第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針

 当社グループは、以下3つを基盤とする経営理念としております。

 ① 社是「五つの心得」に基づいた透明度の高い経営

(一)従業員が誇りを持てる会社でなければならない

(二)お客様の信頼を得なければならない

(三)株主の皆様のご期待に応えなければならない

(四)地域社会に歓迎されなければならない

(五)国際社会の発展に貢献しなければならない

 

 この社是の下、当社グループは、株主の皆様・取引先・地域社会・国際社会・従業員をはじめとしたさまざまなステークホルダーに対して社会的な責任を遂行するとともに、持続的な企業価値の向上をはかることを経営の基本方針としております。また、当社グループは、「高付加価値製品の開発」「製品の品質の高度化」に積極的に取り組み、グループの総合力を発揮できる分野に経営資源を集中するとともに、「財務体質の強化」を中心とした企業運営の強化と社内外に対してわかりやすい「透明度の高い経営」の実践を心がけております。

 

 ② 常識を超えた「違い」による新しい価値の創造

 社会へ新しい価値を提案していくことがこれからのものづくりに求められます。平成29年に、「Passion to Create Value through Difference」というスローガンを定め、今後も常識を超えた「違い」で新しい価値をつくり、他社にはない強みを発揮してまいります。

 

 ③ ものづくりに真摯に取り組む姿勢

 グループ全社にて、ものづくりに対する姿勢、考え方、やり方のベストプラクティスを追求し、共有していくことが何よりも重要です。当社グループがこれまで徹底してきた、社会の要請に対し「より良き品を、より早く、より安く、より多く、そして賢く」提供していく「真摯なものづくり」を追求してまいります。

 

(2) 当面の課題

 当社グループは、上記経営理念に基づき、生産性を徹底して見直し、従来製品の一層の収益力の向上を目指します。また、機械加工製品技術とミツミ電機株式会社及び当社グループが保有する電子機器製品技術が融合された複合製品事業を拡大させていきます。加えて、製造、営業、技術及び開発の領域を越えた総合力の発揮により、「顧客要求対応力」と「価格対応力」の強化に努めます。さらに、地域的なリスク検討を行いながら、大規模な海外量産工場の展開とグローバルな研究開発体制を整備するとともに、M&A・アライアンスを通じて、収益力の向上、企業価値の拡大を積極的に進め、「売上高1兆円 and/or 営業利益1,000億円」を目指します。

 これらを推し進め、当社グループの持続的成長をはかるため、当社独自の新たな経営戦略を進めております。具体的には、知的資本、人的資本、製造資本といった「非財務資本」と「財務資本」の融合により、コア事業を強化し、多角化を進めるとともに、それらを「相合」(総合ではなく相合(そうごう=相い合わせる))することで新たな価値を創造して持続的成長を目指します。各経営戦略の概要は以下のとおりです。

 

① 「コア事業の強化」

 当社グループは、全製品の強みの源泉である「超精密機械加工技術」と「垂直統合生産システム」「グローバルネットワーク」をさらに強化することで、ベアリング、モーターをはじめとする主力事業の収益力の向上を進めてまいります。

 

② 「多角化でニッチ(7本槍)」

 当社は、ベアリング産業において外径22mm以下のミニチュア小径ベアリングというニッチ分野に、他社に先がけて特化することで高いマーケットシェアと収益力を構築してきました。また、市場規模、永続性の観点からこれまでさまざまな事業の選択と集中を行い、現在の7本槍製品(ベアリング、モーター、センサー、コネクター・スイッチ、電源、無線・通信・ソフトウエア、アナログ半導体)が事業の中核となっております。このように特定領域(ニッチ)での高いシェアに裏付けられた高い収益力と「超精密機械加工技術」をはじめとした当社の強みである技術をベースにした7本槍を中心とする多角化経営により、持続的な成長をはかります。

 

③ 「相合(そうごう=相い合わせる)によるシナジー創出」

 当社コア技術である「超精密機械加工技術」「大量生産技術」「センサー技術(荷重・圧力など)」「光学技術」「MEMS技術」「高周波技術」「電気回路技術」「半導体設計技術」を融合、活用して「7本槍」を進化させるとともに、その進化した製品を相合することで医療・介護、情報・通信、ロボティクス、自動車、インダストリー、インフラといった分野でのシナジーを創出し、新たな「価値」をお客様へ提供するとともに、準コングロマリット「プレミアム」の獲得を目指してまいります。

 

 また、当社グループは、持続的成長を支える取り組みとして、環境・社会・ガバナンスに配慮した「ESG」経営を重視しながら進めてまいります。具体的には、エネルギー消費の低減等に資する各種製品を社会に送り出すことにより、環境負荷の低減と環境保全活動を推進し、社会にとってなくてはならない会社を目指すとともに、法令の遵守と企業倫理に則した公正・適切な事業運営、ステークホルダーとの良好な関係維持等におけるさまざまな取り組みを通じ、事業による環境・社会への貢献を行ってまいります。

