文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、持続的な成長発展を図り、企業価値の最大化に努めることが、株主及び顧客のご期待に応えることと考えております。そのため、社会やマーケットの潮流を的確に把握し、これまで培ってきた優位の技術を融合し、技術やサービスを通じて最適なソリューションを提供する「技術革新型企業」を目指しております。対外的には透明かつ公正な企業活動を行うことにより、真に豊かな社会の実現に貢献することを経営方針としております。
(2)経営戦略等
当社は、平成28年度から平成30年度にかけて、3年間の中期経営計画「Smart Future2018」を策定致しております。
<事業戦略>
①顧客満足度の充実
②営業力の強化と新規顧客の開拓や各種PRの推進
③独自の技術による新製品の開発と先端製品開発用テスト機の設置計画
④グローバル展開の推進
⑤シナジー効果と将来性のある企業のM&Aの推進
⑥保守点検などのアフターサービスの展開促進
⑦新工場の建設計画並びに旧工場の建直しによる製造プロセスの効率化の計画
⑧CADの新規投資による設計の効率化
⑨加工機械の新規投資による製造の効率化
⑩地域住民の皆さまとの活動を含む社会貢献への取組み
<事業展開>
当社などの設備産業は、景気の影響をいち早く受け易く、回復には時間がかかる業種とされています。そのため、企業努力により、景気に左右され難い体質作りが必要であり、当社も更なる発展に向け事業内容と組織の再編を行なっていく所存です。
営業展開については、従来からの当社の重要な柱の一つであり、他社の追従を許さないスマートフォン、タブレットやテレビなどの光学系ディスプレイ分野については、大型新規投資は少なくなってきましたが、まだ伸びる分野と考えています。もう一つの柱である、エネルギー関連分野の車載用リチウムイオン二次電池分野については、中国などで大型新規投資が続いており、コスト競争が激しい中、新しい観点からコストダウンを図り、積極的に受注する営業展開を行います。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社の製品は、大半が先端産業向け機器で、そのすべてが特別仕様の受注型生産形態となっております。そのため機器の設計製作段階において開発投資的な費用が発生しても、個別の製品原価に含まれる仕組みとなっております。
その結果、年度により大きく総資産や純資産が変動して、ROAやROEなどの経営上の基準となる指標を導入することが困難な構造となっていますが、事業計画では、今後もROEが改善するよう経営改革に努めてまいりたいと考えております。
(4)経営環境
海外における車載用リチウムイオン二次電池業界での、大型の設備投資やディスプレイ及びタッチパネル用光学フイルムの設備投資が進められるものと思われます。中国景気の不透明さが懸念されてはおりますが、塗工装置が必要とされる中国の業界の製品には、次第に高付加価値が必要とされてきており、特にエネルギー関連のリチウムイオン二次電池関連で、またディスプレイ及びタッチパネル用の光学フイルム、ハードコートフイルム関連への新規塗工設備の導入が堅調に推移すると見込まれ、関連部材への需要増も期待できます。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社は、平成28年度から最終年度を平成30年度とした3年間の中期経営計画「Smart Future 2018」を策定しており、達成に向け鋭意努力しております。
最近の国内外の変化の激しい経済情勢の中、安定した経営基盤を確立するためには、より一層の新規応用分野への製品開発並びにコスト競争力の強化及び各部署での新規投資による効率化の推進が必要と考えております。
新規応用分野への製品開発は、当社が蓄積してきた二次電池分野、光学フイルム分野及び医療用部材分野などにおける技術力を背景に、日々の営業活動から新規顧客及び既存顧客の要望に応えるビジネスに積極的に取り組むと共に、常設しているテスト機で顧客との共同研究開発を一層展開してまいります。
コスト競争力の強化及び各部署での新規投資による効率化は、滋賀工場の新築及び増改築と生産設備等への新規設備投資により、生産効率を高めると共に、営業、設計、製造、資材の全部署において更なるグローバル展開を進め、収益力の向上に結び付ける仕組み作りを推進してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものです。
(1)事業環境と販売形態について
当社は、100%受注生産により塗工乾燥設備を販売しており、各販売先の設備投資の動向に大きく影響を受ける体質を潜在的に保有しています。よって、世界市場の景気の低迷、政治情勢、自然災害、テロ・戦争等により業績及び財政状態に大きく変動を受ける可能性があります。
