(1)業績
当連結会計年度における当社グループをとり巻く環境は、国内での先行き不安、中国・アセアンをはじめとした新興国経済の成長鈍化など一部に弱さも見られるものの、米国を中心とした先進国経済の回復基調の継続と、海外の自動車生産の堅調な推移などから、引き続き緩やかに回復いたしました。
このような状況のもと、当社グループは、工具、工作機械、ロボット、ベアリング、油圧機器、そして特殊鋼事業をあわせ持つ総合機械メーカーとしての特長を活かし、海外の現地ユーザーを中心とした新規開拓や、新商品の投入、既存商品のラインナップの拡充にとり組むとともに、生産性の向上をはじめとしたトータルコストダウンの成果のとり込みなど、収益改善をすすめてまいりました
当連結会計年度の売上高は、2,185億35百万円(前期比0.1%増)、このうち、国内向けの売上高は1,159億10百万円(同2.2%減)、海外売上高は1,026億24百万円(同2.9%増)となりました。
利益面につきましては、営業利益は189億45百万円(前期比2.0%増)、経常利益は173億16百万円(同6.0%減)、当期純利益は115億93百万円(同16.7%増)となりました。
なお、連結子会社のうち、在外子会社については、従来9月30日現在の財務諸表を使用しておりましたが、前連結会計年度より11月30日現在の財務諸表を使用することに変更しております。この変更により、在外子会社については、前連結会計年度は14ヶ月となっております。
セグメントの業績につきましては、次のとおりであります。
機械工具事業では、日系自動車メーカーの生産調整の影響が一部あったものの、工具やロボットの新商品投入で
補い、機械工具トータルの売上高は754億98百万円(前期比0.9%増)となり、営業利益は85億12百万円(同26.7%増)
となりました。
部品事業につきましては、産機・市販分野において一部減速の動きも見られましたが、海外での堅調な自動車需
要の取り込みと、小型建設機械分野のシェアアップをすすめ、部品トータルの売上高は1,264億80百万円(前期比
0.7%増)となり、営業利益は87億55百万円(同11.8%減)となりました。
その他事業では、特殊鋼の需要変動などの影響を受けて、売上高は165億57百万円(前期比6.8%減)、営業利益は
17億2百万円(同12.1%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動および財務活動による収入が投資活動による支出を下回った結果、前連結会計年度末に比べ19億82百万円減少し、214億87百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果獲得した資金は、138億55百万円(前連結会計年度比48億44百万円減)となりました。これは、主として、税金等調整前当期純利益168億68百万円、減価償却費129億82百万円などより資金が増加し、仕入債務の減少50億13百万円、たな卸資産の増加24億6百万円、法人税等の支払73億55百万円などにより資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は、220億17百万円(前連結会計年度比28億57百万円増)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出209億25百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果獲得した資金は、67億77百万円(前連結会計年度比23億60百万円増)となりました。これは主として、短期借入金の純増額55億6百万円、長期借入れによる収入250億95百万円などにより資金が増加し、長期借入金の返済212億18百万円などにより資金が減少したことによるものであります。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
機械工具 |
61,125 |
11.0 |
|
|
部品 |
125,744 |
0.1 |
|
|
その他 |
16,072 |
△10.5 |
|
|
合計 |
202,942 |
2.2 |
|
(注)1.金額は平均販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
|
|
機械工具 |
78,340 |
0.1 |
24,804 |
12.9 |
|
|
部品 |
126,565 |
△0.3 |
18,046 |
0.5 |
|
|
その他 |
16,813 |
△6.1 |
3,978 |
6.9 |
|
|
合計 |
221,719 |
△0.6 |
46,829 |
7.3 |
|
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
機械工具 |
75,498 |
0.9 |
|
|
部品 |
126,480 |
0.7 |
|
|
その他 |
16,557 |
△6.8 |
|
|
合計 |
218,535 |
0.1 |
|
