第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

 当社は、「ものづくりの世界の発展に貢献する」という会社の使命のもと、企業価値の向上に努めることを最重要課題と考えております。そして、長期ビジョンとして、「成長企業への挑戦、夢をかなえるものづくり企業へ」を掲げ、業績目標 売上高4,000億円、営業利益600億円の実現に向けて経営基盤の強化にとり組んでおります。

 

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは、長期ビジョンの実現を目指し、そのマイルストーンとして、中期業績目標 売上高3,000億

円、営業利益270億円を掲げ、売上高と営業利益を経営指標としております。

 

(3) 経営環境および対処すべき課題

 当社グループをとり巻く経営環境は、米中通商問題をはじめ先行きが不透明であり、現時点におきましては、自動車・産業機械・建設機械・市販分野ともに需要動向が見通しづらい状況にあります。また、当社の主要な需要分野である自動車分野におけるEV化や自動運転化の加速、ものづくりのFA化・IoT化の進展など、当社をとり巻く経営環境も、大きく変化しております。

 当社グループといたしましては、このような構造変化を大きなチャンスととらえ、「ロボットを核に 世界最高水準の技術で ものづくりの革新をリードする」を新しい中期スローガンとして、営業・サービス、製造・調達、研究開発の各面で体質を強化してまいります。そして、ロボットをはじめ多彩な事業・技術・生産ノウハウを有する独自性を活かし、新しい商品・新しいビジネスチャンスを創出するとともに、抜本的なコストダウン、人材の強化・育成を含めた構造改革にとり組み、業績の一層の向上に努めてまいります。

 

(4) 当社の財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針

① 基本方針の内容の概要

 当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの財務および事業の内容や当社グループの企業価値の根源を十分に理解し、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を持続的に確保し、向上していくことを可能とする者であることが必要であると考えております。

 当社では、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方については、当社株式の市場における自由な取引を通じて決まるものであり、特定の株主または株主グループによって当社株式の大規模買付行為(「大規模買付行為」の定義につきましては、下記②2.(a)をご参照ください。)が行われた場合であっても、これを受け入れるか否かは、最終的に株主の皆様の判断に委ねられるべきものと考えております。

 しかしながら、大規模買付行為は、それが成就すれば、当社グループの経営に直ちに大きな影響を与えうるだけの支配権を取得するものであり、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に重大な影響を及ぼす可能性を内包しております。こうした事情に鑑み、当社は、大規模買付者(「大規模買付者」の定義につきましては、下記②2.(a)をご参照ください。)をして株主の皆様の判断に必要かつ十分な情報を提供せしめること、さらに、大規模買付者の提案する経営方針等が当社グループの企業価値に与える影響を当社取締役会が検討・評価して株主の皆様の判断の参考に供すること、場合によっては当社取締役会が大規模買付者と交渉または協議を行い、あるいは当社取締役会としての経営方針等の代替的提案を株主の皆様に提示することも、当社の取締役としての責務であると考えております。

 さらに、今日、当社グループの企業価値または株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすような大規模買付行為がなされる可能性も決して否定できない状況にあります。このような当社グループの企業価値または株主共同の利益に資さない大規模買付者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、当社は、このような者による大規模買付行為に対しては、大規模買付者による情報提供、当社取締役会による検討・評価といったプロセスを確保するとともに、当社グループの企業価値または株主共同の利益に対する明白な侵害を防止するため、大規模買付行為に対する対抗措置を準備しておくことも、また当社の取締役としての責務であると考えております。

 

 

 

 ② 基本方針実現のためのとり組みの具体的な内容の概要

1. 基本方針の実現に資する特別なとり組み

 当社グループは、「ものづくりの世界の発展に貢献する」という会社の使命のもと、持続的な成長と企業価値の向上に努めることを最重要課題として考えております。そして、長期ビジョンとして、「成長企業への挑戦、夢をかなえるものづくり企業へ」を掲げ、経営基盤の強化にとり組んでおります。

 こうした経営の基本方針に基づいて、当社グループは、工具、工作機械、ロボット、ベアリング、油圧機器および特殊鋼事業で蓄積してきた、総合機械・メカトロニクスメーカーとしての独自の技術、事業展開の強みを活かして、お客様のものづくりのプロセスに対して、高精度、高機能、高い信頼性を有した商品ラインナップとFAシステム、ソリューションを提供しております。