(2)競合リスク及び価格の下落
競合先には、複数の企業が存在します。製品の需要が拡大期に入ると価格よりも短納期を要求される傾向が強いですが、製品の需要が減少期に入ると、供給過剰な状態に入り、受注獲得のため厳しい価格競争に陥る可能性があります。
(3)売上債権の回収リスク
新規の取引の場合や与信状況に不安のある取引先には、代金の一部を前払いしてもらいリスクヘッジを図っていますが、多額の売上債権を有する顧客の財政状態が悪化し、貸し倒れが発生すると業績及び財政状態に大きく変動を受ける可能性があります。また、工事のトラブル発生や、技術的クレームにより、入金の遅延や、契約金額の減額のリスクがあります。
(4)外国通貨建取引
海外取引は、為替相場の変動リスクを回避するために、円建て取引を基本に営業展開を行っています。購買も円建て取引を基本に行っていますが、一部の部材で海外より資材の調達や外注製作を外国通貨で取引を行っています。その際は、為替予約を採用していますが、急激な政治経済の動きで為替相場が大きく変動し、長期に渡って不安定な状態が続けば業績及び財政状態に変動を受ける可能性があります。
(5)投資有価証券の保有
当社は、投資有価証券を取引関係維持等の理由により保有しています。適時、保有の銘柄の選別を行っていますが、急激な経済の悪化や企業収益の減少、株価の低迷により評価減が発生し、業績及び財政状態に変動を受ける可能性があります。
(6)情報セキュリティ
当社は、取引先情報、個人情報、インサイダー情報、社内資料など機密性の高い情報については、外部の脅威から守るためセキュリティ対策に取り組んでおり、担当部署、職務によるアクセス権限の設定、不正アクセスの監視などセキュリティ強化に努めています。しかし、想定しない不正アクセス等があった場合には、業績及び財政状態に変動を受ける可能性があります。
(7)大規模な地震の影響
当社の生産拠点は、滋賀県野洲市にある滋賀工場のみで、大規模な地震が発生すると甚大な被害を受ける可能性があります。よって老朽化している生産設備の更新や耐震化を進め、安全性の確保や情報拠点の分散などバックアップに努めています。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経済情勢及び業界の概況
当期における世界経済は、米国での雇用関係の改善や、欧州での設備投資の増加を背景に底堅く推移いたしましたが、米国政権の政策動向や、中東や極東アジアを中心とする国際的緊張の高まりへの警戒感が強まりました。国内経済では緩やかな回復基調が持続しているものの、米中の保護主義的な動きや地政学的リスクから、当社を取り巻く環境は先行き不透明な状況で推移いたしました。
当社の関係する光学系フイルム業界では、中国において液晶フイルム関係で大型設備投資が進められております。なお国内では新規投資の動きが見られるものの、中小型の規模の設備投資に留まっております。また、電気自動車関連の車載用リチウムイオン二次電池の業界でも国内で新規投資の動きが見られるものの、大型投資は中国と米国に集中しております。当社においても売上高に占める輸出の割合が増加しており、この傾向は、少なくとも今後2~3年間は続くものと思われます。
②売上及び損益の概況
売上高は、14,285百万円(前期比31.8%増)となりました。主な最終製品別売上高は、ディスプレイ部品関連機器が5,006百万円(前期比128.3%増)、機能性紙・フイルム関連塗工機器が3,778百万円(前期比179.8%増)、エネルギー関連機器が4,265百万円(前期比27.6%減)となりました。売上高に占める輸出の割合は、78.8%(前期は72.2%)となりました。売上総利益は、2,070百万円(前期比20.3%増)、売上総利益率は、14.5%(前期は15.9%)となりました。販売費及び一般管理費は、807百万円(前期比13.3%増)となりました。営業利益は、1,262百万円(前期比25.2%増)、経常利益は、1,281百万円(前期比24.1%増)、当期純利益は、890百万円(前期比28.6%増)となりました。
③受注の概況
受注高は、18,553百万円(前期比15.5%増)、その内輸出受注高は、14,684百万円(前期比10.7%増)となり、受注高に占める輸出の割合は、79.1%(前期は82.6%)となりました。受注残高は、12,611百万円(前期比51.2%増)、その内輸出受注残高は、10,701百万円(前期比47.1%増)となり、受注残高に占める輸出の割合は、84.9%(前期は87.2%)となりました。
④財政状態の概況
