(1)業績
当連結会計年度における当社グループをとり巻く環境は、米国を中心とした先進国経済の回復が見られたものの、中国をはじめとした新興国経済の成長鈍化の影響などもあり、総じて先行きが不透明なまま推移しました。
このような状況のもと、当社グループは、工具、工作機械、ロボット、ベアリング、油圧機器、そして特殊鋼事業をあわせ持つ総合機械メーカーとしての特長を活かし、海外の現地ユーザーを中心とした新規開拓や、新商品の投入、既存商品のラインナップの拡充などによる売上拡大にとり組みました。また、生産性の向上をはじめとしたトータルコストダウンなどに努めるとともに、将来の事業拡大に向け、ロボット部門を中心に開発・営業・生産体制の拡充を進めてまいりました。
しかしながら、当連結会計年度の売上高は、為替が円高で推移したことなどから、2,114億49百万円(前連結会計年度比3.2%減)、このうち、国内向けの売上高は1,129億20百万円(同2.6%減)、海外売上高は985億29百万円(同4.0%減)となりました。利益面につきましては、営業利益は111億39百万円(同41.2%減)、経常利益は77億65百万円(同55.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は39億29百万円(同66.1%減)となりました。
セグメントの業績につきましては、次のとおりであります。
機械工具事業では、産業機械・電機・電子向けを中心に、国内外でロボットが大きく伸長しましたが、工具・工作機械が伸び悩み、機械工具トータルの売上高は752億39百万円(前連結会計年度比0.3%減)となり、ロボット部門を中心に海外営業要員や開発要員の増員、テクニカルセンターの新設などの体制整備を進めたことから、営業利益は46億29百万円(同45.6%減)となりました。
部品事業では、建設機械・自動車向けの油圧機器が堅調に推移しましたが、産業機械分野の生産調整の影響を受けて、ベアリングの需要が停滞し、部品トータルの売上高は1,222億62百万円(前連結会計年度比3.3%減)、営業利益は55億35百万円(同36.8%減)となりました。
その他の事業では、特殊鋼の需要減少により、売上高は139億48百万円(前連結会計年度比15.8%減)、営業利益は9億38百万円(同44.9%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、投資活動による支出が営業活動および財務活動による収入を上回った結果、前連結会計年度末に比べ13億94百万円減少し、200億93百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により獲得した資金は、前連結会計年度に比べ20億11百万円増加し、158億66百万円となりました。これは、主として、税金等調整前当期純利益78億19百万円、減価償却費137億60百万円、仕入債務の増加16億1百万円などより資金が増加した一方で、売上債権の増加21億20百万円、法人税等の支払額48億92百万円などにより資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べ14億円増加し、234億18百万円となりました。これは、主として、有形固定資産の取得による支出221億87百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により獲得した資金は、前連結会計年度に比べ3億60百万円増加し、71億37百万円となりました。これは、主として、借入金の純増額106億76百万円により資金が増加した一方で、配当金の支払額24億85百万円などにより資金が減少したことによるものであります。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
機械工具 |
59,968 |
△1.9 |
|
|
部品 |
117,340 |
△6.7 |
|
|
その他 |
13,288 |
△17.3 |
|
|
合計 |
190,598 |
△6.1 |
|
(注)1.金額は平均販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
|
|
機械工具 |
77,963 |
△0.5 |
26,425 |
6.5 |
|
|
部品 |
122,904 |
△2.9 |
17,777 |
△1.5 |
|
|
その他 |
13,345 |
△20.6 |
3,252 |
△18.3 |
|
|
合計 |
214,213 |
△3.4 |
47,455 |
1.3 |
|
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
機械工具 |
75,239 |
△0.3 |
|
|
部品 |
122,262 |
△3.3 |
|
|
その他 |
13,948 |
△15.8 |
|
|
合計 |
211,449 |
△3.2 |
|
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主要な相手先別の販売実績および販売実績の総額に対する割合は、次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
岡谷鋼機株式会社 |
28,527 |
13.1 |
28,833 |
