第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態及び経営成績の状況

(財政状態の分析)

 当社グループは、「財務体質の強化」を主要な経営方針とし、効率的な設備投資、資産運用及び有利子負債の削減等に取り組んでおります。

 当第3四半期連結会計期間末における総資産は912,940百万円となり、前連結会計年度末に比べ170,813百万円の増加となりました。その主な要因は、営業債権及びその他の債権、棚卸資産、有形固定資産の増加であります。

 当第3四半期連結会計期間末における負債は484,017百万円となり、前連結会計年度末に比べ149,150百万円の増加となりました。その主な要因は、営業債務及びその他の債務、社債及び借入金の増加であります。

 なお、資本は428,923百万円となり、親会社所有者帰属持分比率は46.1%と前連結会計年度末に比べ7.8ポイント減少しました。

 

(経営成績の分析)

 当第3四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年12月31日)のわが国の経済は、国内外の自動車販売の低迷、海外経済の減速などを受け景況感が悪化しました。米国経済は米中貿易協議の進展を受け米国株が最高値を更新したものの、イラン等中東情勢の悪化も懸念され、先行きへの不透明感が高まっております。欧州経済は製造業の景況感に下げ止まりの兆しが見られるものの、低成長からの脱却には時間を要する見込みです。アジア地域においては、中国経済は政策による下支えにより底入れの兆しが見えますが、米中貿易摩擦の先行きに不透明感が残り、景気は依然として低迷しております。

 当社グループは、かかる経営環境下で、収益力のさらなる向上を実現するために、徹底したコスト削減、高付加価値製品と新技術の開発及び拡販活動に注力してまいりました。

 この結果、売上高は751,548百万円と前第3四半期連結累計期間に比べ52,610百万円(7.5%)の増収となりました。営業利益は46,093百万円と前第3四半期連結累計期間に比べ18,946百万円(△29.1%)の減益、税引前四半期利益は46,066百万円と前第3四半期連結累計期間に比べ18,543百万円(△28.7%)の減益、親会社の所有者に帰属する四半期利益は35,204百万円と前第3四半期連結累計期間に比べ15,829百万円(△31.0%)の減益となりました。

 なお、昨年4月10日付で株式公開買付けにより株式会社ユーシンを子会社化し、経営統合を実施したことに伴い、同統合日より同社を連結対象に組み入れております。上記には、統合日以降の同社の損益が含まれております。

 

 セグメント別の経営成績を示すと、次のとおりであります。

なお、第1四半期連結会計期間より、株式会社ユーシンの取得に伴い、ユーシン事業を新たに報告セグメントとして開示しております。また、「ミツミ事業」に含まれていた電池モジュール製品を「電子機器事業」に移管する会社組織の変更を行い、これに伴い、セグメント情報の変更を行っております。

前第3四半期連結累計期間のセグメント情報は、会社組織変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。

 

機械加工品事業

 機械加工品事業は、当社グループの主力であるボールベアリングのほかに、主として航空機に使用されるロッドエンドベアリング、ハードディスク駆動装置(HDD)用ピボットアッセンブリー等のメカニカルパーツ及び航空機用のねじが主な製品であります。主力製品であるボールベアリングは、自動車、エアコン向けにおいて需要が堅調に推移しましたが、ファンモーター向けの需要減等により販売数量、売上高ともに減少しました。ロッドエンドベアリングは、中小型機市場での受注が好調に推移したことにより、売上高は増加しました。ピボットアッセンブリーは、HDD市場の縮小を受け、販売数量、売上高ともに減少しました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は136,429百万円と前第3四半期連結累計期間に比べ6,373百万円(△4.5%)の減収となり、営業利益は30,496百万円と前第3四半期連結累計期間に比べ6,567百万円(△17.7%)の減益となりました。

 

電子機器事業

 電子機器事業は、電子デバイス(液晶用バックライト等のエレクトロデバイス、センシングデバイス(計測機器)等)、HDD用スピンドルモーター、ステッピングモーター、DCモーター、エアームーバー及び特殊機器が主な製品であります。液晶用バックライトでは薄型技術に優位性を持つ当社への需要が堅調に推移しましたが、ステッピングモーターをはじめとするモーターの車載向け市場低迷に伴う需要減により、売上高は減少しました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は290,390百万円と前第3四半期連結累計期間に比べ11,379百万円(△3.8%)の減収となり、営業利益は14,839百万円と前第3四半期連結累計期間に比べ1,798百万円(△10.8%)の減益となりました。

