文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営理念と経営の基本方針
当社グループは、当社の成長、そして地球環境・社会の持続可能な成長の実現に向けた取り組みを両立してより一層強力に推進していくために「より良き品を、より早く、より多く、より安く、より賢くつくることで持続可能かつ地球にやさしく豊かな社会の実現に貢献する」という経営理念を基盤として、以下の経営の基本方針とコーポレートスローガンを掲げております。
① 社是「五つの心得」に基づく透明度の高い経営
(一)従業員が誇りを持てる会社でなければならない
(二)お客様の信頼を得なければならない
(三)株主の皆様のご期待に応えなければならない
(四)地域社会に歓迎されなければならない
(五)国際社会の発展に貢献しなければならない
この社是の下、当社グループは、株主の皆様・取引先・地域社会・国際社会・従業員をはじめとしたさまざまなステークホルダーに対して社会的な責任を果たすとともに、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
また、当社グループは、「高付加価値製品の開発」「製品の品質の高度化」に積極的に取り組み、グループの総合力を発揮できる分野に経営資源を集中するとともに、「財務体質の強化」を中心とした企業運営の強化と社内外に対してわかりやすい「透明度の高い経営」の実践を心がけております。
② 常識を超えた「違い」による新しい価値の創造
社会へ新しい価値を提案していくことが、これからのものづくりに求められます。2017年に、当社は「Passion to Create Value through Difference」というスローガンを定め、今後も常識を超えた「違い」で新しい価値をつくり、他社にはない強みを発揮してまいります。
(2) 基本戦略
当社グループは、企業成長と持続可能性の具体的方針である上記経営基本方針に基づき、「経営の本質はサステナビリティ」を信念とし、継続的な成長と持続可能性を追求し、利益の最大化とリスクマネジメントに努めています。そしてこの信念をもとに、「選択と集中」ではなく、8本槍戦略を軸とした多角的な事業ポートフォリオの構築とリスク分散体制の強化を進めています。
具体的には、当社グループが保有する機械加工製品技術、電子機器製品技術、ユーシン・ミネベア アクセスソリューションズの車載技術、ミツミ・エイブリックの半導体技術との融合により、次世代に向けた新製品開発、複合製品事業の拡大を進めます。加えて、製造、営業、技術及び開発の領域を越えた総合力の発揮により、「顧客要求対応力」と「価格対応力」の強化に努めてまいります。さらに、地域的なリスク検討を行いながら、大規模な海外量産工場の展開とグローバルな研究開発体制を整備するとともに、M&A、アライアンスを通じて、収益力の向上、企業価値の拡大を積極的に進め、2029年3月期売上高2.5兆円、営業利益2,500億円を目指してまいります。
これらを推し進め、当社グループの持続的成長をはかるため、知的資本・人的資本・製造資本等の「非財務資本」と「財務資本」の融合により、コア事業の強化と多角化を進めるとともに、それらを相合(そうごう=相い合わせる)することで新たな価値を創造してまいります。各経営戦略の概要は以下のとおりです。
① 「コア事業の強化」
当社グループは、全製品の強みの源泉である「超精密機械加工技術」と「垂直統合生産システム」「グローバルネットワーク」をさらに強化することで、ベアリング、モーターをはじめとする主力事業において圧倒的なシェアを獲得し、収益力の向上を進めてまいります。また、それにより少子高齢化、医療問題、自動運転といった社会的課題の解決と持続可能な社会の発展に貢献してまいります。
② 「多角化でニッチ(8本槍)」
当社は、ベアリング産業において外径22mm以下のミニチュア小径ベアリングというニッチ分野に、他社に先がけて特化することで高いマーケットシェアと収益力を構築してきました。また、市場規模、永続性の観点からこれまでさまざまな事業の多角化を行い、事業の中核である8本槍製品(ベアリング、モーター、アナログ半導体、アクセス製品、センサー、コネクタ・スイッチ、電源、無線・通信・ソフトウエア)を進化させてまいりました。今後も特定領域(ニッチ)での高いシェアを獲得し、持続的な成長をはかってまいります。
③ 「相合によるシナジー創出」
当社コア技術である「超精密機械加工技術」「大量生産技術」「センサー技術(荷重・圧力など)」「光学技術」「MEMS技術」「高周波技術」「電気回路技術」「半導体設計技術」「機構設計技術」「システム設計技術」を融合し、8本槍製品を進化させるとともに、その進化した製品を相合することで、自動車、航空機、ロボティックス、介護・医療、インダストリー、情報通信、インフラ、住宅設備といった分野でのシナジーを創出し、新たな価値をお客様へ提供してまいります。
④ QCDESS戦略の推進
当社グループは、脱炭素社会の実現やSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて、環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する取り組みを強化して、サステナブルに成長していくことができるよう、果敢に経営リソースを投入していく方針です。
世界中で気候変動への取り組みが喫緊の課題となるなかで、当社グループは2051年の当社100周年に向けた基礎固めとして、競争力の源泉であるQCDS(品質・価格・納期・サービス)に、Eco(環境)・Efficiency(効率)、そしてSpeed(スピード)を加えた「QCDESS」を新たな経営戦略の中心としました。
⑤ 地球環境課題解決への貢献
ボールベアリング、モーター、センサー、アナログ半導体など当社製品の大半が省エネルギー化、省スペース化に対応する環境貢献型製品であります。昨年から、当社製品をご使用いただくお客様における温室効果ガスの排出削減への貢献を定量化する「MMIビヨンド ゼロ」を始め、大きな成果を挙げました。さらに、太陽光発電の導入などによるカーボンニュートラルへの挑戦を続け、地球環境課題の解決に一層注力してまいります。
⑥ 社会を支える高品質な精密部品の創出
「超精密部品の大量・安定供給体制の強化」と「責任ある調達の推進」に取り組むとともに、製造を中心とした事業の拠点においては雇用創出、地域住民との協働など「地域社会との共生」に取り組んでまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)考え方、体制
当社グループでは、「より良き品を、より早く、より多く、より安く、より賢くつくることで持続可能かつ地球にやさしく豊かな社会の実現に貢献する」を経営理念としております。これは、「経営の本質はサステナビリティ(持続可能性)」であるという信念のもと、将来に向けたさらなる当社の成長と地球・社会の持続可能な発展の両立を目指し、経営理念に「持続可能性」の観点を加えた表現の見直しを実施したものであります。
経営戦略においては、「Eco/Efficiency」を重視する「QCDESS™」戦略を100周年に向けた基礎固めとして新たに掲げております。さらに、GX(グリーン・トランスフォーメーション)、DX(デジタル・トランスフォーメーション)など社会の変化に素早く対応するため、「Carbon Neutral Steering Committee」、「Global Information Security Steering Committee」などの委員会を設置しております。
また、経営の重要課題である「マテリアリティ」として「地球環境課題解決への貢献」「社会を支える高品質な精密部品の創出」「従業員の力を最大化」を特定しております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みについては、当社ウェブサイトもご参照ください。
https://www.minebeamitsumi.com/csr/
(2)ガバナンス
当社グループは、「ミネベアミツミグループのCSR基本方針」及び「ミネベアミツミグループのCSR実践に向けた活動方針」を基にCSR活動を推進するために、最高責任者を会長 CEO、最高責任者補佐をCSR担当役員とするCSR推進体制を構築しております。
当社グループとして持続可能な社会の発展に貢献すること、監視業務と執行業務を分離しガバナンス体制を強化することを目的に、サステナビリティ推進部門を設置しております。同部門は、CSR体制のさらなる強化と社内推進活動の発展などを行う事務局を担当するCSR推進室、行動規範を含むコンプライアンスの推進組織である「コンプライアンス委員会」の事務局を担当するコンプライアンス推進室、気候変動関連のリスクと機会への対応を行う組織である「環境マネジメント委員会」の事務局を担当するグループ環境管理室の他、内部統制推進室、セキュリティ推進室、貿易法令遵守管理室、及び安全保障貿易管理室で構成されております。執行部門から指揮命令系統を明確に分離、独立させたことで、グループガバナンスの監督機能を強化しております。
また、各担当部署より、各委員会の活動状況等を定期的に又は臨機に応じ取締役会に報告し、監督が適切に図られる体制を整えております。
