新型コロナウイルスの影響について
新型コロナウイルスに関しては、当社グループ内への感染拡大を防止するため、社長執行役員を本部長とする対策本部を立ち上げ、グローバルな新型コロナウイルス対策会議を開催し、中国で行った対応策を世界の全工場、従業員に展開して防疫管理体制を確立し、安全操業に努めております。また各国政府による操業停止指示のあった地域では、グループ内で行った徹底した感染防止対策を説明し、早期の操業再開を達成いたしました。
(主な対策事例)
・全社員へのマスク着用、手洗い、食堂での私語禁止など公衆衛生教育の徹底
・体調不良時の自宅待機基準を明確にした管理方法の徹底
・SNS(LINE、WeChat)及びQRコードを活用し、全社員の検温を含む体調管理及び出勤可否の確認、社内での行動履歴の把握
・安全操業を最重要視し、地元政府と密接に連携
・事業・製品ごとの適正在庫政策、残業管理、一時帰休又は稼働日調整の実施
・時差出勤、在宅勤務、Web会議の活用、デスクパーテーションの設置、海外・国内出張禁止、不要不急の外部との接触を自粛等
(ステークホルダーに向けた施策例)
・2020年4月より供給責任及び社会的責任を果たすため、安全操業を目的とし、約10万人の従業員及びその家族向けにマスクの自社生産を開始
・2020年6月より日本国内において高品質マスクの供給に向けた外販用マスクの生産及び販売を開始
・災害用に備蓄していたN95マスク22万枚及びその他医療用アイテムを150の医療機関、政府機関等に寄贈
・医療体制の維持貢献に向け医療機器に使用される部品を優先的に生産
・「知的財産に関する新型コロナウイルス感染症対策支援宣言」に参画
(経営成績への影響について)
新型コロナウイルス感染拡大は、経済や企業活動に広範な影響を与える事象であり、当社グループにおいても外部環境の変化による売上減少及び各国の移動制限等による工場の稼働低下の影響を受けております。アジア地域においては通常の操業に戻りつつありますが、欧米地域を含めた民間航空機・自動車向け製品の生産拠点では市場縮小の影響を受け操業度を下げて稼働しております。
なお、新型コロナウイルスの感染が長期化した場合、当社グループの経営成績にさらに影響を及ぼす可能性があります。
(生産活動への影響について)
感染が拡大し、各国政府の要請等により事業活動及び行動の制限が強化された場合、工場の稼働停止等、当社グループの生産、販売活動に重大な影響を与える可能性があります。
2020年8月時点における主な生産拠点の状況は下記のとおりです(括弧内は2021年3月期第1四半期生産比率)。
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地域 |
国 |
状況 |
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アジア (74%) |
中国 |
通常操業 |
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タイ |
通常操業時とほぼ同等の稼働 |
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カンボジア |
通常操業 |
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フィリピン |
ルソン島 :通常操業時とほぼ同等の稼働 セブ島 :通常操業時とほぼ同等の稼働 |
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マレーシア |
通常操業 |
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欧州 (6%) |
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医療/航空向け :操業度を下げて稼働 自動車向け :操業度を下げて稼働 |
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北米及び 中南米 (5%) |
アメリカ |
操業度を下げて稼働 |
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メキシコ |
操業度を下げて稼働 |
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ブラジル |
操業度を下げて稼働 |
(1)財政状態及び経営成績の状況
(財政状態の分析)
当社グループは、「財務体質の強化」を主要な経営方針とし、効率的な設備投資、資産運用及び有利子負債の削減等に取り組んでおります。高収益のコア事業への比重を高めるポートフォリオ改革や実効性の高いM&Aを実現し、適切かつ機動的な財務戦略を推進いたします。
当第1四半期連結会計期間末における総資産は940,009百万円となり、前連結会計年度末に比べ75,528百万円の増加となりました。その主な要因は、棚卸資産、のれん、有形固定資産の増加であります。
当第1四半期連結会計期間末における負債は532,605百万円となり、前連結会計年度末に比べ70,400百万円の増加となりました。その主な要因は、社債及び借入金、営業債務及びその他の債務の増加であります。
なお、資本は407,404百万円となり、親会社所有者帰属持分比率は43.0%と前連結会計年度末に比べ2.6ポイント減少しました。
(経営成績の分析)
当第1四半期連結累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年6月30日)のわが国の経済は、新型コロナウイルス感染拡大により自動車を中心とした輸出及び消費が大幅に減少し、企業収益の悪化とともに設備投資が減少、雇用環境が急速に悪化するなど、リーマンショック以来最大の景気後退となりました。米国経済は、積極的な金融緩和が行われているものの、新型コロナウイルス感染拡大による世界景気の下振れや米中貿易摩擦により、輸出や設備投資が大幅に減少しております。欧州経済は、感染拡大防止のためのロックダウン長期化の影響などにより、景気は大きく後退しました。アジア地域においては、中国の経済活動が再開され、中国政府からの自動車購入に係る優遇政策等により販売台数は回復してきているものの、世界経済の回復の遅れにより、景気の低迷が続いています。
当社グループは、かかる経営環境下で、収益力のさらなる向上を実現するために、徹底したコスト削減、高付加価値製品と新技術の開発及び拡販活動に注力してまいりました。