 

ミツミ事業

 ミツミ事業は、半導体デバイス、光デバイス、機構部品、高周波部品及び電源部品が主な製品であります。カメラ用アクチュエータが堅調に推移しましたが、ゲーム機器等の機構部品の減少により、売上高は減少しました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は229,821百万円と前第3四半期連結累計期間に比べ24,065百万円(△9.5%)の減収となり、営業利益は14,454百万円と前第3四半期連結累計期間に比べ8,854百万円(△38.0%)の減益となりました。

 

ユーシン事業

 ユーシン事業は、キーセット、ドアラッチ、ドアハンドル等の自動車部品のほかに、産業機械用部品、住宅機器用部品(ビル・住宅用錠前その他)が主な製品であります。自動車部品は、中国、欧州等における自動車市場減速の影響により稼働が大幅に低下し、産業機械用部品においても中国における市場減速を受け需要が低迷しております。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は94,267百万円となり、営業利益は2,731百万円となりました。

 

その他の事業

 その他の事業は、自社製機械が主な製品であります。当第3四半期連結累計期間の売上高は641百万円と前第3四半期連結累計期間に比べ160百万円(33.2%)の増収、営業損失は1,118百万円と前第3四半期連結累計期間に比べ956百万円の悪化となりました。

 

 上記以外に、各セグメントに帰属しない全社費用等15,309百万円を調整額として表示しております。前年同期の調整額は11,807百万円でした。

 

(キャッシュ・フローの分析)

 当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は124,026百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,594百万円増加しました。

 当第3四半期連結累計期間の各活動におけるキャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、52,706百万円の収入(前年同期は68,519百万円の収入)となりました。これは、主に税引前四半期利益、減価償却費及び償却費、営業債権及びその他の債権、棚卸資産の増減等によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、36,398百万円の支出(前年同期は45,123百万円の支出)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出等によるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは、9,830百万円の支出(前年同期は3,285百万円の支出)となりました。これは、主に長期借入金による収入があった一方、長期借入金返済による支出、配当金の支払等があったことによるものです。

 

(2)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 また、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は、2019年6月27日提出の第73期有価証券報告書に記載のとおりであります。なお、内容等についての変更はありません。

(3)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は21,555百万円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

3【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間における、経営上の重要な契約等の決定又は締結等は以下のとおりで

あります。

(エイブリック株式会社の株式取得に係る株式譲渡契約の締結について)

 当社は、2019年12月17日付の取締役会決議により、以下のとおり、エイブリック株式会社(以下、「エイブリック」)の株式を取得し(以下、「本株式取得」)、子会社化することについて決定し、2019年12月17日付で株式会社日本政策投資銀行及びセイコーインスツル株式会社と本株式取得に係る株式譲渡契約(以下、「本株式譲渡契約」)を締結いたしました。

1. 株式の取得の理由

 当社は、超精密加工技術や大量生産技術等の当社の強みを発揮でき、且つ簡単に無くならない製品をコア事業「8本槍」として位置付けると共に、これらを相合(そうごう=相い合わせる)することにより新たな価値をお客様に提供していくことを基本戦略としております。アナログ半導体はこの8本槍の一つであり、当社がフォーカスする事業エリアであるIoTの出入口の重要部品でもあることから、製品ポートフォリオの充実と新たなアプリケーション市場への参入を通してさらなる事業拡大を志向しております。

 エイブリックは、時計関連技術をベースに民生用のボルテージレギュレータ/ボルテージディテクタ・リチウムイオン電池保護IC、車載用のEEPROM*1、医療機器用の超音波イメージング用IC等、アナログICを中心に低消費電流、低電圧動作、超小型パッケージ技術を活かした特徴のある製品群を多数有する半導体メーカーです。また、車載機器、医療機器、IoT・ウェアラブル機器*2等の今後も成長が見込まれる市場において継続的なデザインウィン*3を実現しております。

