(1) 業績
当事業年度における我が国の経済情勢は、企業業績は緩やかに改善し、個人消費は底堅く緩やかな景気回復基調のもとで推移いたしました。当社製品に関連の深い各種指標を見てみますと、国土交通省が発表した2016年の新設住宅着工戸数は、低金利政策の恩恵を受けて2年連続の増加の96万戸超となるなど堅調な状況が続きました。しかしながら、日本工作機械工業会による2016年度の工作機械受注額は前年比7.9%減の1兆2,891億円となるなど、ものづくり産業全般の設備投資動向については、やや厳しい環境下におかれております。
一方で海外におきましては、年度前半は英国のEU離脱などの不安定要因があったものの、大きなサプライズとなった米国の大統領選挙の結果を受けて、全般的には世界的に景気状況に改善の兆しが現れつつあります。
このような環境のもと、当事業年度における売上高は、前年比5.6%減の4,115,823千円(うち輸出1,060,577千円 全売上高の25.8%)と2年連続の減収となりました。なお、機種分類別の内訳と致しましては、木工機械については大型案件の堅調な需要があり、前年比30.0%増の2,728,073千円(うち輸出673,860千円)となりましたが、工作機械については海外市場の落ち込みや航空機関連等の低迷により、前年比38.7%減の1,387,750千円(うち輸出386,717千円)となりました。
しかしながら損益面では、生産性の向上などにより営業利益524,688千円(前年度は498,077千円)、経常利益579,365千円(前年度は518,540千円)、当期純利益474,426千円(前年度は377,335千円)となり、それぞれ2年ぶりの増益となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,471,055千円となり、前事業年度より224,579千円増加しました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は,次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果として得られた資金は、前事業年度より32,698千円増加し、315,871千円となりました。これは主に、仕入債務の減少があったものの、税引前当期純利益の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果として使用した資金は、前事業年度より46,899千円減少し、34,017千円となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入があったものの、有形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果として使用した資金は、前事業年度より12,849千円減少し、62,772千円となりました。これは主に、自己株式の売却による収入があったものの、自己株式の取得による支出及び配当金の支払額によるものであります。
(1)生産実績
当事業年度の生産実績は次のとおりであります。
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種別 |
数量(台) |
金額(千円) |
前期比(%) |
|
木工機械 |
70 |
1,869,938 |
+57.4 |
|
工作機械 |
49 |
1,107,618 |
△45.8 |
|
合計 |
119 |
2,977,556 |
△7.9 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.生産実績の中には部品と転売品の販売高は含まれておりません。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当事業年度の受注状況は次のとおりで、輸出分(商社を経由するものを含む)は( )内の内数で示しております。
なお、輸出受注の主な相手先は中国、ロシア、インドネシアなどであります。
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種別 |
受注高 |
受注残高 |
||||
|
数量 (台) |
金額(千円) |
前期比 (%) |
数量 (台) |
金額(千円) |
前期比 (%) |
|
|
木工機械 |
(12) 60 |
(569,016) 2,349,579 |
(△32.0) +1.7 |
(2) 11 |
(49,000) 323,600 |
(△68.1) △53.9 |
|
工作機械 |
(22) 50 |
(505,157) 1,355,400 |
(△6.6) △12.9 |
(9) 19 |
(188,640) 456,000 |
(+168.7) △6.6 |
|
合計 |
(34) 110 |
(1,074,174) 3,704,980 |
(△22.1) △4.2 |
(11) 30 |
(237,640) 779,600 |
(+6.1) △34.5 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.輸出受注高の総受注高に対する割合は、29.0%であります。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。
|
種別 |
数量(台) |
金額(千円) |
前期比(%) |
|
木工機械 |
(14) 71 |
(673,860) 2,728,073 |
(△16.9) +30.0 |
|
工作機械 |
(16) 52 |
(386,717) 1,387,750 |
(△56.5) △38.7 |
|
合計 |
(30) 123 |
(1,060,577) 4,115,823 |
(△37.6) △5.6 |
(注)1.( )内は輸出に係るものを内数で示しております。
2.最近2事業年度における輸出販売高及び輸出割合は、次のとおりであります。
|
前事業年度 |
当事業年度 |
||
|
自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日 |
自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日 |
||
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輸出販売高(千円) |
輸出割合(%) |
輸出販売高(千円) |
輸出割合(%) |
|
1,700,164 |
39.0 |
1,060,577 |
25.8 |
3.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
4.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営方針
当社は、適切な技術開発を継続することが、地球環境改善と豊かなライフスタイルの両立に寄与すると信じ、顧客業界のニーズを的確に汲み取った扱いやすくかつ安全な製品の開発・製造に努め、顧客の満足と社会の信頼を得るべきであると認識しております。
当社は、1897年に日本で初めての木工機械を発売して以来、120年の歴史を持つ木工機械及び工作機械の製造メーカーであり、技術開発並びに顧客サービスを重視した堅実経営に徹して参りました。
経営方針としては、会社を人間に例えて『心』・『技』・『体』の三本柱と見立てた上で、それぞれ会社運営を支える『内部統制方針』・『品質方針』・『安全衛生方針』と位置付けております。
2017年度は、企業活動の根本的リスクとして、安全がすべてにおいて最優先される事を明確にして、経営方針を『体』・『技』・『心』の順列で以下の通り定め、年度初日に社内浸透を行いました。
-2017年度経営方針-
”Yes,we will!”
