当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策や日銀による金融緩和策を背景に雇用・所得環境の改善が継続し、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。その一方で、個人消費の改善に足踏みがみられたほか、為替相場や株式市場が大きく変動するなど、景気の先行きについては不透明な状況で推移いたしました。海外におきましては、全体としては緩やかな回復傾向を示す一方、新興国の景気下振れ懸念や英国のEU離脱問題に加え、米国における政権交代や各地域での地政学リスクの顕在化など、不確実性が高まる事象が相次いでおり、依然として先行き不透明な状況が続きました。
このような状況の中、当社グループでは、平成26年4月にスタートさせた「16中期経営計画」に基づき、「燃焼装置関連事業の海外展開強化」、「市場ニーズに対応した新商品の開発」、「安定配当の実現」及び「コンプライアンス及びコーポレート・ガバナンス重視の徹底」の4つの経営基本方針と「海外売上比率50%」、「新技術新商品の創出」、「国内基盤固め」及び「トータル原価の削減」の4つの重点戦略を掲げて全社を挙げて取り組んでまいりました。これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高につきましては、前期に受注した自動車関連企業向けの大型案件等があったことなどから、売上高25億9千万円(前年比40.8%増)となりましたが、利益面につきましては、一部の案件において収益率が想定を大きく下回ったことなどから、営業損失1億3千9百万円(前連結会計年度は営業損失1億4千3百万円)、経常損失1億4千2百万円(前連結会計年度は経常損失1億5千4百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失1億7千9百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失1億7千5百万円)となっております。
セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
① 工業炉燃焼装置関連
工業炉燃焼装置関連事業につきましては、当連結会計年度での売上高は25億8千8百万円(前年比40.8%増)、営業損失は2億5千4百万円(前連結会計年度は営業損失2億2千5百万円)となりました。
事業部門別の売上高につきましては、次のとおりとなります。
環境装置石油化学部門におきましては、産業用各種燃焼装置、管式加熱炉、石油化学用低NOxバーナ及び各種ガスバーナなどが主力製品となっております。前連結会計年度は原油価格の急激な変動により大幅な減収となりましたが、当連結会計年度につきましては受注が回復傾向で推移したことから売上高は前年比67.9%増の2億9千5百万円となりました。
工業炉部門におきましては、非鉄金属熱処理炉、一般熱処理炉、鋳造炉及び回転炉などが主力製品となっておりますが、前連結会計年度に受注した大型案件があったことや、好調な自動車関連企業からの受注が順調に推移したことなどから、当連結会計年度における売上高は前年比94.4%増の8億7千3百万円となりました。
ボイラ用機器部門におきましては、ボイラ用低NOxバーナ、ボイラ用省エネルギー装置及びボイラ用パッケージバーナなどが主力製品となっておりますが、案件の引き合いが少なく、非常に厳しい受注環境が継続していることから、当連結会計年度における売上高は前年比12.0%減の1億6千万円となりました。
工業炉用機器部門におきましては、各種工業炉用バーナ及び各種工業炉用低NOxバーナなどが主力製品となっておりますが、前連結会計年度と比べて各種工業炉用低NOxバーナなどの受注が低調に推移したことなどから、当連結会計年度における売上高は前年比12.4%減の2億5千5百万円となりました。
産業機械用機器部門におきましては、各種ロータリーキルン用バーナ、各種シャフトキルン用バーナ及び熱風発生炉などが主力製品となっておりますが、各種キルン用バーナ及び熱風発生炉の受注が順調に推移したことにより、当連結会計年度における売上高は前年比230.9%増の2億6千9百万円となりました。
各種燃焼設備の整備・工事等を行う、メンテナンス部門におきましては、子会社の株式会社ファーネスESにおいて受注が順調に推移したことから、当連結会計年度における売上高は前年比28.7%増の2億3千5百万円となりました。
燃焼装置・機器の部品販売部門におきましては、当連結会計年度における売上高は前年比2.2%増の2億7千5百万円となりました。
HRS部門におきましては、鉄・鋳鍛鋼産業関係蓄熱バーナシステムが、主力製品となっております。当連結会計年度における売上高は前年比9.3%増の2億2千3百万円となりました。
② その他
