なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社及び当社グループは、我が国を代表する油圧専業総合メーカとして、一般産業機械の基幹部品である「油圧機器」事業を中心に、顧客の仕様に基づき「油圧機器」を組み合わせた「システム製品」及び油圧制御技術の特徴を生かした「環境機械」の開発、生産及び販売を積極的に推進してまいります。
また、自主技術による油圧機器開発を基本姿勢にしていることから、海外進出への制約条件が少なく、油圧業界の中でいち早く1969年に台湾、1970年代にはインド・香港に海外拠点を設立し、アジアを中心に「YUKEN」ブランドの浸透に努めてまいりました。こうした海外展開力を活かしながら「YUKEN」ブランドを世界に広め、日本、アジア、世界に貢献し、環境変化の中でも利益成長できる高収益体質の独立系総合油圧メーカグループを目指してまいります。
当社グループを取り巻く事業環境及び課題については、以下のとおり認識しております。
① 市場
油圧市場は海外大手競合の過剰生産や新興メーカの台頭により、競争、シェアの争奪戦が激化しております。また、大国の保護主義的な動きも顕在化しており、予断を許さない状況です。市場のすみ分けが新たな形に変遷していく中で、当社の強みを活かした新たな立ち位置を確立していく必要があります。顧客に寄り添い、丁寧にニーズを汲み取った提案型営業の実践や、中期経営計画Step1(2022年4月~2025年3月)で構築した製品供給力に基づく拡販とコスト削減による収益力向上、海外におけるニッチな市場へのハイエンド製品の拡販、汎用製品の生産体制最適化とコストダウンなど、地域、市場ごとにきめ細かい対応を図ってまいります。
② 技術
電気制御が進歩し、デジタル技術との融合製品が他社においても増加しており、省エネに対する取組みも一層加速しております。新たな技術が台頭してくる中、個性的な製品開発で当社の優位性を高めていく必要があります。特に、日本の工場は先端化を進め、より精密でエネルギー効率の高いソリューションの提供に努めるとともに、当社グループのヘッドクウォーターとして人材投資も惜しまず行ってまいります。また、成長著しいインドにおいては、製品群を拡大し、他の地域では進出出来ていない分野にも挑戦してまいります。
③ 社会
ESG経営の実践により、事業を通じた社会的課題の解決が求められております。脱炭素社会に向けた対応の強化や環境投資の増加を図り、また社員がもっと働きやすい環境構築に努めてまいります。
当社グループは、中期経営計画Step2(2025年4月~2028年3月)において「成長戦略を実践」していくことで、2028年3月期には「連結売上高370億円(当初計画比20億円増)、営業利益30億円、経常利益30億円、ROE8.0%以上」等を達成目標として掲げております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
「サステナビリティ基本方針」
当社グループは「油圧と共に生きる」を基本的な考えとし、「経営の信条」を実践することで企業価値・商品価値と社会的価値の向上を目指してまいります。なお、「サステナビリティ方針」は
当社は、経営理念である「経営の信条」を礎に、常に最良のコーポレート・ガバナンスを追求し、その充実に継続的に取り組んでまいります。また、当社は、当社の持続的な成長及び長期的な企業価値の向上を図る観点から、意思決定の透明性・公平性を確保するとともに、保有する経営資源を十分に活用し、迅速・果敢な意思決定により経営の活力を増大させることがコーポレート・ガバナンスの要諦であると考えます。株主を始めとするステークホルダーとの協働や、適切な情報開示による透明性の確保、取締役会の有効性の確保等を図りながら、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでまいります。
なお、取締役会は、当社事業に精通した十分な数の社内取締役と、独立性の高い社外取締役を構成員としております。社外取締役は現在2名を選任しており、株主をはじめとしたステークホルダーの視点に立ち、当社の持続的成長と企業価値向上に資するかという観点から、適宜意見を述べております。監査役は、株主の負託を受けた独立の機関として、業務及び会計について監査しております。取締役会の諮問機関として、社外取締役が委員として参加する指名諮問委員会、報酬諮問委員会を設置し、当社グループのサステナビリティ経営及びリスク対応の審議・決定機関としてサステナビリティ推進委員会を設置しております。各委員会の目的及び委員は次のとおりであります。