総資産は、19,391百万円(前期末比5.6%増)となりました。これは主に売上債権の増加によるものです。負債は、6,558百万円(前期末比11.9%減)となりました。これは主に仕入債務の減少によるものです。純資産は、12,832百万円(前期末比17.5%増)となりました。これは主に株式の発行による資本金及び資本剰余金の増加によるものです。自己資本比率は66.2%(前期末は59.5%)となりました。
⑤キャッシュ・フローの概況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ113百万円減少し、5,393百万円(前期末は5,506百万円)となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
営業活動の結果使用した資金は、699百万円(前期は得られた資金823百万円)となりました。これは主に売上債権の増加によるものです。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
投資活動の結果使用した資金は、33百万円(前期は209百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得によるものです。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
財務活動の結果得られた資金は、619百万円(前期は使用した資金312百万円)となりました。これは主に株式の発行によるものです。
⑥生産、受注及び販売の状況
当社は、全ての製品が一品一様の受注生産で事業部門別の組織とはならず、単一セグメントとなっています。よって、セグメントごとの記載に代えて、品目別に記載しています。
a.生産実績
|
品目別 |
当事業年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
塗工機械(千円) |
12,636,026 |
132.7 |
|
化工機械(千円) |
1,424,580 |
127.5 |
|
その他(千円) |
185,196 |
89.9 |
|
合計(千円) |
14,245,802 |
131.3 |
(注)1.上記金額は販売価額によっています。
2.上記金額には、消費税等は含まれていません。
b.受注状況
|
品目別 |
当事業年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
|||
|
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
塗工機械 |
18,145,551 |
130.1 |
12,417,250 |
179.0 |
|
化工機械 |
209,442 |
11.0 |
169,230 |
12.2 |
|
その他 |
198,612 |
95.3 |
25,035 |
101.5 |
|
合計 |
18,553,606 |
115.5 |
12,611,515 |
151.2 |
(注)1.上記金額は販売価格によっています。
2.上記金額には、消費税等は含まれていません。
c.販売実績
|
品目別 |
当事業年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
塗工機械(千円) |
12,665,266 |
133.1 |
|
化工機械(千円) |
1,421,888 |
127.1 |
|
その他(千円) |
198,251 |
98.9 |
|
合計(千円) |
14,285,406 |
131.8 |
(注)1.上記金額には、消費税等は含まれていません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりです。
|
前事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
当事業年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
||||
|
相手先 |
金額(千円) |
割合(%) |
相手先 |
金額(千円) |
割合(%) |
|
S1社 |
2,401,924 |
22.2 |
椿本興業株式会社 |
3,340,515 |
23.4 |
|
S2社 |
1,773,773 |
16.4 |
S1社 |
1,982,834 |
13.9 |
|
椿本興業株式会社 |
1,699,332 |
15.7 |
丸紅テクマテックス 株式会社 |
1,790,594 |
12.5 |
(注) 当社とS1社およびS2社との間には、秘密保持契約が締結されているため、社名の公表は控えさせていた
