第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

   当社グループは「お客様満足」が企業活動の原点であり、お客様から高い評価と信頼を得ることが持続的な成長と収益の実現を可能にし、それが企業価値の向上と株主様をはじめさまざまなステークホルダーの皆様の満足につながるものと認識しております。

   そのため、創業以来追求してきた「流体の漏れを止める技術」を基本技術として、材料技術、設計技術、加工技術、評価技術などを活用し、独創的で高品質な製品を提供し、省資源と安全でクリーンな地球環境づくりに貢献するとともにお客様にとってかけがえのない企業でありつづけることを基本方針としております。

   また、事業環境の変化に迅速に対応し、お客様の要望に応える新しい価値を提案・提供できる体制を構築し、国際競争力を備えた経営体質をさらに強化するとともに、法令や社会規範を順守し、公正で健全な企業活動に努め、良き企業市民として豊かな地域社会の発展に貢献することを目指しております。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

   当社は創業以来、「流体の漏れを止める技術」を基盤として産業界のさまざまなニーズから来る技術要請に対し、新製品・新技術の開発で応え、メカニカルシール、グランドパッキン、ガスケットなどお客様から信頼される高機能製品を提供してまいりました。また、これらの製品は電力、船舶、自動車からエレクトロニクスに至るまで幅広い分野で使用され、そこで培った材料技術、設計技術、加工技術などを活用し、半導体・液晶製造装置関連業界向けにふっ素樹脂製品を開発、提供しています。

   産業機器分野向けシール製品は安定した業容と収益基盤を持つ基幹事業製品として位置づけ、技術競争力の質の向上に努めるとともに、流体制御関連機器市場における総合シールメーカーの強みを活かし、顧客ニーズの「専門性」、「多様性」に対応した新たな製品やサービス展開を進めてまいります。また、グローバル化推進のために、海外における生産・販売・サービス拠点を拡充するなど、拡大する需要を積極的に取り込むよう組織を強化してまいります。

   半導体・液晶製造装置関連業界向けのふっ素樹脂製品は半導体・液晶市場の景気変動の影響を受けるものの、中長期的には成長分野と考えており、今後とも市場の変化に迅速に対応できる開発・生産体制を整え、新用途や新分野の開拓に取り組んでまいります。

   さらに原価構成の見直しを進め、競争力のある原価を目指していくとともに、業務の標準化・効率化・スピード化を積極的に推進し、経営体質の強化に努めてまいります。

 

(3) 目標とする経営指標

   当社グループは2019年度を最終年度とする中期経営計画「BTvision19」のもと、目標の実現に取り組んでまいりました。2020年度からは、新たに2022年度を最終年度とする「BTvision22」をスタートさせ、事業の一層の拡大・発展を図ってまいります。

   また、株主の皆様への利益還元と投資効率を重要課題のひとつとして位置付け、売上高、営業利益、ROEを経営管理の重要指標とし、その向上に努めてまいります。

   なお、「BTvision22」の最終事業年度の目標とする経営指標は、連結売上高325億円、連結営業利益51億円、ROE8.0%以上であります。

 

(4) 経営環境及び対処すべき課題

当連結会計年度における全般的な経営環境は、国内においては雇用や所得環境の改善があったものの、消費税増税の影響や輸出の低迷などにより、製造業を中心に弱さが見られ、また、世界経済も米中貿易摩擦や地政学リスク等による景気減速懸念が続いており厳しい環境にあります。

先行きについては、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大の収束時期が予測できず、不透明な経営環境が続くと予想されます。

産業機器分野向けシール製品は、新型コロナウイルス感染症の影響により、原油価格下落による石油石化市場における投資延期や中止が懸念され、国内市場においても需要の減少や工場稼働の縮小等が懸念されます。また、中国、欧米では企業活動再開も需要の回復には、時間がかかるものと想定されます。このような厳しい外部環境であるものの、中長期的には、新興国において市場の拡大が期待されるため、海外拠点の拡充による生産・営業活動の強化や新製品の投入により事業の拡大を図ってまいります。

 

半導体・液晶製造装置関連業界向けピラフロン製品は、新型コロナウイルス感染症の影響によるファウンドリ(半導体製造工場)やデバイスメーカーの2020年度の投資計画に大きな変更はなく、現状は堅調に推移しておりますが、2020年度の上期後半は不透明な状況であります。しかし、中長期的には5G(第5世代移動通信システム)、IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)の本格的な普及など半導体需要は将来に向かって重層的な広がりが期待されます。この旺盛な需要にこたえられるように、積極的な設備投資、研究開発投資を行ってまいります。建築業界向け免震関連製品は国内市場のみならず海外市場への販売拡大にも積極的に取り組んでまいります。