当社グループにおける経営上のリスクについては、各部門及びグループ会社の部門リスク並びにグループ会社リスクを抽出した上で、サステナビリティ推進委員会において各リスクを定量及び定性評価し、グループとして特に対応に注力すべき全社的重要リスクを決定しております。全社的重要リスクは部門横断的に取組むこととしておりますが、全社的重要リスクを含む各種リスクは、同委員会で対応方針を定めた後に年度の経営計画に落とし込まれ、担当する部門の部門業務計画にも反映して対応を進めております。対応状況については、経営企画室が四半期ごとに実施する部門業務計画レビューで確認し、同委員会にも報告しております。
前述した経営上のリスクには、サステナビリティ関連のリスクを含んでおり、当社グループのサステナビリティ方針に定める各課題を解決することが永続的な事業活動をする上で重要であり、当社グループの中長期的な企業価値向上の機会と捉えております。サステナビリティ推進委員会では、当社グループのサステナビリティ推進活動の進捗状況について推進チームより報告を受け、活動内容の評価及び必要な対応を決定・指示しております。サステナビリティ推進活動及びリスク管理の主な体制は次のとおりであります。

当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、サステナビリティ方針の目標の一つに「人材が集まる魅力的な企業を目指す」を掲げており、人材の多様化を進めながら、従業員が切磋琢磨し、健康・安全を維持しながら活き活きと働き続けることが出来、あらゆる面で人権が尊重され、ハラスメントがない職場環境の構築に取り組んでおります。中でも、人材の育成は最も重要な経営課題の一つであると認識しており、社員のステージごとに保有すべき能力を身に着けるための階層別教育を年間計画に基づき実施しております。若手社員のOJT教育についても従来のあり方を見直し、より実効性あるものへとブラッシュアップを図っております。また、女性活躍推進にも継続して取り組んでおり、ジェンダーバイアスを払拭するための研修の実施や、女性メンバーを中心としたワーキンググループ活動を2019年から継続しており、社員が就業しやすい環境や制度の構築に努めて参りました。具体的な当社の教育体系図は次のとおりであります。

なお、グループ内での人材交流を積極的に進めており、多くの社員が出向や出張、現地とのミーティングなど海外拠点との接点を日常的に持つことで、業務知識、経験を一層深め、グローバルな視野を持てるよう取り組んでおります。
当社グループのサステナビリティ方針においては、「人材が集まる魅力的な企業を目指す」ことを目標に、2025年3月31日までに「各拠点間人材交流の拡大:20%以上UP」を計画して推進してまいりました。これまでも日本から海外グループ会社に多くの人材を派遣しておりましたが、中国やインド、韓国等のグループ会社からの人材受け入れも積極的に行い、当社グループを牽引するグローバルな人材の育成に取り組んでまいりました。「各拠点間人材交流の拡大:20%以上UP」の数値目標に対しては、2020年3月期比で48%増となり達成いたしました。
また、当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定により、2024年4月1日から2026年3月31日の2か年を計画期間と定めた行動計画及び数値目標を定めて取り組んでおります。具体的な数値目標として①「行動計画期間中の採用者に占める女性比率を20%以上とする」、②「男性の育児休業取得率を50%以上とする」の2つを掲げております。1年間取り組んだ実績としては、①の女性採用比率については17.1%となり未達、②の男性育休取得率については83.3%となり目標を上回っております。①については、2026年3月期の目標達成に向け、現在新卒採用、中途採用ともに女性求職者への積極的な働きかけを行っております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、当社グループでは、取締役、監査役、内部監査室長、品質保証室長、経営企画室長及び総務部長他を委員とした「サステナビリティ推進委員会」において、事業活動に重大な影響を及ぼす様々なリスクを洗い出し、グループ全体でリスクマネジメント体制の強化に努めております。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 競争環境
当社グループの製品については、国内外において厳しい競争下にあります。得意先からの価格引き下げ要請や、新興国の競合先の台頭などにより、価格競争力や製品の優位性が維持できない場合には、当社グループの経営成績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、市場の要求に合致したグローバル仕様製品の開発強化や納期対応力の向上を進めることにより、単なる価格競争に陥らないよう努力しております。
