第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。

(経営の基本方針)

当企業グループは道路建設機械事業を通じて、国土開発という社会事業に貢献することを経営の基本方針としています。ユーザの方々に信頼のおける製品とサービスを提供すること、道路建設機械のスペシャリストとして常に技術の深耕を図り、道路事業の発展に有益な技術を創造して行くこと、そして道路建設機械で培った専門技術を周辺分野の事業にも役立てて行くことが、当企業グループの存在意義であり、責務であると考えております。

この基本方針に基づき、株主の皆様より出資された資金並びに社員の能力を最大限生かせる会社運営を行うことにより、株主の皆様の期待に応えられる業績を挙げて行くことに全力を尽くして参ります。

中期的な会社の経営戦略)

当企業グループは、国内建設投資の成熟化と激動する世界経済の中で現在成長の踊り場を迎えております。我々と致しましては、強みである道路建設機械事業の更なる専門化と国際化を会社の進むべき方向とし、事業構造革新を強力に進めて行く方針であります。この為、①国内事業の安定化、②海外事業の更なる拡大、③魅力ある新製品開発とサービスの提供を中期経営課題として定め、国際競争力の向上と国内外事業による安定的収益構造確立によって、中長期的な持続的成長と国際市場におけるトップメーカーとしての地位を目指して参ります。

(経営環境)

国内市場

国内市場環境は、政府の国土強靭化対策と新たな総合経済対策を受け、底堅い市場環境が期待されます。

・ 総額7兆円の「防災・減災、国土強靭化の為の三カ年緊急対策」が2018年度から2020年度にかけて進行中であり、政府建設投資が底堅く推移して来ました。

・ 昨年の台風15号と19号による相次ぐ自然災害、消費税増税や世界経済減速、東京五輪後の経済活力低下リスクを見据え、総額13兆2千万円の「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」が2019年度から2020年度の15カ月予算として決定されました。災害からの復旧・復興に5兆8千億円、経済減速対策に3兆1千億円、東京五輪後の経済活力対策に4兆3千億円という内訳です。

・ 当社に関連する自然災害からの復旧・復興、水害対策、国土強靭化、高速道路拡幅などの公共投資関連予算として約6兆円が確保されており、当面の政府建設投資は大きく嵩上げされる事になります。

・ 国内建設業界では、政府方針であるi-Constructionによる建設生産性20%向上(2025年)と建設産業の切迫する人手不足対策として、スーパーゼネコンを中心に無人化施工の研究開発が急速に進み、自動化機械や遠隔操縦機械の活用が現場実証段階に入りました。

海外市場

海外市場環境は、政治・経済の大きな潮流変化の中で、経済活動が徐々に安定を取り戻しつつあるものの、引き続き突然の激変リスクが残るものとの覚悟が必要です。

・ 世界経済はリーマンショック以来続いていた同時回復基調がピークアウトし、欧米と日本が景気を維持しているものの、米中貿易摩擦や保護主義政策に伴い世界貿易が鈍化し、アジア及び新興国を中心に世界経済同時減速のリスクが高まりました。

・ 世界経済の減速を受け、欧米・中国等で金融緩和政策を限界まで進めて来ており、今後は財政出動を伴うインフラ投資など景気対策が広がるものと期待されます。

・ 東南アジア諸国では、米中貿易摩擦に伴う経済減速と石炭やパームオイルなど商品価格の下落、そしてインドネシアやタイなど主要国における選挙の影響で経済が急減速していましたが、底打ちの兆しが見えつつあります。

・ ODA関連では、日本政府方針としてインフラシステム輸出戦略を積極的に推進中で、2020年のインフラ受注額を2017年の23兆円から30兆円へ拡大することを目指しています。我が国の質の高いインフラ技術により、国連の定めた持続的開発目標であるSDGs達成と相手国の課題解決に向けた官民連携事業が進んでいます。

世界ローラ需要

世界経済の減速が進む中、2019年の世界ローラ総需要は、前年比6.8%減の51,500台に減少しました。日米欧の先進国市場は前年比0.4%増の23,250台、これに対し新興国は同12.0%減の28,250台と、堅調な先進国需要と減速が進む新興国需要の差が顕著です。