 また、経営の透明性・公平性を高め、株主の皆様をはじめ当社グループと関係するお客様、サプライヤー、金融機関、従業員、地域社会など多様なステークホルダーとの良好な関係を築き、長期的かつ安定的な収益の確保をはかり、企業価値を高めて社会的な使命を果たすよう努めております。

 なお、当社は、株主の皆様に対する利益還元を企業経営の基本の一つとして位置づけ、配当につきましては、連結業績、配当性向などを総合的に勘案し、安定的な配当を継続実施することを基本としており、内部留保資金につきましては、将来の事業展開、財務体質の強化に充当いたします。

 当社グループは、長期的な展望に立って経営資源の拡充に努め、世界市場での事業基盤の確立と企業価値の最大化にグループをあげてとり組んでまいります。

 

2. 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止する

  ためのとり組み

 当社は、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を確保、向上させ、上記①に記載の基本方針(当社の財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針をいいます。以下、同じとします。)を実現するため、2008年2月20日開催の当社第125期定時株主総会において、当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)を導入し、その後、2011年2月23日開催の当社第128期定時株主総会、2014年2月19日開催の当社第131期定時株主総会および2017年2月22日開催の当社第134期定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただき継続いたしました(以下、当社第134期定時株主総会において継続をご承認いただいた対応策を「原施策」といいます。)。

 当社は、社会・経済情勢の変化、買収防衛策に関する議論の進展等も踏まえ、原施策の継続の是非や内容について検討を行った結果、2020年1月15日開催の当社取締役会において、当社第137期定時株主総会における株主の皆様のご承認を条件として、原施策を継続する内容の当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)(以下「本施策」といいます。)について決議し、2020年2月19日開催の当社第137期定時株主総会において本施策の継続に関する議案は承認可決されました。

 

(a) 本施策継続の目的および対象となる当社株券等の買付け

 本施策は、特定株主グループの議決権保有割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権保有割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(取引所金融商品市場における買付け、公開買付け、その他具体的な買付方法の如何を問いませんが、当社取締役会が予め同意したものを除きます。以下、かかる買付行為を「大規模買付行為」といい、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。)が、当社グループの企業価値に重大な影響を及ぼす場合において、上記①に記載の基本方針に沿って当社グループの企業価値を確保し、向上させるため、大規模買付行為に適切な対応を行うことを目的としております。

 ここに、「特定株主グループ」とは、(Ⅰ)当社株券等の保有者およびその共同保有者、または(Ⅱ)当社株券等の買付け等を行う者およびその特別関係者をいい、「議決権保有割合」とは、特定株主グループが上記(Ⅰ)の場合においては当該保有者の株券等保有割合をいい、特定株主グループが上記(Ⅱ)の場合においては当該大規模買付者および当該特別関係者の株券等所有割合の合計をいいます。

(b) 本施策の概要

 本施策は、大規模買付者が従うべき大規模買付ルールおよび大規模買付行為に対して当社がとりうる大規模買付対抗措置から構成されております。

 本施策においては、まず、大規模買付ルールとして、大規模買付者に対し、株主の皆様および当社取締役会による判断のための情報提供ならびに当社取締役会による検討・評価のための期間の付与を要請しております。

 次に、当社取締役会が、大規模買付対抗措置として、会社法その他の法令および当社定款によって認められる相当な対抗措置の発動を決議しうることを前提として、その発動の要件を、大規模買付者が大規模買付ルールを順守しない場合または大規模買付行為によって当社グループの企業価値または株主共同の利益が著しく毀損される場合に限定することといたしました。

 本施策に基づき大規模買付対抗措置を発動するか否かは、最終的には当社取締役会により決定されますが、その判断の客観性および合理性を担保するため、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社の社外取締役、社外監査役または社外有識者から構成される独立委員会を設置し、その意見を最大限尊重することといたしました。