当社グループは、安定した業容の拡大を目指し、新たな収益の柱となる新規事業の創出や、生産性の向上、コスト削減に向けた取組みに努めております。また、国内外の関係会社との連携強化を推し進め、グループ収益力、コスト競争力を高めてまいります。新しい技術や高機能な製品、そして企業の未来までも、それを生み出すのは人の力であります。全体最適の発想で改革をリードする人材を育むことが重要であり、専門的な技術と広い視野を持ち、グローバルに活躍できる人づくりに努めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

当社は、リスク管理全体を統括するため、「危機管理委員会」を設置するとともに、事業活動にかかわるリスクについて、その迅速な対応を行うことを目的として、当社及び当社グループ会社が共有する「危機管理規程」を定め、同規程に基づいたリスク管理体制を構築しております。不測の事態が発生した場合には、社長の指名を受けた者を本部長とする対策本部を設置し、損害・影響等を最小限にとどめるための体制を立ち上げ、迅速な対応にあたることとしております。また、リスクその他の重要情報の適時開示を果たすため、「情報開示委員会」を設置し、適時適切な情報開示を行う体制を構築しております。

 

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)半導体・液晶市場の変動による影響

当社グループの主力製品であるピラフロン製品は半導体製造装置及び液晶製造装置等に多く使用されております。これら半導体・液晶業界の技術革新は非常に激しく、近年市場規模は拡大傾向にありますが、予期しない急速な市場の縮小等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)品質に関する影響

当社グループは、業界に先駆けて品質マネジメントシステムであるISO9001の認証を取得し、品質保証体制を確立して品質向上に努めております。

その結果、当社グループの製品はあらゆる分野のお客様に採用を頂いておりますが、当社グループの製品の多くは各種設備並びに機器に組み込まれて性能を発揮する機能部品であるため、予期しない不具合の発生等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)海外生産・販売体制及び外国為替動向による影響

当社グループは、最適地生産体制の整備・構築、資材・加工部品の現地調達、海外販売の強化などを推進しており、2020年3月期において海外売上高77億86百万円(海外売上高比率26.7%)となりましたが、進出国における予期せぬ政治・経済体制の変化、自然災害、感染症などが当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、急激な為替変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)原材料等の調達及び価格動向に関する影響

当社グループは生産活動のために多くの原材料・部品等を調達しておりますが、仕入先における資源の枯渇及び生産能力低下による供給遅延、事業撤退による供給停止、品質不良等により当社グループの生産活動が停止又は遅延などの影響を受け、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループが生産、販売する製品の主な原材料は特殊鋼材、ふっ素樹脂などであり、これらの原材料価格の動向が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)技術開発に関する影響

当社グループは今後成長が見込める「新エネルギー」「環境」「安全」等の分野で、シール製品、半導体・液晶関連製品に継ぐ第3の柱となるべき新製品の開発に取組んでおりますが、対象とする分野は技術革新の早さ、市場動向の急激な変化等により特徴付けられております。また、新製品の開発と市場の評価は、複雑かつ不確実なため、急速な技術革新、急激な市場の変化により、新製品の投入がタイムリーに行えない場合、当社グループの将来の成長と事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

(6)訴訟等に関する影響

①当社グループは企業倫理規範を定め法令遵守に努めておりますが、何らかの要因で当社グループないしは当社関係者が民事、刑事事件に巻き込まれるなどの他、環境、労働、知的財産に関する問題等で訴訟を提起される可能性があります。その結果当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②当社グループは事業活動に関連して、知的所有権に関する侵害訴訟が提起されることがないよう細心の注意を払っておりますが、将来侵害訴訟が提起された場合、裁判所等の判決を予測することは不可能であり、その判決内容によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

③当社グループの従業員が職務に関連して発明・考案した特許等に関しては社内規程に基づき発明実施補償を行っておりますが、今後当社グループの従業員や当社グループを退職した者から、職務発明に関する対価を不服として訴訟を提起され、その判決結果によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(7)工場の操業に関する影響

当社グループは兵庫県、京都府、熊本県に主な生産拠点をもっており、工場の保守・保全に鋭意努力をしておりますが、直下型の大地震などにより、工場の操業継続が困難になることや工場が甚大な被害を受け、当社グループの経営成績や業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

また、工場の防火など事故や災害には万全を期しておりますが、火災、爆発、落雷などにより操業を一部停止せざるを得ないおそれがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)新型コロナウイルス感染症拡大に関する影響

当社グループは、テレワークや時差出勤等の厳重な対策を実施した上で事業活動を継続してまいりました。現時点においては、平常時と同水準の稼働率を維持しております。

しかし、新型コロナウイルス感染症拡大が長期化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)その他のリスク