 

(3) 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

① 基本方針の内容

 当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社グループの企業価値の源泉を十分に理解し、当社グループの企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えています。

 当社は、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には当社の株主全体の意思に基づいて行われるべきものと考えております。また、当社は、当社株式の大量買付であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。

 しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値や株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。

 当社グループが企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させていくためには、当社グループの企業価値の源泉である高度な「超精密機械加工技術」を駆使した「垂直統合生産システム」や「大規模な海外量産工場」、そして「整備された研究開発体制」を世界各地で展開し、「ものづくりで勝てる会社、技術で勝てる会社」を目指し、「新製品の導入」「新市場の開拓」及び「生産技術の革新」の取り組みを中長期にわたり効率的かつ持続的に実施していくことが必要となります。

 当社株式の大量買付を行う者が、当社の財務及び事業の内容を理解するのは勿論のこと、こうした当社グループの企業価値向上のために必要不可欠な企業価値の源泉や特徴を理解した上で、これらを中長期的に確保し実現していかなければ、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。

 そこで、当社は、このような当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に反する買収行為を抑止するためには、必要かつ相当な対抗措置を講じることにより、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。

 

② 基本方針の実現に資する特別な取り組みの内容の概要

 当社グループは、株主の皆様・取引先・地域社会・国際社会・従業員をはじめとしたさまざまなステークホルダーに対して社会的責任を遂行し、企業価値を最大化することを経営の基本方針としております。

 当社グループは、上記経営の基本方針に基づき、生産性を徹底して見直し、従来製品の一層の収益力の向上を目指します。また、機械加工製品技術とミツミ電機及び当社グループが保有する電子機器製品技術が融合された複合製品事業を拡大させていきます。加えて、製造、営業、技術及び開発の領域を越えた総合力の発揮により、「顧客要求対応力」と「価格対応力」の強化に努めます。さらに、地域的なリスク検討を行いながら、大規模な海外量産工場の展開とグローバルな研究開発体制を整備するとともに、M&A・アライアンスを通じて、収益力の向上、企業価値の拡大を積極的に進め、平成33年3月期には「売上高1兆円 and/or 営業利益1,000億円」を目指します。当社はこの目標達成に向け、会社経営に関する意思決定・業務遂行機関の整備をはかり、そのガバナンスを強化するために内部統制システムの確立、整備及びその拡充を推進してまいります。

 

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを

 防止するための取り組みの内容の概要

 当社は、平成26年6月27日開催の当社第68回定時株主総会において更新を決議した「当社株式の大量取得行為に関する対応策」(買収防衛策)について、平成29年5月31日開催の取締役会及び平成29年6月29日開催の当社第71回定時株主総会の各決議に基づき、その内容を一部改定した上で更新いたしました。(以下、改定後の買収防衛策を「本プラン」といいます。)

 本プランによる基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みの具体的内容の概要は、次のとおりであります。

(i) 本プランの目的

 当社取締役会は、本基本方針に定めるとおり、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えています。本プランは、こうした不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に反する大量買付を抑止するとともに、当社株式に対する大量買付が行われる際に、当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案したり、あるいは株主の皆様がかかる大量買付に応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保すること、株主の皆様のために交渉を行うこと等を可能とすることを目的としております。

(ⅱ) 本プランの概要

 本プランは、以下の(a)もしくは(b)に該当する当社株券等の買付その他の取得又はこれに類似する行為(これらの提案を含みます。)(当社取締役会が本プランを適用しない旨別途認めたものを除くものとし、以下、「買付等」といいます。)がなされる場合を適用対象とします。

(a) 当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付その他の取得

(b) 当社が発行者である株券等について、公開買付けを行う者の株券等所有割合及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け

 買付等を行おうとする者(以下、「買付者等」といいます。)には、あらかじめ本プランに定められる手続に従っていただくこととし、本プランに従い当社取締役会が本新株予約権の無償割当ての不実施に関する決議を行うまでの間、買付等を実行してはならないものとします。

 買付者等には、買付等の開始又は実行に先立ち、本プランの手続を遵守する旨の誓約文言を含む法的拘束力のある意向表明書及び買付等の内容の検討に必要な所定の情報等を記載した買付説明書を当社に対して提出していただきます。

