(1)会社の経営の基本方針
当社は、「信頼と創造」の社是のもとに
① 世界規模での経営基盤を強化し、環境の変化に柔軟に対応して着実に成長する。
② 相互信頼に基づき、個人の創造力とチームワークの強みを最大限に発揮する企業風土を作る。
③ 各国、各地域に根ざした事業活動を通じて、産業・経済・文化の発展に貢献する。
④ 時代を先取りした研究と開発に努め、物づくりの技術を高めることにより、お客様に満足して頂ける魅力溢れる商品を提供する。
⑤ クリーンで公正な企業活動を実践し、安全で魅力的な商品の提供を通して、住みよい地球と豊かな社会作りに貢献する。
ことを経営方針としております。
(2)目標とする経営指標
当社は、株主重視の視点、経営効率の評価基準として総資産利益率(ROA)や自己資本利益率(ROE)、売上高営業利益率を意識した経営を進めていく考えであります。
(3)経営環境
当連結会計年度における我が国経済は、個人消費は一部に足踏みが残るものの持ち直しの動きがみられ、緩やかに回復傾向となっております。しかしながら、物価上昇、アメリカの政策動向及び金融資本市場の変動等の影響により、景気の先行きは依然として不透明な状況が継続しております。また自動車産業では、様々な要因により稼働が一時的に不安定になることもありましたが、生産はほぼ回復してきております。
(4)対処すべき課題
当社は「熱・水・空気」の総合エンジニアリング会社として、技術力とモノづくりの力を競争力の源泉とし、「テクノロジーで地球にやさしい未来へ」を掲げて、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーなど、持続可能な地球・社会への貢献を通じて、持続的な成長を目指してまいりました。
<これまでの成果>
▶ 設備部門では、これまで培ってきた CO2 削減・水資源保全に貢献する環境技術に加え、IoT技術を活用した工場全体の熱エネルギーマネジメントシステムやAIによる予測制御などの、デジタル技術を取り入れた商品の開発・
提供を開始いたしました。
▶ 当社の環境技術およびデジタル技術は、自動車メーカーにとどまらず、幅広いお客様から高い評価をいただいております。
▶ 自動車部品部門では、「限量経営*」が現場に深く根づき、たゆまぬ改善の積み重ねと相まって、需要変動にも柔軟かつ迅速な対応ができる体制を確立し、収益に貢献いたしました。
*限量経営:限られた生産量でも利益を出せる体質を目指す
<取り巻く環境>
▶ 地球環境を中心とした、持続可能な社会の実現に向けた取り組みの重要性が、一層高まっております。
▶ 慢性的な人手不足に加え、労務費や原材料費の高騰、さらには米国が発動した関税政策による世界経済への影響など、企業経営における重要課題が山積しております。
▶ 自動車産業では、一時的な減速が見られるものの、PHEV等を含む電動化の流れは確実に進行しており、それに伴うデジタル化や製造プロセスの変更など、自動車産業そのものが大きく変わろうとしております。
<対処すべき課題>
① 持続可能な社会への更なる貢献
自動車産業を中心とするお客様のカーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーへの取り組みに貢献すべく、設備のハードに加え、ソフトウェアやサービスの領域でも新たな技術・商品開発を進めるとともに、当社の環境技術を幅広いお客様に提供してまいります。また、自動車部品部門でも、お客様や仕入先様と連携し、より環境負荷の少ないモノづくりに取り組んでまいります。
② たゆまぬ技術革新
環境技術をさらに発展させるとともに、製造現場の景色を変える技術開発、モノづくり革新を推進してまいります。また、現在新設中の技術開発センターにおいては、お客様に求められる技術・商品の開発を加速させるとともに、異業種との連携による新たな価値創造にも、積極的に取り組んでまいります。自動車部品部門においても、自働化・省人化の推進、新技術導入や老朽設備の更新を通じて、生産性の向上を図ってまいります。
③ 持続的成長に向けた基盤強化
安全最優先の姿勢を基本とし、防火対策やBCPへの取り組みを徹底することで、供給責任の確実な遂行に努めてまいります。また、デジタル技術を活用した会社の変革をさらに推進するとともに、成長を担う人への投資、健康でイキイキと働ける職場づくり、そしてコンプライアンスを重視した職場風土づくりを通じて、経営基盤の強化に取り組んでまいります。
当社は、これらの課題への対応を通じて、持続的な成長を実現し、企業価値の一層の向上に努めてまいります。
地球温暖化問題や、生産活動による廃棄物問題、事業活動による自然環境への影響は、我々が企業活動を進めるうえで重要な課題となっています。当社では、“テクノロジーで地球にやさしい未来へ”をスローガンに、カーボンニュートラル・サーキュラーエコノミーの実現と持続可能な地球・社会へ貢献してまいります。
(1)ガバナンス
