第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

 当社グループは、「エレクトロニクス分野を通して高い品質と優れた技術に基づいた価値ある製品・サービス・情報を提供することにより夢とゆとりのある社会の実現に貢献します」という当社の経営理念のもと自動車、家電、産業機など様々な電子製品に搭載されるエレクトロニクス部品の取り扱いとともに製造業向けに各種メカトロニクス装置や関連システムをトータルに提供する技術商社機能、高品質で優れた技術力に基づき、お客様のニーズに合わせ各種のシステム・ソフトウェアを開発し提供するシステムインテグレーター機能、並びにエレクトロニクス製品に欠かせないプリント配線板を生産するエレクトロニクス部品メーカーの3つの機能を柱として事業展開を図っております。

 今後とも先端技術の分野で、創造的な製品やサービスを提供し、企業としての成長・発展を維持していく方針です。

 また、企業経営においては、常に株主に対する利益還元を念頭におきながら安定利益の確保に努め、同時に、全てのステークホルダーとの相互の信頼関係や、社会全体に対する貢献を大切にしてまいります。

 

(2)経営環境

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの新規感染者数の増加と減少に合わせて、経済活動の制限と緩和が繰り返されるなか、ワクチン接種が進展したことにより、個人消費は持ち直しの動きが見られましたが、年明けからのオミクロン株の感染急拡大により、多くの地域でまん延防止等重点措置の適用によって、個人消費が再び悪化し始めました。

 企業においては、半導体など部品不足による自動車の生産制約が徐々に解消に向かいましたが、資源価格上昇による部材の高騰や入手難が続いております。一方、設備投資は、業績改善を背景に企業の設備投資意欲は底堅さを維持しており、情報化投資やEコマースの拡大を背景とした先進物流施設などの建設投資、脱炭素に向けた環境対応投資、第5世代移動通信(5G)向けの半導体製造装置向けが下支えとなり、ペースは鈍いながらも緩やかな持ち直しとなり、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。

 また、海外においては、中国は新型コロナウイルス感染症再拡大の影響のほか、電力不足も景気の抑制要因となりましたが、各国で厳格な感染抑制措置が徐々に緩和されたこともあり、景気回復の勢いは鈍化しつつも回復傾向で推移いたしました。しかしながら、ウクライナ情勢など地政学リスクが、資源価格の更なる上昇や金融市場の混乱を招く恐れがあるほか、自動車の生産制約の一段の深刻化や長期化が懸念されるなど、世界経済の先行きは極めて不透明な状況が続いております。

 足元では斯かる不透明感の強い状況にありますが、当社事業の主たる市場動向は以下のとおりであります。

 当社グループの主要顧客であるエレクトロニクス業界では、車載部品の電装化並びに電気自動車へのシフトが引き続き進むことが見込まれる自動車関連、第5世代移動通信(5G)のサービス開始が本格化する通信関連などにより更なる市場拡大が見込まれます。

 FA機器、メカトロニクス装置並びに関連するシステム開発の市場においては、省人化ニーズやメカトロニクス装置をネットワークに接続するIoTの普及などから積極的な設備投資が期待されます。

 また、省人化ニーズが益々高まるとともにデータ連携に基づく生産性の向上などを可能にするロボティクスの隆盛が今後は更に加速すると思われ、ハードウェアの販売に留まらず倉庫や工場全体の管理を可能にするシステム化のニーズが拡大をしていくとともに3Dデータから造形物を3Dプリンタで出力する造形サービスのニーズも高まるものと期待されます。

 当社グループのシステム開発業務の主要顧客である電力関連業界は、脱炭素社会に向けた再生可能エネルギー利用が一段と促進されることにより、新たなシステム開発の需要が見込まれるものと期待されます。また、建築積算ソフトの主要顧客である、建設関連市場においては、これまで設計や施工の段階で様々なソフトウェアで分断されていた情報が統合共有され、コスト削減、リスク低減、スピードアップなどを実現するBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)が普及することにより、当社が得意とするBIMに対応した当社オリジナルパッケージソフトのBIM対応建築積算システム「FKS2.0」及び、見積書作成システム「KYOEI COMPASS2.0」の販売拡大が期待されます。

 

 

(3)経営環境を踏まえた取り組み

 当社では、強みとする「アナログ&パワー半導体」を更に強固なものとするべく、三菱電機株式会社製半導体を始めとした幅広い内外商材を取り扱う営業・技術両面での体制を整え、車載部品の電装化並びに電気自動車へのシフトが引き続き進むことが見込まれる自動車関連、第5世代移動通信(5G)のサービス開始が本格化する通信関連並びに従来に比べて電力変換損失を大きく低減できることから、電気自動車や産業機器、民生用小型電源機器などの用途への搭載が期待される株式会社FLOSFIA製GaO®パワーデバイスなどによる半導体デバイス事業の市場拡大を捉えた商機拡大に取り組んでおります。また、アナログ技術者不足により益々需要が高まるパワーデバイス向けの開発や車載向けテスト案件の開発に対応するため、マイコン開発技術者にアナログ・デジタル技術を習得させるなど技術力の水平展開によるハイブリット技術者の育成に取り組んでおります。

 省人化ニーズやメカトロニクス装置同士をネットワークに接続するIoTの普及などからFA機器、メカトロニクス装置並びに関連するシステム開発などへの積極的な設備投資が期待される状況のもと、「モノからコトへ」の実現に向けて、主要な仕入先である三菱電機株式会社との密接な連携や、協力会社との協働と当社SEのシステム開発力を融合させて商機発掘、拡大に努めております。