優先的に対処すべき事業上の課題)

今後につきましては、新型コロナウイルスの地球規模の感染拡大と長期化が、世界の社会と経済に大きな影響と様々な変容をもたらすものと予想しています。

国内では国土強靭化緊急対策に加え、新たな総合経済対策により6兆円相当の公共投資が上積みされていますので、コロナ危機収束後は底堅い政府建設投資が期待されます。海外では、中国で経済活動の再開とインフラ投資による経済刺激策が動き始めました。北米では行動制限の緩和が始まり、追加経済対策による政府建設投資の拡大が期待されます。アジア及び新興諸国では底入れしつつありました経済情勢がコロナ危機で低迷を余儀なくされており、先行きを注視して参ります。また新たな技術面では世界的な行動様式の変化により、建設産業のデジタル化とリモート化が一気に加速するものと予想されます。

このような世界の大転換期の中で当企業グループでは、変化を大前提とした事業経営と海外事業と次世代事業による中長期成長戦略を基本とし、急激な需要変化への対応強化、米中対立に伴う米国事業と中国事業の収益構造改革、アジア市場深耕と北米市場展開、新技術活用による次世代事業の開発、活力ある企業文化づくりなど、変化対応と成長戦略を積極的に推し進め、新たな事業環境における成長基盤を固めて参ります。

(目標とする経営指標等)

当企業グループは、道路機械という専門技術が求められるニッチマーケットにおいて、業界唯一の独立企業として自由で健全な成長と世界のインフラ整備に貢献出来るグローバルニッチメーカーを目指しており、売上高、営業利益を重要な経営指標として位置づけながら、その持続的成長を目標としております。

(新型コロナウイルス感染症拡大の影響について)

当企業グループにおける新型コロナウイルス感染拡大の影響につきまして、有価証券報告書提出日現在において下記のとおりであります。

当企業グループは、日本国内及び海外(米国、中国、インドネシア)に拠点を展開しており、国内外各拠点においては、従業員の感染リスクの低減と安全確保を図りながら事業活動を実施しております。

日本では、販売減速と輸入部品欠品等により一部の機種の生産調整が必要となることから、今後、生産部門の一部で一時帰休を予定しております。営業活動は、国内営業、海外営業ともにお取引先様への訪問制限による影響が出てきております。

米国では、ジョージア州による屋内退避令により工場を閉鎖しておりましたが、同州での経済活動再開により4月27日より事業活動を再開しております。

インドネシアでは、西ジャワ州ブカシ市は4月15日から大規模社会的制限(PSBB)が発動され原則全ての企業が在宅勤務となりましたが、当社は「産業省からの必要な許可」を得た上で通常の事業活動を行っております。

中国では、感染拡大抑制の指示に従い、春節後から2月下旬まで工場の稼働を停止しておりましたが、従業員の職場復帰も早期に実現し事業活動を再開したものの、物流停滞等の影響を受け工場の稼働が減少しており、現在、生産部門の一部で一時帰休を実施しております。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当企業グループの経営成績及び財務状況等(株価等を含む)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあり、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えております。

当企業グループと致しましては、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。

(1)当企業グループがとっている特異な経営方針

当企業グループは国内市場の販売力の強化はもとより、海外市場の開拓を積極的に進めております。売上高にしめる海外売上比率は、2018年3月期は57.8%、2019年3月期は55.5%、2020年3月期は41.7%となっております。主として、販売先であるアジア、北米、中近東・ロシアCISの経済状況の影響を受けております。

これらの情報は第5[経理の状況]のセグメント情報等として開示しております。

また、当企業グループの事業では新規製品を継続的に市場に投入していく必要があるため研究開発力が経営の重要な要素となっております。そのため、将来の企業成長には主に新製品の開発の成果に依存するというリスクがあります。

