第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当期におけるわが国の経済は、米国大統領選挙後に米国の財政拡大策への期待や同国での金利上昇による内外金利差の拡大見通しから円安、株高が進んだことで企業業績や景況感が改善したこと、政府や日銀の財政・金融政策による雇用・所得の改善並びに企業の潤沢なキャッシュ・フローによる省力化・合理化需要向けの設備投資に支えられ、緩やかな回復基調で推移いたしました。

 また、海外においては、米国経済は個人消費が底堅く、企業業績に持ち直しの兆しが見られるなど緩やかな拡大基調が続きました。中国経済は、為替の元安基調により一時的に成長の停滞が見られましたが、緩やかに持ち直しつつあり、その他新興国経済は、一部に弱さが見られますが、緩やかな成長で推移いたしました。

 このような情勢の下で、当社及び当社の子会社(以下当社グループ)が持つそれぞれの機能の融合と、グループ間及び部門間相互の連携により、顧客ニーズに対する速やかな対応や積極的な営業活動の推進を図るとともに、諸経費の削減など収益改善に努めてまいりました。

 

以上の結果、当連結会計年度の売上高は533億6千9百万円、前期に比べて0.8%の減収、営業利益は2億5千9百万円、前期に比べて92.8%の増益、経常利益は1億6千8百万円、前期に比べて145.3%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は9千6百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失1億4千万円)という成績になりました

 

 当連結会計年度のセグメントの概況は次のとおりです。

(商事部門)

・売上高

413億5百万円

(前期比0.4%増

・営業利益

6億3千5百万円

(前期比64.1%増

 商事部門においては、売上は下期での需要回復や円安の影響もあり順調に推移いたしました。利益面は、利益率の改善に加え、人件費の削減効果もあり好調に推移いたしました

 

 事業別の詳細は以下のとおりです。

 

<半導体デバイス事業>

 半導体分野では、自動車関連は、円安の影響もあり堅調に推移いたしました。また、白物家電関連及び産業機関連ともに需要回復により順調に推移し、全体としては順調に推移いたしました。

 電子デバイス分野では、スマートフォン関連は堅調に推移いたしました。産業機関連は需要回復により順調に推移し、全体としては順調に推移いたしました。

 電子材料分野は、主要取り扱い商品の減少により、低調に推移いたしました。

<FA・環境システム事業>

 産業メカトロニクス分野では、電子部品向け部材用加工機が伸長し、順調に推移いたしました。

 FA機器分野では、半導体製造装置関連を中心に順調に推移いたしました。

 環境ビジネス分野では、冷熱機器等の省エネ関連が好調に推移いたしました。太陽光発電関連は、太陽光発電用蓄電システムが伸張し好調に推移し、全体としても好調に推移いたしました。

<その他>

 北海道と西日本地区を拠点とする協栄マリンテクノロジ株式会社が行う救命いかだの整備サービス事業は好調に推移いたしました。

(ICT部門)

・売上高

55億6千2百万円

(前期比5.9%減

・営業利益

6億8百万円

(前期比16.6%減

 ICT部門においては、売上は堅調に推移いたしましたが、利益面では障害対応の影響もあり伸び悩みました

 

 事業別の詳細は以下のとおりです。

 

<ビジネスソリューション事業>

 ビジネスソリューション事業は、総じて堅調に推移いたしました

 エンドユーザー向けシステム開発は、前期からの障害対応は終息しましたが、この影響により利益は低調に推移いたしました

 サービス提供型ビジネスは、順調に推移いたしました

 建設関連のパッケージ販売は、堅調に推移いたしました。

 受託ソフト開発は、電力関連向けを中心に堅調に推移いたしました。

<エンベデッドシステム事業>

 エンベデッドシステム事業は、売上及び受注は順調に推移いたしましたが、利益面は、障害対応等によりやや苦戦いたしました。

 特定用途向け専用装置販売は、通信制御装置の増加により順調に推移いたしました。

 自動車関連の受託開発は、順調に推移いたしましたが、公共業務関連は、障害対応により利益面で低調に推移いたしました。

<IC設計事業>

 IC設計事業は、主要顧客からのアナログ回路関連の受注により順調に推移いたしました

(製造部門)

