文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、舞台設備・遊戯機械・昇降機の開発・設計・据付・メンテナンスを行っていますが、それぞれがニッチな事業分野において他社に勝る長い業歴と経験・知見を有しており、この強みを生かしながら、新たな市場開拓や製品開発に取り組み、世界的にも一段と存在感を高め、「ユニークなグローバル・ニッチ・トップ・カンパニー」を目指してまいります。
(1)基本方針
舞台設備・遊戯機械・昇降機及び保守改修の4部門をコアに、海外展開に一段と注力すると共に、事業提携やM&Aも視野に入れ、新たな事業や顧客の開拓に取り組んでまいります。
グループ各社が持つ豊かな経験と技術力を生かしながら、様々なイノベーション技術も取り込み、高品質かつ魅力的で独創性の高い製品開発に取り組んでまいります。
(2)業績計画
平成28年6月に公表しました中期経営計画での平成31年3月期の連結業績計画は以下のとおりです。
売上高 27,000百万円 経常利益 2,700百万円
経常利益率 10% ROE 6%
(3)経営環境及び対処すべき課題
当社グループを取り巻く経済環境は、国内においては、恒常的な人手不足に伴う労務費・外注費や資材価格などの諸コストの上昇が継続し、また、国外においては、貿易摩擦の拡大や不安定な国際政治情勢による世界経済の不確実性が増していくことが予想されます。
このような環境下、当社グループは働き方改革により、製作・施工といった業務手順の効率化を推し進めるとともに、新卒並びにキャリア採用人数の増加、新規の外注先の確保による生産体制の維持向上に注力しております。また、遊戯機械部門にVekoma Rides B.V.を加え、地理的な分散を図ることにより、世界の各地域での経済成長を的確に捉えて、売上・利益を着実に確保できる体制を構築いたしました。今後、グループ各社間での連携を強力に推し進め、シナジー効果の極大化を目指すとともに、当社グループの持続的な成長と企業価値の向上のため、グループ・ガバナンスの一層の強化にも努めてまいります。
部門別では、遊戯機械部門においては、当社、S&S Worldwide,Inc.、Vekoma Rides B.V.が連携して、名実共に世界ナンバー1の遊戯機械メーカーとして礎を築いてまいります。舞台設備部門においては、新規・既存のお客様のニーズにお応えするのはもちろんのこと、東京オリンピックなどの国際的イベントの開催や、IR関連施設の整備、更には多様なイベントに対応できるアリーナ型施設といった様々なエンターテインメント関連ニーズへの対応に注力してまいります。また、昇降機部門、保守改修部門におきましては、データ分析やIoTはじめ様々なイノベーション技術を取り込み、より快適にお使い頂けるよう製品品質の向上に取組んでまいります。
なお、当社グループでは引き続き全事業部門で徹底した安全対策を実施するとともに、グループの総力を挙げて品質管理の一段の高度化を目指してまいります。
(会社の支配に関する基本方針)
当社は、経営環境の変化や金融商品取引法による大規模買付行為に関する規制が浸透したことに鑑み、平成28年6月29日開催の第66期定時株主総会終結時に有効期間が満了した「大規模買付行為への対応方針」を継続しないこととしました。もっとも、今後大規模買付行為を行おうとする者が現れた場合には、当社は、企業価値及び株主共同の利益を確保する観点から、大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための情報の収集や開示に努めるとともに、関係法令及び当社定款の許容する範囲内において適切な措置を講じてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項として以下のようなものが想定されます。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業環境について
当社グループは、製品製造と保守改修を両輪に安定的かつ継続的な企業価値の向上を図っておりますが、予期せぬ景気変動により計画通りの受注量、売上高、利益などを確保できない場合、あるいは、地震等の大規模災害の発生により生産・物流に混乱が生じる場合などに、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(2)製品の安全性について
当社グループは、遊園地の遊戯設備や劇場・会館などの舞台設備、エレベーターなどを製造・販売し、製品の安全性確保を徹底しておりますが、予期せぬ製品不具合や事故の発生などにより、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(3)グローバル化に潜在するリスク
当社グループは、遊戯設備分野では米国とオランダに主要な連結子会社を有し、またその主要顧客も世界各地にあることから、海外各国固有の規制や法律・税制などの変更、また政治的・社会的リスクなど多様なリスクの顕在化により、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(4)資産に係る減損リスク
当社グループでは、事業用有形固定資産や企業買収に伴うのれん等の無形固定資産などを有しておりますが、予想外の急激な事業・市場環境の変化がある場合に、固定資産の減損会計処理などにより、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、国内では機械器具設置工事業として、建設業法や建築基準法などそれに関連する法令に遵って製品の製造・設置を行っておりますので、関連法令等の改廃や新たな立法などにより、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