(3)リスク管理
当社グループは、リスクが顕在化した場合、その対応によっては企業経営の根幹に影響を及ぼす恐れがあるとして、リスク管理は極めて重要な施策であると考えております。
リスク管理体制や、事前の予防対策、緊急事態発生時の対応などについて定めた「ミネベアミツミグループリスク管理基本規程」を制定し、想定されるさまざまなリスクに備えております。
当社グループでは、代表取締役会長 CEOをリスク管理の最高責任者とし、「リスク管理委員会」にてリスク管理における重要な意思決定を行っております。予防的な取り組みとして、事前に具体的なリスクを想定、分類し、継続的に監視しております。
万が一リスク事案が発生した場合には、「ミネベアミツミグループリスク管理基本規程」に定めた緊急事態の対応区分に応じて緊急対策本部や現地対策本部を設置し、事態への迅速かつ的確な対応を行います。
また、リスク事案の内容により、当該事案の担当部署として主管部が任命され、リスク予防対策の立案や実施を行う体制を整えております。
(4)戦略
当社グループは、企業成長と持続可能性の具体的方針である経営基本方針に基づき、「経営の本質はサステナビリティ」を信念とし、継続的な成長と持続可能性を追求し、利益の最大化とリスクマネジメントに努めております。
当社グループでは、2019年にCSR視点で社会的責任を果たすことに重点をおいたマテリアリティ(重要課題)を特定いたしました。
近年の環境問題の関心への高まりなど外部環境の変化により、これまでCSRの視点からまとめられていたマテリアリティを、全社視点で戦略を遂行するための「経営課題」として見直しました。
〔重要テーマ・マテリアリティ〕
① 地球環境課題解決の貢献
② 社会を支える高品質な精密部品の創出
③ 従業員の力を最大化
① 地球環境課題解決の貢献
当社グループ最大の強みである超精密機械加工技術と相合(そうごう)を活かした「環境貢献型製品による世界の温室効果ガス排出量削減」であり、「事業活動による環境負荷の最小化」と両立させながら取り組みます。
② 社会を支える高品質な精密部品の創出
環境貢献に資する「社会を支える高品質な精密部品の創出」のために、「超精密部品の大量・安定供給体制の強化」と「責任ある調達の推進」に取り組むとともに製造を中心とした事業の拠点においては雇用創出、地域住民との協働など「地域社会との共生」に取り組みます。
③ 従業員の力を最大化
これら価値創造の源泉は当社グループの人材であり、「従業員の力を最大化」を目指して「グローバル規模の人材育成」と「グローバル規模のダイバーシティの推進」をはかるとともに、従業員が「働きやすい職場づくり」と「従業員の安全と健康」を推進いたします。
(5)指標と目標
当社グループは、「経営の本質はサステナビリティ(持続可能性)」であるという信念のもと、将来に向けさらなる当社グループの成長と地球・社会の持続可能な発展の両立を目指しております。マテリアリティに掲げた「地球環境課題解決への貢献」として、製品によるCO₂排出削減貢献量や自社の温室効果ガス排出量削減等の環境目標を明確化するとともに、「社会を支える高品質な精密部品の創出」のため、大量生産・安定供給体制及び安心・安全な管理体制の構築や、環境・人権問題に配慮した調達の推進、地域社会への共生により力を入れてまいります。これらの取り組みを通して経営目標や環境目標をはじめとする各種目標を達成し、当社グループの成長と地球・社会の持続可能な発展に貢献してまいります。
・経営目標:
2029年3月期 売上高2.5兆円、営業利益2,500億円
・環境目標:
当社グループ製品によるCO₂排出削減貢献量 (2031年3月期)400万t-CO₂
ミネベアミツミグリーンプロダクツ売上比率 (2029年3月期)90%以上
自社の温室効果ガス排出量 (2031年3月期)総量:約60万t-CO₂
マテリアリティに掲げた目標は、当社ウェブサイト「マテリアリティ目標と実績」をご参照ください。
https://www.minebeamitsumi.com/csr/priority/materiality/2022/1203987_17475.html
気候変動に関する指標は「(6)気候変動」、人的資本に関する指標は「(7)人的資本」をご参照ください。
(6)気候変動
2021年、当社グループは設立70周年を機に、今後の方向性を見据えて、経営理念を見直しました。カーボンニュートラルに対応していくことは人類の使命であり、当社グループにとっても非常に重要なテーマであります。こうした戦略の方向性を踏まえ、「QCDS(品質・価格・納期・サービス)」を掲げていた経営戦略に、「Eco(環境)・Efficiency(効率)」などを加え、「QCDESS™」といたしました。
具体的には、当社グループ自身の温室効果ガス削減について、2031年3月期に、2021年3月期比で30%削減するという目標を立てており、まずこの目標を達成した上で、遅くとも2050年にはカーボンニュートラルを達成するよう取り組みを進めてまいります。
また、当社グループ製品の省エネ性能を上げることで、それを使用するお客様やその先のお客様の商品の消費電力の削減についても取り組んでおります(MMIビヨンドゼロ)。
電動車、太陽光発電、グリーンデータセンターなどの気候変動対策に貢献する製品・設備等への部品供給、省エネ・省資源・長寿命な製品開発を重要事業戦略として推進いたします。
さらに、現在、SBT認定(※)の取得に向けても検討を進めているところであります。
TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言で開示が推奨されている4つの柱について、当社グループの取り組み概要は以下のとおりであります。
(※)SBT認定:2015年にWWF、CDP、世界資源研究所(WRI)、国連グローバル・コンパクトによりSBTi(Science Based Targetsイニシアティブ)という共同イニシアティブが設立されました。SBTiは企業に対して科学的知見と整合した温室効果ガス排出削減目標(SBT: Science-based target)を設定することを支援し、適合していると認められる企業に対しては、SBT認定を与えています。
① ガバナンス
当社グループでは、「気候変動関連リスク管理規程」に基づき、気候変動に関するリスクと機会に関する社内管理体制とPDCAサイクルによるリスクと機会の管理プロセスを決定しております。
気候変動関連のリスクと機会の管理の最高責任者は代表取締役会長 CEOであり、リスク全般に対応するリスク管理委員会と、気候変動関連のリスクと機会を含む環境マネジメントを担当する環境マネジメント委員会を活用して、気候変動関連のリスクと機会の管理を行い、対応状況、目標に関する進捗状況を評価、監督いたします。なお、Carbon Neutral Steering Committeeは、代表取締役会長 CEO直属の委員会としてカーボンニュートラルへの取組方針や基本施策の社内調整や提言を行います。
代表取締役会長 CEOは、上席執行役員会議において気候変動に関連するガバナンスの有効性を評価し、取締役会は、代表取締役会長 CEOを含む業務執行責任者が気候変動関連のリスクと機会に対して適切な対応を行っていることを監視、監督いたします。
サステナビリティ担当役員は、サステナビリティ課題の一つとして気候変動関連課題への対応状況を取り扱います。
② 戦略
(ⅰ)リスクと機会の抽出
リスクと機会を以下の分類に従い抽出いたします。
気候変動に関連するリスクと機会の特定を行うにあたっては、以下の短期的・中期的・長期的観点に立って検討いたします。
(ⅱ)リスクと機会の評価方法
抽出したリスクと機会を以下の評価方法で定量化いたします。
・影響度:「量的影響」と「質的影響」について、合計を算出(1~30点)
・発生度:「可能性が非常に高い」~「可能性が低い」の範囲を4段階で判断(5~30点)
このような定量化を行って、リスクと機会の分布状況を確認いたします。強度が高いところから1から5までのランク付けを行い、3までの枠内を当社グループのリスクと機会として特定いたします。
(ⅲ)対応計画の策定、対応実績のとりまとめ
当社グループは、2023年3月期のリスクと機会への対応計画を策定し、その対応実績を取りまとめました。
また、2023年3月期に特定したリスクと機会について、シナリオ分析を行い、気候変動による当社財務への影響を推計いたしました。
シナリオ分析の結果によると、気候変動に伴う激甚な気象災害が水害リスクとして当社の財務に大きな影響を及ぼす可能性が示唆されております。当社は、2011年にタイの中部で発生した洪水により、当時タイに所有していた5工場のうち2工場が操業停止した経験を有しており、それ以来、水害リスクに対して、BCPの策定、防水堤や工場敷地のかさ上げ等の物理的対策を講じております。現在では、水害リスクのある工場では、リスクの程度に応じた適切な対策が講じられていると評価しておりますが、引き続き、水害リスクが具体化しないよう、対策状況のフォローアップ、改善向上に努めてまいります。
このシナリオ分析結果を踏まえ、2024年3月期のリスクと機会への対応計画を策定いたしました。
2024年3月期対応計画
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事項 |