13.6 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年2月23日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループをとり巻く環境は、自動車分野における脱エンジン化、EV化の動きが強まり、中長期的に、一部の既存商品の需要減退が見込まれる一方で、世界的な少子高齢化、労働人口の減少により、ものづくりの現場で省人化・自動化の要求が高まるなど、当社グループをとり巻く需要構造は、大きく変化することが予想されます。
当社グループといたしましては、このような需要構造の変化を大きなチャンスととらえ、需要の拡大が期待できるロボット事業に軸足を置き、「ロボットを核にした総合機械メーカー」として、販売・サービス、製造・調達、研究開発の各面で体質を強化してまいります。そして、商材ラインナップの拡充、新しいビジネスチャンスの創出、抜本的なコスト改革にとり組み、業績の一層の向上に努めてまいります。
さらに、当社グループの長期ビジョン「成長企業への挑戦、夢をかなえるものづくり企業」の実現に向けて、以下の4項目を柱とする中期経営計画を策定しております。
① 成長市場の深耕
ロボットを核にした総合機械メーカーを指向し、中長期的に自動化・システム化の需要拡大が期待できる一般機械、電機・電子・EMS、食品・薬品・化粧品、物流など産業機械分野での事業基盤の確立を進めます。また、グループの海外事業比率を6割以上に高めることを目標に、欧米に加え、中国・アセアンをはじめとした新興国を成長市場と位置づけて、海外での新たな営業・生産拠点の新設など、グローバルな体制の拡充をはかってまいります。
② 生産体制の強化
世界市場で信認されるものづくり企業として、TPMを展開し、開発・設計、生産技術、製造の各工程で、災害・不具合・不良を発生・流出させない体制・仕組みづくりを徹底することで、お客様が求める品質・コスト・納期・サービスを提供してまいります。
③ 新商品・新規事業の創出
総合機械メーカーとして幅広く保有する基礎技術や技術シーズを活かした画期的な新商品・改良商品を市場に投入し、新たな需要・ビジネスモデルを生み出すとともに、IoTなど先端技術を取り込み、新しい市場分野への参入をはかってまいります。
④ 人材の強化・育成
当社グループは企業理念の一つとして「企業は人なり」を掲げ、中長期的な企業成長を実現するための人材の強化・育成を継続して進めております。ものづくり企業として、TQC活動を通してQCストーリーで考える人材を育成するとともに、「熱意と誠意とスピード」とグローバルな視点をもって、高い目標にチャレンジする企業風土の醸成に努めてまいります。
(2) 当社の財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針
① 基本方針の内容の概要
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの財務および事業の内容や当社グループの企業価値の根源を十分に理解し、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を持続的に確保し、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。
当社では、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方については、当社株式の市場における自由な取引を通じて決まるものであり、特定の株主または株主グループによって当社株式の大規模買付行為(「大規模買付行為」の定義につきましては、下記②2.(a)をご参照ください。)が行われた場合であっても、これを受け入れるか否かは、最終的に株主の皆様の判断に委ねられるべきものと考えております。
しかしながら、大規模買付行為は、それが成就すれば、当社グループの経営に直ちに大きな影響を与えうるだけの支配権を取得するものであり、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に重大な影響を及ぼす可能性を内包しております。こうした事情に鑑み、当社は、大規模買付者(「大規模買付者」の定義につきましては、下記②2.(a)をご参照ください。)をして株主の皆様の判断に必要かつ十分な情報を提供せしめること、さらに、大規模買付者の提案する経営方針等が当社グループの企業価値に与える影響を当社取締役会が検討・評価して株主の皆様の判断の参考に供すること、場合によっては当社取締役会が大規模買付者と交渉または協議を行い、あるいは当社取締役会としての経営方針等の代替的提案を株主の皆様に提示することも、当社の取締役としての責務であると考えております。
さらに、今日、当社グループの企業価値または株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすような大規模買付行為がなされる可能性も決して否定できない状況にあります。このような当社グループの企業価値または株主共同の利益に資さない大規模買付者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、当社は、このような者による大規模買付行為に対しては、大規模買付者による情報提供、当社取締役会による検討・評価といったプロセスを確保するとともに、当社グループの企業価値または株主共同の利益に対する明白な侵害を防止するため、大規模買付行為に対する対抗措置を準備しておくことも、また当社の取締役としての責務であると考えております。
