第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当事業年度(当期)におけるわが国経済は、企業収益に改善傾向がみられるなど、緩やかな回復基調で推移しております。一方家計部門でも雇用環境の改善持続などを背景に個人消費に回復の兆しが見られるものの、依然として実質所得の改善が鈍く、力強さを欠いております。海外の政治情勢に不透明感を残していることも併せて、国内外の経済先行きに対する警戒感から、依然として国内企業での設備投資は維持・更新投資に抑えるやや慎重な姿勢が続いております。

このような経営環境のもと、FPD(フラットパネルディスプレイ)関連向け真空ポンプやメンテナンス部門を中心に売上を伸ばし、当社の業績は売上高5,278百万円(前年同期比16.8%増)となりました。損益面におきましては、原価低減等の生産性向上策および固定費の抑制に努めた結果、営業利益90百万円(前年同期比102.3%増)、経常利益84百万円(前年同期比116.5%増)、当期純利益112百万円(前年同期比634.4%増)となりました。

セグメント別の概況は以下の通りです。

①製造事業

当期におきましては、引き続き真空ポンプ・送風機ともに順調に出荷が進んだことに加え、部品・修理も伸長し、売上高は前年同期比728百万円(18.4%)増加の4,690百万円となり、損益面におきましては、26百万円改善、セグメント損失335百万円となりました。

売上高を製品別に示しますと、真空ポンプは2,776百万円(前年同期比22.1%増)、送風機・圧縮機は682百万円(前年同期比24.9%増)、部品および修理は1,226百万円(前年同期比9.2%増)の結果となりました。
また、輸出関係におきましては、真空ポンプと送風機が売上を伸ばし819百万円(前年同期比61.8%増)となりました。

②不動産事業

10~20年単位の大型改修工事に伴う費用増はあったものの、オフィス市況の改善による増収効果により、売上高588百万円(前年同期比5.8%増)、セグメント利益425百万円(前年同期比4.7%増)の計上となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べて177百万円減少し、1,356百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費178百万円、たな卸資産の減少75百万円、仕入債務の増加91百万円、売上債権の増加476百万円等により、1百万円の資金の減少(前年同期は38百万円の資金の増加)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出149百万円等により、135百万円の資金の減少(前年同期比では51百万円減少)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入936百万円、長期借入金の返済による支出975百万円等により、39百万円の資金の減少(前年同期比では19百万円増加)となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

金額には、消費税等は含まれておりません。

(1) 生産実績

当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

製造事業

4,690,258

18.4

不動産事業

-

-

合計

4,690,258

18.4

 

(注)  金額は販売価格によっております。

 

 

(2) 受注実績

当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

製造事業

4,580,302

11.5

902,252

△10.8

不動産事業

-

-

-

-

合計

4,580,302

11.5

902,252

△10.8

 

 

 

(3) 販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

製造事業

4,690,258

18.4

不動産事業

588,177

5.8

合計

5,278,436

16.8

 

 

   (注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前事業年度

相手先

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

樫山工業株式会社

1,668,779

36.9

樫山工業株式会社

1,954,023

37.0

東急不動産株式会社

542,116

12.0

東急不動産株式会社

571,222

10.8

 

     金額は販売価格によっております。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

今後の当社を取り巻く環境(我が国経済)は、企業の底堅い収益環境に加え人手不足を背景に雇用環境の改善が続くものと思われ、緩やかながらも景気は持ち直す見込みです。しかし、設備投資面では先行き不透明を背景として国内外ともに警戒感が残存しており、慎重姿勢がしばらく続く見通しで、当社においても厳しい価格競争下に置かれる見込みです。

このような環境のもと、当社は「品質優位性の強化」「効率的生産体制の実現」「徹底したコスト削減」の3点を課題とし、経営理念の実現及び製造事業の黒字化達成に注力してまいります。そのための、当面の具体策として以下の基本的な課題に地道に取り組んでまいります。

 