当社は2022年6月に策定した「サステナビリティ方針」を指針として、取組みを進めております。
①サステナビリティ方針
私たちは、社是「信頼と創造」のもと、安全・品質・お客様第一を大切にした企業活動を通じて、社会に必要とされる会社を目指しています。熱・水・空気の総合エンジニアリング会社である私たちだからこそ提供できるテクノロジーで、地球にやさしい未来へ貢献すること。そして、ともに働く多様な人材がSDGsの理念に共感し、自ら考え行動すること。これらの取り組みを通して、現在から将来にわたり、私たちに関わるすべての皆さまのしあわせが広がり、持続可能な発展につながるよう努力してまいります。
②取り組むべき課題
持続可能な社会の実現に向け、①地球環境保全への貢献 ②当社に関わる人びとの幸せ ③クリーンで公正な企業活動 の3つを重要な分野とし、それぞれの分野の取り組みについて整理いたしました。
③推進体制
全常勤取締役及び全部長が出席する「サステナビリティ推進会議」を毎月実施し、地球環境を中心とするサス
テナビリティ活動全般について、全社横断的に議論・推進しております。
(2)リスク管理
「サステナビリティ方針」、「環境方針」および環境マネジメントシステム(ISO14001)等に基づき、ESG諸課題
に適切に対応されない場合のリスクを想定し、その対応について「サステナビリティ推進会議」で、全社横断的に
議論しております。とりわけ気候変動問題については、中長期的なCO2排出量低減活動の計画を策定するととも
に、毎月のCO2排出量をフォローするなど、きめ細かい進捗管理を行っております。
(3)気候変動
①戦略
気候変動が当社に与えるリスク・機会と影響の把握、さらなる施策の検討を目的に将来の気温上昇パターン
別の「シナリオ分析」を実施しております。シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)や、気候変動に関
する政府間パネル(IPCC)からの情報などを参考に、移行リスク(2℃未満シナリオ)と物理リスク(4℃シナリオ)
を特定し、適切な対応を行っていきます。また、それらのリスクは、当社が環境技術で社会に貢献できる機会
でもあり、お客様の困りごとに迅速・適切に対応してまいります。
|
区分 |
要因・影響 |
対策・対応 |
影響 |
|
|
移行リスク |
政策 |
・規制強化に伴う エネルギーコスト増 よる投資負担増 |
・日常的な省エネ活動の着実な推進・革新技術 導入 |
中 |
|
評判 |
・脱炭素の取り組み が遅れた場合や、 適切な情報開示が 社会的評価の低下 |
・中長期CO2排出量削減目標を設定し、定期的 |
中 |
|
|
物理リスク |
急性 |
・異常気象の風水害 |
・BCPの定期的な見直し、レベルアップ |
大 |
|
慢性 |
・異常気象に伴う 熱中症等健康被害 の増加 |
・気候条件・作業環境に即した、危険予知活動 と熱中症対策の徹底 |
中 |
|
|
機会 |
製品 |
・省エネに貢献する 設備技術・機器に 対する需要の増加 |
▶お客様のカーボンニュートラル達成に向けた |
大 |
②指標及び目標
2019年に「工場CO2ゼロチャレンジプロジェクト」を立ち上げ、「2025年に2013年比で25%低減」の目標を掲げて、革新技術の導入や日常改善、再生可能エネルギーの導入などに取り組んでおります。またその先の2030年には▲35%の低減目標を掲げてきましたが、気候変動リスクの重大さに鑑み、取り組みを加速させてまいります。
(自社工場 CO2排出量 実績・目標)
|
実 績 |
|
目 標 |
||||
|
2013年 |
2022年 |
2023年 |
2024年 |
|
2025年 |
2030年 |
|
|
|
|
|
|
10,123 |
8,774 |
|
2013年比:29%減 |
2013年比:18%減 |
2013年比:27%減 |
|
2013年比:25%減 |
2013年比:35%減(見直し検討中) |
|
|
前年度比:7%減 |
前年度比:16%増 |
前年度比:11%減 |
|
|||
2024年が前年より大幅に減少したのは、より効率的なエネルギー使用に加え、生産量の減少や、電源係数*1
・ガス係数*2の減少による影響もあります。生産量や各種係数は今後も変動が見込まれる中、日常改善や生産
効率化を地道に取り組んでまいります。
*1 電源係数(2023年:0.459t-co2/Mwh、2024年:0.421t-co2/Mwh)
*2 ガス係数(2023年:2.19t-co2/千m3、2024年:2.05t-co2/千m3)
(4)人的資本
①戦略
1.人材教育
人材はすべての付加価値の源泉であり、中長期的な視点からの人材育成を図るべく、複層的な教育機会を提
案しています。
・全ての社員を対象とした、基礎知識習得の「全社教育」及び「コンプライアンス研修」
・階層ごとに必要な知識を習得する「階層別教育」
・各部門の基礎知識向上を図る「部門教育」
・各部門内の専門知識向上及び技能向上を図る「専門教育」