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主要な相手先別の販売実績および販売実績の総額に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
岡谷鋼機株式会社 |
27,317 |
12.5 |
28,527 |
13.1 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年2月25日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループは、「ものづくりの世界の発展に貢献する」ことを会社の使命とし、企業価値の向上に努めること
を最重要課題と考えております。
長期ビジョン2020として、「成長企業への挑戦、夢をかなえるものづくり企業へ」を掲げ、その実現に向け筋肉
質な経営体質への転換と、以下の中期経営方針のもとグループの総力を挙げてとり組んでおります。
① 成長市場の深耕
国内・欧米に加え、中国・ASEAN・インドをはじめとした新興国で事業基盤を確立し、中長期的な拡大が期待できる成長分野へ、経営資源を重点投入する。
② 新商品・新事業の創出
画期的な新商品・改良商品の市場投入により、新たな需要を生み出し、事業を拡大する。
③ 人材の強化・育成
「熱意と誠意とスピード」をベースに、QC的な発想とグローバルな観点をもって、高い目標にチャレンジする。
(2) 当社の財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針
① 基本方針の内容の概要
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの財務および事業の内容や当社グープの企業価値の根源を十分に理解し、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を持続的に確保し、向上していくことを可能とする者であることが必要であると考えております。
当社では、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方については、当社株式の市場における自由な取引を通じて決まるものであり、特定の株主または株主グループによって当社の株式の一定規模以上の買付行為(本①において、以下、かかる買付行為を「大規模買付行為」といい、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。)が行われた場合であっても、株主の皆様がこれを受け入れて大規模買付行為に応じるか否かの判断は、最終的に株主の皆様の判断に委ねられるべきものと考えております。
しかしながら、大規模買付行為は、それが成就すれば、当社グループの経営に直ちに大きな影響を与えうるだけの支配権を取得するものであり、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に重大な影響を及ぼす可能性を内包しております。こうした事情に鑑み、当社は、大規模買付者をして株主の皆様の判断に必要かつ十分な情報を提供せしめること、さらに、大規模買付者の提案する経営方針等が当社グループの企業価値に与える影響を当社取締役会が検討・評価して株主の皆様の判断の参考に供すること、場合によっては当社取締役会が大規模買付者と交渉または協議を行い、あるいは経営方針等の代替的提案を株主の皆様に提示することも、当社の取締役としての責務であると考えております。
さらに、今日、当社グループの企業価値または株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすような大規模買付行為がなされる可能性も決して否定できない状況にあります。
このような当社グループの企業価値または株主共同の利益に資さない大規模買付者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、当社は、このような大規模買付行為に対しては、大規模買付者による情報提供、当社取締役会による検討・評価といったプロセスを確保するとともに、当社グループの企業価値または株主共同の利益に対する明白な侵害を防止するため、大規模買付行為に対する対抗措置を準備しておくことも、また当社の取締役としての責務であると考えております。
② 基本方針実現のためのとり組みの具体的な内容の概要
1. 基本方針の実現に資する特別なとり組み
当社グループは、「ものづくりの世界の発展に貢献する」という会社の使命に基づいて、総合機械メーカーとしての強みを発揮し、世界市場でナチブランドを確立することを経営の基本方針としております。
こうした経営の基本方針に基づいて、当社グループは、工具、工作機械、ロボット、ベアリング、油圧機器、そして特殊鋼事業で蓄積してきた技術シーズ、事業のシナジーを活かして、世界の顧客のものづくりのプロセスに対して、高精度、高機能、高い信頼性をアピールできる商品ラインとサービスを提供しております。