当連結会計年度においては前連結会計年度から引き続き、国土交通省及び米国連邦環境保護庁(EPA)の4次排出ガス規制エンジンを、道路維持補修機械、振動ローラ、タイヤローラ、ロードローラなどの機種へ適用しております。

(2)研究開発活動及び人材育成について

当企業グループは、道路建設機械関連の専門メーカーとして、市場において新規製品を継続的に投入していく必要があります。研究開発費の過去3年間の推移をみますと、2018年3月期は894,081千円、2019年3月期は836,964千円、2020年3月期は753,187千円となっており、新製品の開発等に積極的に取り組んでおります。

当連結会計年度においては、次世代事業開発と致しまして、舗装作業時の安全性の更なる向上を図るため、緊急ブレーキ装置搭載タイヤローラTZ704 Guardman、同マカダムローラR2-4を製品化し、また、独自の締固め管理システムSAKAI転圧管理システムを搭載した機種を開発しております。

研究開発の成果は不確実なものであり、必ずしも成果に結びつかないというリスクがあります。また、当企業グループの企業成長のためには、特に研究開発に係わる有能な人材に依存しますので、技術スキルの高い人材の確保と育成並びに研究成果の適正な評価が重要となっております。

このような人材を確保又は育成できなかった場合には、当企業グループの企業成長、経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3)海外活動に係わるリスクについて

当企業グループは、海外市場の開拓を積極的に進めている中で、海外の各国における次のようなリスクがあるため、これらの事象が発生した場合は当企業グループの経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

① 予期しえない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更

② 社会的共通資本(インフラ)が、未整備なことによる当企業グループの活動への影響

③ 不利な政治的要因の発生

④ 戦争等による社会的混乱

⑤ 主要な市場である北米、アジアにおける景気及びそれに伴う予測を超えた需要変動

当企業グループと致しましては、このような猶予ない事態が発生した際には、政府関係機関及び各業界団体等より正確な情報収集に努め、臨機応変かつ積極的に対応策を講じ解決を図る所存であります。

(4)法的規制等について

当企業グループは、国内の法的規制のほかに事業展開している各国の法的規制、たとえば事業・投資の許可、関税・輸出入規制等の適用を受けております。また、将来において現在予期し得ない法的規制等が設けられる可能性があります。

(5)株式保有リスクについて

当企業グループは、金融機関や販売又は仕入に係る取引会社の株式を保有しているため、株式市場の価格変動リスクを負っております。株式の価格変動リスクについては特別のヘッジ手段を用いておりません。なお、有価証券に係る時価に関する情報は、第5[経理の状況]の有価証券関係の注記に記載しております。

(6)重要な訴訟等について

当企業グループは、国内及び海外事業に関連して、訴訟、紛争、その他の法律的手続きの対象となるリスクがあります。これらの法的なリスクについては当企業グループの管理部門が一括管理しており、必要に応じて取締役会及び監査等委員会に報告する管理体制となっております。また、契約中の顧問弁護士と連携を図りながらこれらの法的リスクに対応して参ります。当連結会計年度において当企業グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来重要な訴訟等が提起された場合には、当企業グループの経営成績及び財務状況等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(7)為替変動リスクについて

当企業グループの事業は、北米、インドネシア、中国に製品等の生産拠点を設け、全世界に販売を行っております。各地域における売上高、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されております。換算時の為替レートにより、これらの項目は円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般に、他の通貨に対する円高は、当企業グループの事業に悪影響を及ぼし、円安は好影響をもたらします。

当企業グループが生産を行う地域の通貨価値の下落は、それらの地域における製造の調達コストを押し上げる可能性があり、コストの増加は、利益と価格競争力を低下させ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの悪影響を最小限にくい止めるために為替予約等を行ってはおりますが、中期的な通貨変動により、計画された調達、製造、流通及び販売活動を確実に実行できない場合があるため、為替レートの変動は当企業グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当連結会計年度において、為替差損33,879千円を計上しております。

