第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

   文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社の一貫した基本方針は、確かな品質管理体制を維持し顧客の信頼に応えることを念頭においており、高圧ガス関連機器の用途開発の多岐にわたる発展を目標に、バルブを通じて社会に貢献することを目指しております。

 

(2)目標とする経営指標

当社は、収益性のある経営を目指しており、品質向上、コスト管理の徹底と継続的な技術開発を心がけ、売上高営業利益率10%以上を目指しております。
  併せて、総資産利益率(ROA)や投下資本利益率(ROIC)といった経営の効率性を重視した事業運営に注力する所存であります。

 

(3)当社を取り巻く経営環境と中長期的な会社の経営戦略

当社が関連するバルブ業界を取り巻く経営環境は、エネルギー改革の進展やマーケットの東南アジア等へのロケーション変化への対応など取り組むべき課題は多岐に亘っています。また材料費の高騰によるコスト上昇圧力の高まりもあり、一層の生産効率の向上によるコストダウンが必至の状況でもあります。斯かる展望下、当社の既存メイン商品の将来の需要動向も楽観できるものではなく、新規商品開発による競争力の強化や新エネルギーへの積極的な取組みによるマーケットプレゼンスの強化及び海外等への新たなマーケットをターゲットとした経営戦略を着実に展開して参ります。

 

(4)会社の対処すべき課題

 2050年温室効果ガス排出ゼロ、カーボンニュートラルに向けて、世界中でエネルギー転換が加速すると考えられ、2030年までの8年間はその実現可否が問われる大きな分岐点となります。その2030年を見据え、当社の機器メーカーとしての役割と成長の道筋を「ビジョン2030」として描き、「2226中期経営計画」はその基本となる戦略を設定した5カ年計画であります。

今年度は、その5カ年の中期経営計画(2022~2026)の2年目にあたります。「ビジョン2030」のあるべき姿を実現し、エネルギー関連機器メーカーとして持続的成長を続けるための基本戦略は下記の4項目であり、重点課題として取組んでまいります。

①既存主力製品の拡大と収益性の向上

 ・既存主力商品のメニューアップとマーケット拡大による拡販

 ・東アジアや欧米をターゲットとしたグローバル市場への展開

 ・ロス削減、改善活動を主体とした原価低減・収益性の向上

②水素を中心としたクリーンエネルギー関連開発商品の市場投入

 ・水素関連機器の開発

 ・FCV関連機器の量産環境の整備

 ・技術基盤の強化

③メーカーとして持続的成長を遂げるための人財開発

 ・現場力を高める人財開発と組織パフォーマンスの向上

④SDGsやCSR活動を基軸としたサステナビリティ経営

 ・環境保全への取組・SDGsへの取組

 ・コーポレートガバナンスの強化

 ・働く環境の整備

 ・BCPの整備

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

① LPガス容器弁等の中長期的な需要減少に対する競争激化リスク

 規制緩和やLPガス容器の大型化等の影響により、今後需要全体としては減少傾向にあると思われ、需給バランスの変化による受注競争の一層の激化が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 材料費の価格変動による収益影響リスク

 当社グループの製品群において、主材料の材料費率は比較的大きく、材料費の大幅な変動は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 海外での事業展開リスク

 当社グループでは、海外特に東アジアにおける需要拡大に対応するため、韓国に生産拠点を有する子会社を設立し、そこを拠点に韓国内、中国への展開を図っております。このため韓国、中国等のアジア地域の政治・経済情勢・法規制・税制等が変化した場合や現地での紛争、災害、感染症等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 品質保証リスク

 当社グループが生産する製品は、容器、配管及び設備機器の多岐に亘る分野に組み込まれています。当社グループでは、全生産拠点においてISO9001及びISO14001取得するなど、品質管理体制の維持・強化を図ってはおりますが、予期せぬ事象により当社グループ製品の不具合等に起因した最終製品の品質問題、リコール等が発生した場合、多額の費用負担や当社グループの信用低下によって、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 災害時の事業継続リスク

 当社は自然災害や事故等の緊急時に備えて、人命・安全の確保及び事業の継続に向けたBCP(事業継続計画)を作成しておりますが、被害の状況によっては、当社の事業活動が制限され、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  当連結会計年度の当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。
 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響を継続して受けながらも、従来型の行動規制からの変化など社会活動・経済活動の制限も徐々に緩和され、緩やかながらも回復に向けた動きをみせております。その一方、金利政策を背景とした急速な為替変動やロシアのウクライナ侵攻などの国際情勢の影響もあり、原材料価格や燃料価格の高騰など、依然として経済の先行きは不透明な状況が継続しております。

このような中、当社グループの主力商品であるLPG容器用バルブ部門の売上高は、主材料の黄銅の高騰を始め、様々なコストアップに対しての製品値上げや新規顧客獲得により、前年同期比増収となりました。配管用バルブ部門の売上高は、様々なコストアップに対しての製品値上げや、半導体関連業種を始め堅調な経済動向に下支えされた結果、前年同期比増収となりました。高圧ガスバルブ・ガス関連設備機器部門につきましても、半導体関連業種の好調さやデータセンター向け消火装置用弁の需要増、及び様々なコストアップへの対応としての製品値上げにより、前年同期比増収となりました。また、黄銅削り粉の売上も販売価格の上昇や取扱量の増加に伴い増収となり、全体の売上高は111億9千5百万円、前年同期比17億3千7百万円(18.4%)の増収となりました。