リスク |
機会 |
2024年3月期対応計画 |
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水リスク対応 |
洪水、台風、高潮、干ばつ等による工場の操業停止 |
レジリエンスを高めることによるお客様からの信頼の確保 |
リスクマップにより抽出されたリスクの高い拠点を最優先に、リスクへの物理的な対応・BCPや防災マニュアルの策定等の対応策を検討し、実施する。リスクマップにより抽出されたリスクの高い拠点を最優先に、リスクへの物理的な対応・BCPや防災マニュアルの策定等の対応策を検討し、実施する。 |
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輸送を含めた生産性・資源エネルギー効率の向上 |
原材料や電力料金の高騰、カーボンプライシングによる収益の悪化 |
省資源、省エネ、低炭素な生産活動による収益の確保 |
・スクラップ量の削減 ・生産地の見直しによる輸送短縮化 ・航空便から船便への変更 ・パレット2段積み等による積載量増 ・自動機導入による生産効率向上 |
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製品性能の向上、新製品の提供 |
省エネ性能、LCA、カーボンフットプリント等の新指標による市場淘汰 |
省資源、省エネ、低炭素な製品提供による市場の獲得 |
・省電力、高効率製品の開発 ・小型、軽量化による原材料の削減 ・リサイクル樹脂材の使用 ・新市場開拓:HEV/EV向け、自動運転技術、データセンター、スマートシティ、ヘルス・介護、電動自転車、住宅分野、空調等 |
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お客様要求への対応 |
再エネ導入、カーボンフットプリント削減等のお客様要求の不履行 |
脱炭素に向けたお客様要求の誠実な履行による受注の確保 |
・自家用太陽光設備の導入 ・再エネの調達(PPA等) ・再生材の使用 ・SBT認定取得に向けた検討 |
③ リスク管理
当社グループにおける気候変動関連のリスクと機会の管理プロセスは下図のとおりであり、このPDCAサイクルを毎年度全社的に実施いたします。
リスク評価の際には、当社グループの直接操業だけでなく、原材料調達や物流、顧客やエンドユーザーなどバリューチェーンの上流や下流を考慮に入れて評価いたします。
管理プロセスの過程で、各部門責任者からなる環境マネジメント委員会において審議を行い、その審議結果を上席執行役員会議、取締役会がチェックいたします。具体的には、日常的な情報収集活動(監視体制)を通じ、可能な限りリスクを事前に予知し、危機発生時の被害の大きさを想定(被害想定)し、その発生を未然に防止(防止策・軽減策)するとともに、万が一、危機が発生した場合には、損失を最小限にくい止めるため、リスク管理委員会が主導する緊急事態対応に移行いたします。
④ 指標と目標
(ⅰ)目標
・温室効果ガス排出量(Scope1、2)(注1)
-中期目標 2020年3月期比、2026年3月期までに売上高原単位で10%削減
-長期目標 2021年3月期比、2031年3月期までに30%削減
(*SBT2℃準拠、2029年3月期売上高 2.5兆円の長期経営目標の実現とともに達成)
-最終目標 遅くとも2050年までに実質ゼロを達成
・当社グループ製品によるCO₂排出削減貢献量
-2023年度3月期比、2031年3月期までに50%増、約400万t-CO₂
(ⅱ)指標(2023年3月期実績)
・Scope1、2の温室効果ガス排出量 88万t-CO₂(対前年4%減)
・Scope1、2の温室効果ガス排出量の売上高原単位 0.68t-CO₂/百万円(対前年17%減)
・電力使用由来CO₂排出量 78万t-CO₂(対前年5%減)
全電力消費量 1,550GWh(対前年6%減)、再エネ電力導入量 15GWh(対前年110%)
・燃料消費起因CO₂排出量 3.3万t-CO₂(対前年12%減)
・PFC及びSF6等排出量(CO₂換算) 7.6万t-CO₂(対前年9%増)
・当社グループ製品によるCO₂排出削減貢献量 267万t-CO₂(対前年7%増)
(注1)Scope1、2:事業活動にともなう温室効果ガスの直接排出量、使用した熱・エネルギーの製造段階における温室効果ガスの間接排出量
(注2)Scope1、2の温室効果ガス排出量の2023年3月期の実績は、ソコテック・サーティフィケーション・ジャパン株式会社の限定的保証業務による第三者保証を受け、確定後に当社ウェブサイトに掲載する予定であります。
(7)人的資本
① 人的資本への対応
当社グループの経営理念である「より良き品を、より早く、より多く、より安く、より賢くつくることで持続可能かつ地球にやさしく豊かな社会の実現に貢献する」のもと、明確に定義された8本槍戦略と社会的課題解決に向けた戦略を実現するためには、
・大局を見据え、豊かな構想力と実行力をもって事業を強化・進化させるリーダー
・当社グループの技術を深化・相合させることで社会的課題解決に果敢に挑戦する技術者
を重点的に強化していくことが必要だと考えております。人材要件の明確化とともに、重点的に強化する人材群を獲得し、可能性を見いだし育て、適切に評価/処遇するタレントマネジメントのしくみを整備し、最大限にパフォーマンスを発揮できるしくみの整備を進めております。2023年のミネベアミツミ 東京クロステックガーデンへの移転により、この取り組みをさらに強化し、当社グループの人的資本の強みを活かしながら、さらに増強する人材戦略を実行することで、当社グループの成長を加速化させることを目指しております。
② 人材戦略
(ⅰ)リーダーを育成
当社は創業以来、海外進出やM&Aを積み重ねる中で育んできた多様な人材がグローバルで活躍していることが強みであります。この強みを活かし、当社グループの今後の成長戦略を実現するにあたりさらに重点的に強化しているのは、リーダー人材であります。従来の枠を超えて8本槍の事業やさまざまな機能を相合し、事業/機能の強化・進化を推し進めるとともに、地球レベルの課題を視野に大局的な視点で課題をとらえ、関係者を巻きこみながら課題解決にチャレンジする実行力を持つリーダー人材の強化をはかっております。
そのために、事業ポートフォリオを最適化し、強力なリーダーシップで事業群を進化させるトップマネジメント人材を社外から積極的に採用するとともに、ポテンシャルの高い次世代リーダーのタレントプールを増強し育成しております。特に、トップマネジメント人材候補の育成のために、研修の機会を提供するだけではなく、一定期間経営陣のシャドウイングを行い、最前線の経験をさせることで経営トップとしての判断力を磨いております。
多様な人材がグローバルで活躍している人材という当社グループの強みに加え、構想力と実行力を兼ね備えたリーダー層を強化することが当社グループの成長戦略の実現を加速化させていく人材戦略の重要なポイントの一つであります。
(ⅱ)技術者を育成・獲得
創業以来培ってきた製造ノウハウならびにM&Aなどで増強してきた技術力は、当社グループの強みの一つであります。当社グループはこの強みをさらに強化するノウハウを継承するしくみの盤石化に引き続き取り組んでまいります。これに加え、従来の方法にとらわれない着想や経験で8本槍製品に付加価値を加え、社会的課題解決に結びつけるような技術者を外部から採用するとともに、子供たちにものづくりを学ぶ機会を提供したり学生に学費支援を行ったりすることで将来の有望人材を育成したり、次世代の技術開発を担う優秀な若手技術者の教育を行うなどして、当社グループの成長戦略実現のために必要な技術者群のポートフォリオを強化しております。
また、学術機関やお客様を招へいし、当社グループの技術とさまざまな社会的課題とを結びつけるための技術を生み出すプロジェクトに取り組んだり、技術関係者がリアル&バーチャルでストレスなく新たなプロジェクトに取り組んだりするために、軽井沢本社テクノロジーセンター・大阪研究開発センターなどの開発拠点を整備してまいりました。2023年からは東京クロステックガーデンが技術開発の拠点に加わりました。
さらに、当社グループの特徴の一つであるチームビルディング活動は、ボトムアップでさまざまなアイデアを創出し実行する施策の一つとして、技術の相合を促進しております。
(ⅲ)人材の相合で組織の力を最大化
人材の多様性は当社グループの強みの一つでありますが、さまざまなバックグラウンド/資質を擁する人材がそれぞれ最大限にパフォーマンスを発揮できるようにするためには、それを支援する一貫したタレントマネジメントのしくみが必要であります。効果的/効率的にそのしくみを運用するために、人材の獲得・人材の発掘・人材の育成・人材の適切な評価/処遇という4つの側面から、タレントマネジメントのしくみを整備しております。
戦略として重点的に獲得していく人材や将来のミネベアミツミグループを支える人材を獲得したら、新規人材も含めた全従業員の人材のポテンシャルをデータ化して可視化し、発掘してまいります。
そして、新卒入社者から始まり、若手からミドルマネジメントまでの節目ごとに、当社グループの経営理念/戦略に基づいて自身のキャリアを考える機会を提供することでキャリア開発のアップデートを行い、社内公募や早期登用の機会を用意して育成の加速化を進めております。