当社グループは新製品の開発、新市場の創造による安定した収益体質の構築並びに価格競争力強化のためコスト構造の変革などに取組んでおります。また、社内に危機管理委員会を設置しリスク管理体制の整備に努めております。

しかし、当社グループが事業を遂行するにあたり、経済環境、戦争、テロ、感染症の蔓延、情報セキュリティー侵害、金融・株式市場、主要販売先の動向、重要人材の喪失等の影響を受け、場合によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善はありましたが、消費税増税の影響や輸出の低迷などにより、製造業を中心に弱さが見られ、景況感の悪化が続いております。

 

 また、世界経済も米中貿易摩擦や地政学リスク等による景気減速懸念が続いております。更に、新型コロナウイルス感染症の影響により、景気の先行きの不透明感が増しております。

 

 このような環境の中、産業機器関連事業では、海外案件での補修品の取り込み等がありましたが、石油精製や石油化学市場等が低調であり、売上高は前年同期比減少いたしました。また、電子機器関連事業においても、半導体市況の低迷による受注の減少が継続し、売上高は前年同期比大きく減少いたしました。

 

 この結果、当連結会計年度の売上高は292億13百万円(前期比5.6%減)となり、利益面では、営業利益は36億83百万円(前期比28.1%減)、経常利益は37億25百万円(前期比28.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、26億35百万円(前期比29.1%減)となりました。

 

 セグメントの業績は次のとおりであります。

 

 

産業機器関連事業

 メカニカルシール製品は精密機械装置向け製品が低調でしたが、グランドパッキン・ガスケット製品は堅調に推移しました。

 この結果、産業機器関連事業の売上高は103億96百万円(前期比3.4%減)、営業利益は13億14百万円(前期比11.5%減)となりました。

 

電子機器関連事業

 半導体・液晶製造装置関連業界向けピラフロン製品は、半導体市況の低迷により受注が大きく減少しました。

 この結果、電子機器関連事業の売上高は187億40百万円(前期比6.9%減)、営業利益は23億29百万円(前期比36.0%減)となりました。

 

その他部門(不動産賃貸等)

 その他部門の売上高は76百万円(前期比6.7%減)、営業利益は26百万円(前期比68.8%増)となりました。

 

財政状態

(資産)

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ2億18百万円増加し、531億90百万円となりました。主な増加は有形固定資産の増加17億4百万円であります。

(負債)

 当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ6億21百万円減少し、101億80百万円となりました。主な減少は未払法人税等の減少5億97百万円であります。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度に比べ8億40百万円増加し、430億10百万円となりました。主な増加は利益剰余金の増加15億41百万円であります。

 この結果、自己資本比率は80.9%(前連結会計年度は79.6%)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における連結キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フロー40億64百万円(前年同期は50億35百万円)に対し、投資活動によるキャッシュ・フローは△29億50百万円(前年同期は△39億2百万円)であり、財務活動によるキャッシュ・フローは△18億62百万円(前年同期は△14億93百万円)となりました。この結果、現金及び現金同等物は7億83百万円減少し、107億98百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは40億64百万円であり、前連結会計年度に比べ9億71百万円減少しました。その主な要因は、仕入債務の増減額が3億98百万円増加、たな卸資産の増減額が4億47百万円増加したことに対し、税金等調整前当期純利益が18億3百万円減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは△29億50百万円であり、前連結会計年度に比べ9億51百万円増加しました。その主な要因は、有形固定資産の売却による収入が5億96百万円減少したことに対し、有形及び無形固定資産の取得による支出が13億47百万円減少したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは△18億62百万円であり、前連結会計年度に比べ3億69百万円減少しました。その主な要因は、自己株式の取得による支出が3億37百万円増加したことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

産業機器関連

8,865

△5.5

電子機器関連

17,160

△12.0

合計

26,025

△9.8

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

産業機器関連

9,925

△10.9

1,722

△21.5

電子機器関連

19,441

2.8

2,227

45.9

合計

29,367

△2.3

3,950

6.2

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

産業機器関連

10,396

△3.4

電子機器関連

18,740

△6.9

報告セグメント計

29,137

△5.6

その他

76

△6.7

合計

29,213

△5.6

 (注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

金額 (百万円)

割合(%)

金額 (百万円)

割合(%)

㈱SCREENセミコンダクターソリューションズ

4,329

14.0

3,731

12.8

2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は292億13百万円(前期比5.6%減)となり、利益面では、営業利益は36億83百万円(前期比28.1%減)、経常利益は37億25百万円(前期比28.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、26億35百万円(前期比29.1%減)となりました。