当社グループの生産・販売はグローバルに広がっており、連結決算において海外子会社の業績に外国為替変動の影響がでる可能性があります。
また外貨建ての仕入れ・販売・サービスの提供など個別の取引においても、仕入高・販売高に為替変動の影響がでる可能性があります。
これらのリスク軽減のため、為替予約などのヘッジ手段を講じておりますが、急激な為替変動があれば、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、金融機関から借入により資金調達しております。金利水準については、経済合理性などを勘案し金利負担を最小限にとどめるよう配慮しておりますが、金利水準が上昇した場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)保有有価証券に係るリスク
当社グループは、適正な資産運用の観点から、安定的かつ成長性が認められる投資有価証券を保有しておりますが、株式市場全体の大幅な下落が継続した場合などには、保有有価証券に減損損失が発生し、業績に影響を与えるとともに、自己資本比率の低下を招くおそれがあります。
(9) 大規模買付行為に係るリスク
当社は、東京証券取引所市場第二部に上場している公開企業であるため何らかの意図の下に当社株式が大量に取得されるリスクに常に晒されています。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要と分析・検討内容は次のとおりであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
(2)財政状態の状況
資産の部では、流動資産は、前連結会計年度末に比べ12,301百万円増加し35,301百万円となりました。これは主に、Vekoma Rides B.V.(以下「Vekoma社」という。)を子会社化したことにより、受取手形及び売掛金が8,511百万円、未収入金(流動資産その他)が2,943百万円、原材料及び貯蔵品が1,102百万円増加したことによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ13,186百万円増加し30,490百万円となりました。これは主に、Vekoma社を子会社化したことにより、のれんが12,022百万円増加したことによります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ25,488百万円増加し65,792百万円となりました。
負債の部では、流動負債は前連結会計年度末に比べ10,512百万円増加し18,807百万円となりました。これは主に、Vekoma社を子会社化したことにより、支払手形及び買掛金が1,191百万円、未払費用(流動負債その他)が2,183百万円、前受金が3,697百万円、短期借入金及び1年内返済予定の長期借入金が2,888百万円増加したことによります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ13,889百万円増加し、18,392百万円となりました。これは主に、長期借入金が13,773百万円増加したことによります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ24,401百万円増加し37,200百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ1,086百万円増加し28,592百万円となりました。これは主に、利益剰余金が800百万円、その他有価証券評価差額金が234百万円増加したことによります。
(3)経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業業績や雇用環境の改善等を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。一方、世界的な金融緩和政策の出口に向けての動きや、海外の政治情勢への懸念等から、先行きについては不透明な状況です。
このような環境下、当社グループは舞台設備・遊戯機械・昇降機及び保守改修の4部門で業績の向上に取り組んでまいりました。
当期の経営成績につきましては、前期に遊戯機械や舞台改修で大型案件の完工が重なり、当期が受注の間になることから、期初の連結業績予想を減収減益としました。当期の売上高は、27,277百万円(前期比6.3%減)となり、利益面ではVekoma社買収に係るコスト負担や諸経費の増加を吸収し、営業利益は2,211百万円(同31.8%減)、経常利益は2,337百万円(同31.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,398百万円(同37.4%減)と前期対比では減収減益となりましたが、期初の業績予想を上回ることができました。
セグメント別の業績は以下のとおりであります
(売上高は、セグメント間の内部売上を含んでおりません)
製品製造関連
製品製造関連は、遊戯機械において前期に新規のテーマパーク向けや新型コースター等大型案件の完工が重なったこと等から、当期売上高は17,131百万円(同5.9%減)、セグメント利益は、2,022百万円(同25.3%減)となりました。
保守改修関連
保守改修関連は、前期に大型施設の舞台改修案件の完工が重なったことにより、当期売上高は10,062百万円(同7.3%減)、セグメント利益は1,368百万円(同13.6%減)となりました。