・全ての社員のデジタル活用レベルの向上を図る「デジタル教育」
2.人材の採用
国籍や性別等にとらわれず、ダイバーシティを意識した採用を進めております。また、グローバル人
材を育成するため、外国人留学生採用の強化にも取り組んでおります。
3.女性活躍推進
女性社員の計画的な増員に向け、ホームページに女性社員の活躍ぶりを掲載したり、学生と女性先輩社員と
の座談会を行うなど、女性新卒者の採用活動を強化しています。また、女性の多様な働き方を支援するため、
産休・育休後の仕事と育児を両立しやすい環境の整備、家庭の事情で離職された従業員のカムバック制度、職
種や資格に応じたスキルアップのための教育支援等を行うとともに、お子さんの成長に伴う出費もサポートで
きる福利厚生制度を整えております。さらに、女性管理職の登用に向け、優秀層の選抜と昇進昇格後のフォロ
ー、外部セミナーへの積極的な参加などの支援を行っております。
4.男性社員の育児休業取得促進
産後パパ育休や、育児休業の分割取得など、男性も女性も柔軟に育休を取得できる制度を構築しました。さ
らに、育児休業に関する社内制度をまとめたハンドブックの作成も行い、育児休業の全員取得を目指した取り
組みを進めています。
②目標と指針
|
|
単位 |
実績 |
目標 |
|||||
|
2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
2025年度 |
||
|
階層別教育の受講 |
% |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
|
コンプライアンス教育受講率 |
% |
97.0 |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
93.0 |
98.0 |
100.0 |
|
外国人留学生採用 |
人 |
1 |
1 |
3 |
1 |
1 |
2 |
- |
|
障がい者雇用率 |
% |
2.54 |
2.43 |
2.50 |
2.60 |
2.82 |
2.86 |
- |
|
女性社員比率 |
% |
13.2 |
14.2 |
15.2 |
15.6 |
16.0 |
17.0 |
18.0以上 |
|
女性管理職登用 |
人 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1以上 |
|
有給休暇取得日数 |
日/月 |
1.16 |
0.96 |
1.10 |
0.96 |
1.15 |
1.24 |
推奨1.0 |
|
一人当たり年間所定外 |
時間/月 |
34.9 |
29.5 |
26.3 |
21.4 |
24.7 |
21.5 |
- |
|
男性社員育児休業取得率 |
% |
0.0 |
13.3 |
0.0 |
10.0 |
80.0 |
75.0 |
100.0 |
(5)健康経営(社内環境整備)
社員の健康保持・増進を重要な経営課題と捉え、健康経営を推進することで、社員一人ひとりが持てる力を十分に発揮し、会社と社員の持続的成長につなげたいと考えております。
①ガバナンス・推進体制
2019年9月に公表した「健康宣言」に基づき、社長を最高責任者として、取り組みを統括する担当役員を配置して
健康経営を推進しております。
具体的な活動は、安全健康推進部、経営企画部によるワーキンググループを中心に、全社を巻き込んで進めて
おります。
〈健康宣言〉
当社において最も重要な財産は「社員」です。
社員一人ひとりとご家族の皆様が、心身ともに健康で豊かな生活を送られることは『良い品』『良い仕事』
を創造する原動力となり『お客様のよろこびと感動』を生み出し、社会貢献に繋がるものと考えています。
その実現に向けトリニティ工業は、明るく楽しく元気よく、いきいきと働ける会社づくり、人づくりに全力
を挙げて取り組むことを、ここに宣言します。
〈推進体制〉
②主な取り組み
|
分 類 |
主な取り組み |
|
定期健康診断と受診後の対応 |
・海外駐在員も含めた社員全員の健康診断の実施 ・ご家族の健康診断費用補助 |
|
メンタルヘルス対策 |
・ストレスチェックの実施 |
|
女性特有の疾病対策 |
・乳がん、子宮頸がん検診の受診希望者への実施 |
|
食習慣改善 |
・社員食堂でのスマートミールやハーフサイズメニューの提供 |
|
運動習慣化の取組み |
・ウォーキングイベント、社内スポーツイベントの開催 |
|
感染症対策 |
・職場の感染症拡大防止のための感染症基本方針、対応マニュアル策定 ・インフルエンザ予防接種費用補助(本人及びお子様) |
|
喫煙対策 |
・オンライン禁煙プログラム費用の全額補助 ・会社敷地内禁煙の実施(2025年4月より) |
③指標と目標
|
指標 |
単位 |
実績 |
目標 |
||||||
|
2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