海外拠点の拡充等、積極的な海外展開を進めましたが、石油石化市場や半導体市況の低迷により、売上高は前期に比べ減少いたしました。

利益面では、売上高の減少に加え、三田工場の建て替えや生産設備増強等、将来に向けた積極的な投資による減価償却費等、固定費の増加もあり前期に比べ減少いたしました。

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、事業等のリスクに記載しているとおり、半導体・液晶市場の変動、品質、海外生産・販売体制及び外国為替動向、原材料等の調達及び価格動向、技術開発、訴訟等、工場の操業、などがあります。その中でも、特に半導体・液晶業界の技術革新は非常に激しく、近年市場規模は拡大傾向にありますが、予期しない急速な市場の縮小等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、経営方針、経営環境及び対処すべき課題に記載しているとおり、売上高、営業利益、ROEを重要指標と位置づけております。

当連結会計年度におきましては、売上高298億円、営業利益36億円の目標に対し、売上高292億13百万円(計画比2.0%減)、営業利益36億83百万円(計画比2.3%増)となりました。

営業利益につきましては、目標を達成したものの、売上高は、産業機器関連事業において海外案件での補修品の取り込み等がありましたが、石油精製や石油化学市場等が低調であり、また、電子機器関連事業においても、半導体市況の低迷による受注の減少が継続した影響により、目標を下回りました。

また、ROEは8.0%以上を目標としておりましたが、当連結会計年度につきましては6.2%となり、目標を下回りました。安定した業容の拡大、生産性の向上やコスト削減による収益力を高めることで、目標を上回るよう努めてまいります。

 

セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、事業等のリスクに記載しているとおり、当社グループは、テレワークや時差出勤等の厳重な対策を実施した上で事業活動を継続してまいりました。現時点においては、平常時と同水準の稼働率を維持しております。

しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により世界的に企業活動や消費活動が停滞する状況が続いており、今後の経済情勢にも大きな影響を及ぼす懸念があります。当連結会計年度末時点で入手可能な外部の情報等を踏まえて、今後、2020年度の下期まで当該影響が継続する仮定のもと会計上の見積りを行っておりますが、世界的な新型コロナウイルス感染症の収束時期及び、経済、企業活動の正常化のタイミングを予想することは困難であります。

 

キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料購入等の製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は主に設備投資等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と財源の安定的な確保を基本方針としており、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入れ、設備投資等の長期運転資金は自己資金及び金融機関からの長期借入れを基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は7億66百万円であります。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は107億98百万円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、時価による測定を含め、会計上の見積りを行うに際して使用した重要な仮定は、合理的であると判断しており、当社及び連結子会社の財産及び損益の状況を適正に表示しております。

なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 」に記載しております。

また、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社は創業以来「流体の漏れを制御する」流体制御関連機器メーカーとして長年にわたり蓄積してきた材料技術、設計技術、加工技術、評価技術を応用した新製品の開発を進めております。

 

 新事業分野での製品開発はAE事業部が担当しており、安全関連のミリ波レーダーアンテナや大容量高速通信用ふっ素樹脂基板、また新エネルギー関連の電池部材、環境関連の浄化用光触媒など、ニッチ市場に高付加価値製品を提供すべく研究開発を行っております。

 研究開発スタッフは約30名であり、お客様はもとより、公的研究機関や大学との交流、共同研究を積極的に展開し、先進技術の研究開発を効率的に推進しております。

 当連結会計年度の研究開発費は618百万円でありました。

 また、既存製品分野に係る改良及び研究開発については技術本部が担当しており、当連結会計年度における技術開発費は426百万円でありました。

 研究開発費と技術開発費の合計は1,044百万円であり、これは売上高の3.6%でありました。

 

 なお、技術本部の各分野別の状況は次のとおりであります。

 

(1)産業機器関連事業

(産業機器関連)

メカニカルシール関連では、エネルギー市場のニーズに合致した高負荷対応シールや、水ビジネス市場向けシール、クリーン市場に向けた多機能シールの開発を進めております。

グランドパッキン・ガスケット関連では、環境問題に関する最新の公的規格、基準等が要求する高気密性・高耐久性を兼ね備えた差異化製品の開発を進めております。

さらに自動車市場向けシール製品の開発も進めております。

 

(2)電子機器関連事業

(半導体・液晶製造装置関連)

半導体・液晶関連では、次世代の市場要求に対応する高機能樹脂製品の開発に取り組んでおります。さらに医療分野、食品分野などの新市場向けふっ素樹脂製品の開発も進めております。

(土木建築関連)

建築物の地震に対する安全性をより高めるために、高耐久性免震支承の開発に取り組んでおります。また、多様化するニーズに対し、超高層建築用から低層建物用まで用途に合致した免震装置の開発を進めております。