第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
 

今後の当社を取り巻く環境としましては、主要国経済に回復の兆しが見える一方、国内経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大により不透明な状況が続いており、引き続き厳しい状況で推移するとみられます。

このような環境に対し、当社は「効率的生産体制の実現」「徹底したコスト削減」の2点を重点課題とし、経営理念の実現及び製造事業の黒字化達成に注力してまいります。そのため、当面の具体策として以下の基本的な課題に地道に取り組んでまいります。

 

1. 生産方式の見直し

①2018年4月より稼動した新生産管理システムの効率的な運用により、正確かつ無駄のない生産活動を徹底します。

 ②あらゆる工程・業務において無駄を排除し、他社に競合できる生産コストの実現を目指します。

 ③生産計画に則った資材調達により健全な原材料管理と仕掛在庫管理体制を構築します。

2. 生産体制の見直し

①生産体制・生産計画の改善、新規設備の有効活用により外注費の適正化を始め利益を社内に取り込むことを徹底します。

 ②製品開発・改良による用途拡大と設計によるコスト削減を追求します。

③多能工化・ジョブローテーションを推進し、フレキシブルな機械運用など柔軟な生産体制の強化と技能の継承に努めるとともに、従業員の意識改革にも取り組みます。

3. 販売戦略の再構築

 ①営業部門を強化し、国内・海外ともに質の高い営業を展開します。

 ②機種別の販売戦略を明確化します。

 ③利益率の高い部品・修理の売上強化のための営業を強化し収益の柱とします。

4. 品質及び納期において競争優位性を強化します。

 ①品質優位性を追求し、競争力と顧客信頼性を向上させます。

 ②「後工程はお客様」の概念を大切にし、全ての業務において納期意識の徹底を図ります。

③「ブロワ・真空ポンプのプロフェッショナルとしてお客様信頼度No.1の企業を目指します。」をビジョンに掲げ、顧客信頼性向上を目指します。

 

 

 

2 【事業等のリスク】

当社の事業展開上、財政状態等や投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主なリスク要因は以下のとおりです。これらのリスク要因を認識したうえで、当該リスクの発生に伴う影響を極力回避するための努力をしてまいります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
 

① 市場環境について

当社は、日本、アジア、欧州、米州等の様々な国・地域に商品を供給しております。従って、これら国・地域の経済状況の変化や、対象市場での当社商品に対する需要変化の影響を受けます。その対策として、海外市場に注力する一方、特定の国・地域に偏ることのない案件毎の営業活動に取り組んでまいります。

②  製品特性について

当社製品は、生産部門、研究開発部門で使用する装置等に設置されるポンプ・送風機等が主力であるため、景気動向はもとより各企業の設備投資動向の影響を受けます。また、主要製品の中には、比較的短期間でユーザー需要の大きな振幅等があるものがあり、これらは当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。その対策として、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 3. 販売戦略の再構築 ③」に記載のとおり、利益率の高い部品・修理の売上強化のための営業を強化し収益の柱とする取組みを行ってまいります。

③  受注残について

当事業年度末における製品受注残高は1,412百万円(前年同期比98百万円増)となっており、期中における受注の確保が不可欠となっております。その対策として、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 3. 販売戦略の再構築」に記載の取組みを行い、受注の確保を図ってまいります。

④  製品・機種別売上構成について

当社は多くのユーザーのニーズに応えるため多品種の真空ポンプ・送風機を製造販売しておりますが、採算性は機種別に大きく異なります。採算性の高い機種を重点商品として取り組んでおりますが、採算管理の不備により受注段階で計画した利益を確保できないことも想定されます。また、当社全体として計画した売上高を確保しても、機種別売上構成によっては想定した利益を確保できないことも想定されます。その対策として、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」における「1. 生産方式の見直し」、「2. 生産体制の見直し」、「3. 販売戦略の再構築」に記載の取組みを行い、想定した利益の確保に努めてまいります。

⑤ 製品価格について

当社は「真空ポンプのウノザワ」としてドライ真空ポンプ等の高付加価値商品の投入で競合企業との差別化を図ってまいりましたが、国内のみならず海外の競合先から当社類似製品や低価格製品が市場投入されており、競争が激化しております。その対策として、新製品の開発や「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」における「1. 生産方式の見直し」、「2. 生産体制の見直し」に記載の取組みを行い、製品競争力の強化を図ってまいります。