~人と自然にやさしい技術~
Safety First ―安全はすべてに最優先される―
安全衛生方針(体)
心身ともに、健康管理に努め、安全作業で『ゼロ災害』を必達しよう!
品質方針(技)
『自らが顧客なら欲しい』、そんな高品質なものづくりを実現しよう!
内部統制方針(心)
社会から信頼を得られる様に、自らが『誇り』を持てる組織運営をしよう!
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、経営の効率化と製品の高付加価値化を推し進めることにより、年度当初に掲げる売上・利益目標の必達を目指すことが、企業価値及び株主価値を向上させるために最重要であると認識しており、その達成を重要な経営指標としております。
そして、それぞれの方針を毎年見直すと共に、全社において各部署がそれぞれの達成すべき目標を明確にした上で、定期的に毎月マネジメントレビューを実施することにより、その進捗をしっかり管理して、問題点の解決及び有効性の継続的改善に積極的に取り組む体制を構築しております。
(3)会社の経営環境及び対処すべき課題
近年は、時代の変化に伴い、顧客のご要望がますます多様化すると同時に、その水準が向上しております。当社は、変化に対応した適切な技術開発を継続することにより、当社の強みを発揮できると信じており、日本国内のみならず世界各国の動向を随時注視して、地球環境改善と豊かなライフスタイルの両立に寄与するべく、顧客業界のニーズを的確にくみ取った、扱いやすくかつ安全な製品の開発・製造に努め、顧客の満足と社会の信頼を得るべきであると認識しております。
こういった、経営環境下において、対処すべき課題としては、まずは当社独自のものづくりに対する理解を社内外にしっかりと伝達し、グローバル経済を視野に入れた上で、これを支える人材の確保及び育成をして行きます。
その上で、木工機械においては、国内の人口減少に伴う住宅着工減が大きな懸念材料ですが、木材が持続可能な環境にやさしい資源であることから、東京オリンピック・パラリンピックを控えた大型スポーツ施設等の公共建築物にも、新たな建築材料としての活用の可能性が広がりつつあり、一方で再生可能エネルギーとしてのバイオマス活用も各地で大きく広がりつつあり、これらの動向を先取りした技術開発を心掛けて行きます。
また、工作機械においては、世界の新興国にも広く波及する次世代型を見据えた自動車産業、世界中において需要が確実に増大すると見込まれると共に、国内においても産業基盤の拡大が期待される航空機産業、ロボットに代表されるものづくりの技術イノベーションを図る各種IT関連産業などに、当社製機械活用の可能性を模索して行きます。
さらに、製造面においては、国際競争力の観点から有効である工場運営を常に心掛け、新型設備の導入を積極的に進めると共に、教育訓練を含む製造効率の改善に努めながら、熟練技術者の技能の継承についても取り組んで行きます。
さらには、社外においても、当社の考え方に共鳴して下さり、信頼・協力し合える国際的なネットワーク作りにも積極的に取り組んで行きます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
これらの中には、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在(平成29年6月30日)において判断したものであります。
(1) 景気変動のリスク
当社の事業に関連の深い各種製造業の業績推移は、それぞれ景気や税制などの政策あるいは国際的な動向に大きく左右されます。それらによって個人消費が低迷する局面においては、設備投資の動向に強く悪影響を及ぼし、結果として当社の業績が下振れする可能性があります。
(2) 海外活動でのリスク
当社製造機械の輸出取引は、円建てのみならずドル建てやユーロ建てで行われることもあり、為替レートが大幅な円高基調で推移した場合には、販売価格や国際競争力の下落あるいは為替差損などの要因となり、ひいては業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、国際的テロの勃発や周辺国との紛争あるいは国家レベルでの財政危機など輸出先国の政治・経済情勢が悪化した場合も、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 債権の貸倒リスク
当社は、販売先に対しての売掛債権に掛かる貸倒リスクを有していると認識しております。当該リスクに備えるべく、内部統制システムに基づいた与信管理を実施すると共に、貸倒実績率及び個別に回収可能性を勘案し、貸倒引当金を設定しておりますが、将来において急速な経済状態の悪化等により予測を超える状況が生じた場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 災害発生リスク