その他の事業につきましては、各子会社からの配当収入、不動産賃貸収入、経営指導料等が収益の中心となっております。当連結会計年度での売上高は2億9千1百万円(前年比0.1%減)、営業利益は2億6千6百万円(前年比2.2%増)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して3億8千3百万円減少し14億3千3百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フロー及びその主要な要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は3億7千2百万円(前連結会計年度は1億3千万円の獲得)となりました。これは主として税金等調整前当期純損失1億4千2百万円、売上債権の増加額1億5千5百万円、たな卸資産の減少額5千8百万円、仕入債務の増加額5千7百万円、前受金の減少額4千3百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は5百万円(前連結会計年度は1千万円の使用)となりました。これは主として有形及び無形固定資産の取得による支出額8百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は3百万円(前連結会計年度は3千6百万円の使用)となりました。これは主として短期借入金の増加額3百万円等によるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメント(部門別内訳含む)ごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメント等の名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
工業炉燃焼装置関連 |
2,588,666 |
+40.8 |
|
(内訳)環境装置石油化学部門 |
295,762 |
+67.9 |
|
工業炉部門 |
873,170 |
+94.4 |
|
ボイラ用機器部門 |
160,457 |
△12.0 |
|
工業炉用機器部門 |
255,525 |
△12.4 |
|
産業機械用機器部門 |
269,200 |
+230.9 |
|
メンテナンスサービス部門 |
235,508 |
+28.7 |
|
部品部門 |
275,844 |
+2.2 |
|
HRS部門 |
223,197 |
+9.3 |
|
その他 |
1,800 |
― |
|
合計 |
2,590,466 |
+40.8 |
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 金額は、販売価格によっております。
3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメント(部門別内訳含む)ごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメント等の名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
工業炉燃焼装置関連 |
1,942,800 |
△30.3 |
836,062 |
△43.6 |
|
(内訳)環境装置石油化学部門 |
147,006 |
△52.1 |
10,690 |
△93.3 |
|
工業炉部門 |
387,938 |
△60.5 |
237,264 |
△67.2 |
|
ボイラ用機器部門 |
200,318 |
+0.3 |
184,509 |
+27.6 |
|
工業炉用機器部門 |
225,338 |
△40.8 |
93,930 |
△24.3 |
|
産業機械用機器部門 |
229,737 |
△15.2 |
154,092 |
△20.4 |
|
メンテナンスサービス部門 |
266,808 |
+39.0 |
90,592 |
+52.8 |
|
部品部門 |
244,065 |
△12.9 |
22,998 |
△58.0 |
|
HRS部門 |
241,586 |
+39.1 |
41,984 |
+77.9 |
|
その他 |
― |
― |
― |
― |
|
合計 |
1,942,800 |
△30.3 |
836,062 |
△43.6 |
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメント(部門別内訳含む)ごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメント等の名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
工業炉燃焼装置関連 |
2,588,666 |
+40.8 |
|
(内訳)環境装置石油化学部門 |
295,762 |
+67.9 |
|
工業炉部門 |
873,170 |
+94.4 |
|
ボイラ用機器部門 |
160,457 |
△12.0 |
|
工業炉用機器部門 |
255,525 |
△12.4 |
|
産業機械用機器部門 |
269,200 |
+230.9 |
|
メンテナンスサービス部門 |
235,508 |
+28.7 |
|
部品部門 |
275,844 |
+2.2 |
|
HRS部門 |
223,197 |
+9.3 |
|
その他 |
1,800 |
― |
|
合計 |
2,590,466 |
+40.8 |
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
河野電子株式会社 |
― |
― |
352,680 |
13.6 |
3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4. 主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、長年培った燃焼技術を基に、絶え間ない努力とチャレンジによって、最先端技術を社会に提供し、地球環境保全と循環型社会の実現に貢献するとともに、株主の皆様は勿論、企業を支えるお客様や取引先、社員、地域社会等の全てのステークホルダーの繁栄を目指して事業活動を行います。
