(1) 業績
当事業年度における経済情勢は、年度前半は国内外において総じて堅調な状況にて推移しましたが、年度後半になるにつれて、中国経済の変調や原油価格の下落など様々な経済指標に変調の兆しが現れ、新年を迎えた後は日本株式が大幅に下落すると共に円高傾向に転ずるなど、景気の現状はやや厳しく、今後の先行き見通しも急速に不透明さを増してきております。
その様な経済環境下において、当社の製造する木工機械の設備投資動向と関連の深い新設住宅着工戸数は、近年にない低金利政策の追い風もあり、前年度比1.9%増の90万9299戸となり、2年ぶりのプラスへ転じたものの、その絶対数では過去の実績と比較すると未だ低水準に留まっております。
また、工作機械関連では、日本工作機械工業会の2015年度の会員会社の受注統計は、3年ぶりに前年実績を下回り前年度比11.4%減の1兆4000億円弱となりました。その要因としては、スマートフォンを量産する新興国関連や資源安によるエネルギー関連など輸出の落ち込みが顕著であり、比較的堅調な内需も、消費税の再引き上げに伴う個人消費減退への警戒感と共に、新たな政府補助金の採択を見越した買い控え傾向が見られます。
このような中、当社は木工機械・工作機械メーカーとして、業績に関連の深い産業分野の製造工程において顧客の企業価値を高めるべく、魅力ある製品の開発・販売を積極的に推進して参りました。
その結果として、売上高は、前年度比4.7%減の4,360,862千円(うち輸出1,700,164千円 全売上高の39.0%)と、2年ぶりの減収となりました。
なお、機種分類別の内訳と致しましては、木工機械については大規模プラント工事の反動減もあり、前年度比35.0%減の2,097,994千円(うち輸出810,588千円)となりましたが、工作機械については自動車関係や航空機関連など国内外共に堅調な需要があり、前年度比67.5%増の2,262,867千円(うち輸出889,575千円)となりました。
なお、損益面につきましては、営業利益498,077千円(前年度501,487千円)、経常利益518,540千円(前年度592,615千円)、当期純利益377,335千円(前年度464,400千円)と、それぞれ2年ぶりの減益となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,246,475千円となり、前事業年度末より112,431千円増加しました。
当事業年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果として得られた資金は前事業年度より165,405千円減少し、283,172千円となりました。これは主に、法人税等の支払額及び役員退職慰労引当金並びに前受金の減少があったものの、税引前当期純利益の計上、売上債権の減少により資金が増加したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果として使用した資金は前事業年度より538,034千円減少し、80,916千円となりました。これは主に、定期預金の増加による資金の減少及び有形固定資産の取得による支出であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果として使用した資金は前事業年度より38,044千円増加し、75,621千円となりました。これは主に、配当金の支払額によるものであります。
(1)生産実績
当事業年度の生産実績は次のとおりであります。
|
種別 |
数量(台) |
金額(千円) |
前期比(%) |
|
木工機械 |
43 |
1,187,695 |
△44.7 |
|
工作機械 |
81 |
2,044,031 |
+103.7 |
|
合計 |
124 |
3,231,726 |
+2.6 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.生産実績の中には部品と転売品の販売高は含まれておりません。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当事業年度の受注状況は次のとおりで、輸出分(商社を経由するものを含む)は( )内の内数で示しております。
なお、輸出受注の主な相手先は中国、ロシア、インドネシアなどであります。
|
種別 |
受注高 |
受注残高 |
||||
|
数量 (台) |
金額(千円) |
前期比 (%) |
数量 (台) |
金額(千円) |
前期比 (%) |
|
|
木工機械 |
(14) 50 |
(837,280) 2,310,486 |
(+106.9) +6.0 |
(4) 22 |
(153,843) 702,093 |
(+21.0) +43.4 |
|
工作機械 |
(28) 65 |
(540,863) 1,556,355 |
(△28.6) △29.7 |
(3) 21 |
(70,200) 488,350 |
(△83.2) △59.1 |
|
合計 |
(42) 115 |
(1,378,143) 3,866,841 |
(+18.5) +12.0 |
