当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、長年培った燃焼技術を基に、絶え間ない努力とチャレンジによって、最先端技術を社会に提供し、地球環境保全と循環型社会の実現に貢献するとともに、株主の皆様は勿論、企業を支えるお客様や取引先、社員、地域社会等の全てのステークホルダーの繁栄を目指して事業活動を行います。
また、当社グループはコーポレート・ガバナンスの強化並びにコンプライアンスの徹底を絶えず念頭において経営革新を推進し、企業の発展に努力してまいります。
(2)中長期的な経営戦略
当社グループでは、経営理念の実現と2030年に向けてサステナブルグロウス(持続的成長)を実現するため、「事業基盤の強化」、「成長戦略を支える強固な経営基盤の構築」、「環境・社会・ガバナンスを重視した経営」の3つの基本方針を掲げて邁進してまいります。
(3)当社グループを取り巻く経営環境
我が国経済の先行きにつきましては、不安定な国際情勢や急激な円安等の影響によるエネルギー価格や原材料価格の高騰など、当社グループの業績に影響を与える国内外の経済は不透明感が益々高まる状況となっております。
このような状況の中、当社グループでは「事業基盤の強化」、「成長戦略を支える強固な経営基盤の構築」、「環境・社会・ガバナンスを重視した経営」の3つの経営基本方針を掲げて全社を挙げて取り組み、年度計画の実現に向け全力で取り組んでまいります。
(4)会社の対処すべき課題
当社グループでは、経営理念の実現と2030年に向けてサステナブルグロウス(持続的成長)を実現するため、「事業基盤の強化」、「成長戦略を支える強固な経営基盤の構築」、「環境・社会・ガバナンスを重視した経営」の3つの基本方針を掲げて邁進してまいります。
各基本方針に基づく重点戦略は以下のとおりとなります。
①事業基盤の強化
・顧客との協創による技術革新の実現
・協力会社とのアライアンス体制構築による収益力強化
・事業ポートフォリオの拡大
・持続的な成長に向けたグループ事業領域の再定義
・研究開発機能の強化による新規技術の導入(省エネ、低公害、IoT等)
・海外事業の拡大
・西日本地区体制強化
②成長戦略を支える強固な経営基盤の構築
・本社機能の刷新
・IT化(社内システム、開発環境)による業務効率の向上
・視点の多様性(ダイバーシティ)を取り入れた組織づくり
・西日本地区体制強化
・働き方改革・職場の活性化
③環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)を重視した経営
・低燃費・低環境負荷の最先端技術をグローバルに提供する事業を通じて、地球環境保全と循環型社会の実現に貢献
・コーポレート・ガバナンス体制強化による更なる社会的信用の向上
・新人事制度導入(人と仕事の成長を促進させる目標管理・評価制度)
当社グループの主力事業は工業炉燃焼装置関連事業であることから、当社グループにとってのサステナビリティとは、事業を通して社会課題の解決に寄与することであり、当社グループの持続的な成長が、社会の持続的な発展に貢献できると考えております。当社の経営理念も「長年培った燃焼技術を基に、絶え間ない努力とチャレンジによって、最先端技術を社会に提供し、地球環境保全と循環型社会の実現に貢献するとともに、株主の皆様は勿論、企業を支えるお客様や取引先、社員、地域社会等の全てのステークホルダーの繁栄を目指して事業活動を行います。」となっております。当社の技術革新が即ち脱炭素社会の実現に資するものと考え全社を挙げて取り組んでおります。
(1)ガバナンス
当社グループは、「最先端技術を社会に提供し地球環境保全と循環型社会の実現に貢献する」という創業以来の経営理念を追求する経営哲学のもと、公正で透明性の高い経営に取り組むことを基本的な考えとしております。その実現のため、株主の皆様やお客様をはじめ、取引先、地域社会、従業員等各ステークホルダーと良好な関係を築き、長期的視野の中でグループ企業価値の向上を目指すべく経営活動を推進しております。
当社グループは、この経営理念の実現と2030年へ向けたサステナブルグロウスの実現へ向けて、これらを実現するための3つの基本方針を掲げて積極的な施策を実行しております。
なお、これらを実現するための企業統治の体制につきましては、「
(2)戦略
国内で消費するエネルギー量の約2割を工業炉が占めているといわれており、脱炭素化に向けた燃料転換は喫緊の課題と考えます。当社グループでは、脱炭素化時代の燃料転換に対応すべく、水素バーナの開発を始めとした脱炭素燃料対応の製品開発に積極的に取り組んでおります。
また、当社グループは年代・職歴等をはじめ、多様な人材で組織づくりを推進しており、人的資本への投資については、組織における長期的な年齢構成の適正化を図るため、毎年継続的に新卒募集を実施しているほか、組織に必要な人材を即戦力として採用するため、中途採用を適宜実施しています。
詳細は、「
(3)リスク管理
当社グループは、サステナビリティ課題を含む事業へのリスクについても、年に2回実施しているリスクヒアリングの中でリスクの見直し・検討を実施しリスクの軽減化を図るとともに、リスク発見時に迅速に対応できるよう管理体制の整備に努めております。リスク管理の詳細は、「
(4)指標及び目標
当社グループは、経営理念の実現と2030年へ向けたサステナブルグロウスの実現へ向けて、これらを実現するための積極的な施策を実行しております。
当社グループにおける人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針及び社内環境整備に関する方針の指標として、男性労働者の育児休業取得率向上を目指しておりますが、当連結会計年度の実績は0%となっております。取得率向上に向け適宜施策を実施してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経済情勢及び景気動向について
