(以下に掲げる金額には消費税等は含んでいません。)
(1)業績
当事業年度における世界経済は、米国では堅調に推移し、欧州においても主要国を中心に緩やかな回復が続く一方、中国経済に減速がみられ、一部新興諸国においても経済成長が鈍化し、全体的には先行き不透明な状況にありました。
わが国経済は、雇用環境の改善が続き、設備投資に持ち直しの動きがみられ、緩やかな回復基調にありましたが、年明け以降円高が進行し、輸出企業を中心とした企業収益の下振れやこれに伴う景況感の悪化が懸念され、景気は持ち直しつつあるものの、先行き不透明な状況にありました。
このような経営環境にあって当社は、主要な販売先であります造船業界に加え、発電プラントの受注についても積極的な営業活動を展開し、修理やメンテナンス関連の部品注文の獲得にも注力しました。また、社内においても、生産性向上に関する改革・改善に取り組んでおります。
当事業年度における受注高は、23,957百万円(対前事業年度比27.9%増)となり、5,230百万円前事業年度を上回りました。品種別にみますと、自動調節弁9,934百万円、バタフライ弁8,173百万円、遠隔操作装置5,849百万円となり、対前事業年度比では、それぞれ1,205百万円増、3,180百万円増、844百万円増で、バタフライ弁の受注高が大きく増加しました。
売上高では、タンカー等舶用関連が増加し、19,536百万円(対前事業年度比16.5%増)となり、2,768百万円前事業年度を上回りました。品種別では、自動調節弁9,211百万円、バタフライ弁5,352百万円、遠隔操作装置4,973百万円となり、対前事業年度比では、それぞれ84百万円増、1,579百万円増、1,105百万円増といずれも増加し、特にバタフライ弁、遠隔操作装置につきましては前事業年度を大きく上回りました。輸出関連の売上高は、中国・韓国向けの増加に伴い4,284百万円となり、前事業年度を1,365百万円上回りました。当事業年度末の受注残高は期首に比べて4,420百万円増の16,269百万円となりました。
利益面では、経常利益は1,274百万円(対前事業年度比32.3%増)、当期純利益は846百万円(対前事業年度比42.2%増)といずれも大幅な増益となりました。
なお、当社はバルブ及び遠隔操作装置製造・販売事業の単一セグメントであるため、上記業績についてはセグメント別に代えて品種別に示しております。
(2)キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べて71百万円減少し、当事業年度末の資金残高は3,111百万円(前事業年度末は3,183百万円)となりました。
また、当事業年度中における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は1,281百万円(対前事業年度比243.3%増)となりました。
これは主として、税引前当期純利益が1,304百万円(対前事業年度比35.5%増)であり、減価償却費286百万円(対前事業年度比0.7%増)、仕入債務の増加による収入899百万円(前事業年度は33百万円の収入)があった一方、売上債権の増加による支出660百万円(前事業年度は売上債権の減少による収入30百万円)、たな卸資産の増加による支出418百万円(前事業年度は36百万円の支出)、法人税等の支払額146百万円(対前事業年度比82.6%減)があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は723百万円(前事業年度は1,081百万円の収入)となりました。
これは主として、定期預金の減少による収入500百万円(対前事業年度比50.0%減)、有価証券の償還による収入600百万円(対前事業年度比500.0%増)、投資有価証券の償還による収入1,000百万円(対前事業年度比150.0%増)があった一方、有価証券の取得による支出1,515百万円(対前事業年度比402.2%増)、投資有価証券の取得に
よる支出1,108百万円(前事業年度は0.6百万円の支出)、固定資産の取得による支出249百万円(対前事業年度比75.2
%増)があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は629百万円(対前事業年度比47.5%増)となりました。
これは主として、配当金の支払額377百万円(対前事業年度比11.3%減)、自己株式の取得による支出252百万円(前事業年度は1百万円の支出)があったことによるものであります。
当社は、バルブ及び遠隔操作装置製造・販売事業の単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の状況についてはセグメント別に代えて品種別に示しております。
(1)生産実績
当事業年度の生産実績を品種別に示すと下表のとおりであります。
|
品種別 |
第90期(27.6~28.5)(千円) |
前年同期比(%) |
|
自動調節弁 |
9,176,513 |
101.3 |
|
バタフライ弁 |
5,332,179 |
142.3 |
|
遠隔操作装置 |
4,954,493 |
129.0 |
|
計 |
19,463,185 |
116.9 |
(注)1.金額は販売価額で表示しております。
2.上記の生産実績には、協力工場よりの製品の仕入高が以下のとおり含まれています。
|
第90期(27.6~28.5)(千円) |
前年同期比(%) |
|
6,679,640 |
132.4 |
(2)受注の状況
当事業年度における品種別の受注状況は次のとおりであります。
|
品種別 |
第90期 (27.6~28.5) 受注高(千円) |
前年同期比(%) |
第90期末 (28.5.31現在) 受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