 

収益面におきましては、堅調な受注を背景に効率的な生産活動が行えたこと、コロナ禍を契機に企業活動の効率化やコスト削減努力を図ったこと、主要な原材料である黄銅材等、材料価格の高騰を受けて一部製品の販売価格の値上げにご理解を頂いたこと、並びに連結子会社ハマイコリアの収益状況に改善がみられたことなどにより、営業利益は10億9千6百万円、前年同期比5億8千6百万円(114.8%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益につきましても9億4千9百万円、前年同期比5億1千5百万円(119.0%)の増益となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

[バルブ事業]
 当社の主力商品であるLPG容器用バルブ部門は売上高44億1千万円(前年同期比22.6%増)、配管用バルブ部門は売上高20億5千7百万円(前年同期比11.0%増)、高圧ガスバルブ・ガス関連設備機器部門は売上高26億6千6百万円(前年同期比19.1%増)、その他売上高14億8千2百万円(前年同期比24.7%増)となり、営業利益7億1千3百万円(前年同期比483.8%増)となりました。

[不動産賃貸事業]
 賃貸収入は5億7千6百万円(前年同期比0.2%減)、営業利益は3億8千3百万円(前年同期比1.3%減)となりました。

 

財政状態の状況は次のとおりであります。

当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末と比較して、17億1千3百万円増加し、114億5千1百万円となりました。これは主に売掛金及び棚卸資産の増加によるものです。

当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末と比較して、2億3千9百万円減少し、83億3千7百万円となりました。これは主に投資有価証券が評価替により減少したことによるものです。

当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末と比較して、9億5千8百万円増加し、38億8千3百万円となりました。これは主に電子記録債務の増加によるものです。

当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末と比較して、9千3百万円減少し、16億1千5百万円となりました。これは主に繰延税金負債の減少によるものです。

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比較して、6億9百万円増加し、142億8千9百万円となりました。これは主に利益剰余金の増加によるものです。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して5億6千1百万円(前年比14.2%)増加し、44億8千7百万円となりました。

当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、10億7千万円の収入(前期は4億1千2百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益及び仕入債務の増減額によるものです。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、3億2千2百万円の支出(前期は1億9千2百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得によるものです。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、2億6百万円の支出(前期は2億7百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払によるものです。

 

(3)資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループは、運転資金や設備投資等に必要となる資金を、主に自己資金により調達しております。また、将来の経営環境の変化への対応や業務拡大に備える為、必要な資金を内部留保しております。

当社グループの運転資金のうち、主なものは製品の製造費用と販売費及び一般管理費であり、材料等の購入費、従業員への人件費、光熱費などのその他一般管理費等の支払いに係るものです。

 

 

(4)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は経営の収益性の観点から売上高営業利益率10%以上を目標に掲げ、また、経営の効率性の観点からROAやROICを重視項目に掲げております。

各種指標の推移は以下のとおりです。

 

87期

88期

89期

90期

91期

売上高営業利益率

5.6%

3.7%

5.9%

5.3%

9.7%

ROA

1.8%

1.3%

2.1%

2.3%

4.7%

ROIC

2.7%

1.7%

2.7%

2.8%

5.6%

 

(注)各指標はいずれも当社連結ベースの財務数値を用いて算出しております。

 

(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成してお

ます。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び

仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものに

ついては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであり

ます。

 なお、新型コロナウイルス感染症に関しては、当社グループの経営成績等に与える影響を検討した結果、連結財

務諸表の作成にあたって会計上の見積りに重要な影響を与える事象はないと判断しております。 

 

(6)生産、受注及び販売の状況

① 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

 

  生産高

(千円)

 

前年同期比
(%)

バルブ事業

8,689,831

15.1

不動産賃貸事業

合計

8,689,831

15.1

 

(注)上記金額は、製造原価を基準に記載しております。

 

 

② 受注実績

当社は法令または社内規格に基づき定められた方法による見込生産を主体としており、一部特殊仕様の製品については受注生産を行っておりますが、その売上高に占める割合は僅少であります。

 

③ 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

 

  販売高

(千円)

 

前年同期比
(%)

バルブ事業

10,618,336

19.5

不動産賃貸事業

576,931

△0.2

合計

11,195,267

18.4

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発は、バルブ事業を中心に開発しております。

当連結会計年度における研究開発活動は大別して次の2項目であります。
(1) 燃料電池自動車用容器用弁の開発

環境対策で将来主流になるとされる次世代燃料電池自動車用減圧弁付き水素ガス容器用弁の開発を国内自動車メーカーと共同で継続してまいりました。

これまでに蓄積した技術を応用し、超高圧対応バルブおよび安全弁の開発も併せ積極的に取組んでおります。

(2) 水素ガス供給ステーションのインフラ設備の普及

水素充填ノズルを主に、安全な製品を提供するため技術改良に取り組み、一部ステーションで運用を開始しております。

当連結会計年度に係る研究開発費は259百万円であります。