 なお、当社は、本施策に従って大規模買付対抗措置を機動的に実施するため、新株予約権の発行登録を行う場合があります。また、本施策の有効期限は、2023年2月に開催予定の当社第140期定時株主総会終結の時までとします。

 本施策の詳細につきましては、インターネット上の当社ウェブサイト(http://www.nachi-fujikoshi.co.jp/)に掲載の2020年1月15日付当社ニュースリリース「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の継続のお知らせ」をご参照ください。

 

 ③ 上記の各とり組みに対する当社取締役会の判断および理由

1. 基本方針の実現に資する特別なとり組み

 上記②1.に記載した企業価値向上のためのとり組みは、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を持続的に確保し、向上させるための具体的方策として策定されたものであり、上記①に記載の基本方針の実現に資するものです。したがって、これらのとり組みは、基本方針に沿い、当社の株主共同の利益を損なうものではありません。

 

2. 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止する

  ためのとり組み

(a) 本施策が基本方針に沿うものであること

 本施策は、大規模買付者をして株主の皆様の判断に必要かつ十分な情報を提供せしめること、さらに、大規模買付者の提案する経営方針等が当社グループの企業価値に与える影響を当社取締役会が検討・評価して株主の皆様の判断の参考に供すること、場合によっては、当社取締役会が大規模買付行為または当社グループの経営方針等に関して大規模買付者と交渉または協議を行い、あるいは当社取締役会としての経営方針等の代替的提案を株主の皆様に提示すること等を可能とすることにより、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるための枠組みであり、上記①に記載の基本方針に沿うものです。

(b) 本施策が株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないこと

 当社は、(i)本施策は当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保または向上を目的とするものであること、(ⅱ)大規模買付ルールの内容ならびに大規模買付対抗措置の内容および発動要件は事前に開示されていること、(ⅲ)本施策の継続等について株主の皆様の意思が反映されていること、(ⅳ)大規模買付対抗措置の発動の手続について当社取締役会の判断に係る客観性・合理性が確保されていること、(ⅴ)本施策は経済産業省および法務省が2005年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則を完全に充足していること、(ⅵ)本施策は経済産業省に設置された企業価値研究会が2008年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」および東京証券取引所が2015年6月1日に公表した「コーポレートガバナンス・コード」の「原則1-5.いわゆる買収防衛策」の内容も踏まえたものになっていること、(ⅶ)デッドハンド型やスローハンド型の買収防衛策ではないことの理由から、本施策は当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

 

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済情勢・需要変動について

 当社グループは、自動車・自動車関連、一般産業機械、電機・電子等の分野において事業を展開しており、また、国内のほか、米州、欧州、アジア市場で事業活動を行っております。このため、当社グループの経営成績、財政状態およびキャッシュ・フローは、各製品を製造・販売している特定の国、地域の経済状況の変動や取引先が属する産業の景気変動の影響を受ける可能性があります。とくに、自動車・自動車関連産業向けの売上高が約半分を占めており、その需要動向やEV化の進展が当社グループの業績および財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。当社としましては、需要の裾野が広い一般産業機械分野、電機・電子分野への販売拡大などを進めてまいります。

 

(2) 海外事業展開について

 当社グループは、国内のほか、米州、欧州、アジア地域など、グローバルな事業展開を行っており、世界各地に販売会社と生産会社を設立しております。連結売上高に占める海外売上高の割合は約5割となっており、世界市場での事業拡大に向けた営業・生産体制の拡充を進めております。各国および地域の経済環境の動向や法規制等の予期せぬ変化が、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 外的要因が財務状況に与える影響について

 外貨建ての商取引により、為替レートの変動が当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、金利の上昇により支払利息が増加する可能性があります。当社グループは、為替変動や金利変動の影響を軽減するため、為替予約、最適地生産・調達等の施策を含めてリスクヘッジを進め、また、有利子負債の削減を中心に財務体質の強化に努めております。

 

(4) 価格競争について

 当社グループの主力需要先である自動車・自動車関連産業は競争が激しく、同業界からの価格引き下げ要請への相応の対応が不可避であります。また、原材料の一部に価格の上昇がみられ、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。これらに対し、VA・VE活動の強化にとり組むとともに、原材料の購入量ならびに在庫量の最適化や、設計・部品の標準化による調達コストの削減、生産性の向上など、原価低減活動を継続的に実施しております。

