当社の一貫した基本方針は、確かな品質管理体制を維持し顧客の信頼に応えることを念頭においており、高圧ガス関連機器の用途開発の多岐にわたる発展を目標に、バルブを通じて社会に貢献することを目指しております。
当社は、収益性のある経営を目指しており、品質向上、コスト管理の徹底と継続的な技術開発を心がけ、売上高経常利益率10%以上を目指しております。
併せて、総資産利益率(ROA)や株主資本利益率(ROE)といった経営の効率性を重視した事業運営に注力する所存であります。
当社が関連するバルブ業界を取り巻く経営環境は、エネルギー改革の進展やマーケットの東南アジア等へのロケーション変化への対応など取り組むべき課題は多岐に亘っています。また材料費の高騰によるコスト上昇圧力の高まりもあり、一層の生産効率の向上によるコストダウンが必至の状況でもあります。斯かる展望下、当社の既存メイン商品の将来の需要動向も楽観できるものではなく、新規商品開発による競争力の強化や新エネルギーへの積極的な取組みによるマーケットプレゼンスの強化及び海外等への新たなマーケットをターゲットとした経営戦略を着実に展開して参ります。
今年度は、中期経営計画(5年)の最終年度であり、100周年に向けての次期中期計画の確固たる地盤づくりの為にも重要な年度と認識しており、引き続き下記課題を着実に推進して参ります。
①既存製品のコストダウンと顧客ニーズに対応した新製品の拡販
生産現場の生産効率向上により既存主力製品のコストダウンを図り、市場競争力並びに収益性のアップに取組みます。更に顧客ニーズを捉えた製品のメニューアップと提案型営業の強化による販売ルートの拡大を図って参ります。
②品質保証体制の強化・体質改善
グローバルに拡大する顧客市場から求められる厳しい調達基準に追従し、更なる安全・安心を提供出来る様、品質管理体制の改革・改善を推進して参ります。
③水素関連ビジネスの育成、拡大
水素燃料電池自動車用バルブ等の供給と水素ガスを供給するステーションのインフラ設備機器等の供給に、積極的に取り組んで参ります。
④海外戦略、特にアジア圏への販売強化
韓国に設立した子会社の株式会社ハマイコリアは、現地の製造工場且つアジアに向けた販売拠点でもあり、韓国子会社の株式会社ハマイコリアを軸にアジア展開を推進して参ります。同社の業況につきましては、昨年度は半導体業界の需要の回復もあり、売上は大幅に増加し、利益面でも単年度黒字にあと一歩というところまで回復致しました。今後も引き続き積極的に支援し、当社の海外展開を推進して参ります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① LPガス容器弁等の中長期的な需要減少に対する競争激化リスク
規制緩和やLPガス容器の大型化等の影響により、今後需要全体としては減少傾向にあると思われ、需給バ
ランスの変化による受注競争の一層の激化が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があ
ります。
② 材料費の価格変動による収益影響リスク
当社グループの製品群において、主材料の材料費率は比較的大きく、材料費の大幅な変動は、当社グループ
の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 海外での事業展開リスク
当社グループでは、海外特に東アジアにおける需要拡大に対応するため、韓国に生産拠点を有する子会社を
設立し、そこを拠点に韓国内、中国への展開を図っております。このため韓国、中国等のアジア地域の政治・
経済情勢・法規制・税制等が変化した場合や現地での紛争、災害、感染症等が発生した場合には、当社グルー
プの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 品質保証リスク
当社グループが生産する製品は、容器、配管及び設備機器の多岐に亘る分野に組み込まれています。当社グ
ループでは、全生産拠点においてISO9001及びISO14001取得するなど、品質管理体制の維持・強化を図っ
てはおりますが、予期せぬ事象により当社グループ製品の不具合等に起因した最終製品の品質問題、リコール
等が発生した場合、多額の費用負担や当社グループの信用低下によって、当社グループの財政状態及び経営成
績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、経済活動に多大な影響が発生しており、輸出や消費の減少、企業収益や雇用環境の悪化など厳しい状況となりました。少しずつ経済に持ち直しの動きが出ている一方、2021年1月に2度目となる緊急事態宣言が発令されるなど、新型コロナウイルス感染の収束が未だ見通せず、経済への影響が長期化することが懸念され、先行き不透明な状況が継続しております。
このような中、当社グループの主力商品であるLPG容器用バルブ部門は、比較的コロナ関連の影響の少なかった分野ではありますが、家庭用容器バルブ以外の製品に関しては少なからず影響を受け減収となりました。配管用バルブ部門につきましてもコロナ禍による世界経済の厳しい環境の影響を受け、工場設備用・装置産業用等、大半の業種で使用数が減少し、減収になりました。一方、高圧ガスバルブ・ガス関連設備機器部門につきましては、コロナ禍の影響もありましたが、幸い当社の業績には大きなマイナス要因とならず、海外の半導体関連業種の好調さもあり全体では増収となりました。その結果、全体では売上高は82億7千6百万円、前年同期比1億3千3百万円(1.6%)の増収となりました。
収益面につきましては、比較的利益率の高い高圧ガスバルブ・ガス関連設備機器部門が好調であったこと及びコロナ禍の情勢に鑑み企業活動の効率化を図ったことで、経費の削減等の一定の効果が見られたこともあり、営業利益は4億9千1百万円、前年同期比1億8千2百万円(59.3%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益につきましても3億7千7百万円、前年同期比1億5千2百万円(68.0%)の増益となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
[バルブ事業]
当社の主力商品であるLPG容器用バルブ部門は売上高32億9千7百万円(前年同期比0.2%減)、配管用バルブ