⑥ 原材料について

当社製品では鋳物を材料として使用しており、原材料などの急激な高騰や為替相場の変動などの局面では、資材などの仕入価格が上昇し、当社の業績に影響を与える可能性があります。また、国内鋳物業者数の減少により、原材料の安定的な調達に支障をきたす可能性があります。その対策として、海外を含めた調達先の多様化を図ってまいります。

 

⑦ 品質管理、納期管理について

当社はISO9001の認証取得を含む品質保証体制を確立し、高いレベルのサービスを提供しておりますが、予期せぬ不良が発生して対応を余儀なくされる場面も想定されます。また、大口顧客に対するロットの大きい製品が出荷されていること、大口の海外ユーザーもあることから、万一の不良が発生した際の影響が大きくなることが想定されます。大型で仕様の複雑な製品においては、納期管理の不備に伴うペナルティの負担が発生することも想定されます。その対策として、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」における「1. 生産方式の見直し」、「2. 生産体制の見直し」に記載の取組みを行い、不良の発生の低減及び納期管理を徹底し、追加コストの発生回避を図ってまいります。なお、製品納入後に発生する保証費用に備えるため、製品保証引当金を計上しております。

⑧ 与信管理について

同業他社との競争激化に対応すべく、国内外ともに営業活動を強化しております。海外ユーザーの割合がさらに増加すること及び新規取引先の増加が見込まれますが、販売先の与信管理が不十分で回収懸念や貸倒れが発生した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。その対策として、取引先の与信枠を設定するとともに、海外についてはL/C決済等により貸倒れリスクの低減を図ってまいります。

⑨ 人材の確保と育成に係るリスク

当社は、「ブロワ・真空ポンプのプロフェッショナルとしてお客様信頼度No.1の企業を目指します。」というビジョンのもと、プロフェッショナル人材の育成に注力しております。しかし、今後、従業員の安全・健康の確保、高齢化対策、技術や技能及びノウハウの継承、多能工化、事業拡大のための人材の確保・育成等に課題が生じた場合は、業績及び財政状態に影響が出る可能性があります。その対策として、新規採用を通じて人材の確保を図るとともに、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」における「2. 生産体制の見直し ③」に記載の取組みを行って人材の育成に努めてまいります。

⑩ 災害等について

大規模な地震、津波、台風等の自然災害により、工場等への物理的な損害、従業員への人的被害並びに顧客への被害等があった場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。その対策として、震災対応マニュアルを定め、物理的、人的被害の低減を図るとともに、損害保険に加入し、被害による金銭的負担を担保しております。

⑪ 新型コロナウイルス感染症について

新型コロナウイルス感染症の世界的な感染の拡大により、販売活動が制約されております。感染拡大への対応策として、海外出張の原則禁止、マスク着用、手指消毒等による衛生面の予防に努めております。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 (経営成績の状況)

当事業年度(当期)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大により急激に悪化しました。一部で回復の動きが見られたものの、感染の再拡大により、依然として先行き不透明な状況が続いております。
 このような環境の中、製造事業は減収ながら増益となり、会社全体として増益となりました。売上高は4,042百万円(前年同期比11.8%減)となりました。損益面におきましては、営業利益225百万円(前年同期比228.5%増)、経常利益219百万円(前年同期比125.3%増)、当期純利益146百万円(前年同期比207.2%増)となりました。
 セグメント別の概況は以下のとおりです。
① 製造事業
 新型コロナウイルス感染症の拡大による国内外経済の不透明感を背景に設備投資が停滞し、売上高は前年同期比544百万円減少の3,379百万円(前年同期比13.9%減)となりました。損益面におきましては、生産の内製化等生産性改善に努め、セグメント損失290百万円と前年同期比増益となりました(前年同期はセグメント損失444百万円)。
 売上高を製品別に示しますと、真空ポンプは1,530百万円(前年同期比22.8%減)、送風機・圧縮機は660百万円(前年同期比17.8%減)、部品は735百万円(前年同期比4.3%減)、修理は448百万円(前年同期比22.6%増)の結果となりました。
 また、輸出関係におきましては、売上高は435百万円(前年同期比2.2%減)となりました。
② 不動産事業
 オフィス市況が引き続き堅調に推移したことから、売上高662百万円(前年同期比0.2%増)、セグメント利益516百万円(前年同期比0.7%増)となりました。