 また、独立委員会は、当社取締役会に対しても、買付等の内容に対する意見や代替案(もしあれば)等の情報を提供するよう要求することができます。

 独立委員会は、当該買付等の内容の検討、買付者等との協議・交渉等を行い、かかる検討等の結果、当該買付等が本プランに定める手続を遵守しない買付等である場合又は買付等が当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある場合等であって、かつ本プランに定める本新株予約権の無償割当てを実施することに相当性が存し、本プラン所定の発動事由に該当すると判断した場合には、当社取締役会に対して、買付者等による権利行使は原則として認められないとの行使条件及び当社が買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得できる旨の取得条項が付された新株予約権の無償割当てを実施することを勧告します。独立委員会による本新株予約権の無償割当てを実施すべき旨の勧告が行われた場合、当社取締役会は、実務的に開催が可能である限り、当該実施の是非に関して株主の皆様の意思を確認するために、株主総会(勧告的決議を行う場合を含みます。以下、「株主意思確認総会」といいます。)を開催します。他方、独立委員会は、買付者等による買付等が本プラン所定の発動事由に該当しないと判断した場合には、当社取締役会に対して、新株予約権の無償割当てを実施すべきでない旨の勧告を行います。

 当社取締役会は、独立委員会の上記勧告を最大限尊重して新株予約権の無償割当ての実施又は不実施等に関する会社法上の機関としての決議を行うものとします。ただし、株主意思確認総会を開催する場合には、当社取締役会は、当該株主意思確認総会の決議に従い、適宜必要な決議を行うものとします。

 本プランに従って新株予約権の無償割当てがなされ、その行使又は当社による取得に伴って買付者等以外の株主の皆様に当社株式が交付された場合には、1個の新株予約権につき、原則として1株の当社株式が発行されることから、買付者等の有する当社の議決権割合は、最大50%まで希釈化される可能性があります。

 なお、本プランの有効期間は、平成29年6月29日開催の第71回定時株主総会終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時とされております。

 

④ 具体的取り組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

 当社の中期事業計画をはじめとする企業価値向上のための取り組みやコーポレート・ガバナンスの強化といった各施策は、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに当社の基本方針に沿うものです。

 また、本プランは、当社株式に対する買付等が行われた際に、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を確保するための枠組みであり、基本方針に沿うものです。特に、本プランについては、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(①企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性確保の原則)の要件を全て充足しております。また、本プランは、第71回定時株主総会において株主の皆様の承認を得ており、有効期間が約3年と定められていること、当社の株主総会又は取締役会によりいつでも本プランを廃止できるとされていること、及び、基本的に、本プランの発動に際し、株主意思確認総会の開催を求めることにしたこと等、株主意思を重視するものとなっております。これらに加え、当社経営陣から独立した社外取締役等によって構成される独立委員会が設置され、本プランの発動に際しては必ず独立委員会の判断を経ることが必要とされていること、独立委員会は当社の費用で第三者専門家を利用し助言を受けることができるとされていること等により、その公正性・客観性が担保されており、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

2【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクを次のように考えております。なお、文中の将来に関するリスクは、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 市場環境

 PC及び周辺機器、情報通信機器、家電を中心とする当社製品の主要市場は、国内外において競争が非常に激しく需要が大きく変動するため、急激な需要の縮小は、経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 為替変動

 当社グループは、海外売上高比率及び海外生産高比率が高いため、為替相場の変動によるリスクがあります。このため為替予約を中心とするリスクヘッジ取引を行っておりますが、長期的には急激な生産地通貨の為替変動により、経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 研究開発

 新規製品、高品質製品を市場に継続的に投入する必要があるため研究開発を行っておりますが、研究開発の成果は不確実なものであり、多額の支出を行ったとしても必ずしも成果に結びつかないというリスクがあります。

 

(4) 重要な訴訟等について

 国内及び海外事業に関連する訴訟等の対象となるリスクについては、法務部が一括して管理しております。将来、重要な訴訟等が提起された場合には当社グループの経営成績及び財政状態等に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 価格交渉

 海外製の低価格製品との価格競争は大変厳しいものとなっており、低価格のニーズを持つ市場では市場シェアを維持、拡大できない可能性があります。

 

(6) 原材料費、物流費等のコスト

 外部からさまざまな原材料等の調達を行っており、在庫量の最適化、安定した資材調達先の確保と調達価格の安定化をはかっておりますが、原材料等の価格上昇が経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 海外進出に潜在するリスク

 当社グループの生産の多くは、タイ、中国、フィリピン、カンボジア等海外で行われております。海外進出後、長期間が経過し、地場との融合が行われておりますが、予期しない法律もしくは規制の変更、人材の採用と確保の難しさ、テロ、戦争又はその他の要因による社会的混乱といったリスクが内在しております。

 

(8) 自然災害等

 地震、洪水等の自然災害並びに原子力発電所事故及び新型感染症の発生等により、当社グループ及び当社グループ取引先の事業拠点が被災した場合、当社グループの生産、販売活動に重大な影響を与える可能性があります。

 

(9) コンプライアンス、内部統制

 当社グループは、世界各地域においてさまざまな事業活動を展開しており、各地域の法令、規則の適用を受けております。当社グループは、コンプライアンス、財務報告の適正性確保をはじめとする目的達成のために必要かつ適切な内部統制システムを構築し、運用しておりますが、その目的が完全に達成されることを保証するものではありません。したがって、将来にわたって法令違反等が発生する可能性が皆無ではありません。また、法規制や当局の法令解釈が変更になることにより法規制等の遵守が困難になり又は遵守のための費用が増加する可能性があります。