1.品質を中心に競争優位性を強化します。

①  徹底した品質管理により競争力と顧客信頼性を向上させます。

②  価格競争に巻き込まれない品質優位性を追求します。

③  コスト削減及び製品開発・改良による用途拡大に努めます。

2.生産方式の見直し

①  今年度稼動予定の新生産管理システムを活用し、個別受注製品及び汎用製品の特性に応じた生産方式を追求し、徹底したコスト削減に努めます。

②  計画的な資材調達により健全な原材料管理と仕掛在庫管理体制を構築します。

3.生産体制の見直し

①  外注費の適正化を始め利益を社内に取り込むための生産体制・生産設備の見直しを実施します。

②  多能工化・ジョブローテーションを推進し、柔軟な生産体制の強化と技能の継承に努めます。

③  改善活動推進により、高コスト体質の改善に努めます。

4.販売戦略の再構築

①  平成29年4月に営業・技術両部門の組織改定を実施しましたが、両部門の連携を強化し、明確化した機種別・マーケット別販売戦略に従った営業体制を強化します。

②  大型特殊ブロア他、競争力の高い製品へ経営資源を投入し収益の柱とします。

③  利益率の高い部品と修理売上の強化のためカスタマーサービス部門を再構築します。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社の事業展開上、財政状態等や投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主なリスク要因は以下の通りです。これらのリスク要因を認識したうえで、当該リスクの発生に伴う影響を極力回避するための努力をしてまいります。

  ①市場環境について

当社は、日本、アジア、欧州、米州等の様々な国・地域に商品を供給しております。従って、これら国・地域の経済状況の変化や、対象市場での当社商品に対する需要変化の影響を受けます。

 ②製品特性について

当社製品は、生産部門、研究開発部門で使用する装置等に設置されるポンプ・送風機等が主力であるため、景気動向はもとより各企業の設備投資動向の影響を受けます。

 ③受注残について

当期末における製品受注残高は902百万円と前年同期比109百万円減となっており、期中における受注の確保が不可欠となっています。

 ④一部製品・機種への依存度について

当期の売上実績の内、特定取引先への売上依存度が当社全体売上高の37.0%、製造事業においては41.7%と高くなっています。当機種の売上が大きく変動する場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 ⑤製品・機種別売上構成について

当社は多くのユーザーのニーズに応えるため多品種の真空ポンプ・送風機を製造販売していますが、採算性は機種別に大きく異なります。採算性の高い機種を重点商品として取組んでおりますが、採算管理の不備により受注段階で計画した利益を確保できないことも想定されます。また、当社全体として計画した売上高を確保しても、機種別入り上げ構成によっては想定した利益を確保できないことも想定されます。

 ⑥製品価格について

当社は「真空ポンプのウノザワ」としてドライ真空ポンプ等の高付加価値商品の投入で競合企業との差別化を図ってまいりましたが、国内のみならず海外の競合先から当社類似製品や低価格製品が市場投入されており、競争が激化しております。

 ⑦原材料について

当社製品では鋳物を材料として使用しており、原材料などの急激な高騰や為替相場の変動などの局面では、資材などの仕入価格が上昇し、当社の業績に影響を与える可能性があります。また、国内鋳物業者数の減少により、原材料の安定的な調達に支障をきたす可能性があります。

 ⑧品質管理、納期管理について

当社はISO9001の認証取得を含む品質保証体制を確立し、高いレベルのサービスを提供しておりますが、予期せぬ不良が発生して対応を余儀なくされる場面も想定されます。また、大口顧客に対するロットの大きい製品が出荷されていること、海外ユーザーの割合が増加傾向にあることから、万一の不良が発生した際の影響が大きくなることが想定されます。大型で仕様の複雑な製品においては、納期管理の不備に伴うペナルティの負担が発生することも想定されます。

 ⑨与信管理について

国内外での競争激化に対応すべく、特に海外営業を強化するための営業組織改定を実施しました。海外ユーザーの割合がさらに増加すること及び新規取引先の増加が見込まれますが、販売先の与信管理が不十分で回収懸念や貸倒れが発生した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 ⑩人材の確保と育成に係るリスク