ここ数年特に力を入れているのは、人材を適切に評価し処遇するしくみの強化であります。目標管理制度を導入し、個人の業績を処遇に反映させ、優れた成果に対して報いる報酬体系へと変えてきております。経営理念の表現の見直しとともに評価項目の見直しを行い、当社グループが求める人材要件に即した評価ならびに育成ができるようにしております。特に、評価を効果的に人材開発に活かすために、管理職に対して評価の仕方・フィードバックの仕方・1on1の対話の仕方に関する教育を継続的に進めるとともに、多面評価も2022年3月期より制度として導入しております。
タレントマネジメントの運用をサポートしていくのは、個々の従業員の最新の人材情報を効果的・効率的に活用できるようにするための人事データベースシステムであります。2024年3月期より、これまで部署/拠点で統一的に管理されていなかった人材に関する全ての情報を一元管理できる人事情報システムに切り替えます。
さらに、これまでの施策の実効性の確認と今後の施策策定に向けた仮説検証を目的として、従業員が継続的に高いエンゲージメントレベルを維持しているかどうかを測定するエンゲージメントサーベイを2024年3月期から実施いたします。
今後は、スペシャリストを中心とした高い競争力を有する報酬制度に移行して従業員の意欲/パフォーマンスの向上のための組織づくりに取り組むとともに、働きやすく生産的な職場環境を整えることで「人材の相合」をさらに促進していく予定であります。
最大限に力を発揮する個々の人材がさまざまな機会を通して効果的に相合することをサポートする人材戦略により、当社グループの持続的成長を加速させてまいります。
③ 指標と目標
価値創造の源泉は当社グループの人材であり、当社グループのマテリアリティの重要テーマにも掲げられている「従業員の力を最大化」を目指して「グローバル規模の人材育成」と「グローバル規模のダイバーシティの推進」をはかるとともに、従業員が「働きやすい職場づくり」と「従業員の安全と健康」を推進しております。
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非財務指標「従業員」 |
2025年度目標 |
2022年度実績 |
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女性管理職比率 (注)1 |
3.5% |
2.9% |
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正社員採用に占める女性比率 (注)2 |
18.5% |
13.4% |
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男性育児休業取得率 (注)1 |
100.0% |
41.0% |
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(注)1.提出会社の従業員数を基礎として算出しております。 2.提出会社及び国内関係会社の従業員数を基礎として算出しております。 |
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当社グループは、業務遂行や事業活動に直接又は間接的に影響を与える可能性のある不確実な事象をリスクと定義しており、そのリスク管理を行う組織としてリスク管理委員会を設置しております。リスク管理委員会では、具体的なリスクを想定、分類し、有事の際の迅速かつ適切な情報伝達と緊急体制を整備し、リスク管理に関する事項を取締役会に報告を行っております。
このような中で、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある主要なリスクの内容と対応を外部環境及び内部環境の観点から記載をしております。なお、文中の将来に関する主要なリスクは、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。ただし、全てのリスクを網羅したものではなく、現時点で予期できないリスクの影響を受ける可能性があります。
(外部環境)
① 自然災害等によるリスク
台風、地震、洪水等の自然災害、火災等その他事故、及び新型感染症の発生等に起因し、当社グループ事業拠点及び取引先の被災や稼働率低下等が生じることにより、当社グループの生産、販売活動に重大な影響を与える可能性があります。
これに対して、当社グループは平時から各拠点において自然災害等に関するハザードマップ、リスクサーベイ等の結果よりリスクを把握し、対策、備蓄品の準備、防災訓練等を実施しております。また本部(リスク管理委員会)、各拠点が緊密に連携して危機管理体制をさらに強化すべく努めております。
新型コロナウイルス感染症の影響について
2020年1月より、社長執行役員(当時)を本部長とする対策本部主導で感染防止対策のベストプラクティスをグループ内に素早く展開することにより、事業への影響を最小限度に抑えております。
(経営成績への影響について)
当連結会計年度(2023年3月期)の業績においては、各国での感染防止対策費用及び工場での稼働損失などによる営業損益への影響が約34億円ありました。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大が長期化した場合、当社グループの経営成績にさらに影響を及ぼす可能性があります。
(財政状態への影響について)
現時点においては、世界的に新型コロナウイルス感染症は収束に向かっていると思われ、多くの国の金融当局は金融引き締めに方針転換をはかっておりますが、日本の金融当局の方針は依然金融緩和方針であり、当社の資金繰り及び財務の安定性に大きな影響を与える可能性は限定的と認識しております。ただし、金融市場が大きく混乱した場合、資金調達コストの上昇や新規の資金調達へ影響を与える可能性があります。新型コロナウイルス感染症拡大の影響は予測が困難なため、短期的には新たな投資活動の抑制や、安定的な資金調達に努めてまいります。
(生産活動への影響について)
感染が再拡大等し、各国政府の要請等により事業活動及び行動の制限が強化された場合、工場の稼働停止等、当社グループの生産、販売活動に重大な影響を与える可能性があります。
(サプライチェーンへの影響について)
当社グループでは、事業継続計画(BCP)の観点から、調達先の地城の見直しや複数社からの調達(マルチソース化)、基幹部品のさらなる内製化、物流ルートの見直し等、サプライチェーンの見直しに着手しております。
② 海外進出に潜在するリスク
当社グループは世界28カ国に126製造拠点、105営業拠点を有しており、予期しない法律もしくは規制の変更、大規模な労働争議、テロ、戦争又はその他の要因による社会的混乱といったリスクが内在している地域も含まれております。
この対応として危機管理マニュアルを海外拠点において整備し、不測の事態への備えを強化するとともに、所在国、地域の関係当局とも緊密に連携をはかり、緊急事態発生時における会社や従業員の安全確保に努めております。また、所在地への社会貢献活動を積極的に実施していくこと等を通じて、関係当局のみならず、地元の住民からも地域社会に根差した企業として認知されるように努めております。
多角的な事業ポートフォリオとグローバル生産拠点が相互に補完し合うことで、事業環境が変化しても収益を下支えする「リスク分散体制」を確立しております。
③ 為替変動によるリスク
当社グループは、海外の売上高比率及び生産高比率が高く、予期できない急激な為替変動により経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。このため、将来の急激な為替リスク低減のための一定のルールに基づき為替予約等によるリスクへッジを行っております。
④ 急激な市場環境の変化と低価格競争によるリスク
PC及び周辺機器、情報通信機器、家電、自動車、航空機部品を中心とする当社グループ製品の主要市場は、国内外において競争が非常に激しく需要の大きな変動によるリスクがあります。急激な需要の縮小や海外製の低価格製品との価格競争は、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
このため当社グループでは、「コア事業の強化」、「多角化でニッチ(8本槍)」、「相合によるシナジー創出」の経営戦略の下、販売先の集中リスクをできるだけ回避し、信用面で懸念ある取引先には保全活動を交渉するなど、債権管理を強化するとともに、価格競争にとらわれないオンリーワンの付加価値の高い製品づくりに注力することで市場環境及び低価格競争へのリスク対応を行っております。
⑤ 原材料費、物流費等のコスト高に対するリスク
当社グループは、仕入先からさまざまな原材料等の調達と物流業者に委託して製品の保管、運送を行っており、仕入先及び物流業者の被災やパンデミック、倒産、キャパシティの縮小、ストライキ、事故、不法行為等により供給が途絶え、当社グループの生産、販売活動に重大な影響を与える可能性があります。
