第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

今後の事業環境につきましては、トランプ政権の方向性が見通せないことにより、不確実な状態が続くものと思われます。加えて、電力価格上昇、鋼材価格上昇、為替変動による輸入価格の変動などコスト上昇要因の影響が懸念されます。

当社グループは、プラスチック成形機事業(インフレーションフィルム成形機、ブロー成形機、リサイクル機器)及びシステム開発事業を行っています。

インフレーションフィルム成形機事業は、市場は成熟化していますので、競合他社を上回る製品開発が求められます。省力化、省人化などの新機能機種を開発し、特許や実用新案を獲得するという従来からの努力をさらに進めることが必要です。ユーザーであるフィルム企業各社はコスト増加のために新規機械設備投資には慎重姿勢です。新機種で新市場を開拓すると共に、当社のテクノサービスを駆使した更新需要や部品需要に対応する努力を拡大します。

ブロー成形機事業は、購入先の一つである自動車メーカーにおいて、電気自動車(EV)シフトが継続していますので、燃料タンク用ブロー成形機需要は縮小すると思われます。これまでのブロー成形機技術を基に、高機能高効率の機種を開発し市場に投入していき、燃料タンク用ブロー成形機市場を埋め合わせる市場開拓を行いたいと思います。水素自動車用機器を研究するNEDOに参加していましたが、昨期で終了しました。今後は当該技術を実機に活用していく予定です。

リサイクル事業については、プラスチックリサイクル需要の高まりがあり、市場はフォローの状態です。引合は活発ですので、確実に当社事業に取り込んでいきたいと思います。

システム開発事業は、2024年12月に子会社化した株式会社クラウドサービス社の事業です。子会社化した目的は2つあります。一つは、当社の新製品開発におけるIT技術を担当してもらうこと、2つ目は、システム開発事業、特にオンプレミスからAWS等のクラウド移行事業が伸びているので、そのビジネスにおいて収益を拡大することです。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループでは、サステナビリティへの取組みや人的資本の確保を、自社にとってのリスクであり機会でもあると認識するとともに、十分な開示を行っていくことは、投資家に対して広くESG投資を募るための有用な手段であると理解しております。

今後の開示の方針といたしましては、自社の製品及びサービスがサステナビリティに対してどのような付加価値を与えるのか、その程度や内容を情報提供に織り込むこととし、中期事業計画にて情報提供しております。また、当該計画の進捗状況の公開に沿って、サステナビリティ課題の状況につきましても適時に提供していく予定であります。

 

(1)ガバナンス

当社グループは透明性と倫理を重視した経営を行っています。経営陣と従業員の間のコミュニケーションを通じて、倫理的なビジネス慣行を徹底しています。取締役会の役割と責任についての明確なガバナンス構造を整備し、環境保護、社会的責任、倫理的な行動に関するポリシーを策定し、遵守することを求めています。これには、ESGへの取り組み、SDGs、労働基準の順守などが含まれます。

 

(2)戦略

当社グループは、インフレーションフィルム成形機、ブロー成形機と、そのプラスチック成形機により生成されるプラスチック製品をリサイクルする装置までを製造販売しております。プラスチック成形機械の製造と関連サービスにおいては、環境への影響を最小限に抑えるための技術開発や効率化に取り組んでいます。具体的には、プラスチック成形時にバージン原料だけでなく、リサイクル原料の使用を想定した成形機の製造により環境への影響を最小限に抑えるための技術開発や効率化に取り組んでいます。

また、循環型経済に貢献するためには、廃棄物の削減、リサイクルの促進、再生可能エネルギーの利用などが考えられますが、当社はプラスチック製品のリサイクル装置を製造販売することで、リサイクル環境の推進に貢献しております。当社の成形機で作られたプラスチック製品を、当社のリサイクル装置で再生原料にして再利用し、当社の成形機でまた新しいプラスチック製品に生まれ変わらせることは、循環型経済に貢献できるものと考えております。

