第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

   文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社の一貫した基本方針は、確かな品質管理体制を維持し顧客の信頼に応えることを念頭においており、高圧ガス関連機器の用途開発の多岐にわたる発展を目標に、バルブを通じて社会に貢献することを目指しております。

 

(2)目標とする経営指標

当社は、収益性のある経営を目指しており、品質向上、コスト管理の徹底と継続的な技術開発を心がけ、売上高経常利益率10%以上を目指しております。
  併せて、総資産利益率(ROA)や株主資本利益率(ROE)といった経営の効率性を重視した事業運営に注力する所存であります。

 

(3)当社を取り巻く経営環境と中長期的な会社の経営戦略

当社が関連するバルブ業界を取り巻く経営環境は、エネルギー改革の進展やマーケットの東南アジア等へのロケーション変化への対応など取り組むべき課題は多岐に亘っています。また材料費の高騰によるコスト上昇圧力の高まりもあり、一層の生産効率の向上によるコストダウンが必至の状況でもあります。斯かる展望下、当社の既存メイン商品の将来の需要動向も楽観できるものではなく、新規商品開発による競争力の強化や新エネルギーへの積極的な取組みによるマーケットプレゼンスの強化及び海外等への新たなマーケットをターゲットとした経営戦略を着実に展開して参ります。

 

(4)会社の対処すべき課題

 今年度は、中期経営計画(5年)の実行4年目となり、製造・販売・技術・間接部門で掲げた様々な課題を確実に達成していく為に重要な年度と認識しており、スピード感を持って着実に推進して参ります。

  今年度に特に重点的に取り組む課題は、前年度に引き続き下記4点です。

  ①既存製品のコストダウンと顧客ニーズに対応した新製品の拡販

生産現場の生産効率向上により既存主力製品のコストダウンを図り、市場競争力並びに収益性のアップに取組みます。更に顧客ニーズを捉えた製品のメニューアップと提案型営業の強化による販売ルートの拡大を図って参ります。

②品質保証体制の強化・体質改善

グローバルに拡大する顧客市場から求められる厳しい調達基準に追従し、更なる安全・安心を提供出来る様、品質管理体制の改革・改善を推進して参ります。

    ③水素関連ビジネスの育成、拡大

水素燃料電池自動車用バルブ等の供給と水素ガスを供給するステーションのインフラ設備機器等の供給に、積極的に取り組んで参ります。

④海外戦略、特にアジア圏への販売強化

韓国に設立した子会社の株式会社ハマイコリアは、現地の製造工場且つアジアに向けた販売拠点でもあり、同社を軸にアジア展開を推進して参ります。同社の業況につきましては、昨年度にも単年度黒字化達成を視野に入れた支援をしてまいりましたが、米中貿易摩擦激化や日韓輸出規制発動等の外部環境変化の影響があまりに大きく、昨年度には実現できませんでしたが、今後も引き続き積極的に支援し、当社の海外展開を推進して参ります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

① 当社グループの関連する業界(バルブ事業)においては、規制緩和やLPガス容器の大型化等の影響により、需要全体としては減少傾向にあり、需給バランスの変化による受注競争の厳しさが激化した場合、当社グループの業績に影響を与える場合があります。

② 当社グループは材料費の高騰の影響を受けますので、材料費の上昇が著しい場合、当社グループの業績に影響を与える場合があります。

③ 民間設備投資の動向、半導体業界を中心とした需要の動向等経済環境の変化があった場合、当社グループの業績に影響を与える場合があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  当連結会計年度の当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。
 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなか、外需の伸び悩みから製造業の生産活動が落ち込み、景気の回復は緩やかなものとなりました。世界経済は、通商問題をはじめとした不安定な国際情勢や金融資本市場の変動の影響など懸念され、依然として先行き不透明な状況が続いております。

このような中、当社グループの主力商品であるLPG容器用バルブ部門は販売数量の増加により増収となる一方、配管用バルブ部門は製造業の国内景気悪化の影響を受けて、高圧ガスバルブ・ガス関連設備機器部門につきましても半導体向けの落込から減収となり、売上高は81憶4千2百万円、前年同期比3億1千万円(3.7%)の減収となりました。一方、収益面は、主要な原材料である黄銅材価格の高止まりに加えて、高付加価値商品の売上減及び副資材や運賃の値上がりから営業利益は3億8百万円、前年同期比1億7千2百万円(35.9%)の減益となり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましても、2億2千4百万円、前年同期比9千1百万円(28.9%)の減益となりました。