自動調節弁 |
9,934,687 |
113.8 |
4,852,399 |
117.5 |
|
バタフライ弁 |
8,173,337 |
163.7 |
6,615,056 |
174.4 |
|
遠隔操作装置 |
5,849,456 |
116.9 |
4,802,420 |
122.3 |
|
計 |
23,957,480 |
127.9 |
16,269,875 |
137.3 |
(注) 金額は販売価額で表示しております。
(3)販売実績
当事業年度の販売実績を品種別に示すと、次のとおりであります。
当社の製品は直接販売(メーカーへの直納)が主でありますが、一部は商社を通しても販売しております。
|
品種別 |
第90期 (27.6~28.5) 販売高(千円) |
前年同期比(%) |
販売構成比(%) |
|
自動調節弁 |
9,211,190 |
100.9 |
47.1 |
|
バタフライ弁 |
5,352,329 |
141.8 |
27.4 |
|
遠隔操作装置 |
4,973,216 |
128.6 |
25.5 |
|
計 |
19,536,735 |
116.5 |
100.0 |
(注)1.金額は販売価額で表示しております。
2.最近2事業年度の主要な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する比率
|
相手先 |
第89期(26.6~27.5) |
第90期(27.6~28.5) |
||
|
金額(千円) |
比率(%) |
金額(千円) |
比率(%) |
|
|
三菱日立パワーシステムズ㈱ |
1,688,494 |
10.1 |
1,514,568 |
7.8 |
当社は永年にわたり、舶用向けのバルブ、装置、各種プラント向けバルブの製造に携わり多くの技術、ノウハウを培い、経験を積んでまいりました。この技術と経験を基礎に「進取発展」の社是のもと、「新技術」へのたゆまぬ研鑽とより合理性を求めた「ものづくり」の途へのあくなき努力により、時代の要求を先取りできる企業体質づくりに邁進いたします。
当社の製造は、すべてお客様の仕様による「ものづくり」ということで、基本的に多品種少量生産となります。したがいまして、当社のものづくりは、一品一葉なお客様の仕様を満足することと、生産性向上という相反することの実現が永遠の命題となります。
当社は、この永遠の命題に飽くなき努力を重ね、売上高の拡大、利益率の改善に取り組んで行くことが、第一義的課題であると認識しております。
最近の当社製品の船舶向け需要動向につきましては、船腹過剰状態が続き、価格競争も厳しい状況にあります。当社としても一段の原価低減と生産性向上に取り組み、営業活動にも一段と注力してまいります。
陸上向け需要動向におきましては、原子力発電プラント関連の需要は中長期的に停滞しておりますが、その代替としての一般火力発電所、ガス・蒸気タービン向けのバルブ、既存の発電プラントの整備用バルブやメンテナンス関連の部品需要の獲得を目指して、今後の受注に注力する所存であります。
このような環境のなか、舶用はもとより陸上プラント関連とメンテナンス関連の受注獲得に向けたより一層の営業活動に注力し、また、更なる生産性向上と原価低減に努め、厳しい競争に勝ち抜いていく所存であります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、設備の状況、経理の状況に関する事項のうち、当社の経営成績、株価及び財務状況に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末(平成28年5月31日)現在において当社が判断したものであります。
(1)経済情勢の変動による需要先業界の動向
当社の製品は、すべて受注生産であり、主要需要先は造船業界及び電力業界をはじめとするプラント業界であります。主要業界の動向及び経済情勢の変動により、当社の経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(2)為替相場の変動
当社は、外貨建ての製品輸出及び原材料等の輸入を行っており、為替相場の変動による影響を受ける可能性があります。為替相場の変動状況に応じて為替予約等によりリスクを軽減させる措置を講じる場合があり、円建て契約を増加する等の対策を取っております。また、中国及び韓国との取引においては、為替の円高状況により当社の価格競争力の低下による受注環境の悪化につながり、受注価格の低下及び受注金額の減少により当社の業績に悪影響を与える可能性があります。
(3)品質保証
当社は、平成6年に品質保証規格ISO9001の認証を取得して以来、これに基づく品質保証システムを構築し、お客様に信頼される万全の品質保証体制を築いて運用してまいりました。しかしながら、万一当社製品の欠陥にもとづくクレーム事故が発生した場合には、当社の業績及び社会的評価等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)保有有価証券の時価変動
当社が保有する投資有価証券のうち時価のあるものについて、これらの時価が簿価から著しく下落し、回復の見込みのない場合は、評価損を計上する場合があります。多額の有価証券評価損の計上により、当社の業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)大規模な自然災害
当社の生産拠点はすべて本社のある大阪府に集中しており、大規模な地震や風水害等の自然災害が発生した場合には、生産設備の破損、物流機能の麻痺等の直接的な損害だけでなく、操業停止や操業度低下に伴う生産能力への影響が生じる可能性があります。
(6)情報セキュリティ
