第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2020年3月31日現在)において当社グループが判断したものであります。

 

 当社グループは、3年毎に中期経営計画を策定し事業戦略を推進しております。

 

①前中期経営計画「G-17」の総括

 前中期経営計画「G-17」(2017年度~2019年度)では、「会社も社員も未来志向でダイナミックに変わろう、変えよう! Change makes Change」をスローガンに各種経営戦略の取り組みを実践してきました。その結果、受注高、売上高、親会社株主に帰属する当期純利益では連結業績目標を達成するなど、中期的な成長を概ね成し遂げることができました。

 

ⅰ.主な取り組みと成果

●M&A(小松川化工機株式会社)による医療機器製造販売事業の強化

●関東地区に青梅事業所を開設し、市場拡大が続く食品機器事業の営業領域を拡充

●新たな事業用地(奈良県生駒市)を取得し、マザー工場の生産能力強化に着手

●モノづくり革新活動(HNPS※)や基幹システム刷新による生産効率の向上

※ Hisaka New Production System

●未来事業推進部創設により、専任制の新事業創出活動を常態化

●CSR推進室による社会課題解決と持続可能な成長を目指す社員啓発活動の強化

 

ⅱ.「G-17」連結業績目標とその結果

(単位:百万円)

 

 

「G-17」最終年度(2020年3月期)

(参考)

「G-14」

最終年度

(2017年3月期)

 

目 標

実 績

達成率

受注高

31,000

31,952

103.1%

26,594

売上高

30,000

32,511

108.4%

25,023

営業利益

2,400

2,274

94.8%

1,161

営業利益率

8.0%

7.0%

△1.0pt

4.6%

経常利益

2,600

2,573

99.0%

1,374

親会社株主に帰属する当期純利益

1,820

2,080

114.3%

2,191

ROE

4.0%

4.1%

+0.1pt

4.6%

 

②新中期経営計画「G-20」

 

ⅰ.10年後(2029年度)ビジョン(2019年度策定)

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●コア技術を、より高く、より広く、より深く追求し様々な社会課題の解決に貢献する社員集団が実現できている。

●CSR活動を通したコーポレートガバナンス体制のより一層の強化が図れている。

●競争力・収益力の向上を図り、長期的な企業価値の増大に向けた企業経営の仕組みが構築できている。

 

ⅱ.新中期経営計画「G-20」の概要

 2020年4月に開始した新中期経営計画(2020年度~2022年度)の名称は、「G-17」に引き続き「Growth」「Global」「Governance」「Goal」の頭文字を取り「G-20」といたしました。

 「G-20」は「G-17」で築いた事業基盤を礎に「結果を出すための仕組みづくり」の期間として「激しく変化する世界と社会課題」に対する施策を実行してまいります。日阪グループが一体となり、より確実で迅速な事業運営が可能となるよう、変化に対応できる組織体制の構築やコーポレートガバナンス体制のより一層の強化を図り、次のゴールを目指してまいります。

 新中期経営計画「G-20」の概要は次の通りであります。

 

a.「G-20」中期ビジョン

0102010_002.png

 

b.CSR-SDGsビジョン

 中期経営計画の遂行にあたりSDGsを取り入れた企業経営により、日阪グループが持つ総合力で社会課題を解決し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

0102010_003.png

 

c.連結業績目標

(単位:百万円)

 

 

「G-17」

実績

2020年

3月期

「G-20」目標

増減率

2021年3月期

2022年

3月期

2023年

3月期

当初計画

修正計画

受注高

31,952

33,000

27,000

34,000

35,000

9.5%

売上高

32,511

32,000

27,500

33,000

34,000

4.6%

営業利益

2,274

2,000

900

2,300

2,720

19.6%

営業利益率

7.0%

6.3%

3.3

7.0%

8.0%

+1.0pt

経常利益

2,573

2,200

1,100

2,500

2,920

13.5%

親会社株主に帰属する当期純利益

2,080

1,500

760

1,700

2,000

△3.9%

ROE

4.1%

2.9%

1.5%

3.3%

3.8%

△0.3pt

 