 

(5) 原材料や部品の調達について

 当社グループは、原材料および部品を複数の供給元から調達し、取引基本契約に基づき安定的な取引を行っております。しかしながら、市況の変化による原材料および部品の価格高騰や品不足、供給元の生産能力不足や品質不良、または火災や地震等の自然災害、あるいは倒産その他の理由により、原材料および部品の調達が困難となり、取引先への製品供給に支障をきたすリスクがあります。かかる場合には、当社グループの業績および財務状況は影響を受ける可能性があります。

 

(6)研究開発について

当社グループは、事業基盤の一層の拡充を目的として、新商品開発に向けた研究開発活動を進めております。これらの研究開発は、多額の費用と期間を要するため、研究開発が計画どおり進まず商品化の機会を喪失したり、市場ニーズとのアンマッチから市場投入に至らなかったり、商品化しても十分な成果が得られなかったりした場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 品質問題について

 当社グループは、世界的に認められている品質管理基準に従い各種製品を製造しております。しかしながら当社グループの製品が予期せぬ不具合を起こした場合には、多額の費用発生や社会的な信用低下等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。このため、品質保証を最重要課題の一つとして位置付け、グループをあげて品質管理の徹底をはかっております。

 

(8) 環境・安全対策について

 当社グループでは、環境負荷の低減に努めており、これまで重大な環境問題が発生したことはありません。しかしながら、予期せぬ事情により将来において環境問題が発生した場合には、多額の対策費用が発生し、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 製造設備等の主要施設については、火災等により生産活動や製品供給に支障をきたすことがないよう、災害対策に努め、また、ハードおよびソフト面で安全対策の基本方針を定め、労働災害の発生防止も進めております。しかしながら、完全なリスク回避は困難であり、重大な労働災害等が発生した場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)災害・テロについて

当社グループおよび当社グループ取引先の事業拠点が、地震、洪水などの天災、火災や、疾病発生などの災害、またはテロ攻撃や政情悪化に伴う物的・人的被害が生じる可能性があります。当社グループではリスク管理体制を構築し、被害を最小化するための事前対策・初動措置および事業継続に向けた対策を実施しておりますが、完全なリスク回避は困難であり、結果として、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)情報セキュリティについて

当社グループは、業務を通じて入手した取引先の機密情報や個人情報等を多数保有しております。これらの情報を保護するため、管理体制の整備や教育、情報セキュリティシステムの構築などを行い、情報漏えいの防止に努めております。しかしながら、コンピュータウィルスの感染、不正アクセスや盗難、その他不測の事態により機密情報が消失、もしくは社外に漏洩した場合には、当社グループの業績や信用・評判などに影響を及ぼす可能性があります。

 

  (11) 知的財産権について

 当社グループはこれまでの製品開発において蓄積してきた技術を知的財産権として、権利保護の徹底と経営資源としての活用をはかっております。しかし、特定の国および地域においては、知的財産権の保護が必ずしも十分でないため、当社グループの知的財産権を侵害して類似した製品を製造する行為を効果的に排除できない場合など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性を完全に排除できるものではありません。

また、当社グループは、第三者の知的財産権を侵害することのないよう、細心の注意を払っておりますが、当

社グループが第三者から知的財産権の侵害を主張された場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

  (12) 競争法当局の調査等について

 当社グループは、過去のベアリングの取引に関して、海外の競争法関係当局の調査を受けております。また、これらの調査に関連して、当社および当社の子会社に対して、米国およびカナダにおいて集団訴訟が提起されております。これらの訴訟等の結果によっては損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

  (13) 業務・事業提携について

 当社グループは、海外企業を含めた複数の会社との業務提携や、合弁事業またはM&A等の資本提携を行い、相互の経営資源の有効活用をはかるとともに、技術開発、生産活動、営業活動等において提携効果の創出にとり組んでいます。しかしながら、提携先の経営戦略の変更、財務状況の悪化等により期待した効果を実現できない場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 人材確保について