② 基本方針実現のためのとり組みの具体的な内容の概要
1. 基本方針の実現に資する特別なとり組み
当社グループは、「ものづくりの世界の発展に貢献する」という会社の使命のもと、ロボットを核にした総合機械メーカーとしての強みを発揮し、世界のお客様に多様なソリューションを提供することを経営の基本方針としております。
こうした経営の基本方針に基づいて、当社グループは、工具、工作機械、ロボット、ベアリング、油圧機器、そして特殊鋼事業で蓄積してきた技術シーズ、事業のシナジーを活かして、世界のお客様のものづくりのプロセスに対して、高精度、高機能、高い信頼性をアピールできる商品ラインナップとソリューション・サービスを提供しております。
そして、経営の透明性・公平性を高め、株主の皆様をはじめ当社グループと関係するお客様、サプライヤー、金融機関、従業員、地域社会など多様なステークホルダーとの良好な関係を築き、長期的かつ安定的な収益の確保をはかり、企業価値を高めて社会的な使命を果たすよう努めております。
さらに、当社グループとしましては、長期ビジョン“成長企業への挑戦、夢をかなえるものづくり企業”の実現に向けて、中期経営計画を策定しております。
また、当社は、株主の皆様に対する利益還元を企業経営の基本の一つとして位置づけ、配当につきましては、連結業績、配当性向などを総合的に勘案し、安定的な配当を継続実施することを基本としております。また、内部留保資金につきましては、将来の事業展開、財務体質の強化に充当いたします。
当社グループは、長期的な展望に立って経営資源の拡充に努め、世界市場での事業基盤の確立と企業価値の最大化にグループをあげてとり組んでまいります。
2. 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止する
ためのとり組み
当社は、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を確保、向上させ、上記①に記載の基本方針(当社の財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針をいいます。以下、同じとします。)を実現するため、平成20年2月20日開催の当社第125期定時株主総会において、当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)を導入し、その後、平成23年2月23日開催の当社第128期定時株主総会および平成26年2月19日開催の当社第131期定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただき継続いたしました(以下、当社第131期定時株主総会において継続をご承認いただいた対応策を「原施策」といいます。)。
当社は、社会・経済情勢の変化、買収防衛策に関する議論の進展等も踏まえ、原施策の継続の是非や内容について検討を行った結果、平成29年1月11日開催の当社取締役会において、当社第134期定時株主総会における株主の皆様のご承認を条件として、原施策を継続する内容の当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)(以下「本施策」といいます。)について決議し、平成29年2月22日開催の当社第134期定時株主総会において本施策の継続に関する議案は承認可決されました。
(a) 本施策継続の目的および対象となる当社株券等の買付け
本施策は、特定株主グループの議決権保有割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権保有割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(取引所金融商品市場における買付け、公開買付け、その他具体的な買付方法の如何を問いませんが、当社取締役会が予め同意したものを除きます。以下、かかる買付行為を「大規模買付行為」といい、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。)が、当社グループの企業価値に重大な影響を及ぼす場合において、上記①に記載の基本方針に沿って当社グループの企業価値を確保し、向上させるため、大規模買付行為に適切な対応を行うことを目的としております。
ここに、「特定株主グループ」とは、(Ⅰ)当社株券等の保有者およびその共同保有者、または(Ⅱ)当社株券等の買付け等を行う者およびその特別関係者をいい、「議決権保有割合」とは、特定株主グループが上記(Ⅰ)の場合においては当該保有者の株券等保有割合をいい、特定株主グループが上記(Ⅱ)の場合においては当該大規模買付者および当該特別関係者の株券等所有割合の合計をいいます。
(b) 本施策の概要
本施策は、大規模買付者が従うべき大規模買付ルールおよび大規模買付行為に対して当社がとりうる大規模買付対抗措置から構成されております。
本施策においては、まず、大規模買付ルールとして、大規模買付者に対し、株主の皆様および当社取締役会による判断のための情報提供ならびに当社取締役会による検討・評価のための期間の付与を要請しております。
次に、当社取締役会が、大規模買付対抗措置として、会社法その他の法令および当社定款によって認められる相当な対抗措置の発動を決議しうることを前提として、その発動の要件を、大規模買付者が大規模買付ルールを順守しない場合または大規模買付行為によって当社グループの企業価値または株主共同の利益が著しく毀損される場合に限定することといたしました。