 ※増減率は「G-17」2020年3月期と「G-20」2023年3月期の比較です。

 ※上記の連結業績目標には、新型コロナウイルス感染拡大による業績への影響を織り込んでおりません。なお、2021年3月期の計画につきましては、新型コロナウイルスの影響により修正をかけており、その内容はプロセスエンジニアリング事業における食品機器及び染色機関連の受注案件の延期、中止に起因する売上の減少による影響が大きいと想定しております。熱交換器事業、バルブ事業につきましては受注、売上が約10%減少する想定であり、それに伴った利益減少も想定しております。但し、本業績予想は、緊急事態宣言下の状況で見積もったものであり、今後の状況により変更する可能性があります。

 ※「G-20」の遂行にあたり、経営管理体制を見直し、一層強化することで収益性の最大化を図るため、従来「その他事業」に含めておりました子会社事業を事業内容に応じて「熱交換器事業」、「プロセスエンジニアリング事業」、「バルブ事業」の3つの主要セグメントに振り分けを行い、主要セグメント以外を「その他」とするマネジメントアプローチ変更を実施しております。

 

d.事業セグメント別の経営戦略

ⅰ.熱交換器事業

 きっと・もっと・ずっと-熱で未来を創造するThe Thermal Solution Companyを掲げ、熱に関する社会課題を解決できる業界No.1企業を目指す。

・顧客の熱に関する課題を解決する「熱ソリューション」の提供を推進

・前期中期経営計画で実施したセグメントマトリクス組織の深化とセグメント間の連携強化

・SDGsの考え方に基づく新製品・技術・サービスの開発

・日本、マレーシア、中国におけるグローバルモノづくり活動の推進

・東アジア、ASEAN、オセアニア、MENA(Middle East & North Africa)でのシェア拡大

ⅱ.プロセスエンジニアリング事業

 世の中で求められているもの、新しい価値となるものを第一に考え、顧客の期待を超えるNo.1の製品とNo.1のサービスを提供する。

・時代に合わせたニーズを汲み取る新たな事業の開発

・顧客企業の省人・省力・高品質生産ニーズに応える製品・システムの提供

・中国子会社における生産体制強化

・国内子会社との連携による食品・医薬機器に関する事業強化

・生駒事業所(2023年度開設予定)での生産体制構築に向けた準備活動

ⅲ.バルブ事業

 様々な業界にNo.1品質・性能のボールバルブを提供し、お客様の事業活動を通じて健全な社会づくりに貢献する。

・主要販売先である化学業界への受注を拡大するととともに重点市場への営業を強化

・用途限定弁の販売強化によるシェア拡大

・社会課題の解決と持続可能な社会の実現に貢献できる製品の販売

・中国及びタイを中心としたASEAN地域への販売強化

・さらなる売上拡大を目的とする鴻池事業所での生産体制再構築に向けた準備活動

 

③資本政策の基本的な方針

 当社の資本政策につきましては、株主の皆様へ継続的及び安定的な利益還元に努め、強固な財務基盤を確保するとともに、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、戦略的投資をバランス良く考慮することを基本方針といたします。

 当社は、連結株主資本利益率(ROE)を株主価値向上にかかわる重要な指標として捉えております。中長期的な視点に立ち、効率的な資本政策を実行し資本コストを上回るROEを目指すことで、株主価値向上に努めてまいります。

 当社の利益配分につきましては、全てのステークホルダーの皆様に対し「公平」且つ「公正」を念頭に置きつつ、財務体質と経営基盤の強化を図りながら、株主の皆様に対する適正な利益の還元を利益配分の基本方針としています。具体的には、内部留保とのバランスを考慮しつつ、連結純資産及び連結業績の状況を勘案し、連結純資産配当率(DOE)1.5%以上を目途に継続的・安定的な配当に努めます。

 剰余金の配当につきましては、中間配当及び期末配当の年2回の配当を基本的な方針としております。配当の決定は、会社法第459条第1項の規定に基づき、株主総会の決議によらず、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる旨を定款に定めております。