 当社グループは、競争力を維持するため、優秀な人材を継続的に確保・採用し、その育成に努めておりますが、少子高齢化を背景として有能な人材確保に向けた競争は高まっており、当社グループが人材を確保・育成できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) コンプライアンスについて

当社グループは、グローバルな事業展開を行っており、各地域の法令、規制の適用を受けておりますので、コンプライアンス体制の強化が求められています。このため、「不二越企業市民ルール」をグループの行動規範として位置づけて社内教育を実施するなど、コンプライアンス意識の向上をはかっております。また、内部通報制度を整備し、コンプライアンスリスクの未然防止に努めております。しかしながら、コンプライアンスリスクを完全に回避することは困難であり、重大な法令違反等が生じた場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における当社グループをとり巻く環境は、米中通商問題の影響拡大や英国のEU離脱問題など

で、世界経済の減速感が一段と強まり、総じて厳しい状況となりました。

このような状況のもと、当社グループは、ロボット事業を核に、工具、工作機械、ベアリング、油圧機器、そ

して特殊鋼事業をあわせ持つ総合機械メーカーとしての特長を活かし、国内外での新規開拓や、画期的な新商品

の市場投入などによる受注・売上の拡大にとり組んでまいりました。また、足もとの収益改善と、中長期的な業

容の拡大に向けて、営業・開発・生産体制を強化してまいりました。

しかしながら、国内では自動車や産業機械の弱さが見られ、また、中国を中心に海外市場も減速したことによ

り、当連結会計年度の売上高は、2,490億77百万円(前期比1.2%減)、このうち、国内売上高は1,350億48百万円

(同3.1%増)、海外売上高は1,140億28百万円(同5.9%減)となりました。利益面につきましては、生産性の改善や

コストダウンにとり組みましたが、円高に加え、原材料やエネルギー価格の高止まり、人件費増などが収益を圧迫

し、営業利益は133億48百万円(同12.8%減)、経常利益は122億41百万円(同11.9%減)、親会社株主に帰属する当期

純利益は82億45百万円(同7.8%減)となりました。

 

セグメントの経営成績につきましては、次のとおりであります。

機械工具事業では、中国など海外市場の減速の影響があったものの、工具やロボットの新商品の投入や工作機械の大型案件もあり、売上高は877億39百万円(前期比1.3%増)となり、営業利益は61億3百万円(同5.5%増)となりました。

部品事業では、建設機械分野の需要は底堅く推移したものの、自動車・産業機械分野での減産の影響があり、売上高は1,430億52百万円(前期比3.2%減)、利益面では、減収に加え原材料価格の高止まりなどの影響もあり、営業利益は54億59百万円(同33.0%減)となりました。

その他の事業では、特殊鋼の販売価格の引き上げなどにより、売上高は182億85百万円(前期比3.3%増)、営業利益は17億40百万円(同29.0%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、投資活動および財務活動による支出が営業活動による収入を上回った結果、前連結会計年度末に比べ16億20百万円減少し、201億57百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動により獲得した資金は、前連結会計年度に比べ40億19百万円増加し、242億26百万円となりました。これは、主として、税金等調整前当期純利益118億13百万円、減価償却費167億75百万円、仕入債務の増加29億47百万円などより資金が増加した一方で、たな卸資産の増加37億68百万円、法人税等の支払額36億60百万円などにより資金が減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べ56億81百万円増加し、237億92百万円となりました。これは、主として、日本およびアジアにおける自動車向け高機能ベアリングの生産能力増強、ロボットや自動車用油圧機器の国内工場増設を中心とした生産体制強化等の有形固定資産の取得による支出219億34百万円およびロボット事業等における無形固定資産の取得による支出10億26百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べ8億76百万円減少し、17億6百万円となりました。これは、主として、借入金の純増額31億86百万円などにより資金が増加した一方で、配当金の支払24億84百万円、自己株式の取得額20億7百万円などにより資金が減少したことによるものであります。

 

(2) 生産、受注および販売の実績

① 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

機械工具

66,268

△1.2

部品

142,808

0.7

その他

18,024

11.8

合計

227,101

0.9

 (注)1.金額は平均販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(百万円)

前年同期比

(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比

(%)