2025年度 |
|||
|
定期健診受診率 |
% |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
|
|
二次健診受診率 |
% |
99.0 |
100.0 |
100.0 |
96.0 |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
|
|
ストレスチェック受検率 |
% |
99.4 |
99.1 |
99.9 |
100.0 |
99.8 |
100.0 |
100.0 |
|
|
ストレス者率 |
% |
26.9 |
20.8 |
24.5 |
21.6 |
15.5 |
12.4 |
10.0未満 |
|
|
女性の健康課題に関する 教育受講率 |
% |
- |
- |
- |
99.3 |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
|
|
ウォーキングイベント |
参加率 |
% |
- |
- |
92.5 |
90.8 |
95.6 |
99.8 |
100.0 |
|
満足度 |
% |
- |
- |
96.0 |
94.2 |
93.3 |
94.7 |
100.0 |
|
|
非喫煙率 |
% |
65.8 |
67.8 |
68.8 |
69.3 |
71.7 |
71.7 |
75.0 |
|
|
平均勤続年数 |
年 |
15.6 |
15.5 |
15.6 |
16.0 |
16.2 |
16.2 |
- |
|
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関連する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 経済状況
当社グループの取引の重要な部分を占める自動車業界の販売台数及び設備投資計画は当社グループの経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、ステークホルダーの期待に応える環境負荷の低い・競争力のある設備の開発と自動車業界外への販売拡大に取り組んでおります。
② 原材料価格の変動
当社グループの調達コストの中で大きな割合を占める樹脂材料や鉄鋼材料をはじめとする原材料の価格は、国際商品市況の影響を受けて大きく変動することがあります。原材料価格の動向は、当社グループの経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、原材料価格の上昇については、製品価格への反映や歩留り向上によって材料コストの低減を
図っております。
③ 為替レートの変動
為替レートの変動は、当社グループの海外との取引の円換算額及び連結財務諸表作成時における海外子会社の外貨建財務諸表の円換算額等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、海外商流の適正化を図り、為替レートの影響を極力低減するとともに、必要に応じて為替予約取引を利用することで、将来の為替変動リスクを回避するよう努めております。
④ 地震等の災害発生にともなうリスク
当社グループは、製造ラインの中断による影響を最小限にするために、定期的な設備点検等をおこなっておりますが、大規模な災害が発生した場合、生産活動が停止し、経営成績と財務状況に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループでは、大規模な災害を想定し、安全対策や事業継続・早期復旧のために事業継続計画(BCP)を策定しております。
⑤ 感染症等の異常事態リスク
当社グループは、感染症等の拡大が想定を超える規模で発生し、事業運営が困難になった場合、当社グループの財政状態や経営成績等に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループでは、感染症等流行時の対応について、感染予防の観点から基本方針や対応マニュアルを策定し、必要な予防および感染対策を推進していきます。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー (以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、個人消費は一部に足踏みが残るものの持ち直しの動きがみられ、緩やかに回復傾向となっております。しかしながら、物価上昇、アメリカの政策動向及び金融資本市場の変動等の影響により、景気の先行きは依然として不透明な状況が継続しております。
このような環境のもと、当社グループにおきましては、お客様のカーボンニュートラル・サーキュラーエコノミーへ積極的に貢献するとともに、設備部門では、既受注プロジェクトの着実な遂行、塗装機器の収益拡大、更なる非自動車産業への拡販、新製品の開発に取り組んでまいりました。自動車部品部門では、大型成形品の生産拡大等を通じお客様の期待に応えるとともに、異業種など新たな領域への拡大や変種変量に強い柔軟な生産体制の構築に取り組んでまいりました。