その他
管理する遊戯施設の来園者数が増加したことにより、売上高は83百万円(同12.6%増)、セグメント利益は14百万円(前期は10百万円の損失)となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ650百万円減少し10,583百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、579百万円(前連結会計年度は6,808百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益2,409百万円、減価償却費649百万円等であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加552百万円、仕入債務の減少693百万円、前受金の減少882百万円、法人税等の支払2,004百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べて15,992百万円増加し16,128百万円となりました。収入の主な内訳は、投資有価証券の売却及び償還による収入413百万円等であり、支出の主な内訳は、子会社株式の取得による支出15,480百万円、有形固定資産の取得による支出971百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、16,068百万円(前連結会計年度は91百万円の使用)となりました。収入の主な内訳は長期借入れによる収入15,100百万円、短期借入金の純増による収入1,945百万円であり、支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出371百万円、配当金の支払による支出598百万円等によるものであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループでは、大型工事受注の際、支払先行による運転資金需要が発生することがありますが、自己資金により賄っております。また、シンジケート銀行団と30億円のコミットメントライン契約を締結し、流動性リスクに備えております。
(5)生産、受注及び販売の実績
セグメントの「その他」については、受注による生産は行っていないため、a.生産実績、b.受注実績について記載をしておりません。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
製品製造関連 |
17,214,614 |
△5.8 |
|
保守改修関連 |
10,156,866 |
△6.2 |
|
合計 |
27,371,480 |
△6.0 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は販売価格によって算出したものであり、研究開発及び固定資産の製作に係るものは含んでおりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
製品製造関連 |
21,031,759 |
+11.9 |
40,873,328 |
+181.7 |
|
保守改修関連 |
11,549,643 |
+17.3 |
3,271,257 |
+83.3 |
|
合計 |
32,581,402 |
+13.7 |
44,144,585 |
+170.9 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.受注実績における製品製造関連の受注残高の大幅な増加は、Vekoma Rides B.V.を連結の範囲に含めたことによるものであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
製品製造関連 |
17,131,273 |
△5.9 |
|
保守改修関連 |
10,062,618 |
△7.3 |
|
その他 |
83,178 |
+12.6 |
|
合計 |
27,277,070 |
△6.3 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
該当事項はありません。
当社グループは、品質指針を策定し、その実践によって確立される品質水準を「三精品質(SANSEI Quality)」と命名し、顧客指向・品質本位をモットーに、安全で使い勝手の良い製品を作り出すことを目標に研究開発活動を進めております。
当連結会計年度の活動状況は、以下のとおりです。
〈舞台設備〉
新たに自社開発しました「舞台制御基幹システム」の標準化を推し進め、システムの更なる安定化と高速化を図ります。また、中規模施設や会議場向けに価格とサイズを抑えた機能限定版の開発を継続して行い、劇場・会館以外も見据えた市場の拡大を目指します。引き続き、開発時間の短縮と共に機能・技術の積上げを行ってまいります。
〈遊戯機械〉
従来の遊戯施設の乗り物に、新たな要素技術を組み合わせて開発を進めており、試作機による検証試験に取り組んでいます。また、自動運転の技術を取り入れた無軌道ライドの検証試験にも取り組んでいます。加えて、人型変形ロボットの開発は平成29年11月に米国フロリダのIAAPAショーに試作機の映像を公開、その後平成30年4月には試作機完成を公表し、引続き事業化に向けた開発を進めてゆく予定です。
〈昇降機〉
近い将来に制定される予定のJIS基準に適合したエレベーターの試験開発に取り組んでおります。今後、リニューアル工事促進のための制御機器開発を進めてゆく予定です。
なお、当連結会計年度の研究開発費は、375百万円であります。