 

(財政状態の状況)

当事業年度末の財政状態は、前事業年度末と比べ、総資産は102百万円減少し7,113百万円、負債は264百万円減少し5,029百万円、純資産は161百万円増加し2,083百万円となりました。

 

(キャッシュ・フローの状況)

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ184百万円増加し、2,285百万円となりました。

当事業年度における各区分ごとのキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務の減少269百万円等の減少要因があったものの、税引前当期純利益238百万円、減価償却費206百万円、売上債権の減少217百万円等の増加要因により、全体としては452百万円の資金の増加(前年同期は336百万円の資金の増加)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出193百万円等により、151百万円の資金の減少(前年同期は106百万円の資金の減少)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入910百万円、長期借入金の返済による支出1,004百万円等により、116百万円の資金の減少(前年同期は47百万円の資金の減少)となりました。

 

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

金額には、消費税等は含まれておりません。

① 生産実績

当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

製造事業

3,379,514

△13.9

不動産事業

合計

3,379,514

△13.9

 

(注)  金額は販売価格によっております。

 

 

② 受注実績

当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

製造事業

3,477,928

△3.9

1,412,454

7.5

不動産事業

合計

3,477,928

△3.9

1,412,454

7.5

 

 

 

③ 販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

製造事業

3,379,514

△13.9

不動産事業

662,763

0.2

合計

4,042,277

△11.8

 

 

   (注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前事業年度

相手先

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

樫山工業㈱

813,280

17.7

樫山工業㈱

726,485

18.0

東急不動産㈱

641,525

14.0

東急不動産㈱

644,472

15.9

 

     金額は販売価格によっております。

 

 

(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の当事業年度の財政状態及び経営成績は、次のとおりであります。

(a) 経営成績の分析

(売上高)

当事業年度における売上高は4,042百万円(前年同期比11.8%減)となり、前事業年度と比べ543百万円減少しました。

製造事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大による国内外経済の不透明感を背景に設備投資が停滞し、売上高は3,379百万円(前年同期比13.9%減)となり、前事業年度と比べ544百万円減少しました。

不動産事業におきましては、オフィス市況が引き続き堅調に推移したことから、売上高は662百万円(前年同期比0.2%増)となり、前事業年度と比べ1百万円増加しました。

(営業損益)

当事業年度における営業利益は225百万円(前年同期比228.5%増)となり、前事業年度と比べ157百万円増加しました。

製造事業におきましては、営業損失は290百万円となり、前事業年度と比べ153百万円増加しました。

不動産事業におきましては、営業利益は516百万円(前年同期比0.7%増)となり、前事業年度と比べ3百万円増加しました。

 

(b) 財政状態の分析

 (資産)

当事業年度末における総資産は7,113百万円となり、前事業年度末に比べ102百万円減少しました。これは、現金及び預金が184百万円、投資有価証券が54百万円増加したものの、売掛金が214百万円、原材料及び貯蔵品が136百万円減少したこと等が主な要因です。

 (負債)

当事業年度末における負債は5,029百万円となり、前事業年度末に比べ264百万円減少しました。これは、支払手形が144百万円、電子記録債務が93百万円減少したこと等が主な要因です。

 (純資産)

当事業年度末における純資産は2,083百万円となり、前事業年度末に比べ161百万円増加しました。これは、利益剰余金が124百万円、その他有価証券評価差額金が37百万円増加したことが主な要因です。

 

当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(a) キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 (キャッシュ・フローの状況)」に記載のとおりであります。

 

(b) 資本の財源及び資金の流動性

当社の運転資金需要のうち主なものは、製造事業における原材料の仕入のほか、製造費、販管費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。

 

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、当事業年度における財務状態及び経営成績に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

繰延税金資産

当社は、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

製造事業において真空ポンプならびに送風機・圧縮機の新製品開発に取り組んでおり、当事業年度に発生した研究開発費の総額は14百万円であります。