第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

 また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

 当中間会計期間(2024年4月1日~9月30日)における国際情勢は、利害を異にする国家間の分断が長期化しており、これによるエネルギー資源価格の高騰など、景気下振れリスクを有する不透明な状況にて推移しました。

 また、日本国内におきましては、円安傾向が物価高の大きな要因となりながらも大手企業を中心とした企業業績への追い風にもなっており、人手不足がもたらす雇用や所得環境の改善やインバウンド需要の高まりなどから緩やかな景気回復傾向にて推移しました。

 当社製造機械と関連の深い業界動向に着目しますと、木工機械関連については、国土交通省が公表した2024年9月の新設住宅着工数は5ヶ月連続の減少となり、中でも木造比率の高い持家需要は地域経済の低迷や建築コストの高止まりなどから34ヶ月連続で減少していることも影響して、林野庁が9月末に公表した2023年の木材総需要量は、バイオマス発電施設の新規稼働により燃料材需要は増加したものの、製材や合板などの建築用材需要は2桁台の減少となりました。

 また、工作機械関連については、日本工作機械工業会が発表した2024年9月の受注額は、前年同月比6.5%減の1,252億円と3ヶ月連続の減少となりました。なお、国内向けは引き続き設備投資に慎重な姿勢があり減少が続いておりますが、海外向けは堅調に推移しております。

 このような事業環境のもと、当中間会計期間における売上高は、当社が見込んでいた納入時期の下半期への延期が一部であったために、期初発表水準を下回る17億6,917万円(前年同期比5.3%減)となりました。

 しかしながら損益面では、下半期を見据えた働き方改革に対応した工場稼働率の平準化を推進し製造コストの低減を果たす事が出来たことにより、営業利益2億7,278万円(前年同期は5,529万円の営業損失)、経常利益3億853万円(前年同期は1,453万円の経常損失)とそれぞれ2年振りの黒字転換となり、また中間純利益は2億1,352万円(前年同期は715万円の中間純利益)となりました。

 当中間会計期間末における総資産は、前事業年度末に比べ3億4,317万円減少し、141億8,316万円となりました。

 これは主に、製品が6億6,787万円増加したものの、受取手形及び売掛金が8億109万円減少したことなどによるものであります。

 負債につきましては、前事業年度末に比べ3億3,208万円減少し、24億6,726万円となりました。

 これは主に、前受金が1億9,520万円増加したものの、買掛金が2億2,801万円及び未払法人税等が1億1,008万円それぞれ減少したことなどによるものであります。

 また、純資産につきましては、前事業年度末に比べ1,109万円減少し、117億1,590万円となりました。その結果、自己資本比率は82.6%となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当中間会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、48億4,216万円となり、前期末より1億499万円減少しました。

 当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果として得られた資金は、4,702万円(前年同期は1億7,388万円の獲得)となりました。これは主に、棚卸資産の増加による資金の減少があったものの、売上債権の回収により資金が増加したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果として得られた資金は、374万円(前年同期は5,763万円の獲得)となりました。これは主に、有形固定資産及び投資有価証券の取得による資金の減少があったものの、定期預金の払戻により資金が増加したことによるものであります。

 

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果として使用した資金は、1億5,571万円(前年同期は1億1,139万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払いによるものであります。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

 当中間会計期間において、当社が定めている経営方針について重要な変更はありません。

 また、当社では、経営の効率化と製品の高付加価値化を推し進めることが、企業価値および株主価値を向上させるために重要であると認識しており、毎月開催するマネジメントレビューなどを通じて、その進捗を管理しております。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間会計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

 当社では、製作する木工機械及び工作機械の性能や機能向上につながる様々な研究開発を随時行なっております。

 当中間会計期間における当社の研究開発活動の金額は、4,357万円であります。

 なお、当中間会計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6) 主要な設備

 当社では、自社製品の競争力を向上する上で、工場棟や設備機械の増設や更新を随時行なっております。

 当中間会計期間において、前事業年度末に計画中であった設備の新設・除却等の計画について、重要な変更はありません。

 

(7) 経営成績に重要な影響を与える要因

 木工機械関連では、顕在化している「ウッドショック」により輸入木材から国産木材への建築資材代替の動きが起こっており、環境対策としてもSDGsにおいても指摘されている木質資源の有効活用への重要性からも、資源量が豊富な国産木材の自給率改善に伴う設備需要が期待されます。

 工作機械関連では、世界経済の回復に伴う設備投資動向は力強さを増しており、幅広い産業分野においての人手不足に対応した省力化投資や生産性向上に資する設備需要が期待されます。

 これら重要な影響を与える要因を随時分析しながら、技術・製造面においては国際競争力の向上に向けての研究並びに改善活動に努めると共に、販売面においては市場ニーズに応える顧客提案を引き続き推進して参ります。

 

(8) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社は、会社創立以来127年の歴史において、自社製品の開発に必須である技術研鑽と顧客サービスの向上に一貫して取り組んで参りました。

 現在、当社の業績は厳しい環境下ではありますが、当中間会計期間末において、自己資本比率は82.6%と健全な財務体質を維持しており、資金の流動性についても、現時点において特別な懸念はないものと認識しております。

 

(9) 経営者の問題認識と今後の方針について

 当社は、ものづくり企業として、顧客並びに社員を含む関係者の安全確保と健康維持を企業存続の命運を握る重要課題であると認識すると共に、近年様々な業界で顕在化している不測の事態に直面しないよう、コーポレート・ガバナンスを有効に機能させると共に、株主満足度の向上を目指して行かねばならないと認識しております。

 その上で、業績向上を図る上での当面の課題としては、経済活動の活性化に伴う諸資材の長納期化、エネルギー価格高騰などインフレ環境の進捗に注視し、社員が心をひとつにして顧客の意向をしっかりと受け止めながら取り組んで参ります。

 更に、中長期的には人口減少や労働力の減少に伴うものづくり産業の競争力低下に対して、デジタル技術を統合した設備提案を心掛けるとともに、企業活動の継続的な発展を図って参りたいと思います。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。