・売上高

65億4千8百万円

(前期比3.7%減

・営業利益

2億3千1百万円

(前期比16.3%増

 製造部門においては、車載関連の受注が増加したことにより売上は堅調に推移し、利益面も順調に推移いたしました

 

 事業の詳細は以下のとおりです。

 

<プリント配線板事業>

 アミューズメント向け基板は、堅調に推移いたしました

 車載向け基板は受注が増加したことにより、順調に推移いたしました。また、特殊技術を活用したLED応用製品向けモジュール基板も、順調に推移いたしました。

 海外で行っているフレキシブル基板ビジネスは、客先での主力商品の生産縮小のため低調に推移いたしました

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ4億8千7百万円増加し、31億5千6百万円(前期は26億6千8百万円)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、増加した資金は9億2千6百万円(前期は18億5千3百万円の減少)となりました。これは主として、次の要因によるものです。

資金増加要因:

 

減価償却費

仕入債務の増加

5億1千9百万円

9億5千9百万円

資金減少要因:

 

事業構造改善引当金の減少

投資有価証券売却益

1億3千万円

1億4千3百万円

 

売上債権の増加

2億6千4百万円

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、減少した資金は3億6千1百万円(前期は2億8千9百万円の減少)となりました。これは主として、固定資産の取得等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、減少した資金は5千8百万円(前期は11億6千5百万円の増加)となりました。これは主として、ファイナンス・リース債務の返済による支出等によるものです。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 なお、生産実績中、商事部門の生産実績は、技術商社として、商事部門内にマイコンソフト開発に係る製造部門を有しており、これの生産実績であります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

商事部門(千円)

341,615

79.0

ICT部門(千円)

5,021,012

85.6

製造部門(千円)

6,197,927

98.9

合計(千円)

11,560,555

92.0

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記金額には、セグメント間の内部取引高にかかる生産高が含まれております。

3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

 商事部門の一部及びICT部門、製造部門については受注生産を行っており、これらの当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 なお、受注状況中、商事部門の受注状況は、技術商社として、商事部門内にマイコンソフト開発に係る製造部門を有しており、これの受注状況であります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

商事部門

331,172

72.0

17,254

35.5

ICT部門

5,642,842

103.4

1,299,857

125.7

製造部門

6,220,199

100.4

2,129,078

110.2

合計

12,194,214

100.7

3,446,190

114.3

 (注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

商事部門(千円)

41,305,760

100.4

ICT部門(千円)

5,562,878

94.1

製造部門(千円)

6,548,591

96.3

計(千円)

53,417,230

99.2

消去又は全社(千円)

△47,262

合計(千円)

53,369,968

99.2

 (注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

①会社の経営の基本方針

 当社グループは、「エレクトロニクス分野を通して高い品質と優れた技術に基づいた価値ある製品・サービス・情報を提供することにより夢とゆとりのある社会の実現に貢献します」という当社の経営理念のもとに、今後とも先端技術の分野で、創造的な製品やサービスを提供し、企業としての成長・発展を維持していく方針です。

 また、企業経営においては、常に株主に対する利益還元を念頭におきながら安定利益の確保に努め、同時に、全てのステークホルダーとの相互の信頼関係や、社会全体に対する貢献を大切にしてまいります。

 

②目標とする経営指標

 当社グループでは、安定的な収益力の確保とグループ全体の業績向上のため事業効率を重視し、営業利益率3%の早期達成をはかり、さらなる利益率の向上および株主価値の最大化を図ってまいります。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題

 当社を取り巻く事業環境は、グローバル化による競争の激化及び最終製品の価格下落により厳しい状況が続いています。当社がこのような事業環境の変化に対応するためには、収益構造の改善を行い、経営基盤の安定を図る必要があると捉えており、以下の項目を対処すべき経営課題と認識しております

 