当社グループの中核事業は、国内外の鉄鋼、自動車、産業機械、紙・パルプ、石油化学などの産業に従事する企業に燃焼関連の設備を提供することです。これらの産業における設備需要が、総需要の減少、金利上昇などのマクロ要因や、コストの上昇、競争激化などのミクロ要因やその他の理由によって低下した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)資材等の調達について
当社グループの製品には、鉄鋼などの金属製品を用いた機械部品がコストの中で大きな要因を占めています。原油高騰や為替相場の変動、その他の理由により仕入先においてコストが上昇した場合、当社グループの製品コストも上昇する可能性があり、これが製品価格に転嫁できなければ当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)製品の不具合等について
当社グループの製品は、大部分が顧客のニーズに合わせて開発・製造するものであり、また、他社との競争上、従来製品以上の高度な仕様の製品を受注する事例が多くあります。業務においては当社グループの培った技術力と経験豊富な人材により十分な検討と確認がなされていますが、製造の過程で、検討段階における見積額を上回るコストの発生や、納入後に不具合が発生した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)競争について
当社グループの業務は、独自の技術に基づき熱処理に関する顧客の高度なニーズに応える製品を供給することで成立しています。同業他社が高度な技術を開発したり、低コストの製品を供給したりすることにより、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)知的財産権について
当社グループの技術とノウハウの一部は、特定の地域では法的制約により知的財産としての十分な保護が受けられない場合があります。そのため、第三者が当社グループの知的財産権を使って類似品等を製造、販売することを防止できない可能性があります。また、他社が類似若しくはより優れた技術を開発した場合、当社グループの知的財産の価値が低下する可能性があります。
(6)訴訟について
当社グループの国内外の活動に関して訴訟、紛争その他の法的手続きが提起される恐れがあります。当社グループに対してなんらかの訴訟が提起され、当社グループに不利な判決が出た場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)地震などの自然災害とインフラの状況について
当社グループは地震などの自然災害や火災・事故などにより、本社及び各拠点などが被害を被った場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、想定を上回る災害が発生した場合や、電力供給などのインフラに制約があった場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)為替相場の変動について
当社グループでは、連結売上高に占める海外売上高比率が増加する一方、製造コスト削減のために海外からの部品調達についても増加傾向にあります。為替相場の大幅な変動が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大などにより景気は緩やかな回復傾向で推移いたしました。
その一方で、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞に伴う影響など、海外景気の下振れリスクのほか、物価上昇、中東地区をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響など先行きについては依然として不透明な状況で推移いたしました。
このような状況の中、当社グループでは「事業基盤の強化」、「成長戦略を支える強固な経営基盤の構築」、「環境・社会・ガバナンスを重視した経営」の3つの経営基本方針を掲げて全社を挙げて取り組んでまいりましたが、前期より顕著となっていました新規受注の落ち込みなどから、期初受注残5億7千6百万円(前年比47.1%減)と厳しい状況でのスタートとなりました。2024年6月には大手自動車会社からの2億9千万円の大型受注を獲得するなど積極的に受注獲得に取り組んでまいりましたが、プラント部門において受注を見込んでいた大型案件が延期になるなど非常に厳しい事業運営を迫られることとなりました。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高は20億8千2百万円(前年比2.1%減)、また、利益面につきましては、工業炉部門にて受注した大型案件において、原価が予算を上回るケースが発生したものの、徹底した経費節減を継続したことにより、営業利益は1億3千7百万円(前年比7.7%増)、経常利益につきましては1億5千3百万円(前年比13.5%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度において計上した横浜市鶴見区の旧本社跡地売却益が剥落したことなどから1億5百万円(前年比86.6%減)となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して9千9百万円増加し、57億4千2百万円となりました。また、当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比較して1千5百万円減少し、5億8千5百万円となりました。当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上1億5百万円などにより、前連結会計年度末と比較して1億1千4百万円増加し、51億5千7百万円となりました。
セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
(a)工業炉燃焼装置関連
工業炉燃焼装置関連事業につきましては、当連結会計年度での売上高は20億8千2百万円(前年比2.1%減)、営業利益は80万円(前年比44.6%減)となりました。
事業部門別の売上高につきましては、次のとおりとなります。
[環境装置石油化学部門]
環境装置石油化学部門におきましては、産業用各種燃焼装置、管式加熱炉、石油化学用低NOxバーナ及び各種ガスバーナなどが主力製品となっております。前連結会計年度において化学系メーカからの海外向けの大型案件等があったことから、当連結会計年度における売上高は前年比50.1%減の1億4千9百万円となりました。
[工業炉部門]
工業炉部門におきましては、非鉄金属熱処理炉、一般熱処理炉、鋳造炉及び回転炉などが主力製品となっております。自動車関連企業からの大型案件があったものの、前連結会計年度には及ばず当連結会計年度における売上高は前年比6.8%減の5億2千3百万円となりました。
[ボイラ用機器部門]
ボイラ用機器部門におきましては、ボイラ用低NOxバーナ、ボイラ用省エネルギー装置及びボイラ用パッケージバーナなどが主力製品となっておりますが、受注が好調に推移したことから、当連結会計年度における売上高は前年比43.2%増の1億7千9百万円となりました。
[工業炉用機器部門]
工業炉用機器部門におきましては、各種工業炉用バーナ及び各種工業炉用低NOxバーナなどが主力製品となります。各種工業炉用低NOxバーナなどが順調に推移したことなどから、当連結会計年度における売上高は前年比2.4%減の2億9千4百万円となりました。
[産業機械用機器部門]
産業機械用機器部門におきましては、各種ロータリーキルン用バーナ、各種シャフトキルン用バーナ及び熱風発生炉などが主力製品となっておりますが、受注が低調に推移したことから、当連結会計年度における売上高は前年比50.5%減の6千8百万円となりました。
[メンテナンスサービス部門]
各種燃焼設備の整備・工事等を行う、メンテナンス部門におきましては、前連結会計年度より低迷している海外製品の取扱高が回復したことから、当連結会計年度における売上高は前年比93.1%増の2億5千万円となりました。
[部品部門]
燃焼装置・機器の部品販売部門におきましては、前連結会計年度において好調だった海外からの受注が低調に推移したことなどから当連結会計年度における売上高は前年比22.1%減の2億5千8百万円となりました。
[HRS部門]
HRS部門におきましては、鉄・鋳鍛鋼産業関係蓄熱バーナシステムが、主力製品となっておりますが、前連結会計年度において低調であった鉄鋼関連向け製品が大幅に回復したことなどから、当連結会計年度における売上高は前年比50.0%増の3億5千7百万円となりました。
(b)その他
その他の事業につきましては、不動産賃貸収入、経営指導料等が収益の中心となっております。当連結会計年度での売上高は2億8千2百万円(前年と同額)、営業利益は2億6千2百万円(前年比0.5%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して6千5百万円減少し、25億8千3百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フロー及びその主要な要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は4百万円(前連結会計年度は4億8千3百万円の獲得)となりました。これは主として税金等調整前当期純利益1億5千3百万円、減価償却費2千5百万円、売上債権の増加額1億2千万円、仕入債務の増加額1億7百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は6千6百万円(前連結会計年度は9億7千6百万円の獲得)となりました。これは主として有形固定資産の取得による支出1千1百万円、貸付金による支出3億1百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は2百万円(前連結会計年度は2億3百万円の使用)となりました。これは長期借入金の返済による支出額5百万円によるものであります。
(生産、受注及び販売の実績)
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント(部門別内訳含む)ごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメント等の名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
工業炉燃焼装置関連 |
2,082,243 |
△2.1 |
|
(内訳)環境装置石油化学部門 |
149,535 |
△50.1 |
|
工業炉部門 |
523,020 |
△6.8 |
|
ボイラ用機器部門 |
179,067 |
43.2 |
|
工業炉用機器部門 |
294,713 |
△2.4 |
|
産業機械用機器部門 |
68,670 |
△50.5 |
|
メンテナンスサービス部門 |
250,735 |
93.1 |
|
部品部門 |
258,852 |
△22.1 |
|
HRS部門 |
357,647 |
50.0 |
|
その他 |
- |
- |
|
合計 |
2,082,243 |
△2.1 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
(2)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント(部門別内訳含む)ごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメント等の名称 |
