(1)バルブ事業
バルブ事業におきましては、受注・生産絶対量増大による事業規模拡大とそれによる収益性向上を基本戦略としております。具体的には、国内と比較して大規模な海外市場での受注活動へ注力するとともに、製造分野においては本年度から操業開始となりました新工場への生産機能集約による生産能力と生産効率の極大化によって、受注・生産絶対量増大を実現します。更に、変動する生産量への柔軟な対応による生産効率の向上を目的として、アウトソーシングの有効活用を推進してまいります。
(2)メンテナンス事業
メンテナンス事業におきましては、将来的な顧客ニーズを見据えた上での、バルブメンテナンスの高度化・合理化による事業基盤の抜本的変革および収益構造再構築を基本戦略としております。具体的には、従来のバルブ分解メンテナンスと一線を画すバルブ非分解メンテナンスを取り入れた、科学的かつ体系的な保全システムの構築によって、新市場の創出と国内市場シェア拡大に取り組んでまいります。
更に、国内原子力発電所の再稼働を含め、電力業界の動向に事業展開が影響されやすい本業の専業リスクを回避すべく、新たな事業領域への本格参入を進めており、これにより売上・利益増大を着実に推進してまいります。
今後も目まぐるしく変化する外部環境へフレキシブルに対応し続けることにより、発電業界におけるサプライチェーンの重要な一角を担う企業としての社会的使命を全うしてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営環境の変化による影響
当社グループが営んでいる事業は、現在は原子力発電所向けの割合が高い状況にありますが、国内外の原子力利用政策が今後大幅に後退した場合、もしくは原子炉等規制法等による原子力発電所の建設抑制や検査サイクルに関する規則の変更(検査サイクルの更なる延長等)がなされた場合、当社グループの事業に重要な影響を受ける可能性があります。
(2)発電所等の重大な自然災害による影響
原子力発電所など当社グループの主要なエンドユーザーが地震等の重大な自然災害を被り、長期にわたってプラント運転が停止するなどの事態に至った場合、受注、売上が減少するなど当社グループの事業に重要な影響を受ける可能性があります。
(3)品質保証に関する影響
当社グループは、発電設備等において重要な機能を果たす特殊バルブ及びその部品を製造、販売し、また定期的なメンテナンスを実施しているため、万一製品の欠陥や不具合等によりトラブルが発生した場合、当社グループの事業に重要な影響を受ける可能性があります。
(4)生産設備のトラブルによる影響
当社グループは、高温高圧の条件下で使用される高品質な特殊バルブを製造するために、鋳鋼工場を始めとして長年の技術を蓄積した生産設備及び製造工程を構築しております。しかしながら、自然災害や事故などにより生産設備に重大なトラブルが発生した場合、当社グループの事業に影響を受ける可能性があります。
(5)労災事故等による影響
当社グループは、日常的な安全教育、各種技能研修、資格取得の促進等を通じて、労災事故の撲滅と安全管理には最大限の取り組みを行っておりますが、製造部門における工場での現場作業、またメンテナンス部門における発電所内での定期検査工事につきましては労災事故に繋がる可能性がゼロではないため、万一重大な労災事故が発生した場合、社会的な責任とともにその後の受注に影響を受ける可能性があります。
(6)コンピュータトラブルによる影響
当社グループは、生産・販売を始めほとんどの分野でコンピュータを導入しております。高度なセキュリティ管理のもとで運用しておりますが、現状の対策にかかわらず、コンピュータウイルスの侵入やシステム上の予期せぬエラーなど、ハード及びソフトに障害を及ぼすトラブルが生じた場合、当社グループの事業に影響を受ける可能性があります。
(7)関連当事者との関係変化による影響
当社の関連当事者である岡野商事㈱は、当社発行済株式の20.75%にあたる372千株を保有しており、当社役員のうち4名が同社の役員を兼任しております。また、同社との間で当社製品等の販売取引等を行っており、当連結会計年度における同社への販売実績は当社売上高の35.2%にあたる2,666百万円となっております。このため、今後同社との関係に大きな変化が生じた場合、当社グループの事業戦略や経営成績等に影響を受ける可能性があります。
業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、米国を中心とした貿易摩擦の影響など海外経済への不安が残るものの、政府の経済政策により企業収益や雇用環境が改善され、緩やかな回復基調で推移いたしました。
当社が主軸を置く発電プラント業界におきましては、国内原子力発電所において徐々に再稼働への動きが見られるものの当社グループの収益に繋がるまでには至らず、依然として厳しい事業環境が続きました。
このような環境の中、バルブ事業におきましては、2拠点で生産していた工場を統合することで生産機能向上および業務効率化を推進いたしました。また、メンテナンス事業におきましては、テクニカルサービス部員によるソリューション型営業を展開し受注・売上拡大に努めてまいりましたが、当連結会計年度の売上高は7,577百万円(前連結会計年度比8.8%減)にとどまり、また採算性の高い案件が次期へ繰延べになったことが大きく影響したことから営業損失67百万円(前年同期は営業利益234百万円)、経常利益0百万円(前年同期は経常利益373百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、国からの補償金受領352百万円を計上したことから165百万円(前連結会計年度比14.9%減)となりました。
セグメント別の状況は以下のとおりです。
〔バルブ事業〕
バルブ事業におきましては、竹原火力発電所1号機、鹿島火力発電所2号機向けを中心とした新設火力プラント案件が売上を牽引しました。また、川内原子力発電所1、2号機および島根原子力発電所2号機向け震災対策弁の販売に注力した結果、バルブ事業における売上高は4,983百万円(前連結会計年度比2.1%増)と前期並みの売上高を確保いたしました。しかしながら、損益面につきましては、原材料価格の高騰や連結子会社における製造コスト上昇が影響し、セグメント利益は233百万円(前連結会計年度比41.2%減)と前年同期を大幅に下回りました。
なお、バルブ事業のうち海外向けの売上高は790百万円(前連結会計年度比50.1%減)であり、バルブ事業売上高の15.9%にとどまりました。
〔メンテナンス事業〕