①収益力を強化するために

・事業環境の変化を踏まえ、新事業・新分野の開拓を含めた事業ポートフォリオの見直しを図る

・成長事業へ集中的に資源投入を図る

・海外事業推進とエンジニアリングサービス強化のためのアライアンス戦略を強化する

・自社ブランドの開発、販売を強化するとともに、それを支える品質管理体制の強化を図る

・主要仕入先・取引先との連携強化を図る

②お客様にとってのNo.1パートナー企業グループとなるために

・取扱商品の幅を広げるとともに、当社のICT技術と組み合わせることにより、お客様に喜ばれるトータルソリューションを提供する

Only One技術を探求し、お客様の事業発展に貢献する

技術力の強化と人材育成のために

・業務に必要な商品、技術、各種制度及び語学などの知識を深め、グローバルな視野で自律的に行動できる人材を育成する

④企業基盤の整備と改革のために

事業環境の変化に即応した組織機構・人事制度の改革を図る

効率的に資産を活用し、財務内容の健全化を図る

経営の根幹をなすCSR活動を推進するとともに内部統制システムの整備充実を図り、コンプライアンスを徹底する

 

 これらの経営課題を解決していくため、新しい技術の開発や、それらを活用した製品・サービスが急速に伸びていくことが見込まれる中、当社として向かうべき方向(ビジョン)を示し、各部門の枠を超え、力を結集していくことが必要と考えます。

 そのため、第84期より当社グループが目指す姿として、新たにSTGビジョン(ICT技術で未来を創造するSystem Technology Groupを目指す)を制定するとともに、部門の枠を超えたグループの知見をこれまで以上に結集し、事業ポートフォリオを見直すことにより、新たな高付加価値を生む事業の創出を加速させるために事業戦略本部を設置しました。

 また、これらのことを実効的に推進していくため、第84期をスタート期とする中期経営計画「GP2020(Growing Profit 2020)」を策定し、これまで培ってきた技術とサービス、そして私たちの夢を結集し、グループ総合力で事業拡大を図るため、お客様に密着した営業活動をより一層強化するとともに、広範な顧客基盤を活かし、収益機会の拡大を図ってまいります。

4【事業等のリスク】

 当社グループの事業展開上、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項は以下の通りとなります
 当社グループは、これらのリスク発生を充分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努めてまいります
 なお、当該リスク情報につきましては、当連結会計年度末現在の判断によるものであり、また、当社グループの事業上のリスクの全てを網羅するものではありません

 

①経済状況の変動について

 当社グループは主に半導体デバイス・FAシステム等の販売を行う商事部門、ビジネス系やエンベデッド系システム等の開発を行うICT部門、プリント配線板の製造及び販売を行う製造部門からなり、その取引先は幅広い範囲に及んでおります。景気後退や業界における需要の減少は、当社の製商品及びシステムの販売減少につながり、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります

 

②価格競争について

 当社グループの中心市場であるエレクトロニクス業界の価格競争は大変厳しいものになっております。当社グループといたしましては、商事部門においては価格競争力のある商材を取り揃え、ICT・製造部門においては品質の向上、信頼性の追求、生産性の向上を図ることでコストダウン要求に対応しております。しかし、将来において更なる価格競争の激化に直面することも予想され、このことが当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります

 

たな卸資産の廃棄及び評価損について

 当社グループは、顧客の需要予測や仕入先の供給状況などを常に把握し、適正な在庫水準の維持と滞留在庫の発生を防止するよう努めておりますが、市場の変化、顧客事情等により予測した需要が実現しない場合には過剰在庫となり、たな卸資産の廃棄及び評価損が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④為替変動の影響について

 当社グループは輸出取引や国内での米ドル建取引を中心に為替リスクを負うことがあります。また、アジア地区を中心として、売上高に占める海外取引比率も拡大しており、為替リスクの影響は増加傾向にあります。為替リスクを回避する為、先物予約によるヘッジや仕入先へのドル支払によるリスク減少に努めていますが、急激な為替レートの変動がある場合には当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります

⑤特定仕入先への依存度が高いことについて

 当社グループ商事部門の主力取扱い商品である半導体の仕入れは、その大半が三菱電機株式会社及びルネサスエレクトロニクス株式会社からとなっております。三菱電機株式会社とは代理店契約を締結し、ルネサスエレクトロニクス株式会社とは特約店契約を締結し、親密な関係を維持するとともにその取引価格等は両者の協議により決定しておりますが、両社の販売経営方針に大きな変更が見られた場合は当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります

 