(7) 43 |
(224,043) 1,190,443 |
(△60.0) △29.3 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.輸出受注高の総受注高に対する割合は、35.6%であります。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。
|
種別 |
数量(台) |
金額(千円) |
前期比(%) |
|
木工機械 |
(13) 41 |
(810,588) 2,097,994 |
(+161.1) △35.0 |
|
工作機械 |
(43) 83 |
(889,575) 2,262,867 |
(+53.3) +67.5 |
|
合計 |
(56) 124 |
(1,700,164) 4,360,862 |
(+134.3) △4.7 |
(注)1.( )内は輸出に係るものを内数で示しております。
2.最近2事業年度における輸出販売高及び輸出割合は、次のとおりであります。
|
前事業年度 |
当事業年度 |
||
|
自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日 |
自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日 |
||
|
輸出販売高(千円) |
輸出割合(%) |
輸出販売高(千円) |
輸出割合(%) |
|
725,481 |
15.8 |
1,700,164 |
39.0 |
3.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 |
当事業年度 |
||
|
自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日 |
自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日 |
|||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社さつまファインウッド |
510,119 |
11.1 |
- |
- |
|
沖機械株式会社 |
493,925 |
10.8 |
- |
- |
(注)損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
4.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当社は、適切な技術開発を継続することが、地球環境改善と豊かなライフスタイルの両立に寄与すると信じ、顧客業界のニーズを的確に汲み取った扱いやすくかつ安全な製品の開発・製造に努め、顧客の満足と社会の信頼を得るべきであると認識しております。
木工機械においては、国内の人口減少に伴う住宅着工減が大きな懸念材料ですが、木材が持続可能な環境にやさしい資源である事から、公共建築物や東京オリンピック・パラリンピックを控えた大型スポーツ施設等にも、新たな建築構造材としての活用の可能性が広がりつつ有り、一方で再生可能エネルギーとしてのバイオマス活用も各地で大きく動きつつ有り、これらの動向を先取りしての技術開発を進めて参ります。
また、工作機械においては、世界の新興国にも広く波及する自動車産業、次世代型素材を採用して規模を拡大しつつある航空機産業、次々に技術的イノベーションが図られるIT機器や家電関連産業などにも、当社機械の活用の可能性を模索して参ります。
製造面においては、国際競争力の観点から有効である新工場に対し、新型設備の導入を進めると共に、積極的な人材獲得及び教育訓練を通じた人材育成を実施し、熟練技術者の技能の継承についても取り組んでおります。また、国内の顧客や取引先は勿論のこと、経済活動の更なるグローバル化に対応できる、国際的に信頼・協力し合えるネットワーク作りにも積極的に取り組んで参ります。
さらには、企業の社会的な責任を強く自覚して、コンプライアンス体制の構築と確実な運用に努めて参ると共に、将来に向けての適切な設備投資を実施しながらも、保有資産の一層の効率的な活用を進めて参ります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
これらの中には、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在(平成28年6月30日)において判断したものであります。
(1) 景気変動のリスク
当社の事業に関連の深い各種製造業の業績推移は、それぞれ景気や税制などの政策あるいは国際的な動向に大きく左右されます。それらによって個人消費が低迷する局面においては、設備投資の動向に強く悪影響を及ぼし、結果として当社の業績が下振れする可能性があります。
(2) 海外活動でのリスク