当社は、東日本大震災を教訓として、地震や台風などの大規模自然災害による事業継続リスクを軽減するために、2012年5月に伊勢市内の高台に立地する新工場に生産に係わる主力設備の多くを集結しましたが、その他にも感染症の蔓延など予想しがたい大規模災害が発生した場合などは、生産活動の制限または中断を引き起こし、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社工場内の設備機械並びに顧客へ納入する製造機械ともに、大型工作機械が多いために、重篤な労働災害が発生しないように、徹底的な安全教育を講じる必要があります。
(5) 期間業績の変動リスク
当社製造機械は、プラント設備の一部を構成することも多く、国内外において工場建設計画の遅延など顧客の事情による一定期間の出荷遅延が発生する場合があります。その場合は、これらの案件が年間売上高に占める構成比が高いため、当初の期間業績が当初見込みから大きく変動する可能性があります。
技術援助契約の概要
当社は昭和42年7月25日付外資法認6034号をもって、研削機械に関し、米国タイムセーバーズ・インコーポレーテッドと技術援助契約を締結しております。
技術援助を受けている契約の概要は次のとおりであります。
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相手方 |
契約機器 |
契約の内容 |
販売地域 |
契約の対価 |
契約期間 |
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タイムセーバーズ・インコーポレーテッド |
研削機械 |
1.研削機械の製造に関する技術情報の提供 2.上記製品の日本国内における独占的製造権及び販売権 |
独占的販売地域は日本、非独占的販売地域は東南アジア諸国及び、ロシア、韓国、中国、台湾等 |
技術援助の代償として正味販売価格の一定率を支払う。 |
昭和42年7月25日から平成34年1月1日まで。 |
当社の製品は、素材を切る・削る・磨くの3つが基本技術ですが、従来の木質材料のみならず、加工対象物として多くの新素材があるために、従来の加工技術では解決できない課題も存在しております。従って、各種新素材の加工技術を研究すると同時に、これらに対しても、保有技術を応用して取引先にも協力を仰ぎ、顧客業界のニーズにマッチした開発を行っております。
当事業年度における研究開発費の総額は18,334千円で、製品種類別の研究開発活動並びにその金額は次のとおりであります。
(1) 木工機械
木質資源の有効活用を充実させるための新しい要素技術の開発を行いました。
当該研究開発費は9,165千円であります。
(2) 工作機械
次世代型素材が使用される航空機産業、また、鉄道車輛産業、自動車産業向け等のNC加工機の要素技術の開発を行いました。
当該研究開発費は9,168千円であります。
当事業年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。これらの中には、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在(平成29年6月30日)において判断したものであります。
(1) 財政状態の分析
当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ256,714千円増加し、10,051,235千円となりました。これは主に、受取手形が108,123千円及び仕掛品が130,244千円減少したものの、現金及び預金が税引前当期純利益の計上や債権回収等により224,579千円並びに売掛金が283,997千円増加したことなどによるものであります。
負債につきましては、前事業年度末に比べ203,808千円減少し、1,692,978千円となりました。これは主に、未払法人税等が128,096千円及び未払消費税等が79,809千円増加したものの、支払手形が164,568千円及び買掛金が85,697千円並びに前受金が114,858千円減少したことなどによるものであります。
また、純資産につきましては、前事業年度末に比べ460,523千円増加し、8,358,256千円となりました。その結果、自己資本比率は83.2%となりました。
(2) 経営成績の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載したとおりであります。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載したとおりであります。