 また、自己株式取得につきましては、必要な内部留保の水準を考慮しつつ、経営環境の変化、株価の動向及び財務状況等を勘案のうえ、弾力的・機動的に対処してまいります。

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

①経済状況について

 当社グループは日本、アジア、欧米など多くの国々で事業展開をしており、世界経済や各国の景気変動及び為替変動などにより、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

②原材料・資材価格の変動について

 当社グループの主な原材料であるステンレスやチタン材などの原材料・資材価格の下落は、製品価格の下落圧力や、当社グループ棚卸資産の評価額への影響により、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また原材料・資材価格の高騰は、在庫状況如何では、製造原価が上昇することにより、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③為替相場の変動について

 当社グループの外貨建ての取引に関しては、原則として契約締結と同時に為替予約によるヘッジを行い、契約後の為替変動リスクを極力回避しておりますが、契約条件の変更などによる影響や、引き合い段階での外国企業との価格競争上で不利となる可能性があり、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

④退職給付債務について

 当社グループの退職給付費用は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出しており、割引率の低下や年金資産の時価下落は、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤減損会計の影響について

 当社グループが保有しております固定資産及び有価証券に関して、収益性や価格が著しく低下し減損処理が必要となった場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑥M&A及び事業提携に係るリスクについて

 当社グループは、各事業分野において、新技術や新製品の開発及び競争力強化のためM&Aを実施することがあります。当社グループでは、企業買収や事業提携を行う際、事前にリスクを把握・回避するために、対象となる企業の財務内容や事業についてデューデリジェンスを実施しております。しかしながら、買収後に予期しない債務が発覚する可能性や、事業環境及び競合状況の変化等により当社グループの事業計画に支障をきたす可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑦製造物責任について

 当社グループはその事業及びその製品のために、品質管理規定を制定し品質向上に努めておりますが、万が一予期せぬ不具合や事故が発生した場合は、製造物・品質責任の責めを負うことになる可能性があり、この費用が保険等でカバーできない場合は、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑧訴訟その他の法的手続について

 当社グループは、事業を遂行する上で、取引先や第三者から訴訟等が提起される又は規制当局より法的手続がとられるリスクを有しております。これらにより、当社グループに対して巨額かつ予想困難な損害賠償の請求がなされた場合又は事業遂行上の制限が加えられた場合、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑨公的規制及び政治情勢について

 当社グループの事業活動は、事業を行う各国の政治や多様な規制の影響を受けております。このような規制には、投資、貿易、競争、知的財産権、税、為替、環境、リサイクル、食品衛生、労働安全、生産技術上の制約等に関する規制を含んでおり、政治情勢や規制に関する重大な変更は、当社グループの事業活動を制限する若しくはコストを増加させるなど、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑩環境問題

 当社グループは、環境基本法、大気汚染防止法及び水質汚濁防止法等の環境法令を遵守するとともに、環境問題に配慮する姿勢を明確にするため「環境方針」「環境宣言」「行動指針」を策定しております。これらにより「顧客・市場・株主・購買先・協力社・地域社会」から「安心」「安全」「信頼」を受ける会社として成長して行きたいと考えております。当社グループでは、有害物質が社外に流出しないよう万全の対策をとっておりますが、万一流出した場合には、社会的信用の失墜、補償・対策費用の支出あるいは生産停止等の事態が発生する可能性があります。

 また、将来環境に対する規制が一層厳しくなり、現行法令の改正又は新たな立法による規制などにより、有害物質を処理するための設備投資等に多額の費用が発生することも考えられ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑪自然災害・戦争・テロ・事故等について

 当社グループの拠点において、地震・水害等の自然災害、感染症の流行、戦争、テロ等の各種災害が発生した場合は、甚大な被害を被る可能性があります。また、当社グループに直接損害がなくとも、電力・ガス等の供給網の混乱や、サプライチェーンの寸断などにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑫新型コロナウイルス感染症について

 当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大局面において、人の安全と健康の確保を最優先とした上で事業継続を図る観点から、当社グループの国内外の拠点・各関係会社に対して感染拡大防止のための対策、感染者発生時の対応等の周知徹底を図り、新型コロナウイルスに対する必要な対応体制を整備しております。