そして、経営の透明性・公平性を高め、株主の皆様をはじめ当社グループと関係するカスタマー、サプライヤー、金融機関、従業員、地域社会など多様なステークホルダーとの良好な関係を築き、長期的かつ安定的な収益の確保をはかり、企業価値を高めて社会的な使命を果たすよう努めております。
さらに、当社としましては、工具、工作機械、ロボット、ベアリング、油圧機器、そして特殊鋼事業をあわせ持つ総合機械メーカーとしての強みを活かし、“成長企業への挑戦、夢をかなえるものづくり企業”を実現することを目指して、2020年をターゲットとした長期ビジョンと、そのマイルストーンとして、2016年までの中期経営計画を策定いたしました。
また、当社は、株主の皆様に対する利益還元を企業経営の基本の一つとして位置づけ、配当につきましては、連結業績、配当性向などを総合的に勘案し、安定的な配当を継続実施することを基本としております。また、内部留保資金につきましては、将来の事業展開、財務体質の強化に充当いたします。
当社グループは、長期的な展望に立って経営資源の拡充に努め、中期経営計画における基本方針に基づいて、ナチブランドの確立と企業価値の最大化にグループをあげてとり組んでまいります。
2. 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止する
ためのとり組み
当社は、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を確保、向上させ、上記基本方針(当社の財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針をいいます。以下、同じとします。)を実現するため、平成20年2月20日開催の当社第125期定時株主総会において、当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)を導入し、その後、平成23年2月23日開催の当社第128期定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただき継続いたしました。(以下、継続後の対応策を「原施策」といいます。)
当社は、社会・経済情勢の変化、買収防衛策に関する議論の進展等も踏まえ、原施策の継続の是非や内容について検討を行った結果、平成26年1月16日開催の当社取締役会において、原施策を継続する内容の当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)(以下「本施策」といいます。)について決議し、平成26年2月19日開催の当社第131期定時株主総会において本施策の継続に関する議案は承認可決されました。
(a) 本施策継続の目的および対象となる当社株券等の買付け
本施策は、特定株主グループの議決権保有割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権保有割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(取引所金融商品市場における買付け、公開買付け、その他具体的な買付方法の如何を問いませんが、当社取締役会が予め同意したものを除きます。以下、かかる買付行為を「大規模買付行為」といい、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。)が、当社グループの企業価値に重大な影響を及ぼす場合において、上記①に記載の基本方針に沿って当社グループの企業価値を確保し、向上させるため、大規模買付行為に適切な対応を行うことを目的としております。
ここに、特定株主グループとは、(Ⅰ)当社株券等の保有者およびその共同保有者、または(Ⅱ)当社株券等の買付け等を行う者およびその特別関係者をいい、議決権保有割合とは、特定株主グループが上記(Ⅰ)の場合においては当該保有者の株券等保有割合をいい、特定株主グループが上記(Ⅱ)の場合においては当該大規模買付者および当該特別関係者の株券等所有割合の合計をいいます。
(b) 本施策の概要
本施策は、大規模買付者が従うべき大規模買付ルールと、大規模買付行為に対して当社がとりうる大規模買付対抗措置から構成されております。
本施策においては、まず、大規模買付ルールとして、大規模買付者に対し、株主の皆様および当社取締役会による判断のための情報提供と、当社取締役会による検討・評価の期間の付与を要請しております。
次に、当社取締役会が、大規模買付対抗措置として、会社法その他の法令および当社定款によって認められる相当な対抗措置の発動を決議しうることを前提として、その発動の要件を、大規模買付者が大規模買付ルールを順守しない場合または大規模買付行為によって当社グループの企業価値または株主共同の利益が著しく毀損される場合に限定することといたしました。
本施策に基づき大規模買付対抗措置を発動するか否かは、最終的には当社取締役会により決定されますが、当社取締役会の判断の客観性および合理性を担保するため、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社の社外取締役、社外監査役または社外有識者から構成される独立委員会を設置し、その意見を最大限尊重することといたしました。
