(1)業績
当事業年度における世界経済は、上期には米国での個人消費の回復を背景にほぼ堅調に推移いたしましたが、下期に中国の景気減速の強まりやアジア新興国の成長の鈍化、資源価格の下落等先行きの不透明感により下振れへの懸念が強まりました。国内経済は、昨年までは円安と原油価格の下落により輸出関連企業を中心に好調に推移しておりましたが、今年に入り世界経済の下振れ懸念から急激な円高、株価の下落などで不安定さを増し、企業業績の不透明感が高まってまいりました。
このような状況下におきまして、光学系フイルム業界の一部では、新規投資を進める企業と規模の縮小や委託加工に方向を替える企業など二極化の傾向も見られました。
当社におきましては、スマートフォン・タブレット端末用の光学フイルムやタッチパネル用塗工装置、医療材用塗工乾燥装置、車載用リチウムイオン二次電池や他のエネルギー関連・電子部品関連塗工乾燥装置の受注強化に取り組んでまいりました。これらの中で、車載用リチウムイオン二次電池業界では、温暖化ガスや微小粒子状物質の排出を削減するため、電気自動車用に需要が伸びましたが、光学系フイルム塗工装置業界では、大型設備投資が減少したため、受注環境に大きな伸びがない状況で推移いたしました。
売上高は、8,807百万円(前期比13.8%減)となりました。主な最終製品別売上高構成比率は、薄型表示部品関連機器が33.0%(前期は65.6%)、機能性紙・フイルム関連塗工機器が24.3%(前期は10.7%)、電子部品関連塗工機器が17.6%(前期は6.1%)、エネルギー関連機器が13.6%(前期は9.3%)となりました。売上高に占める輸出の割合は、35.4%(前期は30.2%)となりました。売上総利益は、927百万円(前期比12.2%減)、売上総利益率は、10.5%(前期は10.3%)となりました。販売費および一般管理費は、615百万円(前期比3.0%増)となりました。営業利益は、311百万円(前期比31.9%減)、経常利益は、343百万円(前期比33.5%減)、当期純利益は、209百万円(前期比30.8%減)となりました。
受注高は、7,961百万円(前期比0.1%減)、その内輸出受注高は、3,567百万円(前期比80.8%増)となりました。受注残高は、3,113百万円(前期比21.4%減)、その内輸出受注残高は、1,835百万円(前期比32.1%増)となりました。
品目としましては、薄型表示部品用光学フイルム塗工装置、タッチパネル用ハードコートフイルム塗工装置、エネルギー関連部材用塗工装置および、FPC関連用塗工装置で構成されております。
個別の受注金額につきましては、中国や新興国市場を最終需要先とした国内企業をはじめ、韓国や中国企業向けでも、国内外の設備メーカーの価格競争は大変厳しいものとなっております。しかしながら、最近の中国における液晶パネルの増産の見通しを受け、光学フイルム関連塗工装置の需要が見込まれていることから、当業界向けの受注活動の強化に努めたいと考えております。また車載用リチウムイオン二次電池や燃料電池などのエネルギー関連業界でも大型投資が見込まれ、本業界に対してもさらなる販売強化に取り組みたいと考えております。
なお、上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2)キャッシュ・フロー
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ3,036百万円増加し、5,205百万円(前期末は2,169百万円)となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
営業活動の結果得られた資金は、2,927百万円(前期は使用した資金2,905百万円)となりました。これは主に売上債権の回収によるものです。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
投資活動の結果使用した資金は、17百万円(前期は33百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得によるものです。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
財務活動の結果得られた資金は、126百万円(前期は使用した資金175百万円)となりました。これは主に長期借入金の増加によるものです。
当社は、全ての製品が一品一様の受注生産で事業部門別の組織とはならず、単一セグメントとなっています。よって、セグメントごとの記載に代えて、品目別に記載しています。
(1)生産実績
|
品目別 |
当事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
塗工機械(千円) |
8,467,127 |
93.5 |
|
化工機械(千円) |
304,960 |
32.5 |
|
その他(千円) |
197,328 |
107.8 |
|
合計(千円) |
8,969,415 |
88.2 |
(注)1.上記金額は販売価額によっています。
2.上記金額には、消費税等は含まれていません。
(2)受注状況
|
品目別 |
当事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
|||
|
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
塗工機械 |
6,969,651 |
92.1 |
2,503,823 |
65.1 |
|
化工機械 |
799,390 |
380.5 |
592,799 |
636.9 |
|
その他 |
192,241 |
103.2 |
16,686 |
86.7 |
|
合計 |
7,961,283 |
99.9 |
3,113,308 |
78.6 |
(注)1.上記金額は販売価格によっています。
2.上記金額には、消費税等は含まれていません。
(3)販売実績
|
品目別 |
当事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
塗工機械(千円) |
8,312,671 |
91.5 |
|
化工機械(千円) |
299,664 |
31.9 |
|
その他(千円) |
194,797 |
105.4 |
|
合計(千円) |
8,807,133 |
86.2 |
(注)1.上記金額には、消費税等は含まれていません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりです。
|
前事業年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
||||
