文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営方針
当社の経営方針としては、会社に求められるあるべき姿を人間にたとえて『心』・『技』・『体』の三本柱とした上で、それぞれが会社運営を支える『内部統制方針』・『品質方針』・『安全衛生方針』と位置付けております。
2019年度は、企業活動において、安全がすべてにおいて最優先される事を明確にして、経営方針を『体』・『技』・『心』の順列とした上で、以下の様な図によって、「全員参加」の意識を共有すべく、事業年度初日である2019年4月1日に社内で方針発表会を開いてその浸透を図りました。
※:5Sとは、整理・整頓・清掃・清潔・しつけ
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、経営の効率化と製品の高付加価値化を推し進めることにより、決算発表において業績予想として掲げる売上・利益目標の必達を目指す事が、企業価値及び株主価値を向上させるために重要であると認識しており、その達成を社内において共有しうる重要な経営指標としております。
また、上記(1)の会社の経営方針を達成するために、経営層から社員一人一人に至るまで、部署別並びに個人別に目標を設定の上、毎月マネジメントレビューを実施することにより、その進捗をしっかり管理して、問題点の解決及び有効性の継続的改善に積極的に取り組む体制を構築しております。
(3)会社の経営環境及び対処すべき課題
近年は、時代の変化に伴い、顧客のご要望がますます多様化すると同時に、その水準が向上しております。当社は、変化に対応した適切な技術開発を継続することにより、当社の強みを発揮できると信じており、日本国内のみならず世界各国の動向を随時注視して、地球環境改善と豊かなライフスタイルの両立に寄与するべく、扱いやすくかつ安全な製品の開発・製造に努め、顧客の満足と社会の信頼を得るべきであると認識しております。
こういった中、まずはグローバル経済を視野に入れ、業務推進を行う人材の確保及び育成をして参ります。その上で、木工機械においては、国内の人口減少に伴う住宅着工減が大きな懸念材料ですが、木材が持続可能な環境にやさしい資源であることから、住宅産業に留まらず各種公共建築物にも、新たな建築材料としての活用の可能性が広がりつつ有り、一方で再生可能エネルギーとしてのバイオマス活用や日本の木材製品の輸出への動きも広がりつつあり、これらの動向を先取りした技術開発を心掛けて参ります。
また、工作機械においては、世界の新興国にも広く波及する次世代型を見据えた自動車産業、国内において産業基盤の拡大が期待される航空機産業、ロボットに代表されるものづくりの技術イノベーションを図る各種IT関連産業などに、当社製機械活用の可能性を模索して参ります。
さらに、製造面においては、国際競争力の観点から効率的かつ先進的な工場運営を常に心掛け、新型設備や新しい発想のソフトウェアの導入を積極的に進めるとともに、教育訓練と並行しての技能の継承についても取り組んで参ります。
さらには、社外においても、当社の考え方に共鳴して下さり、信頼・協力し合える国際的なネットワーク作りにも積極的に取り組んで参ります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
これらの中には、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在(2019年6月28日)において判断したものであります。
(1) 景気変動のリスク
当社の事業に関連の深い各種製造業の業績推移は、それぞれ景気や税制などの政策あるいは国際的な動向に大きく左右されます。それらによって個人消費が低迷する局面においては、設備投資の動向に強く悪影響を及ぼし、結果として当社の業績が下振れする可能性があります。
(2) 海外活動でのリスク
当社製造機械の輸出取引は、為替レートが大幅な円高基調で推移した場合には、販売価格や国際競争力の下落あるいは為替差損などの要因となり、ひいては業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、国際的テロの勃発や周辺国との紛争あるいは国家レベルでの財政危機など輸出先国の政治・経済情勢が悪化した場合も、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 債権の貸倒リスク
当社は、販売先に対しての売掛債権に掛かる貸倒リスクを有していると認識しております。当該リスクに備えるべく、内部統制システムに基づいた与信管理を実施するとともに、貸倒実績率及び個別に回収可能性を勘案し、貸倒引当金を設定しておりますが、将来において急速な経済状態の悪化等によりその想定が現実のものとなってしまった場合などは、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 災害発生リスク
当社は、東日本大震災を教訓として、地震や台風などの大規模自然災害による事業継続リスクを軽減するために、2012年5月に伊勢市内の高台に新たに工場を建設し、生産に係わる主力設備の多くを集結しましたが、その他にも感染症の蔓延など予想しがたい大規模災害が発生した場合などは、生産活動の制限または中断を引き起こし、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社工場内の設備機械並びに顧客へ納入する製造機械ともに、重篤な労働災害が発生しないように、平素から徹底的な予防安全教育を講じる必要があると認識しております。
(5) 期間業績の変動リスク