本施策に基づき大規模買付対抗措置を発動するか否かは、最終的には当社取締役会により決定されますが、その判断の客観性および合理性を担保するため、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社の社外取締役、社外監査役または社外有識者から構成される独立委員会を設置し、その意見を最大限尊重することといたしました。
なお、当社は、本施策に従って大規模買付対抗措置を機動的に実施するため、新株予約権の発行登録を行う場合があります。また、本施策の有効期限は、平成32年2月に開催予定の当社第137期定時株主総会終結の時までとします。
本施策の詳細につきましては、インターネット上の当社ウェブサイト(http://www.nachi-fujikoshi.co.jp/)に掲載の平成29年1月11日付当社ニュースリリース「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の継続のお知らせ」をご参照ください。
③ 上記の各とり組みに対する当社取締役会の判断および理由
1. 基本方針の実現に資する特別なとり組み
上記②1.に記載した企業価値向上のためのとり組みは、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を持続的に確保し、向上させるための具体的方策として策定されたものであり、上記①に記載の基本方針の実現に資するものです。したがって、これらのとり組みは、基本方針に沿い、当社の株主共同の利益を損なうものではありません。
2. 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止する
ためのとり組み
(a) 本施策が基本方針に沿うものであること
本施策は、大規模買付者をして株主の皆様の判断に必要かつ十分な情報を提供せしめること、さらに、大規模買付者の提案する経営方針等が当社グループの企業価値に与える影響を当社取締役会が検討・評価して株主の皆様の判断の参考に供すること、場合によっては、当社取締役会が大規模買付行為または当社グループの経営方針等に関して大規模買付者と交渉または協議を行い、あるいは当社取締役会としての経営方針等の代替的提案を株主の皆様に提示すること等を可能とすることにより、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるための枠組みであり、上記①に記載の基本方針に沿うものです。
(b) 本施策が株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないこと
当社は、(i)本施策は当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保または向上を目的とするものであること、(ⅱ)大規模買付ルールの内容ならびに大規模買付対抗措置の内容および発動要件は事前に開示されていること、(ⅲ)本施策の継続等について株主の皆様の意思が反映されていること、(ⅳ)大規模買付対抗措置の発動の手続について当社取締役会の判断に係る客観性・合理性が確保されていること、(ⅴ)本施策は経済産業省および法務省が平成17年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則を完全に充足していること、(ⅵ)本施策は経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」に適合していること、(ⅶ)デッドハンド型やスローハンド型の買収防衛策ではないことの理由から、本施策は当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(3) その他
当社および当社の子会社は、過去のベアリングの取引に関して、海外の競争法関係当局の調査を受けており、平成28年8月にはブラジル経済擁護行政委員会との間で314万レアルを支払うことで和解いたしました。また、これらの調査に関連して、当社および当社の子会社に対して、米国およびカナダにおいて集団訴訟が提起されており、今後、同種の訴訟を提起される可能性があります。
当社グループは、引き続きコンプライアンス体制の強化を進め、法令順守の徹底と社会的信頼の向上に努めてまいる所存であります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年2月23日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経済情勢・需要変動について
当社グループは、自動車・自動車関連、一般産業機械、電機・電子等の分野において事業を展開しており、また、国内のほか、米州、欧州、アジア市場で事業活動を行っております。このため、当社グループの経営成績、財政状態およびキャッシュ・フローは、各製品を製造・販売している特定の国、地域の経済状況の変動や取引先が属する産業の景気変動の影響を受ける可能性があります。とくに、自動車・自動車関連産業向けの売上高が約半分を占めており、その需要動向が、当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。当社としましては、需要の裾野が広い一般産業機械分野、電機・電子分野への販売拡大など、バランスを考えた施策をはかっております。