当社は、「ブロワ・真空ポンプのプロファッショナルとしてお客様信頼度No1の企業を目指します」というビジョンのもと、プロフェッショナル人材の育成に注力しています。しかし、今後、従業員の安全・健康の確保、高齢化対策、技術や技能及びノウハウの継承、多能工化、事業拡大のための人材の確保・育成等に課題が生じた場合は、業績及び財政状況に影響が出る可能性があります。

 ⑪災害等について

大規模な地震、津波、台風等の自然災害により、工場等への物理的な損害、従業員への人的被害ならびに顧客への被害等があった場合、当社の業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

製造事業において真空ポンプならびに送風機・圧縮機の新製品開発に取り組んでおり、当事業年度に発生した研究開発費の総額は10百万円であります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項に関しては、有価証券報告書提出日現在において判断したものです。

 

(1) 当期の経営成績の分析

製造事業、不動産事業ともに前年同期比増収増益となりました。

① 売上高
〈製造事業〉

真空ポンプ・送風機ともに出荷が進んだことに加え、部品・修理も伸長し、前年同期比18.4%の増収となりました。

〈不動産事業〉

オフィス市況の改善により、前年同期比5.8%の増収となりました。

② 損益
〈製造事業〉

増収効果により営業損失は26百万円減少したものの、利益率の低い機種のウェイトが高くなったため、引き続き営業損失計上となりました。

〈不動産事業〉

増収効果により増益となりました。(前年同期比営業利益が19百万円増加)

 

(2) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社製品については、景気動向はもとよりユーザー企業の設備投資動向の影響を強く受けます。景気の先行き不透明感から設備投資の抑制が見られ、また国内外企業との競争が激化しています。

 

(3) 経営戦略の現状と見通し

製造事業:    国内景気の緩やかな回復、企業の生産設備投資に対する慎重姿勢が続く中、競争も激しさを増すものと思われます。このような状況の中、新生産管理システムの活用などに挙げられる徹底した品質管理・コスト削減、効率的な生産体制の実現により、国内外での顧客開拓・用途開発を進めるとともに、修理等のアフタービジネスの強化および顧客満足度の向上をめざし、受注量の確保・販売拡大に努めてまいります。また、品質および納期管理の徹底を図ることにより、競争力向上と原価低減に努めることで増収・増益(赤字幅縮小)を見込んでおります。

不動産事業:    オフィス市況の改善が継続し、大型改修工事も一巡したことから、増収・増益を見込んでおります。

 

 

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

「財政状態の分析」

総資産は、受取手形及び売掛金の増加を主因として227百万円増加しました。

負債は、支払手形の増加を主因として138百万円増加しました。

純資産は、利益剰余金の増加を主因として88百万円増加しました。 

「キャッシュ・フローの状況の分析」

営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期より40百万円減少し、1百万円の資金の減少となりました。これは、税引前当期純利益が48百万円増加したこと、退職給付引当金が46百万円増加(前年同期は15百万円減少)したこと、たな卸資産が75百万円減少(前年同期は170百万円増加)したこと等により資金が流入したものの、売上債権が476百万円増加(前年同期は75百万円増加)したこと等で資金の流出となったことによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期より51百万円少ない135百万円の資金の減少となりました。これは、無形固定資産の取得による支出が25百万円増加したこと、預り保証金の受入による収入が26百万円減少したこと等によるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期より19百万円増加し、39百万円の資金の減少となりました。これは、短期借入金の純増減額が200百万円増加したこと、長期借入れによる収入が110百万円減少したこと、長期借入金の返済による支出が70百万円増加したこと等によるものです。

その結果、当事業年度末における現金及び現金同等物の期末残高は177百万円減少し、1,356百万円となりました。 

 

(5) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社は現在の事業環境下、入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、景気の先行きは不透明であり、当社を取り巻く事業環境は厳しい状況が続くものと予想されます。このような状況下、受注の確保・原価低減及び諸経費の削減に重点を置いた諸施策を実施するとともに、業務の質を高め、諸施策を迅速かつ確実に遂行し、環境変化に強い利益体質を確立するよう努めてまいります。