当社製造機械は、プラント設備の一部を構成することも多く、国内外において工場建設計画の遅延など顧客の事情による一定期間の出荷遅延が発生する場合があります。その場合は、これらの案件が年間売上高に占める構成比が高いため、当初の期間業績が当初見込みから大きく変動する可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度(2018年4月1日~2019年3月31日)におけるわが国の経済情勢は、2018年末には日経平均株価の終値が7年振りに下落するなど、年度後半には景気拡大基調に変調の兆しがありながらも、全般的には好調な企業業績による積極的な設備投資や雇用情勢の改善を背景に、幅広い業種にて緩やかな回復基調にて推移致しました。
一方海外の経済情勢に目を転じますと、米国と中国の間での貿易摩擦問題や英国のEU離脱問題などの不安定要因により、急速に先行き不透明感が強まって来ております。
当社が製造する機械群と関連の深い業界動向に着目しますと、木工機械につきましては、林野庁が発表しました直近の国産材自給率が36%と7年連続上昇しましたが、国土交通省が発表しました2018年の新設住宅着工戸数は約94万戸と2年連続の減少となりました。
また、工作機械につきましては、日本工作機械工業会による2018年の暦年受注は前年比10%増の1兆8,157億円と2年連続過去最高を記録しました。
このような事業環境のもとにおいて、顧客の新工場建設などの大型案件のおかげもあり総じて仕事量に恵まれ、また各種資材の長納期化に対しての適切な対策を講じた事も奏功した結果、売上高につきましては木工機械が前年比84.6%増の4,877,565千円(うち輸出1,139,709千円)、工作機械が前年比88.0%増の2,562,738千円(うち輸出1,792,943千円)となり、これを合計しますと前年比85.8%増の7,440,303千円(前年度は4,005,263千円)と4年ぶりの増収となりました。
これに伴い損益面では、営業利益1,840,000千円(前年度は387,301千円)、経常利益1,922,393千円(前年度は431,586千円)、当期純利益1,500,441千円(前年度は425,238千円)となり、それぞれ2年振りの増益となるとともに、営業利益と経常利益につきましては、27年振りに過去最高を更新する事が出来ました。
財政状態につきましては、当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ1,434,913千円増加し、12,704,934千円となりました。
これは主に、投資有価証券が261,934千円減少したものの、現金及び預金が991,587千円並びに売掛金が568,281千円それぞれ増加したことなどによるものであります。
負債につきましては、前事業年度末に比べ271,248千円増加し、2,670,276千円となりました。
これは主に、前受金が346,836千円及び繰延税金負債が276,581千円減少したものの、未払法人税等が522,144千円及び買掛金が146,783千円それぞれ増加したことなどによるものであります。
また、純資産につきましては、前事業年度末に比べ1,163,664千円増加し、10,034,657千円となりました。その結果、自己資本比率は79.0%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、3,381,694千円となり、前事業年度より363,587千円増加しました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は,次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果として得られた資金は、1,209,389千円(前年同期は1,029,554千円の獲得)となりました。これは主に、売上債権の増加及び前受金の減少による資金の減少があったものの、税引前当期純利益の計上及び仕入債務の増加などにより資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果として使用した資金は、691,416千円(前年同期は598,978千円の獲得)となりました。これは主に、定期預金の預け入れによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果として使用した資金は、171,875千円(前年同期は64,670千円の使用)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出及び配当金の支払額によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績は次のとおりであります。
|
種別 |
数量(台) |
金額(千円) |
前期比(%) |
|
木工機械 |
86 |
2,996,637 |
+77.6 |
|
工作機械 |
79 |
2,014,819 |
+54.7 |
|
合計 |
165 |
5,011,456 |
+67.6 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.生産実績の中には部品と転売品の販売高は含まれておりません。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当事業年度の受注状況は次のとおりで、輸出分(商社を経由するものを含む)は( )内の内数で示しております。
なお、輸出受注の主な相手先は中国、インドネシア、韓国などであります。
|
種別 |
受注高 |
受注残高 |
||||
|
数量 (台) |
金額(千円) |
前期比 (%) |
数量 (台) |
金額(千円) |
前期比 (%) |
|
|
木工機械 |
(9) 64 |
(325,179) 2,994,783 |
(△75.8) △35.5 |
(5) 11 |
(113,500) 444,170 |
(△87.8) △80.9 |
|
工作機械 |
(70) 96 |