 省人化ニーズの高まりからロボティクスの隆盛が期待される状況においては、工場以外にも、近時、設備投資需要が旺盛な物流倉庫業をターゲットにしたソリューション営業の体制を強化している他、黎明期から取り扱いを開始していた3Dプリンタ事業も装置販売に留まらず、移転を機に新たに拡張したテクニカルセンター(K-3TC)において、造形サービス、保守サービスなどを含めた多面的な事業化を図るなど、新規事業の拡大、構築へも積極的に取り組んでおります。

 建築積算パッケージソフトにおいては、積算見積りから維持管理までを3次元モデルに建物の属性情報をひも付けたBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を活用することで連携させる建設DXの実現に向け、BIMに対応した当社オリジナルパッケージソフトのBIM対応建築積算システム「FKS2.0」及び、見積書作成システム「KYOEI COMPASS2.0」を開発し、BIM普及に取り組んでおります。

 また、事業本部とは独立をしたビジネスイノベーション室は、市場の拡大が見込まれるインフラ点検市場において、ロボットを活用した画像解析サービス、補修見積、点検業務補修等での事業化を始め、神戸市や裾野市などの地方自治体の実証実験に参加し、地域や行政が抱える課題解決に取り組み、次世代へ向けた事業創造や新規事業発掘、地域社会の発展に向けた取り組みを行っております。

 更に2022年4月より、西日本地区において商圏、ビジネスルートの拡大を図り、営業力を強化するため、上記事業本部所管事業の枠に囚われない本部横断的なビジネス展開を通じて、シナジー活動を促進する取り組みとして大阪営業本部を新設し、事業活動をスタートします。

 

(4)目標とする経営指標

 当社グループでは、安定的な収益力の確保とグループ全体の業績向上のため事業効率を重視し、営業利益率3%の早期達成をはかり、さらなる利益率の向上及び株主価値の最大化を図ってまいります。

 

(5)優先的に対処すべき課題

 当社を取り巻く事業環境は、グローバル化による競争の激化に加え、技術革新の進展により新たな競争機会が増えるとともに省人化ニーズやIoTの普及などから新たな商機が幅広い領域で見込まれるなど大きく変化しております。

 このような環境のもと、当社といたしましても事業環境の変化に対応するためには、収益構造の改善や新規事業への取り組み体制の強化を行い、経営基盤の安定強化を図る必要があると捉えており、以下の項目を対処すべき経営課題と認識しております。

 

①収益力を強化するために

・ロボティクスビジネスなどの新事業・新分野の更なる開拓を図る

・先進先端技術への取り組みや、成長事業へ積極的に資源投入を図る

・海外事業推進とエンジニアリングサービス強化のためのアライアンス戦略を強化する

・自社ブランド製品の開発、販売を強化するとともに、それを支える品質管理体制の強化を図る

・主要仕入先・取引先との連携強化を図る

・システム投資や業務プロセスの見直しにより間接経費の削減を図る

②お客様にとってのNo.1パートナー企業グループとなるために

・取扱商品の幅を広げるとともに、当社のICT技術と組み合わせることにより、お客様にとって付加価値の高い各種製品、サービス、ソリューション、ビジネスモデルの提供を図る

・Only1 技術を探求し、お客様の事業発展に貢献する

③技術力の強化と人材育成のために

・業務に必要な商品、技術、各種制度及び語学などの知識を深め、グローバルな視野を持ち、自律的に行動できる人材を育成するとともに社内ローテーションを活発化させて、より幅広い視座での発想を促す。また、人材の多様化や専門性の高い人材を外部からも積極的に採用する

④企業基盤の整備と改革のために

・事業環境の変化に即応した組織機構・人事制度の改革を図る

・従業員満足度を向上させて従業員の士気向上を図る

・効率的に資産を活用し、財務内容の健全化を図る

・テレワーク等の新たな働き方を円滑に実施する制度やITインフラの整備を図る

⑤コーポレートガバナンスを強化するために

・企業の持続的成長・発展のための重要なテーマであるESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みを重視しながら経営の根幹をなすCSR活動を推進するとともに内部統制システムの整備充実を図り、コンプライアンス意識の浸透を徹底する

 

(6)中長期的な会社の経営戦略と見通し

 わが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する感染対策が社会に浸透し、徐々にコロナショック前の環境を取り戻しはじめ、アフターコロナ期への移行に動き出し、景気は、持ち直しの動きが続くものと予想されます。一方、米国における金融引き締めが、新興国での通貨安や株安に繋がり国際金融市場が混乱するリスクやウクライナ情勢により、資源価格の更なる高騰や半導体の生産に必要な材料の入手が困難になることで、自動車等の生産制約の一段の深刻化や機械装置等の生産遅延や部材等の価格高騰等が長期化し、常態化することで、景気の下押し圧力を排除できないリスクを内包する経済状況が続くことも考えられます。これにより当社グループの業績に影響を与える懸念がありますが、引き続き、お取引先との情報連携を密にし、旺盛な需要にお応えしていくため、次期業績への影響を最小化するべく、グループ一丸となり必要な対策を講じてまいります。

 このような状況のもとではありますが、当社では、外部環境の変化に左右されずに、確立したテクノロジーを持った競争力を有するグループ経営の実現に向け、お客様にとって付加価値の高い各種製品、サービス、ソリューション、ビジネスモデルの提供を行うため以下の施策に取り組んでまいります。

 