(8)生産物責任リスクについて

当企業グループは道路転圧用各種ロードローラ等を製造しております。生産物賠償責任については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありませんし、また、引き続き当企業グループがこのような保険に許容できる条件で加入できるとは限りません。生産物賠償責任につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当企業グループの評価に重大な影響を与え、それにより売上高が低下し、当企業グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当企業グループと致しましては、生産物賠償責任を負う事の無いよう徹底した製品の品質管理やISO9001規格の維持等に努めて参ります。

(9)売上債権管理上のリスクについて

当企業グループの販売形態については、商社及び有力代理店を通した間接販売とユーザへの直接販売があります。販売先において資金繰り等の財政困難な状況にあった場合、当企業グループの事業及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当連結会計年度において、重大な貸倒れの発生はありません。

(10)繰延税金資産の回収可能性について

繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

(11)感染症の拡大等に関するリスクについて

新型コロナウイルス等の感染症の流行により、国内外において都市封鎖、外出制限等実施された場合、また、役員及び従業員が感染症に罹患した場合には、当企業グループの事業運営に支障を来たし、財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当企業グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)における当企業グループを取り囲む事業環境は、国内経済が安定的に推移する一方、海外経済は米中貿易摩擦の影響で減速基調を辿っておりましたが、第4四半期に勃発した新型コロナウイルスの感染拡大により、全世界的に社会経済活動が停止する非常事態に突入しました。

このような情勢の下で当企業グループでは、海外事業と次世代事業による中長期成長戦略を着実に進めるとともに、この非常事態への対応を急いで参りました。

当連結会計年度の売上高は、国内販売が好調に推移したものの海外販売が減速し、前連結会計年度比8.2%減22,744,492千円となりました。利益面では、売上高の減少に伴い、営業利益は前連結会計年度比32.2%減959,923千円、経常利益は同30.8%減829,906千円、親会社株主に帰属する当期純利益は同43.0%減470,286千円となりました。

セグメントの業績は次のとおりであります。

日本

国内販売が好調に推移し、海外販売とグループ内取引の減少をカバーしました結果、総売上高は前連結会計年度比3.6%減の18,905,002千円ながら、営業利益は同3.4倍の824,743千円となりました。

海外

米国では、需要の急減速により総売上高は前連結会計年度比23.3%減の3,643,330千円、31,763千円の営業損失となりました。

インドネシアでは、国内及び第三国向け販売停滞が続き総売上高は前連結会計年度比46.1%減の3,567,151千円、営業利益は同94.3%減の54,075千円となりました。

中国では、北米向け輸出を縮小させる一方で国内市場開拓を進めました結果、総売上高は前連結会計年度比35.3%減の1,082,435千円、営業利益は2.9倍の17,153千円となりました。

財政状態は次のとおりであります。

当連結会計年度末の資産合計は、前連会計年度末に比べ45,363千円増加し、35,448,327千円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連会計年度末に比べ410,669千円増加し、13,528,346千円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連会計年度末に比べ365,306千円減少し、21,919,981千円となりました。

キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、売上債権の減少とたな卸資産の増加及び仕入債務の減少等により、前連結会計年度末に比べ2,472,490千円増加し、当連結会計年度末には6,682,986千円(前連結会計年度比58.7%増)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果増加した資金は、3,448,160千円(前連結会計年度は3,633,169千円の減少)であります。

これは主に、税金等調整前当期純利益850,048千円や売上債権の減少額1,639,973千円、たな卸資産の減少額259,973千円、仕入債務の減少額30,895千円及び減価償却費、製品保証引当金等の非資金的損益項目を反映したものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果減少した資金は、825,877千円(前連結会計年度は2,335,221千円の減少)であります。

これは主に、有形固定資産の取得による支出776,535千円、無形固定資産の取得による支出123,255千円及び有形固定資産の売却による収入46,027千円を反映したものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果減少した資金は、226,644千円(前連結会計年度は1,173,694千円の減少)であります。

これは主に、短期借入金の増加額324,874千円、長期借入れによる収入430,450千円及び長期借入金の返済による支出452,956千円及び配当金の支払額427,471千円を反映したものであります。

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前連結会計年度比(%)

