文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社では2022年度を初年度として策定した3カ年の新中期経営計画において「We Grow,New“*TEAM Sansei”!」をテーマに掲げ、グループ一丸となって一段の進化・成長に注力していきます。コロナ後のグローバルな市場回復と国内の顕在化する大型案件を確実に取り込むことによる既存各事業の一段の成長と、新たな柱となる事業分野への参入・構築の両面に取り組みます。加えて、今後の持続的な成長を支えるための経営基盤の強化を図り、併せて、社会全体で関心が高まる環境保全や社会的課題解決について、成長のための経営課題として積極的に取り組んでいきます。
*TEAM=Theater(舞台)、Elevator(昇降機)、Amusement(遊戯)、Maintenance(保守・改修)
(2)経営環境及び対処すべき課題
2022年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画を新たに策定し、2022年5月に公表いたしました。
① 需要回復に向けた各事業分野での成長戦略
遊戯機械事業においては、当社、S&S社、Vekoma社の3社での事業連携を一段と推進します。特に、最大市場である北米や成長性の高い東アジア・中東での営業力強化、ニーズの見込める分野に絞った新製品開発、などによりグローバルなマーケティングを推進し、回復の兆しが見える遊戯機械市場の需要取り込みを進めていきます。
舞台設備事業においては、テルミックでコンサートやイベントの本格的な回復を捉えた受注獲得に注力する他、デジタル・リモート化技術を活用した新しい演出手法や、IRを展望した大型劇場などに対応するツールやシステムの開発を進め、総合エンターテインメント企業を目指した事業の拡充に取り組みます。
昇降機事業については、保守や改修分野も含めた安定的事業としての位置づけから事業の拡大を図っていきます。加えて、昇降機技術を応用して、産業用やモニュメント・アート系展示物などの新領域向けの製品開発も進めます。
② 新たな柱となる事業分野への参入、構築の検討
既存事業分野の収益性を高めると共に、経済環境の変動に左右されにくい収益基盤の構築を目的に、戦略的な事業提携やM&Aなど、インオーガニックな取り組みによる新たな事業分野への参入を積極的に検討していきます。
③ 経営基盤の強化
サステナブルな企業成長を支えるため、経営基盤への投資、強化に取り組みます。具体的には、業務の生産性向上のため、経営管理に関わる主要システムの抜本的改定と周辺システムの構築に加えて、人材への投資として、多様な視点や価値観を持つ人材の採用・育成の推進、柔軟で働きやすい労働環境の整備、人事制度の見直し、さらに環境問題への対応として、太陽光発電の導入、設計・生産・施工での環境負荷軽減などに取り組んでまいります。
(会社の支配に関する基本方針)
当社は、経営環境の変化や金融商品取引法による大規模買付行為に関する規制が浸透したことに鑑み、2016年6月29日開催の第66期定時株主総会終結時に有効期間が満了した「大規模買付行為への対応方針」を継続しないこととしました。もっとも、今後大規模買付行為を行おうとする者が現れた場合には、当社は、企業価値及び株主共同の利益を確保する観点から、大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための情報の収集や開示に努めるとともに、関係法令及び当社定款の許容する範囲内において適切な措置を講じてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項として以下のようなものが想定されます。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業環境について
当社グループは、舞台設備・遊戯機械・昇降機の3部門をコアに安定的かつ継続的な企業価値の向上を図っておりますが、予期せぬ景気変動や地震、台風などの自然災害、パンデミックの発生などにより、当社グループの設備などが被害を被り、または、受注や生産などの事業活動が停滞した場合などに、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。また、取引先の信用状況に関し常日頃から情報収集に努めておりますが、事業環境の急激な変化などにより、取引先の信用力低下、債務不履行などが生じた場合には、債権回収リスクが発生する可能性があります。
《新型コロナウイルスの感染拡大について》
世界的に流行している新型コロナウイルス感染症に対して、当社グループ全体での事業影響の把握とリスク管理、スライド勤務やテレワークなどの様々な感染防止策に取り組んでおります。ワクチンの普及により国内外で経済活動は徐々に回復傾向を辿るものと見られますが、新たな変異株の出現や人流抑制の状況などにより、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(2)製品の安全性について
当社グループは、遊園地の遊戯機械や劇場・会館などの舞台設備、エレベーターなどを製造・販売し、製品の安全性確保を徹底しておりますが、予期せぬ製品不具合や事故の発生などにより、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(3)グローバル化に潜在するリスク
当社グループは、遊戯機械分野では米国とオランダに主要な連結子会社を有し、またその主要顧客も世界各地にあることから、海外各国固有の規制や税制の変更、経済状況などの変化、また政治的・社会的リスクなど多様なリスクの顕在化により、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(4)資産に係る減損リスク
当社グループでは、事業用有形固定資産や企業買収に伴うのれんなどの無形固定資産などを有しておりますが、予想外の急激な事業・市場環境の変化がある場合に、固定資産の減損会計処理などにより、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、日本国内及び事業展開する各国において、環境、労働、安全衛生、通商・貿易・為替、知的財産、租税、独占禁止法などの経済法規、建設業法や建築基準法などの事業関連法規、その他関連する様々な法令・公的規制の適用を受けております。これら法令・公的規制の改廃や新たな立法などにより、万が一、遵守できなかった場合、課徴金や行政処分を課されるなど業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(6)為替変動に係るリスク