 コンポーネントソリューション事業本部(CS事本)は、三菱電機株式会社のパワー半導体、他の内外メーカーの半導体デバイスの販売活動を核とする半導体デバイス事業を中心に、プリント配線板事業、IC設計&ソフト開発事業を組織的に統合することで、付加価値の向上、シナジー効果の極大化に取り組んでおります。また、ソフト開発面では、R&D事業部において、これらの取り組みによる成果を早期に実現するため、IC設計の強みである「アナログ&パワー半導体」とソフト開発の強みである「デジタル(マイコン)」の技術をさらに高め、相互に業務範囲を拡大し、ビジネスの最大化を図るとともに、アナログIC開発と組込みソフト開発の受託事業の推進及びICのターンキービジネスの早期立上げに取り組んでおります。さらに、プリント配線板事業においては、生産子会社の工場を集約したことにより効率化を図ります。このような取り組みを通じてCS事本として、車載・通信・インバータなどの成長分野をターゲットとし、部品販売に留まることなく当社の技術力を活かしてソリューションビジネスを強化し、収益基盤の安定化を図ってまいります。加えて、モノづくり分野に留まらず、各事業を横断した品質管理体制を構築し、従来の品質管理体制より権限を強化した品質管理室を設置し、お客様に安定した品質サービスの提供に努めます。

 トータルソリューション事業本部(TS事本)は、FAシステム事業を基幹事業とし、自動化・見える化・省力化ソリューションで製造業のお客様にサービス化(IoT化)までを提供する「システム&エンジニアリング体制」を強みに、「モノからコトへ」の価値提案ビジネスに取り組んでおります。また、これらの取り組みによる成果を早期に実現するため、三菱電機株式会社製品を中心にしたFAシステム機器、メカトロニクス製品の販売及び斯かる機器・製品に関するシステムの構築、各種システム・ソフトウェアの開発・販売等といった既存事業の維持拡大に加えて、当社の保有技術の融合により、変化する市場やお客様ニーズに最適なサービスを提案、提供するトータルソリューション事業の拡大を進めております。また、最近の省人化ニーズの高まりからニーズが拡大、多様化しているロボット、IoT等を活用して物流倉庫業界へのソリューション提案に引き続き注力をしてまいります。

 更に、従来の受注ソリューションに加え、受注業務統合サービス「DICE」の販売開始、3Dプリンタによる造形サービスや保守ビジネスなど、各事業におけるストックビジネスの強化とともに、建築積算パッケージソフトにおいては、積算見積りから維持管理までを3次元モデルに建物の属性情報をひも付けたBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を活用することで連携させる建設DXの実現に向け、BIMに対応した当社オリジナルパッケージソフトのBIM対応建築積算システム「FKS2.0」及び、見積書作成システム「KYOEI COMPASS2.0」の販売を開始し、BIM普及に取り組み、収益基盤の安定化を図ります。

 

 

 加えて2022年4月より、西日本地区において商圏、ビジネスルートの拡大を図り、営業力を強化するため、上記事業本部所管事業の枠に囚われない本部横断的なビジネス展開を通じて、シナジー活動を促進する取り組みとして大阪営業本部を新設し、事業活動をスタートします。

 以上のような事業本部の取り組みに加えて、企画・管理機能をコーポレート本部に集約したことにより、定型業務、データ集計業務、人事庶務業務、債権債務管理業務を新設した事務センターで一括して処理し、業務効率化を図るとともに、システム化に対する投資促進を図り、グループ全体の改革に取り組んでまいります。

 

 以上により、通期の連結業績予想は、売上高560億円(前期比1.7%減)、営業利益11億円(前期比20.7%減)、経常利益10億5千万円(前期比24.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益8億5千万円(前期比58.7%減)を見込んでおります。また、2023年3月期の配当予想につきましては、1株当たり60円(中間30円、期末30円)を見込んでおります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
 当社グループは、これらのリスク発生を充分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努めてまいります。
 なお、当該リスク情報につきましては、当連結会計年度末現在の判断によるものであり、また、当社グループの事業上のリスクの全てを網羅するものではありません。

 

①経済状況の変動について

 当社グループは、主に半導体デバイス・FAシステム・産業メカトロニクス機器等の販売、ビジネス系やエンベデッド系システム等の開発、プリント配線板の製造及び販売など幅広い事業を行っており、その取引先も幅広い範囲に及んでおります。国内外の景気後退や自動車市場や家電、産業機市場など、当社グループの取引先が多く関係する市場における需要の減少は、当社の製商品及びシステムの販売減少につながり、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

②価格競争について

 当社グループの中心市場であるエレクトロニクス業界の価格競争は激しいグローバル競争や技術革新の急速な進歩から大変厳しいものになっております。当社グループといたしましては、価格競争力のある商材を取り揃え、システム・ソフトウェア開発並びにプリント基板製造においては品質の向上、信頼性の追求、生産性の向上を図ることでコストダウン要求に対応しております。しかし、将来において更なる価格競争の激化に直面することも予想され、このことが当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③棚卸資産の廃棄及び評価損について

 当社グループは、顧客の需要予測や仕入先の供給状況などを常に把握し、適正な在庫水準の維持と滞留在庫の発生を防止するよう努めるとともに、棚卸資産の資産性についてはその販売可能性に基づいて精査をしておりますが、市場の変化、顧客事情等により予測した需要が実現しない場合には過剰在庫となり、棚卸資産の廃棄及び評価損が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④為替変動の影響について

 当社グループは、輸出取引や国内での米ドル建取引を中心に為替リスクを負うことがあります。また、アジア地区を中心として、売上高に占める海外取引比率も20%を超える程度まで拡大しており、為替リスクの影響は増加傾向にあります。為替リスクを回避するため、先物予約によるリスクヘッジや仕入先へのドル建支払により為替リスク対象額の減少に努めておりますが、急激な為替レートの変動がある場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤特定仕入先への依存度が高いことについて

 当社グループでは、主力取扱商品である半導体やFAシステム、産業メカトロニクス機器の仕入れは、その多くが三菱電機株式会社からとなっており、当社仕入額の約20%を占めております。三菱電機株式会社とは代理店契約を締結し、親密な関係を維持するとともに、その取引価格等は両者の協議により決定しておりますが、両社の販売経営方針に大きな変更が見られた場合は、当社グループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑥新規事業について