受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
|
工業炉燃焼装置関連 |
1,036,130 |
△34.0 |
524,099 |
△9.2 |
|
(内訳)環境装置石油化学部門 |
56,483 |
△56.8 |
37,779 |
16.0 |
|
工業炉部門 |
354,262 |
26.3 |
111,841 |
△0.3 |
|
ボイラ用機器部門 |
169,854 |
4.0 |
154,158 |
22.6 |
|
工業炉用機器部門 |
66,634 |
△74.6 |
34,456 |
△47.0 |
|
産業機械用機器部門 |
△15,594 |
△113.2 |
34,163 |
16.9 |
|
メンテナンスサービス部門 |
156,836 |
47.8 |
12,244 |
△86.9 |
|
部品部門 |
66,388 |
△76.1 |
84,809 |
109.9 |
|
HRS部門 |
181,263 |
△21.5 |
54,648 |
△30.4 |
|
その他 |
- |
- |
- |
- |
|
合計 |
1,036,130 |
△34.0 |
524,099 |
△9.2 |
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント(部門別内訳含む)ごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメント等の名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
工業炉燃焼装置関連 |
2,082,243 |
△2.1 |
|
(内訳)環境装置石油化学部門 |
149,535 |
△50.1 |
|
工業炉部門 |
523,020 |
△6.8 |
|
ボイラ用機器部門 |
179,067 |
43.2 |
|
工業炉用機器部門 |
294,713 |
△2.4 |
|
産業機械用機器部門 |
68,670 |
△50.5 |
|
メンテナンスサービス部門 |
250,735 |
93.1 |
|
部品部門 |
258,852 |
△22.1 |
|
HRS部門 |
357,647 |
50.0 |
|
その他 |
- |
- |
|
合計 |
2,082,243 |
△2.1 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先の別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
トヨタ自動車株式会社 |
272,305 |
12.8 |
444,367 |
21.3 |
3.主な相手先別の販売実績のうち、該当販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して9千9百万円増加し、57億4千2百万円となりました。
流動資産は前連結会計年度末と比較して3億3千5百万円増加し、37億7千2百万円となりました。主な内訳としては現金及び預金が6千5百万円の減少となったこと、受取手形、売掛金及び契約資産が1億2千万円増加したことなどによります。
固定資産は前連結会計年度末と比較して2億3千6百万円減少し、19億7千万円となりました。主な内訳としては長期貸付金が2億5千万円の減少となったこと、投資有価証券が9百万円増加したことなどによります。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比較して1千5百万円減少し、5億8千5百万円となりました。
流動負債は前連結会計年度末と比較して1千8百万円減少し、4億8百万円となりました。主な内訳としては支払手形及び買掛金が1億7百万円増加したこと、前受金が5千4百万円減少したことなどによります。
固定負債は前連結会計年度末と比較して2百万円増加し、1億7千7百万円となりました。主な内訳としては退職給付に係る債務が9百万円増加、長期借入金が5百万円減少したことなどによります。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上1億5百万円などにより、前連結会計年度末と比較して1億1千4百万円増加し、51億5千7百万円となりました。
(b)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、20億8千2百万円(前年比2.1%減)となり、前連結会計年度に比べて4千5百万円減少いたしました。セグメント別の売上高につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況 」に記載しております。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は5億8千8百万円(前年同期比1.0%増)となりました。売上総利益率は前連結会計年度比0.9ポイント増加し、28.3%となりました。これは前連結会計年度において工業炉部門で想定を大幅に上回る費用を要する案件が生じておりましたが、当連結会計年度においては同様の案件の影響が少なかったことなどによります。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は1億3千7百万円(前年比7.7%増)となりました。