その結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は402億1千7百万円と前年同期に比べ32億2千4百万円(8.7%増)の増収となりました。
営業利益は32億4千5百万円と前年同期に比べ4億5千万円(16.1%増)の増益、経常利益は35億2千1百万円と前年同期に比べ5億1千4百万円(17.1%増)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は24億3百万円と前年同期に比べ3億4千4百万円(16.7%増)の増益となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
・設備部門
設備部門は、塗装設備納入等の増加により売上高は299億3百万円と前年同期に比べ31億3千4百万円(11.7%増)の増収、営業利益は38億7千8百万円と前年同期に比べ2億2千万円(6.0%増)の増益となりました。
・自動車部品部門
自動車部品部門は、内装部品及び外装部品の生産・販売の増加により売上高は103億1千3百万円と前年同期に比べ8千9百万円(0.9%増)の増収、営業利益は13億5百万円と前年同期に比べ3億2千9百万円(33.7%増)の増益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、80億3千4百万円となり、前連結会計年度末より82億円(前年同期比50.5%減)減少となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は28億8百万円(前年同期は営業活動の結果獲得した資金36億1千8百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益35億2千1百万円、減価償却費10億3千5百万円、売上債権の増加額22億2千1百万円、仕入債務の減少額35億9千8百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は46億7千1百万円(前年同期比434.4%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出41億7千6百万円、定期預金の預入による支出16億6百万円、定期預金の払戻による収入11億3千2百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は10億1千2百万円(前年同期比63.0%増)となりました。これは主に、配当金の支払額7億2千4百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
設備部門 |
29,903,351 |
11.7 |
|
自動車部品部門 |
10,313,667 |
0.9 |
|
合計 |
40,217,018 |
8.7 |
(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 当社は受注生産を主としておりますので、本表は販売実績と同一のものを掲げております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
|
設備部門 |
28,028,000 |
2.5 |
9,035,373 |
△18.3 |
|
自動車部品部門 |
10,313,667 |
0.9 |
- |
- |
|
合計 |
38,341,667 |
2.0 |
9,035,373 |
△18.3 |
(注) 金額は、販売価格によっております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
設備部門 |
29,903,351 |
11.7 |
|
自動車部品部門 |
10,313,667 |
0.9 |
|
合計 |
40,217,018 |
8.7 |
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
豊田通商株式会社 |
7,299,040 |
19.7 |
7,313,073 |
18.2 |
|
株式会社豊通マシナリー |
5,144,400 |
13.9 |
7,904,200 |
19.7 |
|
トヨタ自動車株式会社 |
956,053 |
2.6 |
1,243,446 |