 

(10) 独占禁止法関係

 既に公表しております小径ボールベアリング製品等の取引に関し、競争法違反を行った疑いがあるとして、一部の連結子会社を中心として、競争当局の調査を受けておりました。

 当局の調査は終了しておりますが、これらに関連して、当社及び当社子会社に対して、カナダにおいて集団訴訟が提起されております。

 このうち、小径ボールベアリングに関するカナダ国ケベック州、オンタリオ州及びブリティッシュ・コロンビア州での集団訴訟の原告との間で、平成30年3月2日付で150万カナダドル(123百万円)で和解に合意しました。

 

(11) 未払退職金及び年金費用

 当社グループは、複数の確定給付制度を有しておりますが、運用収益の悪化による年金資産の公正価値の減少や、割引率その他の前提条件の変化による退職給付債務の増加により積立状況が悪化し、年金費用が増加する可能性があります。

 

(12) 環境関係

 当社グループは、世界各地域において、さまざまな環境関連法令の適用を受けております。当社グループはこれらの規制に細心の注意を払いながら事業を行っておりますが、万一環境汚染が発生し又は発生のおそれが判明した場合には、当社グループに損失が生じる可能性があります。

 

(13) M&A・アライアンス

 当社グループは、M&A・アライアンスを積極的に進めております。このようなM&Aやアライアンスにあたり、M&Aが期待どおりの効果を生まない可能性や、アライアンス先と戦略等で不一致が生じアライアンス関係を維持できない可能性があります。また、アライアンス先の財務内容の悪化やその他の事情により支援を供与する等、当社グループの業績や財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(14) 品質問題

 当社グループの製品は、多くの産業分野で、とりわけ高精度を必要とする部分に使用されております(自動車、航空機、医療機器等、人命を担う最終製品にも使用されております)。当社グループではその社会的責任を認識し、高い品質保証体制を確立しておりますが、製品に欠陥が存在し、重大な事故、顧客の生産停止及びリコール等の事態が発生した場合、多大な費用の発生や社会的信用の低下等による影響により、業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(15) 情報管理

 当社グループは、事業活動の中で多くの重要情報や個人情報を入手することがあります。当社グループでは情報セキュリティの方針を定め、情報の外部への流失及び目的外の流用等が起こらないよう運用しておりますが、予期せぬ事態により流出する可能性があります。このような事態が生じた場合、その対応のために多額の費用が発生するとともに、社会的信用が低下するリスクがあります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財務状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度の日本経済は、期後半にかけ米国の貿易政策を発端とした円高が進む等、先行きに対する不透明感が高まったものの、通期としては、個人消費及び企業収益の改善により、緩やかな回復が続きました。米国経済は、雇用情勢と国内外需要の改善を背景に個人消費及び企業の生産活動が堅調に推移しました。欧州経済は、物価上昇により足元の個人消費の伸びが鈍化しましたが、好調な世界経済を背景として企業の生産、輸出は増加しました。アジア地域においては、中国経済は、世界経済の回復により企業の生産、輸出が増加し、好調な雇用所得情勢を受け、個人消費も堅調に推移しました。

 当社グループは、かかる経営環境下で、収益力のさらなる向上を実現するために、徹底したコスト削減、高付加価値製品と新技術の開発及び拡販活動に注力してまいりました。

 この結果、売上高は879,139百万円と前連結会計年度に比べ240,213百万円(37.6%)の増収となり、創業以来の過去最高を更新しました。営業利益は79,162百万円と前連結会計年度に比べ30,147百万円(61.5%)の増益、経常利益は78,038百万円と前連結会計年度に比べ29,645百万円(61.3%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は、59,382百万円と前連結会計年度に比べ18,236百万円(44.3%)の増益となり、いずれも創業以来の過去最高を更新しました。

 

セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。

 

機械加工品事業

 機械加工品事業の主な製品は、当社グループの主力であるボールベアリングのほかに、主として航空機に使用されるロッドエンドベアリング、ハードディスク駆動装置(HDD)用ピボットアッセンブリー等のメカニカルパーツ及び航空機用のねじであります。主力製品であるボールベアリングは、自動車向けでの省エネや安全装置用のニーズ拡大、ファンモーター向け需要増等により、外販数量は、月次ベースで5度過去最高を更新し、3月には213百万個を達成しました。ロッドエンドベアリングは、民間航空機市場での大型機の生産台数は減少傾向にあるものの、中小型機市場での受注回復を受け、売上は増加しました。一方、ピボットアッセンブリーは、当社の市場シェアは堅調に推移しましたが、HDD市場規模縮小の影響を受け、販売数量、売上ともに減少しました。