(1,766,063) 2,732,108 |
(+56.7) +35.3 |
(24) 45 |
(609,500) 1,281,300 |
(△4.2) +15.2 |
|
合計 |
(79) 160 |
(2,091,243) 5,726,891 |
(△15.3) △14.1 |
(29) 56 |
(723,000) 1,725,470 |
(△53.8) △49.8 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.輸出受注高の総受注高に対する割合は、36.5%であります。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。
|
種別 |
数量(台) |
金額(千円) |
前期比(%) |
|
木工機械 |
(20) 87 |
(1,139,709) 4,877,565 |
(+146.4) +84.6 |
|
工作機械 |
(71) 87 |
(1,792,943) 2,562,738 |
(+164.0) +88.0 |
|
合計 |
(91) 174 |
(2,932,653) 7,440,303 |
(+156.9) +85.8 |
(注)1.( )内は輸出に係るものを内数で示しております。
2.最近2事業年度における輸出販売高及び輸出割合は、次のとおりであります。
|
前事業年度 |
当事業年度 |
||
|
自 2017年4月1日 至 2018年3月31日 |
自 2018年4月1日 至 2019年3月31日 |
||
|
輸出販売高(千円) |
輸出割合(%) |
輸出販売高(千円) |
輸出割合(%) |
|
1,141,715 |
28.5 |
2,932,653 |
39.4 |
3.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
4.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積もり
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積もりを必要とします。経営者は、これらの見積もりについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積もり特有の不確実性があるため、これらの見積もりと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況 1財務諸表等 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の経営成績は、前年度後半に国内においてプラント受注が行えたことなどにより、年間を通して工場の稼働率が極めて高い水準を継続できたことと、機械製作に必要な長納期部品を含める納期管理に努めました結果、売上高につきましては、年度当初の予想額60憶円を上回る74憶4千万円となり、近年にない好業績を残すことが出来ました。また、営業利益につきましても、年度当初の予想額7憶5千万円を大幅に上回る18憶4千万円となりました。これは主に生産性の向上並びに顧客を始めとします関係先の皆様のおかげであると深く感謝をしております。
一方で事業年度後半には、木工機・工作機ともに受注状況が厳しさを増した為に、次年度のスタートについては課題や不安の残る状況となったと評価しておりますので、新年度には引き続き商品開発から顧客対応に至るまで、新たな気持ちで取り組んで行く所存です。
今後につきましては、政府の推進する働き方改革への積極的な対応を心掛けることにより、社員にとりましても、健康的でかつ明るく信頼の置ける会社づくりに努めて参りたいと思っております。
また、当社の120年を越える堅実経営の結果として、現時点において資本の財源及び資金の流動性については充分に安全な水準を確保しており、大きく懸念する状況にはないと判断しております。
なお、当事業年度末の財政状態につきましては、(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりであります。
また、当事業年度のキャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
技術援助契約の概要
当社は1967年7月25日付外資法認6034号をもって、研削機械に関し、米国タイムセーバーズ・インコーポレーテッドと技術援助契約を締結しております。
技術援助を受けている契約の概要は次のとおりであります。
|
相手方 |
契約機器 |
契約の内容 |
販売地域 |
契約の対価 |
契約期間 |
|
タイムセーバーズ・インコーポレーテッド |
研削機械 |
1.研削機械の製造に関する技術情報の提供 2.上記製品の日本国内における独占的製造権及び販売権 |
独占的販売地域は日本、非独占的販売地域は東南アジア諸国及び、ロシア、韓国、中国、台湾等 |
技術援助の代償として正味販売価格の一定率を支払う。 |
1967年7月25日から2022年1月1日まで。 |
当社の製品は、素材を切る・削る・磨くの3つが基本技術ですが、従来の木質材料のみならず、加工対象物として多くの新素材があるために、従来の加工技術では解決できない課題も存在しております。従って、各種新素材の加工技術を研究すると同時に、これらに対しても、保有技術を応用して取引先にも協力を仰ぎ、顧客業界のニーズにマッチした開発を行っております。
当事業年度における研究開発費の総額は
(1) 木工機械
木質資源の有効活用を充実させるための新しい要素技術の開発を行いました。
当該研究開発費は7,371千円であります。
(2) 工作機械
次世代型素材が使用される航空機産業、鉄道車輛産業、自動車産業向け等のNC加工機の要素技術の開発を行いました。
当該研究開発費は5,288千円であります。