部門は売上高14億2千5百万円(前年同期比16.5%減)、高圧ガスバルブ・ガス関連設備機器部門は売上高21億9千4百万円(前年同期比25.8%増)、その他売上高7億8千3百万円(前年同期比3.6%減)となり、営業利益1億7百万円(前年同期は営業損失7千4百万円)となりました。
[不動産賃貸事業]
賃貸収入は5億7千5百万円(前年同期比0.2%増)、営業利益は3億8千3百万円(前年同期比0.1%増)となりました。
財政状態の状況は次のとおりであります。
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末と比較して、1億5千3百万円増加し、89億1千4百万円となりました。これは主に現金及び預金が増加したことによるものです。
当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末と比較して、8千5百万円増加し、84億9千4百万円となりました。これは主に投資有価証券の評価替により減少したものの、建設仮勘定が増加したことによるものです。
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末と比較して、1億8千5百万円増加し、24億2千万円となりました。これは主に未払法人税等の増加によるものです。
当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末と比較して、5千5百万円減少し、17億8千万円となりました。これは主に繰延税金負債の減少によるものです。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比較して、1億9百万円増加し、132億8百万円となりました。これは主に利益剰余金の増加によるものです。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して4億8百万円(前年比11.6%)増加し、39億1千1百万円となりました。
当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、11億4千5百万円の収入(前期は2億7千8百万円の収入)となりまし
た。これは主に、税金等調整前当期純利益5億6千4百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、5億2千4百万円の支出(前期は1億9千1百万円の支出)となりまし
た。これは主に、有形固定資産の取得によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、2億1千1百万円の支出(前期は2億9百万円の支出)となりました。
これは主に、リース債務の返済及び配当金の支払によるものです。
(3)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、運転資金や設備投資等に必要となる資金を、主に自己資金により調達しております。また、将来の経営環境の変化への対応や業務拡大に備える為、必要な資金を内部留保しております。
当社グループの運転資金のうち、主なものは製品の製造費用と販売費及び一般管理費であり、材料等の購入費、従業員への人件費、光熱費などのその他一般管理費等の支払いに係るものです。
(4)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は経営の収益性の観点から売上高経常利益率10%以上を目標に掲げ、また、経営の効率性の観点からROAやROEを重視項目に掲げております。
各種指標の推移は以下のとおりです。
(注)各指標はいずれも当社連結ベースの財務数値を用いて算出しております。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成してお
ります。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び
仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
①繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積っております。
しかし、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合に繰延
税金資産が減額され税金費用を計上する可能性があります。
②退職給付引当金
当社グループは、退職給付債務について退職一時金制度に係る期末自己都合要支給額を基に簡便法により計算しております。また、退職給付に係る負債については、退職給付債務から中小企業退職金共済制度による給付見込額等を控除して算出しております。そのため、期中に想定外の退職者があった場合や、評価時点の景況によって重要な影響を受ける可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症に関しては、当社グループの経営成績等に与える影響を検討した結果、連結財
務諸表の作成にあたって会計上の見積りに重要な影響を与える事象はないと判断しております。
当連結会計年度の生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)1上記金額は、製造原価を基準に記載しております。
2上記金額には、消費税等は含んでおりません。
当社は法令または社内規格に基づき定められた方法による見込生産を主体としており、一部特殊仕様の製品については受注生産を行っておりますが、その売上高に占める割合は僅少であります。
当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記金額には、消費税等は含んでおりません。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発は、バルブ事業を中心に開発しております。
当連結会計年度における研究開発活動は大別して次の2項目であります。
(1) 燃料電池自動車用容器用弁の開発
環境対策で将来主流になるとされる次世代燃料電池自動車用減圧弁付き水素ガス容器用弁の開発を国内自動車メーカーと共同で継続してまいりました。
これまでに蓄積した技術を応用し、超高圧対応バルブおよび安全弁の開発も併せ積極的に取組んでおります。
(2) 水素ガス供給ステーションのインフラ設備の普及
水素充填ノズルを主に、安全な製品を提供するため技術改良に取り組み、一部ステーションで運用を開始しております。
当連結会計年度に係る研究開発費は