当社グループは、リスク対策の調達・物流部門規程を策定し仕入先及び物流業者の分散と集約化を適宜組み合わせ、安定的なサプライチェーンの確保、リスクの低減に努めております。またサプライヤーとの健全なパートナーシップを築くため「資材調達基本方針」を定めサプライヤーに対して継続的な取引が可能であること、当社グループの製品含有化学物質に関する要領及び基準などを遵守できること、「ミネベアミツミグループCSR調達ガイドライン」に賛同できることなど当社グループの資材調達への考えに賛同いただくことを確認の上、新規に取引を行っております。
⑥ 知的財産権に関する紛争、模倣品(コピー商品)の氾濫に対するリスク
当社グループは、当社グループの製品について第三者より知的財産権侵害の訴訟を提起されるリスクがあります。また、当社グループの製品の模倣品が流通することで、売上への影響、当社のブランド又は信用が損なわれるリスクがあります。
これらのリスクに対し知的財産権侵害訴訟リスク低減のため、開発、設計時の他社知的財産権調査及び問題となる知的財産権への対応を行っています。また当社商標を税関登録し模倣品の監視体制をとるとともに、新規開発品について積極的に知的財産権を取得しています。また上記の対応にあたっては、特許等委員会にて適切な管理、運営をはかっております。
⑦ 重要な訴訟等に対するリスク
当社グループが、国内及び海外で広範な事業活動を展開する中で、将来、顧客、消費者、サプライヤー、競合会社、政府などとの間で、契約違反、不法行為などに関する重大な紛争、訴訟が発生する可能性があります。
重大な紛争、訴訟の発生を未然に防止するために、「法務部への連絡相談に係るガイドライン」を定め、法的な検討を要求される経営上の重要事項や契約書については、事前に国内及び海外の法務部門に連絡相談するよう義務付けています。また重大な紛争、訴訟が発生した場合には、法務部門と顧問弁護士が中心となり、関係する社内各部署と連携し、紛争、訴訟の適正かつ迅速な解決を目指して活動を行っております。しかしながら将来、重要な訴訟等が提起された場合には経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 環境関連法令等に対するリスク
当社グループは、世界各地域においてさまざまな環境関連法令の適用を受けております。当社グループはこれらの規制に細心の注意を払いながら事業を行っておりますが、万一環境汚染が発生し又は発生のおそれが判明した場合には、当社グループに損失が生じる可能性があります。
このため「ミネベアミツミグループ環境方針」の下、環境マネジメント体制(環境マネジメント委員会)を設け環境管理責任者を配し、厳格な環境汚染防止活動を平時より推進しリスクへの対応を行っております。
また、脱炭素社会に向けた政策的措置により生産コストが上昇し、原材料の転換等が必要となる可能性があります。
このため、このような政策的動向を注視し、TCFD等への取り組みにより気候変動関連のリスクと機会への対応をはかり、脱炭素社会に相応しいビジネスモデルへの転換を先取りしてまいります。
⑨ M&A、アライアンスに対するリスク
当社グループは、M&Aとアライアンスを最重要施策の一つと位置付け推進しておりますが、市場環境の変化等に起因し、さらにアライアンスにおいては相手先との戦略の不一致等が発現し、当初想定した効果を生まないリスクが存在します。このようなリスクへの対応として当社グループは、M&Aにおいては人材と組織の融合、アライアンスにおいては知見の相互活用を重視し、シナジーの創出をはかっております。しかしながら、事業環境の変化により買収企業やアライアンス事業において想定以上の収益性の下振れや財務内容の悪化が発生した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(内部環境)
① コンプライアンスに関するリスク
当社グループは、世界各地域においてさまざまな事業活動を展開しており、各地域の多種多様な法令、規則の適用を受けているため、将来にわたって法令違反等が発生する可能性、また法規制や当局の法令解釈が変更になることにより法規制等の遵守が困難になり又は遵守のための費用が増加する可能性があります。
当社グループでは、労働、安全衛生、環境保全、倫理的経営について「ミネベアミツミグループ行動規範」を定め、さらに全ての役員、従業員が遵守すべき具体的な基準として「ミネベアミツミグループ役員・従業員行動指針」を定めています。また、その徹底をはかるため、コンプライアンス委員会を設置し、当社グループの法令遵守体制が適切に運営されているか検証を行う体制が構築されております。実務面では「ミネベアミツミグループ役員・従業員行動指針」に定められた主管部署が業務上の法令遵守を担当し、内部監査室が監査を行い、内部統制面では内部統制推進室が主に財務報告の信頼性を確保するなど、グループ全体としての法令遵守の有効性を高め、さらに内部通報制度を整備することでコンプライアンスリスクの低減に努めております。
② 品質問題によるリスク
当社グループの製品は、一般市場及び多くの産業分野で高精度を要する部分(自動車、航空機、医療機器等人命に関わる製品)に使用されており、その社会的責任を認識し高い品質保証体制を確立することが求められます。同時に原材料、部品、副資材の選定及び、使用用途を熟慮した設計、開発等を行うことで「環境、健康、安心、安全」を顧客に提供する使命(期待)を担っております。万が一製品に欠陥が存在し、市場における重大な事故や顧客の生産停止あるいはリコール等の事態が発生した場合、多大な費用の発生や社会的信用の失墜だけではなく、業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性が考えられます。
当社グループでは、「ミネベアミツミグループ品質方針」を基に「社会的責任」を十分に認識し下記対策を行っております。
・品質問題から得られた教訓への対応(未然防止、再発防止等)を徹底
・設計段階での調査と確認、サプライチェーンにおける管理体制強化
・各種法規制、顧客要求事項の周知と遵守を徹底
・全社横断の会議体や現場監査等を通して情報共有と施策の展開
③ 情報セキュリティによるリスク
当社グループは、事業活動の中で多くの重要情報や個人情報を入手することがあり、当社グループでは情報セキュリティの方針を定め、情報の外部への流失及び目的外の流用等が起こらないよう運用しておりますが、予期せぬ事態により流出する可能性があります。このような事態が生じた場合、その対応のために多額の費用が発生するとともに、社会的信用が低下するリスクがあります。
このため、当社グループでは情報セキュリティ体制を強化する目的からサイバーセキュリティ対策に取り組むための専任組織としてセキュリティ推進室を新たに設置しました。
セキュリティ推進室長は当社のCISO: Chief Information Security Officerとして、セキュリティ対策の改善、強化策の立案及びその推進、サイバーインシデントへの対応、そして、社内のセキュリティ教育を担います。さらに、情報セキュリティ規程の策定並びに情報セキュリティ委員会を設置し、情報セキュリティ体制が適切に運営されているか検証を行う体制を構築しております。また情報セキュリティ教育並びに理解度テストを励行し、機器の紛失、盗難、不注意等による情報流出の防止に努めております。
上記に加え、コンピュータウイルスやマルウェア等の侵入、不正アクセス等のサーバー攻撃やシステム侵害による運用停止や情報漏洩への対策として業務で使用するネットワーク機器、パソコン、サーバー等については、安定稼働の確認が取れた直近のバージョンを適用しセキュリティホール等の問題に対応するとともに、アンチウイルス、マルウェア対策ソフトに加えて、AIを活用した24時間365日の情報セキュリティ対策システムを導入し、適正に運用しております。
④ 研究開発に対するリスク
当社グループは、新製品を継続的に市場投入し、将来の売上高、利益の目標達成に貢献できるよう基礎研究、要素技術開発、製品開発及び生産工程開発を含む研究開発活動を行っております。しかしながら、想定に反して研究開発の成果物が適時創出できない場合、競合他社が当社の研究開発の成果物を凌駕するもので対抗してきた場合、あるいは脱炭素社会への移行に伴う技術の進歩や市場要求が変化した場合、将来の売上高、利益の目標達成ができず、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
研究開発の成果創出には不確実性が伴いますが、これを想定の範囲内に収めるべく、研究開発プロジェクトの進捗、費用については、「研究開発管理規程」等に則り、効果的かつ効率的な管理を行っております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「3 事業等のリスク」をご参照ください。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限の緩和により、個人消費が回復し、景気の緩やかな持ち直しの動きが見られました。米国経済は、雇用や個人所得が増加している一方、インフレーション抑制のため金利の引き上げを継続しており、景気の上昇幅は限定的となりました。欧州経済は、ウクライナ問題によるロシアからの天然資源の供給減の影響で、資源価格は高止まりしており、依然として先行きは不透明な状況が続いております。中国経済は、ゼロコロナ政策による行動制限の解除に伴って、経済活動の正常化が進む一方、不動産市場を中心に景気は低迷しており、先行きが不透明な状況が続いております。東南アジアにおいては、新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限の緩和を背景に、景気は回復傾向となりました。