 しかしながら、当社グループの中には、関係会社や取引先の所在する国・地域における活動規制や顧客の生産活動の低下等によって一定の影響を受けている拠点・関係会社もあります。

 現時点においては、この感染拡大に収束の見込みは立っておらず、今後の事態の展開によっては、当社グループ全体の事業活動や財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がありますが、当社グループでは環境変化や当社グループへの影響を見極めながら、必要な対応策を迅速かつ柔軟に講じてまいります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

 当連結会計年度における世界経済は、米国では底堅さが見られましたが、米中貿易摩擦の激化や新型コロナウイルスの感染拡大により、減速感が急速に高まる状況となりました。国内経済は、緩やかな回復基調を継続しておりましたが、世界的な経済活動の停滞などにより、景気の後退局面に差し掛かっています。

 当社グループにおきましては、中期経営計画「G-17」のゴールである2020年3月期の連結業績目標(受注高310億円、売上高300億円、営業利益24億円、親会社株主に帰属する当期純利益18.2億円)の達成に向け、各種経営戦略の取り組みを実践してきました。その結果、受注高、売上高、当期純利益では目標を達成するなど、中期的な成長を概ね成し遂げることができました。また、新たな成長戦略として、小松川化工機株式会社の子会社化や関東地区の製造拠点「青梅事業所」の開設、生産能力の増強を目的とした事業用地(奈良県生駒市)の取得など、将来に向けた積極投資も実施しました。

 このような環境の中、当連結会計年度における当社グループの受注高は、熱交換器事業、バルブ事業、その他事業で受注が好調に推移し、前年度に比べ4.2%増加し31,952百万円となりました。

 売上高は、プロセスエンジニアリング事業で大口案件があったことや、バルブ事業で受注が堅調に推移したことなどにより、前年度に比べ5.1%増加し32,511百万円となりました。

 益面では、プロセスエンジニアリング事業が増益となったことなどにより、営業利益は前年度に比べ11.4%増加し2,274百万円となり、経常利益は前年度に比べ10.1%増加し2,573百万円となりました。また、特別損益は前年度に特別損失として災害関連費用などを計上したことに対し、当連結会計年度においては、特別利益として固定資産売却益や小松川化工機株式会社などの子会社化に伴う負ののれん発生益などを計上しました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年度に比べ30.3%増加し2,080百万円となりました。

 セグメント別の概況は次のとおりです。(セグメント別の業績は、内部取引消去前の金額です。)

 

『熱交換器事業』

 熱交換器事業は様々な産業で不可欠となる、流体の加熱・冷却を行うプレート式熱交換器を製造・販売する事業です。

 受注高は、前年度に比べ4.9%増加し11,827百万円となりました。産業機械や空調関連の中小型汎用品が低調となりましたが、国内化学業界向けの更新需要や船舶業界向けの受注が好調に推移したほか、海外のプラント案件を受注したことにより増加となりました。

 売上高は、前年度に比べ3.7%減少し11,552百万円となりました。受注同様に国内化学業界向けの更新需要が好調に推移したほか、船舶関連の豊富な受注残が売上に寄与しましたが、火力発電などの電力向けや中東などのプラント向けの大口案件が減少したことにより、減収となりました。

 セグメント利益は、売上高の減少に加え、比較的採算の良い中小型汎用品の売上比率が低下したことや原材料の在庫増加による評価減などを計上したことから、前年度に比べ21.2%減少し750百万円となりました。

 

『プロセスエンジニアリング事業』

 プロセスエンジニアリング事業は、レトルト食品などの調理殺菌装置、医薬品の滅菌装置及び繊維製品の染色仕上機器などを製造・販売する事業です。

 受注高は、前年度に比べ10.0%減少し11,973百万円となりました。医薬機器部門において設備の受注やメンテナンスが好調に推移しましたが、食品機器部門において前年度に大口案件を受注した反動があったほか、染色仕上機器部門においてASEAN市場向けの案件が新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け延期となったことなどから、減少となりました。

