第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当事業年度(当期)における当社を取り巻く経営環境は、新興国・資源国経済の減速や先進国経済の下振れリスクが意識されたことに加え、年明け以降の金融市場の動揺にみられるように、先行きの不透明感が強まりました。企業収益の改善を背景とした設備投資は緩やかかつ限定的な回復にとどまり、また価格競争が一層激しくなるなど厳しい環境で推移しました。

このような状況下、当社は全社的な販売支援体制構築による受注量の確保・販売拡大に努めるほか、原価低減による収益の確保に努めてまいりました結果、当事業年度(当期)における売上高は前年同期比11.2%増収の4,518百万円となりました。損益面におきましては、営業利益44百万円(前年同期は営業損失12百万円)、経常利益38百万円(前年同期は経常損失44百万円)、当期純利益15百万円(前年同期は当期純損失8百万円)となり黒字転換を果たすこととなりました。

セグメント別の概況は以下のとおりです。

①製造事業

製造事業の売上高は3,962百万円となりました。引き続き国内の液晶関連真空ポンプの出荷が進み前年同期比12.3%増となりました。

損益面につきましては、利益率の低い機種のウェイトが高まったことに伴いセグメント損失361百万円(前年同期はセグメント損失399百万円)の計上となりました。

売上高を製品別に示しますと、真空ポンプは2,274百万円(前年同期比20.2%増)、送風機・圧縮機は546百万円(前年同期比16.5%減)、部品および修理は1,123百万円(前年同期比15.3%増)の結果となりました。なお、当事業年度末(当期)の受注残高は、前年同期比16.7%増の1,012百万円となっております。

輸出関係におきましては、東南アジア・中国・ロシア向けは伸長したものの前年の大型案件、特にインド向けの反落を補えず、輸出売上高は506百万円(前年同期比13.9%減)となりました。

②不動産事業

オフィスビル賃貸市場の底打ちにより、売上高は556百万円(前年同期比4.1%増)、セグメント利益406百万円(前年同期比5.0%増)の計上となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

当事業年度末における現金及び現金同等物は前事業年度末に比べて105百万円減少し、1,533百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費166百万円、たな卸資産の増加170百万円、仕入債務の増加90百万円等により、38百万円の資金の増加(前年同期は8百万円の資金の減少)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出167百万円等により、84百万円の資金の減少(前年同期比では158百万円減少)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュフローは、長期借入れによる収入1,046百万円、長期借入金の返済による支出905百万円、短期借入金の純増減額200百万円の減少等により、59百万円の資金の減少(前年同期比では9百万円増加)となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

金額には、消費税等は含まれておりません。

(1) 生産実績

当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

製造事業

3,962,247

12.3

不動産事業

-

-

合計

3,962,247

12.3

 

(注)  金額は販売価格によっております。

 

 

(2) 受注実績

当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

製造事業

4,107,381

8.9

1,012,209

16.7

不動産事業

-

-

-

-

合計

4,107,381

8.9

1,012,209

16.7

 

 

 

(3) 販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

製造事業

3,962,247

12.3

不動産事業

556,086

4.1

合計

4,518,333

11.2

 

 

   (注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前事業年度

相手先

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

樫山工業株式会社

1,261,945

31.1

樫山工業株式会社

1,668,779

36.9

東急不動産株式会社

520,368

12.8

東急不動産株式会社

542,116

12.0

 

     金額は販売価格によっております。

 

 

3 【対処すべき課題】

今後の当社を取り巻く経営環境は、景気の本格回復、企業の生産設備投資の活発化が期待されますが、年明け以降の円高・株安による景況感の悪化や消費者マインドの下振れによる個人消費の停滞、海外経済の根強い不透明感が重石となり、足踏み状態が続くものと思われます。