当社グループは、かかる経営環境下で、収益力のさらなる向上を実現するために、徹底したコスト削減、高付加価値製品と新技術の開発及び拡販活動に注力してまいりました。
この結果、売上高は1,292,203百万円と前連結会計年度に比べ168,063百万円(15.0%)の増収となりました。営業利益は101,522百万円と前連結会計年度に比べ9,386百万円(10.2%)の増益、税引前利益は96,120百万円と前連結会計年度に比べ5,332百万円(5.9%)の増益、親会社の所有者に帰属する当期利益は77,010百万円と前連結会計年度に比べ8,075百万円(11.7%)の増益となり、いずれも過去最高益を更新しました。
なお、2022年9月16日付で本多通信工業株式会社を子会社化、2023年1月27日付でミネベア アクセスソリューションズ株式会社(同日付で株式会社ホンダロックより社名変更)を子会社化し、経営統合を実施したことに伴い、同社を連結対象に組み入れております。上記には、統合日以降の同社の損益に加えて、ミネベア アクセスソリューションズ株式会社との企業結合手続により発生した負ののれん25,728百万円が含まれております。
セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度より、会社組織変更を行った結果、「その他」と「調整額」で一部区分を変更しております。前連結会計年度のセグメント情報は、会社組織変更後の区分に基づき作成したものを開示しております。
機械加工品事業
機械加工品事業は、当社グループの主力であるボールベアリングのほかに、主として航空機に使用されるロッドエンドベアリング、ハードディスク駆動装置(HDD)用ピボットアッセンブリー等のメカニカルパーツ及び航空機用のねじが主な製品であります。主力製品であるボールベアリングは自動車生産台数の回復に伴う自動車部品の需要増加、ロッドエンドベアリングは航空機関連の需要回復により売上高は増加しました。また、ピボットアッセンブリーは需要が減少したことにより、売上高が減少しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は197,300百万円と前連結会計年度に比べ19,830百万円(11.2%)の増収となり、営業利益は42,951百万円と前連結会計年度に比べ2,766百万円(△6.1%)の減益となりました。
電子機器事業
電子機器事業は、電子デバイス(液晶用バックライト等のエレクトロデバイス、センシングデバイス(計測機器)等)、HDD用スピンドルモーター、ステッピングモーター、DCモーター、エアームーバー及び特殊機器が主な製品であります。主に、液晶用バックライトの採用機種の減少、HDD用スピンドルモーターの需要が減少したことにより、売上高は減少しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は366,275百万円と前連結会計年度に比べ4,748百万円(△1.3%)の減収となり、営業利益は922百万円と前連結会計年度に比べ20,639百万円(△95.7%)の減益となりました。
ミツミ事業
ミツミ事業は、半導体デバイス、光デバイス、機構部品、電源部品及びスマート製品が主な製品であります。主に、カメラ用アクチュエータの光デバイスが好調に推移したことにより、売上高は増加しました。
なお、本多通信工業株式会社の取得に伴い、ミツミ事業に同社の損益が含まれております。
この結果、当連結会計年度の売上高は530,464百万円と前連結会計年度に比べ101,348百万円(23.6%)の増収となり、営業利益は42,740百万円と前連結会計年度に比べ894百万円(2.1%)の増益となりました。
ユーシン事業
ユーシン事業は、キーセット、ドアラッチ、ドアハンドル等の自動車部品のほかに、産業機器用部品が主な製品であります。自動車生産台数の回復に伴い自動車部品の需要が増加したことにより、売上高は増加しました。
なお、ミネベア アクセスソリューションズ株式会社の取得に伴い、ユーシン事業に同社の損益及び負ののれん発生益が含まれております。
この結果、当連結会計年度の売上高は194,699百万円と前連結会計年度に比べ49,122百万円(33.7%)の増収となり、営業利益は22,302百万円と前連結会計年度に比べ21,570百万円の増益となりました。
その他の事業
その他の事業は、自社製機械が主な製品であります。当連結会計年度の売上高は3,465百万円と前連結会計年度に比べ2,511百万円(263.0%)の増収、営業損失は1,290百万円と前連結会計年度に比べ49百万円の改善となりました。
上記以外に、各セグメントに帰属しない全社費用等6,103百万円を調整額として表示しております。この調整額には、旧東京本部ビル売却に伴う固定資産売却益13,016百万円が含まれております。前連結会計年度の調整額は16,381百万円でした。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は144,671百万円となり、前連結会計年度末に比べ18,917百万円減少しました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、44,093百万円の収入(前連結会計年度は78,417百万円の収入)となりました。これは、主に税引前利益、減価償却費及び償却費等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、106,275百万円の支出(前連結会計年度は63,605百万円の支出)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、37,875百万円の収入(前連結会計年度は25,547百万円の支出)となりました。これは、主に長期借入れによる収入、社債の発行による収入等によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
(ⅰ) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
機械加工品(百万円) |
205,663 |
115.7 |
|
電子機器(百万円) |
386,318 |
100.2 |
|
ミツミ事業(百万円) |
565,215 |
119.2 |
|
ユーシン事業(百万円) |
191,751 |
119.0 |
|
その他(百万円) |
164 |
61.2 |
|
合計(百万円) |
1,349,111 |
112.5 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の金額であります。
(ⅱ) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
機械加工品 |
223,642 |
115.4 |
117,344 |
128.9 |
|
電子機器 |
367,693 |
91.7 |
87,874 |
101.6 |
|
ミツミ事業 |
465,818 |
87.5 |
93,206 |
59.0 |
|
ユーシン事業 |
203,131 |
119.4 |
47,261 |
121.7 |
|
その他 |
4,104 |
237.6 |
1,683 |
161.2 |
|
合計 |
1,264,388 |
97.4 |
347,368 |
92.6 |
(注)1.上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の金額であります。
2.当連結会計年度末における受注残高に著しい変動がありました。これは、ミツミ事業セグメントにおいて特定の大口顧客の需要が減少したことによるものであります。
(ⅲ) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
機械加工品(百万円) |
197,300 |
111.2 |
|
電子機器(百万円) |
366,275 |
98.7 |
|
ミツミ事業(百万円) |
530,464 |
123.6 |
|
ユーシン事業(百万円) |
194,699 |
133.7 |
|
その他(百万円) |
3,465 |
363.0 |
|
合計(百万円) |
1,292,203 |
115.0 |
(注)1.上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の金額であります。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
Appleグループ |
161,762 |
14.4 |
- |
- |
|
任天堂株式会社 |
134,789 |
12.0 |
146,016 |
11.3 |