この結果、売上高は187,463百万円と前第1四半期連結累計期間に比べ16,962百万円(△8.3%)の減収となりました。営業利益は5,364百万円と前第1四半期連結累計期間に比べ2,040百万円(61.4%)の増益、税引前四半期利益は5,274百万円と前第1四半期連結累計期間に比べ1,933百万円(57.9%)の増益、親会社の所有者に帰属する四半期利益は3,573百万円と前第1四半期連結累計期間に比べ1,400百万円(64.4%)の増益となりました。
なお、2020年4月30日付でエイブリック株式会社を子会社化し、経営統合を実施したことに伴い、同社を連結対象に組み入れております。上記には、統合日以降の同社の損益が含まれております。
また、前連結会計年度末において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前第1四半期連結累計期間に係る各数値については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。
セグメント別の経営成績を示すと、次のとおりであります。
機械加工品事業
機械加工品事業は、当社グループの主力であるボールベアリングのほかに、主として航空機に使用されるロッドエンドベアリング、ハードディスク駆動装置(HDD)用ピボットアッセンブリー等のメカニカルパーツ及び航空機用のねじが主な製品であります。主力製品であるボールベアリングは、ファンモーター向けにおいて需要が堅調に推移しましたが、自動車向けの需要減等により販売数量、売上高ともに減少しました。ロッドエンドベアリングは、航空機関連の需要減により売上高は減少しました。ピボットアッセンブリーは、HDD市場の縮小を受け、販売数量、売上高ともに減少しました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は35,507百万円と前第1四半期連結累計期間に比べ10,546百万円(△22.9%)の減収となり、営業利益は7,152百万円と前第1四半期連結累計期間に比べ3,547百万円(△33.2%)の減益となりました。
電子機器事業
電子機器事業は、電子デバイス(液晶用バックライト等のエレクトロデバイス、センシングデバイス(計測機器)等)、HDD用スピンドルモーター、ステッピングモーター、DCモーター、エアームーバー及び特殊機器が主な製品であります。自動車市場の低迷に伴い、ステッピングモーターをはじめとする車載モーターの需要減はありましたが、液晶用バックライトでは薄型技術に優位性を持つ当社への需要が堅調に推移し、売上高は増加しました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は79,675百万円と前第1四半期連結累計期間に比べ2,036百万円(2.6%)の増収となり、営業利益は2,189百万円と前第1四半期連結累計期間に比べ2,766百万円の改善となりました。
ミツミ事業
ミツミ事業は、半導体デバイス、光デバイス、機構部品、高周波部品及び電源部品が主な製品であります。カメラ用アクチュエータ、ゲーム機器等の機構部品が好調に推移し、売上高は増加しました。
なお、エイブリック株式会社の取得に伴い、ミツミ事業に同社の損益が含まれております。
この結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は56,632百万円と前第1四半期連結累計期間に比べ6,978百万円(14.1%)の増収となり、営業利益は1,370百万円と前第1四半期連結累計期間に比べ1,354百万円の増益となりました。
ユーシン事業
ユーシン事業は、キーセット、ドアラッチ、ドアハンドル等の自動車部品のほかに、産業機器用部品、住宅機器用部品(ビル、住宅用錠前その他)が主な製品であります。自動車部品は、新型コロナウイルス感染拡大の影響による自動車市場減速により売上が大幅に減少しました。産業機器用部品においても市場の減速により売上が減少しました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は15,581百万円と前第1四半期連結累計期間に比べ15,153百万円(△49.3%)の減収となり、営業利益は売上高の減少に伴い2,169百万円の損失と前第1四半期連結累計期間に比べ2,846百万円の悪化となりました。
その他の事業
その他の事業は、自社製機械が主な製品であります。当第1四半期連結累計期間の売上高は68百万円と前第1四半期連結累計期間に比べ277百万円(△80.2%)の減収、営業損失は427百万円と前第1四半期連結累計期間に比べ60百万円の悪化となりました。
上記以外に、各セグメントに帰属しない全社費用等2,751百万円を調整額として表示しております。前第1四半期連結累計期間の調整額は7,124百万円でした。
(キャッシュ・フローの分析)
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は136,932百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,186百万円増加しました。
当第1四半期連結累計期間の各活動におけるキャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、3,537百万円の収入(前年同期は2,934百万円の収入)となりました。これは、主に税引前四半期利益、減価償却費及び償却費、営業債権及びその他の債権、棚卸資産の増減等によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、34,108百万円の支出(前年同期は11,787百万円の支出)となりました。これは、主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出、有形固定資産の取得による支出等によるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは、35,962百万円の収入(前年同期は10,112百万円の支出)となりました。これは、主に短期借入金の増減があったことによるものです。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
また、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は、2020年6月26日提出の第74期有価証券報告書に記載のとおりであります。なお、内容等についての変更はありません。
(3)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は8,013百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。