また、当社グループはコーポレート・ガバナンスの強化並びにコンプライアンスの徹底を絶えず念頭において経営革新を推進し、企業の発展に努力してまいります。
(2)中長期的な経営戦略
当社グループは、平成29年4月に平成32年3月期(2019年度)を最終年度とする「19中期経営計画」を策定しスタートいたしました。「収益・成長性の追求」、「新事業・新製品の創出」、「グローバル展開の加速」の3つの経営基本方針を掲げて全社を挙げて取り組んでまいります。
(3)当社を取り巻く経営環境
我が国経済の先行きにつきましては、政府の経済対策並びに日銀の金融緩和策を背景に、引き続き国内景気の回
復が期待される一方で、世界経済の動向などの懸念材料もあり、依然として先行き不透明な厳しい状況が続くもの
と考えられます。このような中、当社グループは年度計画の実現に向けさまざまな施策を実行してまいります。
(4)会社の対処すべき課題
当社グループが対処すべき主要な経営課題は、以下のとおりであります。
① 工業炉燃焼装置関連事業の強化
当社グループのコアビジネスである工業炉燃焼装置関連事業の強化は、当社経営基本方針の最重要課題と位置づけており、市場ニーズに対応する新商品開発と海外市場への販売強化を推進することにより、持続的な企業価値の向上を目指します。
② 環境関連事業への取り組み
エネルギー効率の改善やクリーンエネルギーへの転換等、CO2削減による地球環境の保全は、企業の重要な責務として認識しております。当社グループが長年に渡り培った技術を応用することで、企業としての可能性の追求と循環型社会の実現への一助を目指します。
③ リスクマネジメントの強化
近年の事業環境下では、想定を上回る規模の自然災害の発生などにより事業継続計画の重要性が非常に増しております。当社グループでは大規模な災害が発生した場合でも、被害を最小限にとどめ、復旧までの時間を最小限におさえて業務を継続できるよう、業務インフラ、緊急時連絡体制及び本社屋をはじめとする各設備の見直しを行い、多目的な観点から事業継続計画を作成して定期的な見直しを行ってまいります。
④ コンプライアンスに徹した透明性の高い経営
当社グループは、あらゆる法令や諸規則を遵守し、高い自己規律に基づく健全な業務運営の確保に努めており、これらのコンプライアンスに徹した透明性の高い経営の実現により、全てのステークホルダーから信頼・評価される体制を構築してまいります。
⑤ 人材育成制度の改革
事業を遂行する上で人材は最も重要な経営資源であるとの認識のもと、人材育成制度の改革を行い、今後の当社グループの礎となる人材の育成に注力してまいります。
当社グループの事業及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経済情勢及び景気動向について
当社グループの中核事業は国内外の鉄鋼、自動車、産業機械、紙・パルプ、石油化学などの産業に従事する企業に燃焼関連の設備を提供することです。これらの産業における設備需要が、総需要の減少、金利上昇などのマクロ要因や、コストの上昇、競争激化などのミクロ要因やその他の理由によって低下した場合、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)資材等の調達について
当社グループの製品には鉄鋼などの金属製品を用いた機械部品がコストの中で大きな要因を占めています。原油高騰や為替相場の変動、その他の理由により仕入先においてコストが上昇した場合、当社の製品コストも上昇する可能性があり、これが製品価格に転嫁できなければ当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)製品の不具合等について
当社グループの製品は、大部分が顧客のニーズに合わせて開発・製造するものであり、また、競争上従来製品以上の高度な仕様の製品を受注する事例が多くあります。業務においては当社の培った技術力と経験豊富な人材により十分な検討と確認がなされていますが、製造の過程で、検討段階における見積額を上回るコストが発生したり、納入後に不具合が発生した場合、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)競争について
当社グループの業務は、独自の技術に基づき熱処理に関する顧客の高度なニーズに応える製品を供給することで成立しています。同業他社が高度な技術を開発したり、低コストの製品を供給したりすることにより、当社の業績に悪影響を受ける可能性があります。
(5)知的財産権について
当社グループの技術とノウハウの一部は、特定の地域では法的規制な制約のために知的財産としての十分な保護が受けれない場合があります。そのため、第三者が当社グループの知的財産権を使って類似品等を製造、販売するのを防止できない可能性があります。また、他社が類似若しくはより優れた技術を開発した場合、当社グループの知的財産の価値が低下する可能性があります。
(6)訴訟について
当社グループの国内外の活動に関して訴訟、紛争その他の法的手続きが提起される恐れがあります。当社グループに対してなんらかの訴訟が提起され、当社に不利な判決が出た場合、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)地震などの自然災害とインフラの状況について