しかしながら、当社グループは、自社開発技術によって商品開発、生産などの業務を行っておりますので、社員が短期間退職した場合または人材の流動化による退職等により社外に流出した場合には、ある一定期間において技術伝承が困難になる恐れがあることが予想され、それによって、当社の業績に影響を与える可能性があります。競争力を維持するため、経営トップの採用活動への積極的な関与により優秀な人材を継続的に確保、採用し、計画的な人材育成の取り組みを継続しております。

システム開発事業においては一人ひとりのエンジニアが持つ潜在能力や技術、知識、経験値と将来に向けたスキルアップ意識を把握し、全社的に共有することを重視しております。これにより一人ひとりのキャリアパスの実現に向けたスキルの育成に力を注いでおります。一人ひとりに合わせた教育体制を整備することで高い教育を提供し、市場価値のある人材を育成することを追及してまいります。

採用面では、技術者供給の確保という観点から、外国籍等を含む多様な人材の活用、フリーランス等の柔軟な雇用形態を進め、人材多様性と機会平等の実現を推進しております。

 

(3)リスク管理

当社グループは、プラスチック製品の製造において環境規制の変更があった場合に備えて、最新の法令・規制を把握し、コンプライアンスを遵守しています。また、環境保護への取り組みを積極的に推進し、将来的な規制強化に対応できるよう、製造プロセスの改善や環境負荷の削減に努めています。

昨今プラスチックに関する環境問題や廃棄物の処理に関する課題が社会的に注目されています。これらの課題に対する社会的なリスクを認識し、透明性と責任ある行動に基づいたコミュニケーションを行うことで、ブランドイメージを守る取り組みを行っていきます。さらに、製品のライフサイクル全体において環境負荷を最小限に抑える設計や再生可能エネルギーの利用など、社会的要請に応えるための取り組みを推進します。

そして、それらを支える従業員の安全・福祉の向上と多様性、ワークライフバランスを尊重し、働きやすい環境づくりに取り組みます。そのためにスキル開発とキャリアパスの整備を進め、従業員の能力向上とモチベーションの向上を支援しつつ、多様性と包括性を推進し、年齢性別国籍等に関係なく活躍できる職場環境を目指してまいります。

また、従業員の健康管理とストレスケアプログラムの導入を推進するなど、健康・安全管理を強化することで事故や労働災害のリスクを最小限に抑えます。

当社グループとしましてはこれらのガバナンス、戦略、リスク管理を念頭に置き、持続可能なビジネス運営を推進するためサスティナビリティへのコミットメントと透明性を追求することで、顧客、株主、従業員、そして地域社会からの信頼を築いてまいります。

 

(4)指標及び目標

当社グループでは、従業員の多様性、人格、個性を尊重するとともに、安全で働きやすい環境を確保し、ゆとりと豊かさを実現することを目指して、性別・国籍・在籍年数にかかわらず、ポジションに最適な人材を登用することを基本として継続的に人材の確保に取り組んでおります。

多様性の確保という側面では、当社の従業員は2025年3月末時点で男性55名、女性15名と2割以上を女性が担っており、外国人管理職の登用も行っております。また、社内に多様な経験と価値観を取り入れるべく、中途採用者の活用や女性の執行役員への登用も積極的に行っております。

今後は、社員数や管理職について中長期的には女性、外国人、中途採用者等の登用を活発化していく想定であります。特に男女比率については、現在の女性管理職比率が10%に満たないことから、更なる改善を目指し、結婚、出産後も職場への参加がしやすい環境作りを行っていくとともに、好事例を増やしながら女性の企業参加が当たり前となるような社内風土を構築してまいります。

さらに、多様な人材活用はサステナビリティ戦略の一環であると認識し、単純に目標数値を満たすことに捉われない実践的な人材活用を目指しております。例えば、今後当社がECサイト事業を本格化するに際しては女性特有の言語的なバランス感覚や、外国人の言語能力と現地へのアクセス可能性を積極的に活用していくことでグローバルな仕入先を確保するような戦略を想定しております。

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 1 プラスチック原料価格の乱高下などによる設備投資に対する影響について