当社は、取引先の情報や、当社のノウハウを蓄積した開発情報等の内部機密、更には業務に従事している従業員の個人情報等、当社の事業を支える重要な情報を保持しております。
これらの情報資産を保護するため、各種委員会を設け、各種規程を定め、情報セキュリティ管理体制の構築・整備や社内教育等を行っております。
しかしながら、天変地異や、コンピュータ・サーバー・ネットワーク機器の故障に起因するシステム障害からの情報の消失、コンピュータウイルスや不正アクセス等による情報漏洩があれば取引先に大きな損失を与えることはもちろんのこと、当社の業績や財務状況、事業の継続に大きな影響を与える可能性があります。
当社が技術援助等を受けている契約として、平成17年7月29日、株式会社ササクラとの間で「業務提携基本合意書」を取り交わした、LNG船用超低温バタフライ弁の製造販売に関する業務提携契約があります。
その主な内容は、以下のとおりであります。
(1)株式会社ササクラの設計による超低温バタフライ弁で、原則として、日本、韓国、中国で建造されるLNG運
搬船に搭載されるものを対象とする。
(2)当社は、当社が製造販売した超低温弁の正味販売価格の5%を技術料として、株式会社ササクラに支払う。
(3)契約期間は、契約日から5年間とする。ただし、両社のいずれかより期間満了日の3ヵ月以上前に終結の申し
入れがない場合は、満了日から1年間自動更新されるものとし、以後これを繰り返すものとする。また、両社の
間で合弁会社を設立したときは、その設立の日までとする。
当社の研究開発は、急進する技術革新に対処し、かつ需要先のニーズに即応する製品の開発を目指して、4名の開発専属担当者が中心となり必要に応じて設計部門・現場部門の要員を加えた研究体制で数件の主要なテーマをもって研究開発を行っております。
当事業年度におきましては、開発専属担当者の増員を行い、新製品の開発に向けてさらに注力して進めております。
なお、当社が支出した研究開発費の総額は36,414千円であります。
また、当社は、バルブ及び遠隔操作装置製造・販売事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けて記載はしておりません。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。以下の諸点に関する当社の判断と見積りは、財務諸表に大きな影響を及ぼす可能性があります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末(平成28年5月31日)において当社が判断したものであります。
①売上の計上について
当社の売上高は、製品につきましては、原則として発注書等に基づき顧客に対して製品が出荷された時点で計上し、サービスの提供(請負工事)につきましては、進捗部分について成果の確実性が認められる工事につきましては工事進行基準を、その他の工事につきましては工事完成基準を適用し計上しております。
②貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権につきましては過去の貸倒実績率により、また貸倒懸念債権等につきましては個別に回収不能見込額を計上しております。
③製品保証引当金
販売した製品の初期調整費用及び無償によるサービス費用に係る支出に備えるため、過去の実績等に基づいて算定した金額を計上しております。
④投資及び固定資産の減損
投資有価証券等につきましては、時価の下落率が50%以上の場合はすべて評価減の対象とし、30%以上50%未満の場合は2事業年度以上継続した時に個別に回復可能性を検討した上で、評価減の対象としております。
固定資産等につきましては、製造事業関連資産と賃貸関連資産とにグルーピングし、各関連資産ごとに将来キャッシュ・フローを見積もり、これをもとにして減損の兆候を判定し、減損損失計上の検討を行います。
⑤退職給付費用
従業員の退職給付費用及び債務は、割引率や期待運用収益率等の前提条件に基づき算出されております。当社の場合、割引率0.1%、期待運用収益率2.5%と見積もり、現在の運用状況と近似の数値を採用しております。
また、当社は適格退職年金制度を採用しておりましたが、平成19年6月1日をもって同じ確定給付年金制度であるキャッシュバランス・プランへ移行しました。この移行に伴う影響は、限定的であります。
⑥偶発事象
係争事件等の偶発事象による費用負担額は、その発生の可能性が確実で金額が合理的に見積もり可能な時点で計上しております。
(2)当事業年度の財政状態及び経営成績の分析
当事業年度末の総資産は、前事業年度末と比べ1,300百万円増加の26,646百万円となりました。これは主として、現金及び預金が126百万円、売上債権が660百万円、有価証券が208百万円、たな卸資産が418百万円増加したものの、投資有価証券が160百万円減少したこと等によるものであります。
負債の部は、前事業年度末と比べ1,242百万円増加の7,072百万円となりました。これは主として、仕入債務が899百万円、前受金が116百万円、未払法人税等が334百万円増加したものの、繰延税金負債が71百万円減少したこと等によるものであります。
純資産の部は、前事業年度末と比べ57百万円増加の19,574百万円となりました。これは主として、当期純利益が846百万円、配当金の支払377百万円により、利益剰余金が16,988百万円となったこと、また、その他有価証券評価差額金が332百万円(前事業年度末と比べ159百万円の減少)となったこと等によるものであります。
利益面では、経常利益は1,274百万円(対前年同期比32.3%増)、当期純利益は846百万円(対前年同期比42.2%増)といずれも大幅な増益となりました。
なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2事業の状況 1業績等の概要」をご参照ください。