メンテナンス事業におきましては、東通原子力発電所1号機および女川原子力発電所2、3号機向け点検工事のほか、柏崎刈羽原子力発電所3、4号機における震災関連工事が主要案件となりましたが、収益性の高い柏崎刈羽原子力発電所向け震災関連工事および点検工事の一部が工期変更に伴い次期へ繰延べとなったため、メンテナンス事業における売上高は2,593百万円(前連結会計年度比24.2%減)、セグメント利益は344百万円(前連結会計年度比26.0%減)と前年同期を下回りました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,942百万円減少し、当連結会計年度末には2,225百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に売上債権の減少により、前連結会計年度に比べ218百万円増加し、776百万円となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出が増加し、前連結会計年度に比べ2,436百万円支出が増加し、△2,681百万円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入による資金調達が無かったことにより、前連結会計年度に比べ2,483百万円減少し、△37百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
総重量又は製造原価 |
前年同期比(%) |
|
バルブ事業 |
594,712kg |
△10.3 |
|
メンテナンス事業 |
2,086,253千円 |
△21.2 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高(千円) |
前年同期比 (%) |
|
バルブ事業 |
4,532,236 |
△10.9 |
5,947,938 |
△7.1 |
|
メンテナンス事業 |
2,903,055 |
△10.8 |
1,716,079 |
22.3 |
|
合計 |
7,435,291 |
△10.9 |
7,664,018 |
△1.8 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
バルブ事業 |
4,983,825 |
2.1 |
|
メンテナンス事業 |
2,593,568 |
△24.2 |
|
合計 |
7,577,394 |
△8.8 |
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
岡野商事㈱ |
2,978,524 |
35.9 |
2,666,842 |
35.2 |
|
三井物産プラントシステム㈱ |
1,172,267 |
14.1 |
1,840,333 |
24.3 |
|
東京電力ホールディングス㈱ |
1,957,793 |
23.6 |
644,017 |
8.5 |
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者は決算日における資産、負債並びに収益、費用の数値に影響を与える見積りを行っており、合理的に継続して評価しておりますが、実際の結果は将来の不確定な要因により異なる可能性があります。
(2)財政状態の分析
① 資産
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ291百万円減少し、13,835百万円となりました。これは主に、現金及び預金の減少によるものであります。
② 負債
負債については、前連結会計年度末に比べ425百万円減少し、4,278百万円となりました。これは主に、買掛金、未払法人税等の減少によるものであります。
③ 純資産
純資産については、前連結会計年度末に比べ134百万円増加し、9,556百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加によるものであります。
(3)経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ727百万円減少(8.8%減少)し、7,577百万円となりました。
バルブ事業におきましては、2拠点で生産していた工場を統合することで生産機能向上および業務効率化を推進いたしました(同事業の前連結会計年度比2.1%増)。
一方、メンテナンス事業におきましては、テクニカルサービス部員によるソリューション型営業を展開し受注・売上拡大に努めてまいりましたが、採算性の高い案件が次期へ繰延べになったことが大きく影響いたしました(同事業の前連結会計年度比24.2%減)。
② 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、販売促進費の減少等により、前連結会計年度と比べ177百万円減少(13.5%減少)し、1,133百万円となりました。
③ 営業外損益
営業外収益は、前期発生していた受取補償金の受入れが当期にはなかったことから、前連結会計年度と比べ66百万円減少(44.0%減少)し、85百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ28百万円減少(14.9%減少)し、165百万円となりました。
また、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度と比べ16.64円減少し95.09円となり、自己資本利益率(ROE)は、前連結会計年度と比べ0.4ポイント減少し1.7%となりました。
(4)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については、第2 事業の状況、3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分布の「(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動につきましては、主力製品である電力用バルブ及び発電所等の既存設備の保守・点検に関する客先ニーズに対応すべく、新技術及びメンテナンス装置の研究開発などに重点的に取り組んでまいりました。また、従来製品の更なる機能性向上、低コスト化、次世代プラント用バルブの研究開発等に積極的に取り組んでおります。
以上の結果、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費用は13百万円であります。
各セグメントにおける研究開発活動の内容は、次のとおりであります。
(1)バルブ事業
1)次世代発電技術に関する研究開発
前期に引き続き先進超々臨界圧火力発電(A-USC)技術に関わる活動を進めております。
2)既存技術基盤の向上に関する研究開発
当社の保有する既存技術ならびに基盤技術の維持・向上を図り、事業競争力を強化するための活動(研究開発含む)を進めております。
上記を含め、当事業に係る研究開発費は13百万円であります。
(2)メンテナンス事業
当事業に係る研究開発費は軽微であるため、記載を省略しております。