当社グループは地震などの自然災害や火災・事故などにより、本社及び各拠点などが被害を被った場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。特に現在の本社社屋は老朽化が進んでおり耐震対策を含む事業継続計画の見直しなどを進めておりますが、想定を上回る災害が発生した場合には当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、電力供給などのインフラに制約があった場合、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)為替相場の変動について
当社グループでは、連結売上高に占める海外売上高比率が増加する一方、製造コスト削減のために海外からの部品調達についても増加傾向にあります。為替相場の大幅な変動が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 技術受入契約は、次のとおりであります。
|
契約先 |
国名 |
内容 |
契約期間 |
|
SAMIA社 |
イタリア |
エレベーテッドフレア装置及びグランドフレア装置の製造技術 |
平成28年4月21日から |
(注) 1. 本契約は、昭和57年4月22日に許可になったものであります。
2. 上記の技術導入については、製品販売による純売上金額に対し、一定率のロイヤリティを支払うものであります。
(2) 技術供与契約は、次のとおりであります。
|
契約先 |
国名 |
内容 |
契約期間 |
|
SAMIA社 |
イタリア |
プロセスヒータ用低NOxバーナ[SRG型、SRX型]の設計、製造技術 |
平成28年5月6日から |
|
ITRI社 |
台湾 |
工業用加熱炉、熱処理用リジェネバーナ[HRS型]の設計、製造技術 |
平成24年7月1日から |
(注) 上記の技術供与については、製品販売による純売上金額に対し、一定率のロイヤリティを受け取るものであります。
(3) 業務提携契約は、次のとおりであります。
|
契約先 |
国名 |
内容 |
契約期間 |
|
オリンピア |
日本 |
(1)コスト競争力強化を目的とした製造拠点活用の協力 (2)提供ソリューション拡充を目的とした製品やサービスの相互供与 (3)売上拡大を目的とした国内外営業協力 (4)製品開発ターム短縮を目的とした技術や資源の相互協力 |
平成28年7月15日から |
(4) 連結子会社における技術供与契約は、次のとおりであります。
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契約先 |
国名 |
内容 |
契約期間 |
|
SAMIA社 |
イタリア |
工業用加熱炉、熱処理用リジェネバーナ[HRS型]の設計、製造技術 |
平成29年2月14日から |
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CAN-ENG社 |
カナダ |
工業用加熱炉、熱処理炉の設計、製造技術 |
平成25年5月28日から |
|
東宇熱処理工業 |
韓国 |
工業用加熱炉の設計、製造技術 |
平成28年6月30日から |
|
ICS社 |
ポーランド |
工業用加熱炉、熱処理用リジェネバーナ[HRS型]の設計、製造技術 |
平成28年11月30日から |
|
水国 |
韓国 |
ボイラ用バーナの設計、製造技術 |
平成21年2月25日から |
(注) 上記の技術供与については、製品販売による純売上金額に対し、一定率のロイヤリティを受け取るものであります。
当連結会計年度の研究開発活動においては、前々連結会計年度に国内セメントメーカに納入した新型キルンバーナあるHiCDFバーナは良好に運転を継続しており、更なる性能改善提案を行えるよう引き続き情報入手に力を入れています。今後は、セメントキルンのみならず、石灰キルンにも適用範囲を拡大していくため、HiCDFバーナのCFD(Computational Fluid Dynamics:計算機流体力学)シミュレーションを援用した性能予測精度向上を試みております。
また、熱処理を行うための台車炉等で用いられるハイスピードバーナに関しても350kW型の当社オリジナルバーナの開発に続き175kW型も開発を完了し、両タイプともに現在は実機台車炉へ配備して試運転が完了し、実操業で用いられています。現在はラインナップ拡張のため580kW型の開発に着手しております。
さらに、石油産業用の加熱炉に用いられる低NOxバーナSRX-E型の開発は今年度初めに完了し、現在は販促のための技術資料を充実させて顧客へのアピールを行っています。
当連結会計年度の研究開発費の総額は9,487千円でした。今後の研究開発活動における目的と課題は、次のとおりです。
・新型キルンバーナHiCDFバーナについてセメントキルン、石灰キルン等の国内実績を増加させ、インドを含むアジア圏での受注拡大を図る。また、燃料種もアジア圏で多用されている低品位炭やオイルコークス、RPF等、難燃性の低価格燃料を適用可能にする。
・国内都市ガス燃料と比較し燃焼安定化の面で課題を持つメタンリッチガス燃料への対応はこれまで案件毎に対応していたが、バーナの種類によらず問題無く使用可能にする技術力強化を図り、あらゆる条件の海外引合いに対応していく。
