当社グループは、企業理念及び経営方針の実現が、企業価値の向上につながるものと考えています。これらの実現に向け、「人と地球のいのちを守る」という企業スローガンを掲げ、今後も邁進してまいります。
企業理念
当社は、心を込めたモノづくりと、絶えざる技術革新によって「安全で住みよい豊かな社会」に貢献し、真摯な企業活動を通じて社会との調和を図ります。
経営方針
● お客様の立場に立って、優れた製品を適正な価格で提供する。
● 収益を重視し、常に最大の価値を求め、透明で力強い経営を目指す。
● 創造性と行動力のある人材を育成する。
当社グループは、経営資源の最適な配分により、事業競争力を最大限に引き出すことで、企業価値の最大化に取り組んでおり、売上高営業利益率、ROE(自己資本当期純利益率)の向上に努めてまいります。
また、平成30年度を最終年度とする中期経営計画「Morita Advance Plan 1000」を掲げており、着実に成長を目指してまいります。
当社グループは、中期経営計画「Morita Advance Plan 1000」において定めた基本方針「新規市場の開拓」、「既存事業の収益力強化」、「商品開発力の強化」、「持続的成長に向けた投資の推進」に基づき、重点施策を推進し、さらなる企業価値の向上を目指してまいります。
事業ごとの基本戦略は、以下のとおりであります。
① 消防車輌事業
商品開発力と営業力強化により既存事業の国内シェアアップを図るとともに、統合シナジーの創出による海外事業の拡大を目指してまいります。
また、新規事業の育成、アフターサービス事業の強化・拡大、品質向上とコスト競争力の強化に取り組んでまいります。
② 防災事業
生産合理化・コストダウンによるシェア拡大と商品ラインナップ強化による新規市場の創出に取り組むとともに、協業会社との連携及びソリューション開発と営業力の強化に注力してまいります。
③ 産業機械事業
省エネ・リサイクル分野での新開発商品による売上拡大及びアフターサービス事業の強化・拡大を目指すとともに、生産性の向上とコスト競争力の強化に取り組んでまいります。
④ 環境車輌事業
新工場での生産改革による増産並びにコストダウンを推進し、新型塵芥車の市場投入・拡販によるシェアアップを図るとともに、特装車の商品力と営業力強化による売上拡大を図ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経済状況について
当社グループは、消防車、消火器、防災設備、環境保全車輌、環境機器の製造販売及び環境プラントの設計・施工を主な事業としております。主な売上先は官公庁及び一般企業のため、国の政策や経済状況の影響を受ける可能性があります。
(2) 製品の欠陥について
当社グループは、法で定められた安全基準及び独自の厳しい規格に基づき製品の製造を行っておりますが、全ての製品について欠陥がなく、将来にリコール等が発生しないという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながる製品の欠陥は経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 部品調達について
当社グループは、多数の取引先から原材料、部品等を調達しておりますが、取引先の経営状態や生産能力の事情による納品の遅延、価格の高騰等が生じた場合、経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 退職給付債務について
当社グループの退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は蓄積され、将来にわたって規則的に認識されるため、経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 海外市場での活動について
当社グループは、海外市場においても事業を行っておりますが、カントリーリスクや為替変動リスクなど特有のリスクが存在します。政治又は法律の変化、経済状況の変動等、予測困難な事態が発生した場合、経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 自然災害等について
地震、台風等の自然災害や、火災、停電等の事故災害が発生した場合、当社グループの設備等が被害を被り、事業展開に影響を及ぼす可能性があります。又、損害を被った設備等の修復費用が発生し、経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 季節変動について
売上高のうち、消防車輌事業の官公庁向け売上高の占める割合が高いこと等から、当社グループの業績は、上半期より下半期に偏る傾向があります。
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項目 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||||||
|
上半期 |
下半期 |
上半期 |
下半期 |
|||||
|
金額 (百万円) |
比率(%) |
金額 (百万円) |
比率(%) |
金額 (百万円) |
比率(%) |
金額 (百万円) |
比率(%) |
|
|
売上高 |
29,571 |
34.8 |
55,492 |
65.2 |
27,516 |
32.2 |
57,985 |
67.8 |
|
営業利益 |
1,850 |
19.2 |
7,798 |
80.8 |
950 |
11.2 |
7,533 |
88.8 |
|
経常利益 |
2,052 |
20.3 |
8,077 |
79.7 |
1,242 |
13.8 |
7,787 |
86.2 |
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済対策により、企業収益や雇用環境が改善するなど緩やかな回復基調で推移しましたが、新興国経済の減速や保護主義的な政策動向を背景とした世界経済の不安定化など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境のもと、当社グループは中期経営計画「Morita Advance Plan 1000」の2年目として、企業価値の向上に向けた諸施策に取組んでまいりました。