⑥不良補償問題が発生する懸念について

 当社グループが取扱う製品及び商品、システム提供は広くエレクトロニクス業界全般に関係しており、厳しい品質の提供を求められております。自社の製品については品質改善、出荷検査の徹底を図るとともに、販売商品につきましては製造メーカーとの連携や当社自身の技術サポート力強化に努め、また、システム提供につきましても品質管理に万全を期して対応しております。しかしながら不測の事態で不良補償問題が発生した場合には、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります

 

⑦債権の貸倒リスクについて

 当社グループは数多くの取引先と取引を行っております。従来から当社グループにおいては、与信管理に十分留意しておりますが、予期せぬ貸倒リスクが顕在化し、売上債権の回収に支障が発生した場合には、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります

 

⑧繰延税金資産について

 繰延税金資産の回収可能性は、将来収益力に基づく課税所得によって判断しております。当連結会計年度末における繰延税金資産については十分な回収可能性があると判断しておりますが、経営成績等により、その回収可能性の見直しが必要となった場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります

 

⑨資金調達について

 当社グループは資金調達手法の一つとして複数の金融機関とシンジケーションローン及び貸出コミットメントライン契約を締結しております。これらには財務制限条項が付されており、万一当社の業績が悪化し、この財務制限条項に抵触した場合には当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります

 

5【経営上の重要な契約等】

主な代理店契約等は次のとおりであります。

会社名

相手先

契約の種類

主要取扱商品

契約期間

備考

協栄産業

株式会社

(当社)

三菱電機

株式会社

代理店契約

回転機器、静止機器、コントローラ、駆動制御機器

平成16年11月22日

から1年

自動更新

冷熱、冷凍システム機器

平成17年4月1日

から1年

自動更新

NC装置、レーザ加工機

平成8年4月1日

から1年

自動更新

周辺端末機器

昭和59年10月1日

から1年

自動更新

半導体・電子デバイス

平成27年4月1日

から1年

自動更新

ロボット

平成29年4月1日

から1年

自動更新

ルネサスエレクトロニクス株式会社

特約店契約

半導体

平成29年4月1日

から平成30年3月31日まで1年

自動更新

 (注)1.契約期間は再契約のものを含めて最新の契約書にもとづく契約期間を表示しております。

 

6【研究開発活動】

当社グループにおける当連結会計年度の研究開発費の総額は44,317千円であります。

セグメントの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。

(製造部門)

近年のプリント配線板に要求される項目として、高密度化、高精度化、高信頼性の各事項と併せて、伝播信号速度の高速化、大電流対応技術、放熱技術の展開、環境負荷低減要求への対応等、各分野から多様なニーズを要求されております。一方で、海外メーカーによる低価格攻勢、大量生産体制、生産技術の向上等により、高難易度品の分野においても価格競争が激化している傾向にあります。これらのニーズに対応し、かつ低価格製造を確立すべく、各種プリント配線板製造のための新技術導入、独自技術開発、新工法確立を実現すべく積極的な研究開発への取り組みを行っております。

また、ユーザーと密着した技術共同開発、材料メーカーとの技術交流、情報交換を積極的に行なっており時代のニーズに直決した製品開発を行い、お客様に喜ばれる新製品の供給をしております。

製造部門に係る研究開発費は32,646千円であります。

 

(全社)

 当社グループがこれまで培ってきたクラウド技術と制御ソフトウェア技術を活用し、案内ロボット等のサービスロボット市場への参入を図るため、サービスロボット向けに自社開発の通信ボードを活用したクラウド環境での遠隔監視と自然な会話を可能にするシステムの研究開発を進めております。

 この研究開発を継続して進め、蓄積した技術ノウハウを活用し、新事業、新製品の創出を目指しております。

 全社に係る研究開発費は11,670千円であります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

連結財務諸表の作成にあたり、当社グループは連結財務諸表に記載されている資産・負債の額及び偶発負債の開示額、並びに収益・費用の額などに影響を与える可能性のある見積り及び前提条件を使用しております。

当社グループは、その見積りと判断を、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要素に基づいて行っており、これらは、資産及び負債の帳簿価額あるいは収益・費用の額についての判断の基礎を形成しております。