・石油加熱炉用バーナの低NOx化のレベルをさらに進化させ、欧米のメーカが台頭してきている振興国でのシェア拡大を図る。
・熱処理炉用はじめ多目的に使用できるオリジナルハイスピードバーナのラインナップを充実させ、売上拡大に貢献する。
・次世代型省エネルギー燃焼の核心となる高温酸素燃焼技術の可能性への関心が強まってきており、将来的な当社の売り上げの軸となる技術へと発展させる準備を行う。
1)HiCDFバーナ:オリジナルの一次空気チャネル数を減らすなど、より低価格で高性能を提供できる形状も客先へ提案可能にするため、CFDによる性能予測のレベルを進化させる。また、セメントとはやや特性の異なる石灰キルンへの適応も図る。
2)メタンリッチガスへの対応:当社の既存ガスバーナの全製品において、メタンリッチガスでの安定燃焼性向上を図る。
3)石油加熱炉用低NOxバーナ:既存型のガス燃料用低NOxバーナに、競合他社の低NOx性能を上回る性能を持たせる。
4)ハイスピードバーナ:燃焼量および適用温度範囲を拡大したハイスピードバーナのラインナップを充実させる。
5)高温酸素燃焼技術開発:高温酸素燃焼技術の実用化のための課題抽出と解決方法を実験的に検証する。
1)HiCDFバーナは実機セメントキルンへの商用機として国内セメントメーカへの納入に続き、新たに海外セメントメーカにも納入完了。今後の運転状況を注視していきます。今後も顧客との連携によりCFDシミュレーションによる結果の実データによる検証も合わせて進めていく予定。
2)メタンリッチガスへの対応機種として、最初はボイラ用低NOxバーナULNおよびCBUを対象とし、燃焼試験を実施中。
3)石油加熱炉用バーナはSRX-E型が完成し、特許出願も完了。現在積極的な営業活動を実施中。
4)ハイスピードバーナは、350kWと175kWの機種についてバーナの開発が完了し、実機台車炉に配備し、試運転が完了。現在は580kW対応機種の開発に着手。
5)高温酸素燃焼の開発は、鉄鋼産業はじめ各産業界へのアピールを継続しつつ、より実用に近いレベルの燃焼試験を行うため、以前に東北大学と共同実施した試験バーナをグレードアップさせる試験機を計画中。
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末(平成29年3月31日)現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当社グループの平成29年3月期連結決算における売上高は、前連結会計年度に受注した大型案件があったことなどから、上期は順調に推移したものの、前連結会計年度から続く原油価格の低迷などの影響から総じて非常に厳しい環境下での事業運営を迫られることとなりました。それらの結果、売上高は25億9千万円(前年比40.8%増)、営業損失1億3千9百万円(前連結会計年度は営業損失1億4千3百万円)、経常損失1億4千2百万円(前連結会計年度は経常損失1億5千4百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失1億7千9百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失1億7千5百万円)となっております。
(2)財政状態の分析
① 資産の部
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して1億6千7百万円減少し36億9千6百万円となりました。
流動資産は前連結会計年度末と比較して5千2百万円減少し26億9千6百万円となりました。主な内訳としては現金及び預金が2億7千5百万円の減少となったこと、受取手形及び売掛金が1億5千5百万円増加したことなどによります。
固定資産は前連結会計年度末と比較して1億1千5百万円減少し10億円となりました。これは、投資その他の資産が1億円減少したことなどによるものです。
② 負債の部
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比較して1百万円増加し10億6百万円となりました。
流動負債は前連結会計年度末と比較して5百万円減少し6億2百万円となりました。主な内訳としては支払手形及び買掛金が5千7百万円の増加となったこと、前受金が4千3百万円減少したことなどによります。
固定負債は前連結会計年度末と比較して7百万円増加し4億3百万円となりました。主な内訳としては退職給付に係る負債が5百万円増加したことなどによります。
③ 純資産の部
当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上1億7千9百万円などにより、前連結会計年度末と比較して1億6千9百万円減少し26億9千万円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
「4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とその増減については「第2 事業の状況 1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。当連結会計年度末現在の現金及び現金同等物残高は14億3千3百万円となっており、これは少なくとも今後12ヶ月の事業計画に基づく資金ニーズを充足する上で十分な残高となっています。また、当連結会計年度末現在の連結有利子負債残高(割引手形、短期借入金の合計)は4億3千4百万円であります。