機械工具

87,496

△2.6

33,144

3.5

部品

143,122

△5.1

20,522

△2.6

その他

17,524

△4.2

3,840

△17.1

合計

248,144

△4.2

57,506

△0.4

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

機械工具

87,739

1.3

部品

143,052

△3.2

その他

18,285

3.3

合計

249,077

△1.2

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.主要な相手先別の販売実績および販売実績の総額に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

岡谷鋼機株式会社

34,062

13.5

34,908

14.0

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの財政状態および経営成績等の状況に関する分析・検討の内容は以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年2月20日)現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針および見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表作成において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

 当連結会計年度における当社グループの経営成績の分析は次のとおりであります。

1) 売上高

 当連結会計年度の売上高は、2,490億77百万円と前連結会計年度と比べ1.2%の減収となりました。このうち、国内売上高は、1,350億48百万円と同3.1%の増収となりました。これは、ロボットの新商品投入や工作機械の大型案件があり、ロボット、工作機を中心に販売が堅調であったことによるものであります。一方、海外売上高は、1,140億28百万円と同5.9%の減収となりました。これは、中国を中心に工作機の需要が伸長した一方で、自動車分野での減産の影響や電機・電子・EMS分野でのロボット需要の端境期の影響により、ベアリングおよびロボットの販売が低調に推移したことによるものであります。

 なお、中期業績目標を踏まえた当初計画(売上高2,600億円)に対しては、達成率95.8%と未達となりました。これは、米中通商問題の影響や、海外を中心とした自動車の減産、産機需要の低迷などにより、ベアリング、油圧機器を含む部品事業が低迷したことなどによるものであります。今後は、足もとの事業環境下で求められる商品の拡販と、画期的な新商品の開発を加速させてまいります。

 

2) 売上総利益

 当連結会計年度の売上総利益は537億54百万円と、部品事業を中心とした売上高の減少により前連結会計年度に比べ減益となりました。

 

3) 販売費及び一般管理費

 販売費及び一般管理費は、404億6百万円となり、前連結会計年度に比べ23億11百万円減少しました。これは、ロボット部門を中心に海外営業要員や開発要員の増員など人員体制の強化を進めながらも、取引高の減少に伴い、荷造運搬費や販売促進費を抑制したことによるものであります。また、売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は16.2%と前連結会計年度に比べて0.7ポイント低下しました。

 

4) 営業損益

 当連結会計年度の営業利益は133億48百万円と前連結会計年度に比べ12.8%の減益となりました。

売上高営業利益率は5.4%となり、前連結会計年度に比べて0.7ポイント低下しました。

 なお、中期業績目標を踏まえた当初計画(営業利益170億円)に対しては、達成率75.8%と未達となりました。これは、売上高の計画未達や想定以上の円高に加え、調達コストダウンを中心とした原価低減が遅れたことなどによるものであります。今後は、より一層のコストダウンの推進と、合理化、生産性改善のとり組みを進めてまいります。

 

5) 営業外損益

 営業外損益(費用)は、11億6百万円の費用(純額)となり、前連結会計年度の14億4百万円の費用(純額)から2億97百万円減少しました。これは、受取利息および受取配当金が92百万円増加し、支払利息が

1億1百万円減少したことによるものであります。

 

6) 経常損益

 当連結会計年度の経常利益は122億41百万円と前連結会計年度に比べ11.9%の減益となりました。

 

7) 親会社株主に帰属する当期純損益

 特別利益は、固定資産売却益の計上で9百万円となり、前連結会計年度に比べて11百万円減少しました。特別損失は、固定資産売却損28百万円、固定資産除却損1億35百万円、投資有価証券評価損1億72百万円、子会社(NACHI (AUSTRALIA)PTY.LTD.)清算損1億円を計上しましたが、独占禁止法等関連損失を計上した前連結会計年度に比べ1億59百万円減少しました。

 法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計は、32億47百万円となり、前連結会計年度に比べ7億26百万円減少しました。

 これらの結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は82億45百万円となりました。販売費及び一般管理費等は減少しましたが、売上高の減少と原価率の悪化が影響し前連結会計年度に比べ6億99百万円の減益となりました。

 