当社グループのコア事業製品であるインフレーション成形機及びブロー成形機は、プラスチックを主原料とする加工品の生産用機械であることと、加工品の原価に占める大半がプラスチック原料費であるため、原油需給バランスの急変により調達が困難になったり、プラスチック原料価格が為替変動等の要因により高騰または低落が懸念される場合には、ユーザーが新規設備投資を控える要因となり、売上高減少を招く可能性があります。

当社グループ製品は、顧客に納入後、10年あるいは20年と長期にわたり使用していただいております。その期間における顧客情報にも耳を傾け、適切かつ迅速なメンテナンスや改良等の実施により顧客満足度を高める活動を行い、リスクの低減に努めております。

 

 2 輸入品の為替レートの影響

当社グループが製造、販売しているインフレーション成形機及びブロー成形機の生産活動を台湾等にて展開していることと、さらにドイツなど諸外国からの輸入品があることから、その総額が当社製品の輸出額を上回っていることから輸入超過の状況にあり、米ドルおよびユーロ対日本円の為替レートの変動、なかでも急激な円安への変動が発生し、それを当社の製品価格に転嫁できない場合には、受注高の減少または収益性の低下を招く可能性があります。

この影響を低減するため、円建取引、米ドル建取引、ユーロ建取引のバランスをとるように努め、経理部門において為替差損益の状況をモニタリングしております。

 

  3 大型・高額商品による期間損益に与える影響について

当社グループのプラスチック成形機事業は、少額の部品等の売上以外は一定期間にわたり履行義務が充足される一部の取引を除き、売上計上を検収基準としていることから、検収予定日が決算日直前となっている製品(特に大型、高額製品)については売上計上が翌期にずれ込んでしまう場合があり、それらにより売上高が減少することと、その機種の利益率によっては、当期及び翌期の期間損益に大きく影響する可能性があります。

従来、製品の完成、検収が期末に集中する傾向があったことから、生産活動の効率化を図り、業績への予想外の影響を抑制するために、製品検収時期の平準化に努めてまいりました。また、経営会議及び部長会において経営方針等の徹底と事業計画に対応して掲げた各部の目標に対する進捗状況をチェックし、改善命令を発するなど事業の効率化を図ることでリスクの低減に努めております。

 

 4 外注先への製造の依存について

当社グループのプラスチック成形機事業は、外注先に相当量の生産を委託しており、これらの会社との協力関係が損なわれた場合には、製品の生産が円滑に行われない可能性があります。また、必要な製品品質を維持しながら、価格競争力を強化する為に行っている海外生産や海外調達品に関し、国家間の緊張関係の発生や相手先との協力関係の破綻による調達不能状況あるいは、海外からの輸送中におけるアクシデントにより調達遅れが発生する可能性があります。

外注先の選定に当たりましては、事前に技術水準、安定した供給能力、価格並びに経営状況を十分に調査し、関連部署責任者による協議、検討を経ており、随時外注先との契約見直しや協働を積極的に行いリスク低減を進めております。

 

  5 人材確保ついて

当社グループは、自社開発技術によって製品開発、生産などの業務を行っておりますので、社員が短期間に定年退職した場合または人材の流動化による退職等により社外に流失した場合には、ある一定期間においてプラスチック成形機事業の技術継承が困難になることが予想され、それによって、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、システム開発事業においてITエンジニア人材の採用及び育成が計画通りに進まない場合及び人材の社外流失が生じた場合には競争力の低下や顧客企業に提供するサービスレベルの低下をもたらし、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社グループは競争力を維持するため、経営トップの採用活動への積極的な関与により優秀な人材を継続的に確保・採用し、計画的な人材育成の取り組みを継続しております。

 

 6 環境規制について

廃プラスチックに関する規制強化の議論が世界各国で活発化しており、日本においても廃プラスチック有効利用への取り組みが再注目されているほか、素材企業各社はバイオプラスチック、紙素材、その他素材といった既存プラスチックの代替素材の開発を進めています。当社グループの製品は顧客による製造製品に係る環境規制に適応していく必要がありますが、そのためには研究開発費の支出や新たな設備投資が必要となることが想定され、これらのコストが当社の業績に影響を与える可能性があります。