 当社グループは、新事業・新分野への更なる開拓を行ってまいりますが、新事業・新分野への開拓に追加的な支出が発生する場合は利益率が低下する可能性があります。また、急速な技術革新、市場ニーズの急激な変化等により新事業の縮小や撤退を決断した場合並びに新事業・新分野の経験が浅い場合には、経験不足により円滑な事業運営ができない可能性があり、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦不良補償問題が発生する懸念について

 当社グループが取扱う製品及び商品、システム、並びにサービス提供は広くエレクトロニクス業界全般に関係しており、厳しい品質水準が求められております。自社の製品については品質改善、出荷検査の徹底を図るとともに、販売商品につきましては製造メーカーとの連携や当社自身の技術サポート力強化に努めております。自社の製品、販売商品を問わず、システム並びにサービス提供を含めた品質管理に万全を期すべく品質管理部署を設けて対応しております。しかしながら不測の事態で不良補償問題が発生した場合には、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧自然災害の発生並びに感染症の拡大などについて

 当社グループが事業展開する国や地域において、地震、風雪及び洪水、火災及び噴火などによる自然災害が発生し、社屋等の損壊により本社機能をはじめとする営業機能、物流機能、生産機能に混乱が生じた場合並びに国内外において感染症の拡大により企業活動に大きな制約が生じる場合には、災害対策マニュアルに則り事業継続を行うこととしております。しかしながら、斯かる状況が発生をした場合には、経済活動が停滞をし、生産活動や物流機能に混乱が生じるとともに、国内外での需要が大きく低迷することが予想され、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨債権の貸倒リスクについて

 当社グループは、数多くの取引先と取引を行っております。従来から当社グループにおいては、債権残高管理や与信先の動態把握に十分留意をするなど与信管理を徹底しておりますが、予期せぬ貸倒リスクが顕在化し、売上債権の回収に支障が発生した場合には、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩繰延税金資産について

 繰延税金資産の回収可能性は、将来収益力に基づく課税所得によって判断しております。当連結会計年度末における繰延税金資産については十分な回収可能性があると判断しておりますが、経営成績や市場並びに動向等により、その回収可能性の見直しが必要となった場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪資金調達について

 当社グループは、資金調達手法の一つとして複数の金融機関とシンジケートローン及び貸出コミットメント契約を締結しております。これらには財務制限条項が付されており、万一当社の業績が悪化し、この財務制限条項に抵触した場合には、安定的な資金確保に支障を来たし、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫コンプライアンスについて

 当社グループは、国内外の法令や規制を遵守し、半導体デバイス・FAシステム等の販売、ビジネス系やエンベデッド系システム等の開発、プリント配線板の製造及び販売などの事業活動を行っております。しかしながら、これら事業活動でコンプライアンスに反する行為が発生し、社会的信用が低下する事態が生じた場合には、顧客や仕入先の離反等により、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。斯かる事態を回避する為に、当社では全役職員に対するコンプライアンス研修を実施するとともにコンプライアンス遵守を経営理念の中核として位置付けて、遵法意識を徹底しております。

 

⑬新型コロナウイルスについて

 新型コロナウイルス感染症拡大に対し、お取引先様と従業員とその家族の安全・健康を第一に、清掃・消毒の徹底、ソーシャルディスタンスの確保、時差出勤や在宅勤務などの感染防止対策の徹底と強化を継続してまいります。しかしながら、ワクチン接種の遅れや、変異型ウイルスにより感染が拡大した場合や従業員が感染した場合、当社グループの営業機能、物流機能、生産機能に支障を来たし、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑭気候変動問題への対応について

 当社グループは、気候変動問題への対応を重要な課題として捉えております。今後、環境関連法規制の強化により、脱炭素社会に向け、地球環境保全に関連する費用が増加した場合は、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。また、脱炭素社会移行への要求の高まりに対して当社グループの対応が遅れた場合には、販売機会の損失等による企業価値低下が発生し、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑮情報セキュリティーについて

 当社グループは、事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報及び機密情報を入手することがあり、また、営業上・技術上の機密情報を保有しております。想定を超えるサイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウイルス侵入等により、情報セキュリティー機能に重大な影響を受け、万一これら情報が流出した場合や重要データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、当社グループの営業機能、物流機能、生産機能に支障を来すとともに、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)に記載のとおりであります。

 

 ①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの新規感染者数の増加と減少に合わせて、経済活動の制限と緩和が繰り返されるなか、ワクチン接種が進展したことにより、個人消費は持ち直しの動きが見られましたが、年明けからのオミクロン株の感染急拡大により、多くの地域でまん延防止等重点措置の適用によって、個人消費が再び悪化し始めました。

 企業においては、半導体など部品不足による自動車の生産制約が徐々に解消に向かいましたが、資源価格上昇による部材の高騰や入手難が続いております。一方、設備投資は、業績改善を背景に企業の設備投資意欲は底堅さを維持しており、情報化投資やEコマースの拡大を背景とした先進物流施設などの建設投資、脱炭素に向けた環境対応投資、第5世代移動通信(5G)向けの半導体製造装置向けが下支えとなり、ペースは鈍いながらも緩やかな持ち直しとなり、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。

 また、海外においては、中国は新型コロナウイルス感染症再拡大の影響のほか、電力不足も景気の抑制要因となりましたが、各国で厳格な感染抑制措置が徐々に緩和されたこともあり、景気回復の勢いは鈍化しつつも回復傾向で推移いたしました。しかしながら、ウクライナ情勢など地政学リスクが、資源価格の更なる上昇や金融市場の混乱を招く恐れがあるほか、自動車の生産制約の一段の深刻化や長期化が懸念されるなど、世界経済の先行きは極めて不透明な状況が続いております。