当社グループの海外向け売上高比率は、2025年3月期62.5%となっております。現在は外貨建て及び円建て取引があり、外貨建て取引については為替予約等のリスクヘッジを行っております。
為替予約等適切なリスクヘッジ策をとっておりますが、急激な為替変動により、経営成績等に影響を与える可能性があります。
当社グループは、海外において生産及び販売を行うため、海外現地法人の設立等を積極的に行っております。そのため、人材採用・確保等雇用環境の悪化、現地政府による予測しえない突発的な法規制・政治・経済・社会的な混乱等のリスクがあり、経営成績等に影響を与える可能性があります。
(4) 原材料や部品の調達
当社グループ製品の製造は、仕入先からの原材料や部品供給に依存しております。これら仕入先とは基本取引契約を結び安定的な取引を前提としておりますが、事故・災害、倒産により仕入先からの供給が停止した場合、当社グループの安定生産に大きな影響を及ぼす可能性があります。加えて、原材料価格高騰により、調達コストが上昇し、経営成績等に影響を与える可能性があります。
当社グループは、主要仕入先とのコミュニケーションを強化するとともに、決算状況の把握や品質監査、生産改善支援・指導により、安定的かつ柔軟な供給体制の確保に努めております。また、グローバルサプライチェーンを活用した最適な仕入先の選定や、製造経費の監視と低減に向けた取り組みを継続して実施し、さらに適切なタイミングで価格転嫁することにより、調達コスト上昇による事業活動への影響を最小化するよう努めております。
(5) 製品の品質
当社グループはISO規格認定された品質マネジメントシステム・環境マネジメントシステムの構築により品質向上努力を継続し、責任ある製品の供給に努めております。製造及び販売において想定される賠償責任リスクについては、グループ全体で包括的に保険に加入しておりますが、予期せぬ欠陥に起因して、顧客及び第三者に対して損害を与えた場合、当該保険で賄いきれない賠償責任を負担する可能性があると同時に、信用の失墜により、当社グループの経営成績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(6) 情報セキュリティ
当社グループは、事業運営に関わる技術、営業上の機密情報や個人情報を保有しております。これらの情報管理に対しては、社内規程を整備するとともに社員教育を通じてセキュリティ意識を高めております。また、社内情報システムへの外部からの侵入防止策も講じております。しかし、不測の事態によって、外部に情報が漏洩したり、想定した防御レベルを上回るサイバー攻撃等により、当該情報の破壊・改ざん・流出・社内システム停止等が生じ、当社グループの経営成績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(7) 災害等による影響
当社グループは、グローバルな事業運営を行っております。大規模地震、自然災害、火災等の事故や感染症などの発生により、グループ会社に人的・物的被害が生じ、操業停止で得意先への製品供給に支障をきたした場合、当社グループの経営成績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(8) 人材確保・人材育成
当社グループの人材については、国内においては少子高齢化が進展し、優秀な人材が確保できなくなるリスクがあります。また、国内外において人材の育成が進まず、社員が必要な技能、経験を保有できず、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
人材確保については、処遇の改善や多様な働き方の実現などにより、求職者への訴求力を高め、社員の満足度を向上させる取組みを継続して実施しております。また、人材育成については、各階層で保有すべき能力を身に着けるための階層別教育の実施やOJT教育の実効性向上、不正・不祥事を防止するためのコンプライアンス教育、グループ会社間での人材交流の活性化などに一層積極的に取り組んでおります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における世界経済は、ウクライナ情勢や中東情勢の長期化・緊迫化、原材料・資源価格の高騰、中国経済の停滞、米国の政治・経済政策の不確実性等、予断を許さない状況となりました。我が国経済においては、インバウンド需要の回復や雇用・所得環境に改善が見られる等、緩やかな回復基調が続いたものの、円安基調の継続、資源価格の高騰、物価上昇等、依然として先行きは不透明な状況となっております。
このような状況のもと、当連結会計年度の実績といたしましては、売上高は334億9千6百万円(前年同期比13.5%増)、営業利益は19億2千万円(前年同期比39.3%増)、経常利益は19億2千3百万円(前年同期比20.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億4千9百万円(前年同期比59.0%増)となりました。