 この結果、当連結会計年度の売上高は176,391百万円と前連結会計年度に比べ20,081百万円(12.8%)の増収となり、営業利益は42,727百万円と前連結会計年度に比べ3,580百万円(9.1%)の増益となりました。

 

電子機器事業

 電子機器事業の主な製品は、電子デバイス(液晶用バックライト、センシングデバイス(計測機器)等)、HDD用スピンドルモーター、ステッピングモーター、DCモーター、エアームーバー(ファンモーター)、精密モーター及び特殊機器であります。液晶用バックライトは、スマートフォン市場における薄型技術に優位性を持つ当社への需要が依然として堅調に推移しました。ステッピングモーターをはじめとするモーターも、自動車向け及びOA機器向けを中心に好調に推移しました。

 この結果、当連結会計年度の売上高は451,460百万円と前連結会計年度に比べ9,845百万円(2.2%)の増収となり、営業利益は31,189百万円と前連結会計年度に比べ9,291百万円(42.4%)の増益となりました。

 

ミツミ事業

 ミツミ事業の主な製品は、半導体デバイス、光デバイス、機構部品、高周波部品及び電源部品であります。カメラ用アクチュエーター、ゲーム機器等の機構部品、スイッチ、保護IC等スマートフォン向け製品、アンテナ、通信モジュール、コネクタ等の全ての製品で好調に推移しました。

 この結果、当連結会計年度の売上高は250,592百万円と前連結会計年度に比べ210,250百万円(521.2%)の増収となり、営業利益は21,512百万円と前連結会計年度に比べ19,197百万円(829.2%)の増益となりました。

 なお、平成29年1月27日付で当社とミツミ電機株式会社が経営統合したため、前連結会計年度は平成29年1月27日から平成29年3月31日までの実績であります。

 

その他の事業

 その他の事業の主な製品は、自社製機械等であります。当連結会計年度の売上高は695百万円と前連結会計年度に比べ37百万円(5.6%)の増収、営業損失は125百万円と前連結会計年度に比べ5百万円の悪化となりました。

 

 なお、当連結会計年度の営業利益は、上記以外に調整額として各セグメントに帰属しない全社費用等16,140百万円を含んでおります。前連結会計年度の調整額は14,223百万円でした。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は88,704百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,872百万円増加しました。

 

 営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ16.2%増加の96,606百万円の収入となりました。収入の主なものは、税金等調整前当期純利益71,230百万円、減価償却費31,596百万円、仕入債務の増加10,152百万円、売上債権の減少5,806百万円、支出の主なものは、たな卸資産の増加23,887百万円であります。

 

 投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ27.0%増加の59,453百万円の支出となりました。支出の主なものは、有形固定資産の取得による支出50,775百万円及び連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出7,717百万円であります。

 

 財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ55.9%増加の27,026百万円の支出となりました。支出の主なものは、自己株式の取得による支出8,377百万円及び配当金の支払額8,410百万円であります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

(ⅰ) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

機械加工品(百万円)

172,809

113.2

電子機器(百万円)

442,913

106.7

ミツミ事業(百万円)

213,462

593.4

その他(百万円)

486

68.5

合計(百万円)

829,670

137.3

(注)1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の金額であります。

4.ミツミ事業は、平成29年1月27日付で当社と経営統合したため、前連結会計年度の実績は平成29年1月27日から平成29年3月31日までであります。

(ⅱ) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

機械加工品

182,526

111.9

73,778

109.1

電子機器

447,220

99.0

51,006

92.3

ミツミ事業

259,310

422.6

29,736

141.5

その他

767

116.8

115

267.4

合計

889,823

131.4

154,635

107.4

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の金額であります。

3.ミツミ事業は、平成29年1月27日付で当社と経営統合したため、前連結会計年度の実績は平成29年1月27日から平成29年3月31日までであります。

 

(ⅲ) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

機械加工品(百万円)

176,391

112.8

電子機器(百万円)

451,460

102.2

ミツミ事業(百万円)

250,592

621.2

その他(百万円)

695

105.6

合計(百万円)

879,139

137.6

(注)1.上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の金額であります。

 

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

Apple グループ

124,903

19.5

111,530

12.7

LG グループ

65,683

10.3

(注)当連結会計年度のLG グループに対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。

    3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 4.ミツミ事業は、平成29年1月27日付で当社と経営統合したため、前連結会計年度の実績は平成29年1月27日から平成29年3月31日までであります。

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討事項

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。連結財務諸表を作成するにあたり重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債及び収益、費用の報告金額に影響を与える仮定、見積り及び判断を必要としております。特に大きな影響を及ぼすものとして、貸倒引当金、環境整備費引当金及び訴訟等の偶発事象などに関する引当金や退職給付に係る会計処理については、過去の実績や当該事象の状況に照らして合理的と考えられる見積り及び判断を行い、また、のれん、固定資産の減損及び繰延税金資産の計上については、将来の回収可能性などを考慮しております。