 当社グループを取り巻く環境は、デジタル化やネットワーク化が急速に進展するとともに経済活動の正常化に向けて、自動車、工作機械、家電等向けで、今後の生産増加に備えた在庫積み増しのための半導体デバイス品の需要増加が継続するとともに半導体デバイス品を生産する機械装置の設備投資が進みました。一方、半導体デバイス品をはじめとする部品材料等の供給が不足していることで、各社の生産計画やサプライチェーンに影響が生じております。

 このような環境のなか、当社グループは、3ヵ年中期経営計画の2年目にあたり目標達成に向けた各施策を実行するとともに、グループ内管理系業務の集約並びに東京地区のオフィス統合等による販売管理費の圧縮策を進めるなど、様々な角度から利益創出に向けた取り組みを実施しております。

 

 以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高は569億7千8百万円、前期に比べて7.3%の増収、営業利益は13億8千6百万円、前期に比べて248.8%の増益、経常利益は13億8千1百万円、前期に比べて232.2%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は、東京都渋谷区の本社を売却したこと等による特別利益の計上、当社の連結子会社である協栄サーキットテクノロジ株式会社が営むプリント配線板事業において、現在の事業環境及び将来の収益見込み等を勘案した結果、回収可能価額が帳簿価額を下回っている同社の事業に供している固定資産について、減損損失等を特別損失に計上、並びに当社の近年の業績動向を踏まえ、繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、法人税等調整額△4億1千8百万円(△は益)を計上したことにより、20億5千5百万円(前期親会社株主に帰属する当期純損失3億8千2百万円)という成績になりました。

 なお、これにより、2021年3月期から2023年3月期の3ヵ年の中期経営計画で公表しておりました、経営目標である売上高540億円、営業利益11億円、営業利益率2.0%を達成いたしました。

 

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(半導体デバイス事業)

・売上高

364億1千3百万円

(前期比14.8%増)

・営業利益

17億5千2百万円

(前期比95.9%増)

 半導体デバイス事業においては、自動車メーカーにおいて、世界的な半導体不足による生産調整が続いているものの、売上面は、部材供給において、一時の逼迫状況が解消する方向で進んだことにより、車載、産業機器向けのパワー半導体、メモリ、金属材料等が順調に推移いたしました。しかしながら、足元ではウクライナ情勢の緊迫化による資源や部材の高騰、デジタルトランスフォーメーション(DX)の流れが加速していることによるデータセンター向け装置の需要が旺盛であり、依然、半導体不足が継続し、製品確保が難しい状況となっております。利益面は、売上面が順調であったことと為替が円安に推移したことで輸出品の利益率が改善したことにより、順調に推移いたしました。

 

 事業の詳細は以下のとおりです。

 

 半導体デバイスは、北米、中国向けの新車販売台数が、堅調に推移したことにより、自動車関連向け並びに危険運転対策用車載機器装置向けの需要が底堅く推移したため、順調に推移いたしました。

 白物家電関連は、巣ごもり需要の反動減により、空調機向けが減少傾向で推移しましたが、国内、中国向けともに、インバータ用パワー半導体は、堅調に推移いたしました。

 産業機関連は、半導体製造装置向けにおいて、5G関連機器向け等での需要増加によりアナログ、パワー半導体が順調に推移いたしました。

 金属材料事業は、銅建値が高値圏で推移していることにより売上増加の要因となり、順調に推移いたしました。

 IC設計は、主力客先からのパワーデバイス向けの開発案件や車載向けテスト案件の受託開発需要が高く、順調に推移いたしました。

 

(プリント配線板事業)

・売上高

68億3千7百万円

(前期比7.1%減)

・営業損失

1千7百万円

(前期営業損失1億8千万円)

 プリント配線板事業においては、中国基板メーカーと連携して行っている海外基板ビジネスは、順調に推移いたしました。自社製基板ビジネスは、受注面は順調に推移いたしました。生産面は、基板材料等の納期長期化が継続していること、度重なる材料の値上げとともに地震の影響で生産設備の復旧に時間を要していることもあり、国内工場での生産効率が低下したため、全体として営業損失となりました。

 

 事業の詳細は以下のとおりです。

 

 車載向け基板は、半導体不足による自動車メーカーでの生産調整は徐々に解消に向かっていることにより、メタルコア基板、厚銅箔基板、特殊技術を活用したLED応用製品向けモジュール基板の受注は、堅調に推移いたしました。

 民生向け薄板基板は、電子精密機器の需要低下により、受注は低調に推移いたしました。

 産業機向け基板は、各種ロボット制御向けや半導体製造装置向け基板の受注が好調に推移いたしました。

 海外で中国基板メーカーと連携して行っている基板ビジネスは、リジット基板では、車載メーカーの生産調整により受注面に一部影響がありましたが、車載関連で他社取扱品の代替対応での高利益率スポット受注もあり、順調に推移いたしました。

 フレキシブル基板は、新製品への移行時期が延伸したため、電子玩具向けは、低調に推移いたしました。

 

(産業機器システム事業)

・売上高

94億9千3百万円

(前期比6.9%増)

・営業利益

7億8千7百万円

(前期比16.9%増)

 産業機器システム事業においては、産業メカトロニクスにおいて、下期に入り主要客先での設備投資に慎重さが見られましたが、全体として売上面、利益面とも順調に推移いたしました。

 

 

 事業の詳細は以下のとおりです。

 

 産業メカトロニクスは、下期に入り主要客先からの加工装置・自動化システムの大型設備案件の需要に慎重さが見られましたが、売上面では全般に順調に推移いたしました。

 FA機器は、製品構成部材の材料不足により製品確保が難しい状況が続いておりますが、半導体製造装置向けの5G、IoT等関連の旺盛な需要増加により、堅調に推移いたしました。