当連結会計年度の業績につきましては、防災事業が順調に推移した結果、売上高は前年同期比438百万円増加し、85,502百万円(0.5%増)となり、過去最高を更新しました。一方、利益につきましては、消防車輌事業の国内需要の減少や環境車輌事業の工場移転に伴う経費増加の影響等もあり、営業利益は前年同期比1,165百万円減少し、8,483百万円(12.1%減)、経常利益は前年同期比1,098百万円減少し、9,030百万円(10.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比298百万円減少し、5,741百万円(4.9%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
消防車輌事業は、前連結会計年度に国内需要が増加した反動により、前年同期比では売上高は2,198百万円減少し、49,781百万円(4.2%減)、セグメント利益(営業利益)は1,647百万円減少し、5,527百万円(23.0%減)となりました。
防災事業は、パッケージ型自動消火設備「スプリネックス」の売上が順調に推移したことにより、前年同期比では売上高は3,064百万円増加し、21,261百万円(16.8%増)、セグメント利益(営業利益)は872百万円増加し、2,101百万円(71.0%増)となりました。
産業機械事業は、製品受注が減少した中で、部品販売及びメンテナンスに注力しましたが、前年同期比では売上高は256百万円減少し、4,127百万円(5.8%減)、セグメント利益(営業利益)は142百万円増加し、191百万円(290.4%増)となりました。
環境車輌事業は、衛生車の需要が低調に推移したこともあり、前年同期比では売上高は、171百万円減少し、10,331百万円(1.6%減)、セグメント利益(営業利益)は619百万円減少し、611百万円(50.3%減)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
消防車輌 |
48,452 |
△4.0 |
|
防災 |
19,648 |
+12.2 |
|
産業機械 |
4,069 |
+6.6 |
|
環境車輌 |
10,276 |
△2.1 |
|
合計 |
82,446 |
+0.2 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格で表示しております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
消防車輌 |
47,084 |
△3.6 |
11,849 |
+1.4 |
|
防災 |
10,107 |
+51.8 |
3,927 |
+103.8 |
|
産業機械 |
4,607 |
△1.9 |
2,435 |
+24.6 |
|
環境車輌 |
9,992 |
△12.6 |
3,902 |
△8.0 |
|
合計 |
71,792 |
+0.2 |
22,115 |
+11.6 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格で表示しております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
4 防災事業の防災機器部門は見込生産を行っているため、上記の実績には含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
消防車輌 |
49,781 |
△4.2 |
|
防災 |
21,261 |
+16.8 |
|
産業機械 |
4,127 |
△5.8 |
|
環境車輌 |
10,331 |
△1.6 |
|
合計 |
85,502 |
+0.5 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、販売実績が総販売実績の100分の10以上となる相手先がないため、記載を省略しております。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における総資産は、114,839百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,801百万円増加いたしました。
流動資産は、59,894百万円となり8,242百万円増加いたしました。これは主に、受取手形及び売掛金の増加4,275百万円、たな卸資産の増加2,174百万円によるものです。
固定資産は、54,945百万円となり559百万円増加いたしました。うち、有形固定資産は、35,157百万円となり138百万円増加いたしました。無形固定資産は、5,229百万円となり171百万円減少いたしました。投資その他の資産は、14,558百万円となり592百万円増加いたしました。
流動負債は、34,841百万円となり5,185百万円増加いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加1,713百万円、電子記録債務の増加3,304百万円によるものです。
固定負債は、17,296百万円となり2,363百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金の減少2,442百万円によるものです。
純資産は、62,701百万円となり5,979百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上5,741百万円、為替勘定調整勘定の増加917百万円の一方で、剰余金の配当1,311百万円によるものです。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度の52.7%から53.8%となりました。
セグメントごとの資産は次のとおりであります。
消防車輌
消防車輌事業の資産は受取手形及び売掛金の増加等により、前年同期に比べ3,170百万円増加し、49,321百万円となりました。
防災
防災事業の資産は受取手形及び売掛金の増加等により、前年同期に比べ3,973百万円増加し、28,622百万円となりました。
産業機械
産業機械事業の資産は前年同期に比べ346百万円減少し、3,771百万円となりました。
環境車輌
環境車輌事業の資産は工場移転に伴い土地を全社資産に振り替えたことによる減少等により、前年同期に比べ2,194百万円減少し、16,893百万円となりました。
全社