(2) 海外事業展開について
当社グループは、国内のほか、米州、欧州、アジア地域など、グローバルな事業展開を行っており、アメリカ、ブラジル、チェコ、タイ、シンガポール、中国、台湾、韓国、インド、メキシコに生産拠点を有し、販売会社も各地域に設立しております。連結売上高に占める海外売上高の割合は約5割となっており、事業拡大に向けた営業・生産体制の拡充を進めております。各国および地域の経済環境の動向や法規制等の予期せぬ変化が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 外的要因が財務状況に与える影響について
外貨建ての商取引により、為替レートの変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、金利の上昇により支払利息が増加する可能性があります。当社グループは、為替変動や金利変動の悪影響を軽減するため、為替予約、最適地生産・調達等の施策を含めてリスクヘッジを進め、また、有利子負債の削減を中心に財務体質の強化に努めております。
(4) 価格競争について
当社グループの主力需要先である自動車・自動車関連産業は競争が激しく、同業界からの価格引き下げ要請への相応の対応が不可避であります。また、原材料の一部に価格の上昇がみられ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。これらに対し、VA・VE活動の強化にとり組むとともに、原材料の購入量ならびに在庫量の最適化や、設計・部品の標準化による調達コストの削減、生産性の向上など、原価低減活動を継続的に実施しております。
(5) 原材料や部品の調達について
当社グループは、原材料および部品を複数の供給元から調達し、取引基本契約に基づき安定的な取引を行なっております。しかしながら、市況の変化による原材料および部品の価格高騰や品不足、供給元の生産能力不足や品質不良、または火災や地震等の自然災害、あるいは倒産その他の理由により、原材料および部品の調達が困難となり、当社グループ製品の取引先への製品供給に支障をきたすリスクがあります。こうした場合には、当社グループの業績および財務状況は悪影響を受ける可能性があります。
(6)研究開発について
当社グループは、今後の事業基盤拡充を目的として、新商品開発に向けた研究活動を進めております。これらの研究開発は、多額の費用と期間を要するため、研究開発が計画通り進まず商品化の機会を喪失したり、市場ニーズとのアンマッチから市場投入に至らなかったり、商品化しても十分な成果が得られなかったりした場合には、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 品質問題について
当社グループは、世界的に認められている品質管理基準に従い各種製品を製造しております。しかしながら当社グループの製品が予期せぬ不具合を起こした場合には、多額の費用発生や社会的な信用低下等により、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。このため、品質保証を最重要課題の一つとして位置付け、グループをあげて品質管理の徹底をはかっております。
(8) 環境・安全対策について
当社グループでは、環境負荷の低減に努めており、これまで重大な環境問題が発生したことはありません。しかしながら、予期せぬ事情により将来において環境問題が発生した場合には、対策費用が発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、製造設備等の主要施設については、火災等により生産活動や製品供給に支障をきたすことがないよう、災害対策に努めております。
(9)災害・テロについて
当社グループおよび当社グループ取引先の事業拠点が、地震、洪水などの天災、火災や、疾病発生などの災害、またはテロ攻撃や政情悪化に伴う物的・人的被害が生じる可能性があります。当社グループではリスク管理体制を構築し、リスク発生時において迅速な初動措置を行うことで被害を最小限に止めるよう備えておりますが、完全なリスク回避は困難であり、結果として、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)情報セキュリティについて
当社グループは、業務を通じて入手した取引先の機密情報や個人情報などを多数保有しております。こうした情報を保護するため、管理体制の整備や教育、情報セキュリティシステムの構築などを行い、情報漏えいの防止に努めております。しかしながら、コンピュータウィルスの感染、不正アクセスや盗難、その他不測の事態により機密情報が消失、もしくは社外に漏洩した場合には、当社グループの業績や信用・評判などに悪影響を及ぼす可能性があります。
(11) 知的財産権について
当社グループはこれまでの製品開発において蓄積してきた技術を知的財産権として、権利保護の徹底と経営資源としての活用を図っております。しかし、特定の国および地域においては、知的財産権の保護が必ずしも十分でないため、当社グループの知的財産権を侵害して類似した製品を製造する行為を効果的に排除できない場合など、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性を完全に排除できるものではありません。
また、当社グループは、第三者の知的財産権を侵害することのないよう、細心の注意を払っておりますが、当