 施設向け設備は、空調冷熱では、製品構成部材の材料不足等により受注減となり、低調に推移いたしました。

 3Dプリンタは、積極的な営業活動により、装置の販売台数が増加したため、消耗品、保守等のストックビジネスを含め、堅調に推移いたしました。

 制御装置は、特定顧客向け通信機器装置の受注が増加しましたが、物流倉庫向け搬送ロボット案件の商談のクロージングに苦戦したため全体として、低調に推移いたしました。

 

(システム開発事業)

・売上高

39億9千2百万円

(前期比18.2%減)

・営業利益

6億8千9百万円

(前期比38.4%増)

 システム開発事業においては、売上面は、建設関連において商談延期等があったため伸び悩みました。利益面は受託開発で生産性向上による利益率改善等もあり、順調に推移いたしました。

 

 事業の詳細は以下のとおりです。

 

 受託開発は、電力関連向けにおいては、既存システムの保守・改良案件並びにリプレース案件により、売上面は堅調に推移いたしました。利益面は生産性向上による利益率改善等があり,好調に推移いたしました。また、鉄道関連向けなどの受託関連も順調に推移いたしました。

 受注ソリューションは、FAX送受信の代行サービス及びFAX受注支援サービスでの新規顧客での運用が開始されたことにより、順調に推移いたしました。

 ビジネス系ソリューションは、大型案件の受注により受注面、売上面ともに順調に推移いたしました。

 建設関連は、パッケージ販売においては、商談延期等もあり受注面、売上面ともに若干弱含みに推移いたしました。ソリューション案件は、建設業界全般の市況が不透明なこともあり、商談の長期化等により、低調に推移いたしました。

 

(その他)

・売上高

5億3千2百万円

(前期比21.1%増)

・営業利益

5千3百万円

(前期比121.2%増)

 協栄マリンテクノロジ株式会社が行う救命設備関連事業は、船舶用救命筏の整備が、好調に推移いたしました。

 

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて21億2千6百万円増加し、363億4千7百万円となりました。

・流動資産は、商品及び製品15億4千4百万円の増加、電子記録債権7億3千6百万円の増加、現金及び預金6億7千4百万円の減少等により、19億1千4百万円増加し、292億9千万円となりました。

・固定資産は、建設仮勘定2億4千6百万円の増加、無形固定資産2億4千3百万円の増加、土地3億3千万円の減少等により、2億1千2百万円増加し、70億5千7百万円となりました。

・流動負債は、1年内返済予定の長期借入金12億6百万円の増加、未払法人税等6億4千万円の増加等により、18億6千4百万円増加し、174億8千4百万円となりました。

・固定負債は、長期借入金6億9千3百万円の減少、繰延税金負債4億7千8百万円の減少、事業構造改善引当金3億1千1百万円の減少等により、15億3千3百万円減少し、38億9千8百万円となりました。

 この結果、純資産は、17億9千6百万円増加し、149億6千4百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末の38.5%から2.7ポイント増加し、41.2%となりました。

 

 

 ②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ6億7千4百万円減少し、17億7千8百万円(前期は24億5千3百万円)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、減少した資金は13億1千8百万円(前期は16億4千4百万円の増加)となりました。これは主として次の要因によるものです。

資金増加要因:

税金等調整前当期純利益

23億7千5百万

資金減少要因:

有形固定資産売却益

棚卸資産の増加

売上債権の増加

15億1百万円

14億3千5百万円

3億9千7百万円

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、増加した資金は12億9百万円(前期は7千7百万円の減少)となりました。これは主として有形固定資産の売却による収入等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、減少した資金は6億5千6百万円(前期は12億9千9百万円の減少)となりました。これは主として借入金の返済による支出等によるものです。

 

 ③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 なお、生産実績中、半導体デバイス事業の生産実績は、技術商社として、半導体デバイス事業内にマイコンソフト開発及びIC設計に係る製造部門を有しており、これの生産実績であります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

半導体デバイス事業(千円)

1,769,623

113.9

プリント配線板事業(千円)

6,408,222

101.6

産業機器システム事業(千円)

システム開発事業(千円)

4,274,912

99.4

その他(千円)

合計(千円)

12,452,758

102.4

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記金額には、セグメント間の内部取引高にかかる生産高が含まれております。

 

b.受注実績

 半導体デバイス事業の一部及びプリント配線板事業、システム開発事業については受注生産を行っており、これらの当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 なお、受注実績中、半導体デバイス事業の受注実績は、技術商社として、半導体デバイス事業内にマイコンソフト開発及びIC設計に係る製造部門を有しており、これの受注実績であります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

半導体デバイス事業

1,999,092

130.2

481,596

157.1

プリント配線板事業

4,716,139

95.9

1,907,873

113.7

産業機器システム事業

システム開発事業

4,583,124

85.0

790,191

82.5

その他

合計

11,298,357

95.4

3,179,661

108.1

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

半導体デバイス事業(千円)

36,413,579

114.8

プリント配線板事業(千円)

6,837,864

92.9

産業機器システム事業(千円)

9,493,490

106.9

システム開発事業(千円)

3,992,506

81.8

その他(千円)

532,005

121.1

計(千円)

57,269,445

107.5

消去又は全社(千円)

△290,499

合計(千円)