(注)当連結会計年度のAppleグループに対する販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討事項
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「3 事業等のリスク」をご参照ください。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準(IFRS)に準拠して作成されております。連結財務諸表を作成するにあたり重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債及び収益、費用の報告金額に影響を与える仮定、見積り及び判断を必要としております。特に大きな影響を及ぼすものとして、貸倒引当金、製品補償損失引当金、訴訟等の偶発事象などに関する引当金や退職給付に係る会計処理及び非上場株式の公正価値の測定については、過去の実績や当該事象の状況に照らして合理的と考えられる見積り及び判断を行い、また、のれん、固定資産の減損及び繰延税金資産の計上については、将来の回収可能性などを考慮しております。
新型コロナウイルス感染症に関しては、感染拡大へ厳重な対策を実施したうえで事業活動を継続しており、現時点においては、一部子会社を除き、平常時と概ね同水準の稼働率を維持しておりますが、今後各国政府の要請等により事業活動及び行動の制限が再度強化された場合、工場の稼働停止等、当社の生産、販売活動に重大な影響を与える可能性があります。
上記の仮定、見積り及び判断については不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態、経営成績は次のとおりであります。
(財政状態の分析)
当社グループは、「財務体質の強化」を主要な経営方針とし、効率的な設備投資、資産運用及び有利子負債の削減等に取り組んでおります。高収益のコア事業への比重を高めるポートフォリオ改革や実効性の高いM&Aを実現し、適切かつ機動的な財務戦略を推進いたします。
当連結会計年度末における総資産は1,303,967百万円となり、前連結会計年度末に比べ199,775百万円の増加となりました。その主な要因は、有形固定資産、営業債権及びその他の債権、棚卸資産の増加であります。
当連結会計年度末における負債は660,658百万円となり、前連結会計年度末に比べ97,901百万円の増加となりました。その主な要因は、社債及び借入金の増加であります。
なお、資本は643,309百万円となり、親会社所有者帰属持分比率は48.5%と前連結会計年度末に比べ0.3ポイント減少しました。
(経営成績の分析)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ15.0%増収の1,292,203百万円となり、創業以来の過去最高売上高を更新し、営業利益は10.2%増益の101,522百万円となりました。セグメント別の売上高及び営業利益については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
当連結会計年度における税引前利益は、5.9%増益の96,120百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は11.7%増益の77,010百万円となりました。
(キャッシュ・フローの分析)
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。運転資金の調達については、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。重要な資本の支出及びその資金の調達源については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1) 重要な設備の新設等」に記載しております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は376,004百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は144,671百万円となっております。
経営方針・戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。
当社グループは、2029年3月期に「売上高2.5兆円、営業利益2,500億円」の達成を目指しております。2024年3月期の業績予想につきまして、現時点で予想可能な範囲で通期連結業績予想を以下のとおりとしました。
|
|
(百万円) |
|
売上高 |
1,450,000 |
|
営業利益 |
95,000 |
|
親会社の所有者に帰属する当期利益 |
70,000 |
今後も他社にない幅広い製品ラインナップを持つ総合精密部品メーカーとして、当社が持つ技術及び製品を「相合」することで新たな価値を創出し、業績の向上に取り組んでまいります。
(技術導入契約等)
当社は、次の技術導入契約等を締結しております。
|
相手先の名称 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
|
インターナショナル・ビジネス・マシンズ・コーポレーション |
米国 |
コンピューター・キーボードに搭載されるポインティングスティックの操作性に関する著作権 |
自 1994年8月19日 至 契約著作権の保護期間満了日 |
|
|
ザ・ボーイング・カンパニー |
米国 |
多重懸架装置MER-200(P)の製造に関する技術 |
自 1995年6月19日 至 2025年6月30日 |
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|
パプスト・モートレン・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲー |
ドイツ |
精密モーターの製造に関する技術 |
自 1995年6月19日 至 契約特許権の存続期間満了日 |
|
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エルスリーハリス・テクノロジーズ・インク |
米国 |
投下器BRU-47の製造に関する技術 |
自 1997年2月3日 至 2030年8月31日 |
|
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シーゲート・テクノロジー・インク |
米国 |
流体軸受及び同軸受搭載のハードディスク用スピンドルモーター等の製造技術 |
自 2000年2月29日 至 契約特許権の存続期間満了日 |
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日本電産株式会社 |
日本 |
流体動圧軸受及びハードディスクドライブ用スピンドルモーターに関する特許権等のクロスライセンス契約 |
自 2004年12月18日 至 契約特許権の存続期間満了日 |
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パナソニックホールディングス株式会社 |
日本 |
ハードディスクドライブ用流体軸受モーターに関する特許実施の許諾 |
自 2018年4月1日 至 契約特許権の存続期間満了日 |
|
|
パナソニックホールディングス株式会社 |
日本 |
ポリゴンモーター、パワーブラシレスモーター及び小型ブラシレスモーターに関する特許実施の許諾 |
自 2013年2月1日 至 契約特許権の存続期間満了日 |
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SAPジャパン株式会社 |
日本 |
SAPのソフトウエア使用許諾及びサポート契約 |
自 2014年9月29日 至 2015年12月31日(自動更新規定あり) |
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(注)1.上記契約に基づく対価は契約ごとに相違し、イニシャルペイメントのほかに売上高に応じて一定率のロイヤルティを支払っております。
2.連結子会社においては、重要な技術導入契約等はありません。
3.パナソニックホールディングス株式会社との間で2013年2月1日に締結したファンモーター及びDCブラシ付モーターに関する特許実施の許諾に関する契約は、実施の対象となる特許等の全てが満了したことに伴い、双方の合意により2023年1月31日をもって解約しました。
当社グループは、各種ボールベアリング及びその応用部品に代表される精密機械部品、ロッドエンド&スフェリカル・ベアリング、高品質ファスナーをはじめとする航空機用部品、最先端のハードディスク駆動装置(HDD)に使用されるモーター及びピボット製品、電子機器に使用されるモーターや液晶用バックライト、照明製品、ひずみゲージ及びそれを利用したロードセルやセンサーなど各種電子部品並びにこれらの要素技術を組み合わせた複合部品・複合製品等の製造及び販売を行っております。
当社は、日本、米国、欧州、タイ、インド及び中国に開発拠点を有し、各拠点の特徴を生かしながら相互補完を進め、新規事業に係わる新製品の開発のスピードアップをはかっております。「相合」活動をより一層推進するとともに、社会的課題の解決に対して、不可欠な新製品を生み出し続けて、社会になくてはならない部品と新たな価値を創出してまいります。