実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

① 投資有価証券の減損

当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定の顧客及び金融機関に対する株式を所有しております。これらの大半は市場価格のある公開会社の株式で、一部に時価相場のない非公開会社の株式が含まれます。当社グループは公開会社の株式への投資の場合、期末における株価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30%~50%下落した場合には、当社取扱い要領に基づき、個別銘柄毎の株価推移等から株価の回復可能性を判断して減損処理を行っております。株式市況悪化又は投資先の業績不振により、評価損の計上が必要となる可能性があります。

② 貸倒引当金について

当社グループは売上債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。債権管理につきましては最善の注意をはらっておりますが、顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加の引当が必要となる可能性があります。

③ 退職給付債務について

当社グループの退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。また、割引率の低下や運用利回りの悪化がある場合は当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

① 概況

当期におけるわが国の経済は、米国大統領選挙後に米国の財政拡大策への期待や同国での金利上昇による内外金利差の拡大見通しから円安、株高が進んだことで企業業績や景況感が改善したこと、政府や日銀の財政・金融政策による雇用・所得の改善並びに企業の潤沢なキャッシュ・フローによる省力化・合理化需要向けの設備投資に支えられ、緩やかな回復基調で推移いたしました。また、海外においては、米国経済は個人消費が底堅く、企業業績に持ち直しの兆しが見られるなど緩やかな拡大基調が続きました。中国経済は、為替の元安基調により一時的に成長の停滞が見られましたが、緩やかに持ち直しつつあり、その他新興国経済は、一部に弱さが見られますが、緩やかな成長で推移いたしました。このような経済情勢の下、当連結会計年度の売上高は533億6千9百万円、前期に比べて0.8%の減収、営業利益は2億5千9百万円、前期に比べて92.8%の増益、経常利益は1億6千8百万円、前期に比べて145.3%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は9千6百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失1億4千万円)という成績になりました

② 売上高

売上高は、前期に比べて0.8%減収の533億6千9百万円となりました。商事部門では前期に比べて0.4%増収の413億5百万円、ICT部門では前期に比べて5.9%減収の55億6千2百万円、製造部門では前期に比べて3.7%減収の65億4千8百万円となりました。

また、国内の売上高は、前期に比べて1.5%減収の399億9千1百万円となりました。海外売上高は、1.4%増収の133億7千8百万円となり、海外売上高は連結売上高の25.1%(前期24.5%)となりました

③ 売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価は売上の減少に伴い、前期の474億2百万円から1.5%減少し、467億8百万円となりました。また、売上高に対する売上原価の比率は0.6ポイント減少し87.5%となっております。

販売費及び一般管理費は前期に比べて2.6%、1億6千2百万円増加し、64億2百万円となりました。これは事業税、本社ビル修繕費、退職給付費用等の増加等によるものです

④ 営業利益

営業利益は、前期の1億3千4百万円に対し、92.8%増益の2億5千9百万円となりました

商事部門の営業利益は、下期での需要回復や円安の影響もあり順調に推移し、利益面は利益率の改善に加え、人件費の削減効果もあり好調となり、前期に比べて64.1%増益の6億3千5百万円となりました。ICT部門の営業利益は、売上は堅調に推移いたしましたが、利益面では障害対応の影響もあり伸び悩み、前期に比べて16.6%減益の6億8百万円となりました。製造部門の営業利益は、車載関連の受注の増加により売上は堅調に推移し、利益面も順調となり、16.3%増益の2億3千1百万円となりました

⑤ 営業外損益

営業外収益(費用)は、前期の6千5百万円の費用(純額)から、9千万円の費用(純額)となりました。これは主として、為替差損の増加等によるものです

⑥ 特別利益

特別利益は、前期の3千4百万円に対し1億1千1百万円増加し、1億4千6百万円となりました。これは投資有価証券売却益1億4千3百万円を計上したこと等によるものです

⑦ 特別損失

特別損失は、前期の1億5千2百万円に対し3百万円増加し、1億5千5百万円となりました。これは損害賠償金1億5千2百万円を計上したこと等によるものです

⑧ 税金等調整前当期純利益

以上を受けて、前期の4千9百万円の税引等調整前当期純損失に対し、2億8百万円増加し、1億5千8百万円の税引等調整前当期純利益となりました

⑨ 親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、前期の1億4千万円の親会社株主に帰属する当期純損失に対し、9千6百万円の親会社株主に帰属する当期純利益となりました。1株当たりの当期純利益金額は、前期の4.60円の1株当たり当期純損失金額に対し、3.16円の1株当たり当期純利益金額となりました