 

セグメントの業績を示すと次のとおりであります。

[バルブ事業]

当社の主力商品であるLPG容器用バルブ部門は売上高33億2百万円(前年同期比4.9%増)、配管用バルブ部門は売上高17億7百万円(前年同期比8.4%減)、高圧ガスバルブ・ガス関連設備機器部門は売上高17億4千5百万円(前年同期比11.5%減)、その他売上高8億1千2百万円(前年同期比9.0%減)となり、営業損失7千4百万円(前年同期は営業利益1億1千7百万円)となりました。
〔不動産賃貸事業〕
  賃貸収入は5億7千4百万円(前年同期比0.3%減)、営業利益は3億8千2百万円(前年同期比5.2%増)となりました。

 

財政状態の状況は次のとおりであります。

当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末と比較して、1百万円減少し、87億6千1百万円となりました。

当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末と比較して、1億9千万円増加し、84億9百万円となりました。これは主に投資有価証券の評価替により増加したものです。

当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末と比較して、3億2千万円減少し、22億3千5百万円となりました。これは主に未払消費税等の減少によるものです。

当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末と比較して、1億2千9百万円増加し、18億3千5百万円となりました。これは主に繰延税金負債の増加によるものです。

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比較して、3億8千万円増加し、130億9千9百万円となりました。これは主に利益剰余金とその他有価証券評価差額金の増加によるものです。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して1億2千7百万円(前年比3.5%)減少し、35億3百万円となりました。

当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、2億7千8百万円の収入(前期は7億7百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益3億8千2百万円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、1億9千1百万円の支出(前期は7億5百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、2億9百万円の支出(前期は2億4百万円の支出)となりました。これは主に、リース債務の返済及び配当金の支払によるものです。

 

(3)資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループは、運転資金や設備投資等に必要となる資金を、主に自己資金により調達しております。また、将来の経営環境の変化への対応や業務拡大に備える為、必要な資金を内部留保しております。

当社グループの運転資金のうち、主なものは製品の製造費用と販売費及び一般管理費であり、材料等の購入費、従業員への人件費、光熱費などのその他一般管理費等の支払いに係るものです。

 

(4)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は経営の収益性の観点から売上高経常利益率10%以上を目標に掲げ、また、経営の効率性の観点からROAやROEを重視項目に掲げております。

各種指標の推移は以下のとおりです。

 

84期

85期

86期

87期

88期

売上高経常利益率

6.9%

11.2%

7.6%

6.1%

4.3%

ROA

1.4%

2.9%

2.5%

1.8%

1.3%

ROE

1.9%

3.7%

3.3%

2.4%

1.7%

 

(注)各指標はいずれも当社連結ベースの財務数値を用いて算出しております。

 

(5)生産、受注及び販売の状況

① 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

 

  生産高

(千円)

 

前年同期比
(%)

バルブ事業

6,405,303

△3.5

不動産賃貸事業

合計

6,405,303

△3.5

 

(注) 1  上記金額は、製造原価を基準に記載しております。

2  上記金額には、消費税等は含んでおりません。

 

② 受注実績

当社は法令または社内規格に基づき定められた方法による見込生産を主体としており、一部特殊仕様の製品については受注生産を行っておりますが、その売上高に占める割合は、僅少であります。

 

 

③ 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

 

  販売高

(千円)

 

前年同期比
(%)

バルブ事業

7,567,621

△3.9

不動産賃貸事業

574,662

△0.3

合計

8,142,283

△3.7

 

(注) 1  上記金額には、消費税等は含んでおりません。 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発は、バルブ事業を中心に開発しております。

当連結会計年度における研究開発活動は大別して次の2項目であります。
(1) 燃料電池自動車用容器用弁の開発

環境対策で将来主流になるとされる次世代燃料電池自動車用減圧弁付き水素ガス容器用弁の開発を国内自動車メーカーと共同で継続してまいりました。

これまでに蓄積した技術を応用し、超高圧対応バルブおよび安全弁の開発も併せ積極的に取組んでおります。

(2) 水素ガス供給ステーションのインフラ設備の普及

水素充填ノズルを主に、安全な製品を提供するため技術改良に取り組み、一部ステーションで運用を開始しております。

当連結会計年度に係る研究開発費は216百万円であります。