 しかしながら、これらの仮定、見積り及び判断については不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の財政状態、経営成績は次のとおりであります。

 

(財政状態の分析)

 当社グループは、「財務体質の強化」を主要な経営方針とし、効率的な設備投資、資産運用及び有利子負債の削減等に取り組んでおります。

 当連結会計年度末における総資産は707,844百万円となり、前連結会計年度末に比べ64,532百万円の増加となりました。その主な要因は、現金及び預金の増加、たな卸資産の増加並びに有形固定資産の増加であります。

 当連結会計年度末における負債は334,591百万円となり、前連結会計年度末に比べ17,498百万円の増加となりました。その主な要因は、支払手形及び買掛金の増加であります。

なお、純資産は373,253百万円となり、自己資本比率は51.7%と前連結会計年度末に比べ1.7ポイント増加しました。

 

(経営成績の分析)

 当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ37.6%増収の879,139百万円となり、創業以来の過去最高売上高を更新し、営業利益は61.5%増益の79,162百万円となりました。セグメント別の売上高及び営業利益については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 当連結会計年度における経常利益は、61.3%増益の78,038百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は44.3%増益の59,382百万円となりました。

 

(キャッシュ・フローの分析)

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。運転資金の調達については、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。重要な資本の支出及びその資金の調達源については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除去等の計画 (1) 重要な設備の新設等」に記載しております。

 なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は157,415百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は88,704百万円となっております。

 

 経営方針・戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。

 当社グループは、中期戦略目標において平成33年3月期に「売上高1兆円 and/or 営業利益1,000億円」を目標に掲げております。また、ROEは15%以上、営業利益率は10%を目指します。

 

 

平成30年

3月期

(計画)

平成30年

3月期

(実績)

平成31年

3月期

(計画)

平成32年

3月期

(計画)

平成33年

3月期

(計画)

売上高(億円)

7,500

8,791

9,400

10,000

10,800

営業利益(億円)

560

792

830

920

1,020

 

 機械加工品事業では、平成33年3月期には、売上高2,150億円、営業利益560億円を目指します。ボールベアリングにおいては、自動車、データセンター、ドローン、産業用インバーター、ロボットコントローラー向けに需要拡大が見込まれ、生産能力の増強に取り組みます。また、ロッドエンドにおいては、航空機市場向けの需要拡大に伴い、収益の改善が見込まれます。

 電子機器事業では、平成33年3月期には、売上高4,950億円、営業利益350億円を目指します。モーター事業においては、高機能化が進む自動車向けを中心に売上の拡大を目指し、平成30年7月にはスロバキア工場が稼動を開始する予定です。また、中国テクニカルセンターの開設により中国現地での開発体制を強化し、スピーディな量産につなげます。センシングデバイス事業においては、新規開発品「MINEGE™」(ミネージュ)(MINEGE、ミネージュは、ミネベアミツミ株式会社の商標登録出願中の商標です。出願番号は2017‐135576号です。)が製品化へ向け大きく前進しており、早期の市場投入を進めてまいります。

 ミツミ事業では、平成33年3月期には、売上高3,690億円、営業利益285億円を目指します。コア事業(精密部品、電源、車載部品、半導体)においては、生産性改善とコスト抑制で収益性のさらなる向上をはかるとともに、多数の新製品を市場へ投入し、積極的な営業活動を行います。生産性の大幅改善を進めており、既にカメラ、ゲーム機器向けの生産ラインの拡張が完了し、増産体制を整えております。

 なお、その他事業では、平成33年3月期には、売上高10億円を予測しております。

 また、平成33年3月期においては、上記以外に調整額として各セグメントに帰属しない全社費用等175億円を見込んでおります。

4【経営上の重要な契約等】

 (技術導入契約等)

 当社は、次の技術導入契約等を締結しております。

相手先の名称

国名

契約の内容

契約期間

 

インターナショナル・ビジネス・マシンズ・コーポレーション

米国

コンピューター・キーボードに搭載されるポインティングスティックの操作性に関する著作権

自 平成6年8月19日

至 契約著作権の保護期間満了日

 

ザ・ボーイング・カンパニー

米国

多重爆弾懸架装置MER-200(P)の製造に関する技術

自 平成7年6月19日

至 平成37年6月30日

 

パプスト・モートレン・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲー

ドイツ

精密モーターの製造に関する技術

自 平成7年6月19日

至 契約特許権の存続期間満了日

 

エド・エルエルシー

(注)3

米国

爆弾投下器BRU-47の製造に関する技術

自 平成9年2月3日

至  平成34年11月30日

 

シーゲート・テクノロジー・インク

米国

流体軸受及び同軸受搭載のハードディスク用スピンドルモーター等の製造技術

自 平成12年2月29日

至 契約特許権の存続期間満了日

 