社グループが第三者から知的財産権の侵害を主張された場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12) 競争法当局の調査等について
当社グループは、過去のベアリングの取引に関して、海外の競争法関係当局の調査を受けており、平成28年8月にはブラジル経済擁護行政委員会との間で314万レアルを支払うことで和解いたしました。また、これらの調査に関連して、当社および当社の子会社に対して、米国およびカナダにおいて集団訴訟が提起されており、今後、同種の訴訟を提起される可能性があります。
これらの事案は、今後、当社グループの経営成績等へ悪影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは「成長企業への挑戦、夢をかなえるものづくり企業をめざす」という長期ビジョンのもと、商品・技術の連環を強め、独自性の高い技術開発で社会の発展に貢献し、顧客から選ばれる企業を目指しております。
中期的には新興国のニーズに合った商品開発の推進と、新しい市場や新しい部位、ボリュームゾーンに向けた新商品の開発にとり組んでおります。
開発体制としては、各事業部が既存商品の改良・開発にとり組み、技術開発本部が新商品・新規事業創出のための開発にとり組んでおります。技術開発本部は、新規開発テーマの発掘から基礎技術及び新商品の開発を行っております。
また、ユーザーやサプライヤー、産学との共同開発を推進し、当社の技術シーズを補完し、開発のスピードアップを図っております。
これらの活動に伴う当連結会計年度の研究開発費は、機械工具事業で28億25百万円、部品事業で16億46百万円、その他の事業で3億92百万円となり、総額で48億65百万円となりました。
当連結会計年度の主な活動状況および開発成果は次のとおりであります。
(1)機械工具事業
工具では、欧米の景気回復やアセアンでのインフラ整備需要などを背景に、海外での売上高が伸張しております。国内外でのさらなる受注、シェア拡大を図るため、他社と差別化した新商品や加工システムの提案を推し進めております。
ラウンドツールでは、高送り加工に対応した「アクアドリルEXパワーフィード」および、めねじ加工のトラブルを解決する「Hyper Zタップ」シリーズを市場投入し、穴加工におけるお客様の困り事を解決する加工提案で生産性向上に寄与いたしました。
工作機械では、建設機械、産業機械分野に向けて高能率・高精度加工が可能な工程集約型歯車スカイビング加工機「GMS450」を開発、市場投入いたしました。歯車加工工具「スカイビングカッタ」も併せて使用いただくことで、更なる生産性向上に寄与します。また、ロボットを組み合わせたシステム提案で製造現場の自動化へとり組んでまいります。
ロボットでは、ウィングスライサー型ロボット「EZ03」を市場に投入いたしました。既存の小型垂直多関節ロボットであるMZシリーズと組み合せることで、更に幅広いシステム設計を可能としました。今後も小型ロボットの展開を進め、自動車業界だけでなく自動化ニーズが高まるEMS企業をはじめとした電機・電子、産業機械など、幅広い分野のロボット化・自動化に貢献してまいります。
(2)部品事業
ベアリングでは、自動車分野向けに、トランスミッション用で新商品の供給を開始し、ユニットの損失低減に貢献しております。また、産業機械分野向けで、高負荷容量ボールねじサポート用軸受「TAF-Xシリーズ」を市場投入し、産業機械の高性能化(高負荷対応・高速化)に対応してまいります。
油圧では、産業車輛や建設機械、農業機械の自動制御、電気制御化をにらみ、コンパクトなカートリッジ形電磁比例減圧弁を開発いたしました。2017年より市場に投入し、各種作業の省力化に貢献いたします。また、IoT社会への対応のため、油圧装置の予防保全に貢献する機器の開発を進めており、工作機械などの産業機械市場において、2017年度の市場投入を計画しております。
カーハイドロリクスでは、新開発の小型低コスト比例弁の開発設計を完了し、次世代自動車への搭載に向けて量産準備を進めてまいります。また、既存のソレノイド技術を活かした新たな部位・領域への新商品開発も進めてまいります。
(3)その他の事業
マテリアルでは、これから需要が拡大する燃料電池やリチウムイオン電池に使用されるフッ素樹脂に対して、高い耐食性を持つ新材料を商品化し、業界で高い評価を得ております。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年2月23日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、2,114億49百万円と前連結会計年度と比べ3.2%の減収となりました。このうち、国内売上高が、1,129億20百万円と同2.6%の減収となりました。これは、産業機械分野の生産調整の影響を受けて、軸受の需要が停滞したことによるものであります。また、海外売上高は、985億29百万円と同4.0%の減収となりました。これは、為替が円高に推移したことと中国・北米市場を中心に軸受・工具の販売が低迷したことによるものであります。
② 売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は474億59百万円と前連結会計年度に比べ、9.2%の減益となりました。これは、生産性の向上をはじめとしたトータルコストダウンなどに努めたものの、為替が円高で推移した影響によるものです。