 売上高は、前年度に比べ6.0%増加し13,221百万円となりました。医薬機器部門において前年度の大口案件の反動減がありましたが、食品機器部門において米飯プラントや乳製品プラントの大型案件があったほか、染色仕上機器部門でも国内外の更新・増設需要が好調に推移したことにより、増収となりました。

 セグメント利益は、売上高の増加に加え、コスト構造の改善などにより、前年度に比べ78.7%増加し972百万円となりました。

 

『バルブ事業』

 バルブ事業は、様々な流体の制御に使われるボールバルブなどを製造・販売する事業です。

 受注高は、前年度に比べ4.0%増加し4,612百万円となりました。主要市場である化学業界を中心に人手不足を背景とした自動弁の需要が増加したほか、チョコレート業界向けの受注が好調に推移したことにより増加となりました。

 売上高は、受注が好調に推移したことにより、前年度に比べ2.4%増加し4,513百万円となりました。

 セグメント利益は、売上高の増加などにより、前年度に比べ3.0%増加し455百万円となりました。

 

『その他事業』

 その他事業は、国内・海外の子会社による事業と鴻池事業所で推進している太陽光発電事業です。

 受注高は、前年度に比べ65.0%増加し5,852百万円となりました。中国子会社において染色仕上機器の大口案件を受注したほか、国内子会社においても食品機器の大口案件を受注しました。また、当連結会計年度より連結範囲とした小松川化工機株式会社の受注高も加算されたことなどにより増加となりました。

 売上高は、前年度に比べ32.9%増加し5,188百万円となりました。マレーシア子会社において食品や船舶向けの熱交換器の案件が増加したほか、受注高同様に小松川化工機株式会社の売上高も加算され増収となりました。

 セグメント利益は、国内子会社の業績が好調に推移したほか、マレーシア子会社が増収により利益改善されましたが、中国子会社の業績が悪化したことなどから、前年度に比べ28.0%減少し166百万円となりました。

 

『セグメント別業績』                                          (単位:百万円/(%)前年度比増減率)

 

熱交換器事業

プロセスエンジニアリング事業

バルブ事業

その他事業

受注高

11,827(   4.9%)

11,973(△10.0%)

4,612(   4.0%)

5,852( 65.0%)

売上高

11,552( △3.7%)

13,221(   6.0%)

4,513(   2.4%)

5,188( 32.9%)

セグメント損益

750(△21.2%)

972(  78.7%)

455(   3.0%)

166(△28.0%)

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益の計上2,840百万円や減価償却費の計上1,137百万円等の増加要因があったものの、固定資産の取得による支出3,389百万円や連結の範囲の変更を伴う関係会社株式の取得による支出1,588百万円等の減少要因があったことにより、前連結会計年度末の14,568百万円から3,223百万円減少し、当連結会計年度末では11,344百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、得られた資金は2,018百万円となりました。

 これは、法人税等の支払による支出があったものの、税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費の計上が上回ったためであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、支出した資金は3,035百万円となりました。

 これは、投資有価証券の売却による収入があったものの、固定資産の取得による支出や連結範囲の変更を伴う関係会社株式の取得による支出が上回ったためであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、支出した資金は2,168百万円となりました。

 これは主に、自己株式の取得による支出や配当金の支払によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年比(%)

熱交換器事業

8,840

99.43

プロセスエンジニアリング事業

10,813

102.76

バルブ事業

3,346

106.91

 報告セグメント計

22,999

102.02

その他事業

4,043

134.96

合計

27,043

105.89

 (注)1.上記金額は、総製造費用に基づいております。

2.セグメント間の内部利益消去前の金額であります。

3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年比(%)

受注残高(百万円)

前年比(%)

熱交換器事業

11,827

104.88

3,663

108.12

プロセスエンジニアリング事業

11,973

89.99

6,028

82.86

バルブ事業

4,612

104.02

1,048

110.40

 報告セグメント計

28,414

97.92

10,740

92.48

その他事業

5,852

165.00

2,769

202.56

合計

34,266

105.23

13,510

104.07

 (注)1.上記金額は、販売価額で表示しております。

2.セグメント間の内部取引消去前の金額であります。

3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年比(%)