日本電産株式会社

日本

流体動圧軸受及びハードディスクドライブ用スピンドルモーターに関する特許権等のクロスライセンス契約

自 平成16年12月18日

至 契約特許権の存続期間満了日

 

パナソニック株式会社

日本

ハードディスクドライブ用流体軸受モーターに関する特許実施の許諾

自 平成24年4月1日

至 平成29年3月31日(自動更新規定あり)

 

パナソニック株式会社

日本

ファンモーター及びDCブラシ付モーターに関する特許実施の許諾

自 平成25年2月1日

至 平成26年1月31日(自動更新規定あり)

 

パナソニック株式会社

日本

ポリゴンモーター、パワーブラシレスモーター及び小型ブラシレスモーターに関する特許実施の許諾

自 平成25年2月1日

至 契約特許権の存続期間満了日

 

SAPジャパン株式会社

日本

SAPのソフトウエア使用許諾及びサポート契約

自 平成26年9月29日

至 平成27年12月31日(自動更新規定あり)

 

アクセンチュア株式会社

日本

当社グループにおけるSAP導入プロジェクトの基本事項に関する業務委託基本契約

自 平成27年1月19日

至 平成28年1月18日(自動更新規定あり)

 

(注)1.上記契約に基づく対価は契約ごとに相違し、イニシャルペイメントのほかに売上高に応じて一定率のロイヤルティを支払っております。

 2.連結子会社においては、重要な技術導入契約等はありません。

 3.エド・コーポレーションは、エド・エルエルシーに商号を変更しております。

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、各種ボールベアリング及びその応用部品に代表される精密機械部品、ロッドエンド&スフェリカル・ベアリング、高品質ファスナーをはじめとする航空機用部品、最先端のハードディスク駆動装置(HDD)に使用されるモーター及びピボット製品、電子機器に使用されるモーターや液晶用バックライト、照明製品、ひずみゲージ及びそれを利用したロードセルやセンサーなど各種電子部品並びにこれらの要素技術を組み合わせた複合部品・複合製品等の製造及び販売を行っております。当社は、日本、米国、欧州、タイ及び中国に開発拠点を有し、各拠点の特徴を生かしながら相互補完を進め、新規事業に係わる新製品の開発のスピードアップをはかっております。

 平成25年に東京本部に設立した東京研究開発センターは、人材及び情報が集約される東京の利便性を最大限に生かした研究開発体制をもって、医療、車載等の複合部品・複合製品の開発に注力しております。

 

 平成29年1月27日には、ミツミ電機株式会社との経営統合を果たし、お互いの強みを生かした製品を生み出すべく、シナジーを意識した研究開発活動をスタートいたしました。すなわち、ミツミ電機の入力・変換・制御機器とミネベアミツミの出力機器との組み合わせにより、IoTを見据えたデバイスの拡充、複合化・高付加価値ソリューションの開発を追求し、スマート、車載、産業/ロボット向けの分野への参入をめざしております。

 当連結会計年度における当社グループの研究開発費は24,381百万円であり、この中にはマテリアルサイエンス・ラボで行っている各種材料の分析等、各セグメントに配分できない基礎研究費用1,824百万円が含まれております。

 当連結会計年度におけるセグメント別の研究開発活動は、次のとおりであります。

 

 

機械加工品事業

 機械加工品事業の主力である各種ベアリング、すなわち、ボールベアリング、ロッドエンドベアリング等のすべり軸受を対象にした材料、潤滑剤及び超低摩耗自己潤滑ライナー(ミネロン™)等のトライボロジー関連の基礎技術開発を行っております(ミネロンは、ミネベアミツミ株式会社の登録商標です。航空宇宙規格であるAS81934の認定を取得しております)。

 また、IT産業、家電産業、自動車産業、航空機産業及び医療機器産業等の新しい分野への用途の要求に応えるべく、低発塵、高耐熱、長寿命及び導電性等の信頼性設計と応用設計に重点を置いた開発を行っております。

 精密加工技術の粋とも言えるミニチュアボールベアリングの用途の一つであるHDD用ピボットアッセンブリーは、トップメーカーとして、HDD市場で拡大しているデータセンター用ハイエンド・サーバーからニアライン及びモバイル向けなど幅広い用途に対応した新製品の開発や、高信頼性ピボットアッセンブリー用グリースの開発を行っております。

 航空機産業向けベアリングについては、ロッドエンドベアリングのすべり軸受の技術を応用することで、主に米国及び欧州航空機メーカーの航空機向けのメカアッシー、メイン・ランディングギア用のトラニオン・ベアリング及びフライト・コントロール用各種ベアリングの開発を行っております。

 自動車産業向けは、ターボチャージャー用高耐熱ボールベアリングユニットを当社海外連結子会社のmyonic GmbHが開発いたしました。ターボチャージャーは、近年では環境規制対応で小型化するエンジンの出力不足を補うための出力補助装置として最も注目され、その活躍の場を一般自動車やエコカーへと広げています。