3.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、5.1%減少し、424億6千3百万円となりました。要因については、次のとおりであります。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて17.5%減少し、256億9千9百万円となりました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が24億8千万円増加した一方、現金及び預金が76億5千3百万円減少、電子記録債権が1億8千2百万円減少したことによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて23.3%増加し、167億6千3百万円となりました。これは主に、投資有価証券が7億1百万円減少した一方、建設仮勘定が37億1千1百万円増加したことによります。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて32.7%減少し、79億9千2百万円となりました。これは主に、電子記録債務が35億4千6百万円減少、契約負債が2億4千6百万円減少、未払法人税等が1億9百万円減少したことによります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて15.4%減少し、15億9千万円となりました。これは主に、リース債務が1千7百万円増加した一方、繰延税金負債が1億5千9百万円減少、退職給付に係る負債が7千9百万円減少したことによります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて30.3%減少し、95億8千3百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて6.0%増加し、328億7千9百万円となりました。
b.経営成績の分析
事業全体の状況
当連結会計年度の売上高は402億1千7百万円と前年同期に比べ32億2千4百万円(8.7%増)の増収となりました。
営業利益は32億4千5百万円と前年同期に比べ4億5千万円(16.1%増)の増益、売上高営業利益率は8.1%となりました。
営業外収益は、前年同期に比べ受取補償金が6千2百万円増加となったことなどにより、前年同期に比べ5千9百万円(19.8%増)増加し3億6千1百万円となりました。
営業外費用は、固定資産除去損が1千8百万円減少したことなどにより、前年同期に比べ4百万円(5.1%減)減少し8千5百万円となりました。
以上の結果、経常利益は35億2千1百万円と前年同期に比べ5億1千4百万円(17.1%増)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は24億3百万円と前年同期に比べ3億4千4百万円(16.7%増)の増益となりました。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
1)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
2)資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、設備投資などの長期資金及び製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金であります。
3)財務政策
当社グループは長期資金、運転資金ともに内部資金により充当し、不足が生じた場合は借入により資金調達することとしております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、株主重視の視点、経営効率の評価基準として総資産利益率(ROA)や自己資本利益率
(ROE)、売上高営業利益率を重要な指標として位置付けております。当連結会計年度における「総資産利
益率(ROA)」は5.5%(前年同期比0.6%増加)、「自己資本利益率(ROE)」は7.7%(前年同期比0.5%増加)、「売上高営業利益率」は8.1%(前年同期比0.5%増加)となりました。引き続きこれらの指標につきましては、改善されるよう取り組んでまいります。
当連結会計年度において、重要な契約等は行われておりません。
当社グループの研究開発活動は、環境、低コスト、高品質等の社会的な要求に応えるため、現有製品から次世代技術に至る幅広い分野での研究開発に取り組んでおります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は
セグメント別の研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
(1)設備部門
自動車塗装設備・装置を中心に、省資源・省エネルギー等の環境課題に対応した開発と低コスト・高品質に向けた技術、製品の開発を進めております。
このほか、次世代主力商品の核となる新塗装技術の開発にも、継続して取り組んでおります。
(2)自動車部品部門
自動車内外装部品の新加飾方法、材料、意匠開発を進めておりますが、特に、高い環境性と意匠性を併せ持つ次世代の加飾技術開発に、全力をあげて取り組んでおります。