2013年に東京本部に設立した東京研究開発センターは、人材及び情報が集約される東京の利便性を最大限に生かした研究開発体制をもって、ロボティックス関連製品等への応用を視野に、モーター制御に係るソフトウェア、ハードウェア等の開発に注力しております。
2017年に経営統合したミツミ電機株式会社とは、お互いの強みを生かした製品を生み出すべく、シナジーを意識した研究開発活動を行っております。すなわち、ミツミ電機の入力・変換・制御機器とミネベアミツミの出力機器との組み合わせにより、IoTを見据えたデバイスの拡充、複合化・高付加価値ソリューションの開発を追求し、スマート、車載、産業/ロボット向けの分野への参入を目指しております。
2019年には株式会社ユーシンとの経営統合を果たし、研究開発分野におきましても、さまざまなシナジーの創出を目指してまいります。
さらに、2020年4月30日に経営統合したエイブリック株式会社は、当社と相互に補完しあえるアナログ半導体製品のポートフォリオを有しており、両社の高い技術の融合により、さらなる高性能・高品質製品の開発を目指してまいります。
2022年2月には今後発生していく新たな社会的課題を解決するエッジデバイスを支える新しい製品の開発力を強化する目的で、新たな研究開発拠点を大阪に開設いたしました。関西地区の大学、企業との協創体制を構築し、関西地区における「相合」の活性化と産学連携を強化いたします。
2023年1月にはミネベア アクセスソリューションズ株式会社(旧 株式会社ホンダロック)との経営統合を果たし、高いシナジーを発揮して8本槍の一つであるアクセス製品の発展に取り組んでまいります。3月には東京クロステックガーデンを新設し、東京研究開発センターをさらに拡充、2022年に新設した大阪研究開発センターとともに、R&D 体制を徹底的に強化いたします。東京クロステックガーデンでは、「相合」活動をより一層推進するとともに、社外の業種の垣根も超えた、産学連携を含めた協創を追求してまいります。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費は
当連結会計年度におけるセグメント別の研究開発活動は、次のとおりであります。
機械加工品事業
機械加工品事業の主力である各種ベアリング、すなわち、ボールベアリング、ロッドエンドベアリング等のすべり軸受を対象にした材料、潤滑剤及び超低摩耗自己潤滑ライナー(ミネロン™)等のトライボロジー関連の基礎技術開発を行っております(ミネロンは、ミネベアミツミ株式会社の登録商標です。航空宇宙規格であるAS81934の認定を取得しております)。
また、IT産業、家電産業、自動車産業、航空機産業及び医療機器産業等の新しい分野への用途の要求に応えるべく、低発塵、高耐熱、長寿命及び導電性等の信頼性設計と応用設計に重点を置いた開発を行っております。
精密加工技術の粋とも言えるミニチュアボールベアリングの用途の一つであるHDD用ピボットアッセンブリーは、トップメーカーとして、HDD市場で拡大しているデータセンター用ハイエンド・サーバーからニアライン向け用途に対応した新製品の開発や、高信頼性ピボットアッセンブリー用グリースの開発を行っております。
航空機産業向けベアリングについては、ロッドエンドベアリングのすべり軸受の技術を応用することで、主に米国及び欧州航空機メーカーの航空機向けのメカアッシー、メイン・ランディングギア用のトラニオン・ベアリング及びフライト・コントロール用各種ベアリングの開発を行っております。
自動車産業向けは、ターボチャージャー用高耐熱ボールベアリングユニットを当社海外連結子会社のmyonic GmbHが開発いたしました。ターボチャージャーは、近年では環境規制対応で小型化するエンジンの出力不足を補うための出力補助装置として注目され、その活躍の場を一般自動車やエコカーへと広げています。
ドイツの連結子会社であるCEROBEAR GmbHは、セラミックベアリング及び高性能鋼材を用いたハイブリッドベアリングの設計・製造・販売で20年以上の実績がありますが、同社の技術と、歯科、医療機器、航空宇宙産業向け特殊ベアリングに強みを持つmyonic GmbHの技術とを組み合わせ、シナジー効果を最大化しつつ、今後旺盛な需要が期待される航空宇宙産業向け新製品の開発を行っております。
その他として、自社の製造現場の改善から生まれたクーラント噴射装置「ウェイビーノズル」を工作機械市場へ販売しております。
当事業における研究開発費は
電子機器事業
電子機器事業の主力のひとつであるモーターには、HDD用スピンドルモーター、ステッピングモーター、DCモーター、エアームーバー(ファンモーター)及び精密モーター等があります。種々の用途において求められる小型化、高効率化(省エネ)、静粛性及び信頼性等顧客の要求に応じた先進的な製品を市場に先行投入できるよう、各種のシミュレーション技術、解析技術、制御技術及び材料技術等の基礎技術力と製品開発力を強化しております。
磁気応用技術については、材料技術及び製造技術の研究開発を行っており、その結果、高性能の各種モーター用希土類ボンドマグネット、高耐熱タイプのマグネット等の高性能製品が生まれております。
HDD用スピンドルモーターでは、高い信頼性が必要なデータセンター向けに最適な、当社独自の流体軸受け構造を開発しております。
光学応用製品として、スマートフォンの大型化、薄型化に対応したモバイル用超薄型液晶用バックライトユニットを開発しております。
当社グループの特徴である超精密加工技術、精密金型技術に加え、液晶用バックライト導光板の微細な光学パターンを高速で精密に転写できる透明樹脂の射出成形の技術を高めております。これにより、業界最高水準の厚さ0.3mmを切る5インチクラスのスマートフォン用超薄型導光板を開発いたしました。さらに、狭額縁化も実現しています。製造面では、自社技術を取り入れたバックライト自動組立機及び外観検査装置等を導入し、競合他社が追随できない量産技術を確立しております。また、バックライトで培った光学技術を応用し、LED照明用の薄型レンズとLED点灯回路とを組み合わせた LED照明製品を開発しております。このLED照明製品は従来製品に比べて薄型で高効率なため省エネルギー性に優れておりますが、さらなる高効率化にむけて技術開発を進めております。
連結子会社であるスイスのPARADOX ENGINEERING SAの無線ネットワーク技術を組み合せることで、無線通信による制御が可能なスマートビルやスマートシティ向けのLED照明製品の開発を行っております。この成果を展開し、温室効果ガス削減の二国間クレジット制度を活用し、カンボジアで高効率無線制御付きLED街路照明を設置いたしました。このような事業を足掛かりに、スマートシティ実現に貢献できる技術の開発を推進しております。
LED照明では、当社モーターと無線技術を組み合わせ、スマートフォン・タブレットで配光角・明るさ・上下・左右などを容易にコントロールすることができる「SALIOT」の開発・製品化を行いました。さらに、家庭用として「SALIOT pico」を開発いたしました。
計測機器では、ひずみゲージを応用した計測機器を使い、千葉大学大学院医学研究院及び千葉大学医学部附属病院と共同で、生体情報モニタリングシステムの開発を視野に実証研究を行い、医療・介護の市場へ向けた製品化を目指し開発を行っております。
レゾナントデバイスでは、スマートフォンのみならず、ウェアラブルデバイス、ゲーム、車載HMIなど指・手での操作や体表面への装着が伴うさまざまな製品に向けて技術開発を進めております。
さらに、15年間にわたる研究開発の結果、世界に先駆けてフィルム型高感度ひずみゲージ「MINEGE™」(ミネージュ™)の開発に成功いたしました。この新しいひずみゲージは、材料となる金属抵抗体材料に独自の製作方法を適用することで、高感度化(従来比500%以上)かつ、小型化(従来比1/10以下)を達成いたしました。今後、車載、モバイル・ウェアラブル、ロボティックス分野への応用が期待できます。
当事業における研究開発費は
ミツミ事業
ミツミ事業においては、スマートフォンのカメラ用アクチュエータの手ぶれ補正機構の高精度化、アクチュエータの薄型化への開発、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems、微小電気機械システム)素子に関する研究と周辺部品の開発、リチウムイオン2次電池に関わる半導体とモジュールの開発、さらに各種センサーの開発などを進めております。さらに、スマートハウスに向けた新製品の開発を進め、スマートロックである「SADIOT LOCK」の販売を開始いたしました。
なお、エイブリック株式会社の研究開発についてはミツミ事業の半導体の研究開発に含まれております。
当事業における研究開発費は
ユーシン事業
ユーシン事業においては、ミネベアミツミの技術と融合させたシナジー創出で自動車事業向けのE-Access製品の強化を目指した開発を行っております。
当事業における研究開発費は
その他の事業
その他の事業は、自社製機械が主な製品であります。
当事業における研究開発費は1,077百万円であります。