なお、当社は、本施策に従って大規模買付対抗措置を機動的に実施するため、新株予約権の発行登録を行う場合があります。また、本施策の有効期限は、平成29年2月に開催予定の当社第134期定時株主総会終結の時までとします。
本施策の詳細につきましては、インターネット上の当社ウェブサイト(http://www.nachi-fujikoshi.co.jp/)に掲載の平成26年1月16日付当社ニュースリリース「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の継続のお知らせ」をご参照ください。
③ 上記の各とり組みに対する当社取締役会の判断および理由
1. 基本方針の実現に資する特別なとり組み
上記②1.に記載した企業価値向上のためのとり組みは、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を持続的に確保し、向上させるための具体的方策として策定されたものであり、基本方針の実現に資するものです。従って、これらのとり組みは、基本方針に沿い、当社の株主共同の利益を損なうものではありません。
2. 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止する
ためのとり組み
(a) 本施策が基本方針に沿うものであること
本施策は、大規模買付者をして株主の皆様の判断に必要かつ十分な情報を提供せしめること、さらに、大規模買付者の提案する経営方針等が当社グループの企業価値に与える影響を当社取締役会が検討・評価して株主の皆様の判断の参考に供すること、場合によっては、当社取締役会が大規模買付行為または当社グループの経営方針等に関して大規模買付者と交渉または協議を行い、あるいは当社取締役会としての経営方針等の代替的提案を株主の皆様に提示する等を可能とすることにより、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるための枠組みであり、上記①に記載の当社の基本方針に沿うものです。
(b) 本施策が株主共同の利益を損なうものでなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでは
ないこと
当社は、本施策は当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保または向上を目的とするものであること、大規模買付ルールの内容ならびに大規模買付対抗措置の内容および発動要件は事前に開示されていること、本施策の継続等について株主の皆様の意思が反映されていること、大規模買付対抗措置の発動の手続について当社取締役会の判断に係る客観性・合理性が確保されていること、本施策は経済産業省および法務省が平成17年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則を完全に充足していること、本施策は経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」に適合していること、デッドハンド型買収防衛策ではないことの理由から、本施策は、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(3) その他
当社および当社の子会社は、過去のベアリングの取引に関して、海外の競争法関係当局の調査を受けております。また、当社は、平成27年3月に韓国公正取引委員会から2,206百万ウォンの課徴金の支払いを命じられました。これらの調査に関連して、当社および当社の子会社に対して、米国およびカナダにおいて集団訴訟が提起されており、今後、同種の訴訟を提起される可能性があります。
当社グループは、引き続きコンプライアンス体制の強化をすすめ、法令順守の徹底と社会的信頼の向上に努めてまいる所存であります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年2月25日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経済情勢・需要変動について
当社グループは、自動車・自動車関連、一般産業機械、電機・電子等の各需要分野にわたって事業を展開しており、また、地域的には、日本のほか、米州、欧州、アジアに進出しております。このため、当社グループの経営成績、財政状態およびキャッシュ・フローは、各製品を製造、販売している特定の国、地域の経済状況の変動や取引先が属する産業の景気変動の影響を受ける可能性があります。とくに、自動車・自動車関連産業向けが販売の約半分を占めており、その需要の縮小は、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。これに対し、需要の裾野が広い一般産業機械分野、電機・電子分野への販売拡大など、バランスを考えた施策をはかっております。
(2) 海外事業展開について