日本(千円)

17,189,561

101.9

米国(千円)

2,654,635

87.3

インドネシア(千円)

1,513,512

64.6

中国(千円)

253,267

46.1

合計(千円)

21,610,976

94.8

(注)1.金額は、売価換算額によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

b.受注実績

当企業グループ製品のほとんどが見込生産であるため、受注状況の記載は省略しております。

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前連結会計年度比(%)

日本(千円)

17,267,853

105.4

米国(千円)

3,618,823

77.8

インドネシア(千円)

1,551,822

47.7

中国(千円)

305,993

64.5

合計(千円)

22,744,492

91.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績

当連結会計年度の売上高は、国内販売が好調に推移したものの海外販売が減速し、前連結会計年度比2,030,572千円減8.2%減)の22,744,492千円となりました。利益面では、売上高の減少に伴い、営業利益は前連結会計年度比454,894千円減32.2%減)の959,923千円、経常利益は同370,063千円減30.8%減)の829,906千円、親会社株主に帰属する当期純利益は同354,802千円減43.0%減)の470,286千円となりました。

連結地域区分別売上高につきましては、次のとおりであります。

国内向け売上高は、排ガス規制特需反動減の解消と国土強靭化緊急対策による活発な公共工事の結果、前連結会計年度比2,216,104千円増(20.1%増)の13,251,987千円となりました。

海外向け売上高は、アジア及び新興国における経済停滞に新型コロナウイルス問題が加わりました結果、前連結会計年度比4,246,612千円減(30.9%減)の9,492,569千円となりました。

北米向け売上高は、第4四半期に入り需要が急減速しました結果、前連結会計年度比1,037,474千円減(22.3%減)の3,618,823千円となりました。

アジア向け売上高は、需要底這いが続き、前連結会計年度比3,291,568千円減(41.1%減)の4,708,872千円となりました。

中近東・ロシアCIS向け売上高は、需要停滞が続きましたもののCIS向け政府開発援助案件が実現し、前連結会計年度比460,872千円増(4.6倍増)の588,867千円となりました。

その他市場向け売上高は、中南米、オセアニア、アフリカともに需要停滞が続き、前連結会計年度比378,441千円減(39.7%減)の576,006千円となりました。

 

当連結会計年度の業績及び事業活動の状況は、以下のとおりとなります。

通期連結売上高 22,744,492千円(2,030,572千円減、 8.2%減)

・ 国内は排ガス反動減解消と国土強靭化で伸長 13,251,987千円(2,216,104千円増、 20.1%増)

・ 北米はコロナ問題で第4四半期需要急減速 3,618,823千円(1,037,474千円減、 22.3%減)

・ アジア及びその他新興諸国は需要底這い 5,873,746千円(3,209,138千円減、 35.3%減)

事業環境変化対応

・ 北米・中国事業の構造改革:北米は大型ローラ現産化、中国は国内市場開拓強化(米中対立に対して、米中事業間の関係分離と地産地消化)

・ 需要変化対応/棚卸資産圧縮:9,553,311千円(349,418千円減、 3.5%減)

中期成長戦略

・ インドネシア拠点生産能力倍増:新工場稼働開始(2019年7月)

・ 次世代事業開発:緊急ブレーキ搭載機種の水平展開(R2-4 Guardman発売)

           新転圧管理システム発売(Compaction Meister)

           自律走行式ローラの現場実装試験開始(5G総合実証試験)

b.財政状態

当連結会計年度末における総資産は35,448,327千円となり、前連結会計年度末に比べ45,363千円の増加となりました。

流動資産につきましては、現金及び預金が2,472,611千円増加し、受取手形及び売掛金が1,655,777千円減少、たな卸資産が349,418千円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ284,972千円増加し、23,586,366千円となりました。

固定資産につきましては、有形固定資産が382,950千円増加し、投資有価証券636,425千円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ239,608千円減少し、11,861,961千円となりました。

流動負債につきましては、短期借入金が284,781千円増加、未払法人税等が264,633千円増加し、支払手形及び買掛金が63,962千円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ545,230千円増加し、11,455,319千円となりました。