また、1株当たり当期純利益は325.87円(前年同期は199.68円)、自己資本当期純利益率は5.4%(前年同期は3.6%)となりました。
なお、連結子会社であるユケン・インディア LTD.の子会社であり、非連結、持分法非適用であったGROTEK ENTERPRISES PRIVATE LIMITEDを当連結会計年度より連結子会社としております。
セグメントごとの経営成績につきましては、日本は、売上高は140億7千4百万円(前年同期比8.3%増)となり、営業利益は4億4千万円(前年同期比19.5%増)となりました。アジアは、売上高は188億5千1百万円(前年同期比18.1%増)となり、営業利益は12億4千6百万円(前年同期比53.4%増)となりました。ヨーロッパは、売上高は5億7千万円(前年同期比3.5%増)となり、営業利益は2千6百万円(前年同期比58.6%増)となりました。
当社は、2023年3月期を初年度とする「長期ビジョン~YUKEN GROUP VISION2030~」を掲げ、油圧専業メーカとして品質と信頼で社会に貢献する真のグローバル企業に成長することを目指し、本ビジョンの実現に向けて中期経営計画を策定しております。長期ビジョンは1期3か年を3期間(計9か年)として定め、中期経営計画は1期3か年を2期間(計6か年)として制定しております。具体的には以下のとおり取り組んでまいります。2025年3月期で第1期(Step1)が終了し、2026年3月期より3か年の第2期(Step2)が開始となります。
1)長期ビジョン
油研グループは「油圧と共に生きる」を変わらぬ経営の理念とし、顧客に寄り添い価値を創造するグローバルサプライヤとして広く産業の発展に寄与します。具体的には既存製品における安定供給、均一品質、最高性能、環境適応製品を追求します。また持続可能な社会の実現に向けてESG経営に取り組みます。これら取り組みを通じ、「YUKEN」ブランドの世界的価値を向上させ、広く産業の発展に寄与します。
〇第1期(Step1 2022年4月~2025年3月) 投資と再編による基盤強化
〇第2期(Step2 2025年4月~2028年3月) 拡大による利益向上
〇第3期(Step3 2028年4月~2031年3月) 新たな投資による事業領域拡大
2)中期経営計画の期間及び方針
〇第1期(Step1 2022年4月~2025年3月までの3か年)
「真のグローバル企業を目指すための、投資と再編による基盤強化」
① 工場・製品の最先端化に向けた積極投資
② 量と品質を支えるサプライチェーンの強化
③ 全てを支える人材の多様化推進と組織の再編
④ ガバナンス向上に向けた本社機能の強化
〇第2期(Step2 2025年4月~2028年3月までの3か年)
「次なる飛躍に向けた拡大による利益向上」
① 高収益市場でのシェア拡大
② 再投資による最先端化製品拡大
③ 環境型新製品群(省エネ、環境負荷低減など)の拡大
なお、当社グループは、中期経営計画Step2(2025年4月~2028年3月)において「成長戦略を実践」していくことで、2028年3月期には「連結売上高370億円(当初計画比20億円増)、営業利益30億円、経常利益30億円、ROE8.0%以上」等を達成目標として掲げております。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
当連結会計年度における生産実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における受注実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、総販売実績の10%以上の相手先がないため記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末から29億7千万円増加し、462億2千2百万円となりました。増加の主なものは、流動資産では、現金及び預金の増加3億3百万円、受取手形及び売掛金の増加7億4千6百万円、棚卸資産の増加5億8千7百万円等、固定資産では、有形固定資産の増加12億9千8百万円等であります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べて12億8千5百万円増加し、187億2百万円となりました。主な増減は、流動負債では、短期借入金の増加7億8千9百万円、未払費用の増加2億4千9百万円等、固定負債では、長期借入金の減少2億7千8百万円等であります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて16億8千5百万円増加し、275億1千9百万円となりました。