当社グループの生産・販売はグローバルに広がっており、連結決算において海外子会社の業績に外国為替変動の影響が生じる可能性があります。
また外貨建ての仕入れ・販売・サービスの提供など個別の取引においても、仕入高・販売高に為替変動の影響が生じる可能性があります。
これらのリスク軽減のため、為替予約などのヘッジ手段を講じておりますが、急激な為替変動があれば、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、金融機関から借入により資金調達をしております。金利水準については、経済合理性などを勘案し金利負担を最小限にとどめるよう配慮しておりますが、金利水準が上昇した場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)保有有価証券に係るリスク
当社グループの適正な資産運用の観点から、安定的かつ成長性が認められる投資有価証券を保有しており、取引関係の維持・強化等を目的として保有している投資有価証券等については、保有に伴う便益・リスクや企業価値向上に資するか等を定期的に精査し見直しを行っています。
株式市場全体の大幅な下落が継続した場合などには、保有有価証券に減損損失が発生し、業績に影響を与えるとともに、自己資本比率の低下を招くおそれがあります。
(9)大規模買付行為に係るリスク
当社は、東京証券取引所スタンダード市場に上場している公開企業であるため何らかの意図の下に当社株式が大量に取得されるリスクに常に晒されています。
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループは、当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を適用しております。このため、前期と会計処理が異なることから、以下の経営成績に関する説明においては売上高の前期比率(%)を記載せずに説明しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要と分析・検討内容は次のとおりであります。
当連結会計年度につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動の自粛と緩和が繰り返される中で、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られましたが、半導体関連部品の供給不足や原材料価格の上昇、また国際情勢の緊迫化などが加わり、世界経済の先行きは再び不透明な状態となりました。
当社のお取引先である国内外の遊園地やテーマパーク、劇場などのエンターテインメント関連業界では新たな変異株の出現に対応した断続的な人流抑制の影響はありましたが、年度後半において入場者数を段階的に引き上げて運営するなど、徐々に回復の動きが出てきています。
このような環境下、遊戯機械・舞台設備・昇降機の各事業部門で、業績の向上に取り組んでまいりました結果、売上高は34,404百万円、営業利益は1,040百万円(前期比26.9%減)、経常利益は1,880百万円(前期比21.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,448百万円(前期比92.8%増)と増益となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりであります
(売上高は、セグメント間の内部売上を含んでおりません)
遊戯機械
前期の受注高減少の影響を受けて国内外で大型案件の工事が減少したことに加え、海外の一部顧客宛ての債権の回収リスクに対し貸倒引当金の計上を行ったこと、販売管理費も嵩んだことなどから、売上高は15,069百万円、セグメント損失は819百万円(前期はセグメント利益385百万円)となりました。
舞台設備
新設の舞台機構については、前期に大型案件が多数竣工した反動で落ち込みましたが、改修案件については大型案件の工事が順調に進捗したことに加え、コンサート・イベント向けの仮設舞台装置の需要も回復したことなどから、売上高は13,253百万円、セグメント利益は2,093百万円(前期比42.3%増)となりました。
昇降機
前期に受注が積み上がった公共施設や集合住宅用の改修工事が着実に進捗したことに加え、公共施設向け主体に期中の受注・売上が伸長したこと、保守・メンテナンス事業が堅調に推移したことなどから、売上高は6,022百万円、セグメント利益は1,204百万円(前期比28.0%増)となりました。
その他
売上高は58百万円、セグメント損失は20百万円となりました。
財政状態について、資産は、前連結会計年度末に比べ1,036百万円減少し、65,401百万円となりました。これは主に、現金及び預金が2,077百万円増加したことに対し、受取手形、売掛金及び契約資産が2,435百万円、無形固定資産が589百万円、それぞれ減少したことなどによります。
負債は、前連結会計年度末に比べ2,430百万円減少し、32,328百万円となりました。これは主に、契約負債及び前受金が710百万円、未払費用などのその他流動負債が577百万円、それぞれ増加したのに対し、短期借入金が2,292百万円、長期借入金が1,434百万円、それぞれ減少したことなどによります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ1,393百万円増加し、33,073百万円となりました。これは主に、利益剰余金が754百万円、為替換算調整勘定が786百万円、それぞれ増加したことなどによります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ2,077百万円増加し14,192百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べて6,876百万円増加し6,323百万円の収入となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益2,541百万円、売上債権の減少2,891百万円、減価償却費1,016百万円、のれん償却額749百万円、貸倒引当金の増額787百万円などであり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額1,257百万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べて646百万円減少し11百万円の支出となりました。