固定負債につきましては、長期借入金が30,275千円減少し、繰延税金負債が110,024千円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ134,561千円減少、2,073,027千円となりました。

純資産につきましては、利益剰余金が24,195千円増加、その他有価証券評価差額金が352,075千円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ365,306千円減少し、21,919,981千円となりました。これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.1ポイント減少し、61.7%となりました。

②キャッシュ・フローの状況及び資本の財源及び資金の流動性

(キャッシュ・フロー)

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、(1)経営成績等の状況の概要「② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

(資金需要及び流動性について)

当連結会計年度において、有形固定資産と無形固定資産(ソフトウェア等)で899,790千円の設備投資を行っております。所要資金は自己資金及び銀行借入等によって賄い、新株式発行等による資金の調達は行っておりません。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響が長引くことで、当企業グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。社会情勢が大きく変化する中、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保し、中長期的に安定した経営を行うため、有価証券報告書提出日現在において、当社の主要2行と40億円のコミットメントライン契約を締結しております。

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当企業グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当企業グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況 連結財務諸表 「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 「追加情報」に記載のとおりであります。

a.貸倒引当金の計上基準

当企業グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。しかし、この計算は本質的に将来に対する見積りであり不確実性を含んでおります。実際に発生する貸倒れは見積りと異なる事があり、見積額以上の貸倒損失計上の必要性が生じる可能性があります。

b.製品保証引当金

製品の保証期間に発生した費用の支出に備えるため、過去の実績の製品売上高に対する比率を算定して当連結会計年度の売上高に乗じた額を計上しております。

また、個別に保証対応が見込まれる場合は、将来発生する修理費用の見積額を計上しております。しかし、この計算は本質的に将来に対する見積りであり不確実性を含んでおります。実際の補償額、修理費用は見積りと異なる事があり、製品保証引当金の追加計上の必要性が生じる可能性があります。

c.繰延税金資産の回収可能性の評価

当企業グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積っております。しかし、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合に繰延税金資産が減額され税金費用を計上する可能性があります。

4【経営上の重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

5【研究開発活動】

研究開発活動は、主に技術開発部において行われております。

技術開発部では、開発マネジメント改革として、開発プロセスの改善と開発管理強化により新製品の開発速度および品質向上に注力しています。また、中長期戦略に基づく新技術とその応用製品の開発および需要変化対応力のある製品開発を目指すと共に、次世代に向けたスマートローラづくりを推進しています。

当連結会計年度の主な活動状況としては、次のとおりです。

前連結会計年度から引き続き、国土交通省及び米国連邦環境保護庁(EPA)の4次排出ガス規制エンジンを、道路維持補修機械、振動ローラ、タイヤローラ、ロードローラなどの機種へ適用しております。

新興国への技術支援として、ロードスタビライザ(ハード)及びその使用方法等のノウハウ(ソフト)をセットで供給するために、弊社の専門技術指導員及び道路工事関連子会社である株式会社コモドの技術者を現地へ派遣して普及を図るとともに各国の国土開発に寄与しています。

次世代スマートローラの開発例としては、舗装作業時の安全性の更なる向上を図るため、「緊急ブレーキ装置搭載タイヤローラTZ704 Guardman」に続き「同装置搭載マカダムローラR2-4 Guardman」を製品化しました。今後、更なる水平展開を図って参ります。また、国土交通省が推進するi-Constructionや米国のインテリジェントコンパクション(IC)に対応する独自の締固め管理システム「SAKAI転圧管理システム」を搭載した機種を開発し、他機種への展開を図っております。

その他、製品の低炭素化に向けた電動(EV)ローラ、GNSSを利用した自律走行振動ローラの研究開発も行っております。

当連結会計年度における産業財産権の総数は、107件(出願件数137件)となっています。

なお、当連結会計年度における研究開発費は753,187千円(前連結会計年度は836,964千円)で、セグメント別では日本は753,007千円、インドネシアは179千円となっております。