

株式の種類

配当金の総額

(百万円)

1株当たり
配当額(円)

基準日

効力発生日

2024年5月22日取締役会

普通株式

7,444

15.00

2024年3月31日

2024年6月7日

2024年10月31日取締役会

普通株式

8,436

17.00

2024年9月30日

2024年12月3日

 

(注) 1 2024年5月22日取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託の信託口が所有する自社の株式に対する配当金106百万円が含まれています。

     2 2024年10月31日取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託の信託口が所有する自社の株式に対する配当金118百万円が含まれています。

 

 (2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの

  前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

決議

株式の種類

配当の原資

配当金の総額

(百万円)

1株当たり
配当額(円)

基準日

効力発生日

2024年5月22日取締役会

普通株式

利益剰余金

7,444

15.00

2024年3月31日

2024年6月7日

 

(注)2024年5月22日取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託の信託口が所有する自社の株式に対する

     配当金106百万円が含まれています。

 

  当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日)

決議

株式の種類

配当の原資

配当金の総額

(百万円)

1株当たり
配当額(円)

基準日

効力発生日

2025年5月23日取締役会

普通株式

利益剰余金

8,436

17.00

2025年3月31日

2025年6月6日

 

(注)2025年5月23日取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託の信託口が所有する自社の株式に対する

     配当金118百万円が含まれています。

 

 

29.関連当事者

(1) 関連当事者との取引

当社グループと関連当事者との取引金額及び未決済金額は次のとおりです。

 

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

(単位:百万円)

種類

名称

関連当事者関係の内容

取引金額

未決済残高

ジョイント・ベンチャー

NSKワーナー㈱

自動車関連製品の購入

48,041

10,242

関連会社

NSKステアリング&コントロール㈱

自動車関連製品の購入 (注4)

13,444

従業員のための

退職後給付制度

日本精工㈱退職給付信託

退職給付信託資産の一部返還

35,000

 

(注)1 上記金額のうち、取引金額には消費税等を含めず、期末残高には消費税等を含めて表示しています。

   2 製品の購入については、関連当事者の総原価を勘案し、価格交渉のうえ決定しています。

   3 連結子会社との取引は、連結財務諸表上消去されているため、開示の対象に含めていません。

   4 第163期(2024年3月期)第2四半期連結会計期間より、NSKステアリング&コントロール株式会社(以下「NS&C」)

         は当社の連結子会社から持分法適用関連会社となりました。

         当社とNS&Cの間の自動車関連製品の購入等の取引金額は、当社が代理人として行った取引のため、当該取引

     金額については純額で表示しています。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

(単位:百万円)

種類

名称

関連当事者関係の内容

取引金額

未決済残高

ジョイント・ベンチャー

NSKワーナー㈱

自動車関連製品の購入

36,820

7,682

関連会社

NSKステアリング&コントロール㈱

自動車関連製品の購入 (注4)

13,804

関連会社

NSKステアリング&コントロール㈱

自動車関連製品の販売 (注4)

16,120

従業員のための

退職後給付制度

日本精工㈱退職給付信託

退職給付信託資産の一部返還

70,000

 

(注)1 上記金額のうち、取引金額には消費税等を含めず、期末残高には消費税等を含めて表示しています。

   2 製品の購入については、関連当事者の総原価を勘案し、価格交渉のうえ決定しています。

   3 連結子会社との取引は、連結財務諸表上消去されているため、開示の対象に含めていません。

   4 当社とNS&Cの間の自動車関連製品の購入、販売等の取引金額は、当社が代理人として行った取引のため、当該

         取引金額については純額で表示しています。

 

(2) 経営幹部への報酬

当社グループにおける主な経営幹部に対する報酬は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月 1日

  至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月 1日

  至 2025年3月31日)

基本報酬・業績連動報酬

786

812

株式報酬等

405

238

合計

1,192

1,051

 

 

 

30.偶発事象

該当事項はありません。

 

31.後発事象

(ステアリング事業会社株式の譲受契約の締結について)

当社は、2025年5月12日にジャパン・インダストリアル・ソリューションズ第参号投資事業有限責任組合(以下「JIS」)との間で、JISが保有する当社の持分法適用関連会社であるNSKステアリング&コントロール株式会社(以下「NS&C」)の全株式を当社が取得することにより支配を獲得することを内容とする株式譲渡契約を締結しました。当社によるNS&C株式の取得(以下「本取引」)に伴いNS&Cは、当社の子会社となる予定です。

 

(1) 本契約の背景・目的

NS&Cは、当社のステアリング事業をグローバルに統括する子会社でしたが、2023年8月1日以降、JISが議決権の50.1%、当社が49.9%を保有する持分法適用会社となり、様々な改善施策に取り組んできました。

新体制に移行してから約2年が経過し、当初よりJISとともに取り組んでいた4つの改善施策のうち、「収益性改善に向けた更なる構造改革の推進」「スタンド・アローン化の推進(ガバナンス構造・プロセスの見直し)」「モニタリング体制の強化」に目途が立ち、2024年度は黒字化するなど収益体質の改善が実現しました。

一方で、近年の自動車部品業界を取り巻く環境は大きく変化しており、これまで以上に機動的な対応が求められることからJISと協議の上、当社主導で残る「ストラテジック・パートナーとのアライアンスの検討」に取り組むこととし本取引に伴いNS&C及び同社の子会社を当社の子会社とすることとしました。

 

(2) 本取引の概要

・異動する子会社(NSKステアリング&コントロール株式会社)

①異動前の当社所有株式数

普通株式 10,000株

(議決権の数:10,000個)

(議決権所有割合:49.9%)

②JISより取得予定の株式数

A種種類株式 10,041株

(議決権の数:10,041個)

(議決権所有割合:50.1%)

③異動後の当社所有株式数

普通株式 10,000株

A種種類株式 10,041株

(議決権の数:20,041個)

(議決権所有割合:100%)

 

 

(3) 本取引の実行日

2025年9月1日(予定)

 

本取引の条件となる国内外の競争法に基づく必要な手続き及び対応等により、実行日が変動する可能性があります。

 

(4) 今後の見通し及び業績に与える影響

本件に伴う当社の連結業績及び財政状況に与える影響については、現在精査中です。

本取引に関しては、IFRS第3号「企業結合」の規定を適用する予定です。

<参考情報>

2025年3月期のNS&C実績(連結)

売上高    1,603億円

営業利益     43億円