56,978,946

107.3

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.概況

当期におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの新規感染者数の増加と減少に合わせて、経済活動の制限と緩和が繰り返されるなか、ワクチン接種が進展したことにより、個人消費は持ち直しの動きが見られましたが、年明けからのオミクロン株の感染急拡大により、多くの地域でまん延防止等重点措置の適用によって、個人消費が再び悪化し始めました。企業においては、半導体など部品不足による自動車の生産制約が徐々に解消に向かいましたが、資源価格上昇による部材の高騰や入手難が続いております。一方、設備投資は、業績改善を背景に企業の設備投資意欲は底堅さを維持しており、情報化投資やEコマースの拡大を背景とした先進物流施設などの建設投資、脱炭素に向けた環境対応投資、第5世代移動通信(5G)向けの半導体製造装置向けが下支えとなり、ペースは鈍いながらも緩やかな持ち直しとなり、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。また、海外においては、中国は新型コロナウイルス感染症再拡大の影響のほか、電力不足も景気の抑制要因となりましたが、各国で厳格な感染抑制措置が徐々に緩和されたこともあり、景気回復の勢いは鈍化しつつも回復傾向で推移いたしました。しかしながら、ウクライナ情勢など地政学リスクが、資源価格の更なる上昇や金融市場の混乱を招く恐れがあるほか、自動車の生産制約の一段の深刻化や長期化が懸念されるなど、世界経済の先行きは極めて不透明な状況が続いております。

 

<売上高>

売上高は、前期に比べて7.3%増収の569億7千8百万円となりました。半導体デバイス事業では、前期に比べて14.8%増収の364億1千3百万円、プリント配線板事業では、前期に比べて7.1%減収の68億3千7百万円、産業機器システム事業では、前期に比べて6.9%増収の94億9千3百万円、システム開発事業では、前期に比べて18.2%減収の39億9千2百万円、その他(救命筏等整備事業)では、前期に比べて21.1%増収の5億3千2百万円となりました。

また、国内の売上高は、前期に比べて3.1%増収の433億9千5百万円となりました。海外売上高は23.6%増収の135億8千3百万円となり、海外売上高の連結売上高に占める比率は23.8%(前期20.7%)となりました。

<売上総利益>

売上総利益は、前期の70億9千7百万円に対し、14.9%増益の81億5千5百万円となりました。システム開発事業とプリント配線板事業において売上総利益率の改善等が見られたことから、売上総利益率は14.3%(前期13.4%)へと改善しました。

<販売費及び一般管理費>

販売費及び一般管理費は、前期に比べて1.0%、6千8百万円増加し、67億6千8百万円となりました。これは、荷造運賃等の販売費が増加したこと等によるものです。

<営業利益>

営業利益は、前期の3億9千7百万円に対し、248.8%増益の13億8千6百万円となりました。これは、半導体デバイス事業において、車載、産業機器向けのパワー半導体、メモリ、金属材料等の売上が順調であったことと為替が円安に推移したことで輸出品の利益率が改善したこと、システム開発事業において、受託開発で生産性向上により利益率が改善したこと等によるものです。

<特別利益>

特別利益は、前期の1億2千6百万円に対し13億8千1百万円増加し、15億7百万円となりました。これは、本社社屋(東京都渋谷区)の売却等による固定資産売却益15億3百万円を計上したこと等によるものです。

<特別損失>

特別損失は、前期の8億7千万円に対し3億5千6百万円減少し、5億1千3百万円となりました。これは、前期に協栄サーキットテクノロジ株式会社が営むプリント配線板事業において、減損損失7億1千4百万円並びに相模原工場閉鎖に伴う事業構造改善引当金繰入額9千9百万円を計上したことに対し、当期は希望退職者の募集等に伴う事業構造改善費用1億8千1百万円並びに本社移転費用1億7千5百万円を計上したこと等によるものです。

<税金等調整前当期純利益>

以上を受けて、前期の3億2千7百万円の税金等調整前当期純損失に対し、27億3百万円増加し、23億7千5百万円の税金等調整前当期純利益となりました。

<親会社株主に帰属する当期純利益>

親会社株主に帰属する当期純利益は、前期の3億8千2百万円の親会社株主に帰属する当期純損失に対し、20億5千5百万円となりました。これは、当期は当社の近年の業績動向を踏まえ、繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、法人税等調整額△4億1千8百万円(△は益)を計上したこと等によるものです。1株当たり当期純利益は、前期の125.59円の1株当たり当期純損失に対し、675.97円となりました。

 

b.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、営業利益率を重要な経営指標として位置付け、営業利益率3%の早期達成に努めております。

当連結会計年度における売上高は569億7千8百万円、営業利益は13億8千6百万円となり、営業利益率は2.4%となりました。引き続き、高収益ビジネスの創出と販管費の削減に努め、当該指標の改善に邁進していく所存です。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

<キャッシュ・フロー>

 営業活動によるキャッシュ・フローでは、13億1千8百万円の資金の減少となりました。これは有形固定資産売却益15億1百万円、棚卸資産の増加14億3千5百万円、売上債権の増加3億9千7百万円等が、資金の増加要因である税金等調整前当期純利益23億7千5百万円等を上回ったことによるものです。

 投資活動によるキャッシュ・フローでは、12億9百万円の資金の増加となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入等によるものです。

 財務活動によるキャッシュ・フローでは、6億5千6百万円の資金の減少となりました。これは主に借入金の返済による支出等によるものです。

 これらの活動の結果、現金及び現金同等物の残高は、前期の24億5千3百万円から6億7千4百万円減少し、17億7千8百万円となりました。

<資金需要>

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、半導体デバイス事業における仕入から回収までの資金立替、プリント配線板事業における設備投資、材料等の購入及び製造費、全社の販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費及び広告宣伝費、販売促進費等のマーケティング費用です。長期の資金需要については、主としてプリント製造に係わる合理化投資及び設備の更新・増設投資を中心に発生いたします。

<財務政策>

 当社グループは現在、運転資金及び設備投資資金については、内部資金や借入金を中心に資金調達することとし、海外現地法人を除いては、当社にて一括調達しております。このうち、運転資金については原則として短期借入金で調達し、金融情勢によっては一部を長期資金へシフトしており、また、生産設備などの長期資金は借入金により調達を行っております。2022年3月31日現在、短期借入金15億1千4百万円、長期借入金(一年内返済予定の長期借入金含む)58億9千3百万円から構成されております。