当社グループは、日本のほか、米州、欧州、アジアに進出し、グローバルな事業展開を行っており、アメリカ、ブラジル、チェコ、タイ、シンガポール、中国、台湾、韓国、インド、メキシコに生産拠点を有し、販売会社も各地域に設立しております。連結売上高に占める海外売上高の割合は約5割程度となっており、事業拡大に向けた営業・生産体制の拡充を進めております。各国および地域の経済環境の動向や法規制等の予期せぬ変化が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 外的要因が財務状況に与える影響について
外貨建ての商取引により、為替レートの変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、金利の上昇も、支払利息の増加を招く可能性があります。当社グループは、為替変動や金利変動の悪影響を軽減するため、為替予約、最適地調達・生産等の手段を含めてリスクヘッジを進め、また、有利子負債の削減を軸に財務体質の強化に努めております。
(4) 価格競争について
当社グループの主力需要先である自動車・自動車関連産業は競争が激しく、同業界と取引する上で、価格引き下げ要請への相応の対応が不可避であります。また、原材料の一部に価格の上昇がみられ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これらに対し、原材料の購入量ならびに在庫量の最適化にとり組むとともに、VA・VE活動の強化や設計・部品の標準化による調達コストの削減、生産性の向上など、原価低減活動を継続的に実施しております。
(5) 原材料や部品の調達について
当社グループは、原材料および部品を複数の供給元から調達し、取引基本契約に基づき安定的な取引を行なっております。しかしながら、市況の変化による原材料および部品の価格高騰や品不足、供給元の生産能力不足や品質不良、または火災や地震等の自然災害、あるいは倒産その他の理由により、原材料および部品の調達が困難となり、当社グループ製品の取引先への製品供給に支障をきたすリスクがあります。このような場合、当社グループの業績および財務状況は悪影響を受ける可能性があります。
(6) 品質問題について
当社グループは、世界的に認められている品質管理基準に従い各種製品を製造しております。しかしながら当社グループ製品が予期せぬ不具合を起こした場合には、多額の費用発生や社会的な信用低下等により、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。このため、品質保証を最重要課題の一つとして位置付け、グループをあげて品質管理の徹底をはかっております。
(7) 環境安全、安全対策について
当社グループでは、環境負荷の低減に努めており、これまで重大な環境問題を生じさせたことはありません。しかしながら、予期せぬ事情により将来において環境問題が発生した場合、対策費用が発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、製造設備等の主要施設については、火災等により生産活動や製品供給に混乱をきたすことのないよう、災害対策に努めております。
(8) 知的財産権について
当社グループはこれまでの製品開発において蓄積してきた技術を知的財産権として、権利保護の徹底と経営資源としての活用を図っております。しかし、特定の国および地域において、法的実効性が必ずしも十分でないため、当社グループの知的財産権を使って類似した製品を製造することを効果的に排除できない場合など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性を完全に排除できるものではありません。
(9) 競争法当局の調査等について
当社および当社の子会社は、過去のベアリングの取引に関して、海外の競争法関係当局の調査を受けております。また、当社は、平成27年3月に韓国公正取引委員会から2,206百万ウォンの課徴金の支払いを命じられました。これらの調査に関連して、当社および当社の子会社に対して、米国およびカナダにおいて集団訴訟が提起されており、今後、同種の訴訟を提起される可能性があります。
これらの事案は、今後、当社グループの経営成績等へ影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは「成長企業への挑戦、夢をかなえるものづくり企業をめざす」という長期ビジョンのもと、商品・技術の連環を強め、独自性の高い技術開発で社会の発展に貢献し、顧客から選ばれる企業を目指しております。
中期的には新興国のニーズに合った商品開発の推進と、新しい市場や新しい部位、ボリュームゾーンに向けた新商品の開発に取り組んでおります。
開発体制としては、既存商品の改良・開発を各事業部がとり組み、新商品・新規事業創出のための開発を技術開発部がとり組んでおります。技術開発部は、新規開発テーマの発掘から基礎技術および新商品の開発を行なっております。
また、カスタマーやサプライヤー、産学との共同開発を推進し、当社の技術シーズを補完し、開発のスピードアップを図っております。