このような環境のもと当社は、「ブロワ・真空ポンプのプロフェッショナルとしてお客様信頼度No.1の企業を目指します」のビジョンのもと、ブロワと真空ポンプを通してお客様に信頼され社会に貢献できる会社であること、お客様の様々なニーズに応えるソリューションを提供出来る会社であること、従業員はプロとしての誇りを持ち、プロに相応しい品質とサービスをお客様に提供できること、を目指しております。以上の目標のもと、安定的な黒字体質の実現に向けた当面の具体策として以下の基本的な課題に地道に取り組んでまいります。

1.全社的な営業体制の強化に取り組みます。

① 顧客・マーケット指向を徹底し、全社として販売を支援する体制を構築します。

② 各製品の競争力を分析し、製品の重点化を図ります。

③ 利益率の高い修理等のアフタービジネスの強化及び顧客満足度の向上に努めます。

2.市場に見合った競争力あるコスト・品質の実現に取り組みます。

① 徹底した納期・品質管理により顧客の信頼性の維持・強化に努めます。

② 徹底したコストダウン、生産体制や資材調達・管理の見直しにより競争力向上と収益の確保に努めます。

3.新生産管理システムの導入に取り組みます。

平成29年度上期稼動予定として生産効率の改善を実現する新生産管理システム導入を計画しており、その 確実な準備、新業務フローの確立を実施します。

4.企業風土を改革し、生産性の高い職場を実現します。

① 組織活性化と組織風土の改革に努めます。

② 徹底した無駄の排除と改善への取り組み強化により効率的な業務体制を構築します。

5.実効的なコーポレートガバナンスの実現に努めます。

  コーポレートガバナンス基本方針のもと、当社としての実効性のあるガバナンス体制の実現に努めます。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社の事業展開上、財政状態等や投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主なリスク要因は以下の通りです。これらのリスク要因を認識したうえで、当該リスクの発生に伴う影響を極力回避するための努力をしてまいります。

  ①市場環境について

当社は、日本、アジア、欧州、米州等の様々な国・地域に商品を供給しております。従って、これら国・地域の経済状況の変化や、対象市場での当社商品に対する需要変化の影響を受けます。

 ②製品特性について

当社製品は、生産部門、研究開発部門で使用する装置等に設置されるポンプ・送風機等が主力であるため、景気動向はもとより各企業の設備投資動向の影響を受けます。

 ③受注残について

当期末における製品受注残高は1,012百万円と前年同期比145百万円増となっておりますが十分とは言えず、期中における受注の確保が不可欠となっています。

 ④一部製品・機種への依存度について

当期の売上実績の内、特定機種への売上依存度が当社全体売上高の33.2%、製造事業においては37.9%と高くなっています。当機種の売上が大きく変動する場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 ⑤製品・機種別売上構成について

当社は多くのユーザーのニーズに応えるため多品種の真空ポンプ・送風機を製造販売していますが、採算性は機種別に大きく異なります。採算性の高い機種を重点商品として取組んでおりますが、採算管理の不備により受注段階で計画した利益を確保できないことも想定されます。また、当社全体として計画した売上高を確保しても、機種別入り上げ構成によっては想定した利益を確保できないことも想定されます。

 ⑥製品価格について

当社は「真空ポンプのウノザワ」としてドライ真空ポンプ等の高付加価値商品の投入で競合企業との差別化を図ってまいりましたが、国内のみならず海外の競合先から当社類似製品や低価格製品が市場投入されており、競争が激化しております。

 ⑦原材料について

当社製品では鋳物を材料として使用しており、原材料などの急激な高騰や為替相場の変動などの局面では、資材などの仕入価格が上昇し、当社の業績に影響を与える可能性があります。また、国内鋳物業者数の減少により、原材料の安定的な調達に支障をきたす可能性があります。

 ⑧品質管理、納期管理について

当社はISO9001の認証取得を含む品質保証体制を確立し、高いレベルのサービスを提供しておりますが、予期せぬ不良が発生して対応を余儀なくされる場面も想定されます。また、大口顧客に対するロットの大きい製品が出荷されていること、海外ユーザーの割合が増加傾向にあることから、万一の不良が発生した際の影響が大きくなることが想定されます。大型で仕様の複雑な製品においては、納期管理の不備に伴うペナルティの負担が発生することも想定されます。