 当社グループは、健全な財政状態の維持改善、営業活動によるキャッシュ・フローの捻出、未使用のコミットメント・ライン枠27億5千万円及び未使用の借入枠80億2千4百万円を有することにより、当社グループが将来の成長に必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが充分可能と考えております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

連結財務諸表の作成にあたり、当社グループは連結財務諸表に記載されている資産・負債の額及び偶発負債の開示額、並びに収益・費用の額などに影響を与える可能性のある見積り及び前提条件を使用しております。

当社グループは、その見積りと判断を、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要素に基づいて行っており、これらは、資産及び負債の帳簿価額あるいは収益・費用の額についての判断の基礎を形成しております。

実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響等、不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報をもとに検証等を行っております。

a.投資有価証券の減損

当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定の顧客及び金融機関が発行する株式を所有しております。これらの大半は市場価格のある公開会社の株式で、一部に時価相場のない非公開会社の株式が含まれます。当社グループは公開会社の株式への投資の場合、期末における株価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30%~50%下落した場合には、当社取扱い要領に基づき、個別銘柄毎の株価推移等から株価の回復可能性を判断して減損処理を行っております。株式市況悪化又は投資先の業績不振により、評価損の計上が必要となる可能性があります。

 

b.固定資産の減損

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。

c.貸倒引当金について

当社グループは売上債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。債権管理につきましては最善の注意をはらっておりますが、顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加の引当が必要となる可能性があります。

d.退職給付債務について

当社グループの退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。また、割引率の低下や運用利回りの悪化がある場合は当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

e.繰延税金資産について

重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)主な代理店契約

会社名

相手先

契約の種類

主要取扱商品

契約期間

備考

協栄産業

株式会社

(当社)

三菱電機

株式会社

代理店契約

回転機器、静止機器、コントローラ、駆動制御機器

2004年11月22日

から1年

自動更新

冷熱、冷凍システム機器

2005年4月1日

から1年

自動更新

レーザ加工機、放電加工機

1996年4月1日

から1年

自動更新

半導体・電子デバイス

2015年4月1日

から1年

自動更新

ロボット

2017年4月1日

から1年

自動更新

(注)契約期間は再契約のものを含めて最新の契約書にもとづく契約期間を表示しております。

 

(2)本社土地および建物の譲渡契約

 当社は、2021年10月28日開催の取締役会において、固定資産を譲渡することを決議し、2021年10月29日に売買契約を締結いたしました。

 

① 譲渡の理由

 当社グループは、営業を主に担当している東京都渋谷区の本社と、技術・開発を主に担当している同大田区のTRCオフィスを、東京都品川区の品川シーサイドキャナルタワーに移転統合し新本社とするとともに、新たな収益機会の創出とオフィススペースの効率的利用による固定費削減等を図り、中期経営計画の達成を目指してまいります。

 以上より、渋谷区の本社を売却し、中期経営計画の達成に向け、更なる事業拡大を図るため、本件固定資産の譲渡を決定いたしました。

 

② 譲渡資産の内容

資産の名称及び所在地

譲渡価額

帳簿価額

譲渡益

現況 :本社社屋

所在地:東京都渋谷区松濤2丁目20番4号

土地 :面積 625.13 ㎡

建物 :地上7階地下1階

延べ床面積 2,922.19 ㎡

※1

※1

1,502百万円

※2

※1.譲渡価額、帳簿価額については、譲渡先の意向もあり開示を控えさせていただきます。

なお、帳簿価額は当社の連結純資産の30%未満であります。

※2.譲渡益は、譲渡価額から帳簿価額と譲渡に係る費用等を控除した金額です。

 

③ 譲渡先の概要

 譲渡先は、国内法人1社でありますが、譲渡先の意向もあり公表を控えさせていただきます。なお、当社と譲渡先との間には資本関係、人的関係、取引関係及び関連当事者として特記すべき事項はありません。

 また、譲渡先は反社会的勢力と一切関係がないことを確認しております。

 

④ 譲渡の日程

2021年10月28日 取締役会決議

2021年10月29日 売買契約締結

2022年3月31日 所有権移転

2022年7月4日 物件明渡し(予定)

 

⑤ 損益に与える影響額

 2022年3月期において、特別利益に固定資産売却益1,502百万円を計上しております。

 

 

 

5【研究開発活動】

当社グループにおける当連結会計年度の研究開発費の総額は27,689千円であります。

セグメントの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。

(プリント配線板事業)

プリント配線板に要求される伝搬信号速度の高速化、放熱対策、大電流対応等の多様な要求仕様と併せて、低価格対応、短納期対応、環境対応など、高付加価値品の領域にも、海外メーカーを含めた競争が激化している状況です。

協栄サーキットテクノロジ株式会社のプリント配線板製造においては、それらの競争に打ち勝つべく、お客様のニーズを把握し、新材料・新工法による加工技術を用いて、業界においても独自性のある製品の開発及び供給に取り組んでおります。

更に品質レベルの統一化を図り、車載分野での放熱要求に対応する銅コア基板や銅ベース基板の技術展開を行い、多様化するお客様のニーズに機動的にお応えします。

プリント配線板事業に係る研究開発費は27,271千円であります。

 

(全社)

当社と神戸市が共同で、建築物の見積の自動チェックツール(積算チェックアプリ)の研究開発を行いました。第88期は試作レベルの研究を行い、第89期には、完成品レベルまで神戸市と継続して研究を行います。完成の後(第90期~)は、当社製品として、全国の自治体に本チェックツールを販売していきます。

全社に係る研究開発費は417千円であります。