収入の主な内訳は有形固定資産の売却による収入419百万円、投資有価証券の売却による収入395百万円などであり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出345百万円、投資有価証券の取得による支出261百万円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べて7,212百万円増加し4,534百万円の支出となりました。支出の主な内訳は、短期借入金の返済による支出2,432百万円、長期借入金の返済による支出1,369百万円、配当金の支払いによる支出693百万円などであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
セグメントの「その他」については、受注による生産は行っていないため、a.生産実績、b.受注実績について記載をしておりません。また、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおり、前期と会計処理等が異なることから、a.生産実績、b.受注実績(受注残高)及びc.販売実績の前期比率(%)は記載しておりません。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は販売価格によって算出したものであり、研究開発及び固定資産の製作に係るものは含んでおりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループ及びセグメントごとの財政状態及び経営成績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、2022年度を初年度とする3ヵ年の新中期経営計画において、「We Grow,New“TEAM Sansei”!」をテーマに掲げ、グループ一丸となって一段の進化・成長に注力していく方針であり、業績計画として2024年度の目標値を売上高60,000百万円、経常利益6,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益4,000百万円、経常利益率10%、ROE11%としております。
2022年度については、先般公表した業績予想の通り、売上高40,500百万円、経常利益2,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,500百万円を計画しております。
当社としましては、国内外の需要回復を確実に取り込むことによる各事業の一段の成長に加えて、新たな事業分野の構築にも積極的に取り組むことで、中長期の持続的な成長と企業価値の向上に努めてまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動の結果得られた資金が6,323百万円の収入となった一方、投資活動の結果使用した資金が11百万円の支出、財務活動の結果使用した資金は4,534百万円の支出となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は14,192百万円となりました。このキャッシュ・フローによって、長期かつ安定的な配当金の支払いによる株主還元などの財務活動をはじめ、事業拡大に必要な投資活動及び営業活動を賄っております。また、シンジケート銀行団と30億円のコミットメントライン契約を締結し、不測の流動性リスクに備えております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なもの及び新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループは、品質指針を策定し、その実践によって確立される品質水準を「三精品質(SANSEI Quality)」と命名し、顧客指向・品質本位をモットーに、安全で使い勝手の良い製品を作り出すことを目標に研究開発活動を進めております。
当連結会計年度の活動状況は、以下のとおりです。
〈遊戯機械〉
注力してきた無軌道ライドの開発に目途が付いたことから、顧客ニーズに合わせたカスタマイズを進めていきます。テーマパーク・遊園地向けのみならず、大阪・関西万博、IR事業向け、更には博物館・水族館・イベント会場など、用途に応じた製品を提供していく予定です。
また、新事業展開として積極的に取り組んでいる乗用ロボット開発においては、ロボット・ソフトウェア開発事業を手掛けるアスラテック社との協業を進め、人型変形ロボットの開発を完了しました。加えて4足歩行ロボットの開発など同技術を活用した様々な形態のロボットや遊戯機械の開発も手掛けてまいります。
〈舞台設備〉
自社開発の「舞台制御基幹システム」をベースに、多軸制御方式やシミュレーション機能の更なる高機能化に継続して取り組んでおります。従来型の劇場に加えて、万博・IR事業向けなどに対応した新演出システムなど、新たなニーズへの対応に努めてまいります。
また、劇場向け携帯電話などの電波抑止装置については、現行5G対応機種の一段の安定化とコストダウンに取り組み、さらに関連技術を応用し、劇場以外の新たなニーズを視野に入れた製品開発を進めてまいります。
〈昇降機〉
予防保全促進、業務の効率化などを目的に開発していた遠隔監視システムの更新を完了いたしました。これによりエレベーターの運行情報量が増加し、故障予知および予防保全などを推進することが可能となります。
なお、当連結会計年度の研究開発費は、
当社グループは、2022年度を初年度とする新中期経営計画の中で、遊戯機械事業において新製品開発による製品ラインナップの強化及び提案営業の推進を目指すとともに、舞台設備事業ではデジタル化やリモート化に対応した新演出システムの開発強化、昇降機事業では産業用途の搬送・昇降・移動機器に加えて新分野向けの研究開発などに取り組む方針としております。これまで培ってきた技術や開発を進めてきた製品を、事業領域の枠にとらわれずに幅広く応用・展開し、今後も成長領域への投資・研究開発活動をさらに進めてまいります。