 

(3)経営戦略の現状と見通し

 わが国経済は、企業業績の改善を背景に雇用所得環境の改善や設備投資の緩やかな回復が続くことと米国をはじめとする世界経済の持ち直しの動きが広まることにより、緩やかに回復すると思われるものの、米国新政権の政策運営動向や欧州の大統領・総選挙の結果により、金融市場が不安定な動きとなり、世界経済を減速させ、わが国の景気を下押しするリスクが懸念されるなど、依然として先行きの不透明な状況が続くことが予想されます。

 このような状況に対しまして当社では、第84期より中期経営計画「GP2020(Growing Profit 2020)」をスタートし、これまで培ってきた技術とサービス、そして私たちの夢を結集し、グループ総合力で事業拡大を図るため、お客様に密着した営業活動をより一層強化するとともに、広範な顧客基盤を活かし、収益機会の拡大を図ってまいります。

 新規事業の構築にあたっては、部門横断的な組織である事業戦略本部を中心に、当社グループの設計力、営業力を活かして、ロボット、介護ヘルスケア、自動車、エネルギー市場を攻略するためハードウェア・ソフトウェア・コンテンツ・サービスの提供を図ってまいります

 商事部門では、新規顧客の開拓、新商材の発掘、高付加価値商品の発掘、新ビジネスの展開をより一層強化し、国内外の事業拡大を推進してまいるとともにFAシステムならびに環境ビジネス分野など今後の成長が見込まれる事業により一層注力してまいります。

 ICT部門では自主事業強化のため、建設・食品・流通業等における現場系ソリューションメニューの拡大や商事部門と連携した環境関連システムの受注拡大を図るとともに、受託事業における安定した受注量の確保を推進してまいります。また、人材育成の強化、品質向上を推進し、事業基盤の安定と利益の拡大を図ってまいります。

 製造部門では、安定的な生産量を確保するため積極的な受注活動を図ってまいります

 生産面では、相模原・福島両工場の連携による生産管理を含めた管理業務の強化、品質改善および生産の効率化により原価低減を図ってまいります

 更に、財務体質の改善、組織機構や社内諸制度の改革等を継続して推進するとともに、当社グループ間の連携や技術支援はもとより、主要取引先との連携強化に努めてまいります。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローでは、9億2千6百万円の資金の増加となりました。これは資金の増加要因である減価償却費5億1千9百万円、仕入債務の増加9億5千9百万円等が、資金の減少要因である事業構造改善引当金の減少1億3千万円、投資有価証券売却益1億4千3百万円、売上債権の増加2億6千4百万円等を上回ったことによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローでは、3億6千1百万円の資金の減少となりました。これは主に固定資産の取得等によるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローでは、5千8百万円の資金の減少となりました。これは主にファイナンス・リース債務の返済等によるものです。

これらの活動の結果、現金及び現金同等物の残高は、前期の26億6千8百万円から4億8千7百万円増加し、31億5千6百万円となりました

② 資金需要

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商事部門における仕入から回収までの資金立替、製造部門における設備投資、材料等の購入及び製造費、全社の販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費及び広告宣伝費、販売促進費等のマーケティング費用です。長期の資金需要については、主としてプリント製造に係わる合理化投資及び設備の更新・増設投資を中心に発生いたします

③ 財務政策

当社グループは現在、運転資金及び設備投資資金については、内部資金や借入金、社債を中心に資金調達することとし、海外現地法人を除いては、当社にて一括調達しております。このうち、運転資金については原則として短期借入金で調達し、金融情勢によっては一部を長期資金へシフトしており、また、生産設備などの長期資金は借入金により調達を行っております。平成29年3月31日現在、短期借入金37億1千9百万円、長期借入金(一年以内に返済の長期借入金含む)57億1千万円から構成されております。

当社グループは、健全な財政状態の維持改善、営業活動によるキャッシュ・フローの捻出、未使用のコミットメント・ライン枠27億5千万円及び未使用の借入枠78億円を有することにより、当社グループが将来の成長に必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが充分可能と考えております