|
相手先 |
金額(千円) |
割合(%) |
相手先 |
金額(千円) |
割合(%) |
|
椿本興業株式会社 |
4,032,454 |
39.5 |
椿本興業株式会社 |
924,895 |
10.5 |
当社は、平成28年度から平成30年度にかかる3年間の中期経営計画「Smart Future2018」を策定しております。
最近の国内外の変化の激しい経済情勢の中、安定した経営基盤を確立するためには、より一層の新規応用分野への製品開発とコスト競争力の強化が必要と考えております。
新規応用分野への製品開発は、当社が蓄積してきた光学フイルム分野、二次電池分野および医療用部材分野などにおける技術力を背景に、日々の営業活動から新規顧客および既存顧客の要望に応えるビジネスに積極的に取り組むと共に、常設しているテスト機で顧客との共同研究開発を一層展開してまいります。
コスト競争力の強化は、生産設備等に対する新規設備投資を進めると共に、営業、設計、製造、資材の全部署においてグローバル展開、特に東南アジアへの展開をさらに進め、コスト競争力を高めて収益に結び付ける仕組み作りを推進してまいります。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものです。
(1)当社の販売形態について
当社は、100%受注生産により塗工乾燥設備等を販売しています。そのため、販売先の設備投資動向や景気変動により、経営成績が大きく影響を受ける体質を潜在的に保有しています。
(2)為替相場の変動について
輸出売上高が35.4%となっている現状では、外国為替において円高になった場合、競争力の低下や収益の圧迫要因となる可能性があります。
(3)大規模災害による影響について
当社の生産拠点は、滋賀県野洲市にある滋賀工場のみで、この地区に大規模災害が発生すると甚大な被害を受ける可能性があります。しかし、主要な製作外注先については、数箇所の府県に分散しています。
当社が技術援助等を受けている契約
|
相手先の名称 |
国名 |
契約内容 |
契約対象 |
契約期間 |
|
アルフセン・オグ・グンダーソン・アクチーセルスカブ |
ノルウェー |
フェルト熱処理機並びに網目状合成繊維布の熱処理機に関する技術指導 |
ロイヤリティ 販売価格の一定率 |
昭和52年1月24日から1年間の自動更新 |
スマートフォンやタブレット端末などに必要なハードコートフイルム、反射防止フイルム、導電性透明フイルムなどに使用される薄膜塗工が可能なFKGコーター、ナノコーター及びスロットダイコーター、またリチウムイオン二次電池電極製造用の両面同時塗工装置、燃料電池用塗工装置、高速間欠塗工装置など生産効率の向上を目指した開発を行っており、また、省エネ対策やメンテナンスシステム開発にも取り組んでおります。さらに、最新のカセットチェンジコーターを揃えたテスト用クリーンパイロットコーターで、顧客との共同研究開発も行っております。
なお、当期の研究開発活動に要した費用は、総額60,001千円となりました。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものです。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。財務諸表の作成において見積りや予想を必要とする会計処理がありますが、これらが実績と異なる場合があります。この財務諸表の作成のための重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 重要な会計方針」に記載しています。
(2)当事業年度の財政状態の分析
総資産は、15,830百万円(前期末比2.9%増)となりました。これは主に現金及び預金の増加によるものです。負債は、5,666百万円(前期末比9.7%増)となりました。これは主に長期借入金の増加によるものです。純資産は、10,164百万円(前期末比0.5%減)となりました。自己資本比率は、64.2%(前期末は66.4%)となりました。
(3)当事業年度の経営成績の分析
売上高は、8,807百万円(前期比13.8%減)となりました。主な最終製品別売上高構成比率は、薄型表示部品関連機器が33.0%(前期は65.6%)、機能性紙・フイルム関連塗工機器が24.3%(前期は10.7%)、電子部品関連塗工機器が17.6%(前期は6.1%)、エネルギー関連機器が13.6%(前期は9.3%)となりました。売上高に占める輸出の割合は、35.4%(前期は30.2%)となりました。売上総利益は、927百万円(前期比12.2%減)、売上総利益率は、10.5%(前期は10.3%)となりました。販売費および一般管理費は、615百万円(前期比3.0%増)となりました。営業利益は、311百万円(前期比31.9%減)、経常利益は、343百万円(前期比33.5%減)、当期純利益が209百万円(前期比30.8%減)となりました。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の機械で生産する光学フイルムは、スマートフォン向け高機能携帯端末などの薄型表示部品用やタッチパネル用ハードコートフイルムに最も多く使用されるため、今後の国内外の消費者動向が、業績に大きく影響する可能性があります。さらに、海外需要を考えると、国外の政治経済や為替にも大きな影響を受けやすい構造となっています。
(5)経営戦略の現状と見通し
国内景気は、政府による金融政策、財政政策、成長戦略の実施を背景として経済は、緩やかに回復の兆しが見られましたが、今後は成長著しい新興国への輸出売上増大が最重要と考えられます。しかし、大幅な為替変動は、受注先への大きな負担となることも考えられ、より一層のコスト削減努力が必要となります。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローで、2,927百万円の資金が得られました。これは主に大型製品の売上債権の回収によるものです。取引銀行とは各々当座貸越契約の枠を十分に設定し、さらに売掛債権の流動化も随時実施可能な状態となっています。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
今後は、スマートフォンやタブレット端末をはじめとする高機能携帯端末機器用フイルムや二次電池用電極製造装置が当社の売上構成比率をあげてくると考えています。また、新しい事業分野としては、太陽光発電、逆浸透膜及び経皮薬剤の関係にも進出していきたいと考えています。さらに、研究用のテスト機として、当社の従来機より更に小型の高精度塗工機「スマートラボ」を低価格で提供することにより、受注の間口を広げていくことが今後の営業活動に必要であると考えています。