だきます。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討事項
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。財務諸表の作成において見積りや予想を必要とする会計処理がありますが、これらが実績と異なる場合があります。この財務諸表の作成のための重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 重要な会計方針」に記載しています。
②当事業年度の経営成績の状況に関する分析・検討事項
a.経営成績の分析
当社では、地球規模での環境問題によって大きな成長が期待される電気自動車関連への車載用リチウムイオン二次電池の電極用やセパレータ用及び燃料電池用塗工乾燥装置、情報化社会には不可欠となったスマートフォン・タブレット端末用の光学フイルムやタッチパネル用塗工装置、医療材用塗工乾燥装置及び電子部品関連塗工乾燥装置の受注強化に取り組んでまいりました。その結果、海外における車載用リチウムイオン二次電池業界及びディスプレイ用光学フイルム業界での大型設備投資により、これらの業界への受注高及び売上高に大きな伸びがありました。
売上総利益については、工程の効率化、外注管理及び仕様の標準化などの施策により、利益の確保に努めました。
販売費及び一般管理費については、受注量の増加に伴い、人件費が増加傾向にありますが、部門を超えた流動的な人員配置を行うことで抑制に努めました。
営業外損益及び特別損益については、新株予約権の発行に伴う株式発行費及び工場再建計画に伴う調査費を工場修繕費として計上しました。
なお、経営成績等の分析の具体的数値については、「3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ②売上及び損益の概況」に記載しています。
b.経営成績に重要な影響を与える要因
個別の受注金額において、中国市場など新興国を最終需要先とした国内企業向けをはじめ、中国や韓国のローカル企業向けにおいても、国内外の設備メーカーとの価格競争が大変厳しいものとなっています。また、中東や極東アジアを中心とする国際的緊張の高まりや、米中の保護主義的な動きも懸念されます。
また、当社の経営成績等に影響を及ぼすリスクにつきましては、「2事業等のリスク」に記載しています。
c.今後の取組み
今後もより一層の新規応用分野への製品開発並びにコスト競争力の強化及び各部署での新規投資による効率化の推進を図り、光学フイルム関連と合わせて、二次電池及び燃料電池などのエネルギー関連業界に対し、更なる販売強化に取り組みたいと考えております。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社は、営業活動においてキャッシュ・フローを獲得し、中期的に安定して資金を獲得することが重要と考えています。また、財務活動においても取引銀行と当座貸越契約の枠を十分に設定して不測の事態に備えています。
また、当社は、これまで主力工場である滋賀工場の生産能力増強に取り組んでまいりましたが、工場の老朽化が進んでおり、工場が手狭となっております。そこで、滋賀工場の新築及び増改築を行うことで生産能力増強を図ることを目的に、新株予約権の発行及び行使による資金調達を行っております。
今回の資金調達を、滋賀工場の新築及び増改築並びに機械装置の新規購入及び更新費用に充当することにより、生産能力の拡大が期待できます。また、実験機の新規増設により、顧客からの先端技術の実験要望に応え得る体制を取り、更なる受注及び販売の増加を目指してまいります。
なお、キャッシュ・フローの分析の詳細については、「3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ⑤キャッシュ・フローの概況」に記載しています。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標
「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご覧ください。
該当事項はありません。
スマートフォン・タブレット端末やタッチパネル用のハードコートフイルムや反射防止フイルム、透明導電性フイルムに対する薄膜塗工が可能なFKGコーター、ナノコーター及びスロットダイコーター、また生産効率の向上を目指したリチウムイオン二次電池電極製造用の両面同時塗工装置や高速間欠塗工装置、並びにセパレータ用の高速両面塗工装置などの開発を行っております。更に、最新のカセットチェンジコーターを揃えたテスト用クリーンパイロットコーターで、顧客との共同研究開発を行っております。
なお、当期の研究開発活動に要した費用は、総額59百万円となりました。