 ⑨人材の確保と育成に係るリスク

当社は、「ブロワ・真空ポンプのプロファッショナルとしてお客様信頼度No1の企業を目指します」というビジョンのもと、プロフェッショナル人材の育成に注力しています。しかし、今後、従業員の安全・健康の確保、高齢化対策、技術や技能及びノウハウの継承、多能工化、事業拡大のための人材の確保・育成等に課題が生じた場合は、業績及び財政状況に影響が出る可能性があります。

 ⑩災害等について

大規模な地震、津波、台風等の自然災害により、工場等への物理的な損害、従業員への人的被害ならびに顧客への被害等があった場合、当社の業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

製造事業において真空ポンプならびに送風機・圧縮機の新製品開発に積極的に取り組んでおり、当事業年度に発生した研究開発費の総額は27百万円であります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項に関しては、有価証券報告書提出日現在において判断したものです。

 

(1) 当期の経営成績の分析

製造事業、不動産事業ともに前年同期比増収増益となりました。

① 売上高
〈製造事業〉

液晶表示製造装置用真空ポンプが回復したことが寄与し、前年同期比12.3%の増収となりました。

〈不動産事業〉

オフィスビル賃貸市場の底打ちを受け、前年同期比4.1%の増収となりました。

② 損益
〈製造事業〉

増収効果により営業損失は37百万円減少したものの利益率の低い機種のウェイトが高くなったため、引き続き営業損失計上となりました。

〈不動産事業〉

増収効果により増益となりました。(前年同期比営業利益が19百万円増加)

 

(2) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社製品については、景気動向はもとよりユーザー企業の設備投資動向の影響を強く受けます。景気の先行き不透明感から設備投資の抑制が見られ、また国内外企業との競争が激化しています。

 

(3) 経営戦略の現状と見通し

製造事業:    国内景気の本格回復、企業の生産設備投資の活発化が期待される中、競争も激しさを増すものと思われます。このような状況の中、全社的な販売支援体制構築により、国内外での顧客開拓・用途開発を進めるとともに、修理等のアフタービジネスの強化及び顧客満足度の向上を目指し、受注量の確保・販売拡大に努めてまいります。また、品質および納期管理の徹底を図ることにより、競争力向上と原価低減に努めることで増収・増益(赤字幅縮小)を見込んでおります。

不動産事業:    オフィス市況の改善に伴い売上は安定的に推移するものと予想されますが、10~20年単位の大型改修工事に伴い費用が増すことから減益となる見込みです。

 

 

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

「財政状態の分析」

総資産は仕掛品の増加を主因として118百万円増加しました。

負債は支払手形及び買掛金の増加を主因として107百万円増加しました。

純資産は利益剰余金の増加を主因として10百万円増加しました。 

「キャッシュ・フローの状況の分析」

営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期より47百万円増加し、38百万円の資金の増加となりました。これは、税引前当期純利益が42百万円(前事業年度は税引前当期純利益3百万円)となったこと等によるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期より158百万円少ない84百万円の資金の減少となりました。これは、主に定期預金の払戻による収入が100百万円減少したこと、投資有価証券の売却による収入が58百万円減少したことによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期より9百万円増加し59百万円の資金の減少となりました。これは、長期借入れによる収入が233百万円増加したこと、短期借入金の純増減額が200百万円減少したこと等によるものです。

その結果、当事業年度末における現金及び現金同等物の期末残高は105百万円減少し、1,533百万円となりました。 

 

(5) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社は現在の事業環境下、入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、景気の先行きは不透明であり、当社を取り巻く事業環境は厳しい状況が続くものと予想されます。このような状況下、受注の確保・原価低減及び諸経費の削減に重点を置いた諸施策を実施するとともに、業務の質を高め、諸施策を迅速かつ確実に遂行し、環境変化に強い利益体質を確立するよう努めてまいります。