③ 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の332億93百万円から363億20百万円に増加しました。これは、ロボット部門を中心に海外営業要員や開発要員の増員など体制整備を進めたことに伴い、人件費などが増加したことによるもので、売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は17.2%と前連結会計年度に比べて2.0ポイント上昇しました。
④ 営業損益
当連結会計年度の営業利益は111億39百万円、前連結会計年度に比べ78億6百万円の減益となりました。
⑤ 営業外損益
営業外損益(費用)は、前連結会計年度16億29百万円の費用(純額)から33億73百万円の費用(純額)と17億44百万円増加しました。主として、為替差損の影響によるものであります。
⑥ 経常損益
当連結会計年度の経常利益は77億65百万円、前連結会計年度に比べ95億50百万円の減益となりました。
⑦ 親会社株主に帰属する当期純損益
特別利益は、固定資産売却益、独占禁止法等関連損失戻入額の計上で2億80百万円となり、前連結会計年度に比べて2億63百万円増加しました。特別損失は、固定資産除却損、独占禁止法等関連損失などの計上により2億26百万円となり、前連結会計年度に比べ2億37百万円減少しました。
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計は、35億22百万円となり、前連結会計年度に比べ15億43百万円減少しました。
これらの結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は39億29百万円となり、前連結会計年度に比べて76億64百万円の減益となりました。
(3) 資本の財源および資金の流動性についての分析
① 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、2,694億38百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億26百万円増加しました。主として、有形固定資産が64億5百万円増加し、現金及び預金が13億20百万円、たな卸資産が15億28百万円、投資有価証券が18億31百万円減少しております。
負債合計は、1,650億23百万円となり、前連結会計年度末に比べ62億17百万円増加しました。主として、借入金が96億33百万円増加し、未払法人税等が10億15百万円、リース債務が11億27百万円減少しております。
純資産合計は1,044億15百万円となり、前連結会計年度末に比べ48億91百万円減少しました。主として、その他有価証券評価差額金が12億61百万円、為替換算調整勘定が45億2百万円減少し、利益剰余金が14億43百万円増加しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ、13億94百万円減少し、200億93百万円となりました。これは、営業活動で158億66百万円、財務活動で71億37百万円獲得し、投資活動で234億18百万円の資金を使用したことによるものであります。
営業活動による資金の獲得は、主として税金等調整前当期純利益78億19百万円、減価償却費137億60百万円、仕入債務の増加16億1百万円であります。一方、資金の支出は、主として売上債権の増加21億20百万円、法人税等の支払額48億92百万円であります。これらの結果、営業活動により獲得した資金は158億66百万円となり、前連結会計年度に比べ20億11百万円増加しました。
投資活動により使用した資金は、主として、設備投資によるものであります。主な投資内容は、日本、アジアおよび米州における自動車向けの高機能ベアリング、精密工具、油圧機器およびロボットの生産能力の増強、合理化投資であり、有形固定資産の取得による支出は221億87百万円となりました。これらの結果、投資活動により使用した資金は234億18百万円となり、前連結会計年度に比べ14億円増加しました。
財務活動により使用した資金は、主として、配当金の支払額24億85百万円であります。一方、獲得した資金は、主として借入金の純増額106億76百万円であります。これらの結果、財務活動により獲得した資金は71億37百万円となりました。
③ 資金需要
当社グループの資金需要は、生産活動に必要な運転資金(材料費、外注費、人件費、諸経費)、販売費及び一般管理費等の営業活動費用、研究開発費が主な内容であります。また、投資活動については、機械保全ならびに品質向上のための設備投資を進めており、今後、その資金需要の発生を見込んでおります。
これらの資金需要に対しては、安定した収益基盤を確立し一層の利益追求をはかると同時に、売上債権、たな卸資産の回転効率向上、固定資産の稼働率向上を通して資産の効率化にとり組んでおります。また、不足分の資金は、有利子負債による調達を基本にしており、取引銀行との安定した調達体制の維持に努めております。なお、当社および主要なグループ会社間でキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入しており、グループ内の資金効率化をはかることにより、外部借入の削減に努めております。
一方、設備投資など前向きの利益追求のための所要資金については、調達の多様化、財務基盤の強化も視野に検討対象を拡げた運営を行います。