第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当事業年度におけるわが国経済は、政府・日銀による各種政策の効果もあり、企業収益や雇用情勢は回復基調が続いているものの、資源価格の下落や中国を始めとするアジア新興国等の景気が下振れするなかで、海外経済の不確実性が高まり、さらに年初以降の急速な円高や株安が進み不安定な金融資本市場の影響を受けながら、依然として先行きに対して不透明な状況で推移しております。

 このような情勢のもと、農業機械事業におきましては、国内の農業従事者の高齢化や後継者不足による農家戸数の減少といった構造的な問題、また米価下落に伴う水田市場の機械導入減少の影響や中国市場における前年の機械導入の反動が懸念されましたものの、畜産経営の収益性向上や畜産の生産基盤の維持と国産畜産物の安定供給を目的とした国の「畜産収益力向上緊急支援事業」の後押しにより、高品質な国産飼料増産に対応し、食料自給率向上に貢献する汎用型飼料収穫機やロールベーラシリーズ等、また、低コスト循環型農業に対応したマニアスプレッダシリーズ等の土づくり作業機が堅調に推移しました結果、売上高は前年同期比5億18百万円増加し58億32百万円(前年同期比9.8%増)となりました。

 また、軸受事業におきましては、風力発電用軸受等の受注が堅調に推移し、先端設備導入による生産能力の向上等が売上に寄与しました結果、売上高は前年同期比1億53百万円増加し7億50百万円(前年同期比25.7%増)となりました。

 以上の結果、当事業年度の売上高は前年同期比6億72百万円増加し65億82百万円(前年同期比11.4%増)となりました。

 利益面におきましては、売上高が増加しました結果、営業利益は前年同期比1億81百万円増加し6億64百万円(前年同期比37.5%増)、経常利益は前年同期比1億84百万円増加し7億7百万円(前年同期比35.3%増)、そして当期純利益は前年同期比1億41百万円増加し4億85百万円(前年同期比41.2%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税引前当期純利益の増加などの要因により、前事業年度末に比べ2億64百万円増加し、5億14百万円(前年同期比105.3%増)となりました。
 また、当事業年度中における各キャッシュ・フローの状況は次の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果得られた資金は8億67百万円(前年同期比97.7%増)となりました。
 この主な要因は、税引前当期純利益7億37百万円、減価償却費2億56百万円、たな卸資産の増加額1億23百万円などを反映したものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果使用した資金は2億50百万円(前年同期比49.8%減)となりました。
 これは主に有形固定資産の取得による支出3億86百万円、補助金の受取額1億56百万円などを反映したものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動の結果使用した資金は3億52百万円(前年同期比228.9%増)となりました。
 これは主に長期借入金の返済による支出1億37百万円、短期借入金の減少額1億31百万円などを反映したものであります。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

農業機械事業(千円)

5,475,776

107.3

軸受事業(千円)

753,117

124.8

合計(千円)

6,228,894

109.1

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)商品仕入実績

 当事業年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

農業機械事業(千円)

368,716

91.7

合計(千円)

368,716

91.7

 (注)1.金額は仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(3)受注状況

 当社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

  (4)販売実績

 当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

農業機械事業(千円)

5,832,063

109.8

軸受事業(千円)

750,767

125.7

合計(千円)

6,582,830

111.4

 (注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 平成26年4月1日

 至 平成27年3月31日)

当事業年度

(自 平成27年4月1日

 至 平成28年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社クボタ

1,544,079

26.1

1,523,653

23.1

ヤンマー株式会社

726,277

12.3

1,108,924

16.8

株式会社ジェイテクト

592,675

10.0

744,141

11.3

日本ニューホランド株式会社

629,175

10.6

608,722

9.2

2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 次期事業年度におけるわが国経済は、依然として不透明感が漂う中、主力の農業機械事業におきましては、農業の構造的な問題やTPP協定の行方如何、また熊本地震による被害によっては、農業に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。また、軸受事業におきましては、産業界全体の設備投資の動向が大きな変動要因となってくるものと考えます。

 このような状況のもと、農業の競争力強化政策にのっとり、引き続き農政に沿った食料自給率向上や強い農業づくりに向けた新機軸商品の開発・販売に注力するとともに、平成28年4月からスタートしております中期経営計画「Offensive110」セカンドステージのスローガンである「果敢な挑戦 確かな信頼 未来を創る Offensive110」を掲げ、独創的で圧倒的な仕様・品質・コストに基づく競争力・提案力をつけ、業績の安定に努めてまいります。

 

4【事業等のリスク】

 当社の経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月29日)現在において当社が判断したものであります。

① 農業環境の変動

当社の主要事業である農業機械事業については、政府による農業政策の転換、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の行方、農業従事者の高齢化や後継者不足による農家戸数の減少等の農業に係る構造的な問題が存在し、また、家畜伝染病などの影響を受けます。このような外部環境の変動により、農業市場が低迷した場合、当社の経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性があります。