熱交換器事業

11,552

96.29

プロセスエンジニアリング事業

13,221

106.02

バルブ事業

4,513

102.38

 報告セグメント計

29,287

101.42

その他事業

5,188

132.90

合計

34,476

105.17

 (注)1.上記金額は、販売価額で表示しております。

2.セグメント間の内部取引消去前の金額であります。

3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

4.総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。

 

(2)経営者の視点による財政状態、経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2020年3月31日現在)において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(資産)

 当連結会計年度末の資産は60,566百万円となり、前連結会計年度末63,041百万円から2,474百万円の減少となりました。

 流動資産は30,139百万円となり、前連結会計年度末33,494百万円から3,355百万円の減少となりました。主な内訳は、現金及び預金11,676百万円、売上債権11,566百万円及び棚卸資産6,173百万円であります。主な減少要因は、現金及び預金3,009百万円や有価証券501百万円であります。

 固定資産は30,427百万円となり、前連結会計年度末29,546百万円から880百万円の増加となりました。主な内訳は、建物及び構築物6,693百万円、土地5,853百万円及び投資有価証券10,927百万円であります。主な増加要因は、土地3,310百万円であります。

(負債)

 当連結会計年度末の負債は9,735百万円となり、前連結会計年度末11,349百万円から1,614百万円の減少となりました。

 流動負債は8,070百万円となり、前連結会計年度末9,935百万円から1,865百万円の減少となりました。主な内訳は、仕入債務5,282百万円であります。主な減少要因は、未払法人税等806百万円であります。

 固定負債は1,664百万円となり、前連結会計年度末1,414百万円から250百万円の増加となりました。主な内訳は、繰延税金負債1,439百万円であります。主な増加要因は、繰延税金負債178百万円であります。

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産は50,831百万円となり、前連結会計年度末51,691百万円から859百万円の減少となりました。主な内訳は、資本金4,150百万円、資本剰余金8,813百万円、利益剰余金37,956百万円及びその他有価証券評価差額金4,021百万円であります。主な減少要因は、自己株式1,582百万円であります。

(受注高)

当連結会計年度における受注高は、前年度から4.2%増加の31,952百万円となりました。

当年度は、熱交換器事業、バルブ事業、その他事業で好調に推移したことから、前年度を上回る結果となりました。

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、前年度から5.1%増加32,511百万円となりました。

当年度は、プロセスエンジニアリング事業で大口案件があったことや、バルブ事業で受注が堅調に推移したことから、前年度を上回る結果となりました。

(利益)

当連結会計年度における営業利益は、は前年度に比べ11.4%増加し2,274百万円となり、経常利益は前年度に比べ10.1%増加し2,573百万円となりました。また、特別損益は前年度に特別損失として災害関連費用などを計上したことに対し、当連結会計年度においては、特別利益として固定資産売却益や小松川化工機株式会社などの子会社化に伴う負ののれん発生益などを計上しました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年度に比べ30.3%増加し2,080百万円となりました。

(経営成績に重要な影響を与える要因)

 新型コロナウイルス感染拡大による世界的な経済活動の停滞により、今後の経済情勢の予測は大変難しい状況にあります。当社グループにおきましては、感染拡大防止を最優先に取り組み、事業への影響を最小限に抑えるべく必要な対応を講じてまいります。

 また、当社グループは本年4月より新たな中期経営計画「G-20」をスタートいたしました。「新たな取り組みで新たな価値の創造」を骨子に、激しく変化する世界と社会課題へ迅速に対応し、圧倒的な存在感No.1企業を実現してまいります。

 2021年3月期は、新型コロナウイルス感染拡大の影響が不透明な状況の下、受注の減少や延期、納期遅延などの発生が懸念されること、また、事業セグメント及び会計方針等(「収益認識に関する会計基準」の適用、「有形固定資産の減価償却方法」の変更)の変更を前提に計画しております。

 

(経営戦略の現状と見通し)

 当社グループが推進する経営戦略は、第2「事業の状況」の1「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 また、経営戦略に掲げる中期経営計画「G-20」における最終年度(2023年3月期)の連結業績目標に対する現状と今後の見通しは次のとおりでありますが、新型コロナウイルス感染拡大による業績への影響を織り込んでおりません。