 エイブリックと当社は、足りない分野を相互に補完しあえる製品ポートフォリオを有しており、本株式取得により多様なシナジー効果の発揮が可能となります。研究開発の面では、両社の高い技術の融合によりさらなる高性能・高品質製品の開発・製造が可能となるとともに、ものづくりの面では、両社の前工程・後工程工場での相互生産と生産技術・ノウハウの横展開により品質・生産性の向上とBCP*4対応力の強化が図れます。さらには、当社グループとエイブリックの販路の相互活用、エイブリックによる当社他事業部が所有する知見の新製品開発への応用等、半導体分野に限定されないシナジー効果の創出も期待できます。

 当社は、本株式取得を通じて、産業・住設機器市場向けに加えて医療機器向けの高付加価値製品の拡販、カーインフォテインメント*5市場でのシェア拡大への取り組みを一層強化し、当社の半導体事業の規模拡大とアナログ半導体市場での地位向上により、日本の半導体産業の再成長に寄与してまいります。

 *1. EEPROMとは、電源を断っても記録内容が消えない不揮発メモリの一種で、電気的に内容の書き換えができるもののこと

 *2. ウェアラブル機器とは、身に着けて用いるデバイスのこと

 *3. デザインウィンとは、顧客の新製品への採用決定のこと

 *4. BCPとは、Business Continuity Plan(事業継続計画)の略であり、災害等の際に事業活動を中断させないための又は万一中断しても早期に復旧させるための計画のこと

 *5. カーインフォテインメントとは、車載の情報と娯楽システムのこと

 

2. 異動する子会社の概要

(1)名称        エイブリック株式会社

(2)所在地       千葉県千葉市美浜区中瀬一丁目8番地

(3)代表者の役職・氏名 代表取締役社長兼CEO 石合 信正

(4)事業内容      アナログ半導体製品の開発・設計・製造・販売

(5)資本金       92億5,000万円

(6)設立年月日     2015年9月28日

(7)大株主及び持株比率 株式会社日本政策投資銀行  70%

 セイコーインスツル株式会社 30%

 

3. 株式取得の相手先の概要

(1)名称        株式会社日本政策投資銀行

(2)所在地       東京都千代田区大手町一丁目9番6号

(3)代表者の役職・氏名 代表取締役社長 渡辺 一

(4)事業内容      事業資金の投融資事業

(5)資本金       1兆4億24百万円

(6)設立年月日     2008年10月1日

(7)純資産       3兆2,430億円(2019年3月期)

(8)総資産       16兆8,273億円(2019年3月期)

(9)大株主及び持株比率 財務大臣(2019年3月31日現在) 100%

 

(1)名称        セイコーインスツル株式会社

(2)所在地       千葉県千葉市美浜区中瀬一丁目8番地

(3)代表者の役職・氏名 代表取締役社長 小林 哲

(4)事業内容      ウォッチ(完成品、ムーブメント)、電子デバイス、精密デバイス、プリンティングデバイス製品の開発・製造・販売

(5)資本金       9,756百万円(セイコーホールディングス株式会社 全額出資)

(6)設立年月      1937年9月7日

(7)純資産       26,636百万円(2019年3月期)

(8)総資産       76,394百万円(2019年3月期)

(9)大株主及び持株比率 セイコーホールディングス株式会社 100%

 

4. 取得株式数、取得価格及び取得前後の所有株式の状況

(1)異動前の所有株式数 0株(議決権の数:0個)

               (議決権所有割合:0.0%)

(2)取得株式数     1,850,000株(議決権の数:1,850,000個)

(3)取得価格      エイブリック株式会社の普通株式(※) 34,393百万円

(4)異動後の所有株式数 1,850,000株(議決権の数:1,850,000個)

                  (議決権所有割合:100.0%)

(※)本株式譲渡契約において、エイブリックの普通株式の対価に関して、株式譲渡実行時の同社の財務数値により調整を行うこと、及び、一定期間における同社グループの業績に応じて、当社が最大15億円の追加支払いを行うことを合意しております。なお、アドバイザリー費用などの手数料は、必要各国の競争法手続きに係る費用などが未確定のため記載しておりません。

 

5. 株式取得の日程

(1)取締役会決議日    2019年12月17日

(2)本株式譲渡契約締結日 2019年12月17日

(3)本株式取得の実行日  2020年7月頃を想定

(注)本株式取得は、各競争規制当局から必要な許可を得ることを前提として、実行いたします。