全社の資産は現金及び預金の増加、環境車輌事業の土地を全社資産に振り替えたことによる増加等により、前年同期に比べ4,298百万円増加し、16,830百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,285百万円増加の9,172百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ468百万円減少し、7,213百万円の収入(前年同期は7,681百万円の収入)となりました。主な増加要因は仕入債務の増減額4,546百万円によるものです。一方、主な減少要因は税金等調整前当期純利益368百万円、たな卸資産の増減額1,695百万円、未払消費税等のその他の増減額1,733百万円、法人税等の支払額1,084百万円によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ4,201百万円増加し、2,372百万円の支出(前年同期は6,574百万円の支出)となりました。主な増加要因は、有形固定資産の取得による支出の減少2,987百万円によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ2,564百万円減少し、3,509百万円の支出(前年同期は945百万円の支出)となりました。主な増加要因は短期借入金の純増減額8,954百万円によるものです。一方、主な減少要因は長期借入れによる収入の減少9,714百万円、長期借入金の返済による支出の増加1,500百万円によるものです。
(4) 財務政策
内部資金又は借入れにより資金調達することとしております。借入れによる資金調達に関しては、運転資金については主に短期借入金で調達しており、生産設備や企業買収などの長期資金は固定金利の長期借入金で調達しております。
平成30年3月末現在、短期借入金370百万円、1年内返済予定の長期借入金2,442百万円、長期借入金8,765百万円となっております。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。
当連結会計年度における当社及び連結子会社の研究開発費の総額は、1,527百万円であり、各事業の研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
消防車輌事業におきましては、普通免許対応の車輌総重量3.5トン未満のCD-1型消防ポンプ自動車「ミラクル Light」を開発いたしました。平成29年3月の改正道路交通法の施行により、普通免許で運転できる車輌が3.5トン未満に引き下げられ、近い将来に消防活動にも影響することが予測されます。このような状況に対応するため、A2級ポンプの性能を実現するとともに、コンパクトで軽量なボデー設計などにより、車輌総重量が3.5トン未満で、排ガス規制値を満足する車輌を実現いたしました。また、「13mブーム付き多目的消防ポンプ自動車 MVF」をさらに進化させた、「多目的消防ポンプ自動車 MVF21」を開発いたしました。連結子会社であるフィンランドのBRONTO SKYLIFT OY ABとモリタがお互いの技術を活かして開発した21mのブームと国内発となる最大400㎏対応のバスケットを搭載しています。高所の作業を可能にするだけでなく、車椅子のままでも救助ができる機能を付加いたしました。一方、基礎的研究といたしましては、平成27年7月に発生したフェリー火災事故を重く見た国土交通省が、平成29年度に「フェリー火災に対応するための消火能力の強化」としてCAFS(圧縮空気泡消火装置)を船舶用に開発する研究案件を採択し、モリタグループで受注いたしました。船舶既設の電源と消火栓水を利用したCAFS装置試作品を完成させ、国土交通省の要求仕様を満足するとともに、水と泡の消火性能を比較実験し、CAFSの優位性を証明しました。今年度以降は商品化に向け取り組んでまいります。
これら消防車輌事業にかかる研究開発費は、1,220百万円であります。
防災事業におきましては、消火器部門において、アルミ製容器を使用した蓄圧式粉末消火器「アルテシモ」シリーズのメイン機種である10型(消火薬剤量3㎏)の「アルテシモⅡ」に、壁掛け設置に対応するための掛け具付きタイプを開発し、平成30年1月より販売を開始いたしました。従来からの特徴である、美しさ、安全性に加え、業界最軽量と利便性も高く、あらゆるシーンで設置いただける消火器として、価格をそのままに製品開発を実現しました。設備部門においては、パッケージ型自動消火設備Ⅰ型「スプリネックス」シリーズの制御盤の改良に着手し、施工性を向上させたモデルを開発し、平成29年9月より販売開始いたしました。また、主要部品の内製化促進を行い、生産性向上を実現し、法改正に伴うスプリンクラー設備等の設置需要に対して、今まで以上の安定供給を実現しております。
これら防災事業にかかる研究開発費は、72百万円であります。
産業機械事業におきましては、破砕機において、法改正に伴い一定の廃棄物の国外移動が規制される中、国内処理ニーズの需要が増えることに応え、循環型社会に貢献すべく、鉄、非鉄金属及びプラスチック等を含む廃棄物の破砕処理に特化した製品開発に取り組み、有価物選別のための前処理設備として、「竪型破砕機」を新たな製品ラインナップに追加し販売を開始いたしました。切断機においては、鉄スクラップの高効率切断処理の技術開発に取り組み、従来より20%のランニングコスト削減となる切断機を新たな製品ラインナップに追加し、800型切断機を市場投入いたしました。ユーザーの生産性向上、省エネニーズに応えるべく、今後も製品シリーズ拡大を図ってまいります。
これら産業機械事業にかかる研究開発費は、92百万円であります。
環境車輌事業におきましては、塵芥収集車において、前年度に開発した小型プレス式塵芥収集車「プレスマスター」の更なる機能向上、生産性向上及びシリーズ展開に取り組みました。また、ハイブリッド車の電動モータを利用した小型プレス式電動塵芥収集車「プレスマスター イー・セブン」の販売を平成29年6月より開始しました。プレスマスターの実用性を兼ね備えた美しく力強いデザインはそのままに、電動モータ駆動時のクラス最多の連続積み込み作業回数や低騒音化、駆動の切替方式など、これまで培った制御技術と架装技術の活用により利便性の向上を実現いたしました。
これら環境車輌事業にかかる研究開発費は、142百万円であります。