当社グループはマイクロプラスチックや廃プラスチック問題に対処する生分解樹脂及びバイオプラスチックを用いた包装資材用フィルム成形機の取り組みに注力するとともに、環境、エネルギー効率の高い全電動式ブロー成形機の成形効率向上に努めてまいります。

 

 7 法的規制について

当社グループのシステム開発事業におけるエンジニア派遣は、労働者派遣法に基づいて事業を営んでおり、労働者派遣法及び関係諸法令による法的規制を受けております。労働者派遣法に定める派遣事業主としての欠格事由に該当した場合や、法令に違反する事由が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、将来これらの法令並びに関連諸法令が社会情勢の変化などに伴って改正等があり、それが当社グループの事業運営に不利な影響を及ぼす場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、コンプライアンス意識の徹底を進め、社長室、内部監査室により関係諸法令の遵守状況の把握、監視等に努め、必要に応じて対策、指示を関係部門に実施しております。

 

 8 情報管理について

当社グループのシステム開発事業では顧客企業の製品開発やシステム開発業務に従事しており、多くの個人情報、機密情報を扱っております。取引先企業にて勤務するエンジニアが知り得た顧客情報や個人情報が故意又は過失により外部へ流出し、当社グループの管理責任問題、訴訟、風評被害等が生じた場合、当社グループの社会的信用の失墜や多額の損害賠償金負担等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループでは、従業員に対して入社時及び定期的に個人情報、機密情報の取扱いに関する啓発、教育研修、周知徹底を行い、内部監査を通じて情報管理の強化を図っております。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。

 

(1)経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、企業業績は堅調に推移した一方、物価の上昇、為替相場の変動など、予断を許さない状況にあります。世界経済においては、トランプ政権の誕生により、関税の引き上げや米中摩擦が激化するなど、不確実性が増加しています。加えて、原油価格等樹脂原材料の高止まり、国際紛争の長期化などを背景にコスト上昇圧力が継続しています。

プラスチック加工業界は、企業業績が不安定な中、設備投資に慎重な姿勢が見られます。当社のプラスチック成形機は、お客様の設備投資そのものですので、成形機市場は投資意欲に左右されます。市場としては楽観視できない状況ですが、その中で当社が成長するためには、省エネルギー、省力化省人化、高機能機種などの開発を進め、受注を拡大していくことが必要です。

客先設備投資の影響を受け、当該期の売上高は低迷しました。受注を見込んでいた大型案件が中止となったことも想定外の収益悪化につながりました。損益については、当該年度前半には前年度に引き続き大型工事における追加工事コストが発生し利益悪化に繋がりました。工事は当該期の前半で終了しましたので、これ以降の業績について大型工事の影響はありません。また、売上減少により粗利総額が縮小したため販管費を回収できませんでした。

以上の結果、売上高は22億2千7百万円、営業損失1億3千9百万円、経常損失1億3千9百万円、親会社株主に帰属する当期純損失につきましては、9千5百万円となりました。

 

セグメントごとの営業概要は次のとおりであります。

当連結会計年度において、2024年12月に株式会社クラウドサービスを子会社化し、当社グループの事業の内容及び報告セグメントを、「プラスチック成形機事業」及び「システム開発事業」としております。

(プラスチック成形機事業)

[インフレーション成形機事業]

インフレーション成形機事業につきましては、予定されていた成形機の売上計上が順調に進みました。

この結果、売上高は13億6千3百万円となりました。

 

[ブロー成形機事業]

ブロー成形機事業につきましては、予定されていた標準成形機の売上計上は順調に進みました。

この結果、売上高は3億1千8百万円となりました。

 

[リサイクル装置事業]

リサイクル装置事業につきましては、大型リサイクル機の受注がなく、部品等の売上にとどまりました。

この結果、売上高は7千8百万円となりました。

 

[メンテナンス事業]

メンテナンス事業につきましては、顧客の既存成形機のメンテナンス、オーバーホール等の工事が順調に推移し、予定どおりに売上計上が進みました。

この結果、売上高は3億6千8百万円となりました。

 

(システム開発事業)

2024年12月には、システム開発事業を行う株式会社クラウドサービスを子会社化しました。約50名のシステムエンジニアが在籍しております。コンピュータシステム受託開発およびSE人材派遣事業を行っており事業は堅調に進んでいます。