 なお、2021年3月期の計画につきましては、新型コロナウイルスの影響により修正をかけており、その内容はプロセスエンジニアリング事業における食品機器及び染色機関連の受注案件の延期、中止に起因する売上の減少による影響が大きいと想定しております。熱交換器事業、バルブ事業につきましては受注、売上が約10%減少する想定であり、それに伴った利益減少も想定しております。但し、本業績予想は、緊急事態宣言下の状況で見積もったものであり、今後の状況により変更する可能性があります。

 

「G-17」実績

2020年3月期

「G-20」目標

増減率

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

当初計画

修正計画

受注高

31,952

33,000

27,000

34,000

35,000

9.5%

売上高

32,511

32,000

27,500

33,000

34,000

4.6%

営業利益

2,274

2,000

900

2,300

2,720

19.6%

営業利益率

7.0%

6.3%

3.3%

7.0%

8.0%

+1.0pt

経常利益

2,573

2,200

1,100

2,500

2,920

13.5%

親会社株主に帰属する当期純利益

2,080

1,500

760

1,700

2,000

△3.9%

ROE

4.1%

2.9%

1.5%

3.3%

3.8%

△0.3pt

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度における資本の財源及び資金の流動性についての分析の内、キャッシュ・フローの状況に関しましては、第3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「経営成績等の状況の概要(2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 今後の資本の財源及び資金の流動性に関しましては、製造業である当社グループにとって重要な設備投資、研究開発投資には多額の資金が必要となり、その資本の財源は、当社グループの自己資金で賄うことを基本としております。現在保有する資金に関しては、設備の刷新、事業の拡大、海外進出、M&A等の課題に対し、適宜検討して資金の適切な運用を図っていきます。

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響次第では手元資金の流動性が低下する可能性もあることから、自己資金や金融機関からの借入等も視野に入れ、十分な手元資金の確保と投資のバランスに努めてまいります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。

 この連結財務諸表の作成に当たりまして、見積りを要するものは可能な範囲で入手した情報に基づき会計処理を行っております。

 これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りの不確実性があるため、これらの見積りと異なる結果となる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 なお、当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の影響は軽微であり、重要な会計上の見積りに与えた影響はありません。

 

4【経営上の重要な契約等】

 技術援助契約の主なものは、次のとおりであります。

提携先

国名

内容

契約発効日

期限

対価

DUPLEIX LIQUID

METERS LTD.

南アフリカ

ボールバルブに関する技術供与、情報の相互交換と製造販売

1987年

10月22日

2020年

10月12日

(自動更新)

先方販売高に一定比率を乗じた額

NOSEDA S.R.L.

イタリア

染色機の情報の相互交換と製造販売

1999年

12月16日

2020年

12月15日

(自動更新)

先方販売高に一定比率を乗じた額

株式会社進和及び

煙台進和接合技術有限公司

日本

中国

ブレージングプレート式熱交換器の製造技術の供与

2012年

3月12日

2021年

3月12日

(自動更新)

先方販売高に一定比率を乗じた額

ARSOPI-THERMAL,

Equipamentos

Termicos, S.A.

ポルトガル

プレート式熱交換器の情報提供と製造販売

2012年

1月1日

2021年

12月31日

先方販売高に一定比率を乗じた額

 

5【研究開発活動】

 当社グループは技術3原則を定め、「熱、エネルギー、染色仕上、食品、バルブ、医薬、環境」の開拓者として、ユーザーのニーズに適合した製品を開発し、業界に貢献すべく研究開発活動を展開しております。鴻池事業所には、熱交換器事業、プロセスエンジニアリング事業、バルブ事業それぞれに研究開発部門を設け、ユーザー・大学・公共研究機関などと技術交流を行い、研究開発の成果を上げております。

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発活動の金額は62百万円であります。

 前連結会計年度より、新商品開発及び新規事業の構築を目的とした未来事業推進部を新設し、同部門で生じた費用を研究開発費としております。

 なお、セグメント情報においては、全社費用として計上しております。