(c)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、工業炉燃焼装置関連事業における、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用と、M&A及び新規事業関連、純投資関連などの投資を目的とした資金となります。当社グループでは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを目指しております。運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの借入、株式の発行などを基本としております。
当社グループの当連結会計年度末における設備の新設、改修等に係る投資予定金額とその資金調達については、「第3 設備の状況 3.設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は4千5百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は25億8千3百万円となっております。
(d)キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(1)技術受入契約は、次のとおりであります。
|
契約先 |
国名 |
内容 |
契約期間 |
|
SAMIA社 |
イタリア |
エレベーテッドフレア装置及びグランドフレア装置の製造技術 |
2025年4月21日から 2026年4月20日まで |
(注)1.本契約は、1982年4月22日に許可になったものであります。
2.上記の技術導入については、製品販売による純売上金額に対し、一定率のロイヤリティを支払うものであります。
(2)技術供与契約は、次のとおりであります。
|
契約先 |
国名 |
内容 |
契約期間 |
|
ITRI社 |
台湾 |
工業用加熱炉、熱処理用リジェネバーナ「HRS型」の設計、製造技術 |
2022年7月1日から 2027年6月30日まで (以降5年毎の自動延長) |
(注) 上記の技術供与については、製品販売による純売上金額に対し、一定率のロイヤリティを受け取るものであります。
(3)業務提携契約は、次のとおりであります。
該当事項はありません。
(4)連結子会社における技術供与契約は、次のとおりであります。
|
契約先 |
国名 |
内容 |
契約期間 |
|
SAMIA社 |
イタリア |
プロセスヒータ用低NOxバーナ「SRG型、SRX型」の設計、製造技術 |
2024年1月18日から 2029年1月17日まで |
|
CAN-ENG社 |
カナダ |
工業用加熱炉、熱処理炉の設計、製造技術 |
2023年5月28日から 2028年5月27日まで (期限毎に見直し) |
|
東宇HSF株式会社 |
韓国 |
工業用加熱炉の設計、製造技術 |
2024年7月26日から 2029年7月25日まで |
|
株式会社水國 |
韓国 |
ボイラ用バーナの設計、製造技術 |
2025年2月25日から 2027年2月24日まで |
(注) 上記の技術供与については、製品販売による純売上金額に対し、一定率のロイヤリティを受け取るものであります。
当連結会計年度の研究開発活動は次の通りです。カーボンフリー燃料対応機種として2023年に開発、販売を開始したバイフューエルバーナ(JSA-20S型、燃焼量230kW)のシリーズ化、大型化に向けたバーナの開発を実施いたしました。共同開発を実施中の企業様の燃焼試験炉において水素、天然ガスの燃焼を確認し、NOxの排出レベルや水素火炎の監視について有効な知見が得られ、商用設備での実証に向けて現在も試験を継続しています。また、当社内ではこれらの試験結果の検証のためCFDによるシミュレーションも援用しデータ解釈のための議論を進めています。
また、お客様の商用設備に2023年に納入いたしました前述のJSA-20Sは、燃料を都市ガスから水素へ切替えた実証試験も実施され、水素100%燃料で運転できることが確認されました。
今後は、ラジアントチューブバーナなど他の機種においても水素燃料を適用する開発を進める予定です。また、アンモニア燃料を燃焼できるバーナの開発に関してもラジアントチューブバーナへの適用から開始しており、アンモニアをユーティリティとして使用するインフラを所有されているお客様企業、および大学の協力を得て基礎試験を実施中です。
当連結会計年度の研究開発費の総額は約
(研究開発の目的)
1)バイフューエルバーナJSAのシリーズ化に向け230kW、580kW、1200kW型を完成させる。
2)燃料にアンモニアまたは水素を燃料として用いるラジアントチューブバーナの開発。
3)既存HRS-RTバーナの性能改善。
(主要課題)
1)水素燃料は燃焼速度が速いため火炎温度が高くなりやすく、高いNOxを発生するリスクがあるため、バーナ近傍の混合を制御して排出NOxを抑制するための設計要点をシリーズに対応させる。
2)アンモニアは都市ガスなどの一般的な燃料と比較して冷間時の燃焼性、着火性が悪いため、着火から昇温にかけての燃焼安定性を保持するためのバーナ構造を開発する。一方、水素燃料をラジアントチューブバーナに適用する際には、アンモニアとは逆に燃焼性が極めて良いことで局所的な偏熱等を生じるリスクを考慮しチューブ温度均一化のための燃焼機構を開発する。
3)バーナノズル構造の工夫による混合改善で、ラジアントチューブ温度の均一化を促進しチューブライフのさらなる延長化を可能にするようなバーナを開発する。
(成果及び進捗状況)
1)JSA-20s(230kWモデル)は既に商用機での実証試験が成功したため、580kW型のスケールアップモデルについて、試験炉での都市ガスと水素の両方の燃焼特性とNOxの排出特性を確認。今後は商用設備での実証に向けた特性試験を継続する。
2)アンモニア燃料と空気の部分予混合と旋回流を利用して着火を安定させる試験バーナで基礎試験を実施中。水素燃料に関しては2025年秋に燃焼試験を開始させる予定で試験バーナ製作の準備中。
3)バーナノズル形状の設計を改善したことでチューブ温度の均一化に一定の成果があり、CFDシミュレーション結果も援用して温度分布改善の理論を検証中。