主な増減は、利益剰余金の増加8億7千7百万円、自己株式取得による自己株式の増加2億2千8百万円、為替換算調整勘定の増加6億5千8百万円等であります。自己資本比率は、前連結会計年度末と同一で51.5%となり、1株当たり純資産額は6,277.32円(前連結会計年度末は5,734.83円)となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、投資活動、財務活動によるキャッシュ・フローにより減少したものの、営業活動によるキャッシュ・フローの増加により、65億8百万円(前連結会計年度末比7.3%増)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローの内訳の主なものは、税金等調整前当期純利益20億5百万円、売上債権の増加4億5千4百万円、棚卸資産の増加2億7千8百万円、仕入債務の減少3億5千万円等であります。その結果、営業活動によるキャッシュ・フローは20億8千4百万円の収入となり、前年同期に比べ11億4千9百万円収入が減少しております。
投資活動によるキャッシュ・フローの内訳の主なものは、有形固定資産の取得による支出16億3百万円等であります。その結果、投資活動によるキャッシュ・フローは14億1百万円の支出となり、前年同期に比べ1億3千1百万円支出が減少しております。
財務活動によるキャッシュ・フローの内訳の主なものは、短期借入金の純増額6億8千9百万円、長期借入金の返済による支出6億3千8百万円、自己株式の取得による支出2億2千8百万円、配当金の支払いによる支出4億6百万円等であります。その結果、財務活動によるキャッシュ・フローは5億7千8百万円の支出となり、前年同期に比べ4千3百万円支出が増加しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金は、製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。設備投資資金需要の主なものは、原価の低減、社内付加価値の向上を目的とした、生産設備の能力増強、合理化、更新のための必要資金です。これらの資金需要に対しては、営業活動から得られる資金及び、金融機関等からの借入金により賄っております。当連結会計年度末の金融機関等からの借入金残高は、短期借入金44億5千8百万円、1年以内返済予定の長期借入金4億4千5百万円、長期借入金21億3千万円となっております。また、当社は、取引銀行4行とシンジケーション方式のコミットメントライン契約を締結しております。これは、資金の効率的な調達を行うことを目的としており、コミットメントの総額は60億円、当連結会計年度末のコミットメントラインの借入残高は32億円となっており、借入未実行残高は28億円となっております。
キャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
*各指標はいずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
*株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
*営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息支払額を使用しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、見積り及び仮定を用いる必要があり、その見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があり、その見積りの前提とした条件や仮定に変動が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(注) 2025年4月1日に契約を更新(3年間)しております。
① コミットメントライン契約
当社のコミットメントライン契約(2025年3月31日現在の借入実行残高3,200,000千円)には、以下の財務制限条項が付されており、当該条項に抵触した場合は、本契約上の全ての債務について期限の利益を喪失する可能性があります。
1)各年度の決算期及び第2四半期の末日における連結の貸借対照表における純資産の部の金額を前年同期比75%以上に維持すること。
2)各年度の決算期及び第2四半期の末日における単体の貸借対照表における純資産の部の金額を前年同期比75%以上に維持すること。
3)各年度の決算期における連結の損益計算書に示される経常損益が、2023年3月期以降の決算期につき2期連続して損失とならないようにすること。