資本の財源および資金の流動性についての分析

1) 財政状態の状況

 当連結会計年度末の資産合計は、3,007億51百万円となり、前連結会計年度末に比べ52億円増加しました。主として、たな卸資産が29億63百万円、有形固定資産が32億4百万円、投資有価証券が12億58百万円増加し、現金及び預金が8億51百万円、受取手形及び売掛金が16億円減少しております。

 負債合計は、1,759億53百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億79百万円増加しました。主として、支払手形及び買掛金が19億82百万円、借入金が28億1百万円増加し、未払費用が8億35百万円、未払法人税等が5億40百万円減少しております。

 純資産合計は、1,247億97百万円となり、前連結会計年度末に比べ37億20百万円増加しました。主として、利益剰余金が57億60百万円、その他有価証券評価差額金が9億36百万円増加し、為替換算調整勘定が14億91百万円減少しております。なお、自己株式の取得により、自己株式が20億7百万円増加しております。

 

2) キャッシュ・フローの状況

「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

3) 資金需要

 当社グループの資金需要は、生産活動に必要な運転資金(材料費、外注費、人件費、諸経費)、販売費及び一般管理費等の営業活動費用、研究開発費によるもののほか、投資活動において、機械保全、品質向上および生産能力の増強と生産ラインの合理化を目的とした設備投資を進めており、今後、その資金需要の増加を見込んでおります。

 これらの資金需要に対しては、安定した収益基盤を確立し一層の利益追求をはかると同時に、売上債権、たな卸資産の適切な残高管理、固定資産の稼働率向上を通して資産の効率化にとり組んでおります。また、不足分の資金は、有利子負債による調達を基本にしており、取引金融機関との安定した調達体制の維持に努めております。なお、当社および主要なグループ会社間でキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入しており、グループ内の資金効率化をはかることにより、有利子負債の圧縮に努めております。

 一方、今後の事業拡大のための成長投資を支える資金需要については、財務基盤の強化も視野に入れたうえで、調達手段の多様化に向けた検討を進めてまいります。

 当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は、872億52百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は201億57百万円となっております。

4【経営上の重要な契約等】

  該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループは「成長企業への挑戦、夢をかなえるものづくり企業へ」という長期ビジョンのもと、多彩な商品・技術をあわせ持つ総合機械メーカーとして、独自性の高い開発で社会の発展に貢献し、顧客から選ばれる企業を目指しております。中期的にはロボット・ロボットシステムと、社内で培い進化してきた多彩な生産技術・ノウハウ、さらに、自動化・情報化・電動化に適した部品・加工技術を提供し、多様化する社会に向けたお客様の製品やその生産ラインの進化に貢献してまいります。

 これらを実現するため、ロボットR&Dセンターを拡充し、最先端のシステム・ソフトウエア開発を進めるなど、ロボットを核にした総合機械メーカーとして、世界最高水準の技術でものづくりの革新をリードしてまいります。また、技術開発本部内に「先進技術開発部」を新設し、近未来の社会ニーズを想定した上で、事業化に必要な要素技術開発を進めてまいります。

 開発にあたっては、オープンイノベーションを志向し、ユーザーやサプライヤー、産学官との共同開発を推進することで、当社の技術シーズを補完しながら開発のスピードアップをはかっております。

 これらの活動に伴う当連結会計年度の研究開発費は、機械工具事業で4,038百万円、部品事業で1,739百万円、その他の事業で652百万円となり、総額で6,428百万円となりました。

 

 当連結会計年度の主な活動状況および開発成果は、次のとおりであります。

(1)機械工具事業

 ロボットでは、主に電機・電子分野での搬送・組立ニーズに応えるため、シリーズ最軽量の超小型コンパクトロボット「MZ01」を市場投入し、25kg可搬ロボット「MZ25」の開発を進めるなど、ラインナップの拡充を進めてまいりました。「MZ01」は、日刊工業新聞社主催の2019年「十大新製品賞 本賞」を受賞するなど、生産設備の省スペース化や生産性向上への貢献が評価されております。さらには、使いやすさを高め、ロボットシステムの構築を容易にするロボット用ビジョン「NVsmart」、バリ取りの自動化に必要な機能をオールインワンで装備したロボットシステム「NS-Platform バリ取りセル」の商品化も行っております。今後もラインナップの拡充を図ると共に、IoTやAIをはじめとした新技術を積極的に活用することで、より使いやすいロボットシステムを提案し、幅広い分野で高まる自動化ニーズに応えてまいります。