これらの活動に伴う当連結会計年度の研究開発費は、機械工具事業で20億92百万円、部品事業で16億91百万円、その他の事業で4億87百万円となり、総額で42億71百万円となりました。
当連結会計年度の主な活動状況および開発成果は次のとおりであります。
(1)機械工具事業
工具は、米国を中心に堅調に推移する自動車分野、需要拡大が著しい航空機分野向けに商材拡大や、新しい加工法の提案、エンジニアリング事業の展開で受注、シェアの拡大を図っております。
ラウンドツールは新タップシリーズ「SGタップ」「Nタップ」を発売いたしました。超硬ドリルとタップの組み合わせで最適な穴あけ加工方法を提案し、自動車・航空機・機械部品加工において安定性の向上、コスト低減に貢献いたしました。
精密工具では、歯車加工における生産性の飛躍的な向上を実現した超高速加工用ホブ「FMH-SVホブ」の寿命の安定性が好評で、自動車部品分野を中心に採用拡大しております。
工作機械は、機械・工具の双方を提供できる世界でも類のないメーカーである特徴を活かし、国内外の自動車市場の需要に向けて、高精度・高能率加工や省エネ・省スペース化に取り組んでおります。北米市場向けにCNCブローチ盤「HXシリーズ」を展開、また、表面仕上げ機(パワーフィニッシャ)のモデルチェンジと加工対象を広げる用途展開を進めてまいりました。さらに市場ニーズに応えるべく、加工技術を活かした複合加工機の開発を進めております。
ロボットは、世界最速・軽量コンパクトロボット「MZ04-CDF」を発売いたしました。高い基本性能と幅広い適用性という特長を活かして、人件費の高騰、労働人口の減少や少子高齢化がすすむなかで、各種加工・小物搬送・組立・箱詰・梱包など自動車・産機分野だけでなく、電機・電子、食品、化学など幅広い分野のロボット化・自動化に貢献します。
(2)部品事業
ベアリングは、産業機械分野向けで、自動調心ころ軸受の性能(耐アキシアル荷重性、低昇温性、高速性)向上、スラスト自動調心ころ軸受の性能(低昇温性、高速性)向上を図り、EXQシリーズ(自動調心ころ軸受)、EXS1シリーズ(スラスト自動調心ころ軸受)を市場に投入し、産業機械の信頼性向上に貢献しております。また、自動車分野向けでは、海外工場の生産性向上とコストダウン要求への対応として、海外材料の評価を実施してきており、海外材料を採用した軸受の生産を開始しております。
油圧は、工作機械などの産機用油圧ポンプと電動機をコンパクトに一体化した「ユニポンプ」の改良を行い、高効率(IE3)モータを採用することにより、保圧状態で従来比最大12%の省エネを実現しました。4月から発売を開始し、機械の消費電力削減に貢献しております。引き続き、環境規制への対応を進めまいります。建設機械向けには、顧客ニーズに対応しながら、9tまでのミディショベル向け走行、旋回モータなどのシェア拡大が出来ました。引き続き、コンパクトショベル用商品の開発、ミニショベル用商品の改良を行い、成長するコンパクトショベル向け商品の受注拡大に取り組んでまいります。
カーハイドロリクスは、自動車自動変速機市場向けに新商品としてアイドルストップに対応した、発進補助用の大流量ノンリークバルブを開発し、2017年モデルの自動変速機へ採用が決定されました。比例弁については低コスト品の量産設計を進め、2018年モデルへの投入準備を進めています。また、新たに取組んだターボエンジン用バルブなど、自動変速機以外への取組の強化を進めています。
(3)その他の事業
マテリアルは、環境対応型次世代自動車に要求される高強度高耐食ステンレス鋼EXEO-CR20を商品化いたしました。これは高い引張り強度に加え、従来材種では達成できなかった優れた耐食性を兼ね備えた材料であり、当該業界で高い評価を得ております。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年2月25日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、2,185億35百万円と前連結会計年度と比べ0.1%増収となりました。このうち、国内売上高が、1,159億10百万円と同2.2%の減収となりました。これは、自動車分野の需要低迷によるものであります。一方で、海外売上高は、1,026億24百万円と同2.9%の増収となりました。これは、北米市場、アセアン・中国を中心としたアジア市場の拡大によるものであります。
② 売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は522億39百万円と前連結会計年度に比べ、8.1%の増益となりました。これは、生産性の向上をはじめとしたトータルコストダウンの成果のとり込みなど、収益改善をすすめたことによるものです。
③ 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の297億40百万円から332億93百万円に増加しました。これは、海外を中心とした営業体制の強化による人件費増、輸出品の売上増加による荷造運搬費などの増加によるもので、売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は15.2%と前連結会計年度に比べて1.6ポイント上昇しました。