当社製造機械の輸出取引は、円建てのみならずドル建てやユーロ建てで行われることもあり、為替レートが大幅な円高基調で推移した場合には、販売価格や国際競争力の下落あるいは為替差損などの要因となり、ひいては業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、国際的テロの勃発や周辺国との紛争あるいは国家レベルでの財政危機など輸出先国の政治・経済情勢が悪化した場合も、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 債権の貸倒リスク
当社は、販売先に対しての売上債権に掛かる貸倒リスクを有していると認識しております。当該リスクに備えるべく、内部統制システムに基づいた与信管理を実施すると共に、貸倒実績率及び個別に回収可能性を勘案し、貸倒引当金を設定しておりますが、将来において急速な経済状態の悪化等により予測を超える状況が生じた場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 災害発生リスク
当社は、東日本大震災を教訓として、地震や台風などの大規模自然災害による事業継続リスクを軽減するために、2012年5月に伊勢市内の高台に立地する新工場に生産に係わる主力設備の多くを集結しましたが、その他にも感染症の蔓延など予想しがたい大規模災害が発生した場合などは、自社や顧客による生産活動の制限または中断が余儀なくされ、それが業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 期間業績の変動リスク
当社製造機械は、プラント設備の一部を構成することも多く、国内外において工場建設計画の遅延や生産活動の中断などの顧客の事情により、一定期間の出荷遅延や受注キャンセルが発生する場合があります。その場合は、これらの案件が年間売上高に占める構成比が高いため、期間業績が当初見込みから大きく変動する可能性があります。
技術援助契約の概要
当社は昭和42年7月25日付外資法認6034号をもって、研削機械に関し、米国タイムセーバーズ・インコーポレーテッドと技術援助契約を締結しております。
技術援助を受けている契約の概要は次のとおりであります。
|
相手方 |
契約機器 |
契約の内容 |
販売地域 |
契約の対価 |
契約期間 |
|
タイムセーバーズ・インコーポレーテッド |
研削機械 |
1.研削機械の製造に関する技術情報の提供 2.上記製品の日本国内における独占的製造権及び販売権 |
独占的販売地域は日本、非独占的販売地域は東南アジア諸国及び、ロシア、韓国、中国、台湾等 |
技術援助の代償として正味販売価格の一定率を支払う。 |
昭和42年7月25日から平成29年1月1日まで。 |
当社の製品は、素材を切る・削る・磨くの3つが基本技術ですが、従来の木質材料のみならず、加工対象物として多くの新素材があるために、従来の加工技術では解決できない課題も存在しております。従って、各種新素材の加工技術を研究すると同時に、これらに対しても、保有技術を応用して取引先にも協力を仰ぎ、顧客業界のニーズにマッチした開発を行っております。
当事業年度における研究開発費の総額は20,891千円で、製品種類別の研究開発活動並びにその金額は次のとおりであります。
(1) 木工機械
木質資源の有効活用を充実させるための新しい要素技術の開発を行いました。
当該研究開発費は8,450千円であります。
(2) 工作機械
次世代型素材が使用される航空機産業、また、鉄道車輛産業、自動車産業向け等のNC加工機の要素技術の開発を行いました。
当該研究開発費は12,441千円であります。
当事業年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。これらの中には、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在(平成28年6月30日)において判断したものであります。
(1) 財政状態の分析
当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ541,907千円減少し、9,794,520千円となりました。これは主に、現金及び預金が142,431千円増加したものの、受取手形及び売掛金が536,671千円、本社工場の一部解体及び減価償却により有形固定資産が118,241千円並びに株価下落により投資有価証券が128,985千円それぞれ減少したことなどによるものであります。
負債につきましては、前事業年度末に比べ761,116千円減少し、1,896,786千円となりました。これは主に、前受金が128,666千円、未払法人税等が195,589千円、未払消費税等が108,559千円並びに役員退職慰労引当金が168,990千円それぞれ減少したことなどによるものであります。
また、純資産につきましては、前事業年度末に比べ219,208千円増加し、7,897,733千円となりました。その結果、自己資本比率は80.6%となりました。
(2) 経営成績の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載したとおりであります。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載したとおりであります。