4)各年度の決算期における単体の損益計算書に示される経常損益が、2023年3月期以降の決算期につき2期連続して損失とならないようにすること。
当該コミットメントライン契約の概要は、次のとおりであります。
② タームローン契約
当社のタームローン契約(2025年3月31日現在の借入実行残高1,500,000千円)には、以下の財務制限条項が付されており、当該条項に抵触した場合は、本契約上の全ての債務について期限の利益を喪失する可能性があります。
1)2022年9月第2四半期以降、各年度の決算期の末日及び第2四半期の末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額を前年同期比75%以上に維持すること。
2)2022年9月第2四半期以降、各年度の決算期の末日及び第2四半期の末日における単体の貸借対照表上の純資産の部の金額を前年同期比75%以上に維持すること。
3)2023年3月期決算以降の決算期を初回の決算期とする連続する2期について、各年度の決算期における連結の損益計算書に示される経常損益が2期連続して損失とならないようにすること。
4)2023年3月期決算以降の決算期を初回の決算期とする連続する2期について、各年度の決算期における単体の損益計算書に示される経常損益が2期連続して損失とならないようにすること。
当該タームローン契約の概要は、次のとおりであります。
当社における研究開発体制は、「価値ある未来」を実現するため要素研究及び油圧機器単体の開発を研究開発部が、油圧機器で構成されたシステム開発は油圧システム部、そして環境関連装置は環境機械部が担当しております。
各部門が単独又は連携して中長期における施策を実現し、創造性のある新製品開発を行い、お客様との情報共有により、市場ニーズに対応した製品の開発・改良を行っております。
中期経営計画Step2(2025年4月~2028年3月)の「成長戦略の実践」に向けグローバル展開による成果を確実にするため、グループ会社と連携した開発・品質管理体制の構築・強化を進めグローバル製品の拡充を図ります。また、リニアサーボ弁を代表とする高付加価値製品や、環境に配慮した次世代製品の研究開発に取り組むことでブランド力の強化に努めてまいります。
(1) 研究開発部における事業
研究開発と製品開発を柱に事業を進めており、研究開発では数値解析技術や大学との共同研究などで、最新の油圧要素開発とイノベーション創出の基盤技術構築を進めております。製品開発としては成形機や試験機分野で採用されているリニアサーボ弁のシリーズ拡充として、大型ダイカストマシンへ搭載可能な大流量高速タイプのサーボカートリッジ弁の開発を進めてまいりました。また、省エネルギー化や環境対応など市場要求に応えるため、船舶エンジン用のリニアサーボ弁や風力発電装置用の高応答比例流量制御弁、及び様々な母機の油圧源に使用される回転数制御駆動ポンプなどのシリーズ拡充や補完開発を継続して進めております。
グローバル展開における製品開発では、中核製品である「01電磁弁グローバルモデル」の市場投入、モバイル用ポンプの市場拡大を目的とした海外製造体制構築や技術支援に取り組んでおります。油圧機器単体の開発部門としてグローバル展開による成果を確実にするため、海外グループ会社と連携した開発、品質体制構築・強化に努めております。
(2) 油圧システム部における事業
当社グループが掲げるサステナビリティ方針に則って次期高効率規制に対応した省エネルギー対応ユニットとしてマシニングセンタ用PMモータ搭載油圧パッケージの開発を進めてまいりました。引き続き商品化に向けた製品開発を継続し市場投入を図ってまいります。
(3) 環境機械部における事業
環境関連装置におけるサステナビリティ方針により、「環境保全・省資源に資する製品の拡販」、「製品固有のエネルギー効率の向上」を掲げ、主力の自動切屑圧縮機「キリコ」、ペットボトル・容器包装プラスチック減容機においてエンジニアリング及びラインナップの拡充とQCD(品質・コスト・納期)の向上に努めました。
また、2022年4月に施行された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」(通称:プラ新法)による市場の変化に対応し、従来の容器包装プラスチック減容機をベースに環境省の指針に準じた全プラ対応機を開発・市場投入し、フィールドテストを重ねております。
海外グループ会社と連携した取り組みとしては、アセアン地域・中国地区を主とした自動切屑圧縮機「グローバル仕様機」の拡販のため、設計支援を継続し新機種を市場投入しました。今後も環境・ニーズに合わせたグローバル仕様機の市場投入を実施し、機種やオプション・周辺機器の拡充を進めてまいります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は