 ② 業績の季節性・天候の変動について

   当社は農業機械事業を主要事業としており、冬場である第4四半期(1月~3月)は不需要期となりますので、

  収益性が他の四半期と比較して低くなる傾向にあり、営業損失を計上する可能性があります。

   また、その年の天候によって農作物の生育状況は大きく変動しますので、これらの天候の変動により、当社の経

  営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性があります。

 ③ 特定の販売先への依存

当社の売上高のうち主要販売先上位3社の占める割合は、51.2%(平成28年3月期)となっております。当社と主要販売先との取引関係は長年にわたり安定的に継続しており、今後とも良好な関係を維持していく予定ですが、何らかの理由により当該会社との関係に変化が生じた場合、当社の経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性があります。

  ④ 原材料の価格変動

当社では、継続的なコストダウンや安定した原材料の供給確保に努めておりますが、原材料価格が高騰し、製品価格に転嫁できない場合、当社の経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性があります。

 ⑤ 特定の仕入先・外注先への依存

    当社の製品に使用している原材料及び購入部品には、仕入先が特定されているものがあります。また、当社製品の生産工程のうち、原材料等の加工について特定の外注先に依存しているものがあります。

当社は、当該仕入先あるいは外注先と長年にわたり良好な関係を維持しており、安定的な供給を受ける体制となっておりますが、何らかの理由により、当該仕入先あるいは外注先における経営戦略の変更、収益の悪化、品質問題の発生等が発生した場合には、当社の経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 製品の欠陥

  当社は本社工場(三重県名張市)及び札幌工場(北海道札幌市)において製品の生産活動を行っておりますが、今後生産過程において全ての製品について欠陥が無いという保証はなく、さまざまな要因により欠陥が生じる可能性があります。また、製造物責任法に抵触するクレームが発生した際の措置として製造物賠償責任保険に加入しておりますが、この保険で発生する賠償額をカバーできるという保証もありません。

このような欠陥が見つかった場合は、速やかに対策を講じる体制を整えておりますが、修理及び対策あるいは賠償に係る費用が発生した場合、または企業責任を問われることによる社会的評価の低下は、当社の経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 知的財産権

当社は他社製品との差別化を図るため技術とノウハウを蓄積しておりますが、第三者が当社の知的財産を不正に使用して類似製品を製造・販売することを防止できない場合、当社の経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社は第三者の知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払っておりますが、結果として知的財産権を侵害したとして第三者から訴訟を提起された場合、当社の経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 他社との競合

当社の属する農業機械業界において、高性能製品の開発、低価格化、アフターサービスの充実などの面で競合他社との競争が激しく、当社がこのような状況に的確に対応できない場合には、当社の経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性があります。

⑨ 他社との業務提携、合弁事業および戦略的投資

  当社は、事業の拡大や成長戦略として、他社との業務提携、合弁事業、戦略的投資を行う可能性があります。

これらの施策は双方の経営資源を有効に活用し、タイムリーに開発、生産、販売する上で有効な手段であると当社は考えております。

しかしながら、業務提携や合弁事業において、財政状態やその他の理由により、当事者間で利害の不一致が生じた場合、あるいは予期せぬ損害等が発生した場合には、提携を維持できなくなる可能性があります。また、買収等戦略的投資については、事業、技術、製品および人材等の統合において、期待する成果や効果が得られない可能性があります。

従って、これらの施策の実施においては、想定外の事象、環境変化等によって、意図した成果が得られない場合や事業戦略を変更せざるを得ない場合には、当社の経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性があります。

⑩ 製造拠点への自然災害の影響

当社の製造拠点や製造委託先等において、地震・暴風雨等の自然災害あるいは不慮の事故等により生産設備等が何らかの損害を受け、製品の製造・販売が遅延もしくは停止する場合には、当社の経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性があります。

  また、当社や製造委託先の生産設備が被災しなかった場合においても、原材料や購入部品の仕入先または製品の販売先等の被災、自然災害等に起因する経済活動の停滞、電力不足に伴う工場稼動への制約等により、当社の経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性があります。

⑪ コンプライアンス

当社は、法令順守と倫理に基づいた「タカキタ社員の行動規範」を定め、コンプライアンス体制を整備するとともに、ガイドラインの制定や研修の実施などを通じてコンプライアンスの強化に努めております。しかし、万一、法令等に違反する行為が発生した場合に監督官庁からの処分や事業活動の制限、あるいは訴訟の提起、社会的信用の失墜等により、当社の経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性があります。

⑫ 人材の確保

 当社の継続的な成長を実現するためには、優秀な人材を確保し、育成することが重要な要素の一つでありますが、著しい人材採用環境の悪化や人材流出の増加が継続した場合は、当社の人材確保が計画通りに進まず、将来の成長に影響がおよび、中・長期的に当社の経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

   当事業年度において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社は、農家のニーズに機敏に対応すべく、新しい視点と斬新な発想をもって農業の省力化・効率化を追求する製品の研究開発を進めております。