 工具では、切削工具の基本要素である材料・形状・コーティングを全て一新し、長寿命・高能率・多用途という穴あけ加工に求められる全ての機能が飛躍的に向上した超硬ドリル「アクアREVOドリル」のシリーズ化として、新開発の油穴形状を採用した「アクアREVOドリルオイルホール」の発売を開始しました。加えて、アクアREVOブランド初の超硬エンドミルとなる「アクアREVOミル」を開発し、ものづくりの世界に革命を起こすべく、着実にアクアREVOブランドのシリーズ拡大と市場への浸透を図っています。また、タップにおいては
「Hyper Zタップ」の高硬度材用として、「Hyper Z ロースパイラル」をラインナップに追加しました。これにより、Hyper Z タップシリーズで被削材の適用範囲は軟鋼から高硬度鋼までカバーし、ねじ穴加工において卓越した安定性と長寿命を実現し、ユーザーの生産性向上とコストダウンに貢献しております。これからも、材料のマテリアル部門、熱処理のサーモテック部門と連携し、より良い工具づくりを目指します。

 工作機械では、機械・工具の双方を提供できる世界でも類のないメーカーである特徴を活かし、高能率・高精度な歯車スカイビング複合加工機のシリーズ拡充、拡販に取り組んでいます。今後は、更なる自動化オプションの開発、AI・IoTを活用したシステム開発に取り組み、ユーザーの要望に応えた工作機械の開発を進めてまいります。

 

(2)部品事業

 ベアリングでは、自動車分野の電動化に対応する駆動モータ用玉軸受や、エンジンの効率改善に寄与する電動VCT用軸受の供給を拡大しています。産業機械分野では、輸送機器やインダストリー4.0に対応するデバイスに向けて多点接触玉軸受を展開し、小型化・高効率化・信頼性向上を通じて持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいます。

 油圧では、工作機械・産業機械におけるIoT化に応える、通信機能を持つ新型インバータ搭載の省エネ油圧ユニットNSPiを2019年2月に、複合加工機等自動化で必要とされる圧力の任意制御に最適な比例弁用デジタルアンプ、および、高圧ピストンポンプPZH-2Bを7月に発売しました。現在、鍛圧機械向けに、高圧ピストンポンプとして3つめのシリーズとなるPZH-1Bと、省エネ高精度なパワーマイスターシリーズに従来比で2倍の大容量UPS-2Aシリーズを2020年度に市場投入すべく開発を行っております。

 カーハイドロリクスでは、主力商品の自動車用ソレノイドバルブや自動車用ベーンポンプに加え、家庭用燃料電池に用いられる小型ポンプの生産を行っており、新モデルの量産を開始しました。また、今後のEV市場の拡大を見据え、油圧を使わない電子制御アクチュエータのラインナップ拡充にもとり組んでおり、2020年度も新モデルの市場投入を予定しています。

(3)その他の事業

 マテリアルでは、EV化・車両軽量化を背景に増加する高機能樹脂の成形市場や、5G/IoT向け半導体製造装置部品のフッ素樹脂部品市場に対し、射出成形機用スクリュ部品を市場展開しております。2017年に市場投入したスクリュ部品「NPR-FX25」はフッ素樹脂耐食材として世界最高強度をもつ優れた部品として評価が進み、高い清浄度が要求される部品へのコンタミ抑制効果が認められたことなどから、適用範囲の拡大が進んでおります。さらに、これまで基礎開発として取り組んできた摩擦撹拌接合技術を、今後拡大が見込まれるEV市場向け異種材接合部材の開発へ展開するなど、市場ニーズに対応する新素材開発を進めております。

 サーモテックでは、市場拡大している部品用耐摩耗DLC膜を開発しました。また、改良型真空浸炭炉は、ロボット用減速機部品などの処理で採用されており、CO2排出量の多いガス浸炭炉の代替装置として、堅調に推移すると期待されます。