 また、平成25年にはセラミックベアリング及び高性能鋼材を用いたハイブリッドベアリングの設計・製造・販売で20年以上の実績があるドイツのCEROBEAR GmbHの全株式を取得しました。CEROBEAR GmbHが持つ技術と、歯科、医療機器、航空宇宙産業向け特殊ベアリングに強みを持つmyonic GmbHの技術とを組み合わせ、シナジー効果を最大化しつつ、今後旺盛な需要が期待される航空宇宙産業向け新製品の開発を行っております。

 その他として、自社の製造現場の改善から生まれたクーラント噴射装置「ウェイビーノズル」を工作機械市場へ販売しております。

 当事業における研究開発費は1,671百万円であります。

 

電子機器事業

 電子機器事業の主力のひとつであるモーターは、HDD用スピンドルモーター、ステッピングモーター、DCモーター、エアームーバー(ファンモーター)及び精密モーター等があります。種々の用途において求められる小型化、高効率化(省エネ)、静粛性及び信頼性等顧客の要求に応じた先進的な製品を市場に先行投入できるよう、各種のシミュレーション技術、解析技術、制御技術及び材料技術等の基礎技術力と製品開発力を強化しております。

 磁気応用技術については、材料技術及び製造技術の研究開発を行っており、その結果、高性能の各種モーター用希土類ボンドマグネット、高耐熱タイプのマグネット等の高性能製品が生まれております。

 HDD用スピンドルモーターでは、高い信頼性が必要なデータセンター向けに最適な、当社独自の流体軸受け構造を開発しております。

 光学応用製品として、スマートフォンの大型化、薄型化に対応したモバイル用超薄型液晶用バックライトユニットを開発しております。

 当社グループの特徴である超精密加工技術、精密金型技術に加え、液晶用バックライト導光板の微細な光学パターンを高速で精密に転写できる透明樹脂の射出成形の技術を高めております。これにより、業界最高水準の厚さ0.3mmを切る5インチクラスのスマートフォン用超薄型導光板を開発いたしました。さらに、狭額縁化も実現しています。製造面では、自社技術を取り入れたバックライト自動組立機及び外観検査装置等を導入し、競合他社が追随できない量産技術を確立しております。また、バックライトで培った光学技術を応用し、LED照明用の薄型レンズとLED点灯回路とを組み合わせたLED照明製品を開発しております。このLED照明製品は従来製品に比べて薄型で高効率なため省エネルギー性に優れておりますが、さらなる高効率化にむけて技術開発を進めております。

 連結子会社であるスイスのPARADOX ENGINEERING SAの無線ネットワーク技術を組み合せることで、無線通信による制御が可能なスマートビルやスマートシティ向けのLED照明製品の開発を行っております。この成果を展開し、温室効果ガス削減の二国間クレジット制度を活用し、カンボジアで高効率無線制御付きLED街路照明の設置を進めています。このような事業を足掛かりに、スマートシティ実現に貢献できる技術の開発を推進しております。

 LED照明では、当社モーターと無線技術を組み合わせ、スマートフォン・タブレットで配光角・明るさ・上下・左右などを容易にコントロールすることができる「SALIOT」の開発・製品化を行いました。

 計測機器では、ひずみゲージを応用した計測機器を使い、千葉大学大学院医学研究院及び千葉大学医学部附属病院と共同で、生体情報モニタリングシステムの開発を視野に実証研究を行い、医療・介護の市場へ向けた製品化を目指し開発を行っております。

 さらに、15年間にわたる研究開発の結果、世界に先駆けてフィルム型高感度ひずみゲージ「MINEGE™」(ミネージュ)(MINEGE、ミネージュは、ミネベアミツミ株式会社の商標登録出願中の商標です。出願番号は2017‐135576号です。)の開発に成功いたしました。この新しいひずみゲージは、材料となる金属抵抗体材料に独自の製作方法を適用することで、高感度化(従来比500%以上)かつ、小型化(従来比1/10以下)を達成いたしました。今後、車載、モバイル・ウェアラブル、ロボティクス分野への応用が期待できます。

 当事業における研究開発費は8,148百万円であります。

 

ミツミ事業

 ミツミ事業においては、スマートフォンのカメラ用アクチュエーターの手ぶれ補正機構の高精度化、アクチュエーターの薄型化への開発、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems、微小電気機械システム)素子に関する研究と周辺部品の開発、リチウムイオン2次電池に関わる半導体とモジュールの開発、さらに各種センサーの開発、レゾナントデバイスの技術開発などを進めております。

 当事業における研究開発費は11,910百万円であります。

 

その他の事業

 その他の事業は、自社製機械が主な製品であります。

 当事業における研究開発費は826百万円であります。