この結果、売上高は9千8百万円となりました。

 

以上の結果、当連結会計年度の財政状態は次の通りとなりました。

(資産)

当連結会計年度における資産の残高は、30億5千2百万円となりました。主な内訳は、現金及び預金が11億4千2百万円、売掛金が4億4千5百万円、電子記録債権が3億6千9百万円、仕掛品が1億5千8百万円、原材料及び貯蔵品が6千7百万円、有形固定資産が5億6千5百万円、子会社取得により発生しました、のれん9千7百万円であります。

 

(負債)

当連結会計年度における負債の残高は、14億6千8百万円となりました。主な内訳は、買掛金が8千万円、借入金が11億1百万円、前受金5千8百万円であります。

 

(純資産)

当連結会計年度における純資産の残高は、15億8千4百万円となりました。主な内訳は、株主資本14億8千万円、その他の包括利益累計額1億1百万円であります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」と言う。)の期末残高は、10億4千1百万円となりました。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、増加した資金は1億1百万円となりました。主な増加項目として減価償却費の計上6千3百万円、貸倒引当金の計上7千5百万円に加え、売上債権の減少額1億2千9百万円、棚卸資産の減少額4千7百万円があったものの、主な減少項目として税金等調整前当期純損失9千万円、仕入債務の減少額5千7百万円が発生した結果によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、増加した資金は5千3百万円となりました。投資有価証券の売却による収入1千5百万円、連結の範囲の変更に伴う子会社株式の取得による収入が3千9百万円あった結果によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、減少した資金は4億1千2百万円となりました。主に長期借入による収入6億5千万円がありましたが、長期借入金の返済による支出が9億9千万円、配当金の支払いが5千2百万円それぞれあった結果によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

プラスチック成形機事業

1,768,833

合   計

1,768,833

 

(注)1 システム開発事業は提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

(注)2 金額は、販売価格であります。

(注)3 当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前年同期比は記載しておりません。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注状況をセグメント毎に示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

プラスチック成形機事業

1,665,515

749,405

合   計

1,665,515

749,405

 

(注)1 システム開発事業は提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

(注)2 当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前年同期比は記載しておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

プラスチック成形機事業

2,128,714

システム開発事業

98,988

合   計

2,227,703

 

(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は、当連結会計年度における割合が100分の10以上の相手先がないため、当該記載を省略しております。

(注)2 当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前年同期比は記載しておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

第2〔事業の状況〕の4〔経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析〕(1)経営成績等の状況の概要をご参照ください。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資金状況は、営業活動キャッシュ・フローでは、主な増加項目として減価償却費の計上6千3百万円、貸倒引当金の計上7千5百万円に加え、売上債権の減少額1億2千9百万円、棚卸資産の減少額4千7百万円があったものの、主な減少項目として税金等調整前当期純損失9千万円、仕入債務の減少額5千7百万円が発生した結果によるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローでは、投資有価証券の売却による収入1千5百万円、連結の範囲の変更に伴う子会社株式の取得による収入が3千9百万円あった結果によるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローでは、主に長期借入による収入6億5千万円がありましたが、長期借入金の返済による支出が9億9千万円、配当金の支払いが5千2百万円それぞれあった結果によるものであります。

以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は10億4千1百万円となりました。

 

資産面では、現金及び預金が11億4千2百万円、売掛金が4億4千5百万円、電子記録債権が3億6千9百万円、仕掛品が1億5千8百万円、原材料及び貯蔵品が6千7百万円、有形固定資産が5億6千5百万円、子会社取得により発生しました、のれん9千7百万円であります。

負債面では、買掛金が8千万円、借入金が11億1百万円、前受金5千8百万円であります。

引続き売上債権の回収促進や、棚卸資産の適正化を図るとともに、原価低減や借入金の見直し等により効果的な資金運用を行います。

当社の運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

運転資金は自己資金及び金融機関からの借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

また当社グループは、事業基盤の獲得・拡大を目的としたプラスチックリサイクル機器製造販売並びに廃プラスチックのリサイクル活用等、環境省が主導するプラスチックリサイクルに沿う事業を成長させております。日々強まる社会的ニーズにこたえ、中核事業として成長せしめることにより、安定した事業運営可能な体制を整えるため、当社事業に関連する企業のM&Aを推進してまいります。