④ 営業損益
当連結会計年度の営業利益は189億45百万円、前連結会計年度に比べ3億71百万円の増益となりました。
⑤ 営業外損益
営業外損益(費用)は、前連結会計年度1億54百万円の費用(純額)から16億29百万円の費用(純額)と14億74百万円増加しました。主として、為替差損の影響によるものであります。
⑥ 経常損益
当連結会計年度の経常利益は173億16百万円、前連結会計年度に比べ11億3百万円の減益となりました。
⑦ 当期純損益
特別利益は、固定資産売却益の計上で16百万円となり、前連結会計年度に比べて12百万円減少しました。特別損失は、海外子会社税務関連損失、固定資産除却損などの計上により4億64百万円となり、前連結会計年度に比べ12億84百万円減少しました。
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計は、50億65百万円となり、前連結会計年度に比べ12億92百万円減少しました。
これらの結果、当連結会計年度の当期純利益は115億93百万円となり、前連結会計年度に比べて16億58百万円の増益となりました。
(3) 資本の財源および資金の流動性についての分析
① 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、2,681億12百万円となり、前連結会計年度末に比べ124億31百万円増加しました。主として、たな卸資産が15億34百万円、有形固定資産が90億39百万円、投資有価証券が24億94百万円、退職給付に係る資産が15億8百万円増加しております。
負債合計は、1,588億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億94百万円増加しました。主な増減としましては、借入金が87億16百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が54億95百万円減少しております。
純資産合計は1,093億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ117億37百万円増加しました。主として、利益剰余金が101億47百万円、その他有価証券評価差額金勘定が18億19百万円増加しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ、19億82百万円減少し、214億87百万円となりました。これは、営業活動で138億55百万円、財務活動で67億77百万円獲得し、投資活動で220億17百万円の資金を使用したことによるものであります。
営業活動による資金の獲得は、主として税金等調整前当期純利益168億68百万円、減価償却費129億82百万円であります。一方、資金の支出は、主としてたな卸資産の増加24億6百万円、仕入債務の減少50億13百万円であります。これらの結果、営業活動により獲得した資金は138億55百万円となり、前連結会計年度に比べ48億44百万円減少しました。
投資活動により使用した資金は、主として、設備投資によるものであります。主な投資内容は、米州および中国・アセアン地域などで生産体制の拡充、国内を中心とした合理化投資であり、有形固定資産の取得による支出は209億25百万円となりました。これらの結果、投資活動により使用した資金は220億17百万円となり、前連結会計年度に比べ28億57百万円増加しました。
財務活動により使用した資金は、主として、長期借入金の返済による支出212億18百万円、配当金の支払額19億88百万円であります。一方、獲得した資金は、主として長期借入れによる収入250億95百万円、短期借入金の純増減額55億6百万円であります。これらの結果、財務活動により獲得した資金は67億77百万円であります。
③ 資金需要
当社グループの資金需要は、生産活動に必要な運転資金(材料費、外注費、人件費、諸経費)、販売費及び一般管理費等の営業活動費用、研究開発費が主な内容であります。また、投資活動については、機械保全ならびに品質向上のための設備投資を進めており、今後、その資金需要の発生を見込んでおります。
これらの資金需要に対しては、安定した収益基盤を確立し一層の利益追求をはかると同時に、売上債権、たな卸資産の回転効率向上、固定資産の稼働率向上を通して資産の効率化にとり組んでおります。また、不足分の資金は、有利子負債による調達を基本にしており、取引銀行との安定した調達体制の維持に努めております。なお、当社および主要なグループ会社間でキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入しており、グループ内の資金効率化をはかることにより、外部借入の削減に努めております。
一方、設備投資など前向きの利益追求のための所要資金については、調達の多様化、財務基盤の強化も視野に検討対象を拡げた運営を行います。