 現在の研究開発は当社の開発本部及び経営企画室において推進されております。研究開発スタッフは25名にのぼり、これは総従業員の9.8%に当たっております。これらの研究開発活動のうち、新製品及び新技術の開発に係る当事業年度の研究開発費の総額は87,423千円となっております。

 また、当事業年度における農業機械事業の研究成果としては、細断型シリーズ・eボート等であります。

 なお、当社の研究開発活動は農業機械事業でのみ行われており、研究開発スタッフ、研究開発費の総額、研究成果は全て農業機械事業に係るものであります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態

 当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ1億70百万円増加し、68億80百万円となりました。これは主に現金及び預金が2億64百万円、電子記録債権が1億51百万円それぞれ増加し、投資有価証券が2億72百万円減少したことによるものであります。

 当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ47百万円減少し、21億37百万円となりました。これは主に設備関係支払手形が1億58百万円、短期借入金が1億31百万円減少し、未払法人税等が1億91百万円増加したことによるものであります。

 当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べ2億17百万円増加し、47億42百万円となりました。これは主に当期純利益が4億85百万円発生し、その他有価証券評価差額金が1億88百万円減少したことによるものであります。

 1株当たり純資産額は、前期末と比較して18.90円増加し、411.38円となりました。

 

(2)経営成績

 当事業年度(以下「当期」という。)は創業110周年を見据えた新中期経営計画「Offensive110」ファーストステージの最終年度であり、『挑む勇気 やりきる情熱 皆でつかもう Offensive110』をキャッチフレーズに、各部門において業績向上に邁進しました。このような情勢のもと、農業機械事業におきましては、国内の農業従事者の高齢化や後継者不足による農家戸数の減少といった構造的な問題、また米価下落に伴う水田市場の機械導入減少の影響や中国市場における前年の機械導入の反動が懸念されましたものの、畜産経営の収益性向上や畜産の生産基盤の維持と国産畜産物の安定供給を目的とした国の「畜産収益力向上緊急支援事業」の後押しにより、高品質な国産飼料増産に対応し、食料自給率向上に貢献する汎用型飼料収穫機やロールベーラシリーズ等、また、低コスト循環型農業に対応したマニアスプレッダシリーズ等の土づくり作業機が堅調に推移しました結果、売上高は前年同期比5億18百万円増加し58億32百万円(前年同期比9.8%増)となりました。

 また、軸受事業におきましては、風力発電用軸受等の受注が堅調に推移し、先端設備導入による生産能力の向上等が売上に寄与しました結果、売上高は前年同期比1億53百万円増加し7億50百万円(前年同期比25.7%増)となりました。

 以上の結果、当事業年度の売上高は前年同期比6億72百万円増加し65億82百万円(前年同期比11.4%増)となりました。

 売上原価につきましては、売上高が増加しました結果、売上原価率は前期と比較し0.6ポイント低下し67.7%となりました。

 売上総利益は21億26百万円となり、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業利益は前期に比べ1億81百万円増加し、6億64百万円となりました。

 営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、43百万円の収益計上(前期は40百万円の収益計上)となりました。営業利益から営業外損益を加減した経常利益は前期と比較して1億84百万円増加し、7億7百万円となりました。

 特別利益から特別損失を差し引いた純額は、30百万円の収益計上(前期は6百万円の収益計上)となりました。

 以上の結果、税引前当期純利益は7億37百万円(前年同期比39.5%増)となり、当期純利益は4億85百万円(前年同期比41.2%増)となりました。

 また、1株当たり当期純利益は前期と比較して12.30円増加し42.11円となり、自己資本当期純利益率は前期と比較して2.55ポイント増加し10.48%となりました。

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 口蹄疫やBSEの発生を背景に、食の安全・安心に対する関心が著しく高まってきているなかで、農政は「食料・農業・農村基本計画」という指針を打ち出し、これに基づき諸施策が展開されております。「安全・安心」な食料の供給、「食料自給力」の維持向上をはかる「強い農業づくり」を実現できる商品開発が、当社農業機械事業におきましては大きな課題となっております。
 また、農業従事者の高齢化、農家戸数の減少等の構造的な問題やTPP協定交渉の行方等、予断を許さない厳しい状況が続くと思われるなかで、農政の動向が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性がありますので、情報を敏感にキャッチし、迅速に対応することが重要であります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益及び減価償却費を主な源泉としております。その他、売上債権の減少、法人税等の支払、棚卸資産の増加等の要因により、当事業年度は8億67百万円の収入となりました。

 投資活動におきましては、主に有形固定資産の取得による支出等の要因により、当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは2億50百万円の支出となりました。

 財務活動におきましては、配当金の支払等の要因により、当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは3億52百万円の支出となりました。

 以上の結果、当事業年度末の現金及び現金同等物は前事業年度末より2億64百万円増加し、5億14百万円となりました。