2024年12月に子会社化した株式会社クラウドサービスは、当社の新製品開発におけるIT技術を担うと共に、クラウド移行事業の伸長によって収益の拡大を図ってまいります。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、11億4千2百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は10億4千1百万円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積もりによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

 

④ 今後の方針

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

a. インフレーションフィルム成形機事業は、市場は成熟化していますので、競合他社を上回る製品開発が求められます。省力化、省人化などの新機能機種を開発し、特許や実用新案を獲得するという従来からの努力をさらに進めることが必要です。ユーザーであるフィルム企業各社はコスト増加のために新規機械設備投資には慎重姿勢です。新機種で新市場を開拓すると共に、当社のテクノサービスを駆使した更新需要や部品需要に対応する努力を拡大します。

 

b.ブロー成形機事業は、購入先の一つである自動車メーカーにおいて、電気自動車(EV)シフトが継続していますので、燃料タンク用ブロー成形機需要は縮小すると思われます。これまでのブロー成形機技術を基に、高機能高効率の機種を開発し市場に投入していき、燃料タンク用ブロー成形機市場を埋め合わせる市場開拓を行いたいと思います。水素自動車用機器を研究するNEDOに参加していましたが、昨期で終了しました。今後は当該技術を実機に活用していく予定です。

 

c. リサイクル事業については、プラスチックリサイクル需要の高まりがあり、市場はフォローの状態です。引合は活発ですので、確実に当社事業に取り込んでいきたいと思います。

 

d. メンテナンス事業では、省力化、高機能化への装置改良に加え定期修理など顧客への提案を重点に置き売上高の増加を図ります。

 

e.システム開発事業は、昨年12月に子会社化した株式会社クラウドサービス社の事業です。子会社化した目的は2つあります。一つは、当社の新製品開発におけるIT技術を担当してもらうこと、2つ目は、システム開発事業、特にオンプレミスからAWS等のクラウド移行事業が伸びているので、そのビジネスにおいて収益を拡大することです。

 

f. 生産面については、最新鋭の高性能加工機械装置および工場設備補強等を行い、更なる品質の向上と市場の要請に迅速かつ柔軟に対応できる生産体制づくりに取り組み、目標利益の確保を目指します。

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度は、原材料の高騰に対応すべく機械設計の見直しや5軸マシニング加工機活用による内製化をすることでコストダウンを実現しました。又、複雑化するプラスチック原料事情に対応すべく各ユーザーが抱える様々な問題をひとつひとつお聞きし、既存設備の効率的な改善提案を行ってまいりました。

インフレーション成形機事業においては、プラスチック原料ロスの削減や電気代等のランニングコストの削減、人件費削減に関するニーズが多く、主力機械である押出機の高効率化や省力化機器の開発を進めてまいります。又、環境問題へのニーズが高まり、バイオプラスチックを用いた農業資材用フィルム成形機の取り組みや、産業資材用フィルム成形機での高速成形に対応するエアリングの開発を引き続き進めていきます。

ブロー成形機事業においては、自動車関連ではガソリン車から電気自動車や燃料電池車(水素自動車)等への移行が進められており、高圧水素タンクの研究開発につきましては、NEDO事業の一部門であります「車載用高圧水素適合性高分子材料検討ワーキンググループ」の会合等に出席するなどで、最新の材料研究や製品開発などを探究し、新しい技術開発に向けて進めております。

リサイクル事業においては、2022年4月に「プラスチック資源循環促進法」が施行された事で、プラスチックを資源として循環させるための設備需要が期待されております。リサイクル機器の製造販売のみならず、プラントエンジニアリングとしての材料選別技術や洗浄技術など、新しい技術開発に向けて取り組んでおります。

当連結会計年度末における工業所有権(共願・出願中を含む)の総数は、11件となっております。また、当連結会計年度の研究開発費は、5,533千円であります。